WO2005051110A1

WO2005051110A1 - 股つき矯正衣類

Info

Publication number: WO2005051110A1
Application number: PCT/JP2003/015284
Authority: WO
Inventors: Makoto Oyama; Atsuko Misaki; Yoshiaki Nakagawa
Original assignee: Wacoal Corp.
Priority date: 2003-11-28
Filing date: 2003-11-28
Publication date: 2005-06-09
Also published as: CN100466924C; US20080268749A1; AU2003284502A1; CN1838890A; US7670205B2

Abstract

　本発明は、骨盤廻りの筋肉に働きかけて姿勢を良くすることができ、しかも取扱が簡便で違和感なく着用することができるガードルを提供することを目的とする。本発明の主要構成は、緊締力の大きさが部位により異なる緊締部を、着用者の人体にフィットする部位に含んで構成されるガードル（ショート、ロング）類である。緊締布部２１は着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に延び、更に、緊締力を有する素材で構成されている。また、前側には体前面緊締布部２４が設けられている。

Description

明細書

股付き矯正衣類

技術分野

【0001】本発明は、姿勢矯正用のガードルのような股付き矯正衣類に関する。

背景技術

【0002】このような股付き矯正衣類としては、例えば日本国の特開 200 1 - 192903号公報のガードルが知られている。ここでは、仙骨から大臀筋の筋繊維方向に沿って、強い緊締カを生じさせる帯形状の強緊締カ部が設けられ、股関節を安定させることを主目的として、腰椎前湾を弱める機能を果たしている。また、腰痛対策や整体等の目的で用いられるガードルとしては、例えば日本国の特開平 6— 173 101号公報、日本国の特開平 10— 8303号公報、日本国の特開 2001— 104369号公報、日本国の特開 2001— 192903号公報に示されるものが知られている。

【0003】上記の特開平 6— 1 73 101号公報のガードルでは、腰部を水平方向に締め上げる帯状の骨盤矯正片が取り付けられており、特開平 10— 83 03号公報では帯状の固定具を取り付けたガードルが開示されている。また、特開 2001— 104369号公報では伸縮性の素材からなるバンドを腰部に卷き付けるようにしたガードルが開示されている。すなわち、右大腿部から左腰部、左大腿部から右腰部にかけて、人体の背面で交差する左右バンドを備えた腰痛治療用ガードルが開示され、伸縮性のバンドで骨盤全体を包み込むようになっている。

【0004】し力し、従来のガードルでは姿勢矯正の効果が低く、取扱も困難であった。例えば特開平 6— 173101号公報ゃ特開平 10— 8303号公報に示されるガードルでは、衣類の本体とは別体（又は一端が本体に縫着）のベルト状矯正片ゃ固定具を用いており、取扱が困難である。特開 2001— 1043 6 9号公報のガードルについても、衣類の本体とは別体の伸縮性バンドを用いているので、着用時に違和感があって取扱も容易でない。そして、これらのガードルは腰痛対策を主眼としており、姿勢のバランスを改善する効果は低い。

【0 0 0 5】このように、従来の姿勢矯正タイプの衣料は、上半身用の猫背矯正衣料や下半身用の腰痛予防衣料が中心で、骨盤廻りの筋肉に働きかけて全身の姿勢を良くしょうとする試みはなされていない。

【0 0 0 6】本発明は、緊締力により、骨盤廻りの筋肉が骨盤に作用させる力と同様の力を骨盤に働きかけることで姿勢を良くすることができ、しかも取扱が簡便で違和感なく着用できる股付き矯正衣類を提供することを目的とする。

発明の開示

【0 0 0 7】本明者のリサーチによると、骨盤が前傾していることで姿勢のバランスが悪くなつている人が少なくない。そこで、姿勢のバランスに各種各様の問題がある人をモニターとして、骨盤廻りの筋肉（梨状筋、腸腰筋、仙棘筋、外腹斜筋など）に沿ってテーピングを施し、姿勢変化や主観（着用感）を調べた。【0 0 0 8】その結果、特に骨盤が前傾気味の人については、梨状筋のサポートを施すことが姿勢矯正の効果が高く、外腹斜筋のサポートを併用すると、より一層の効果が見込めることが判明した。一方、仙棘筋については充分な姿勢矯正効果は認められなかった。

【0 0 0 9】なお、骨盤廻りの筋肉のうち梨状筋および外腹斜筋の位置を図示すると、図 1 A、図 1 Bにハッチングで描く通りである。梨状筋は、骨盤を背面から見た図 1 Aに示す通り、股関節に位置し、股関節を外旋させるための筋肉である。外腹斜筋は、人体を前面から見た図 1 Bに示す通り、腰部から腹部を通つて胸部にかけて広く位置している。

【0 0 1 0】また、人体の大転子、腸棘および仙骨の位置を図示すると、図 2 A〜図 2 Dの通りである。なお、図 2 Aは人体を前面から見た骨格、図 2 Bはその外形状、図 2 Cは人体を背面から見た骨格、図 2 Dはその外形状を示す。腸棘は図 2 Aおよび図 2 Bに示す通り、骨盤の外側頂部に位置し、大転子は図 2 Cおよび図 2 Dに示す通り、大腿骨の頂部に位置する。また、仙骨は図 2 Cおよび図 2 Dにハツチングで示す通り、骨盤中央の腰椎下部に位置している。

【0 0 1 1】本発明に係る股付き矯正衣類は、緊締部を着用者の人体にフイツトする部位に含んで構成され、緊締部は着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に延び、更に、緊締カを有する素材で構成され、着用状態で前中心のク口ツチ上方から左右の上方に向って延びる体前面緊締部を有することを特徴とする。

【0 0 1 2】また、本発明に係る股付き矯正衣類は、緊締力の大きさが部位により異なる緊締部を、着用者の人体にフィットする部位に含んで構成され、緊締部は着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に延び、更に、緊締カを有する素材で構成され、着用状態で前中心のクロッチ上方から左右の上方に向って延びる体前面緊締部を有することを特徴とする。【0 0 1 3】本発明によれば、着用者の人体に緊締カを付与する緊締部は、この衣類自体の構成要素を成すように、着用者の人体にフィットする部位に設けられているので、取扱が容易であって着用感を損なわない。そして、着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に延びる緊締部は、梨状筋をその長手方向でサポートして仙骨のやや下部を後ろから押すような作用を果たす。すなわち、臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に至る部位に強い緊締力が働くので、臀部に力がかかるようになつて脇部のテンションが弱くなり、したがってお尻に力を入れさせてお尻の穴を閉じさせるような働きをする。また、前中心のクロッチ上方から左右の上方に向つて延びる体前面緊締部を更に有するので、外腹斜筋に対しても作用を与えて姿勢を更に良くし得る。すなわち、臀裂上部近傍で発生する下方向に向う力と、体前面緊締部で発生する上方向に向う力で、前傾している骨盤を起こすような回転する力が発生するということになり、その意味では、体前面部のクロッチ部分とゥエスト部分のパワー差については、ウェスト部に向って徐々に緊締力が強くなると、上方向に押す力が強くなるので好ましい。

【0 0 1 4】ここで、大転子近傍の緊締力について言えば、まず、大転子に緊締カをかけることにより、脇方向（外側）から内側に向う力が発生する。それにより、骨盤の位置が正しい位置に収まる。言い換えれば、大転子の緊締カは、骨盤を定位置で安定させる働きがあると言える。また、大転子近傍に緊締カを発生させると、前述のように骨が定位置に収まるので、そこを支点として臀裂上部近傍に向い凸型になっている緊締部における「骨盤を押す力」がより効果的に働くことになる。このようにして、骨盤が定位置に収まったために、骨盤はスムーズな回転ができるようになる、と言える。

【0 0 1 5】本発明に係る股付き矯正衣類は、緊締力の大きさが部位により異なる左右一対の緊締部を、着用者の人体にフイツトする部位に含んで構成され、左右一対の緊締部は着用状態でそれぞれ左右の大転子近傍から臀裂の上部近傍に向かうように左右の臀部上部近傍に延び、更に、緊締カを有する素材で構成され、着用状態で前中心のク口ツチ上方から左右の上方に向って延びる体前面緊締部を有することを特徴とする。

【0 0 1 6】本発明によれば、着用者の人体に緊締カを付与する左右一対の緊締部は、この衣類自体の構成要素を成すように、着用者の人体にフィットする左右の部位に設けられているので、衣類としての取扱が容易であって着用感を損なわない。そして、着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に延びる左右一対の緊締部は、梨状筋をサポートして仙骨のやや下部を後ろから押すような作用を果たす。すなわち、臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に至る部位に強い緊締力が働くので、臀部に力がかかるようになって脇部のテンションが弱くなり、したがってお尻に力を入れさせてお尻の穴を閉じさせるような働きをする。また、前中心のクロッチ上方から左右の上方に向って延びる体前面緊締部を更に有するので、外腹斜筋に対しても作用を与えて姿勢を更に良くし得る。すなわち、臀裂上部近傍で発生する下方向に向う力と、体前面緊締部で発生する上方向に向う力で、前傾している骨盤を起こすような回転する力が発生するということになり、その意味では、体前面部のク口ツチ部分とウェスト部分のパワー差については、ウェスト部に向つて徐々に緊締力が強くなると、上方向に押す力が強くなるので好ましい。

【0 0 1 7】本発明に係る股付き矯正衣類において、着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に延びる緊締部は、臀裂上部近傍の緊締力が最も強いことが望ましく、このようにすれば、臀裂上部近傍に強い緊締力がかかるとともに、左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に至る方向に向かって緊締力が働くので、梨状筋に作用を与えて姿勢を更に良くし得る。

【0 0 1 8】本発明に係る股付き矯正衣類において、着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に延びる緊締部は、臀裂上部近傍の緊締力が最も強く、左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に至る方向に、徐々に弱くなつていくことが望ましく、このようにすれば、臀裂上部近傍に最も強い綮締力がかかり、更に左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に至る方向に向かって緊締力が働くので、梨状筋に作用を与えて姿勢を更に良くし得る。

【0 0 1 9】本発明に係る股付き矯正衣類において、着用者の太腿にフィットする太腿部を更に有し、緊締部は大転子近傍から更に太腿部の外側に沿って延びていることが望ましく、また、緊締部は更に足首に至っていることが望ましい。このようにすれば、大転子および骨盤廻りの筋肉に作用を与えて、全身の姿勢を改善する機能が高まる。

【0 0 2 0】本明に係る股付き矯正衣類において、緊締部は着用状態で臀部上部近傍において上部に向かって凸型に湾曲する形状をなしていることが望ましく、このようにすれば、着用感を更に向上させ得る。【0 0 2 1】本発明に係る股付き矯正衣類において、緊締部は、着用状態で上側に位置する上側緊締部と下側に位置する強い緊締カの下側緊締部を含んでいることが望ましく、このようにすれば、上側および下側緊締部が協働して梨状筋に好適に作用を与え、前傾姿勢の着用者の姿勢を良くする機能を高め得る。

【0 0 2 2】本発明に係る股付き矯正衣類において、緊締部は帯形状に構成されていることが望ましく、また、緊締部は編み立て一枚布のパワー切り替えにより形成されていることが望ましく、本発明の股付き矯正衣類としては、例えばガ一ドル、スパッツ、水着、タイツ、パンティストッキング、スポーツ用タイツ、レオタード、ボディスーツ、男性用のパンツ、ガードル、スパッツ、水着、スポーッ用タイツ等がある。

図面の簡単な説明

【0 0 2 3】図 1 Aは、人体の梨状筋の位置を説明する図である。

【0 0 2 4】図 1 Bは、人体の外腹斜筋の位置を説明する図である。

【0 0 2 5】図 2 Aは、人体を前面から見た骨格図における腸棘の位置を説明する図である。

【0 0 2 6】図 2 Bは、人体を前面から見た外形図における腸棘の位置を説明する図である。

【0 0 2 7】図 2 Cは、人体を前面から見た骨格図における仙骨および大転子の位置を説明する図である。

【0 0 2 8】図 2 Dは、人体を前面から見た外形図における仙骨および大転子の位置を説明する図である。

【0 0 2 9】図 3 Aは、実施形態のガードノレと、人体の腸棘、仙骨および大転子との位置関係を説明する着用状態背面図である。

【0 0 3 0】図 3 Bは、実施形態のガードルと、人体の腸棘、仙骨および大転子との位置関係を説明する着用状態側面図である。

【0 0 3 1】図 4は、実施形態の機能を人体の腰部の骨格から説明する図である。

【0 0 3 2】図 5は、実施形態の機能を模式的に説明する図である。

【0 0 3 3】図 6は、実施形態に係るショートガードルの背面側の構成を示す図である。

【0 0 3 4】図 7 Aは、図 6の実施形態に係るガードルの前側構造の一例を示す図である。

【0 0 3 5】図 7 Bは、図 6の実施形態に係るガードルの前側構造の一例を示す図である。

【0 0 3 6】図 7 Cは、図 6の実施形態に係るガードルの前側構造の一例を示す図である。

【0 0 3 7】図 7 Dは、図 6の実施形態に係るガードルの前側構造の一例を示す図である。

【0 0 3 8】図 7 Eは、図 6の実施形態に係るガードルの前側構造の一例を示す図である。

【0 0 3 9】図 8は、実施形態に係るショートガードルの姿勢矯正効果を説明する図である。

【0 0 4 0】図 9 Aは、実施形態の第 1変形例を示すショートガードルの背面斜視図である。

【0 0 4 1】図 9 Bは、実施形態の第 1変形例を示すショートガードルの背面斜視図である。

【0 0 4 2】図 1 O Aは、実施形態の第 2変形例を示すショートガードルの背面斜視図である。

【0 0 4 3】図 1 0 Bは、実施形態の第 2変形例を示すショートガードルの背面斜視図である。

【0 0 4 4】図 1 1 Aは、実施形態の第 3変形例を示すショートガードルの背面斜視図である。【0045】図 1 1 Bは、実施形態の第 3変形例を示すショートガードルの背面斜視図である。

【0046】図 1 1 Cは、実施形態の第 3変形例を示すショートガードルの背面斜視図である。

【0047】図 12は、実施形態の第 4変形例を示すショートガードルの背面斜視図である。

【0048】図 1 3は、実施形態の第 5変形例を示すショートガードルの背面斜視図である。

【0049】図 14Aは、実施形態の第 6変形例を示す口ングガードの背面斜視図である。

【0050】図 14Bは、実施形態の第 6変形例を示す口ングガードルの背面斜視図である。

【005 1】図 14Cは、実施形態の第 6変形例を示す口ングガードルの背面斜視図である。

【0052】図 14 Dは、実施形態の第 6変形例を示す口ングガードルの背面斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

【0053】以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。

【0054】図 3 Α、図 3 Βは、実施形態に係る股付き矯正衣類（ショートタイブのガードル）を示し、図 3 Aは着用状態を背面から見た図、図 3 Bは側面から見た図である。このガードルは、着用者の下腹部前面にフィットするフロントウェスト布部 1 1と、臀部にフィットするヒップ布部 1 2と、股部にフィットするクロッチ布部（図示せず）と、同様に着用者の人体（腰部）にフィットする緊締布部 21とを相互に縫製して構成される。着用者の腰部に緊締カを付与する緊締布部 2 1は、この衣類（ガードル）自体の構成要素を成すように、腰部に好適にフイツトする部位に設けられているので、取扱が容易であって着用感を損なわない。また、フロントウェスト布部 1 1の上部からやや下部寄りに逆三角形状の体前面緊締布部 2 4を有し、これも緊締カを有する素材で構成され、着用者の外腹斜筋をサポートしている。

【0 0 5 5】緊締布部 2 1は、着用状態で臀裂の上部から左右の臀部上部を通つて左右の大転子近傍に延び、概ね同一の幅を有する帯状をなしている。そして、緊締布部 2 1は緊締力の大きさが部位により異なる布地で構成され、臀裂の上部近傍に最も強い緊締力が働き、左右の臀部上部近傍から左右の大転子近傍に延びる緊締部は、徐々に弱くなつている。そして、着用状態で綮締布部 2 1は上方に凸の形状に湾曲し、その最上部は図 3 Aに示すように、臀裂の上部（仙骨の下部位置）にフィットしている。

【0 0 5 6】本実施形態に係るショートガードノレによれば、着用状態で臀裂の上部から左右の臀部上部を通って左右の大転子近傍に延びる緊締布部 2 1は、梨状筋をサポートして仙骨のやや下部を後ろから押すような作用を果たす。すなわち、臀裂の上部近傍に最も強い緊締力が働き、左右の臀部上部近傍から左右の大転子近傍に延びる緊締部は徐々に弱くなつているので、臀部に力がかかるようになって脇部のテンションが弱くなり、したがってお尻に力を入れさせてお尻の穴を閉じさせるような働きをする。臀部におけるガードルの布地は臀裂上部の緊締力が強く、お尻を突き出させるような力と着用者の脚を内股にさせるような力が発生する。つまり、図 4に矢印で示すように、骨盤を後傾させる力が作用するので、前傾気味の着用者の姿勢を良くする効果が奏される。

【0 0 5 7】図 5は、この作用を模式的に説明している。梨状筋サポートで仙骨（やや下部）を後から押す力（図中の矢印①）が働き、外腹斜筋サポートで腰椎の前湾を小さくする力（図中の矢印②）が働き、結果として腰部を前から後に回転させる力（図中の矢印③）が生じる。これにより、前傾姿勢気味の着用者の全身の姿勢が良くなる。【0 0 5 8】なお、緊締部の具体的構成としては、第 1に緊締部を構成する素材を「衣類本体の布地の上に貼り付けて」構成する、第 2に緊締部を構成する素材を「衣類本体の布地と縫着する」ことによって構成する、第 3に布地本体の「編み立て（丸編み Z経編み）一枚布でパワー切り替え」により構成する、の三通りがある。一例として、経編みについて言えば、ジャカード柄を帯状にカーブさせてパワーの強いところを設けたシングルラッセルジャカードか、トリコットジャカードか、ダブルラッセルジャカード生地で作り得る。また、緊締部は仙骨下部近傍の緊締カを最も強くして、延在する方向に沿って徐々に力が弱くなるようにすることができる。

【0 0 5 9】図 6は、別の実施形態に係るショートタイプのガードルの着用状態を背面から見た図である。このガードルは、フロントウェスト布部 1 1 (図示せず）、ヒップ布部 1 2およびクロッチ布部（図示せず）を有し、更に図 3 A、図 3 Bの実施形態と同様の緊締布部 2 1を有して構成される。

【0 0 6 0】図 7 A〜図 7 Eは、図 6の実施形態に係るガードルの前側の構造を示し、図 7 A〜図 7 Eはそれぞれ別の変形例の着用状態を斜め前側面から見た図である。図 7 Aのガードルでは、フロントウェスト布部 1 1に体前面緊締布部 2 3を有し、これが外腹斜筋をサポートしている。この体前面緊締布部 2 3は緊締カを有する素材で構成され、着用状態で前中心 (クロッチ上方) から左右の上方に向って延びる略 V字形状をなしている。図 7 Bのガードルは、フロントゥェスト布部 1 1の上部に逆三角形状の体前面緊締布部 2 4を有している。この体前面緊締布部 2 4も緊締カを有する素材で構成され、着用者の外腹斜筋をサポートしている。さらに、図 7 Cのガードルは、フロントウェスト布部 1 1の上部からやや下部寄りに菱形形状の体前面緊締布部 2 4を有し、図 7 Dのガードルは、フロントウェスト布部 1 1の上部からやや下部寄りに卵型形状の体前面緊締布部 2 4を有し、図 7 Eのガードノレは、フロントウェスト布部 1 1の上部からやや下部寄りに刀剣形状の体前面緊締布部 2 4を有している。これらの体前面緊締布部 2 4も緊締カを有する素材で構成され、着用者の外腹斜筋をサポートしている。【0 0 6 1】図 8は、本発明を適用したショートガードルの姿勢を良くする効果を示しており、点線はヌード状態のモニターの姿勢、実線は着用状態のモニタ一の姿勢を示す。図示の通り、前傾気味の姿勢が大きく改善されているのが理解できる。また、このようなショートガードルを着用したときには、姿勢を矯正する効果だけでなく、下半身の動きがスムーズとなる効果、ストライドが伸びる効果等がある。

【0 0 6 2】本発明の実施形態のように、左右の太腿の付け根から左右のヒップの上部を通り、臀裂上部で結合するライン（緊締布部 2 1のライン）で梨状筋をサポートすることが姿勢を良くする上で必須であり、次いで、腹部前面を前中心から脇側へ斜め上方に向けて広がるライン（体前面緊締布部 2 3、 2 4のライン）で主として外腹斜筋をサポートすることにより、姿勢をよくすることができる。

【0 0 6 3】本発明は、上記の実施形態や変形例に限らず、図 9 A〜図 1 4 D に示すように種々の態様が可能である。

【0 0 6 4】図 9 A、図 9 Bは、それぞれ実施形態の第 1変形例に係るショ一トタイプのガードルを背面から見た斜視図である。いずれの場合も、緊締布部 2 1は臀裂上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に至る方向に延びている。すなわち、図 9 Aのガードルでは、左右一対の緊締布部 2 1は臀裂上部に至るまで同一幅に構成され、図 9 Bのガードルでは、左右一対の緊締布部 2 1は臀裂上部で幅広に構成されている。

【0 0 6 5】図 9 A、図 9 Bのいずれの場合も、緊締布部 2 1の前側にはフロントウェスト布部 1 1、後側にはヒップ布部 1 2が設けられている。図 9 Bの緊締布部 2 1は臀裂の上部を巾広に覆っているが、緊締布部 2 1により強い緊締カがかかる部位は、臀裂上部近傍であり、左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に至る方向に向かって緊締力が働くので、梨状筋に作用して姿勢を良くする効果が優れている。

【0 0 6 6】図 1 0 A、図 1 0 Bは、それぞれ実施形態の第 2変形例に係るショートタイプのガードルを後面から見た斜視図である。この場合も、腰部の後中心には逆三角形状の後中心布部 3 1が縫着されている。また、緊締布部 2 1は臀裂上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に至る方向に延びている。すなわち、図 1 0 Aのガードルでは、左右一対の緊締布部 2 1は臀裂上部に向かって延び、左右一対の緊締布部 2 1は臀裂上部に至るまで同一幅に構成され、図 1 0 Bのガードルでは、左右一対の緊締布部 2 1は臀裂上部で幅広に構成されている。

【0 0 6 7】図 1 O A、図 1 0 Bのいずれの場合も、緊締布部 2 1の前側にはフロントウェスト布部 1 1、後側にはヒップ布部 1 2が設けられている。緊締布部 2 1は臀裂の上部を巾広に覆っているが、緊締布部 2 1により強い緊締力がかかる部位は梨状筋の下側に概ね沿っているので、特に図 1 0 Bのガードルでは梨状筋に作用して姿勢を良くする効果が優れている。

[ 0 0 6 8 ] 図 1 1 A〜図 1 1 Cは、それぞれ実施形態の第 3変形例に係るショートタイプのガードルを前面から見た斜視図である。いずれの場合も、着用者の臀部を覆う緊締布部 2 1が上側部分 2 1 Aと強い緊締力の下側部分 2 1 Bとで構成されている。また、緊締布部 2 1の前側にはフロントウェスト布部 1 1があり、後側にはヒップ布部 1 2がある。

【0 0 6 9】図 1 1 A〜図 1 1 Cが相互に異なる点は、緊締布部 2 1の下側部分 2 1 Bの形状である。図 1 1 Aでは、緊締布部 2 1の下側部分 2 1 Bは臀裂上部近傍の比較的狭い部分を被覆し、図 1 1 Bでは、緊締布部 2 1の下側部分 2 1 Bは臀裂上部から臀裂部に至る比較的広い部分を被覆し、図 1 1 Cでは、緊締布部 2 1の下側部分 2 1 Bは臀裂上部から大転子の後側に至る比較的広い部分を上側部分 2 1 Aに沿うように被覆している点である。

【0 0 7 0】この第 3変形例の場合も、緊締布部 2 1において、臀裂上部近傍の緊締力が最も強く、左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に至る方向に緊締力が働くので、梨状筋に作用して姿勢を良くする効果がある。特に、図 1

1 Cの場合は効果が大きい。また、緊締布部 2 1が上側部分 2 1 Aと下側部分 2

1 Bとで構成されるので、これらが有する緊締カを異ならせることが可能になる。【0 0 7 1】図 1 2は、実施形態の第 4変形例に係るショートタイプのガードルを背面から見た斜視図である。フロントウェスト布部とヒップ布部は特に区分されることなく、一体となってガードル本体 1 0を構成し、その臀裂上部には着用状態で左右に延びる長方形状の緊締布部 2 1が設けられている。この第 1 0変形例の場合も、緊締布部 2 1の綮締力の大きい部位は、臀裂上部近傍である。【0 0 7 2】図 1 3は、実施形態の第 5変形例に係るショートタイプのガードルを背面から見た斜視図である。緊締布部 2 1の前側にはフロントウェスト布部

1 1、後側にはヒップ布部 1 2が位置し、緊締布部 2 1は臀裂上部から大転子近傍に向かって延びている。緊締布部 2 1を複数の菱形形状の当て布を並べて配置して構成している。

【0 0 7 3】図 1 4 A〜図 1 4 Dは、それぞれ実施形態の第 6変形例に係る口ングタイプのガードノレの側面図である。図 1 4 A〜図 1 4 Dのいずれでも、ガードル布部 1 0は着用者の腰部から臀部を経て太腿部を覆うようになっている。着用者の腰部から臀部に緊締カを付与する緊締布部 2 1は、臀裂上部から大転子近傍に延び、図 1 4 C、図 1 4 Dの例では大転子近傍から更に下方に向かって膝部近傍に達している。なお、図 1 4 Aと図 1 4 B、図 1 4 Cと図 1 4 Dでは、図 1

4 Bおよぴ図 1 4 Dのガードルが臀裂近傍に逆三角形状の当て布 1 6を有している点で異なる。

【0 0 7 4】本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、ガードル、スパッツ、水着、タイツ、パンティストッキング、スポーツ用タイツ、レオタード、ボディスーツ、男性用のパンツ、ガードル、スノヽ。ッッ、水着、スポーツ用タイツ等に適用しても良い。産業上の利用可能性

【0 0 7 5】本発明に係る股付き矯正衣類によれば、着用者の人体に緊締カを付与する緊締部は、この衣類自体の構成要素を成して人体にフィットし、梨状筋をサポートして仙骨のやや下部を後ろから押すような作用を果たす。このように、梨状筋や外腹斜筋等の骨盤廻りの筋肉に働きかけて前傾気味の着用者の姿勢を良くすることができ、しかも取扱が簡便で違和感なく着用することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 緊締部を着用者の人体にフィットする部位に含んで構成され、前記緊締部は着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に延び、

更に、緊締カを有する素材で構成され、着用状態で前中心のクロッチ上方から左右の上方に向つて延びる体前面緊締部を有する

ことを特徴とする股付き矯正衣類。

2 . 緊締力の大きさが部位により異なる緊締部を、着用者の人体にフィットする部位に含んで構成され、

前記緊締部は着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左有の大転子近傍に延び、

更に、緊締カを有する素材で構成され、着用状態で前中心のクロッチ上方から左右の上方に向って延びる体前面緊締部を有する

ことを特徴とする股付き矯正衣類。

3 . 緊締力の大きさが部位により異なる左右一対の緊締部を、着用者の人体にフイツトする部位に含んで構成され、

前記左右一対の緊締部は着用状態でそれぞれ左右の大転子近傍から臀裂の上部近傍に向かうように左右の臀部上部近傍に延び、

ことを特徴とする股付き矯正衣類。

4 . 前記着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に延びる緊締部は、臀裂上部近傍の緊締カが最も強い

ことを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 3項のいずれか 1項に記載の股付き矯正衣類。

5 . 前記着用状態で臀裂の上部近傍から左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に延びる緊締部は、臀裂上部近傍の緊締力が最も強く、左右の臀部上部近傍を通って左右の大転子近傍に至る方向に、徐々に弱くなつていく

ことを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 4項のいずれか 1項に記載の股付き矯正衣類。

6 . 着用者の太腿にフィットする太腿部を更に有し、

前記緊締部は大転子近傍から更に前記太腿部の外側に沿つて延びていることを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 5項のいずれか 1項に記載の股付き矯正衣類。

7 . 前記緊締部は、更に足首に至っている

ことを特徴とする請求の範囲第 6項に記載の股付き矯正衣類。

8 . 前記緊締部は着用状態で臀部上部近傍において上部に向かって凸型に湾曲する形状をなしている

ことを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 7項のいずれか 1項に記載の股付き矯正衣類。

9 . 前記緊締部は、着用状態で上側に位置する上側緊締部と下側に位置する強い緊締カの下側緊締部を含んでいる

ことを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 8項のいずれか 1項に記載の股付き矯正衣類。

1 0 . 前記緊締部は帯形状に構成されている

ことを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 9項のいずれか 1項に記載の股付き矯正衣類。

1 1 . 前記緊締部は編み立て一枚布のパワー切り替えにより形成されていることを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 1 0項のいずれか 1項に記載の股付き矯正衣類。

1 2 . ガード^/、スパッツ、水着、タイツ、パンテイストツキング、スポーツ用タイツ、レオタード、ボディスーツ、男性用のパンツ、ガードル、スパッツ、水着、スポーツ用タイツのいずれかである

ことを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 1 1項のいずれか 1項に記載の股付き矯正衣類。