WO2005048795A1

WO2005048795A1 - 無煙ロースター

Info

Publication number: WO2005048795A1
Application number: PCT/JP2004/017067
Authority: WO
Inventors: Masuo Ota
Original assignee: Shinpo Kabushiki Kaisya
Priority date: 2003-11-18
Filing date: 2004-11-17
Publication date: 2005-06-02
Also published as: CN1878493A; KR100817960B1; TW200529788A; US20080202492A1; JP4135108B2; US7717107B2; KR20060090257A; TWI341722B; JP2005169095A; CN100484452C; US20070062514A1

Abstract

【課題】ロースターから生ずる排ガスを屋外又は屋内に排気するにあたり、当該排ガスから油煙や臭気をほぼ完全に除去することが可能な無煙ロースターを提供する。【解決手段】テーブルと、該テーブルの下方に設けたキャビネットにより構成し、該キャビネット内に排気流路を形成し、該キャビネット内に設けた外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に載置調理手段を設け、内箱の外側に吸引流路を設けると共に、該吸引流路の内側壁における載置調理手段の焼き面より上方に吸引孔を形成し、排気流路内に油脂濾過部と吸着脱臭部とHEPAフィルターとファンと排気口とを配置したことを特徴とする無煙ロースター。

Description

明細書

無煙ロースター技術分野

[0001] 本発明は、 HEPAフィルタ一にて排気を濾過する無煙ロースターに関するものである。

背景技術

[0002] 従来、焼肉店等に設置されたロースターから発生する排気を屋外へと排出すベぐ当該ロースターにはダクトが接続されている。このダクト下流側には脱臭装置が接続されており、一般的に、複数台のロースターから発生する排ガス力油煙や臭気を濾過した後に外気中へと排気する、「集中ダ外方式」が採用されていた。

[0003] 上記ダクトや脱臭装置は、その内部を洗浄したり濾過フィルターを交換するなどの定期的なメンテナンスが不可欠である力当該メンテナンスには多額の費用が必要であったため、焼肉店主などはこのメンテナンスを怠ることが間々あった。

[0004] しかし、上記メンテナンスを怠るとダクト内や濾過フィルターに「油脂」などが大量に蓄積し、この蓄積した油脂に火が触れて引火するとダクト火災が発生してしまう虞がめつに。

[0005] 一方、ロースターというのは、上記の如くダクトに接続されて屋外へと排気する方式のものだけでなぐ特許文献 1に記載の技術の如ぐ「ノンダクト方式」のロースターも従来から実用に供している。このノンダクト方式のロースターというのは、ロースター本体の内部にドレンボックス、吸引用のファン、フィルタ一等を装備し、ロースター本体内部で排ガスを浄ィ匕処理し、清浄後の排気を室内へと返還するものである。このノンダクト方式のロースターは店内の配置箇所がダクトの所在により制限されないので、レイアウトの自由度を高めることができるものである。

[0006] し力し、従来のノンダクト方式のロースターでは、ロースター本体内部での排ガスの浄化処理が必ずしも万全ではなぐ当該ロースターから生ずる排ガス力油煙や臭気を完全に除去することが困難であった。

[0007] また、上記の従来技術に係るノンダクト方式のロースターでは、調理部の焼面付近力吸引した焼煙を濾過フィルタ一等を通過させて浄ィ匕処理した後、該ロースターキャビネットの側壁に設けた排気ルーバー力も室内（店内）に排出していた。この排気は浄ィ匕処理はなされているものの、調理部の焼面から吸引したものである力もある程度の熱を帯びている。従って、当該ロースター力も排出される熱が前記排気ルーバ一付近へと局所的に集中するため、該ロースターを飲食店や会食会場等で使用する場合には、客席を前記排気ルーバーから離して配置する等の配慮が必要となり、その結果、客席のレイアウトに制限を加えることとなっていた。

[0008] 特許文献 1 :特開 2002-95593号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] そこで本発明は、上記諸問題の存在に鑑みて、ロースター力も生ずる排ガスを屋外又は屋内に排気するにあたり、当該排ガスから油煙や臭気をほぼ完全に除去することが可能な無煙ロースターを提供する。

課題を解決するための手段

[0010] 上記課題を解決すベぐ本発明が採った手段を各請求項毎に説明する。

[0011] まず、請求項 1に係る発明の無煙ロースターは、屋内に設置されるテーブルと、該テーブルの下方に設けたキャビネットと、該キャビネット内から屋外へと至る排気流路とにより構成し、該キャビネット内に設けた外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に載置調理手段を設け、内箱の外側に吸引流路を設けると共に、該吸引流路の内側壁における載置調理手段の焼き面より上方に吸引孔を形成し、排気流路内に油脂濾過部と吸着脱臭部と HEPAフィルターとファンとを配置して、当該 HEPAフィルターの下流側には床下又は床上に設置されて屋外へと連通するダクトが接続され、濾過清浄後の排気が前記ダクト内へと送出されることを特徴とするものである。

[0012] 次に、請求項 2に係る発明は、請求項 1に記載の無煙ロースターにおいて、前記排気流路内には、油脂濾過部、吸着脱臭部及び HEPAフィルターを順次配置したことを特徴とするものである。

[0013] また、請求項 3に係る発明は、請求項 1又は請求項 2に記載の無煙ロースターにおいて、前記油脂濾過部は、一次濾過フィルターと、二次濾過フィルターとを有することを特徴とするものである。

[0014] 更に、請求項 4に係る発明は、請求項 3に記載の無煙ロースターにおいて、前記二次濾過フィルタ一は 95%以上の捕集率としたことを特徴とするものである。

[0015] 請求項 5に係る発明は、請求項 4に記載の無煙ロースターにおいて、前記二次濾過フィルタ一は ULPAフィルタ一力なることを特徴とするものである。

[0016] 請求項 6に係る発明は、請求項 1乃至請求項 5に記載の無煙ロースターにおいて、前記載置調理手段はガスバーナーとしたことを特徴とするものである。

[0017] 請求項 7に係る発明は、請求項 1乃至請求項 5に記載の無煙ロースターにおいて、前記載置調理手段は IHヒーターとしたことを特徴とするものである。

[0018] 請求項 8に係る発明は、請求項 1乃至請求項 5に記載の無煙ロースターにおいて、前記載置調理手段は抵抗体を用いた電熱ヒーターとしたことを特徴とするものである

[0019] 請求項 9に係る発明は、テーブルと、該テーブルの下方に設けた複数の分割及び組立可能なボックスにより構成し、該ボックス内を流路部とすると共に、隣接する流路部を連結して排気流路を形成し、テーブル直下の上段ボックス内の外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に別部材からなる調理手段を載置するための載置台を設け、内箱の外側に前記排気流路へと連通する吸引流路を設けると共に、該吸引流路へと連通する吸引孔を前記載置台に載置される調理手段の焼き面よりも上方に形成して、前記排気流路内に油脂濾過部と吸着脱臭部と HEPAフィルターとファンと排気口とを配置したことを特徴とするものである。

[0020] 請求項 10に係る発明の分割式無煙ロースターは、テーブルと、該テーブルの下方に設けた複数の分割及び組立可能なボックスにより構成し、該ボックス内を流路部とすると共に、隣接する流路部を連結して排気流路を形成し、テーブル直下の上段ボックス内の外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に載置調理手段を設け、内箱の外側に吸引流路を設けると共に、該吸引流路へと連通する吸引孔を前記載置調理手段の焼き面よりも上方に形成して、前記排気流路内に油脂濾過部と吸着脱臭部と HEPAフィルターとファンと排気口とを配置したことを特徴とするものである。

[0021] 請求項 11に係る発明は、テーブルと、該テーブルの下方に設けた複数の分割及び組立可能なボックスにより構成し、該ボックス内を流路部とすると共に、隣接する流路部を連結して排気流路を形成し、テーブル直下の上段ボックス内の外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に別部材力なる調理手段を載置するための載置台を設け、内箱の外側に前記排気流路へと連通する吸引流路を設けると共に、該吸引流路へと連通する吸引孔を前記載置台に載置される調理手段の焼き面よりも上方に形成し、前記排気流路内に油脂濾過部と吸着脱臭部と HEPAフィルターとファンと排気口とを配置して、前記排気流路中、 HEPAフィルターの下流側であって排気口の上流側に供給口を配置し、当該供給口から本分割式無煙ロースターから生ずる排気の一部を前記上段ボックス内の載置調理手段へと送出可能としたことを特徴とするものである。

[0022] 請求項 12に係る発明は、テーブルと、該テーブルの下方に設けた複数の分割及び組立可能なボックスにより構成し、該ボックス内を流路部とすると共に、隣接する流路部を連結して排気流路を形成し、テーブル直下の上段ボックス内の外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に載置調理手段を設け、内箱の外側に吸引流路を設けると共に、該吸引流路へと連通する吸引孔を前記載置調理手段の焼き面よりも上方に形成し、前記排気流路内に油脂濾過部と吸着脱臭部と HEPAフィルターとファンと排気口とを配置して、前記排気流路中、 HEPAフィルタ一の下流側であって排気口の上流側に供給口を配置し、当該供給口から本分割式無煙ロースターから生ずる排気の一部を前記上段ボックス内の載置調理手段へと送出可能としたことを特徴とするものである。

[0023] 請求項 13に係る発明は、請求項 10又は請求項 12に記載の無煙ロースターにおいて、前記排気流路内には、油脂濾過部、ファン、吸着脱臭部、 HEPAフィルター及び排気口を順次配置したことを特徴とするものである。

[0024] 請求項 14に係る発明は、請求項 11乃至請求項 13に記載の分割式無煙ロースタ一において、テーブル下方に複数のボックスを分割可能に積重すると共に、これら積重された複数のボックスに対して側方ボックスを分割可能に配置し、当該側方ボックスには、その内部に HEPAフィルターを配設すると共に該側方ボックスの側面に排気口を形成し、該側方ボックスと前記テーブル直下に積重された複数のボックスのうちの最上段ボックスとを相互に連通させる供給口を設けたことを特徴とするものである。

[0025] 請求項 15に係る発明は、請求項 9乃至請求項 14に記載の分割式無煙ロースターにおいて、前記載置調理手段はガスバーナーであり、前記供給口から送出された排気の一部を、前記ガスバーナーにおいてガスを燃焼させるために利用することを特徴とするちのである。

[0026] 請求項 16に係る発明は、請求項 9乃至請求項 14に記載の分割式無煙ロースターにおいて、前記載置調理手段は IHヒーターであり、前記供給口から送出された排気の一部によって当該 IHヒーターを冷却することを特徴とするものである。

[0027] 請求項 17に係る発明は、請求項 9乃至請求項 14に記載の分割式無煙ロースターにおいて、前記載置調理手段は抵抗体を用いた電熱ヒーターであり、前記供給口から送出された排気の一部によって、上段ボックス内における外箱の外壁を冷却することを特徴とするものである。

[0028] 請求項 18に係る発明は、請求項 9乃至請求項 17に記載の分割式無煙ロースターにおいて、前記油脂濾過部は、一次濾過フィルターと、二次濾過フィルターとを有することを特徴とするものである。

[0029] 請求項 19に係る発明は、請求項 18に記載の分割式無煙ロースターにおいて、前記二次濾過フィルタ一は 95%以上の捕集率としたことを特徴とするものである。

[0030] そして、請求項 20に係る発明は、請求項 19に記載の無煙ロースターにおいて、前記二次濾過フィルタ一は ULPAフィルタ一力もなることを特徴とするものである。

発明の効果

[0031] 上記手段により、以下の効果を奏することとなる。

[0032] まず、請求項 1乃至請求項 8に係る無煙ロースターによれば、当該ロースターから発生する排気を油脂濾過部、吸着脱臭部及び HEPAフィルタ一にて濾過することにより油煙 ·臭気をほぼ完全に除去し、新鮮空気と遜色ないレベルにまで清浄ィ匕できることから、環境基準の厳し、場所にぉヽてもロースターを設置して使用することが可能となる。 [0033] また、当該ロースター力も発生する排気をダクト内へ送り込む前段階で、当該排気力油煙及び臭気をほぼ完全に除去することとなるため、前記ダクト内における油脂の蓄積を抑えることが可能となり、ひいては、ダクト火災の発生を防止することが可能となる。

[0034] さらに、濾過行程に配置される油脂濾過部、吸着脱臭部及び HEPAフィルターの順序は、当該濾過行程の上流側から下流側に至るに従って、捕集率の低いものから捕集率の高いものへと段階的に配置することにより、効率的な焼煙の浄ィ匕処理が可能となる。

[0035] そして、前記油脂濾過部を一次濾過フィルターと二次濾過フィルタ一とから構成した場合には、濾過行程の上流側に配置された一次濾過フィルターに対してロースタ一から発生する油脂を吸着させ、当該一次濾過フィルターを日常的な頻度で交換- 洗浄することによって二次濾過フィルターへの負荷を低減可能となり、ひいては、本無煙ロースターの使用によって生じるランニングコストの低廉ィ匕を図ることが可能となるのである。

[0036] また、油脂濾過部における二次濾過フィルターの捕集率を 95%以上とした場合には、当該二次濾過フィルターが排気に含まれる油脂の大半を吸着することとなり、濾過行程の下流側に配置された HEPAフィルターへの負荷を低減可能となり、ひ、ては、高価な HEPAフィルターへの交換サイクルの長期化を図ることができて、本無煙ロースターの使用によって生じるランニングコストの更なる低廉ィ匕を図ることが可能となるのである。

[0037] 尚、載置調理手段に IHヒーターを採用した場合には、例えば「肉」を焼いた場合にあっても油煙の発生量が少な、ために、各種フィルターの交換サイクルの長期化を図ることができ、ひいては、本無煙ロースターの使用によって生じるランニングコストの低廉ィ匕を図ることが可能となるのである。

[0038] 次に、請求項 9乃至請求項 20に係る分割式無煙ロースターによれば、調理手段の焼き面から生ずる排気を油脂濾過部、吸着脱臭部及び HEPAフィルターによって濾過することから、新鮮空気と遜色ないレベルにまで清浄ィ匕でき、クリーンな排気を実現することとなる。 [0039] 濾過行程に配置される油脂濾過部、吸着脱臭部及び HEPAフィルターの順序は、当該濾過行程の上流側から下流側に至るに従って、捕集率の低いものから捕集率の高いものへと段階的に配置することにより、効率的な焼煙の浄ィ匕処理が可能となる

[0040] また、前記油脂濾過部を一次濾過フィルターと二次濾過フィルタ一とから構成した場合には、濾過行程の上流側に配置された一次濾過フィルターに対してロースター力発生する油脂を吸着させ、当該一次濾過フィルターを日常的な頻度で交換することによって二次濾過フィルターへの負荷を低減可能となり、ひいては、本分割式無煙ロースターの使用によって生じるランニングコストの低廉ィ匕を図ることが可能となるのである。

[0041] さらに、油脂濾過部における二次濾過フィルターの捕集率を 95%以上とした場合には、当該二次濾過フィルターが排気に含まれる油脂の大半を吸着することとなり、濾過行程の下流側に配置された HEPAフィルターへの負荷を低減可能となり、ひ、ては、高価な HEPAフィルターへの交換サイクルの長期化を図ることができて、本分割式無煙ロースターの使用によって生じるランニングコストの更なる低廉ィ匕を図ることが可能となるのである。

[0042] なお、浄化処理後の排気の一部を供給口を介して上段ボックス内へと供給し、当該上段ボックスを通過して他の排気口力排気した場合には、当該ロースターからの排気熱を複数の箇所に分散させることが可能となり、ひいては、当該ロースターが設置される飲食店等において、客席レイアウトの自由度を高めることが可能となるのである

[0043] ここで、載置調理手段にガスバーナーを採用した場合において、尚かつ、上記

HEPAフィルターを通過して浄ィ匕された排気の一部を吸引ロカもロースター内部へと送り込む構成を採った場合には、清浄後の排気をガス燃焼用として利用することが可能となる。即ち、ガスを燃焼させるために必要な空気の大半を、ロースター力も発生して浄化された排気により賄うこととなる。この排気はロースターの燃焼部により熱せられており、室内にそのまま排気すれば空調にも影響を与えることとなる。しかし、 HEPAフィルターを通過して浄ィ匕された排気の一部を吸引ロカもロースター内部へと送り込んだ場合には、その浄ィ匕後の排気がガスの燃焼に用いるため、熱せられた排気の室内への排出量を減らすことが可能となり、尚かつ、ガス燃焼用としての空調空気の消耗を最小限に抑えることができる。そのため、空調コストへの影響をも抑えることが可能となるのである。また、力かる構成によれば、ガス燃焼用として室内の新鮮空気を取り込む必要がな、ことから、ロースター本体に「空気取入口」としての開口部が不要となる。即ち、当該開口部がホコリ等によって目詰まりすることに由来する、不完全燃焼という問題を解消させることが可能となるのである。

[0044] 一方、載置調理手段に IHヒーターを採用した場合において、尚かつ、上記 HEPAフィルターを通過して浄ィ匕された排気の一部を吸引口からロースター内部へと送り込む構成を採った場合には、清浄後の排気の一部を IHヒーター近傍を流れる冷却路を流通させることとなる。即ち、清浄後の排気の一部を IHヒーターの冷却用として利用可能となり、 IHヒーターの磁気コイルを効果的に冷却できて、ひいては、 IHヒーターへの負担を軽減することが可能となるのである。

[0045] また、載置調理手段に IHヒーターを採用することにより、例えば「肉」を焼いた場合にあっても油煙の発生量が少な、ために、各種フィルターの交換サイクルの長期化を図ることができ、ひいては、本分割式無煙ロースターの使用によって生じるランニングコストの低廉ィ匕を図ることが可能となるのである。

発明を実施するための最良の形態

[0046] 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

実施例 1

[0047] 図 1は実施例 1に係る無煙ロースターの概略断面図であり、設置例の 1つとして、「掘り炬燧」に設置されたロースターテーブルに対し、座敷床下に「油脂濾過部 19」と「吸着脱臭部 26」と「HEPAフィルター 29」力なる脱臭ユニットをダクトを介して接続した状態を示す図である。勿論、前記脱臭ユニットの設置箇所はこれに限定されるものではなぐ例えば、ロースターテーブル内へ組み込んだり、フロア面の下側に埋設したり、或いは、建物の天井裏に設置したり、或いは図 2に示すように、外壁を隔てて屋外に設置してもよい。更には、図 2に示すように、 1台の無煙ロースターにっき 1台の脱臭ユニットを接続する形態に限られず、複数台の無煙ロースターを 1台の脱臭ュニットに接続するものとしてもよい。

[0048] 本実施例に係る無煙ロースターは、濾過行程の上流側から「油脂濾過部 19」と「吸着脱臭部 26」と「HEPAフィルター 29」とを組み合わせて、ファン（図示しない）によつて上記濾過行程を流通させることにより臭気や煙の除去を行うものである。そして、前記油脂濾過部 19には「一次濾過フィルター 20」及び「二次濾過フィルター 21」が配置されており、前記吸着脱臭部 26には「活性炭」が配置されている。但し、図 1に示す形態にぉ、ては、前記一次濾過フィルター 20をロースター天板下側に配置してヽる。

[0049] 上記構成中、一次濾過フィルター 20というのは、粒子の大きなチリやカスなどを吸着して除去するものであり、以後の濾過行程における各種フィルターへの負担を軽減させる役割を果たしている。当該一次濾過フィルター 20には、一般に「プレフィルター」と称するものを使用している。より詳細には、ニッケル合金を網状に構成してなる多孔質フィルターである。

[0050] 次に、二次濾過フィルター 21というのは、本発明においては大気中における 0. 3 mの粉塵を 95. 0%以上捕集可能なフィルターを意味するものであり、ガラス繊維や紙質材料を不織布状に構成したものである。当該二次濾過フィルター 21には、一般に「中性能フィルター」と称するものを使用している。ここで、二次濾過フィルターにおいて 95%以上の捕集率を確保するためには、当該二次濾過フィルターにっき ULPAフィルター（Ultra Low Penetoration Air Filter)を採用することが好適と考えられる。

[0051] 更に、本発明にお、て HEPAフィルター（High Efficiency Particulate Air Filter)と!ヽうのは、大気中における 0. 3 mの粉塵を 99%以上 (好適には 99. 90%以上，最適には 99. 97%以上)捕集可能なフィルターを意味するものであり、ガラス繊維や紙質材料を不織布状に構成したものである。

[0052] 本実施例に係る無煙ロースターによれば、当該ロースター力発生する排気を油脂濾過部 19,吸着脱臭部 26及び HEPAフィルター 29にて濾過することにより油煙 '臭気をほぼ完全に除去し、新鮮空気と遜色な、レベルにまで清浄ィ匕することが可能となる。 [0053] また、前記油脂濾過部 19を一次濾過フィルター 20と二次濾過フィルター 21とから構成しており、当該一次濾過フィルター 20をロースター天板下側に配置することにより、ドレンパン等を洗浄するついでに当該一次濾過フィルター 20を容易に交換できてメンテナンス性を向上させている。また、濾過行程の上流側に配置された一次濾過フィルター 20に対してロースターから発生する油脂を吸着させ、当該一次濾過フィルター 20を日常的な頻度で交換することによって二次濾過フィルター 21への負荷を低減可能となり、ひいては、本無煙ロースターの使用によって生じるランニングコストの低廉ィ匕を図ることが可能となるのである。

[0054] そして、油脂濾過部 19における二次濾過フィルター 21の捕集率が 95. 0%以上としたこと力ら、当該二次濾過フィルター 21が排気に含まれる油脂の大半を吸着することとなり、濾過行程の下流側に配置された HEPAフィルター 29への負荷を低減可能となり、ひいては、高価な HEPAフィルター 29への交換サイクルの長期化を図ることができて、本無煙ロースターの使用によって生じるランニングコストの更なる低廉化を図ることが可會となるのである。

[0055] 以上から、濾過行程の上流側から下流側に向けて各種フィルターの捕集率を段階的に上げて配置することにより、効率的且つ安価に油脂や臭気の除去を行うことが可能となるのである。

実施例 2

[0056] 図 3は実施例 2に係る分割式無煙ロースターの概略断面図である。

[0057] 本実施例に係る分割式無煙ロースターは載置調理手段としてガスバーナーを採用したものであり、図 8又は図 9に示すように、テーブル 1 (「天板」に相当する）及び該テ一ブル 1の下方に分割可能に組み立てた複数個のボックス 2, 2a…により構成し、隣接するボックス 2, 2a…をボルト、ナットなどにより連結固定している。また図 3に示すように、ボックス 2, 2a…内を流路部 3, 3a…とすると共に、隣接する流路部 3, 3a…を連結して排気流路 4を形成したものである。尚、本実施例の構成中、「油脂濾過部 19 」と「1"¾? フィルター 29」の作用効果について、上記実施例 1と共通する部分はその説明を省略する。

[0058] テーブル 1の下方には、 3個のボックス 2, 2a, 2bを分割可能に積重すると共に、該ボックス 2, 2a, 2bの一側方に縦長状の側方ボックス 2cを分割可能に配置している。

[0059] 上段ボックス 2内に外箱 5を配置すると共に、該外箱 5の上部にして、テーブル 1に形成した開口部 6内に相当する位置に、該開口部 6より小径な上方開口部 7を形成している。

[0060] また、上記外箱 5の内部にして上記上方開口部 7より下方に上方開口状の内箱 8を配設し、該内箱 8の外側、即ち外箱 5と内箱 8の間に流路部 3である吸引流路 9を形成し、該吸引流路 9は排気流路 4における最上流に位置している。即ち、図 4に示すように、上段ボックス内には外箱 5と内箱 8とを設置して三重構造とすることにより、外箱 5と内箱 8との間を流路部 3とし、上段ボックス内壁面と外箱 5との間の斜線で示した部分を流路部 3dとしている。前記流路部 3は、調理手段の焼面付近から吸引された (未だ浄ィ匕処理が施されていない）焼煙が通過し、前記流路部 3dは、前記焼煙に浄ィ匕処理が施されてなる排気が通過することとなる。

[0061] 前記外箱 5と内箱 8との間（吸引流路 9)の上方隙間をトップリング 10で閉鎖し、該トップリング 10に複数個の吸引孔 11, 11a…を形成している。つまり、吸引流路 9を形成する内側壁にして、後述する載置調理手段 14より上方に吸引孔 11, 11a…が形成されている。

[0062] 内箱 8内の下方にはバーナー 12を設け、内箱 8の下方部にドレンパン 13を一体形成している。また、内箱の上方にして吸引孔 11, 11a…より下方にロストル、焼き網等の載置調理手段 14を配設してヽる。

[0063] 中段ボックス 2a内を流路部 3aとし、該流路部 3aの一側方上部に、外箱 5の下部より下方突設した連通口 16の接続口 17を形成し、流路部 3aの上流側にして接続口 17 の下方に傾斜板 18を配設して、接続口 17から流入した煙力後述する油脂濾過部 19側へ滞りなく流れるようにして、る。

[0064] 流路部 3a内に油脂濾過部 19を配設し、該油脂濾過部 19を、上流側の一次濾過フィルター 20と、該一次濾過フィルター 20の下流側に設けた二次濾過フィルター 21と、該二次濾過フィルター 21の下流側に設けた脱煙フィルター 22により構成している。一次濾過フィルター 20及び脱煙フィルター 22は矩形枠内に設置されて、中段ボックス 2aに対し着脱自在とし、二次濾過フィルター 21は流路部 3a内に傾斜状態で、中段ボックス 2aに対し着脱自在として、る。

[0065] 本実施例にお!、て、前記一次濾過フィルター 20には、ニッケル合金を網状に構成してなる多孔質フィルター（プレフィルター）を採用し、前記二次濾過フィルター 21及び脱煙フィルター 22には ULPAフィルターを採用している。尚、本発明において油脂濾過部 19は斯様な構成に限定されるものではなく、一次濾過フィルター 20だけを配置するもの、二次濾過フィルター 21だけを配置するもの、一次濾過フィルター 20と二次濾過フィルター 21とを組み合わせて配置するもの、二次濾過フィルター 21と脱煙フィルター 22とを組み合わせて配置するもの、一次濾過フィルター 20と脱煙フィルタ一 22とを組み合わせて配置するもの等々、あらゆる構成を採用できる。

[0066] 下段ボックス 2b内を流路部 3bとし、該流路部 3bの他側方上部に、中段ボックス 2a の下部より下方突設した連通口 23の接続口 24を形成し、流路部 3bの上流側にして接続口 24の下方にファン 25を配設して、排気流路 4の上流側の煙を吸引して下流側へ吹き出すようにして、る。

[0067] 流路部 3bの下流側に吸着脱臭部 26を配設し、該吸着脱臭部 26は 2個のフィルタ一 27, 27aを流れ方向に並べて構成し、該フィルター 27, 27aは上下通気可能にして、下段ボックス 2bに対し着脱可能なボックス 28、 28a内に、例えば活性炭（更に好適には「竹炭」）や、活性白土の如き吸着脱臭材を充填している。また、 2個のフィルター 27, 27aを、下流側のものが高くなるように階段状に配置している。

[0068] 吸着脱臭部 26の下流側には連通口 31を形成すると共に、側方ボックス 2cの内側面下部に連通口 31への接続口 32を形成して側方ボックス 2cを接続する。当該側方ボックス 2cの外側面及び下部に排気口 30が形成され、該側方ボックス 2c内に HEPA フィルター 29を配置して、る。当該 HEPAフィルター 29は平板状に不織布と蛇腹形状の不織布の複合材と、その下流側に配置された蛇腹形状の不織布とから構成されている。

[0069] そして、ファン 25により吸引孔 11, 11a…から流路部 3 (吸引流路 9)内に吸い込まれた煙が、連通口 16及び接続口 17を介して中段ボックス 2aの流路部 3a内に流入し、油脂濾過部 19を通過することで脱脂処理され、次に連通口 23,接続口 24を介しフアン 25により下段ボックス 2bの流路部 3b内に送り込まれて吸着脱臭部 26により微粒子及び臭気成分が除去され、更には、連通口 31及び接続口 32を介して側方ボックス 2c内の流路部 3c内に送り込まれ、最終的に HEPAフィルター 29を通過させることにより油脂 ·微粒子 ·臭気成分等が除去され、ほぼ完全に清浄化された排気の一部が排気口 30より外部排出される。

[0070] また、図 3に示すように、前記側方ボックス 2cの上部には、上段ボックス 2内部へと連通する供給口 33が穿設されており、該供給口 33から浄化処理が施された排気の一部が当該上段ボックス 2内の流路部 3dへと供給されることなる。そして、当該流路部 3dへ供給された排気は、該上段ボックス 2の他方側に設けた第 2排気口 34から排気される。力かる構成を採用することにより、当該ロースター力もの排気熱を複数の箇所に分散させることが可能となるのである。

[0071] なお、流路部 3dへ供給された排気の一部はバーナー 12側へと供給され、当該流路部 3d内のバーナー 12において燃焼用ガスと混合して、燃焼させることが可能となる。但し、当該流路部 3d内は供給口 33から入る排気によって与圧された状態となり、ガスバーナー 12による燃焼に影響を与える可能性もある。この点、前記上段ボックス 2に設けた第 2排気口 34から余分な圧力を外部に排出することにより、ガス燃焼への影響を最小限に抑えることが可能となる。更に、図 3に示すように、ガスバーナー 12 の空気取り入れ口「C」と上段ボックス 2の側壁（図中、左端に示すの「側壁」）との距離を空けて配設することにより緩衝室 Bを設けている。この緩衝室 Bにより、変動する圧力の均一化を図ることとなり、ガス燃焼への影響を最小限に抑えることが可能となる

[0072] また、供給口 33から入る排気は常に一定の風量ではないことから、供給口 33から入る排気の量がガス燃焼に必要な量に満たない場合もあり得る。この場合には、前記第 2排気口 34から外気を取り入れることにより、ガスの不完全燃焼を防止することが可能となる。ここで、上記第 2排気口 34からは、通常、浄化処理後の排気が排出されているので、当該第 2排気口 34がホコリ等によって目詰まりする可能性は低い。従つて、該第 2排気口 34から外気を取り入れる場合にあっても、開口部がホコリ等によつて目詰まりすることに由来する、不完全燃焼という問題は回避できるのである。

[0073] さらに、浄化処理が施された排気というのは、そもそも焼面の周縁から吸引したものであることから、酸素を含む比率が低い可能性もある。力かる場合には、前記排気口

30からも新鮮空気を取り入れることが可能であるから、不完全燃焼の虞も否定できる。尚、吸引孔 11からは焼煙 ·油煙と共に新鮮空気をも吸引しているので、浄化処理後の排気中にあってもガス燃焼に必要な酸素濃度は確保可能である。

[0074] ここで、本実施例に係るロースターにおいて燃焼用として供給される空気は、全排気量の約 50%が好適と考えられる。尚、側方ボックス 2cに設けた排気口 30の開口面積を調整することにより、全排気量における上段ボックス 2内部に対する供給量を調整することができる。

[0075] なお、上記の如く浄ィ匕処理を施した排気の一部を上段ボックス 2内に送出することにより、当該上段ボックス 2内に配設した外箱 5の外面を冷却することが可能となるので、該上段ボックス 2側壁の温度上昇の防止にも資することとなる点、併せて付言する。

[0076] 一方、再利用資源を活用すべきとの観点から、各ボックス 2, 2a…を金属製にして、正面開口状のボックス本体及び該ボックス本体の外側に取り付けるプラスチック製力バーで構成してもよぐ解体時にリサイクルし易いように、ボックス本体に対しプラスチック製カバーを着脱可能にしてもょヽ。

[0077] 以下、本実施例に係る分割式無煙ロースターを分割可能な構成としたことによる作用'効果を説明する。

[0078] 本実施例に係る分割式無煙ロースターにあっては、 1枚のテーブル 1と 4個のボックス 2, 2a, 2b, 2cに分割されることから、保管'運搬時には分解状態で、現場搬入後に組立ることか可能になり、取り扱い易くなる。

[0079] 即ち、テーブル 1と、該テーブル 1の下方に設けた複数の分割及び組立可能なボッタス 2, 2a…により構成し、該ボックス内に流路部 3, 3a…を設けると共に、隣接する流路部 3, 3a…を連結して排気流路 4を形成したので、テーブル 1及び複数個のボッタス 2, 2a…に分解可能にしても、組立状態において排気流路 4を確保することができる。

[0080] また、テーブル 1直下の上段ボックス 2内の外箱 5の上方開口部 7内に上方開口状の内箱 8を設けると共に、該内箱 8内に載置調理手段 14を設け、内箱 8の外側に吸引流路 9を設けると共に、該吸引流路 9の内側壁に吸引孔 11 , 11a…を形成し、排気流路 4内に油脂濾過部 19,ファン 25,吸着脱臭部 26, HEPAフィルター 29を順次配置したので、小型化されたボックス 2, 2a- · ·に各種部品を組み付ければよ!、ため、製造時の組立作業の容易化を図ることができ、且つ修理時においても、各ボックス 2 , 2a…に分割すれば修理作業を容易に行うことができ、修理不能な場合にあっては、該当するテーブル 1又は各ボックス 2, 2a…だけを交換することができる。

[0081] 更に、テーブル 1又は各ボックス 2, 2a…に分割して梱包することから、荷姿がコンパクト化されるため、運搬'保管時の取扱性が容易になり、特に平面的に大きいテーブル 1は立てて収容することが可能で、運搬'保管時におけるデッドスペースを極めて少なくすることができるため、限られた収容空間を有効的に利用することかでき、よつて全体的な流通経費削減を図ることができる。

[0082] そして、テーブル 1下方に分散配置されていた各種部品を、各ボックス内に収容機器に応じて収容することで、デッドスペースが減少するため、本発明に係る分割式無煙ロースターを全体的にコンパクトィ匕することができる。

[0083] 本実施例では、ボックス 2, 2a…を 4個として、 3個を分割可能に積重すると共に、残る 1個を 3個のボックス 2, 2a, 2bの側方に分割可能に配置するものとしている。そして、中段ボックス 2aにおける流路部 3a内に油脂濾過部 19を配設し、下段ボックス 2b における流路部 3b内の上流にファン 25を、下流側に吸着脱臭部 26を配設し、側方ボックス 2c内に HEPAフィルター 29を配設すると共に、側方ボックス 2cの側面に排気口 30を形成している。そのため、本分割式無煙ロースター内において比較的長い排気流路を確保できることから圧力損失が大きくなり、吹出し時の勢いも弱くなる。而も排気をテーブル 1の短辺に沿った通路側に配置された側方ボックス 2cの略全面から吹き出させることが可能になるため、来店客の足元に対して勢いよく排気が吹き出してしまうことを防止できる。

[0084] 吸着脱臭部 26を、上下方向に通気可能な複数個のフィルター 27, 27aを流れ方向に並べて構成したので、使用可能なフィルター 27, 27aをそのままにして、使用不能になったフィルター 27, 27aの吸着脱臭材だけを交換すればよぐ 1度の交換量を減らすことができる。尚、前記吸着脱臭剤は、予め必要量毎に通気性の高い生地によって袋詰めしておけば袋毎に交換でき、メンテナンス性の向上を図ることができる。

[0085] 而も、複数個のフィルター 27, 27aを下流側へ序々に高くするように配置したので、煙中の大きく重い粒子はフィルター 27, 27aにおける手前側のものに吸着され、小さく軽い粒子はフィルター 27, 27aにおける奥側のものに吸着されるため、フィルター 2 7, 27aにおける奥側のものの交換頻度を少なくして、手前側のものだけを交換するだけで、高い吸着脱臭機能を維持することができる等、その実用的効果甚だ大である。

実施例 3

[0086] 図 5は実施例 3に係る分割式無煙ロースターの概略断面図である。

[0087] 本実施例に係る分割式無煙ロースターは、その載置調理手段として IHヒーターを採用したものであり、その他の構成は上記実施例 2と共通である。従って、本実施例独自の構成及び作用効果についてのみ説明し、上記実施例 2共通する部分についてはその説明を省略する。

[0088] 本実施例に係る分割式無煙ロースターは、いわば熱源として IHヒーターを採用した点に特徴を特徴を有するものである。即ち、 IHヒーターでは誘導加熱される鉄板からの熱伝導が主であるのに対し、ガス加熱等では遠赤外線効果を利用した輻射熱と熱対流のため、上記 IHヒーターがガス加熱等に比して調理物に対する入熱量と加熱温度は低い特性がある。従って、 IHヒーターで肉を焼いた場合には、ガス火焰の場合に比しても油煙の発生量が少ないことが判明している。これは、熱せられた肉から生ずる肉汁力火焰によっては燃焼されないことに理由がある。

[0089] 換言すれば、本実施例に係る分割式無煙ロースターは、油煙の発生量が少なく抑えることが可能であるから、脱臭ユニットにおける各種フィルター及び活性炭への負荷を軽減できて、これら消耗部品の交換サイクルを長期化することが可能となり、ひいては、本分割式無煙ロースターを使用することにより生ずるランニングコストを低廉化させることが可能となるのである。

[0090] また、本実施例に係る分割式無煙ロースターには、上記実施例 2と同様に図 5に示すように、側方ボックス 2cの上部に、上段ボックス 2内部へと連通する供給口 33が穿設されており、該供給口 33から清浄化された排気の一部が当該上段ボックス 2内部へと供給される。該上段ボックス 2内部へと供給された (一部の)排気は、上記流路部 3の外側、即ち、外箱 5の更なる外側に相当する流路部 3dから、 IHヒーターの下側を流通して、前記上段ボックス 2の反対側に設けた第 2排気口 34から外部へと放出することとなる。カゝかる構成によれば、当該 IHヒーターにおける電磁誘導コイルから生じて冷却ファン力も放出される「熱」を効率的に外部へと放出することができ、該 IHヒーターへの負担を軽減できて、本分割式無煙ロースター自体の耐久性を向上させることが可能となる。また、上記の如く浄ィ匕処理を施した排気の一部を上段ボックス 2内に送出することにより、当該上段ボックス 2内に配設した外箱 5の外面を冷却することが可能となるので、該上段ボックス 2側壁の温度上昇の防止にも資することとなる。

[0091] さらに、本実施例に係る分割式無煙ロースターには、予め IHヒーターを装着することなぐ別部材に係る既製の IHヒーターを後付け可能に構成してもよい。

[0092] 尚、本実施例に係るロースターにおいて燃焼用として供給される空気は、全排気量の約 10%から約 30%程度が好適と考えられる。

[0093] 但し、上記各実施例においては、その熱源として「ガス火焰」或いは「IHヒーター」を例示したが、本発明は上記構成に特段限定されるものではなぐ例えば、図 6に示すように「シーズヒーター」（抵抗体を用いた電熱ヒーター）を前記上段ボックス 2内に組み込んで、他のボックスに積層して利用することが考えられる。力かる熱源を採用し、排気の一部を上段ボックス 2内に送出する構成を採った場合には、この流路部 3d内の排気によって外箱 5の外面を冷却することが可能となるので、該上段ボックス 2側壁の温度上昇の防止にも資することとなる。

[0094] 熱源に関しては上記例示の他、「ハロゲンヒーター」、「カセットコン口」、「ホットプレート」或いは「炭火を入れた七輪」等々を前記上段ボックス 2内に予め組み込んだり、或いは後付けしてもよヽ。特に「炭火を入れた七輪」を熱源として利用した場合には、供給口 33から供給される清浄後の排気が当該七輪側壁の空気取入口から供給されることとなり、いわば、団扇で扇いだ状態となり、炭火を効率よく燃焼させることができて好適である。

[0095] 即ち、ボックス 2, 2a…には共通部品を多く採用することにより、各種のボックスを組み合わせることで、焼き網部の形状 (角形又は丸形)、熱源のタイプ等、各種バリエ一シヨンを選択して組立ることができ、ユーザーの細かなニーズに応えることが可能となるのである。

[0096] さら〖こは、本発明に係る分割式無煙ロースターのテーブル 1の構成を変更することにより、「無煙フライヤ一」として利用したり、或いは「調理手段を備えたワゴン」として禾 IJ用してもよい。尚、「ワゴン」として利用する場合においては、調理手段の自由度を高めることを目的として、図 7 (a)に示すように、予め調理手段を設けずに「別部材の調理手段」を載置可能な載置台を設けてもよい。この場合には、載置される調理手段の焼き面よりも上方に、吸引流路へと連通する吸引孔を配置されるように配慮すべきである。尚、特に図 7 (b)に示す「ワゴン」は、伸縮自在なフードを装着しているため、調理手段の焼き面力立ち上る焼煙 ·油煙をより一層効率的に吸引することが可能となる。尚、この図 7に示す「ワゴン」は、調理手段の設置スペース (載置台）を確保する必要上、同図 (b)に示すように、焼煙，油煙を吸引する吸引孔 11は調理手段の奥側へ溝状に形成し、流路部 3を介して中段ボックス 2aへと連通させている力その他の基本的な構造は上記実施例 2と同様である。

[0097] 以上、加熱部を取り替えることによって多彩な調理方法が選択できるため、所謂「多目的無煙ロースター」や「多目的無煙ワゴン」の提供が可能となるのである。

図面の簡単な説明

[0098] [図 1]実施例 1に係る無煙ロースターを設置した一例を示す図である。

[図 2]ロースター 1台につき脱臭ユニットを 1台づっ接続した状態を上方力示す図である。

[図 3]実施例 2に係る分割式無煙ロースターの内部を示す図である。

[図 4]図 3に示す分割式無煙ロースターにおける最上段ボックスの内部を示す図である。

[図 5]実施例 3に係る分割式無煙ロースターの内部を示す図である。

[図 6]「シーズヒーター」（抵抗体を用いた電熱ヒーター）を前記上段ボックス 2内に組み込んでなる、分割式無煙ロースターの内部を示す図である。

[図 7] (a)別部材カもなる調理手段を装着可能なワゴンを斜め上方力示す図である

。（b)別部材力なる調理手段を装着可能なワゴンの内部を示す図である。 [図 8]実施例 2又は実施例 3に係る分割式無煙ロースターを、ボックス毎に分割した状態を側方から示す図である。

[図 9]図 8に示す分割式無煙ロースターのボックスどうしを結合させて、側方力示す図である。

符号の説明

1 テーブル

2, 2a- -- ボックス

ά, 3a- -- 流路部

4 排気流路

5 外箱

7 上方開口部

8 内箱

9 吸引流路

11, l la- - 吸引孔

14 載置調理手段

19 油脂濾過部

25 ファン

26 吸着脱臭部

27, 27a フイノレター

29 HEPAフィルタ、

30 排気口

31 連通口

32 接続口

33 供給口

34 第 2排気口

Claims

請求の範囲

[1] 屋内に設置されるテーブルと、該テーブルの下方に設けたキャビネットと、該キヤビネット内から屋外へと至る排気流路とにより構成し、

該キャビネット内に設けた外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に載置調理手段を設け、内箱の外側に吸引流路を設けると共に、該吸引流路の内側壁における載置調理手段の焼き面より上方に吸引孔を形成し、排気流路内に油脂濾過部と吸着脱臭部と HEPAフィルターとファンとを配置して、当該 HEPAフィルターの下流側には床下又は床上に設置されて屋外へと連通するダクトが接続され、濾過清浄後の排気が前記ダクト内へと送出されることを特徴とする無煙ロースター。

[2] 請求項 1に記載の無煙ロースターにおいて、

前記排気流路内には、油脂濾過部、吸着脱臭部及び HEPAフィルターを順次配置したことを特徴とする無煙ロースター。

[3] 請求項 1又は請求項 2に記載の無煙ロースターにおいて、

前記油脂濾過部は、一次濾過フィルターと、二次濾過フィルターとを有することを特徴とする無煙ロースター。

[4] 請求項 3に記載の無煙ロースターにおいて、

前記二次濾過フィルタ一は 95%以上の捕集率としたことを特徴とする無煙ロースタ

[5] 請求項 4に記載の無煙ロースターにおいて、

前記二次濾過フィルタ一は ULPAフィルタ一力もなることを特徴とする無煙ロースタ

[6] 請求項 1乃至請求項 5に記載の無煙ロースターにおいて、

前記載置調理手段はガスバーナーとしたことを特徴とする無煙ロースター。

[7] 請求項 1乃至請求項 5に記載の無煙ロースターにおいて、

前記載置調理手段は IHヒーターとしたことを特徴とする無煙ロースター。

[8] 請求項 1乃至請求項 5に記載の無煙ロースターにおいて、

前記載置調理手段は抵抗体を用いた電熱ヒーターとしたことを特徴とする無煙ロースター。

[9] テーブルと、該テーブルの下方に設けた複数の分割及び組立可能なボックスにより構成し、該ボックス内を流路部とすると共に、隣接する流路部を連結して排気流路を形成し、

テーブル直下の上段ボックス内の外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に別部材力なる調理手段を載置するための載置台を設け、内箱の外側に前記排気流路へと連通する吸引流路を設けると共に、該吸引流路へと連通する吸引孔を前記載置台に載置される調理手段の焼き面よりも上方に形成して、

前記排気流路内に油脂濾過部と吸着脱臭部と HEPAフィルターとファンと排気口とを配置したことを特徴とする分割式無煙ロースター。

[10] テーブルと、該テーブルの下方に設けた複数の分割及び組立可能なボックスにより構成し、該ボックス内を流路部とすると共に、隣接する流路部を連結して排気流路を形成し、

テーブル直下の上段ボックス内の外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に載置調理手段を設け、内箱の外側に吸引流路を設けると共に、該吸引流路へと連通する吸引孔を前記載置調理手段の焼き面よりも上方に形成して、

[11] テーブルと、該テーブルの下方に設けた複数の分割及び組立可能なボックスにより構成し、該ボックス内を流路部とすると共に、隣接する流路部を連結して排気流路を形成し、

テーブル直下の上段ボックス内の外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に別部材力なる調理手段を載置するための載置台を設け、内箱の外側に前記排気流路へと連通する吸引流路を設けると共に、該吸引流路へと連通する吸引孔を前記載置台に載置される調理手段の焼き面よりも上方に形成し前記排気流路内に油脂濾過部と吸着脱臭部と HEPAフィルターとファンと排気口とを配置して、

前記排気流路中、 HEPAフィルターの下流側であって排気口の上流側に供給口を配置し、当該供給ロカ本分割式無煙ロースター力生ずる排気の一部を前記上段ボックス内の載置調理手段へと送出可能としたことを特徴とする分割式無煙ロースタ

[12] テーブルと、該テーブルの下方に設けた複数の分割及び組立可能なボックスにより構成し、該ボックス内を流路部とすると共に、隣接する流路部を連結して排気流路を形成し、

テーブル直下の上段ボックス内の外箱の上方開口部内に上方開口状の内箱を設けると共に、該内箱内に載置調理手段を設け、内箱の外側に吸引流路を設けると共に、該吸引流路へと連通する吸引孔を前記載置調理手段の焼き面よりも上方に形成し、

前記排気流路内に油脂濾過部と吸着脱臭部と HEPAフィルターとファンと排気口とを配置して、

[13] 請求項 9乃至請求項 12に記載の無煙ロースターにおいて、

前記排気流路内には、油脂濾過部、ファン、吸着脱臭部、 HEPAフィルター及び排気口を順次配置したことを特徴とする分割式無煙ロースター。

[14] 請求項 11乃至請求項 13に記載の分割式無煙ロースターにおいて、

テーブル下方に複数のボックスを分割可能に積重すると共に、これら積重された複数のボックスに対して側方ボックスを分割可能に配置し、

当該側方ボックスには、その内部に HEPAフィルターを配設すると共に該側方ボックスの側面に排気口を形成し、該側方ボックスと前記テーブル直下に積重された複数のボックスのうちの最上段ボックスとを相互に連通させる供給口を設けたことを特徴とする分割式無煙ロースター。

[15] 請求項 9乃至請求項 14に記載の分割式無煙ロースターにおいて、

前記載置調理手段はガスバーナーであり、

前記供給口力も送出された排気の一部を、前記ガスバーナーにお、てガスを燃焼させるために利用することを特徴とする分割式無煙ロースター。

[16] 請求項 9乃至請求項 14に記載の分割式無煙ロースターにおいて、

前記載置調理手段は IHヒーターであり、

前記供給ロカ送出された排気の一部によって当該 IHヒーターを冷却することを特徴とする分割式無煙ロースター。

[17] 請求項 9乃至請求項 14に記載の分割式無煙ロースターにおいて、

前記載置調理手段は抵抗体を用いた電熱ヒーターであり、

前記供給ロカも送出された排気の一部によって、上段ボックス内における外箱の外壁を冷却することを特徴とする分割式無煙ロースター。

[18] 請求項 9乃至請求項 17に記載の分割式無煙ロースターにおいて、

前記油脂濾過部は、一次濾過フィルターと、二次濾過フィルターとを有することを特徴とする分割式無煙ロースター。

[19] 請求項 18に記載の分割式無煙ロースターにおいて、

前記二次濾過フィルタ一は 95%以上の捕集率としたことを特徴とする分割式無煙ロースター。

[20] 請求項 19に記載の無煙ロースターにおヽて、