明細書
睡眠障害治療薬
技術分野
本発明は、 睡眠障害の治療および/または予防に有用な医薬に関する。 さらに 詳しくは O R L _ 1受容体ァゴニス トを含有する睡眠障害、 例えば時差帯域変化 症候群、 交代勤務睡眠障害、 または睡眠相後退症候群等の概日リズム睡眠障害の 予防および/または治療に有用な医薬の発明に関するものである。
背景技術
O R L - l (opioid receptor-l ike 1 ) 受容体 (FEBS Lett. 347, 284-288, 1994 , FEBS Lett. 341, 33-38, 1994) は δ、 κ、 μ受容体に次ぐ 4番目のォ ピオイド受容体として 1 9 9 4年に発見された受容体であり、 他のオビオイド受 容体と約 6 0 %のアミノ酸配列の相同性を有しているが、 非選択的オビオイド受 容体アンタゴ-ス トであるナロキソンが結合しない (FEBS Lett. 341 , 33-38, 1994) という点で、 他のォピオイド受容体とは明らかに異なっている。 O R L - 1受容体は腸、 脾臓などの末梢臓器にも発現しているが、 主に中枢神経系に広く 分布しており、 特に大脳皮質、 海馬、 視床下部、 扁桃体、 脊髄に高密度に発現し ている (Eur. J. Pharmacol. 340, 1-15, 1997 , Pharmacol. Rev. 53, 381- 415, 2001) 。
1 9 9 5年に O R L - l受容体に対する内因性リガンドがフランスおよびスィ スの研究グループによって相次いで同定され、 それぞれノシセプチン (nocicept in) (Nature 377, 532 - 535, 1995) および orphanin FQ (Science 270, 792-794, 1995) と命名された。 ノシセプチンは 1 7個のアミノ酸から成 るぺプタイドで、 学習 ·記憶あるいは不安やス トレスといった中枢機能において 重要な役割を担っていることが報告されている (Br. J. Pharmacol . 129, 1261-1283, 2000) 。
すなわち、 ノシセプチンをラットの海馬に微量注入すると水迷路学習試験にお いて学習障害が惹起されること (Eur. J. Neurosci. 9, 194-197, 1997) およ
びノシセプチン受容体ノックアウトマウスが正常マウス (wild- type) に比べて 水迷路学習試験における学習獲得が早いこと、 ノックァゥトマウスでは海馬にお ける長期増強 (long term potentiation ; LTP) が正常マウスに比べて亢進し ていること (Nature 394, 577-581, 1998) が報告されており、 ノシセプチン は記憶 '学習機能に対して抑制的に作用しているものと考えられている。 また、 ノシセプチンをラット脳室内に投与することにより、 コンフリクト試験、 明暗箱 試験、 高架式十字迷路試験などの行動薬理試験において、 ジァゼバムとほぼ同等 の抗不安活性が認められることが報告されている (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 14854-14858, 1997) 。 さらに、 ノシセプチンのノックァゥトマウス では正常マウスに比べてス トレスに対する感受性が亢進していること、 およぴス ト レスに対する適応能力が障害されることが報告されている (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96, 10444 - 10449, 1999) 。 すなわち、 ノシセプチンは不安や ストレスに対して防御的に働く生理作用を有しているものと考えられ、 OR L- 1受容体のァゴニス トはべンゾジァゼピン系化合物と全く異なった作用機序で抗 不安作用を示す可能性が考えられる。
以上のことから、 OR L— 1受容体ァゴニストおよび Zまたはアンタゴニスト 活性を有する化合物は、 精神障害、 神経障害および生理学的障害の治療、 特に、 不安およびス トレス障害、 抑鬱、 外傷性障害、 アルツハイマー病または他の痴呆 症による記憶喪失、 癲癇および痙攣の症候、 急性および/または慢性疼痛症状、 薬物耽溺からの禁断症状、 水分バランスの制御、 Na +***、 動脈血圧障害およ び肥満症や拒食症のような摂食障害の改善において有用であることが報告されて いる (特開 2000— 26466号、 特開平 1 1一 228 5 75号、 特開平 1 0 一 2 1 2290号、 特開 2000— 5 36 86号、 WO 00/14067, WO 9 9/29696S EP 1 1 22257、 特開 200 1— 39 974号、 WO 0 0/080 1 3, W099/36421, EP 099 7464, WO 03/00 0677、 WO 98/541 68、 WO 00/3 106 1, 特開 200 1— 58 99 1号、 WOO 1/3 976 7、 WO 0 1/39775, WO 02/08 5 2
0303925
9 1、 WO 02/085354、 WO 02/08 53 55, WO 02/085 3 61、 WO 00/278 1 5、 WO 00/06545S WO 9 9/59997、 WO 9 9/4849 2, WO 02/267 14等の公報) 。
ところで、 概日リズム睡眠障害は、 夜間に正常な睡眠が得られないことを本人 の主訴または主症状とする疾患であり、 睡眠障害のために通常の社会行動に支障 をきたす場合もある。 この疾患は、 時差帯域変化症候群や交代勤務睡眠障害等の ような外因性の急性症候群のほか、 体内時計またはその同調機構の障害により引 き起こされる睡眠相後退症候群等の内因性慢性症候群などの多様な病態を包含し ている。 概日リズム睡眠障害に対して種々の薬物治療が試みられているが、 ベン ゾジァゼピン系を中心とする睡眠薬では十分な治療効果が得られないことが知ら れている ( 「概日リズム睡眠障害」 の病態、 治療法に関する総説、 文献:尾崎茂、 大川匡子共著 「睡眠障害と生体リズム」 、 特集時間薬理学—新しい投薬の指針、 Molecular Medicine, Vol. 34(3), pp. 355—365, 1997など) 。
概日リズムの同調因子は光 (光同調) と光以外の因子 (非光同調) の 2つに大 別される。 非光同調を惹起する薬物として、 これまでにセロトェン作動薬、 ベン ゾジァゼピン系睡眠薬、 メラトニンなどが知られているが、 ORL— 1受容体ァ ゴ-ス トが非光同調を惹起するという報告はない。 唯一、 OR L— 1受容体の内 因性リガンドであるノシセプチンをハムスターの体内時計である視交叉上核に微 量注入した論文があるが、 この論文ではノシセプチンは光同調を抑制するが、 ノ シセプチンそのものは非光同調を起こさないと結論づけている (J. Neurosci. ,
Vol.19(6), pp. 2152-2160, 1999) 。
また、 前記刊行物、 特許公報には、 OR L— 1受容体ァゴニストおよび/また はアンタゴニスト活性を有する化合物の概日リズム睡眠障害に対する治療の可能 性についての記載はなく、 また示唆もない。
発明の開示
上記のように、 OR L— 1受容体と概日リズムの関係は全く.解明されていなか つたが、 本発明者らは、 意外にも OR L— 1受容体に親和性を有する化合物、 特
に O R L— 1受容体に対しァゴニストとして作用する化合物が非光同調因子とし て作用し、 概日リズムの位相を前進させることを見出した。 すなわち、 本発明者 らは、 概日リズム睡眠障害に対する新規治療薬を開発することを目的として鋭意 研究を行った結果、 O R L— 1受容体ァゴニストが概日リズム睡眠障害を含む睡 眠障害に対する予防および/または治療薬となりうることを見出して、 本発明を 完成するに至った。
本発明は、 睡眠障害の治療および/または予防に有用な医薬に関する。 さらに 詳しくは O R L— 1受容体ァゴニストを含有する、 睡眠障害、 例えば時差帯域変 化症候群、 交代勤務睡眠障害、 または睡眠相後退症候群等の概日リズム睡眠障害 の予防および/または治療に有用な医薬、 および O R L— 1受容体ァゴニス ト作 用を有する新規化合物を提供するものである。
すなわち、 本発明は以下の通りである。
1 . O R L— 1受容体ァゴニストを含有する睡眠障害の予防および/または治療 薬。
2 . O R L— 1受容体ァゴニス トの治療上の有効量と製薬上許容しうる添加剤か らなる睡眠障害の予防および/または治療薬。
3 . 睡眠障害が概日リズム睡眠障害である前記 1または 2に記載の予防およびノ または治療薬。
4 . 概日リズム睡眠障害が時差帯域変化症候群である前記 3に記載の予防および /または治療薬。
5 . 概日リズム睡眠障害が交代勤務睡眠障害群である前記 3に記載の予防および /または治療薬。
6 . 概 Bリズム睡眠障害が睡眠相後退症候群である前記 3に記載の予防および Z または治療薬。
7 . 老人性概日リズム睡眠障害に伴う症状の予防および/または治療に用いる前 記 1または 2に記載の予防および/または治療薬。
8 . 高照度光療法に用いる前記 1または 2に記載の予防および/または治療薬。
9. ORL— 1受容体ァゴニス トが、 ORL— 1受容体に対して I C5。値 1 00 Onmol/L以下の親和性を有し、 かつ 1000 nmol/L以下の濃度で、 cAMP誘 導剤による c AMP上昇を 50%以上抑制する化合物である前記 1または2に記 載の予防および/または治療薬。
10. 一般式 ( I )
(式中、 R1は
(1) 水素、
(2) 低級アルキル、
(3) 低級アルケニル、
(4) 一 C (O) 一低級アルキル、
(5) 一 C (O) O—低級アルキル、
(6) 一 C (O) 一フエニル (フエ二ル基は低級アルキル、 ハロゲン、 低級アル コキシ、 フエノキシまたはベンジルォキシで置換されていてもよい) 、
(7) 低級アルキノレーカルボキシル、
(8) 低級アルキル一 C (O) 一フエ-ル (フエ-ル基は低級アルキル、 ハロゲ ン、 低級アルコキシ、 フエノキシまたはベンジルォキシで置換されていてもよ い) 、
(9) 低級アルキル一 C (O) O—低級アルキル、
(10) 低級アルケニルー C (O) O—低級アルキル、
(11) 低級アルキル一◦一低級アルキル、
(12) 低級アルキル一 C (O) NR3R4、
(13) 一 S (O) 2—低級アルキル、
(14) 一 S (O) 2—フエニル (フエ二ル基は低級アルキル、 ハロゲン、 低級アル
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PCT/JP03/03925
コキシ、 フエノキシまたはベンジルォキシで置換されていてもよい) 、
(15) 低級アルキル一 S—低級アルキル、
(16) 低級アルキル一 S (O) 一低級アルキル、
(17) 低級アルキル一 S (O) 2—低級アルキル、
(18) 低級アルキル一 S (O) 2NR3R4、
(19) フヱニル (フ; 二ル基は低級アルキル、 ハロゲン、 低級アルコキシ、 フエ ノキシまたはベンジルォキシで置換されていてもよい) 、 または
(20) ベンジル (フエ-ル基は低級アルキル、 ハロゲン、 低級アルコキシ、 フエ ノキシまたはベンジルォキシで置換されていてもよい) を示す。
R2は水素、 低級アルキル、 ハロゲン、 低級アルコキシ、 フエノキシ、 ベンジ ルォキシ、 トリフルォロメチル、 エトロ、 ァミノまたはシァノを示す。
R3と R4は同一または異なって、 水素、 低級アルキルまたは低級アルケニル を示すか、 または R3と R4は結合して隣接する窒素原子とともに飽和含窒素複 素環 (該複素環は低級アルキル、 ハロゲン、 低級アルコキシ、 フエノキシまたは ベンジルォキシで置換されていてもよい) を形成してもよい。
Xは Oまたは Sを示す。 )
により表される化合物、 そのラセミ混合物、 またはそれらの対応するェナンチォ マー或いはそれらの薬学的に許容しうる塩。
1 1. R2が水素であり、 かつ Xが Oである前記 1 0に記載の化合物。
1 2. R1がー C (O) 一低級アルキル、 低級アルキル一 C (O) NR3R4 (R 3または R4の一方が水素) または低級アルキル一 C (O) NR3R4 ( 3と1¾4 は結合して隣接する窒素原子とともに飽和含窒素複素環 (該複素環は低級アルキ ル、 ハロゲン、 低級アルコキシ、 フエノキシまたはベンジルォキシで置換されて いてもよい) を形成する) である前記 10に記載の化合物。
1 3.
(R S) 一 1一 [ 1一 (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4一ィル]一 1 , 3ージヒドロー 2 H—べンゾィミダゾールー 2一オン、
(R) 一 1一 [ 1— (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4一ィル]— 1 , 3—ジヒ ドロ一 2 H—ベンゾィミダゾーノレ一 2—オン、
(S) - 1 -[ 1 - (ァセナフテン— 1一ィル) ピぺリジン一 4一ィル] _ 1, 3—ジヒ ドロー 2 H—ベンゾィミダゾールー 2—オン、
(R) 一 3—ァセチルー 1— [ 1— (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4 —ィノレ]— 1 , 3—ジヒドロー 2 H—ベンゾィミダゾールー 2—オン、
(R) - 2-{3 -[1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジン一 4—ィル]— 2, 3—ジヒ ドロー 2一ォキソ一べンゾィミダゾーノレ一 1—イノレ}— N—メチノレ ァセタミ ド、 および
(R) 一 1 _[ 1— (ァセナフテン一 1—ィル) ピペリジン一 4一ィル]— 3—
( 2 _ォキソ _ 2—ピペラジン一 1一イノレエチル) 一 1, 3—ジヒ ドロー 2 H— ベンゾィミダゾールー 2—オン
から選択される前記 1 0に記載の化合物。
14. OR L— 1受容体ァゴュス トが、 一般式 (I)
(式中、 各記号は前記と同義である。 ) により表される化合物、 そのラセミ混合 物、 またはそれらの対応するェナンチォマー或いはそれらの薬学的に許容しうる 塩である前記 1または 2に記載の予防およひゾまたは治療薬。
1 5. 有効量の OR L— 1受容体ァゴエストを患者に投与することを含む睡眠障 害の予防および/または治療方法。
1 6. OR L— 1受容体ァゴ-ス トが、 OR L— 1受容体に対して I C5。値 10 0 Onmol/L以下の親和性を有し、 かつ 1000 nmol/L以下の濃度で、 cAMP 誘導剤による cAM P上昇を 50%以上抑制する化合物である前記 1 5に記載の 予防および/または治療方法。
17. OR L- 1受容体ァゴニストが、 一般式 ( I )
(式中、 各記号は前記と同義である。 ) により表される化合物、 そのラセミ混合 物、 またはそれらの対応するェナンチォマー或いはそれらの薬学的に許容しうる 塩である前記 1 5に記載の予防およびノまたは治療方法。
1 8. 睡眠障害の予防および Zまたは治療薬の製造の為の OR L— 1受容体ァゴ ニス トの使用。
1 9. OR L— 1受容体ァゴニス トが、 ORL— 1受容体に対して I C5。値 10 0 Onraol/L以下の親和性を有し、 かつ 100 Onmol/L以下の濃度で、 c AMP 誘導剤による cAMP上昇を 50°/0以上抑制する化合物である前記 1 8に記載の 使用。
20. OR L— 1受容体ァゴ-ス トが、 一般式 (I)
(式中、 各記号は前記と同義である。 ) より表される化合物、 そのラセミ混合 物、 またはそれらの対応するェ 一或いはそれらの薬学的に許容しうる 塩である前記 1 8に記載の使用。
図面の簡単な説明
図 1は、 OR L— 1受容体結合試験の結果を示す図である。
図 2は、 c AMPアツセィの結果を示す図である。
図 3は、 ORL— 1受容体ァゴニスト被験化合物 A、 B、 Cによるラット概曰 リズム位相変化の代表例を示す図である。
図 4は、 O R L— 1受容体ァゴ-ス ト被験化合物 A、 Bによるラット概日リズ ム位相前進に対する O R L— 1受容体アンタゴニスト被験化合物 Dの作用を示す 図である。
図 5は、 明暗サイクル 6時間前進後の再同調に対する O R L— 1受容体ァゴニ スト被験化合物 Cの作用を示す図である。 A:明暗サイクルの変化と投与タイミ ング、 B :体温リズム再同調の代表例、 C : 4例の結果のまとめ
発明の詳細な説明
本発明において 「O R L _ 1受容体ァゴ-ス ト」 とは、 O R L— 1受容体に対 してァゴニスト活性を有する化合物をいう。 好ましくは O R L— 1受容体に対し て I C 5。値 1 0 0 O nmol/L以下の親和性を有し、 かつ 1 0 0 O nraol/L以下の濃 度で、 フオノレスコリ ン (forskolin) やイソプロテレノール (isoproterenol) などの c AM P (cyclic adenosine monophosphate) 誘導 Jによる cAM P上 昇を 5 0 %以上抑制する化合物が挙げられる。 本発明は O R L— 1受容体のフル ァゴニス トおよびパーシャルァゴ-ス トの両者を包含する。
一般式 (I ) における各記号の定義は以下のとおりである。 本明細書では、 そ の用語が単独で現れるか組み合わせて現れるかに関係なく適用される。
「低級アルキル」 とは、 1〜 6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル 基、 例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 プチル、 イソプチル、 第 2級プチル、 第 3級プチル、 ペンチル、 へキシル等を意味する。 好ましくは 1 〜 4個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル基が挙げられる。
「低級ァルケエル」 とは、 2〜 6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖ァルケ -ル、 例えばビュル、 1—プロぺュル、 2—プロぺニル、 イソプロべエル、 1 - ブテニル、 2—ブテュル、 3 _ブテニル等を意味する。 好ましくは 2〜4個の炭 素原子を含む直鎖または分岐鎖アルケニル基が挙げられる。
「ハロゲン」 とは、 塩素、 ヨウ素、 フッ素および臭素を意味する。 好ましくは フッ素が挙げられる。
「低級アルコキシ」 とは、 1〜 6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルコ
キシ基、 例えばメ トキシ、 エトキシ、 プロボキシ、 イソプロボキシ、 ブトキシ等 を意味する。 好ましくは 1〜 4個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルコキシ 基が挙げられる。
「隣接する窒素原子と結合して形成される飽和含窒素複素環」 とは、 さらに窒 素原子、 酸素原子および硫黄原子から選択されるへテロ原子を 1〜 3個含んでも よい 5または 6員環、 例えばピぺリジン、 ピロリジン、 モルホリン、 チオモルホ リン、 ピぺラジン、 メチルピぺラジン等を意味する。 好ましくは、 ピぺラジン、 モルホリンが挙げられる。
「一 C (〇) 一」 はカルボ-ル基を意味する。
「一 S (O) 一」 はスルフィニル基を意味する。
「一 s (o) 2—」 はスルホ -ル基を意味する。
「薬学的に許容しうる塩」 とは、 塩酸、 シユウ酸、 フマル酸などのような、 無 機酸および有機酸との酸付加塩、 並びに、 ナトリウム、 カリウム、 カルシウム、 マグネシゥムなどの無機塩基との塩を包含する。
一般式 ( I ) におけるフエュル基および隣接する窒素原子と結合して形成され る飽和含窒素複素環が低級アルキル、 ハロゲン、 低級アルコキシ、 フエノキシま たはベンジルォキシで置換される場合、 その置換基の数は好ましくは 1〜 3個で ある。
好適な化合物としては、 R1が水素、 低級アルキル、 一 C (O) 一低級アルキ ル、 低級アルキル—カルボキシル、 低級アルキル— C (O) O—低級アルキルま たは低級アルキル一 C (O) NR3R4、 一 S (O) 2—低級アルキルであり、 R 2が水素またはハロゲンであり、
R3と R4が水素または低級アルキルであるか、 或いは R3と R4が結合して隣接 する窒素原子とともに形成する飽和含窒素複素環 (該複素環は低級アルキル、 ハ ロゲン、 低級アルコキシ、 フエノキシまたはベンジルォキシで置換されていても よい) であり、
Xが〇または Sである、 例えば以下の化合物が挙げられる。
[I] (R S) 一 1一 [ 1 _ (ァセナフテン _ 1一ィル) ピぺリジン一 4ーィ ノレ]一 1, 3—ジヒドロ一 2 H—ベンゾィミダゾーノレ一 2—オン、
[2] (R S) — 1一 [ 1— (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4—ィ ノレ ]一 1, 3—ジヒ ドロ _ 5—フノレオ口一 2 H—べンゾィミダゾーノレ一 2一オン、 [3] (R S) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン一 1 _ィル) ピぺリジン一 4—ィ ノレ]一 1, 3—ジヒ ドロー 6—フノレオ口一 2 H—ベンゾィミダゾーノレ一 2一オン、
[4] (R S) - 2 -{ 3 -[ 1 - (ァセナフテン一 1 _ィル) ピペリジン一 4 ーィノレ]一 2, 3—ジヒ ドロー 2—ォキソ一ベンゾィミダゾーノレ一 1 _イノレ}酢 酸ェチル、
[5] (R S) - 2 -{ 3 -[ 1 - (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4 —ィル ]_ 2, 3—ジヒ ドロー 2—ォキソ一べンゾィミダゾールー 1ーィル }酢 酸、
[6] (R S) 一 1— [ 1— (ァセナフテン一 1—ィル) ピペリジン一 4—ィ ル ]ー 3— (2—ォキソ一 2—ピペラジン一 1一ィルェチル) 一 1 , 3—ジヒ ド ロー 2 H—べンゾィミダゾーノレ一 2一オン 2塩酸塩、
[7] (R S) 一 1 _ [ 1一 (ァセナフテン一 1—ィル) ピペリジン一 4—ィ ノレ]一 3— [2— (4—メチノレピペラジン一 1—ィノレ) 一 2—ォキソェチノレ ] _ 1, 3—ジヒ ドロ一 2 H—べンゾィミダゾールー 2—オン 2塩酸塩、
[8] (R S) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4—ィ ノレ]— 3— ( 2—モノレホリン一 4一ィル一 2—ォキソェチル) 一 1, 3—ジヒ ド ロー 2 H—ベンゾィミダゾーノレ一 2一オン塩酸塩、
[9] (R S) 一 1— [ 1— (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4ーィ ノレ]一 1, 3—ジヒ ドロー 2 H—ベンゾィミダゾーノレ一 2—チオン、
[1 0] (RS) — 1一 [1— (ァセナフテン一 1 _ィル) ピぺリジン一 4ーィ ノレ]— 1, 3—ジヒ ドロ _ 3—メチノレ _ 2 H—べンゾイミダゾーノレ _ 2—チオン、
[I I] (R) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピペリジン一 4—ィ ノレ]一 1, 3—ジヒ ドロー 2 H—ベンゾイ ミダゾーノレ一 2—オン、
[1 2] (S) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4ーィ ノレ]— 1, 3ージヒ ドロー 2 H—べンゾィミダゾール一 2一オン、
[1 3] (R) — 3—ァセチルー 1— [1— (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリ ジン一 4—ィル]― 1 , 3—ジヒ ドロ一 2 H—べンゾィミダゾールー 2—オン、 [1 4] (R) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジン一 4ーィ ル]一 3 _メタンスルホ-ノレ一 1 , 3—ジヒ ドロ一 2 H—ベンゾィミダゾール一 2一オン、
[1 5] (R) — 2— {3— [ 1一 (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4 一ィル] - 2 ' 3ージヒ ドロ一 2一ォキソ一ベンゾィミダゾールー 1一イノレ}酢 酸ェチル、
[1 6] (R) - 2 -{ 3 -[ 1 - (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4 ーィノレ]一 2 , 3ージヒ ドロー 2—ォキソ一べンゾィミダゾールー 1—イノレ}酢 酸、
[ 1 7] (R) — 1一 [ 1— (ァセナフテン _ 1一ィル) ピペリジン _ 4—ィ ノレ]— 3— ( 2—ォキソ一 2—ピペラジン一 1一ィルェチル) 一 1, 3—ジヒ ド 口一 2 H—べンゾィミダゾーノレ一 2一オン 2塩酸塩、
[1 8] (R) 一 2— {3— [ 1一 (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4 ―ィル]― 2 , 3ージヒ ドロー 2一才キソ一べンゾィミダゾーノレ一 1ーィ /レ} - N—メチルァセタミ ド、
[1 9] (R) - 2 -{ 3 -[ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピペリジン一 4 一ィル]一 2 , 3—ジヒ ドロー 2一ォキソ一べンゾィミダゾーノレ一 1—イノレ} - N, N—ジメチルァセタミ ド、 および
[20] (R) - 2 -{ 3 -[ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピペリジン一 4 一ィル] - 2 , 3—ジヒ ドロー 2一ォキソ一ベンゾィミダゾールー 1一イノレ}了 セタミ ド。
特に好適な化合物としては、 R1が水素、 一 C (O) 一低級アルキルまたは低 級アルキル一 C (O) NR3R4 (R 3または R4の一方は水素) または低級アル
キル一 C (O) NR3R4 (R3と R4は結合して隣接する窒素原子とともに飽和含 窒素複素環 (該複素環は低級アルキル、 ハロゲン、 低級アルコキシ、 フエノキシ またはベンジルォキシで置換されていてもよい) を形成する) であり、 R2が水 素であり、 Xが Oである、 例えば以下の化合物が挙げられる。
(R S) — 1— [ 1一 (ァセナフテン一 1 _ィル) ピぺリジン一 4一ィル]— 1, 3ージヒ ドロ一 2 H—べンゾィミダゾール一 2—オン、
(R) - 1 -[ 1 - (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4—ィル ]_ 1, 3—ジヒドロー 2 H—べンゾィミダゾーノレ一 2一オン、
(S) 一 1一 [ 1一 (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4一ィル]— 1, 3ージヒ ドロ一 2 H—ベンゾィミダゾールー 2—オン、
(R) - 3—ァセチルー 1一 [ 1一 (ァセナフテン一 1.―"^ fル) ピぺリジン一 4 —ィル]一 1, 3—ジヒドロ一 2 H—ベンゾィミダゾールー 2—オン、
(R) - 2 - { 3 - [ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジンー4一ィル]一 2 , 3—ジヒ ドロー 2一才キソ一べンゾィミダゾールー 1ーィル }— N—メチル ァセタミ ド、 および
(R) - 1 -[ 1 - (ァセナフテン一 1 _ィル) ピぺリジン一 4—ィル]一 3— ( 2—ォキソ一 2—ピペラジン一 1一イノレエチノレ) 一 1, 3—ジヒ ドロー 2H— ベンゾィミダゾーノレ一 2一オン。
一般式 (I) の化合物は、 例えば、 以下の方法により調製することができる。 方法 1
(ID (III)
(式中、 各記号は前記と同義である。 )
式 (Π) の化合物を一般式 (III) の化合物により還元的にアミノ化して一般 式 (I ) の化合物を得る。 式 (II) の化合物および一般式 (III) の化合物は公
知化合物であり、 式 (II) の化合物は J. Chera. Soc. , Perkin Trans 1, 1160, 1973 に記載される方法により製造することができ、 一般式 (III) の化合物は J. Med. Chera. , 2001, 44, 3378に記載される方法により製造することができる。 一般式 (III) のようなァミンでの式 (Π) のケト化合物の還元的ァミノ化は、 J. Org. Chem., 55, 2552-54, 1990 に記載されている。 この方法による本反応 は、 テトラヒ ドロフラン (THF) 、 メタノール若しくはエタノールのような溶 媒、 または適切なアルコールと THFとの混合物中で、 T i (IV) 一イソプロ ポキシドぉよびシァノ水素化ホゥ素ナトリゥムの存在下での、 ケトンとァミンと の反応により行われる。 反応温度は、 約一 78〜1 00°Cであり、 反応時間は数 十分〜 2日間である。
方法 2
(1-1)
(式中、 各記号は前記と同義である。 )
R1が水素である一般式 ( 1— 1) の化合物を、 アルキル化、 ァルケエル化、 フエニル化、 ベンジル化またはァシル化して一般式 ( I) の化合物を製造する。
R 1が水素である式 ( 1 - 1) の化合物は、 従来法、 例えば、 ヨウ化メチル、 臭化ァリル、 臭化ベンジル、 臭化工チル、 塩化ァセチル、 プロモ酢酸ェチルなど のような、 対応するアルキルーハ口ゲン化物、 アルケニルーハロゲン化物、 ベン ジルーハロゲン化物またはァシルーハロゲン化物の存在下で、 アルキル化、 アル ケニル化、 フエニル化、 ベンジル化またはァシル化することができる。 この反応 は、 水素化ナトリウムのような金属水素化物の存在下で、 約一 78〜 100 の 温度、 数十分〜 2日間の反応時間で行われる。
(VI)
(式中、 各記号は前記と同義である。 )
式 ( I V) の化合物を一般式 (V) で示されるフエ二レンジァミンで処理して、 一般式 (V I ) の化合物とした後、 環化して R1が水素である一般式 ( I一 1) の化合物を得る。
式 (V) のフエ-レンジァミンでの式 ( I V) のケト化合物の還元的ァミノ化 は、 N, N—ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 ピリジン、 ジォキ サン、 テトラヒ ドロフラン、 ァセトニトリノレ、 ク口口ホルム、 塩化メチレン、 ジ クロロェタン、 メタノーノレ、 エタノーノレ、 ジェチノレエーテノレ等、 またはこれらの 混合溶媒中で、 水素化金属錯体 (例えばトリァセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、 シァノ水素化ホウ素ナトリウム、 水素化ホウ素ナトリウム、 水素化ホウ素リチウ ム、 水素化リチウムアルミニウム等) 存在下で行われる。 反応温度は、 約一 78 〜100°Cであり、 反応時間は数十分〜 2日間である。 また、 一般式 (V) のフ ェ - ンおよび式 ( I V) のケト化合物は公知化合物であり、 例えば、 一般式 (V) のフエ二レンジアミンは J. Org. Chem., 2001, 66, 919 または Org. Synth. , 1943, 501 に記載される方法により、 式 ( I V) のケト化合物は Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 1999, 9, 2343 に記載される方 法により製造することができる。
本反応で製造される一般式 (V I ) の化合物は、 公知の方法 (Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 1996, 6, 1641、 Chem. Pharm. Bull. , 1989,
37, 962、 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 1999, 9, 1537 等を 参照) によりカルボニル化或いはチォカルボエル化して一般式 ( 1 - 1) の化合 物とすることができる。
方法 4
(1-2) (1-3)
(式中、 R11は低級アルキル一力ルポキシルを示し、 R12は低級アルキル—C (O) NR3R4を示す。 R3、 R4および Xは前記と同義である。 )
一般式 (I一 2) で表されるカルボン酸化合物またはそれらの反応性誘導体と ァミンとを反応させて一般式 (I一 3) の化合物を得る。 カルボン酸化合物の反 応性誘導体とは、 酸塩化物のような酸ハライド、 酸無水物、 クロロギ酸ェチル などから形成される混合酸無水物、 メチルエステル、 ェチルエステルなどのエス テル、 WSC · HC 1 (water soluble carbodiimide 塩酸) や D C C (ジシク 口へキシルカルボジィミ ド) などのカルボジィミ ドから生成される反応性誘導体 が挙げられる。 反応は、 N, N—ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 ジォキサン、 テトラヒ ドロフラン、 ァセトェトリノレ、 クロロホノレム、 塩化メチレ ン、 ジクロロェタン、 トルエン等の有機溶媒中で行われる。 反応温度は、 約一 7 8〜100°Cであり、 反応時間は数十分〜 2日間である。 さらに、 必要に応じて ピリジン、 トリェチルァミン、 ジイソプロピルェチルァミンなどの有機塩基が脱 酸剤として用いられる。
上記のようにして合成される一般式 (I ) の化合物がラセミ体で得られるとき、 ラセミ混合物をそのェナンチォマー成分に変換することによって光学的に純粋な 化合物を製造することができる。
また、 一般式 (I ) の化合物のェナンチォマーは、 光学活性な原料を使用する
ことにより製造することもできる。
必要であれば、 得られた一般式 (I ) の化合物を薬学的に許容しうる塩に変換 する。 塩の形成は、 それ自体既知であり、 かつよく知られている方法で、 室温で 行われる。 無機酸との塩だけでなく、 有機酸との塩も考慮され、 さらにカルボキ シル基を有する化合物の場合には無機塩基との塩も考慮される。 塩酸塩、 シユウ 酸塩、 フマル酸塩などの酸付加塩、 ナトリウム塩、 カリウム塩、 カルシウム塩、 マグネシゥム塩などは、 このような塩の例である。
本発明の睡眠障害の予防および または治療薬の有効成分である OR L_ 1受 容体ァゴュストとしては、 OR L— 1受容体にァゴニスト活性を有する限りいか なるものでもよいが、 好ましくは〇RL— 1受容体に対して I C5。値 1 000 nmol/L以下の親和性を有し、 かつ 100 Onmol/L以下の濃度で、 c AMP誘導 剤による cAMP上昇を 50%以上抑制する化合物が挙げられる。 c AMP誘導 剤としてはフォルスコリンゃィソプロテレノールなどが挙げられる。
OR L— 1受容体にァゴニスト活性を有する化合物としては、 好ましくは上記 一般式 (I) の化合物が挙げられるが、 この他にも、 特開 2000— 26466 号、 特開平 1 1一 228575号、 特開平 10— 2 1 2290号、 特開 2000 一 5 3686号、 WO 00/1406 7、 WO 9 9/296 9 6、 E P 1 1 2 2 257、 特開 200 1— 39974号、 WO00/080 1 3、 WO 99/36 42 1、 EP 099 7464、 WO 98/541 68、 WO 00/3 106 1、 特開 2001— 58 99 1号、 WO 01ノ 3976 7、 WO 0 1ノ 3 9775、 WO 02/085 29 1、 WO 02/085354 WO 02/08 5355、 WO 02/08536 1、 WO 00/278 1 5、 WOO 0/06545、 WO 99/5999 7、 WO 99/48492、 WO 02/267 14、 WO 03/ 000677号等の公報に開示されているピぺリジン化合物やアミド化合物のう ち、 ORL—1受容体に対してァゴニス ト活性を示す化合物が挙げられる。 本発 明における 「ORL— 1受容体ァゴニス ト」 には、 これら公報に記載の OR L— 1受容体ァゴニスト化合物も包含される。
このうち、 特に化学構造上の制限はないが、 具体例としては、
(RS) — 8— (ァセナフテン一 1—ィル) 一 1一フエニノレー 1, 3, 8—トリ ァザスピロ 〔4. 5〕 デカン一 4一オン、
8 - (デカヒ ドロ一ナフタレン一 2—ィル) 一 3—メチル _ 1—フエ-ルー 1 , 3, 8 _ トリァザスピロ 〔4. 5〕 デカン一 4—オン、
( 1 S, 3 a S) —8— (2, 3, 3 a, 4, 5, 6—へキサヒ ドロー 1 H—フ ェナレン一 1—ィル) 一 1一フエニル一 1 , 3, 8 _ トリァザスピロ 〔4. 5〕 デカン一 4一オン、 および
1― ( 1ーシクロォクチルメチノレー 4ーピペリジエル) 一 2— (4—メチノレピぺ ラジュル) 一 1 H—ベンゾィミダゾールなどが挙げられる。
本発明の効果は、 後述の薬理試験の項で詳細に説明するが、 本発明者らは、 ま ず種々の化学構造を有する化合物について OR L— 1受容体ァゴニストおよび Z またはアンタゴュス ト活性の有無を調べ、 次いで、 ORL— 1受容体ァゴ-ス ト またはアンタゴニスト活性を有する化合物をラットに投与したところ、 ORL— 1受容体ァゴュスト活性を有する化合物が位相前進作用を示すことを見出した。 本発明は、 OR L— 1受容体ァゴニストが化学構造とは関係なく位相前進作用 を示すことを見出したところに特徴があるもので、 その作用の強弱は本発明の有 用性に影響を与えるものではない。
本発明の予防および/または治療薬が対象とする睡眠障害としては、 例えば、 時差帯域変化症候群、 交代勤務睡眠障害、 または睡眠相後退症候群等の概日リズ ム睡眠障害が挙げられる。 該概日リズム睡眠障害には老人に特有なもの (老人性 概曰リズム睡眠障害) も包含される。
また、 本発明の予防および Zまたは治療薬は、 高照度光療法に好適に使用する ことができる。
本発明において OR L— 1受容体ァゴニスト活性を有する化合物 (ORL— 1 受容体ァゴニスト) は、 経口でも、 非経口でも投与することができる。 投与剤型 としては、 錠剤、 カプセル剤、 顆粒剤、 散剤、 注射剤、 軟膏および坐剤等が挙げ
られる。 これらは上記 OR L— 1受容体ァゴエス トと種々の製薬上許容しうる添 加剤 (賦形剤、 増量剤、 滑沢剤、 結合剤、 崩壌剤、 コーティング剤、 皮膜剤、 基 剤、 溶媒など) を組み合わせて汎用されている技術を用いて製剤化することがで きる。 例えば、 '錠剤、 カプセル剤、 顆粒剤、 散剤等の経口剤であれば、 乳糖、 結 晶セルロース、 デンプン、 植物油等の増量剤、 ステアリン酸マグネシウム、 タル ク等の滑沢剤、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ポリビニルピロリ ドン等の結合 剤、 カルボキシメチルセルロース カルシウム、 低置換ヒ ドロキシプロピルメチ /レセノレロース等の崩壌剤、 ヒ ドロキシプロピノレメチノレセルロース、 マクロゴール、 シリコン樹脂等のコーティング剤、 ゼラチン皮膜等の皮膜剤などを必要に応じて 用いて調製することができる。 軟膏であれば、 白色ワセリン、 流動パラフィン等 の汎用される基剤を用いて調製することができる。
これらの製剤における有効成分である O R L _ 1 ¾容体ァゴニス トの量は製剤 の〇. 1〜100重量%であり、 適当には 1~50重量%である。 また、 投与量 は症状、 年令、 剤型等によって適宜選択できるが、 経口剤であれば通常 1日当り 0. 1〜 500 Om g、 好ましくは 1〜: L 000 m gを 1回または数回に分けて 投与することができる。
また、 本発明は、 上述した OR L— 1受容体ァゴ-ス トを含有する予防および /または治療薬、 およぴ当該予防および Zまたは治療薬を睡眠障害の予防および /または治療に使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む 商業的パッケージを提供する。
以下に、 実施例、 製剤例および薬理試験の結果を示すが、 これらは本発明をよ りよく理解するためのものであり、 本発明の範囲を限定するものではない。
実施例 1
(R S) - ! -[ ! - (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4一ィル]一 1 , 3ージヒ ドロ一 2 H—ベンゾィミダゾーノレ一 2—オン
(1) 1—ナフチル酢酸 1 00 g ( 5 3 Oramol) をジクロロメタン ( 1 5 ml) に溶解した。 氷冷下、 塩化チォ -ル 1 5 8 g (1. 3 2raol) を加え、 1時間加
熱還流した。 溶媒を留去し、 得られた残渣に 1, 2—ジクロロェタン (5 00 ml) を加え溶解した。 氷冷下、 塩化アルミニウム 1 5 O g (1. 1 2mol) を加 えて、 混合物を室温で 1時間撹拌した。 反応液を氷水に注ぎ、 ジクロロメタンで 抽出した。 抽出液は水、 飽和食塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮 した。 ァセナフテン一 1一オン 80 gを黄色結晶として得た。
1 H-NMR (CD C 1 3) δ XMS : 3.79(s, 2H), 7.43 (d, J=6.8Hz, 1H), 7.57 (t, J=6.8Hz, 1H), 7.68 (t, J=7.5Hz, 1H), 7.79 (d, J=6.8Hz, 1H), 7.93 (d, J=6.8Hz, 1H) , 8.06 (d, J=6.8Hz, 1H)
FAB-MS (M+H) + : 1 69
(2) ァセナフテン一 1一オン 1. 6 8 g (l Ommol) をテトラヒ ドロフラン (THF、 1 5ml) に溶解した。 4一 ( 2—ケト一 1—ベンゾイミダゾリエ ノレ) ピぺリジン 2. 1 7 g ( 1 Ommol) およびオルトチタン酸テトライソプロ ピル 3. 4 g (1 2瞧 ol) を加えて、 混合物を室温で 20時間撹拌した。 溶媒 を留去し、 得られた残渣に THF/エタノール (1 : 2) 混合溶媒 (1 5m l ) を加え溶解した。 シァノ水素化ホウ素ナトリウム (2. lramol) をこの溶液に 加えて、 混合物を室温で 1日間撹拌した。 水を加えて、 沈殿物をセライト濾過に より除去してエタノールで洗浄した。 瀘液をクロ口ホルムで抽出し、 水、 飽和食 塩水で洗浄した。 抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残渣を シリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール) で精製し表 題化合物 0. 68 gを黄色結晶として得た。
1 H - NMR ( C D C 1 3) δ TMS : 1.74-1.82 (ra, 2H), 2.36-2.60 (m, 4H) , 2.81 (m, 1H), 3.01 (m, 1H), 3.42 (d, J二 5.6Hz, 2H) , 4.29-4.36 (ra, 1H), 4.98 (t, J=5.6Hz, 1H), 7.01(m, 3H) , 7.28-7.31 (m, 2H), 7.43-7.53 (m, 3H), 7.60-7.62 (m, 1H) , 7.69 (m, 1H) , 9.77(brs, 1H)
FAB-MS (M+H) + : 3 70
実施例 2
(R S) - 1 -[ 1 - (ァセナフテン一 1一^ ル) ピぺリジン一 4一ィル]一 1 ,
3 -ジヒ ド、ロー 5 -フノレオ口一 2 H—ベンゾィミダゾ一/レー 2—オン
4 - (5—フルオロー 2—ケトー 1—ベンゾィミダゾリエル) ピペリジンを用 い、 実施例 1に準じて表題化合物を淡黄色結晶として得た。
1 H-NMR ( C D C 1 3) δ TMS : 1.72-1.85 (m, 2H) , 2.38-2.56 (m, 4H) , 2.86 (m, 1H), 3. ll(m, 1H) , 3.42 (d, J=5.6Hz, 2H) , 4.30-4.36 (m, 1H), 4.98 (t, J=5.6Hz, 1H), 6.68 (dd, J=13.2, 7.8Hz, 1H), 7.28-7.31 (m, 2H) , 7.46-7.53 (m, 3H) , 7.60 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.62 (m, 1H), 7.69 (m, 1H), 9.66(brs, 1H)
FAB-MS (M+H) + : 3 88
実施例 3
(R S) - 1 -C 1 - (ァセナフテン— 1—ィル) ピぺリジン一 4—ィル ] _ 1, 3—ジヒ ドロー 6—フノレオロー 2 H—ベンゾィミダゾーノレ一 2—才ン
4一 (6 _フルオロー 2—ケトー 1—ベンゾイミダゾリエノレ) ピペリジンを用 レ、、 実施例 1に準じて表題化合物を淡黄色結晶として得た。
1 H-NMR ( C D C 1 3) δ TMS : 1.72-1.86 (ra, 2H) , 2.36-2.54 (m, 4H) , 2.88 (m, 1H), 3. ll(m, 1H), 3.42 (d, J=5.6Hz, 2H) , 4.32 - 4.38 (m, 1H), 4.96 (t, J=5.6Hz, 1H), 6.72 (dd, J=13.2, 7.8Hz, 1H) , 7.33-7.36 (m, 2H), 7.46-7.53 (m, 3H) , 7.60 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.62 (ra, 1H) , 7.69 (m, 1H), 9.78(brs, · 1H)
FAB-MS (M+H) + : 388
実施例 4
(R S) - 2 -{ 3 - C 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピペリジン一 4一ィル] - 2 , 3—ジヒ ドロ _ 2一ォキソ一べンゾィミダゾーノレ一 1—イノレ}酢酸ェチノレ (R S) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン— 1一ィル) ピぺリジンー4ーィル]— 1, 3—ジヒ ドロ _ 2 H—ベンゾィミダゾーノレ一 2—オン 1. 5 g ( 4瞧 ol) をジメチルホルムァミ ド (DMF、 1 5 ml) に溶解した。 水素化ナトリ ウム (200mg、 60%) を加え、 懸濁液を 5 0°Cで 30分間撹拌した。 室温に冷
却した後、 ブロモ酢酸ェチル (0. 7 5 g、 4. 5瞧 ol) を加えて、 1時間撹 拌を続けた。 反応液を水に注ぎ、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液は水、 飽和塩化 アンモニゥム水溶液で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロ口ホルム/メタノール) で精 製し表題化合物 1. 6 gを淡黄色結晶として得た。
1 H-NMR (CDC 13) δ TMS : 1.25 (t, J=7.1, 3H) , 1.82 (m, 211) , 2.42 - 2.58 (ra, 4H), 2.78 (m, 1H), 3.03 ( (m, 1H), 3.44 (ra, 2H) , 4.22 (q, J=7.1Hz, 2H), 4.35 (m, 1H) , 4.61 (s, 2H) , 5.01 (m, 1H), 6.87 (m, 1H) , 7.05 (m, 2H) , 7.31 (m, 2H), 7.45— 7.55 (m, 3H), 7.63 (m, 1H), 7.71 (m, 1H)
FAB -MS (M+H) + : 456
実施例 5
(R S) — 2_{3— [1— (ァセナフテン一 1—ィル) ピペリジン一 4—ィル] - 2 , 3—ジヒ ドロ― 2—ォキソ一べンゾィミダゾーノレ一 1ーィノレ)酢酸
(R S) - 2 - { 3 - [ 1 - (ァセナフテン— 1—ィル) ピぺリジン一 4—ィ ノレ]一 2, 3—ジヒ ドロー 2—ォキソ一ベンゾイ ミダゾーノレ一 1一イノレ}酢酸ェ チル 1. 6 gをエタノール ( 1 Oml) に溶解し、 2 N—水酸化ナトリウム水溶 液 (1 0ml) を加えて、 室温で 30分間撹拌した。 反応液を水に注ぎ、 I N— 塩酸を加えて中和した後クロ口ホルムで抽出した。 抽出液は水、 飽和食塩水で洗 浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた固体を酢酸ェチルで洗浄 して表題化合物 1. 3 gを淡黄色結晶として得た。
1 H - NMR (DM S O - d 6) δ TMS : 1.72-1.83 (m, 2H), 2.63-3.12 (m, 5H), 3.30 (m, 1H) , 3.50- 3.70 (m, 2H) , 4.49 (m, 1H) , 4.58 (s, 2H) , 5.36 (m, 1H), 7.02-7.13 (m, 2H) , 7.14 (d, J=6.8Hz, 1H) , 7.40 (d, J=6.8Hz, 1H), 7.52-7.65 (m, 3H), 7.72 (d, J=8.3Hz, 1H), 7.84 (d, J=8.3Hz, 1H) , 8.31 (m, 1H), 11.55(brs, 1H)
FAB-MS (M+H) + : 428
実施例 6
(R S) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4一ィル]— 3 一 ( 2 _ォキソ一 2—ピぺラジン一 1—ィルェチル) 一 1, 3—ジヒ ドロー 2H 一べンゾィミダゾールー 2—オン 2塩酸塩
(1 ) (R S) - 2 -{ 3 - [ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジン一 4 ーィノレ]一 2, 3—ジヒ ドロ一 2—ォキソ一ベンゾイミダゾーノレ一 1一イノレ}酢 酸 0. 8 5 g (2mraol) を DMF ( 1 0ml) に溶解した。 B o c—ピぺラジン (第 3級ブトキシカルボ二ルビペラジン) 0. 3 7 g ( 2mmol) 、 WSC ' H C 1 ^ ater soluble carbodiimide塩酸) 0. 46 g ( 2. 4 mmol) 、 HOB t (ヒ ドロシキベンゾトリァゾール) 0. 3 7 g (2. 4 mmol) およびトリエ チルァミン 0. 5 3tnl (3. 8 mmol) を加えて、 混合物を室温で 1 0時間撹拌 した。 反応液を水に注ぎ、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液は水、 飽和塩化アンモ ニゥム水溶液で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残渣を シリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロ口ホルム メタノール) で精製し黄 色固体 0. 8 gを得た。
(2) 上記の黄色固体 0. 8 gを 4 N—塩酸/ジォキサン (l Oral) に溶解し、 室温で 1時間撹拌した。 溶媒を留去した後、 残渣にイソプロピルエーテルを加え た。 得られた結晶を濾過して表題化合物 0. 5 gを黄色結晶として得た。
1 H- NMR (DM S O - d 6) 5 TMS : 1.76-1.88 (m, 2H), 3.11-3.82 (m, 15H), 3.96 (in, 1H) , 4.71 (ra, 1H), 4.83 (s, 2H) , 5.63 (ra, 1H), 7.02 - 7.12 (m, 3H), 7.46 (d, J=6.8Hz, 1H) , 7.58(t, J=8.0Hz, 1H) , 7.67 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.76 - 7.84 (m, 2H) , 7.92 (m, 1H) , 8.25 (d, J=7.8Hz, 1H) , 9.42(brs, 2H), 12.20(brs, 1H)
FAB -MS (M+H) + : 496
実施例 7
(R S) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン _ 1—ィル) ピペリジン— 4一ィル]一 3 一 [2— (4ーメチルビペラジン一 1 _ィル) - 2—ォキソェチル]一 1 , 3 _ ジヒドロ _ 2 H—べンゾィミダゾール _ 2—オン 2塩酸塩
(R S) — 2— {3— [ 1一 (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4—ィ ル]一 2, 3ージヒ ドロ一 2—ォキソ一ベンゾィミダゾールー 1—ィル }酢酸 0. 85 g ( 2mmol) を DMF ( 1 Oml) に溶解した。 1—メチルビペラジン 0. 2 g ( 2ramol) s WS C ■ HC 1 0. 46 g (2. 4画 1) 、 HO B t 0. 37 g ( 2. 4mmol) およぴトリエチノレアミン 0. 5 3 ml (3. 8mraol) を加 えて、 混合物を室温で 8時間撹拌した。 反応液を水に注ぎ、 酢酸ェチルで抽出し た。 抽出液は水、 飽和塩化アンモ-ゥム水溶液で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾 燥後、 濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロ口 ホルム/メタノール) で精製した後、 塩酸/エタノールを加え、 表題化合物 0. 73 gを黄色固体として得た。
XH-NMR (DMS O— d 6) δ TMS : 1.76-1.89 (m, 2H) , 2.77-3.74 (m, 16H), 3.96 (m, 1H), 4.16 (ra, 1H) , 4.31(m, 1H), 4.71 (m, 1H), 4.76 (d, J=17.3Hz, 1H), 4.92 (d, J=17.3Hz, 1H), 5.63 (m, 1H), 7.02-7.09 (m, 3H) , 7.45— 7.55 (m, 1H) , 7.56 - 7.65 (m, 1H) , 7.67—7.69 (m, 1H), 7.76-7.82 (m, 2H), 7.91-7.94 (m, 1H) , 8.25 (m, 1H), 11.32(brs, 1H) , 12.23(brs, 1H) FAB -MS (M+H) + : 5 10
実施例 8
(R S) - 1 - C 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジン一 4一ィル]一 3 一 ( 2—モノレホリン一 4—ィルー 2—ォキソェチノレ) - 1 , 3—ジヒ ドロー 2 H 一べンゾィミダゾーノレ一 2—オン塩酸塩
モルホリンを用い、 実施例 7に準じて表題化合物を淡黄色結晶として得た。 ^-NMR (DMS O— d 6) δ TMS : 1.78 - 1.89(m, 2H) , 2.83 (ra, 1Η), 3.05 (ra, 2Η), 3.31— 3.76 (m, 12H), 3.95 (m, 1H) , 4.69 (ra, 1H), 4.76 (s, 2H) , 5.63 (ra, 1H), 7.02 - 7.08 (m, 3H) , 7.45-7.47 (ra, 1H), 7.56 - 7.60 (m, 1H) , 7.66-7.78 (ra, 3H) , 7.92-7.94 (m, 1H), 8.18(m, 1H), 11.85(brs, 1H)
FAB-MS (M+H) + : 497
実施例 9
(R S) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジン一 4—ィル]— 1 , 3ージヒ ドロ一 2 H—べンゾィミダゾールー 2—チオン
(1) ァセナフテン一 1一オン 34 g ( 20 Ommol) をメタノール ( 3 0 0 ml) に溶解した。 氷冷下にて、 水素化ホウ素ナトリウム 8 g (20 Ommol) を この溶液に加え、 混合物を室温で 1時間撹拌した。 反応液を水に注ぎ、 酢酸ェチ ルで抽出した。 抽出液を水、 飽和食塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 1ーァセナフテノール 33 gを黄色結晶として得た。
(2) トルエン (300ml) 中の 1ーァセナフテノーノレ 3 3 g ( 1 9 Ommol) およぴジフエニルホスホリルアジド 6 3 g ( 2 3 Ommol) の冷却 (0°C) した 溶液に、 DBU (ジァザビシクロウンデセン) 3 5 g ( 2 3 Ommol) を加えて、 室温で 6時間撹拌をした。 反応液を水に注ぎ、 トルエンで抽出し、 合わせた有機 相を水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 粗生成物を THF/水 (10 : 1) 混合溶媒 (3 30m l ) に溶解して、 トリフエニルホスフィン 5 3 gを加えて、 6時間加熱還流した。 室温に冷却後、 溶媒を留去して、 残渣に 1 N 一塩酸 (200m l ) を加え、 酢酸ェチルで不要物を抽出除去した。 水相を炭酸 カリウムでアルカリ性にした後、 クロ口ホルムで抽出した。 抽出液を水、 飽和食 塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 ァセナフテン一 1—ィル ーァミン 20 gを赤色の油状物として得た。
(3) ァセナフテン一 1ーィルーアミン 20 g ( 1 1 8 mraol) をェタノール ( 200ml) に溶解した。 水 (1 00ml) に溶解した炭酸カリウム 1. 7 g
( 1 2 mraol) およびョゥ化 1ーェチルー 1ーメチルー 4ーォキソピペリジニゥ ム 38 gを加えて、 1時間加熱還流した。 反応液を水に注ぎ、 酢酸ェチルで抽出 した。 抽出液は水、 飽和食塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノー ル) で精製し、 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ーピペリジン一 4—オン 23 g を黄色結晶として得た。
(4) THF ( 1 0 Oral) 中の 1 _ (ァセナフテン _ 1一ィル) ーピペリジン
— 4—オン 1 2 g ( 48 mmol) および 1 2—フエ二レンジァミン 1 0. 8 g (1 00 1) の冷却 (0°C) した溶液に、 トリァセトキシ水素化ホウ素ナト リウム 34 g、 酢酸 1 2 ml を加えて、 室温で 1 7時間撹拌をした。 反応液を水 に注ぎ、 炭酸カリウムを加えて中和後、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液を水、 飽 和食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残渣をシリカ ゲルカラムクロマトグラフィー (クロ口ホルム /メタノール) で精製し、 N— [1— (ァセナフテン一 1—ィノレ) ピぺリジン一 4一ィル]一ベンゼン一 1 , 2 ージァミン 8. 5 gを黄色結晶として得た。
(5) N— [ 1一 (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4一ィル]一べンゼ ン一 1 2—ジァミン l g (3 mmol) を THF (30ml) 溶解し、 トリェチル ァミン 1. 4 ml ( 1 Ommol) と 1 , 1 ' ーチォカルボエルジイミダゾール 0.
6 3 g (3. 5 ol) を加えて、 混合物を室温で 3時間撹拌した。 反応液を水 に注ぎ、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液は水、 飽和塩化アンモニゥム水溶液で洗 浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルカラム クロマトグラフィー (クロ口ホルム /メタノール) で精製し、 表題化合物 1. 1
7 gを灰白色固体として得た。
^-NMR (CD C 1 3) δ TMS 1.85(m, 2H) , 2.42-2.55 (m, 3Η) , 2.63 (m, 1Η), 2.82 (ra, 1H) 3.04 (m, 1H), 3.44 (d, J=5.6Hz, 2H) , 4.98 (t J=5.6Hz, 1H), 5.19 (m, 1H), 7.15-7.24 (m, 3H), 7.29 (m, 1H) , 7.45 (m, 1H) 7.50— 7.63 (ra, 4H) , 7.68 (m, 1H) 9.62(brs, 1H)
FAB -MS (M+H) + : 3 86
実施例 10
(R S) 一 1— [1 _ (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジン一 4—ィル ]_ 1 , _3—ジヒ ドロ一 3ーメチノレ一 2 Η—べンゾィミダゾールー 2—チオン
(R S) 一 1一 [ 1— (ァセナフテン— 1一ィル) ピペリジン一 4一ィル]一
1 , 3—ジヒ ドロ ー 2 Η—べンゾイ ミダゾーノレ一 2—チオン l g ( 2. 6 ol) を DMF ( 1 5ml) に溶解した。 水素化ナトリ ウム ( 1 2 0mg 6
0%) を加え、 懸濁液を 50°Cで 30分間撹拌した。 室温に冷却した後、 ヨウ化 メチル 0. 4 g (2. 8mmol) を加えて、 1時間撹拌を続けた。 反応液を水に 注ぎ、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液は水、 飽和塩化アンモニゥム水溶液で洗浄 し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルカラムク 口マトグラフィー (クロ口ホルム/メタノール) で精製し、 表題化合物 1. 05 gを淡黄色結晶として得た。
一 NMR (CD C 13) δ TMS : 1.83 (m, 2H), 2.38 (m, 1H) , 2.51-2.64 (m, 3H), 2.78 (s, 3H), 2.83 (m, 1H), 3.05 (m, 1H), 3.45 (d, J=5.6Hz, 2H) , 4.15 (m, 1H), 5.01 (t, J=5.6Hz, 1H) , 7.15— 7.21 (m, 2H), 7.31 (m, 1H), 7.47 (m, 1H), 7.54-7.73 (in, 6H)
FAB-MS (M+H) + : 400
実施例 1 1
(R) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4—ィル ]_ 1 , 3ージヒドロ一 2 H—べンゾィミダゾ一/レー 2一オン
( 1 ) (R) 一 2—メチノレー C B S—ォキサザポロリジン 50 m 1 ( 1 mol ト ルェン溶液) の冷却 (一 30°C) した溶液に、 ボラン■ THF錯体 2 5 Om 1 ( lmol THF溶液) を加え、 4 5分間撹拌した。 ァセナフテン一 1一オン 4 0 g ( 24 Ommol) をジクロロメタン (5 00ml) に溶解した溶液を滴下し、 冷却 (一 30°C) したまま 2時間撹拌した。 その後、 氷冷下にメタノール (80 ml) と I N—塩酸 (1 00ml) を加え、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液は水、 飽和塩化アンモ-ゥム水溶液で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。
(S) — 1ーァセナフテノーノレ 3 5 gを淡黄色結晶として得た。
1 H-NMR (CD C 1 3) δ TMS : 1.96 (brs, 1H) , 3.24 (d, J=17.5Hz, 1H) , 3.80 (dd, J=17.5, 7.5Hz, 1H), 5.73 (m, 1H), 7.30 (d, J=6.8Hz, 1H), 7.48 (t, J=6.8Hz, 1H), 7.53-7.56 (m, 2H) , 7.64 (d, J=7.5Hz, 1H), 7.75 (m, 1H)
FAB-MS (M+H) + : 1 7 1
〔ひ〕 D20 = 1. 9 3
(2) トルエン (300ml) 中の (S) — 1—ァセナフテノール 3 5 g (20 Ommol) およびジフエ二ルホスホリルアジド 6 6 g ( 24 0 mmol) の冷却
(0°C) した溶液に、 DBU 3 6 g (24 Ommol) を加えて、 室温で 6時間撹 拌をした。 反応液を水に注ぎ、 トルエンで抽出し、 合わせた有機相を水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 粗生成物を THF/水 (10 : 1) 混合 溶媒 (220m l ) に溶解して、 トリフエ-ルホスフィン 40 gを加えて、 6時 間加熱還流した。 室温に冷却後、 溶媒を留去して、 残渣に 1N—塩酸 (200m 1 ) を加え、 酢酸ェチルで不要物を抽出除去した。 水相を炭酸カリウムでアル力 リ性にした後、 クロ口ホルムで抽出した。 抽出液を水、 飽和食塩水で洗浄し、 硫 酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた赤色油状物に塩酸/エタノールを 加え、 (R) —ァセナフテン一 1一^ Tル一ァミン '塩酸塩 25 gを黄色結晶とし て得た。
1 H-NMR (DMS 0- d 6) δ TMS : 3.32 (d, J=17.3Hz, 1H), 3.82 (dd, J=17.3, 8.1Hz, 1H), 5.20 (m, 1H) , 7.40 (d, J=6.8Hz, 1H), 7.48 (t, J=6.8Hz, 1H), 7.55-7.62 (m, 2H) , 7.73 (d, J=8.1Hz, 1H), 7.85 (d, J=7.8Hz, 1H), 8.9(brs, 3H)
FAB -MS (M+H) + : 1 70
(3) (R) ーァセナフテン一 1ーィルーァミン .塩酸塩 25 gを水 (200 ml) に溶解し、 炭酸カリウムでアルカリ性にした後、 クロ口ホルムで抽出した。 抽出液を水、 飽和食塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得ら れた (R) —ァセナフテン一 1ーィルーァミン 2 1 g ( 1 24 mmol) をェタノ ール (200ml) に溶解した。 水 (1 00ml) に溶解した炭酸カリウム 2. 5 g ( 1 8 mmol) およびヨウ化 1ーェチルー 1ーメチルー 4ーォキソピベリジ- ゥム 40 gを加えて、 2時間加熱還流した。 反応液を水に注ぎ、 酢酸ェチルで抽 出した。 抽出液は水、 飽和食塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮し た。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロ口ホルムノメタ
ノール) で精製し、 (R) — 1一 (ァセナフテン一 1一ィル) 一ピペリジン一 4 一オン 22 gを赤黄色の油状物として得た。
(4) THF ( 1 0 Oml) 中の (R) — 1一 (ァセナフテン一 1 _ィル) ーピ ペリジン一 4一オン 1 2. 6 g ( 5 Omraol) および 1 , 2—フエ二レンジァミン 10. 8 g (1 00瞧01) の冷却 (0°C) した溶液に、 トリァセトキシ水素化 ホウ素ナトリウム 30 g、 酢酸 1 2 ml を加えて、 室温で 24時間撹拌をした。 反応液を水に注ぎ、 炭酸カリウムを加えて中和後、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出 液を水、 飽和食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロ口ホルムノメタノール) で精製 し、 (R) -N- [ 1 - (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4ーィノレ]一 ベンゼン一 1, 2—ジァミン 9 gを黄色結晶として得た。
(5) (R) 一 N— [1一 (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4—ィル] —ベンゼン一 1, 2—ジァミン 9 g ( 26ramol) を THF ( 1 00ml) 溶解し、 カルボニルジイミダゾール 5 g (3 Oramol) を加えて、 混合物を室温で 2時間 撹拌した。 反応液を水に注ぎ、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液は水、 飽和塩化ァ ンモニゥム水溶液で洗净し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール) で精製 し、 表題化合物 8. 8 gを白色固体として得た。
1 H-NMR ( C D C 1 3) δ TMS : 1.74-1.82 (m, 2H) , 2.36—2.60 (m, 4H) , 2.81 (rn, 1H), 3.01 (m, 1H) , 3.42 (d, J=5.6Hz, 2H) , 4.29 - 4.36 (m, 1H),
4.98 (t, J=5.6Hz, 1H), 7.01 (m, 3H) , 7.28-7.31 (ra, 2H), 7.43-7.53 (ra, 3H) ,
7.60— 7.62 (m, 1H), 7.69 (m, 1H) , 9.56(brs, 1H)
FAB-MS (M+H) + : 3 70
〔ひ〕 D 20 = 52. 5。
実施例 1 2
(S) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジン一 4ーィノレ]— 1 , 3—ジヒ ドロー 2 H—べンゾィミダゾーグレー 2一オン
( S) — 2 _メチル一 C B S—ォキサザポロリジン (I mol トルエン溶液) を用い、 実施例 1 1に準じて表題化合物を白色結晶として得た。
1 H- NMR (C D C 1 3) δ TMS : 1.74-1.82 (m, 2H), 2.36-2.60 (ra, 4H) , 2.81(m, 1Η), 3.01 (m, 1Η), 3.42 (d, J=5.6Hz, 2H), 4.29-4.36 (m, 1H), 4.98 (t, J=5.6Hz, 1H), 7.01(m, 3H) , 7.28-7.31 (m, 2H) , 7.43-7.53 (m, 3H), 7.60-7.62 (ra, 1H) , 7.69 (m, 1H) , 9.67(brs, 1H)
FAB -MS (M+H) + : 3 7 0
[a] D 20=— 5 2. 6°
実施例 1 3
(R) — 3—ァセチル _ 1一 [ 1一 (ァセナフテン _ 1—ィル) ピぺリジン一 4 ーィノレ]一 1, 3—ジヒ ドロー 2 H—ベンゾィミダゾーノレ一 2一オン
(R) - 1 - [ 1 - (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4一ィル]一 1, 3—ジヒ ドロー 2 H—べンゾイ ミダゾーノレ一 2 _オン 6 . 2 g ( 1 6 . 8 mraol) を DMF ( 6 Oral) に溶解した。 水素化ナトリウム (0. 9 g、 6 0 %) を加え、 懸濁液を 5 0°Cで 3 0分間撹拌した。 室温に冷却した後、 塩化ァセチル 1. 5 g ( 1 9mmol) を加えて、 3時間撹拌を続けた。 反応液を水に注ぎ、 酢 酸ェチルで抽出した。 抽出液は水、 飽和塩化アンモ-ゥム水溶液で洗浄し、 硫酸 マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ ラフィー (クロ口ホルム Zメタノール) で精製し、 表題化合物 6. 3 gを淡黄色 結晶として得た。
1 H - NMR ( C D C 1 3) δ TMS : 1.68-1.81 (m, 2H) , 2.40-2.56 (m, 4H) , 2.74(s, 3H), 2.78 (m, 1H), 3.02 (m, 1H), 3.42 (m, 2H), 4.30 (m, 1H), 4.98 (m, 1H), 7.11— 7.31 (m, 4H) , 7.45-7.71 (m, 5H), 8.24 (ra, 1H)
FAB -MS (M+H) + : 4 1 2
{a) D 20= 4 0. 1°
実施例 1 4
(R) 一 1 — [ 1一 (ァセナフテン一 1 —ィル) ピペリジン一 4 _ィル]一 3—
メタンスノレホニノレ一 1, 3—ジヒ ドロ一 2 H—べンゾィミダゾーノレ一 2—オン 塩化メタンスルホニルを用い、 実施例 1 3に準じて表題化合物を淡黄色結晶と して得た。
1 H-NMR ( C D C 1 3) δ TMS : 1.71-1.85 (ra, 2H) , 2.40-2.58 (m, 4H) , 2.85 (s, 3H), 2.75 (m, 1H), 3.02 (m, 1H), 3.45 (m, 2H) , 4.28 (m, 1H) , 5.01 (m, 1H), 7.1—7.31 (m, 4H) , 7.46-7.68 (m, 5H), 8.28 (m, 1H)
FAB-MS (M+H) + : 448
〕 D 20= 43. 8°
実施例 15
(R) - 2-{3-[l - (ァセナフテン— 1—ィル) ピペリジン一 4 _ィル]一
2 , 3—ジヒ ドロー 2—ォキソ一べンゾィミダゾーノレ一 1一イノレ}酢酸ェチル
(R) - 1 -[ 1 - (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4—ィル ]_ 1 ,
3—ジヒ ドロー 2 H—べンゾイ ミダゾーノレ一 2—オン 2. 3 g ( 6mmol) を D MF (2 Oral) に溶解した。 水素化ナトリウム (3 00rag、 60%) を加え、 懸濁液を 50 で 30分間撹拌した。 室温に冷却した後、 プロモ酢酸ェチル ( 1. 1 7 g、 7ramol) を加えて、 2時間撹拌を続けた。 反応液を水に注ぎ、 酢酸ェ チルで抽出した。 抽出液は水、 飽和塩化アンモ-ゥム水溶液で洗浄し、 硫酸マグ ネシゥムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー (クロ口ホルム Zメタノール) で精製し、 表題化合物 2. 6 gを淡黄色結晶 として得た。
XH-NMR (CD C 1 3) δ TMS : 1.26(t, J=7.1, 3H) , 1.82 (in, 2H) , 2.40- 2.56 (m, 4H), 2.78 (m, 1H), 3.01 ((m, 1H), 3.44 (ra, 2H) , 4.21 (q, J=7.1Hz, 2H), 4.35 (m, 1H) , 4.61 (s, 2H) , 4.99 (m, 1H), 6.87 (m, 1H) , 7.07 (m, 2H) , 7.31 (m, 2H), 7.45-7.55 (m, 3H), 7.63 (m, 1H), 7.71 (ra, 1H)
FAB-MS (M+H) + : 456
〔ひ〕 D 20= 40. 2°
実施例 1 6
(R) - 2 -{3 -[ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジン一4—ィル]一 2, 3—ジヒ ドロー 2—ォキソ一べンゾィミダゾール一 1—ィル }酢酸
(R) 一 2— {3— [1一 (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4一ィル] - 2 , 3ージヒ ドロー 2—ォキソ一べンゾィミダゾールー 1ーィル }酢酸ェチル 2. 6 g ( 5. 8mmol) をエタノール (1 0ml) に溶解し、 2 N—水酸化ナト リウム水溶液 (10ml) を加えて、 室温で 2時間撹拌した。 反応液を水に注ぎ、 1 N—塩酸を加えて中和した後、 クロ口ホルムで抽出した。 抽出液は水、 飽和食 塩水で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた固体を酢酸ェチ ルで洗浄して表題化合物 2. 4 gを淡黄色結晶として得た。
1 H- NMR (DMS O— d 6) 8 TMS : 1.71-1.83 (m, 2H) , 2.63-3.10 (m, 5H), 3.30 (m, 1H) , 3.58-3.70 (m, 2H) , 4.49 (m, 1H), 4.58 (s, 2H), 5.36 (m, 1H), 7.02— 7.13 (m, 2H), 7.14(d, J=6.8Hz, 1H), 7.40 (d, J=6.8Hz, 1H) , 7.52-7.65 (ra, 3H) , 7.72 (d, Jこ 8.3Hz, 1H) , 7.84 (d, J=8.3Hz, 1H) , 8.31 (m, 1H), 12.08(brs, 1H)
FAB -MS (M+H) + : 428
〔ひ〕 D 20= 42. 5°
実施例 1 7
(R) 一 1— [ 1— (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジン一 4一ィル]一 3— ( 2 _ォキソ一 2—ピぺラジン一 1 _イノレエチル) - 1 , 3—ジヒ ドロー 2H— ベンゾィミダゾ一ルー 2—オン 2塩酸塩
(1) (R) — 2— {3— [1一 (ァセナフテン— 1一ィル) ピぺリジン一 4一 ィル]一 2, 3ージヒ ドロー 2—ォキソ一べンゾィミダゾール一 1—ィル }酢酸 1. 2 8 g ( 3mmol) を DMF (1 5ml) に溶解した。 8。 0: _ピぺラジン0. 56 g ( 3mmol) 、 WS C ' HC 1 0. 7 g (3. 6mmol) 、 HOB t 0. 5 5 g ( 2. 4mmol) およびトリェチルァミン 0. 8 ml (5. 7ramol) を加え て、 混合物を室温で 10時間撹拌した。 反応液を水に注ぎ、 酢酸ェチルで抽出し た。 抽出液は水、 飽和塩化アンモニゥム水溶液で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾
燥後、 濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロ口 ホルム/メタノール) で精製し、 黄色固体 1. 2 gを得た。
(2) 上記化合物を 4 N—塩酸 Zジォキサン (1 0ml) に溶解し、 室温で 2時 間撹拌した。 溶媒を留去した後、 残渣にイソプロピルエーテルを加えた。 得られ た結晶を濾過して表題化合物 0. 8 gを黄色結晶として得た。
1 H- NMR (DMS O— d 6) 6 TMS : 1.76—1.88 (m, 2H) , 3.11 - 3.82 (m, 15H), 3.96 (m, 1H), 4.71 (m, 1H) , 4.83 (s, 2H), 5.63 (m, 1H), 7.02-7.12 (m, 3H), 7.46 (d, J=6.8Hz, 1H) , 7.58 (t, J=8.0Hz, 1H), 7.67 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.76-7.84 (m, 2H) , 7.92 (m, 1H) , 8.25 (d, J=7.8Hz, 1H) , 9.58(brs, 2H) , 12.28(brs, 1H)
FAB -MS (M+H) + : 4 9 6
〔ひ〕 D 20= 4 8. 5°
実施例 1 8
(R) _ 2— {3— [ 1— (ァセナフテン一 1—ィル) ピペリジン一 4一ィル]一 2 , 3—ジヒ ドロー 2一ォキソ一べンゾィミダゾールー 1—ィル }一 N—メチル ァセタミ ド
(R) - 2 -{ 3 -[ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピペリジン一 4一ィル] 一 2, 3—ジヒ ドロ一 2—ォキソ一ベンゾィ ミダゾールー 1 ーィル }酢酸 1 g (2. 3mmol) を DMF ( 1 0ml) に溶解した。 メチルァミン塩酸塩 0. 1 7 g (2. 5mmol) 、 WS C ' HC 1 0. 5 3 g ( 2. 7mmol) 、 HOB t 0. 4 3 g (2. 8mmol) およびトリェチルァミン 0. 7 ml ( 5瞧 ol) を加えて、 混合物を室温で 1 5時間撹拌した。 反応液を水に注ぎ、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液は水、 飽和塩化アンモニゥム水溶液で洗浄し、 硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロ口ホルム Zメタノール) で精製し、 表題化合物 0. 7 gを淡黄色結晶として得た。
1 H-NMR (DM S O - d 6) δ TMS : 1.59-1.70 (m, 2H) , 2.28-2.49 (m, 4Η), 2.58(s, 3H), 2.95 (m, 1H), 3.35— 3.43 (m, 3H) , 4.16 (m, 1H) , 4.40 (s,
2H), 4.96 (m, 1H), 7.02 (m, 3H), 7.28 - 7.33 (m, 1H), 7.45— 7.57 (m, 3H) , 7.65 (d, J=8.3Hz, 1H), 7.72 (d, J=7.8Hz, 1H), 8.08 (m, 1H)
FAB-MS (M+H) + : 44 1
[a] D 20= 4 3. 2°
実施例 1 9
(R) - 2 - { 3 - [ 1 - (ァセナフテン一 1 _ィル) ピぺリジン一 4一ィル]一 ^ 3ージヒ ドロ一 2—ォキソ一べンゾィミダゾーノレ一 1ーィノレ)一 N, N—ジ メチルァセタミ ド
ジメチルァミン塩酸塩を用い、 実施例 1 8に準じて表題化合物を淡黄色結晶と して得た。
1.76-1 H-NMR ( C D C 1 3) δ TMS : 1.84 (ra, 2H), 2.40 - 2.55 (m, 4H) , 2.78 (m, 1H), 2.96(s, 3H) , 3.01 (m, 1H) , 3.12(s, 3H), 3.45 (m, 2H), 4.35 (m, 1H), 4.66 (s, 2H) , 5.00 (m, 1H) , 6.99-7.07 (m, 3H), 7.30 (m, 2H) , 7.45-7.70 (m, 5H)
FAB -MS (M+H) + : 4 5 5
Ca] D 20= 3 9. 7°
実施例 20
(R) - 2 - { 3 - [ 1 - (ァセナフテン一 1—ィル) ピぺリジン一 4一ィル]一 2 , 3—ジヒドロ一 2—ォキソ一べンゾィミダゾールー 1—ィル }ァセタミ ド (R) — 2— { 3— [1一 (ァセナフテン一 1一ィル) ピペリジン一 4一ィル]
_ 2 , 3ージヒ ドロー 2—ォキソ一べンゾィミダゾーノレ一 1ーィル }酢酸 4 0 0 m g (0. 9mmol) をジクロロメタン (1 0ml) に溶解した。 氷冷下、 塩化チ ォ-ル 0. 2 ml (2. 7mmol) を加え、 室温で 2時間撹拌した。 溶媒を留去し、 得られた残渣に氷冷下にて、 アンモニア水 5 ml を加え、 さらに氷冷下撹拌した c 析出した結晶を濾過し、 表題化合物 0. 2 2 gを淡黄色結晶として得た。
1 H- NMR (DMS O— d 6) δ TMS : 1.62-1.70 (ra, 2H) , 2.31-2.51 (m, 4Η), 2.61 (m, 1Η), 2.97(m, 111), 3.38 (m, 2H) , 4.18 (m, 1H), 4.39 (s, 2H),
4.97 (m, 1H), 7.00- 7.05 (ra, 3H) , 7.22-7.33 (m, 3H) , 7.45 - 7.73 (m, 6H) FAB-MS (M+H) + : 427
Ca] D 20= 45°
製剤処方例 1 :錠剤
本発明化合物 10. Orag 乳糖 50. 0 m g トウモロコシデンプン 20. Om g 結晶セノレロース 29. 7 m g ポリビニノレピロリ ドン K 30 5. Omg タノレク 5. Omg ステアリン酸マグネシゥム 0. 3mg
1 20. Omg 本発明化合物、 乳糖、 トウモロコシデンプンおよび結晶セルロースを混合し、 ポリビニルピロリ ドン K 30糊液を用いて練合し、 20メッシュの篩を通して造 粒した。 50°Cで 2時間乾燥した後、 24メッシュの篩を通し、 タルクおよびス テアリン酸マグネシウムを混合し、 直径 7 mmの杵を用いて、 1錠 1 20mgの 錠剤を製した。
製剤処方例 2 :カプセル剤
本発明化合物 10. Omg 乳糖 70. Omg トウモロコシデンプン 35. Omg ポリビ-ノレピロリ ドン K 30 2. Omg タルク 2. 7m g ステアリン酸マグネシウム 0. 3ms
1 20. Omg 本発明化合物、 乳糖、 トウモロコシデンプンおよび結晶セルロースを混合し、 ポリビ ルピロリ ドン K 30糊液を用いて練合し、 20メッシュの篩を通して造
粒した。 5 0°Cで 2時間乾燥した後、 2 4メッシュの篩を通し、 タルクおょぴス テアリン酸マグネシウムを混合し、 硬カプセル (4号) に充填し、 1 2 0m gの カプセル剤を製した。
以下の試験結果は、 OR L— 1受容体ァゴニス トが、 睡眠障害、 例えば時差帯 域変化症候群、 交代勤務睡眠障害、 または睡眠相後退症候群等の概日リズム睡眠 障害の予防および/または治療に有用であることを示している。
以下、 本発明の医薬の薬理作用を実験例により説明する。
被験化合物として下記 4種の化合物を用いた。
化合物 A : (R S) — 8— (ァセナフテン一 1一ィル) - 1一フエ二ルー 1 , 3 , 8— ト リァザスピロ 〔4. 5〕 デカン一 4一オン (Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 1999, 9, 2343 記載の方法により、 合成した。 )
化合物 B : (R) 一 1一 [ 1— (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4ーィ ル ]ー 1, 3—ジヒ ドロー 2 H—ベンゾイミダゾールー 2—オン (実施例 1 1の 化合物)
化合物 C : (R) 一 2— { 3— [ 1一 (ァセナフテン一 1一ィル) ピぺリジン一 4—ィ,レ]— 2, 3—ジヒ ドロー 2—ォキソ一ベンゾィミダゾールー 1一イノレ} 一 N—メチルァセタミ ド (実施例 1 8の化合物)
化合物 D : N— (4—アミノー 2—メチルキノリン一 6—ィル) 一 2— (4—ェ チルフエノキシメチル) ベンズアミド塩酸塩 (J T C— 8 0 1、 J. Med. Chem. 2000, 43, 4667 記載の方法により、 合成した。 )
実験例 1 : O R L— 1受容体結合試験
(実験方法および測定)
ラット大脳皮質より調製した受容体標品を用いて、 [3H] —ノシセプチンの 結合試験を行った。 すなわち、 ポリプロピレンチューブに各濃度の被験物質溶液 5 0 μ L· 受容体標品液 9 0 0 L、 標識リガンド [3H] —ノシセプチン 5 0 i Lを順次加えて、 2 5 °Cで 2 0分間反応させた。 反応液をガラスフィルター Whatman GF/B を用いて、 セルハーべスターで吸引濾過した。 フィルターを氷冷
した 50 mm o 1 /L T r i s /塩酸緩衝液で 3回洗浄した後、 測定バイアルに 入れ、 液体シンチレーションカクテル AC S- II(Amersham社) 2mLを加え、 放射線量を液体シンチレーシヨンカウンター (L S C- 5 1 00、 Aloka 社) で 測定した。 非特異的結合量を求めるためには非標識リガンド被験化合物 Aを用い た。 結合阻害率 (%) および阻害定数 (K i値) は以下の計算式に従って算出し た。 結合阻害率 (%) ={1 -(B-N)/(T-N)} X 100
N:非特異的結合量、 T:総結合量、 B :被験物質存在下での結合量 阻害定数 (K i値) = I C5(/(1 +L/Kd)
I C5。: 50°/。阻害濃度、 L:標識リガンド濃度、 Kd:標識リガンドの解離定数 (結果および考察)
図 1に示すように、 被験化合物 A、 B、 C、 Dは濃度依存的に [3H] —ノシ セプチンの結合を阻害し、 その I C5。値はそれぞれ 84. 2、 72. 8、 4. 4、 500 nmol/Lであった。 また、 K i値はそれぞれ、 10. 0、 8. 4、 0. 5 1、 60. 6 nmol/Lであった。
以上の結果より、 被験化合物 A、 B、 C、 Dはいずれも OR L_ 1受容体に親 和性を有することが明らかになった。
実験例 2 :ァゴニスト作用
(実験方法および測定)
ヒト OR L— 1受容体を強制発現させた HE K 29 3細胞を用いて、 フォルス コリン刺激による c AMP上昇に対する抑制作用を指標に OR L— 1受容体ァゴ 二スト活性を測定した。 すなわち、 コラーゲンコートした 96穴のマイクロプレ ートを用いて一晚ィンキュベートしたヒト OR L_ 1受容体発現細胞の培養液を 捨て、 クレプス一リンゲル (Krebs-Ringer) 液 100 ^ Lを添加した。 次に各
濃度の被験物質溶液 50 a L添加し、 37。Cで 5分間プレインキュベートした。 さらにフォルスコリン溶液 50 /z L (最終濃度 1 imol/L) を添加して 3 7 °Cで 1 5分間インキュベートした。 上清を捨て、 細胞溶解剤 200 μ Lを添加し、 細 胞内 c AMPアツセィ用サンプルとした。 c AMPアツセィ用サンプルの c AM P濃度を c AMPアツセィ用キッ ト B I O T RAK (Amershara Pharmacia Biotech) を用いて測定した。
(結果および考察)
図 2に示すように被験化合物 A、 B、 Cは濃度依存的に c AMP産生を抑制し た。 したがって、 被験化合物 A、 B、 Cは OR L— 1受容体ァゴ-ス ト活性を有 することが明らかになった。 一方、 被験化合物 Dは OR L— 1受容体に対して親 和性を示したにもかかわらず、 c AMP産生を抑制しなかった。 すなわち、 被験 化合物 Dは OR L— 1受容体アンタゴニストであることが明らかになった。
実験例 3 :恒喑条件下での O R L一 1受容体ァゴニストによる概日リズム位相変 化
(実験方法および測定)
実験にはあらかじめ体温および運動量計測用送信器 (TA10TA- F20) の腹腔内 植え込み手術を行ったラットを用いた。 一定の回復期間の後、 ラットを受信ポー ドの設置してある防音ボックスに入れ、 恒喑条件下で個別飼育した。 テレメ トリ 一自動計測システムを用いてラットの体温および運動量を 5分毎に自動測定し, 測定結果をコンピュータに保存した。 最小二乗法により算出した平均体温より高 い場合を黒線で表し、 時間を横軸、 3数を縦軸にプロットすることにより体温リ ズムを表示した。 1 0日間以上、 一定の周期で安定した体温リズムが記録される ことを確認した後、 3時間毎の種々の時刻 (CT 0, CT 3, CT 6, CT 9, CT 1 2, C T 1 5, CT 1 8, CT 2 1 , C T : circadian time、 恒暗条件下 で体温上昇の開始時刻を CT 1 2とし、 1 日を CT 0〜CT 24で表す。 ) に O RL— 1受容体ァゴニストを腹腔内投与し、 位相変化が起こるか否かを調べた。 (結果および考察)
図 3に被験化合物 A、 B、 Cを CT 6に投与した場合の概日リズム位相変化の 代表例を示す。 被験化合物 A、 B、 Cのいずれも OR L— 1受容体も CT 6また は CT 9に投与した場合に著明な位相前進作用を示した。
実験例 4 : ORL- 1受容体ァゴニストによる位相前進に対する OR L_ 1受容 体アンタゴニス トの拮抗作用
(実験方法および測定)
実験例 3と同様に恒喑条件下で、 ラットに被験化合物 Aまたは Bの投与 1時間 前に OR L— 1受容体アンタゴニスト被験化合物 Dを経口投与して, 位相変化を 調べた。 被験化合物 Aまたは Bは実験例 3で最も著明な位相前進が観察された C T 6の時刻に腹腔内投与した。
(結果および考察)
被験化合物 Aおよび Bによる位相前進に対する O R L— 1受容体アンタゴニス ト被験化合物 Dの作用の検討結果を図 4に示す。 被験化合物 A、 Bのいずれの O RL— 1受容体ァゴニストによる位相前進も OR L— 1受容体アンタゴニスト被 験化合物 Dの前投与によって拮抗された。 したがって、 被験化合物 Aおよび Bに よる位相前進は OR L— 1受容体を介する反応であると考えられた。 また、 被験 化合物 D単独では位相変化が観察されなかったことから、 OR L— 1受容体アン タゴニストは位相変化を示さないことが明らかになった。
実験例 5 :明暗サイクル再同調に対する ORL— 1受容体ァゴニスト作用
(実験方法および測定)
ラットを 1 2時間の明暗サイクル (明期照度: 1 50 lux) で 10日間以上 飼育し、 体温の安定した日内変動が記録されることを確認した後、 明期の開始時 刻を 6 時間早めることにより明暗サイクルを 6 時間前進させた。 恒喑条件下で 求めた位相応答曲線より、 O R L— 1受容体ァゴニストが最も位相前進作用を示 した投与時刻、 すなわち、 Z T 6 (Z T :zeitgeber time, 明期の開始時刻を Z T Oとし、 1 3を ZT 0〜ZT 24で表す)に被験物質 Cを投与し、 再同調に及 ぼす影響を検討した。
(結果および考察)
明暗サイクル 6 時間前進後の再同調に対する被験化合物 Cの作用の成績を図 5に示す。 溶媒投与群では新しい明暗サイクルに再同調するのに 1週間以上を要 したのに対し、 被験化合物 C投与群では明暗サイクル前進後約 3日間で新しい明 喑サイクルにほぼ再同調した。 すなわち、 O R L— 1受容体ァゴニストは人工的 に作製された時差ぼけのモデルにおいて有効性を示した。
産業上の利用可能性
上記薬理実験より、 O R L— 1受容体ァゴニストを含有する薬剤は睡眠障害、 例えば時差帯域変化症候群、 交代勤務睡眠障害、 または睡眠相後退症候群等の概 日リズム睡眠障害の予防および/または治療に有用である。 本出願は、 日本で出願された特願 2 0 0 2 - 9 3 3 9 8号を基礎としており、 その内容は本明細書中に全て包含されるものである。