JPWO2017150212A1 - 酸化アルミニウム膜の製造方法及び酸化アルミニウム膜の製造原料 - Google Patents

酸化アルミニウム膜の製造方法及び酸化アルミニウム膜の製造原料 Download PDF

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Abstract

300℃〜550℃に加熱された成膜対象物上に、特定構造のアルミニウム化合物を供給し、酸化することにより酸化アルミニウム膜を形成する、酸化アルミニウム膜の製造方法である。

Description

本発明は、成膜対象物上に酸化アルミニウム膜を製造する方法及び酸化アルミニウム膜の製造原料に関する。
従来、酸化アルミニウム膜は、ゲート絶縁膜等として有用な膜として知られており、半導体分野において幅広く応用展開がなされている。そこで、近年、より高品質な酸化アルミニウム膜が求められつつある。このため、高品質な酸化アルミニウム膜を製造するために好適なアルミニウム化合物(酸化アルミニウム膜の製造原料)が検討されている(例えば、特許文献1〜3、非特許文献3参照)。
また、特許文献4には、重合触媒としてアルキルアルミニウムジハライド化合物が開示されている。非特許文献1及び非特許文献2には、アルキルアルミニウムジハライド化合物の測定例や合成例が開示されている。
WO2004/108985号公報 特許第4716193号公報 特開2007−138296号公報 WO2015/164972号公報
Chemische. Berichte,102,1937−1943(1969) Journal Of Organometallic Chemistry, 76, 171−201 (1974) Inorganic Materials, Vol. 38, No.5,2002,438-444.
非特許文献1、非特許文献2、及び特許文献4には、アルキルアルミニウムジハライド化合物が酸化アルミニウム膜の製造原料として有用である旨の記載はなかった。また、非特許文献3には、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition法;以下、「CVD法」と称する。)による酸化アルミニウム膜の製造について記載はあるが、他の成膜法や成膜温度等に関する検討はされていなかった。
また、特許文献1に記載の通り、一般にアルキルアルミニウムジハライド化合物は自燃性があることが知られていることから、取扱いにくく、酸化アルミニウム膜製造用原料としては好ましくなかった。さらに、成膜時に塩化アルミニウムや炭化アルミニウム等の不純物も混入すると、半導体等の用途においては好ましくなかった。したがって、得られた酸化アルミニウム膜は化学的に純度が高い必要がある。さらに、半導体等の用途においては酸化アルミニウム膜の厚みが均一である必要がある。
そこで、本発明の主な課題は、工業的に好適な方法により高品位な酸化アルミニウム膜を製造すること、及び酸化アルミニウム膜の製造原料を提供することにある。
本発明者等は、検討を重ねた結果、特定の構造を有するアルキルアルミニウムジハライド化合物が、非自燃性であり、ハロゲン原子等を有さない、高品位な酸化アルミニウム膜を製造し得る酸化アルミニウム膜の製造原料であることを見出し、本発明に到達した。
なお、本発明において、高品位とは、化学的に純度が高いこと、及び得られた酸化アルミニウム膜の厚みが同一膜内で均一であることを示す。
本発明に係る酸化アルミニウム膜の製造方法では、300〜550℃に加熱された成膜対象物上に、下記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物を供給し、酸化することにより酸化アルミニウム膜を形成する。
Figure 2017150212

(式中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基を示し、Xはハロゲン基を示す。ふたつのXは同一又は異なっていてもよい)
本発明に係る酸化アルミニウム膜の製造原料は、下記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物からなる。
Figure 2017150212

(式中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基を示し、Xはハロゲン基を示す。ふたつのXは同一又は異なっていてもよい)
本発明によれば、高品位な酸化アルミニウム膜を製造し得る酸化アルミニウム膜の製造方法、及び酸化アルミニウム膜の製造原料を提供することができる。
実施例において使用した、アルミニウム化合物を用いて酸化アルミニウム膜を製造するための蒸着装置の構成を示す図である。
本発明の酸化アルミニウム膜の製造方法は、300℃〜550℃に加熱された成膜対象物上に、下記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物を供給し、酸化することにより酸化アルミニウム膜を形成することを特徴とする。
Figure 2017150212

(式中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基を示し、Xはハロゲン基を示す。ふたつのXは同一又は異なっていてもよい)
(アルミニウム化合物)
本発明の酸化アルミニウム膜の製造方法において使用するアルミニウム化合物は、前記一般式(1)で示すアルキルアルミニウムジハライド化合物である。
一般式(1)中のRは炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基であり、好ましくは炭素原子数1〜3の直鎖状のアルキル基である。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。なお、n−プロピル基とは直鎖状のプロピル基を示し、他のアルキル基についても同様である。
一般式(1)中のXはハロゲン基であり、例えば、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。中でも、クロロ基が好ましい。一般式(1)中、2つのXは同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
本発明の酸化アルミニウム膜の製造方法で使用するアルミニウム化合物の好適な具体例としては、下記式(2)〜(7)で示される化合物が挙げられる。中でも、下記式(2)、(3)で示される化合物が好ましく、下記式(3)で示される化合物がより好ましく用いられる。
Figure 2017150212
式中、Me、Et、Pr、Bu、Pen、及びHexは、それぞれメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基を示す。
前記アルミニウム化合物は、酸化アルミニウム膜の製造原料として使用され、好ましくは原子層堆積法(Atomic Layer Deposition;以下、「ALD法」と称する。)による酸化アルミニウム膜の製造原料として使用される。
成膜法としては、一般にALD法やCVD法が挙げられるが、膜厚を制御しやすく、良好な段差被膜性を有し、均一で緻密な膜を成膜できるという点で、ALD法の方が好ましい。しかし、Chem.Mater.2010,22,4844-4853の4845ページの第二段落に記載の通り、ALD法に用いられる材料はCVD法よりも非常に限られていることから、ALD法により成膜できる材料を探索することは困難である。ところが、前記アルミニウム化合物は、ALD法でも成膜することができる。
(成膜対象物)
成膜対象物としては、例えば、SiO/Si、Si、TiN/Si、ZrO/Si、Si/SiO/Siなどが挙げられ、好ましくはSiO/Siである。
(アルキルアルミニウムジハライド化合物〔前記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物〕の製造方法)
本発明の酸化アルミニウム膜の製造方法において使用するアルキルアルミニウムジハライド化合物は、例えば、トリハロゲノアルミニウムとトリアルキルアルミニウムとを反応させる方法によって製造することができる。
前記トリハロゲノアルミニウムとしては、例えば、トリクロロアルミニウム、トリブロモアルミニウム、トリヨードアルミニウムなどが挙げられるが、好ましくはトリクロロアルミニウムである。
前記トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムなどが挙げられるが、好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、より好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、更に好ましくはトリエチルアルミニウムである。
前記トリアルキルアルミニウムの使用量は、トリハロゲノアルミニウム1モルに対して、好ましくは0.1〜1.0モル、より好ましくは0.2〜0.7モル、更に好ましくは0.2〜0.5モルである。
前記反応は、有機溶媒中で行うことが望ましく、使用される有機溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されない。例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられ、好ましくは、脂肪族炭化水素類と芳香族炭化水素の混合溶媒、又は脂肪族炭化水素類である。なお、これらの有機溶媒は単独で使用してもよいし、二種以上を混合して使用してもよい。
前記有機溶媒の使用量は、トリハロゲノアルミニウム1gに対して、好ましくは1g〜100g、より好ましくは3g〜50g、更に好ましくは3g〜10gである。
(合成方法)
前記反応は、例えば、トリハロゲノアルミニウム、トリアルキルアルミニウム及び有機溶媒を混合し反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは−100℃〜100℃、更に好ましくは−80℃〜40℃であり、反応圧力は特に制限されない。
前記反応により目的物であるアルキルアルミニウムジハライド化合物が得られるが、反応終了後、抽出、濾過、濃縮、蒸留、昇華、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の公知の方法によって、該アルキルアルミニウムジハライド化合物を単離・精製してもよい。
なお、アルキルアルミニウムジハライド化合物並びにその製造原料であるトリハロゲノアルミニウム化合物及びトリアルキルアルミニウム化合物は、大気中の水分や酸素に対して不安定な場合が多いため、無水条件下や不活性ガス条件下にて、前記反応の反応操作や反応液の後処理等を行うことが望ましい。
アルキルアルミニウムジハライド化合物は、酸化アルミニウム膜を製造するための製造原料(製造用原料)として好適に使用される。酸化アルミニウム膜を製造するための製造原料(製造用原料)は、アルキルアルミニウムジハライド化合物のみからなることが好ましい。ただし、上記製造原料(製造用原料)は、形成される酸化アルミニウム膜の品質に大きな影響を及ぼさない範囲で、アルキルアルミニウムジハライド化合物以外の少量の不純物(アルミニウム化合物等)を含んでもよい。
(成膜方法)
成膜対象物上への酸化アルミニウム膜の蒸着方法としては、例えば、ALD法やCVD法が挙げられるが、ALD法がより好ましく用いられる。
具体的には、例えば、常圧又は減圧下にて、アルキルアルミニウムジハライド化合物の蒸気を反応性ガスと共に加熱した成膜対象物上に供給し、アルキルアルミニウムジハライド化合物を酸化させることにより酸化アルミニウム膜を形成してもよい。なお、アルキルアルミニウムジハライド化合物の蒸気を含むガス(気化した液体も含む)は不活性ガス等で希釈されていてもよい。又、同様な原料供給により、プラズマCVD法で酸化アルミニウム膜を蒸着させることも出来る。
反応性ガスとしては、酸素、オゾン等の酸化性ガス;水;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール類等が挙げられるが、ALD法により高品位な酸化アルミニウム膜を成膜できるという点において、好ましくは水、オゾンであり、より好ましくは水である。上記反応性ガスによって、アルキルアルミニウムジハライド化合物を酸化する。これによって、成膜対象物上に酸化アルミニウムが蒸着され、酸化アルミニウム膜が形成される。上記反応性ガスは単一種として用いても、混合ガスとして用いてもよい。
不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウムが挙げられる。
CVD法においては、薄膜形成のためにアルキルアルミニウムジハライド化合物を気化させる必要がある。アルキルアルミニウムジハライド化合物を気化させる方法としては、例えば、アルキルアルミニウムジハライド化合物を気化室に充填又は搬送して気化させる方法だけでなく、アルキルアルミニウムジハライド化合物を適当な溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。)に希釈した溶液を液体搬送用ポンプで気化室に導入して気化させる方法(溶液法)も挙げられる。
アルキルアルミニウムジハライド化合物を用いて酸化アルミニウム膜を蒸着するときの反応系内の圧力は、好ましくは1Pa〜200kPa、更に好ましくは10Pa〜110kPaである。アルキルアルミニウムジハライド化合物を用いて酸化アルミニウム膜を蒸着するときの成膜対象物温度は、好ましくは250℃〜580℃、より好ましくは300℃〜550℃、更に好ましくは480℃〜550℃、より更に好ましくは500〜550℃である。また、ある態様としては、例えば、低温合成又は膜厚低減の観点から、好ましくは250℃〜600℃、より好ましくは300℃〜500℃、更に好ましくは300℃〜350℃である。アルキルアルミニウムジハライド化合物を気化させる温度は、好ましくは30℃〜250℃、より好ましくは60℃〜200℃である。
なお、酸化アルミニウム膜を蒸着させる際の全ガス量に対する酸素源(例えば、酸化性ガス、水蒸気又はアルコール蒸気、もしくはこれらの混合ガス)の含有割合は、好ましくは3〜99容量%、更に好ましくは5〜98容量%である。
本発明の成膜方法は、工業的に好適な方法であり、高品位な酸化アルミニウム化合物を得ることができる。
また、J.Am.Chem.Soc.,1989,111(5),1634-1644においては、アルミニウム上のブチル基がβ水素脱離により分解し、酸化していないアルミニウム膜が成膜されることが記載されているが、アルキルアルミニウムジハライド化合物を用いて前記成膜方法により成膜することで、高品位な酸化アルミニウム膜を得ることができる。
本実施形態の酸化アルミニウム膜は、加熱されている成膜対象物上にアルミニウム化合物を供給し、当該アルミニウム化合物を酸化することにより成膜対象物上に形成される。酸化アルミニウム膜は、例えば、1〜100nm、好ましくは10〜80nm、より好ましくは20〜60nmの厚みを有する。
本実施形態の酸化アルミニウム膜は不純物濃度を十分に低減して良好な品質にすることができる。酸化アルミニウム膜における酸化アルミニウムの含有量は、例えば95質量%以上であり、好ましくは98質量%以上であり、より好ましくは99質量%以上である。このように純度が高く且つ厚みの小さい高品位の酸化アルミニウム膜は、半導体分野において有用である。本明細書では、酸化アルミニウムの含有量が90質量%以上のものを、「酸化アルミニウム膜」という。酸化アルミニウム膜の厚みのばらつきは、例えば10nm未満である。なお、酸化アルミニウム膜の厚みのばらつきとは、任意に選択した箇所で測定される膜厚の差違(最大値−最小値)である。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例A1(メチルアルミニウムジクロライド(式(2)の化合物)の合成)
撹拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積100mLのフラスコにトリクロロアルミニウム13.0g(97.5mmol)、トルエン50mLを加えて冷却した。得られた溶液にトリメチルアルミニウム3.50g(48.8mmol)を内温が0〜6℃になるようにゆるやかに滴下し、室温(25℃)下において15時間撹拌した。反応終了後、その反応液を濃縮し、得られた濃縮物を減圧蒸留(オイルバス温度50℃、133.3Pa)して、白色固体のメチルアルミニウムジクロライド8.30g得た(単離収率;50%)。
なお、メチルアルミニウムジクロライドは、以下の物性値で示される化合物である。
H−NMR(C,δ(ppm));−0.45(3H,s)
実施例A2(エチルアルミニウムジクロライド(式(3)の化合物)の合成)
撹拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積100mLのフラスコにトリクロロアルミニウム7.00g(52.5mmol)、トルエン30mLを加えて冷却した。得られた溶液にトリエチルアルミニウム3.00g(26.3mmol)を内温が0〜6℃になるようにゆるやかに滴下し、室温(25℃)下において15時間撹拌した。反応終了後、その反応液を濃縮し、得られた濃縮物を減圧蒸留(オイルバス温度100℃、1333Pa)して、白色固体のエチルアルミニウムジクロライド9.1g得た(単離収率;91%)。
なお、エチルアルミニウムジクロライドは、以下の物性値で示される化合物である。
H−NMR(C,δ(ppm));0.21(2H,q),0.93(3H,t)
実施例B1(酸化アルミニウム膜の製造)
実施例A2において合成したエチルアルミニウムジクロライド(式(3)の化合物)を用いて、ALD法により酸化アルミニウム膜を成膜した。また、形成した酸化アルミニウム膜の膜厚を測定すると共に、組成を分析した。なお、組成の分析は、XPS(X線光電子分光)測定装置を用いて行った。
次に、酸化アルミニウム膜の製造について、より具体的に説明する。
アルミニウム化合物として、実施例A2において合成したエチルアルミニウムジクロライド、すなわち上記式(3)で表される化合物を用いて、ALD法により基板上に酸化アルミニウム膜を成膜した。酸化アルミニウム膜の成膜は、図1に示す装置を用いて行った。
図1に示す装置は、アルミニウム化合物2を気化する気化器1(SUS製アンプル)と、水7を気化して反応性ガスである水蒸気を供給する気化器6(SUS製アンプル)と、基板15及び当該基板15を加熱するヒータ14を有し、アルミニウム化合物2と水蒸気とを反応させて基板15上に酸化アルミニウム膜を形成する反応器11と、を備える。反応器11には流路を介して真空ポンプが接続されている。当該流路には圧力計13、圧力調節バルブ12及びトラップ16が設けられている。これによって、反応器11内の圧力は所定の範囲に調節される。反応器11から導出されたガスは、トラップ16及び真空ポンプを経て、大気中に排気される。
ヒータ3及び恒温槽8をそれぞれ備える気化器1及び気化器6に、上記実施例A2で合成されたアルミニウム化合物2及び水7をそれぞれ収容した。気化器1には、マスフローコントローラ4によって流量調節され、予熱器5によって予熱されたアルゴンガスを供給した。これによって、気化器1から、アルミニウム化合物2を含むアルゴンガスが、反応器11に導入された。
一方、気化器6から、恒温槽8によって一定温度に調整されて気化された水蒸気が、反応器11に導入された。気化器1からのアルミニウム化合物2を含むアルゴンガスと、気化器6からの水蒸気は、交互に反応器11に導入された。アルミニウム化合物2を含むアルゴンガス及び水蒸気の導入量は、バルブ17及びバルブ18によってそれぞれ調節した。アルミニウム化合物2を含むアルゴンガス及び水蒸気は、それぞれ、マスフローコントローラ9によって流量調節され、予熱器10によって予熱された希釈用のアルゴンガスに同伴されて反応器11に導入された。
アルミニウム化合物2及び水7を反応器11に交互に供給して、ヒータ14で所定の温度に加熱された基板15の上に酸化アルミニウム膜20を形成した。図1の装置の運転条件は、以下のとおりとした。
(成膜条件)
アルミニウム化合物2の気化温度(気化器1);70℃
Arキャリアー流量;5mL/min.(マスフローコントローラ4で調整)
アルミニウム化合物2の供給時間;1秒
アルミニウム化合物2のパージ時間;5秒
水7の気化温度;10℃
水7の供給時間;1秒
水7のパージ時間;5秒
希釈用のAr流量;50mL/min.
基板15の材料;SiO/Si
基板15のサイズ:縦×横=20mm×20mm
基板15の温度;300℃
反応器11内の圧力;1333Pa
サイクル回数:500回(アルミニウム化合物2を含むアルゴンガスの導入と、気化器6からの水蒸気の導入を500回繰り返した。)
上述の条件で基板15上に酸化アルミニウム膜20を形成した。形成した酸化アルミニウム膜20の厚みを、反射分光膜厚計を用いて測定した。また、XPS(X線光電子分光)測定装置を用いて酸化アルミニウム膜20の組成を分析した。厚み及び組成分析の結果は、表1に示すとおりであった。
酸化アルミニウム膜20の厚みは、任意に選択した5箇所について行い、最大値と最小値を求めた。最大値−最小値<10nmであった場合には、その算術平均値を表に示した。一方、最大値−最小値≧10nmであった場合には、最大値と最小値を示した。
実施例B2〜B6、比較例1〜2(酸化アルミニウム膜の製造)
基板15の温度を表1に示すとおりに変更したこと以外は、実施例B1と同様にして基板15上に酸化アルミニウム膜20を形成した。形成された酸化アルミニウム膜20の厚み及び組成の分析結果は、表1に示すとおりであった。
Figure 2017150212
実施例B1〜B6の酸化アルミニウム膜は、いずれも、厚みのばらつきがなく、厚みの均一性に優れていた。また、基板15の温度が300〜550℃の範囲内であれば、形成された膜の組成は均一で、酸化アルミニウム膜の厚みはあまり変化しないことが確認された。このことから、実施例A2において合成したエチルアルミニウムジクロライドを用いることによって、酸化アルミニウム膜を安定して形成できることが確認された。実施例B1〜B6の酸化アルミニウム膜における酸化アルミニウムの含有量は99質量%以上であり、炭化アルミニウムの含有量は1質量%以下であった。
以上の実施例において、前記式(3)で示されるアルミニウム化合物は、自然発火することはなかった。また、前記の条件で、アルミニウム薄膜を形成したことから、本発明のアルミニウム化合物は、熱分解性ガス及び反応性ガスの少なくとも一方との反応性が良いものであり、本発明のアルミニウム化合物を含有する蒸気が、基体表面への吸着性に優れることもわかった。さらに、基板の温度を300℃〜550℃とする限りにおいては、形成された膜の組成が酸化アルミニウムのみで、ハロゲン原子の残存も無かったことから、本願発明の製造方法によれば、品質の良い酸化アルミニウム膜を製造することができることがわかった。
工業的に好適な方法により高品位な酸化アルミニウム膜を製造することができる。また、当該製造方法に好適に用いられる製造原料を提供することができる。
1,6…気化器、2…アルミニウム化合物、3,14…ヒータ、4,9…マスフローコントローラ、5,10…予熱器、7…水、8…恒温槽、11…反応器、12…圧力調節バルブ、13…圧力計、15…基板、16…トラップ、17,18…バルブ,20…酸化アルミニウム膜

Claims (7)

  1. 300℃〜550℃に加熱された成膜対象物上に、下記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物を供給し、酸化することにより酸化アルミニウム膜を形成する、酸化アルミニウム膜の製造方法。
    Figure 2017150212

    (式中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基を示し、Xはハロゲン基を示す。ふたつのXは同一又は異なっていてもよい)
  2. 前記成膜対象物の加熱温度が480℃〜550℃である、請求項1に記載の酸化アルミニウム膜の製造方法。
  3. 前記酸化アルミニウム膜が原子層堆積法により形成される、請求項1又は2に記載の酸化アルミニウム膜の製造方法。
  4. 前記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物とともに、水及びオゾンから選択される少なくとも1種である反応性ガスを供給する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化アルミニウム膜の製造方法。
  5. 前記一般式(1)において、Rがエチル基であり、Xがクロロ基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸化アルミニウム膜の製造方法。
  6. 酸化アルミニウム膜の厚みが、10〜80nmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸化アルミニウム膜の製造方法。
  7. 下記一般式(1)で示されるアルミニウム化合物からなる、原子層堆積法による酸化アルミニウム膜の製造原料。
    Figure 2017150212

    (式中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基を示し、Xはハロゲン基を示す。ふたつのXは同一又は異なっていてもよい)
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