JP2000053686A - フルオロアルキルアルコキシシラン及びその製造方法 - Google Patents

フルオロアルキルアルコキシシラン及びその製造方法

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JP2000053686A
JP2000053686A JP10227881A JP22788198A JP2000053686A JP 2000053686 A JP2000053686 A JP 2000053686A JP 10227881 A JP10227881 A JP 10227881A JP 22788198 A JP22788198 A JP 22788198A JP 2000053686 A JP2000053686 A JP 2000053686A
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JP10227881A
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Takuro Morimoto
琢郎 森本
Masayuki Horiuchi
真幸 堀内
Hideo Kanamori
秀夫 金森
Toshiyuki Yamaguchi
俊之 山口
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YUSHI SEIHIN KK
Original Assignee
YUSHI SEIHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面改質材などとして有用な新しい構造のパ
ーフルオロ基含有のアルコキシシラン化合物とその効率
的、経済的な製造方法を提供する。 【解決手段】 下記の一般式(1)で示されるアミノアル
コキシシラン化合物のN原子が、下記の一般式(2)で示
される一価の結合基を少なくとも1個有することを特徴
とするフルオロアルキルアルコキシシラン化合物。 <一般式(1)> HN(R')−Y−Si(R)a(X)3-a ………
………………… (1) (式中、R´は水素又は1価の炭化水素基、Rは1価の
炭化水素基、Xはアルコキシ基、Yは2価の炭化水素基
又は−(CH2)y−NH−Y'、Y'は2価の炭化水素基、
yは1〜4の整数、aは0〜2の整数を示す。) <一般式(2)> Cn2n+1−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH2
…………… (2) (式中、nは1≦n<23の整数、xは1又は2の整数
を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフルオロア
ルキルアルコキシシラン化合物に関する。更に詳しく
は、本発明は、安定性、耐久性に優れ、かつ基材表面に
撥水性、表面潤滑性、防眩性などの特性を付与すること
ができる新規なフルオロアルキルアルコキシシラン化合
物とその経済的な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、固体表面特性や機能の改質技術と
して、パーフルオロアルカンの利用が種々提案されてい
る。前記パーフルオロアルカンの利用に関しては、古く
からテトラフルオロエチレンを中心とした所謂、フッ素
樹脂(通称テフロン)による加工(樹脂加工)が知られ
ている。
【0003】一方、基材表面の撥水性、防汚性を改良す
るためにパーフルオロアルカン類を直接利用する試みが
行なわれており、例えば、パーフルオロアルカンまたは
これらのアルコール誘導体の溶液を基材表面に噴霧、塗
布する方法が採用されている。しかしながら、前記パー
フルオロアルカン類を直接利用する方式は、例えば、衣
類等の一時的な撥水には有効ではあるもののクリーニン
グ等により除去されてしまうため、安定的、永続的な効
果を得ることが困難である。
【0004】このような背景の中で、撥水性効果を持続
させるパーマネント処理法として、パーフルオロアルコ
キシシラン、例えば、下記の一般式(8)で示されるパー
フルオルアルコキシシランを用いた撥水剤組成物が提案
されている(特開平8−218060号、同9−130
17号、同9−169779号、同9−176622号
参照)。
【0005】 <一般式(8)> Cn2n+1−Y'−Si(R)a(X)3-a ………………………… (8) (式中、n、a、R、Xは前出と同じである。また、
Y'は2価の炭化水素基を示す。)
【0006】しかしながら、前記一般式(8)で示される
パーフルオロアルコキシシランは、例えば、ガラス面で
の密着性が不十分であり、かつ、単独では撥水性が乏し
いため、アルコキシシラン、アミノシランを併用した
り、あるいはテトラエチルシリケートなどでの前処理が
必要である。
【0007】他方、パーフルオロアルカン化合物にアル
コキシシランを導入して新しいパーフルオロ基含有のケ
イ素化合物を製造する方法も種々提案されている。しか
しながら、新しい構造の有機ケイ素化合物を提供する場
合、分子鎖中に[−Si−C−]結合として導入するこ
とが重要な課題である。これは、[−Si−O−C−]
結合をもつ有機ケイ素化合物においては、一般に(−S
i−)、(−O−C−)の結合間で加水分解が生じやす
いためであり、この種の結合は主構造から排除されるべ
きである。因みに、[−Si−O−C−]結合を有する
アルコキシシラン等は、加水分解性縮合反応基(活性
点)として利用されている。
【0008】有機基とケイ素化合物を反応させて有機ケ
イ素化合物を製造する方法において、[−Si−Z]結
合部(但し、Zは水素またはハロゲン原子を示す。)の
[−Z]部分を有機基と置換反応させる方法が採用され
る。この場合、[−Si−Z]結合部は、一般に不均化
(disproportionation)または再分配反応(redistribu
tion reaction)といわれる反応により無秩序な平衡混
合物を作りやすいことがAnderson等によって報
告されており、有機ケイ素化合物の反応性の特徴となっ
ている(熊田 誠他編、「有機化合物」、槙書店発行、
発行日 1959年10月30日)。
【0009】前記無秩序な平衡混合物とは、例えば、フ
ルオロアルキルトリクロロシランと1価の飽和アルコー
ルとの反応によりアルコキシシランを製造する場合、平
衡反応により−SiCl3/−SiCl2(X)/−SiCl(X)
2/−Si(X)3の生成割合は、反応条件、前記フルオロ
アルキルトリクロロシランと飽和アルコールの使用割合
などで異なるが、その使用割合が1:3(モル比)のと
き、近似的に(1/3/3/1)に収束しやすい。この
ため、この種の反応においては、脱ハロゲン化が重要な
課題であり、多量の不活性ガスにより脱ハロゲン化を行
なったり、特殊な技術を採用しなければならない(特開
平9−169779号参照)。
【0010】従って、前記した反応により所望の生成物
を得ようとするには、蒸溜等で厳密に分離しなければな
らず、単一成分のものを得ることが極めて困難である。
このため、当業界において、単一成分のアルコキシシラ
ンの有機ケイ素化合物が得られる製造技術が強く望まれ
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の限界に鑑み、有機ケイ素化合物、特に新しい構
造のフルオロアルキルアルコキシシラン化合物及び前記
化合物の効率的、経済的な製造方法を提供しようとする
ものである。
【0012】特に、本発明は、各種基材の表面に対して
親和性を有するとともに、強固に結合する特性を有し、
かつ、基材表面に対して優れた撥水性、表面潤滑性、防
眩性などの表面特性を付与することができる新規な有機
ケイ素化合物、具体的には新規な構造のパーフルオロア
ルキル基含有のパーフルオロアルキルアルコキシシラン
化合物を提供しようとするものである。
【0013】更にまた、本発明は、前記新しい構造のパ
ーフルオロアルキルアルコキシシラン化合物を従来の製
造技術が遭遇していた不均化や再分配反応を回避して効
率的、経済的に製造する方法を提供しようとするもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第一の発明は、下記の一般式(1)で示されるアミ
ノアルコキシシラン化合物のN原子が、下記の一般式
(2)で示される1価の結合基を少なくとも1個有するこ
とを特徴とするフルオロアルキルアルコキシシラン化合
物に関する。 <一般式(1)> HN(R')−Y−Si(R)a(X)3-a ………………………… (1) (式中、R´は水素又は1価の炭化水素基、Rは1価の
炭化水素基、Xはアルコキシ基、Yは2価の炭化水素基
又は−(CH2)y−NH−Y'、Y'は2価の炭化水素基、
yは1〜4の整数、aは0〜2の整数を示す。) <一般式(2)> Cn2n+1−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH2− …………… (2) (式中、nは1≦n<23の整数、xは1又は2の整数
を示す。)
【0015】また、本発明の第二の発明は、下記の一般
式(1)で示されるアミノアルコキシシラン化合物の2分
子が、それぞれのN原子を介して下記の一般式(3)で示
される二価の結合基と結合したことを特徴とするフルオ
ロアルキルアルコキシシラン化合物に関する。 <一般式(1)> HN(R')−Y−Si(R)a(X)3-a ………………………… (1) (式中、R´は水素又は1価の炭化水素基、Rは1価の
炭化水素基、Xはアルコキシ基、Yは2価の炭化水素基
又は−(CH2)y−NH−Y'、Y'は2価の炭 化水素
基、yは1〜4の整数、aは0〜2の整数を示す。) <一般式(3)> [−CH2−CH(OH)−CH2−O−Cn2n−Cx2x−O−CH2−CH(O H)−CH2−] ………………………… (3) (式中、nは1≦n<23の整数、xは1又は2の整数
を示す。)
【0016】本発明の前記第一及び第二の発明において
規定されるフルオロアルキルアルコキシシラン化合物
は、更に具体化すると、次の一般式(4)〜(5)で示される
ものである。
【0017】 <一般式(4)> Cn2n+1−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH2−N(R')−Y−Si(R) a(X)3-a ………………………… (4) (式中、R'、R、X、Y、aは、前出と同じであ
る。)
【0018】 <一般式(5)> (X)3-a(R)aSi−Y−N(R')−CH2−CH(OH)−CH2−O−Cx2x− Cn2n−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH2−N(R')−Y− Si(R)a(X)3-a ………………………… (5) (式中、R'、R、X、Y、n、x、aは、前出と同じ
である。)
【0019】また、本発明は前記第一〜第二の発明に係
るフルオロアルキルアルコキシシラン化合物の製造方法
に関する。即ち、(i)本発明の第三の発明は、前記一般
式(4)で示されるフルオロアルキルアルコキシシラン化
合物の製造方法に関する。また、(ii)本発明の第四の発
明は、前記一般式(5)で示されるフルオロアルキルアル
コキシシラン化合物の製造方法に関する。
【0020】(i).前記一般式(4)で示されるフルオロア
ルキルアルコキシシラン化合物の製造方法に関する本発
明の第三の発明を概説すれば、アルコール溶媒中で、下
記の一般式(1)で示されるアミノアルコキシシランと、 <一般式(1)> HN(R')−Y−Si(R)a(X)3-a ………………………… (1) (式中、R'、R、X、Y、aは、前出と同じであ
る。) 下記の一般式(6)で示されるフルオロアルキル基含有の
エポキシ化合物を反応させることを特徴とするものであ
る。
【0021】
【化3】 (式中、nとxは、前出と同じである。)
【0022】(ii).前記一般式(5)で示されるフルオロア
ルキルアルコキシシラン化合物の製造方法に関する本発
明の第四の発明を概説すれば、アルコール溶媒中で、下
記の一般式(1)て示されるアミノアルコキシシランと、 <一般式(1)> HN(R')−Y−Si(R)a(X)3-a ………………………… (1) (式中、R'、R、X、Y、aは、前出と同じであ
る。) 下記の一般式(7)で示されるフルオロアルキル基含有の
ジエポキシ化合物を反応させることを特徴とするもので
ある。
【0023】
【化4】 (式中、nとxは、前出と同じである。)
【0024】以下、本発明の技術的構成及び実施態様に
ついて詳しく説明する。
【0025】本発明において、前記一般式(2)及び(4)に
おける[Cn2n+1−Cx2x−O−]の部分は、パーフ
ルオロアルコール、Cn2n+1−Cx2x−OHにより与
えることができる。前記パーフルオロアルコールとし
て、現在、nが1≦n<23のものを入手することが可
能である。
【0026】本発明において、前記パーフルオロアルコ
ールのn値は、n値が大きくなると基材表面に対し側鎖
のパーフルオロアルキル基が重なり合い、主鎖に導入し
たときと同じような性質を示すため、潤滑性は期待でき
るものの溶剤の選択が困難となる。このため、本発明に
おいて、n値は1≦n<17程度が好ましい。
【0027】本発明において、前記一般式(2)及び(4)に
おける[Cn2n+1−Cx2x−O−CH2−CH(OH)
−CH2−]の部分は、前記パーフルオロアルコール
(Cn2 n+1−Cx2x−OH)とエピクロルヒドリンを
反応させて調製した下記一般式(6)で示されるフルオロ
アルキル基含有のエポキシ化合物、即ちパーフルオロア
ルカノールグリシジルエーテルにより与えることができ
る。
【0028】
【化5】 (式中、nとxは、前出と同じである。)
【0029】本発明は、前記一般式(6)で示されるフル
オロアルキル基含有のエポキシ化合物(パーフルオロア
ルカノールグリシジルエーテル)と前記一般式(1)で示
されるアミノアルコキシシラン化合物の反応性に注目す
るものである。本発明において、前記一般式(1)で示さ
れるアミノアルコキシシランは、入手が容易であり、か
つパーフルオロアルカノールグリシジルエーテルとの反
応性に優れている。前記一般式(1)で示されるアミノア
ルコキシシランにおいて、(R')は、水素または1価の
炭化水素を示し、前記1価の炭化水素基としてはメチル
基、エチル基、プロピル基などの低級アルキル基が例示
される。
【0030】前記一般式(6)で示されるパーフルオロア
ルカノールグリシジルエーテルの製造反応と一般式(1)
で示されるアミノアルコキシシランとの反応は下式で示
すことができる。なお、前記反応により合成される化合
物は、本発明の一般式(4)で示されるフルオロアルキル
アルコキシシラン化合物であることはいうまでもないこ
とである。
【0031】
【化6】
【0032】本発明において、前記(化6)で示される
パーフルオロアルカノールグリシジルエーテルとアミノ
アルコキシシランとの反応は、アルコール溶媒中、室温
下で極めてスムーズに(容易に)進行するという利点を
有する。本発明において、前記した反応については詳し
くは後述するが、使用する反応溶媒の沸点以下に加温し
て前記反応を行なってもよいものである。
【0033】本発明の第一の特徴点は、前記したことか
ら明らかのように、前記一般式(1)で示されるアミノア
ルコキシシラン化合物において、そのN原子が前記一般
式(2)で示される一価の結合基を側鎖として少なくとも
1個有するフルオロアルキルアルコキシシラン化合物か
らなる新規物質にある。また、本発明の第二の特徴点
は、前記第一の特徴点から容易に類推できることである
が、分子鎖中に前記一般式(2)と類似した前記一般式(3)
で示される二価の結合基を有するフルオロアルキルアル
コキシシランから成る新規物質にある。
【0034】以下、本発明の前記一般式(1)で示される
アミノアルコキシシラン化合物のN原子が一般式(2)で
示される一価の結合基を有する一般式(4)で示されるフ
ルオロアルキルアルコキシシラン化合物について詳しく
説明する。なお、本発明のその他の新規化合物の製造や
特性は、以下に説明する一般式(4)で示される新規化合
物との関連において容易に理解され得るものである。
【0035】本発明の前記一般式(4)で表わされる化合
物のうち、代表的な例として、3−アミノプロピルアル
コキシシランとパーフルオロアルカノールグリシジエー
テルとの反応によって合成される新しい構造のフルオロ
アルキルアルコキシシラン化合物について詳しく説明す
る。
【0036】本発明者は、 (i).一般式(1)で表わされるアミノアルコキシシランと
して、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、H2
−(CH2)3−Si(OEt)3を選択し、かつ、 (ii).一般式(6)で表わされるパーフルオロアルカノール
グリシジルエーテルとして、n=8、x=1のものを選
択して、次式の反応を行なった。
【0037】
【化7】
【0038】前記反応式(化7)において、 (i).アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基(−
NH2)は、活性水素を2個有しているため、一般の有
機反応においては、グリシジル基を2モル消費すると考
えられるが、 (ii).実際の反応においては、第1級アミンの1個の活
性水素が優先的に反応すること、従って、アミノシラン
1分子に対しグリシジル基の1分子が選択的に付加する
ことが観察された。前記した反応プロセスは、アミノア
ルコキシシランとパーフルオロアルカノールグリシジル
エーテル(以下、PFAGと略記する。)との当モル反
応において、反応生成物のTLC(薄層クロマト)を解
析したとき、未反応のアミノアルコキシシランが検出さ
れないことから証明された。
【0039】しかしながら、本発明において、前記反応
を過剰のPFAGの存在下、特にnが4以下のPFAG
を過剰に用いて行なうとき、1級アミンの2個の水素と
反応したり、あるいはアミノアルコキシシランがジアミ
ノシラン(2級アミン)である場合、1級アミンが消費
されたあと2級アミンとPFAGが反応することが認め
られた。このことは、PFAGが1モルのアミノアルコ
キシシランに対し、1モルまたは2モル、更にはそれ以
上が付加するかどうかは、使用するアミノアルコキシシ
ランの構造やPFAGの立体障害に起因するものと考え
られる。
【0040】本発明において、1モルのアミノアルコキ
シシランに対し、2モルのPFAGが付加した化合物と
しては、例えば、下記の一般式(9)で示されるものがあ
る。 <一般式(9)> [Cn2n+1−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH22N−Y−Si(R)a( X)3-a ………………………… (9)
【0041】本発明において、前記反応式(化7)の反
応プロセスの観察から得られた知見は、使用するアミノ
アルコキシシランの種類を特定する上で有用である。即
ち、前記したことから明らかのように、本発明は、アミ
ノアルコキシシランとして、1級アミンだけでなく1級
アミンと2級アミンが混在するものも使用することがで
きる。
【0042】本発明において、1級アミンと2級アミン
が混在するアミノアルコキシシラン、より具体的には、
2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OMe)3などを使用し
た場合(Meはメチル基を示す。)、まずPFAGは下
記の(化8)に示されるように分子末端の1級アミンに
優先して反応することが確認された。
【0043】
【化8】
【0044】本発明において、前記PFAGとアミノア
ルコキシシランの反応は、アルコール溶媒中、室温また
はアルコールの沸点下において、特別の触媒を用いなく
ても進行する。
【0045】本発明の前記PFAGとアミノアルコキシ
シランの反応において、反応雰囲気下としては窒素置換
下が適しており、また使用するアルコール(反応媒体)
も脱水アルコールが好ましい。
【0046】本発明において、反応媒体として使用する
アルコールとしては、アミノアルコキシシランのアルコ
キシ基と同種のアルコキシ基を有するアルコールを10
%以上、好ましくは20%以上用いることが有利であ
る。この場合、反応中、アルコキシ基の加水分解による
縮合反応を抑制することができる。
【0047】一方、本発明は、本発明の新規化合物の使
用目的との関連において、意図的に加水分解物のオリゴ
マー(ダイマー、トリマーなど)を利用する場合、少量
の水を添加し、アルコキシシランのアルコキシの一部を
縮合させることによりオリゴマーを得ることができる。
この場合、反応媒体としてトルエン、キシレン、アセト
ン、メチルエチルケトン等所望の溶媒を50%以下の割
合で使用することができる。
【0048】次に、本発明の前記一般式(3)で示される
二価の結合基を有する一般式(5)で示されるフルオロア
ルキルアルコキシシラン化合物について説明する。本発
明は、前記したよにう一般式(2)で示される一価の結合
基を有する一般式(4)または一般式(9)で示される側鎖に
新規構造のパーフルオロアルキル基を導入した化合物に
限定されず、主鎖にこれらに類した基を導入した化合物
にも関係するものである。
【0049】本発明の前記一般式(5)で示されるフルオ
ロアルキルアルコキシシラン化合物は、その出発物質の
パーフルオロアルカノールの調製が容易であるため、容
易に製造することができる。例えば、出発物質のパーフ
ルオロアルカノールは、脂肪族メチルエステルなどの脂
肪族アルキルエステルをフッ素化し、加水分解、還元す
ることにより容易に調製することができる。更にまた、
脂肪族ジメチルエステルなどの脂肪族ジエステルをフッ
素化し、加水分解、還元することにより、下記の一般式
(10)で示されるパーフルオロアルカンジオールが得られ
る。 <一般式(10)> HO−Cx2x−Cn2n−Cx2x−OH ………………………… (10) 本発明において、前記一般式(5)で示されるフルオロア
ルキルアルコキシシラン化合物は、前記パーフルオロア
ルカノール及びパーフルオロアルカンジオールの1種ま
たは2種以上を使用して調製することができる。
【0050】次に、例えば前記一般式(10)で示されるパ
ーフルオロアルカンジオールをエピクロルヒドリンを付
加させることにより、下記に示すように前記一般式(7)
で示されるフルオロアルキル基含有のジエポキシ化合物
を調製することができる。
【0051】<一般式(7)>
【化9】 (式中、nとxは、前出と同じである。)
【0052】更に、前記一般式(7)で示されるフルオロ
アルキル基含有ジエポキシ化合物と、前記一般式(1)で
示されるアミノアルコキシシラン(アミノシラン)を反
応させることにより、容易に前記一般式(5)で示される
主鎖の中にパーフルオロアルキレン鎖を導入した新しい
構造のフルオロアルキルアルコキシシラン化合物を調製
することができる。 <一般式(5)> (X)3-a(R)aSi−Y−N(R')−CH2−CH(OH)−CH2−O−Cx2x− Cn2n−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH2−N(R')−Y−Si(R)a(X )3-a ………………………… (5)
【0053】本発明において、前記一般式(5)で示され
る主鎖の中にパーフルオロアルキレン鎖を導入したフル
オロアルキルアルコキシシラン化合物は、前記一般式
(4)で示される側鎖に導入したものと同様に有用なもの
である。なお、主鎖の中にパーフルオロアルキレン鎖を
導入したものにおいて、これを例えば撥水剤として使用
する場合、n値が大きくなると耐久性、撥水性能が低下
する傾向にある。このため、n値を低めに設定するこ
と、例えば、4以下に設定することが好ましい。なお、
本発明において、前記新規化合物の所望の用途、例え
ば、撥水剤としての用途において、 (i).前記一般式(4)で示されるパーフルオロアルキル基
を側鎖に入れたもの、及び、 (ii).前記一般式(5)で示されるパーフルオロアルキレン
鎖を主鎖に導入したもの、 を単独もしくは併用して使用することができる。
【0054】以下、本発明の前記一般式(4)〜(5)または
一般式(9)で示されるフルオロアルキルアルコキシシラ
ン化合物の製造に適用される出発物質である (i).一般式(1)で示されるアミノアルコキシシラン、及
び、 (ii).一般式(6)で示されるパーフルオロアルカノールグ
リシジルエーテル(PFAG)、 について、更に詳しく説明する。
【0055】(i).一般式(1)で示されるアミノアルコキ
シシラン:本発明において使用される前記一般式(1)で
示されるアミノアルコキシシランとして、以下のものを
例示することができる。 (1).3−アミノプロピルトリメトキシシラン (2).3−アミノプロピルトリエトキシシラン (3).3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン (4).3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン (5).H2N−(CH2)2−N(CH2CH=CH)−(CH2)3
−Si(OMe)3 3−[N−アリル−N(アミノエチル)]アミノプロピルト
リメトキシシラン (6).H2N−(CH2)2−NH−CH2−(C64)−(C
22−Si(OMe)3 P[N(2−アミノエチル)アミノメチル]フェネチルト
リメトキシシラン (7).H2N−(CH2)2−NH−(CH2)3−Si(Me)(OM
e)2 N(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン (8).H2N−(CH2)2−NH−(CH2)3−Si(OMe)3 N(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン
【0056】(ii).一般式(6)で示されるパーフルオロア
ルカノールグリシジルエーテル(PFAG):本発明に
おいて使用される前記一般式(6)で示されるPFAGと
して、下記の(化10)で示されるものを例示すること
ができる。なお、下記の(化10)において、n値は、
1≦n<23、好ましくは1〜17の整数である。
【0057】
【化10】
【0058】本発明の前記した一般式(4)〜(5)で示され
るフルオロアルキルアルコキシシラン化合物は、新規物
質であり、従来のCF3(CF2)n−(CH2)m−Si(OR)
3やCn2n+1−Cx2x−Si(R)a(X)3-aなどのパーフ
ルオロアルカン化合物(特開平9−169779号公報
参照)と比較して安定性、耐久性に優れ、各種の基材表
面に撥水性、表面潤滑性、防眩性、などの特性を付与す
ることができる。例えば、本発明のフルオロアルキルア
ルコキシシラン化合物は、単に1〜2%のアルコール溶
液でガラス面を処理するだけで接触角が120°以上と
なり(従来品は100〜110°程度)、優れた撥水性
を付与することができる。
【0059】本発明の前記した一般式(4)〜(5)で示され
るフルオロアルキルアルコキシシラン化合物は、それぞ
れ単独あるいは複数を組合わせて撥水剤などの表面処理
剤として使用することができ、表面の改質効果に優れて
いる。本発明の前記した一般式(4)〜(5)で示されるフル
オロアルキルアルコキシシラン化合物は、他のシリコー
ン化合物、例えばシリコーンジオール類、シランカップ
リング剤などと併用してもよいことはいうまでもないこ
とである。
【0060】本発明において、例えば、一般式(4)で示
されるものは、シリコーンジオール類、シランカップリ
ング剤、更には、一般式(5)で示されるものと併用する
ことにより、主鎖や側鎖のパーフルオロ基を導入するこ
とができるため、その産業上の利用価値が高いものであ
る。
【0061】本発明の前記した一般式(4)〜(5)で示され
るフルオロアルキルアルコキシシラン化合物は、例えば
他のシリコーン系組成物、即ち、顔料などの充填剤を配
合したシリコーン系組成物あるいは無配合のシリコーン
系組成物の硬化剤としても有用である。このような用途
の場合、通常、使用されている錫系触媒等を利用するこ
とができる。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。
【0063】(実施例1)H2N(CH2)3Si(OEt)3
(3−アミノプロピルトリエトキシシラン、東芝シリコ
ーン社製、TSL8331)6.63g(30mmo
l)を50gのエチルアルコール(試薬、純度99.5
%)に溶解したものを、還流式冷却器、温度計、窒素導
入管、滴下ロートを付した4つ口フラスコに投入、窒素
置換した。その後、マグネットスターラーで攪拌下、窒
素を導入しつつ滴下ロートから下記の(化11)で示さ
れるパーフルオロ−1H,1H−ノナノールグリシジル
エーテル(出願人社製、純度99.9% PFAG−1
C−8)15.18g(30mmol)を室温で15分
を要して滴下、2時間攪拌後40℃で1時間熟成、室温
まで冷却した。
【0064】
【化11】
【0065】前記反応により得られた反応生成物は、無
色透明の低粘度の液体であった。
【0066】反応が前記PFAG−1C−8とTSL8
331の1分子反応であることを確認するために、TL
C(薄層クロマト分析)を下記の2種の展開液を用いて
行なった。 TLC用プレート:シリカゲル、メルク社 Kieselgel
60F254 展開液:(i).PFAG−1C−8 確認用(石油ベンジ
ン/酢酸エチル=8/2) (ii).TSL8331確認用(石油ベンジン/酢酸エチ
ル=2/8) 前記したいずれの展開液においても、原料のPFAG−
1C−8、TSL8331のスポットが認められず、更
に、生成物のFTIRからTSL8331中のNH2
に帰属する1593cm-1の吸収が消失していることか
ら、PFAG−1C−8のグリシジル基がTSL833
1のNH2基の1個の水素と反応する当モル反応である
ことが確められた。
【0067】図1〜図3に、前記実施例1の反応の反応
生成物及び出発物質(原料)のFTIRデータを示す。 (1).図1は、前記実施例1の反応の反応生成物のFTI
Rデータを示すものである。 (2).図2は、前記実施例1の反応の出発物質であるPF
AG−1C−8のFTIRデータを示すものである。 (3).図3は、前記実施例1の反応の出発物質であるTS
L8331のFTIRデータを示すものである。
【0068】前記反応により、反応溶液は、CF3−(C
2)7−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−NH−
(CH2)3−Si(OEt)3を30%含むエタノール溶液と
して得られた。
【0069】(実施例2)実施例1において、TSL8
331をH2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OMe) 3
{N−(2アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、東芝シリコーン社製、TSL−834
0}6.66g(30mmol)及びエチルアルコール
をエチルアルコール/メチルアルコール(試薬、純度9
9.8%)=1/1のものを50g用いた以外は、同法
で行なった。反応生成物は無色透明の低粘度の溶液であ
った。反応生成物について実施例1と同法でTLCによ
りPFAG−1C−8及びTSL−834のスポットの
消失が確認され、FTIRでもTSL−8340のNH
2基に帰属する1599cm-1の吸収が消失しており、こ
れによりPFAG−1c−8とTSL−8340の一分
子反応が確認された。
【0070】前記反応により反応溶液は、CF3−(CF
2)7−CH2−O−CH2−CH(OH)−NH−(CH2)2
−NH−(CH2)3−Si(OMe)3の30%溶液として得
られた。
【0071】(実施例3)実施例1において、エチルア
ルコールの全量をトルエン(試薬)50gとし、2時間
室温で反応後還流下で1時間熟成した以外は、同法で行
なった。室温まで冷却、一夜放置したものは、2層に分
離し、下層は透明ではあったがやや粘調な溶液であっ
た。上層及び下層ともTLC分析でPFAG−1C−8
及びTSL8331のスポットは認められず、FTIR
も実施例1とほぼ同じであった。このことから、本実施
例の反応はPFAG−1C−8とTSL8331の1分
子反応として進行するが、TSL8331のエトキシ基
が加水分解して部分縮合したものである。下層の粘調溶
液の成分は分子内に下記の(化12)で示される構造を
有するものである。
【0072】
【化12】
【0073】(実施例4)実施例1において、グリシジ
ルエーテル化合物を下記の(化13)に示される1,
1,9,9Hテトラヒドロパーフルオロオクチル−1,
9,ジグリシジルエーテル(出願人社製、純度99.9
%、2PFAG−1C−7)10.48g(20mmo
l)、TSL8331を8.84g(40mmol)、
エチルアルコールを76gに変更した以外は、同法で行
なった。
【0074】
【化13】
【0075】反応生成物は、無色透明の低粘度の溶液で
あった。反応生成物について実施例1と同法でTLC及
びFTIRの分析により2PFAG−1C−7及びTS
L−8331のスポットは認められず、1600cm-1
吸収が消失しており、2PFAG−1C−7 1分子に
TSL8331が2分子反応したことが確認された。
【0076】反応生成物は、(EtO)3Si−(CH2)3
NH−CH2−CH(OH)−CH2−O−CH2−(CF2)
7−CH2−O−CH2−CH(OH)−NH−(CH2)3
Si(OEt)3のエチルアルコール20%溶液であった。
【0077】(実施例5)実施例4において、TSL8
331をTSL8340を8.86g(0.40mmo
l)、76gのエチルアルコールをメチルアルコール3
0g、エチルアルコール46gに変更した以外は、同法
で行ない、実施例4と同様の無色透明の低粘度の溶液を
得た。このものは、実施例4と同様にTLC分析、FT
IRにおいて2PFAG−1C−7、及びTSL−34
0の存在が認められず、かつNH2基も消失していた。
【0078】(実施例6)実施例1において、PFAG
−1C−8を20,24g(40mmol)用いた以外
は、同法で行なった。室温で2時間反応させた後、反応
液の一部を採取した。反応生成物のTLC分析におい
て、PFAG−1C−8のスポットは検出されたが、T
SL8331はほとんどが消失しており、またFTIR
分析でも1593cm-1の吸収がほとんど消失していた。
なお、40℃で1時間熟成することにより、1593cm
-1の吸収及びTLS8331のスポットは消失したが、
PFAG−1C−8のスポットが極くわずかに認められ
たので、PFAG−1C−8は1級アミンに優先して反
応していたことが判る。
【0079】(実施例7)実施例1において、PFAG
−1C−8を下記の(化14)に示されるパーフルオロ
1,1,2,2テトラヒドロデカノールグリシジエーテ
ル(出願人社製、純度99.9%、PFAG−2C−
8)を15.6g(30mmol)に変更した以外は、
同法で行なった。
【0080】
【化14】
【0081】反応生成物は、無色透明の低粘度の溶液で
あった反応生成物において、TLCでPFAG−2C−
8及びTSL−8331のスポットは認められず、FT
IRで1693cm-1の吸収も消失していた。反応生成物
は、CF3(CH2)7−CH2−CH2−O−CH2−CH
(OH)−CH 2−NH−(CH2)3−Si(OEt)3を30
%含むエタノール溶液であった。
【0082】(実施例8〜14)下記の表1に示される
種々のアミノアルコキシシラン(製品名は、東芝シリコ
ーン社製のものである。)及びPFAG(製品名は出願
人社製のものである。)を用いて実施例1と同法で行な
った。
【0083】
【表1】
【0084】結果を、下記の表2に示す。なお、表中の
注釈は次の通りである。 (1).MeOH:メチルアルコール (2).EtOH:エチルアルコール (3).TLC「0」:モノマーのスポットなし (4).FTIR「0」:1600cm-1の吸収消失 (5).反応温度:実施例1と同法 (6).アルコールの使用量:原料の4倍使用
【0085】
【表2】
【0086】実施例15(応用例) (1).実施例1の反応液をアクリルシリコーン樹脂(鐘淵
化学工業社製カネカゼムラックyc5920、濃度50
%)に対し3%、硬化剤BT120Sを10%添加、軟
鋼板に30μmの厚みで作成した塗膜は、添加しないも
のよりも格段に汚染性が優れていた。なお、前記汚染性
の評価は、屋外に6ケ月放置のもので行なった。 (2).実施例8の反応液を東芝シリコーン社製屋根用防水
剤(トスコート55,2液型)に5%添加したものも防
汚性に優れていた。 (3).実施例1〜14の反応生成物は、ポリジメチルシロ
キサンジオールHO−[Si(CH3)2−O−]l−SiOH
の400〜20000cpと良く相溶し、ジブチル錫ジ
ラウリレートにより硬化した。 なお、ポリジメチルシロキサンジオールに対する使用量
は1〜10%であり、他のアルコキシシランの併用も可
能であった。
【0087】
【発明の効果】本発明により、以下の種々の利点を享受
することができる。 1.本発明の出発原料であるパーフルオロ基含有のエポ
キシ化合物(PFAG)は製法が簡単で高純度のものを
入手することが可能である。 2.本発明の新規構造のパーフルオロ基含有のアルコキ
シシラン化合物は、脂肪族アルコール系化合物を合成時
の溶媒として使用することができるため、環境付加の小
さいものである。 3.本発明の新規構造のパーフルオロ基含有のアルコキ
シシランは、製法が簡単で安定性に優れている。 4.本発明の新規構造のパーフルオロ基含有のアルコキ
シシラン化合物は、安定性、耐久性に優れ、かつ各種の
基材表面に撥水性、表面潤滑性、防汚性、防眩性などの
特性を付与することができるため、これら表面改質材と
しての用途に有用なものである。 5.本発明の新規構造のパーフルオロ基含有のアルコキ
シシラン化合物は、活性水素を有するシリコーン化合物
との反応性に優れており、改質効果を有している。 6.本発明の新規構造のパーフルオロ基含有のアルコキ
シシラン化合物は、主鎖及び側鎖にパーフルオロ基を導
入したフッ素樹脂組成物の開発を可能とし、産業利用性
の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の反応生成物のFTIR図である。
【図2】 実施例1の出発物質(モノエポキシ化合物)
のFTIR図である。
【図3】 実施例1の出発物質(アミノアルコキシシラ
ン化合物)のFTIR図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H020 BA34 BA36 4H049 VN01 VP01 VP02 VQ35 VQ77 VR20 VR40 VS35 VT40 VT41 VT42 VT43 VU26 VU28 VU29 VV05 VW02 VW33

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で示されるアミノアル
    コキシシラン化合物のN原子が、下記の一般式(2)で示
    される一価の結合基を少なくとも1個有することを特徴
    とするフルオロアルキルアルコキシシラン化合物。 <一般式(1)> HN(R')−Y−Si(R)a(X)3-a ………………………… (1) (式中、R´は水素又は1価の炭化水素基、Rは1価の
    炭化水素基、Xはアルコキシ基、Yは2価の炭化水素基
    又は−(CH2)y−NH−Y'、Y'は2価の炭化水素基、
    yは1〜4の整数、aは0〜2の整数を示す。) <一般式(2)> Cn2n+1−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH2− …………… (2) (式中、nは1≦n<23の整数、xは1又は2の整数
    を示す。)
  2. 【請求項2】 下記の一般式(1)で示されるアミノアル
    コキシシラン化合物の2分子が、それぞれのN原子を介
    して下記の一般式(3)で示される二価の結合基と結合し
    たことを特徴とするフルオロアルキルアルコキシシラン
    化合物。 <一般式(1)> HN(R')−Y−Si(R)a(X)3-a ………………………… (1) (式中、R´は水素又は1価の炭化水素基、Rは1価の
    炭化水素基、Xはアルコキシ基、Yは2価の炭化水素基
    又は−(CH2)y−NH−Y'、Y'は2価の炭化水素基、
    yは1〜4の整数、aは0〜2の整数を示す。) <一般式(3)> [−CH2−CH(OH)−CH2−O−Cn2n−Cx2x−O−CH2−CH(O H)−CH2−] ………………………… (3) (式中、nは1≦n<23の整数、xは1又は2の整数
    を示す。)
  3. 【請求項3】 フルオロアルキルアルコキシシラン化合
    物が、下記の一般式(4)で示される請求項1に記載のフ
    ルオロアルキルアルコキシシラン化合物。 <一般式(4)> Cn2n+1−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH2−N(R')−Y−Si(R) a (X)3-a ………………………… (4)
  4. 【請求項4】 フルオロアルキルアルコキシシラン化合
    物が、下記の一般式(5)で示される請求項2に記載のフ
    ルオロアルキルアルコキシシラン化合物。 <一般式(5)> (X)3-a(R)aSi−Y−N(R')−CH2−CH(OH)−CH2−O−Cx2x− Cn2n−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH2−N(R')−Y−Si(R)a(X )3-a ………………………… (5)
  5. 【請求項5】 アルコール溶媒中で、下記の一般式(1)
    で示されるアミノアルコキシシランと、下記の一般式
    (6)で示されるフルオロアルキル基含有のエポキシ化合
    物とを反応させることにより、下記の一般式(4)で示さ
    れるフルオロアルキルアルコキシシラン化合物を製造す
    る方法。 <一般式(1)> HN(R')−Y−Si(R)a(X)3-a ………………………… (1) (式中、R´は水素又は1価の炭化水素基、Rは1価の
    炭化水素基、Xはアルコキシ基、Yは2価の炭化水素基
    又は−(CH2)y−NH−Y'、Y'は2価の炭化水素基、
    yは1〜4の整数、aは0〜2の整数を示す。) <一般式(6)> 【化1】 (式中、nは1≦n<23の整数、xは1又は2の整数
    を示す。) <一般式(4)> Cn2n+1−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH2−N(R')−Y−Si(R) a (X)3-a ………………………… (4)
  6. 【請求項6】 アルコール溶媒中で、下記の一般式(1)
    で示されるアミノアルコキシシランと、下記の一般式
    (7)で示されるフルオロアルキル基含有のジエポキシ化
    合物とを反応させることにより、下記の一般式(5)で示
    されるフルオロアルキルアルコキシシラン化合物を製造
    する方法。 <一般式(1)> HN(R')−Y−Si(R)a(X)3-a ………………………… (1) (式中、R´は水素又は1価の炭化水素基、Rは1価の
    炭化水素基、Xはアルコキシ基、Yは2価の炭化水素基
    又は−(CH2)y−NH−Y'、Y'は2価の炭化水素基、
    yは1〜4の整数、aは0〜2の整数を示す。) <一般式(7)> 【化2】 (式中、nは1≦n<23の整数、xは1又は2の整数
    を示す。) <一般式(5)> (X)3-a(R)aSi−Y−N(R')−CH2−CH(OH)−CH2−O−Cx2x− Cn2n−Cx2x−O−CH2−CH(OH)−CH2−N(R')−Y−Si(R)a(X )3-a …………………………… (5)
  7. 【請求項7】 アルコール溶媒のアルコール成分が、一
    般式(1)で示されるアミノアルコキシシラン化合物のア
    ルコキシ基を形成するものと同じものである請求項5ま
    たは6に記載のフルオロアルキルアルコキシシラン化合
    物の製造方法。
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