JPWO2018179620A1 - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

回転電機(1)の制御装置は、回転電機(1)に流れる回転電機電流を検出する電流検出器(2)と、回転電機電流に基づいて回転電機(1)の回転子位置を推定する位置推定器(4)と、回転電機電流と回転子位置の情報とに基づいて回転電機(1)を駆動するための駆動電圧指令を演算し、回転子位置を推定するための回転電機(1)の各相の位置推定用電圧指令と駆動電圧指令とを加算した回転電機電圧指令を出力する制御器(5)と、回転電機電圧指令に基づいて回転電機(1)に電圧を印加する電圧印加器(3)とを備え、位置推定器(4)は、回転電機電流に含まれ位置推定用電圧指令に起因して変化する位置推定用電流を抽出し、抽出した位置推定用電流の振幅のうち回転子位置によって変化しない直流成分から回転電機(1)の回転子位置を推定することを特徴とする。

Description

本発明は、回転子の回転位置を検出する位置センサを用いることなく回転子位置情報を得て回転電機を制御する回転電機の制御装置に関する。
回転電機を駆動するためには回転子の位置情報が必要なため、従来の回転電機の制御装置は、回転電機に取付けられた位置センサで検出された位置情報を用いているが、回転電機の製造コストのより一層の低減、回転電機の小型化、及び回転電機の信頼性の向上といった観点から、位置センサレスで回転電機を駆動する技術が開発されてきた。回転電機の位置センサレス制御方法として、主に回転電機の誘起電圧を利用して回転電機の位置を推定する方法と突極性を利用して回転電機の位置を推定する方法とがある。誘起電圧を利用する方法では、誘起電圧の大きさが回転速度に比例するため、零速又は低速域では誘起電圧が小さくなりS/N比が低下し、位置推定が困難になる。突極性を利用した方法では、回転電機の位置を推定するための位置推定用信号を回転電機に入力しなければならないが、零速又は低速域でも回転電機の位置を推定できる。
特許文献1には、突極性を利用した位置センサレス制御方法が開示され、この位置センサレス制御方法は、回転電機を駆動する各相の電圧に位置推定用電圧を重畳し、回転電機電流の周波数と同じ周波数の高周波電流、すなわち位置推定用電流を抽出して位置推定を行う。具体的には、特許文献1に開示される位置センサレス制御方法では、高周波電流の振幅が計算され、その振幅が回転子位置電気角の2倍の周波数を持つ余弦関数又は正弦関数であることを利用して回転子位置が推定される。上記のように各相の電圧に位置推定用電圧を重畳して位置推定する方式を「相電圧重畳方式」と呼ぶ。相電圧重畳方式では、高周波電流から直接に推定位置を演算できるため、位置推定の応答が速い。また相電圧重畳方式は、回転電機の駆動制御において回転座標変換、すなわちd−q変換を行わない場合においても用いることができる。特許文献1ではフーリエ変換が利用されているが、特許文献2に開示される回転電機の制御装置では、高周波電流の2乗和積分値を利用するように演算量が低減されている。特許文献3に開示される回転機の制御装置は、特許文献2と同様に回転座標で位置推定用電圧を重畳して推定している。ただし特許文献3に開示される回転機の制御装置は、位置推定用電圧と高周波電流との外積をゼロに収束させることで位置推定している。このように回転座標で位置推定用電圧を重畳して位置推定する方式を「回転座標電圧重畳方式」と呼ぶ。
しかしながら突極性を利用した位置推定では、回転電機のトルクの大きさによって、すなわち負荷の状態によって磁気飽和の度合いが変化し、磁気飽和の度合いが大きくなることにより、推定された位置と実際の位置との誤差が大きくなるという課題があった。この課題に対して特許文献4に開示される同期電動機の磁極位置推定方法は、回転電機のトルクに応じて推定位置を補正している。ただし磁気飽和の度合いが大きくなると回転電機の突極性が消失して位置推定できない場合がある。この課題に対して特許文献3では、回転座標のd−q軸それぞれに位置推定用電圧を重畳してd−q軸の高周波電流idh及び高周波電流iqhをそれぞれ抽出し、高周波電流idh及び高周波電流iqhを組み合わせた値に基づいて位置推定が行われる。
特許第5069306号公報 特許第5324646号公報 特許第5145850号公報 特許第4687846号公報
しかしながら特許文献3に開示される磁極位置推定方法は、回転座標のd−q軸のそれぞれに位置推定用電圧を重畳してd−q軸の高周波電流である位置推定用電流をそれぞれ抽出し、さらにこれらを組み合わせる必要がある。従って、磁気飽和時の推定精度改善のために計算負荷が増加するという課題がある。また特許文献3及び特許文献4の磁極位置推定方法は、何れも回転座標電圧重畳方式に基づいているため、位置推定のために収束演算が必要であり推定応答が遅く、また回転電機の駆動制御を回転座標で行わない方式には適用できない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、磁気飽和が生じた場合でも計算負荷の増加を抑制しながら回転子位置の推定精度を向上できる回転電機の制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の回転電機の制御装置は、回転電機の制御装置であって、回転電機に流れる回転電機電流を検出する電流検出器と、回転電機電流に基づいて回転電機の回転子位置を推定する位置推定器と、回転電機電流と回転子位置の情報とに基づいて回転電機を駆動するための駆動電圧指令を演算し、回転子位置を推定するための回転電機の各相の位置推定用電圧指令と駆動電圧指令とを加算した回転電機電圧指令を出力する制御器と、回転電機電圧指令に基づいて回転電機に電圧を印加する電圧印加器とを備え、位置推定器は、回転電機電流に含まれ位置推定用電圧指令に起因して変化する位置推定用電流を抽出し、抽出した位置推定用電流の振幅のうち回転子位置によって変化しない直流成分から回転電機の回転子位置を推定することを特徴とする。
本発明によれば、磁気飽和が生じた場合でも計算負荷の増加を抑制しながら回転子位置の推定精度を向上できる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る回転電機の制御装置の構成を示す図 図1に示す位置推定用電圧発生器から出力される位置推定用電圧指令を示す図 本発明の実施の形態1に係る位置推定器の構成を示す図 回転電機の突極性を示す高周波電流の軌跡と特定の通電角度で通電された高周波電流の軌跡の変化を示す図 回転電機の回転子位置と高周波電流の直流成分の関係を示す図 本発明の実施の形態2に係る回転電機の制御装置の構成を示す図 本発明の実施の形態3に係る回転電機の制御装置の構成を示す図 本発明の実施の形態3に係る位置推定器の構成を示す図 本発明の実施の形態4に係る回転電機の制御装置の構成を示す図 本発明の実施の形態4に係る位置推定器の構成を示す図 本発明の実施の形態5に係る回転電機の制御装置の構成を示す図 本発明の実施の形態5に係る位置推定器の構成を示す図 本発明の実施の形態1から5に係る回転電機の制御装置の第1のハードウェア構成例を示す図 本発明の実施の形態1から5に係る回転電機の制御装置の第2のハードウェア構成例を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る回転電機の制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る回転電機の制御装置の構成を示す図である。以下では「回転電機の制御装置」を単に「制御装置」と称する場合がある。図1に示す制御装置100は、回転電機電圧指令v ,v ,v に従って交流電力を供給する電圧印加器3と、電圧印加器3から回転電機1に供給される交流電流を検出して検出した交流電流を回転電機電流i,i,iとして出力する電流検出器2と、電流検出器2で検出された回転電機電流i,i,iを用いて推定位置θ を演算する位置推定器4と、回転電機1の出力トルクがトルク指令値Tで指示される値となるように回転電機1を駆動する回転電機電圧指令v ,v ,v を演算する制御器5とを備える。
制御器5は、電流指令演算器6、d−q電流制御器7、回転座標逆変換器8、二相−三相変換器9、位置推定用電圧発生器10、三相−二相変換器11、回転座標変換器12及び加算器13を備える。
回転電機1は、回転子の突極性を利用してトルクを発生する三相の同期リラクタンスモータである。回転電機1には電圧印加器3が接続され、回転電機1と電圧印加器3との間には電流検出器2が設けられている。
電流指令演算器6は、トルク指令値Tを用いて、回転座標上の電流指令i ,i を演算する。電流指令演算器6は、トルクに対する電流実効値、すなわち銅損が最小になるように電流指令i ,i を演算する。電流指令i は、回転電機1の回転子の磁気抵抗が最も小さくなるd軸方向の電機子電流成分を示すd軸電流の指令である。電流指令i は、d軸に直交する方向となるq軸方向の電機子電流成分を示すq軸電流の指令である。電流指令i ,i の演算にはトルク指令値T以外にも回転電機1のモータ定数が用いられる。モータ定数としては、回転電機1の相互インダクタンスと回転電機1の極数とを例示できる。なおモータ定数の代わりに、予め求めた電流指令とトルクの関係式やテーブルを用いることもできる。
三相−二相変換器11は、電流検出器2で検出された三相座標上の回転電機電流i,i,iを静止二相座標上の回転電機電流iα,iβへ変換する。回転座標変換器12は、推定位置θ を用いて、静止二相座標上の回転電機電流iα,iβを回転座標上の電動機電流i,iに変換する。
d−q電流制御器7は、回転座標変換器12で変換された電動機電流i,iが電流指令演算器6で演算された電流指令i ,i となるように電流制御を行い、回転座標上の電圧指令v ,v を演算する。d−q電流制御器7における電流制御としては比例積分制御を例示できる。回転座標逆変換器8は、推定位置θ を用いて、d−q電流制御器7で演算された回転座標上の電圧指令v ,v を静止二相座標上の電圧指令vα ,vβ へ変換する。二相−三相変換器9は、静止二相座標上の電圧指令vα ,vβ を、回転電機1を駆動するための三相座標上の駆動電圧指令vuf ,vvf ,vwf に変換する。
位置推定用電圧発生器10は、回転電機1の回転子位置を推定するための位置推定用電圧指令vuh ,vvh ,vwh を演算する。図2は図1に示す位置推定用電圧発生器から出力される位置推定用電圧指令を示す図である。実施の形態1では、位置推定用電圧指令vuh ,vvh ,vwh は図2に示すようにパルス状の電圧で、各相に個別に、この場合はu相、v相、w相の順番で印加される。
加算器13は、位置推定用電圧指令vuh ,vvh ,vwh と駆動電圧指令vuf ,vvf ,vwf とを加算した回転電機電圧指令v ,v ,v を電圧印加器3へ出力する。
図3は本発明の実施の形態1に係る位置推定器の構成を示す図である。位置推定器4は、位置推定用電流である高周波電流の振幅iuh,ivh,iwhを演算する高周波電流抽出器401と、高周波電流の振幅iuh,ivh,iwhの平均値を演算し、演算した平均値を高周波電流振幅の直流成分Ihdcとして抽出する直流成分抽出器402と、回転電機1のd軸周辺における回転子位置と高周波電流振幅の直流成分との関係性を利用して高周波電流振幅の直流成分Ihdcから推定位置θ を演算する推定位置演算器403とを備える。以下では、高周波電流振幅の直流成分Ihdcを「位置演算信号A」と称する場合がある。
高周波電流抽出器401は、回転電機電流のうち位置推定用電圧指令によって変化した成分、すなわち位置推定用電流である高周波電流iuh’,ivh’,iwh’を抽出して、さらに高周波電流の振幅iuh,ivh,iwhを演算する。実施の形態1の高周波電流抽出器401は、パルス状の電圧が印加される前の電流値からパルス状の電圧が印加された後の電流値を差し引くことにより、下記(1)式に示すような高周波電流iuh’,ivh’,iwh’を抽出する。なお高周波電流の抽出方法はこれに限定されず、高周波電流の抽出にはローパスフィルタ又はハイパスフィルタを用いてもよい。
Figure 2018179620
高周波電流の振幅iuh,ivh,iwhは、位置推定用電圧指令がパルス状の電圧の場合は、以下の(2)式に示すように高周波電流iuh’,ivh’,iwh’とほぼ等しい。
Figure 2018179620
ただし、上述の電流値の差し引き処理、ローパスフィルタ又はハイパスフィルタによって、抽出した高周波電流の振幅が減衰あるいは増幅している場合もあるが、減衰あるいは増幅の倍率は各相で同じでありこの後に続く位置推定には影響を与えない。
ここで、高周波電流の振幅のうち回転子位置に依存して変化しない成分を、「高周波電流振幅の直流成分」「Ihdc」とし、回転子位置に依存して変化する成分の振幅を「高周波電流振幅の交流成分の振幅」「Ihac」とし、回転子位置を「θ」としたとき、抽出された高周波電流の振幅は、特許文献2の明細書の段落[0037]に示されるように、回転子位置の2倍角の余弦関数で変化する成分を含む。特許文献2では、回転電機のd軸がu相に整列している場合の回転子位置をゼロとされ、このとき、u相のインダクタンスは最も大きくなり、u相の高周波電流振幅は最小となる。直流成分抽出器402は、下記(3)式に示すように高周波電流の振幅iuh,ivh,iwhの平均値を演算することで、高周波電流振幅の直流成分Ihdcである位置演算信号Aを抽出する。
Figure 2018179620
特許文献2の明細書の段落[0059]から段落[0070]に示すように、特許文献2では高周波電流振幅の交流成分を用いて回転子位置が推定される。以下では高周波電流振幅の交流成分を「位置演算信号B」と称する場合がある。下記(4)式に示すように、高周波電流振幅の交流成分iuhac,ivhac,iwhacは、上記(1)式および上記(2)式に示した高周波電流の振幅から、高周波電流振幅の直流成分を減じることで得られる。
Figure 2018179620
位置推定では、三相の位置演算信号のそれぞれのゼロクロス点を中心とした電気角60°毎に6つの区間に分けられる。各区間において位置演算信号Bのうちゼロクロスするものは、回転子位置θに関してsin(2θ)又はsin(2θ)の関数となるので、これらの関数を直線近似することによって位置演算信号Bから推定位置が演算される。推定位置は、上記(4)式の高周波電流振幅の交流成分の何れか一つの信号を逆余弦演算することで求めることができる。また推定位置は、三相座標の位置演算信号Bを三相―二相変換してから逆正接演算することで求めることができる。
しかしながら突極性を利用した位置推定では、回転電機1のトルクの大きさによって磁気飽和の度合いが変化し、推定した位置と実際の位置との誤差が大きくなる。回転電機1の突極性とその変化を確認するため、定格値の50%及び100%のトルク指令値Tが入力された際の電流振幅で様々な通電角度で通電された高周波電流の軌跡を図4に示す。図4は回転電機の突極性を示す高周波電流の軌跡と特定の通電角度で通電された高周波電流の軌跡の変化を示す図である。図4の左側には、定格値の50%のトルク指令値Tが入力された際の高周波電流の軌跡が示され、図4の右側には、定格値の100%のトルク指令値Tが入力された際の高周波電流の軌跡が示される。横軸は高周波電流のd軸成分iを表し、縦軸は高周波電流のq軸成分iを表す。縦横軸の電流値は、トルク対電流が最小の条件で定格値の100%のトルクを与える値を100%として示される。図4には6つの異なる通電角度で通電された高周波電流のdq軸成分i,iが示される。
このようなトルク指令値Tが入力されたときの回転電機1では、回転子の突極性に起因する高周波電流の振幅が基本的にq軸方向では大きくd軸方向では小さい。言い換えれば、高周波電流の軌跡はd軸を短軸とした楕円となっている。従来技術の位置推定では、楕円の短軸方向がd軸と推定される。ここで、トルクが大きい場合又は回転電機電流の通電角度がd軸方向に近い場合、磁気飽和の度合いが大きくなり、高周波電流振幅のd軸成分とq軸成分が等しくなる。すなわち高周波電流の軌跡は楕円から真円に近づき、突極性による位置推定が不可能になる。さらにトルクが大きい場合には磁気飽和の度合いが増大し、通電角度がd軸に近い場合には楕円がd軸方向に傾き、通電角度がq軸に近い場合にはq軸方向に傾く。ここで、通電角度は推定位置を用いて演算されており、推定位置には電圧印加器3の電圧出力誤差及び電流検出器2の電流検出誤差によって誤差が含まれる。すなわち、推定位置にd軸方向の誤差が含まれる場合、真の回転子位置に対する通電角度がd軸方向に近づき、その結果、推定位置はさらにd軸方向に大きくなる。同様に、q軸方向についても推定位置の誤差が拡大する。このように推定誤差が拡大することにより、安定に回転子位置を推定して回転電機1を駆動できなくなる。
実施の形態1では、磁気飽和の度合いが大きい場合でも位置推定ができるように、推定位置演算器403による位置推定が行われる。回転子位置とこれに依存して変化する高周波電流振幅の直流成分Ihdcについてまとめると図5の関係が得られる。図5は回転電機の回転子位置と高周波電流振幅の直流成分の関係を示す図である。縦軸は高周波電流の直流成分を表し、横軸は回転子位置を表す。回転子位置は、回転電機1のd軸を基準としてその差分で表される。図5の実線は、定格値の50%のトルク指令値Tが入力された際の高周波電流の直流成分の軌跡である。図5の点線は、定格値の100%のトルク指令値Tが入力された際の高周波電流振幅の直流成分の軌跡である。図5より、回転電機1のd軸周辺において回転子位置と高周波電流の直流成分とには一対一の関係があることが分かる。これにより図5に示すd軸周辺(−30°〜+25°)において高周波電流の直流成分から一意的に回転子位置を決定できる。推定位置演算器403はこの関係を予め記憶しておき、この関係と高周波電流振幅の直流成分Ihdcとから推定位置θ を演算する。またこの関係は、使用を想定するトルク又は回転電機電流の範囲に対応付けて記憶されているものとする。
実施の形態1では、突極性を利用した位置センサレス制御方法において位置推定用電流の振幅の直流成分を利用することにより、回転電機1の磁気飽和の度合いが大きい場合でも、位置推定精度改善のために計算負荷を増加させることなく安定に回転子位置を推定して回転電機1を駆動できる。
実施の形態2.
実施の形態1では回転座標上で回転電機1の駆動制御が行われる。回転座標上での制御は広く利用され高応答に回転電機1を駆動制御できるが、回転座標上での制御では回転座標変換とその制御演算が必要である。実施の形態2では、回転電機1の駆動制御を三相座標で行う場合の構成例を説明する。
図6は本発明の実施の形態2に係る回転電機の制御装置の構成を示す図である。実施の形態1に係る制御装置100と実施の形態2に係る制御装置100Aとの相違点は、制御装置100Aでは制御器5の代わりに制御器5Aが用いられることである。
制御器5Aは、位置推定用電圧発生器10、電流指令演算器21、三相電流演算器22及び三相電流制御器23を備える。電流指令演算器21は、トルク指令値Tを用いて、電流振幅指令I と通電角度指令φ とを演算する。電流指令演算器21は、トルクに対する電流実効値、すなわち銅損が最小になるように電流振幅指令I と通電角度指令φ を演算する。三相電流演算器22は、下記(5)式に示すように、推定位置θ と電流振幅指令I と通電角度指令φ とを用いて、三相電流指令i ,i ,i を演算する。
Figure 2018179620
三相電流制御器23は、電流検出器2で検出された三相座標上の回転電機電流i,i,iが三相電流指令i ,i ,i となるように電流制御を行い、三相座標上の駆動電圧指令vuf ,vvf ,vwf を演算する。三相電流制御器23における電流制御としては比例積分制御を例示できる。加算器13は、位置推定用電圧発生器10で演算された位置推定用電圧指令vuh ,vvh ,vwh と三相電流制御器23で演算された駆動電圧指令vuf ,vvf ,vwf とを加算した回転電機電圧指令v ,v ,v を電圧印加器3へ出力する。
以上のように実施の形態2に係る制御装置100Aによれば、回転電機1の駆動制御を回転座標で行わない場合でも計算負荷の増加を抑制しながら磁気飽和時の位置推定を精度良く実行できる。
実施の形態3.
実施の形態1,2ではパルス状の位置推定用電圧指令vuh ,vvh ,vwh が用いられる。実施の形態3では位置推定用電圧指令vuh ,vvh ,vwh として多相交流電圧が用いられる。
図7は本発明の実施の形態3に係る回転電機の制御装置の構成を示す図である。実施の形態1に係る制御装置100と実施の形態3に係る制御装置100Bとの相違点は、制御装置100Bでは制御器5の代わりに制御器5Bが用いられることと、位置推定器4の代わりに位置推定器4Bが用いられることである。
制御器5Bは、電流指令演算器6、d−q電流制御器7、回転座標逆変換器8、二相−三相変換器9、位置推定用電圧発生器10B、三相−二相変換器11、回転座標変換器12及び加算器13を備える。制御器5Bでは位置推定用電圧発生器10の代わりに位置推定用電圧発生器10Bが用いられる。
位置推定用電圧発生器10Bは、下記(6)式に示すように、振幅Vhp及び角周波数ωtの多相交流電圧である位置推定用電圧指令vuh ,vvh ,vwh を発生する。
Figure 2018179620
図8は本発明の実施の形態3に係る位置推定器の構成を示す図である。実施の形態1に係る位置推定器4と実施の形態3に係る位置推定器4Bとの相違点は、位置推定器4Bでは、高周波電流抽出器401の代わりに高周波電流抽出器3001及び高周波電流振幅演算器3002が用いられ、直流成分抽出器402の代わりに直流成分抽出器402Bが用いられ、推定位置演算器403の代わりに推定位置演算器403Bが用いられることである。
高周波電流抽出器3001は、下記(7)式に示すように、ノッチフィルタを用いて位置推定用電流である高周波電流iuh ,ivh ,iwh を抽出する。高周波電流iuh ,ivh ,iwh の抽出方法はこれに限定されず、高周波電流の抽出にはローパスフィルタ又はハイパスフィルタを用いてもよい。抽出した高周波電流iuh ,ivh ,iwh は、特許文献2の明細書の段落[0037]に示すように、また上記(1)式と同様に、回転子位置の2倍角の余弦関数で変化する成分を含む。
Figure 2018179620
上記(7)式に示すように高周波電流iuh ,ivh ,iwh の振幅が回転子位置の情報を含んでいる。高周波電流振幅演算器3002は、特許文献2の明細書の段落[0049]から段落[0051]に示すように、また下記(8)式に示すように、高周波電流抽出器3001で抽出された高周波電流iuh ,ivh ,iwh の2乗の積分値を演算することによって高周波電流の振幅iuh,ivh,iwhを求める。下記(8)式の係数Kは積分区間に依存した倍率である。従ってこの高周波電流の振幅は、実際には真の振幅にこの倍率が掛かった値となるが、各相の倍率が同じであるのでこの後に続く位置推定には影響を与えない。また、積分区間は、位置推定用電圧の半周期の整数倍に選べば、高周波電流の2乗値の脈動成分を常に平滑して高周波電流の振幅を得ることができる。また積分の代わりにローパスフィルタを用いることもできる。
Figure 2018179620
直流成分抽出器402Bは、直流成分抽出器402と同様に高周波電流の振幅の各相の平均値を演算することで、高周波電流振幅の直流成分K・Ihdcを演算する。推定位置演算器403Bは、高周波電流振幅の直流成分K・Ihdcと回転子位置との関係を予め記憶しておき、この関係と高周波電流振幅の直流成分K・Ihdcとから推定位置θ を演算する。
以上のように実施の形態3は、パルス状の電圧を各相に順番に印加する実施の形態1及び実施の形態2のようにパルス電圧を各相に順番に印加する場合と比べて、各相に同時に連続して位置推定用電圧を印加して、連続して位置推定ができるため、応答良く回転子位置を推定できる。なお実施の形態3では多相交流電圧が三相座標上で重畳される構成例を説明したが、実施の形態3に係る制御装置100Bは、多相交流電圧を静止二相座標上の電圧指令vα ,vβ へ重畳させて、静止二相座標上の回転電機電流iα,iβから高周波電流を抽出して位置推定する構成としても良い。
実施の形態4.
実施の形態1,2,3では、位置推定において予め高周波電流振幅の直流成分と回転子位置との関係を記憶する必要があった。実施の形態4では位置推定のために記憶すべき情報量を低減する構成例を説明する。
図9は本発明の実施の形態4に係る回転電機の制御装置の構成を示す図である。実施の形態3に係る制御装置100Bと実施の形態4に係る制御装置100Cとの相違点は、制御装置100Cでは位置推定器4Bの代わりに位置推定器4Cが用いられることである。
図10は実施の形態4に係る位置推定器の構成を示す図である。実施の形態3に係る位置推定器4Bと実施の形態4に係る位置推定器4Cとの相違点は、位置推定器4Cでは、高周波電流抽出器3001、高周波電流振幅演算器3002及び直流成分抽出器402Bに加えて、相電流振幅演算器4001及び直流成分目標値演算器4002を備えることと、推定位置演算器403Bの代わりに推定位置演算器403Cが用いられていることである。
相電流振幅演算器4001は、下記(9)式により回転電機1の相電流振幅Iを演算する。相電流振幅Iの演算方法には、回転電機電流i,i,iの波高値又は絶対値を利用してもよいし、ローパスフィルタを組み合わせることができるのは言うまでもない。
Figure 2018179620
実施の形態1で説明したように、回転子位置に対する回転電機電流の通電角度が予め設定されていれば、回転子位置に対する高周波電流振幅の直流成分は回転電機1のd軸周辺において相電流振幅であるトルク指令値Tに対して一意的に決定できる。従って、直流成分目標値演算器4002は、予め直流成分の目標値と相電流振幅の関係を記憶しておき、この関係を用いて直流成分目標値I を出力する。またこの関係は、使用を想定するトルク、すなわち回転電機電流の範囲に対応付けて記憶されているものとする。推定位置演算器403Cは、高周波電流振幅の直流成分が直流成分目標値I となるように積分制御を行って、推定位置θ を演算する。目標値への追従制御は比例積分制御でも良いし比例積分微分制御でも良い。
以上のように実施の形態4に係る位置推定器4Cでは、位置推定のために記憶すべき情報量を低減して、計算負荷の増加を抑制しながら磁気飽和時の位置推定を精度良く実行できる。
実施の形態5.
実施の形態1,2,3,4では、高周波電流振幅の直流成分を利用して位置推定を実施する構成例を説明した。ただし回転電機1の磁気飽和の度合いが小さい場合には、従来の位置推定方法を利用することができる。実施の形態5では、従来の位置推定方法と高周波電流振幅の直流成分を利用した位置推定方法とを磁気飽和の度合いに応じて切り替える構成例を説明する。
図11は本発明の実施の形態5に係る回転電機の制御装置の構成を示す図である。実施の形態3に係る制御装置100Bと実施の形態5に係る制御装置100Dとの相違点は、制御装置100Dでは位置推定器4Bの代わりに位置推定器4Dが用いられることである。
図12は本発明の実施の形態5に係る位置推定器の構成を示す図である。実施の形態3に係る位置推定器4Bと実施の形態5に係る位置推定器4Dとの相違点は、位置推定器4Dでは、高周波電流抽出器3001、高周波電流振幅演算器3002、直流成分抽出器402B及び推定位置演算器403Bに加えて、相電流振幅演算器4001、減算器5000、推定位置演算器5001及び推定位置切替器5002を備えることである。
減算器5000は、高周波電流の振幅iuh,ivh,iwhから高周波電流振幅の直流成分K・Ihdcを差し引くことにより高周波電流振幅の交流成分を演算し、推定位置演算器5001には減算器5000で演算された高周波電流振幅の交流成分が入力される。そして推定位置演算器5001は、実施の形態1で説明した従来の位置推定方法を利用して推定位置θ racを演算する。従来の位置推定方法では、磁気飽和時に精度よく位置推定できないものの、回転子位置に関する情報を予め記憶することなく位置推定が可能である。
推定位置切替器5002は、予め記憶した高周波電流振幅の直流成分と回転子位置との関係から演算された推定位置θ rdc又は従来の位置推定方法で推定された推定位置θ racを選択して推定位置θ として出力する。推定位置切替器5002における推定位置の切替には相電流振幅Iが利用される。
推定位置切替器5002は、相電流振幅Iの値が推定位置切替器5002に設定されるしきい値未満の場合、磁気飽和の度合いが小さいと判定し、推定位置θ racを選択して推定位置θ として出力する。推定位置切替器5002は、相電流振幅Iの値が推定位置切替器5002に設定されるしきい値以上の場合、磁気飽和の度合いが大きいと判定し、推定位置θ rdcを選択して推定位置θ として出力する。しきい値は回転電機1が磁気飽和する値に設定される。従って、磁気飽和の度合いが小さい場合には予め回転子位置に関する情報を記憶する必要がないため、位置推定のために記憶すべき情報量を抑制することができる。磁気飽和の度合いが大きい場合には高周波電流振幅の直流成分を利用することで安定に回転子位置を推定できる。なお推定位置の切替には、相電流振幅I以外にも、トルク指令値Tを利用することもでき、また磁気飽和の度合いを判定する信号を利用することができる。
以上のように実施の形態5に係る位置推定器4Dでは、磁気飽和の度合いが小さい場合、予め回転子位置に関する情報を記憶する必要がない従来の位置推定方法による位置推定を利用できるため、回転子位置を読み出して位置推定演算を行う必要がなくなり、位置推定演算が高速化されるという効果を得ることができる。
実施の形態1から5に係る制御装置100,100A,100B,100C,100Dが備える各機能は処理回路を用いて実現することができる。各機能とは、電流検出器2、電圧印加器3、位置推定器4,4B,4C,4D及び制御器5,5A,5Bである。図13は本発明の実施の形態1から5に係る回転電機の制御装置の第1のハードウェア構成例を示す図である。図14は本発明の実施の形態1から5に係る回転電機の制御装置の第2のハードウェア構成例を示す図である。図13には専用処理回路60のような専用のハードウェアにより上記の処理回路を実現する例が示される。図14にはプロセッサ61及び記憶装置62により上記の処理回路を実現する例が示される。
図13に示すように専用のハードウェアを利用する場合、専用処理回路60は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。上記の各機能のそれぞれを、処理回路で実現してもよいし、まとめて処理回路で実現してもよい。
図14に示すようにプロセッサ61及び記憶装置62を利用する場合、上記の各機能のそれぞれは、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組合せにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、記憶装置62に記憶される。プロセッサ61は記憶装置62に記憶されたプログラムを読み出して実行する。またこれらのプログラムは、上記の各機能のそれぞれが実行する手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。記憶装置62は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)(登録商標)といった半導体メモリが該当する。半導体メモリは不揮発性メモリでもよいし揮発性メモリでもよい。また記憶装置62は、半導体メモリ以外にも、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disc)が該当する。
また上記の各機能のそれぞれは、一部をハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。具体例としては、電流検出器2及び電圧印加器3は専用のハードウェアを用いてその機能が実現され、位置推定器4,4B,4C,4D及び制御器5,5A,5Bはプロセッサ61及び記憶装置62を用いてその機能が実現される。
なお実施の形態1,2,3,4,5では回転電機1を同期リラクタンスモータとして説明したが、実施の形態1から5に係る制御装置100,100B,100C,100Dは、埋込磁石型同期モータ又は表面磁石型同期モータといった回転電機1は突極性を持つモータにも適応可能である。
また実施の形態1から5では、高周波電流振幅の直流成分から回転子位置を推定しているが、位置推定の高精度化や低騒音化のために位置推定用電圧指令の大きさを可変にする場合がある。この場合は、高周波電流振幅の直流成分の代わりに、上記の直流成分と位置推定用電圧指令との比、例えばインダクタンスの直流成分などを利用できることは自明のことである。
また実施の形態1から5では、制御装置100,100B,100C,100Dの制御器5,5A,5Bがトルクを制御するものとして説明したが、制御器5,5A,5Bは回転速度を制御する構成とすることもできる。また実施の形態1から5では、トルクに対する回転電機1の電流指令が電流実効値、すなわち銅損が最小になるように選択されているが、制御装置100,100B,100C,100Dには鎖交磁束又は回転電機1の損失が最小になるように設定してよい。また実施の形態1から5では、電流検出器2が回転電機1の相電流を検出する構成例を説明したが、制御装置100,100B,100C,100Dは、相電流を検出することができればよく、インバータに内蔵された電圧印加部である電流センサにより回転電機1の相電流を検出する構成としてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 回転電機、2 電流検出器、3 電圧印加器、4,4B,4C,4D 位置推定器、5,5A,5B 制御器、6,21 電流指令演算器、7 d−q電流制御器、8 回転座標逆変換器、9 二相−三相変換器、10,10B 位置推定用電圧発生器、11 三相−二相変換器、12 回転座標変換器、13 加算器、22 三相電流演算器、23 三相電流制御器、60 専用処理回路、61 プロセッサ、62 記憶装置、100,100A,100B,100C,100D 制御装置、401,3001 高周波電流抽出器、402,402B 直流成分抽出器、403,403B,403C,5001 推定位置演算器、3002 高周波電流振幅演算器、4001 相電流振幅演算器、4002 直流成分目標値演算器、5000 減算器、5002 推定位置切替器。

Claims (10)

  1. 回転電機の制御装置であって、
    前記回転電機に流れる回転電機電流を検出する電流検出器と、
    前記回転電機電流に基づいて前記回転電機の回転子位置を推定する位置推定器と、
    前記回転電機電流と前記回転子位置の情報とに基づいて前記回転電機を駆動するための駆動電圧指令を演算し、前記回転子位置を推定するための前記回転電機の各相の位置推定用電圧指令と前記駆動電圧指令とを加算した回転電機電圧指令を出力する制御器と、
    前記回転電機電圧指令に基づいて前記回転電機に電圧を印加する電圧印加器とを備え、
    前記位置推定器は、前記回転電機電流に含まれ前記位置推定用電圧指令に起因して変化する位置推定用電流を抽出し、抽出した前記位置推定用電流の振幅のうち回転子位置によって変化しない直流成分から前記回転電機の回転子位置を推定することを特徴とする回転電機の制御装置。
  2. 前記直流成分は、前記位置推定用電流の振幅の前記各相の平均値であることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記位置推定用電圧指令はパルス状の電圧を前記各相に個別に印加するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記位置推定用電圧指令は多相交流電圧であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記位置推定器は、前記位置推定用電流の振幅を前記位置推定用電流の2乗値の積分によって演算することを特徴とする請求項4に記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記積分の区間は、前記位置推定用電圧指令の半周期の整数倍であることを特徴とする請求項5に記載の回転電機の制御装置。
  7. 前記位置推定器は、予め記憶された前記直流成分と前記回転子位置との関係から位置推定することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の回転電機の制御装置。
  8. 前記位置推定器は、前記直流成分が、予め記憶された直流成分目標値となるように位置推定することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の回転電機の制御装置。
  9. 前記制御器は、前記回転電機電流を回転電機が磁気飽和する値に制御することを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の回転電機の制御装置。
  10. 前記位置推定器は、前記回転電機電流の振幅が、前記回転電機が磁気飽和する値に設定されたしきい値未満の場合には前記位置推定用電流の振幅のうち回転子位置によって変化する交流成分から位置推定し、前記回転電機電流が、前記しきい値以上の場合には前記位置推定用電流の振幅のうち回転子位置によって変化しない直流成分から位置推定することを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の回転電機の制御装置。
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