JPWO2015053091A1 - ペットフード - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2013年10月11日に日本に出願された、特願2013−214196号に基づき優先権主張し、その内容をここに援用する。
(2)ペットフードに含まれる前記不溶性食物繊維の割合が、ペットフード全体の乾物換算質量に対して8〜20質量%であることを特徴とする前記(1)に記載のペットフード。
(3)前記ベースミート部に前記不溶性食物繊維を含み、前記ベースミート部に含まれる前記不溶性食物繊維の割合は、ペットフード全体の乾物換算質量に対して12質量%以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のペットフード。
(4)ペットフードに含まれる水分の割合がペットフード全体の質量に対して60質量%以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のペットフード。
(5)ペットフードに含まれる前記タンパク質の割合が、ペットフード全体の乾物換算質量に対して26〜60質量%であり、ペットフードに含まれる前記脂質の割合が、ペットフード全体の乾物換算質量に対して9〜30質量%であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のペットフード。
(6)ペットフードに含まれる前記チャンク部の割合が、ペットフード全体の質量に対して5〜30質量%であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のペットフード。
(7)前記不溶性食物繊維がセルロースであることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のペットフード。
(8)ネコ用の飼料であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のペットフード。
(9)チャンク部原材料と不溶性食物繊維とを混合し、チャンク部原材料混合物を得る工程を有することを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載のペットフードの製造方法。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態のペットフードは、チャンク部とベースミート部とを含むウェットタイプのペットフードであって、タンパク質、炭水化物、脂質、及び不溶性食物繊維を含み、少なくとも前記チャンク部に不溶性食物繊維を含み、ペットフードに含まれる前記不溶性食物繊維の割合が、ペットフード全体の乾物換算質量に対して5〜20質量%であることを特徴とするペットフードである。
ここで「チャンク」とは、原材料を小片状に固めた部分を云い、チャンク部とはチャンクの集合を云う。「ベースミート」部は、前記ペットフードのうちチャンク部以外のウェット部分を云う。
前記ベースミート部の様態は特に制限されず、液体状、ゲル状、固体状等の様態又はそれらの組み合わせが挙げられる。また、前記ベースミート部に固体を含有させる場合、形状は特に制限されないが、上記のチャンクの形状と同様のものが好ましい。
アルミ秤量缶の質量(W1グラム)を恒量値として予め測定する。このアルミ秤量缶に試料を入れて質量(W2グラム)を秤量する。つぎに強制循環式の温風乾燥器を使用して、135℃、2時間の条件で試料を乾燥させる。乾燥雰囲気中(シリカゲルデシケーター中)で放冷した後、質量(W3グラム)を秤量する。得られた各質量から下記式を用いて水分含量を求める。
水分(%)=(W2−W3)÷(W2−W1)×100
前記ペットフードを構成する原材料は、本発明のペットフードにタンパク質、炭水化物、脂質、及び不溶性食物繊維が含まれるように作成することができる原材料であれば、特に制限されず、従来のペットフードに使用されている原材料を適用することができる。好ましくは、ペットフードの完全な栄養食として一般的に使用されるものが適用できる。例えば以下に示すような原材料を用いて、チャンク部とベースミート部を製造することができる。
前記ペットフードのベースミート部に含まれる原材料は特に制限されないが、ベースミート部にはタンパク質原材料を主な原材料として用いることができる。前記ベースミート部のタンパク質原材料としては、植物由来の蛋白質、動物由来の蛋白質又はこれらの混合物が例示できる。具体的には、前記植物由来の蛋白質は、例えばグルテン、小麦蛋白質、大豆蛋白質、米蛋白質、とうもろこし蛋白質等が挙げられる。前記動物由来の蛋白質としては、例えば牛、豚、鶏及び魚介類の筋肉、臓器などの蛋白質、乳の蛋白質又はこれらの混合物が例示できる。
ベースミート部の前記以外の原材料として、油脂、チキンエキス、フィッシュエキス、調味料、増粘剤及び水等を加えることができる。
前記ペットフードのチャンク部には、タンパク質原材料を用いることができる。前記チャンク部のタンパク質原材料としては、上記のベースミート部に用いたものと同様のタンパク質原材料を用いることができる。
チャンク部の前記以外の原材料として、調味料、結着剤及び水等を加えることができる。
本発明のペットフードの製造方法は、チャンク部原材料と不溶性食物繊維とを混合し、チャンク部原材料混合物を得る工程を有する。本発明のペットフードの製造方法の一例を以下に説明する。
タンパク質原材料がベースミート部原材料に含まれ、それが動物及び植物由来の組織であって、未加熱である場合、前記タンパク質原材料を加熱することができる。動物及び植物由来の組織に、ペットが食することができない、又は食することを好まない部分が含まれる場合、それらの部分は除去されることが好ましい。除去されるべき部分としては、具体的には動物の皮、又は骨、並びに植物の種子の殻等が挙げられる。その後、タンパク質原材料をペットが食べやすい大きさに加工することができる。
凍結した肉及び/又は魚肉材料を挽き、次に、この挽いた肉/魚肉材料に、穀粉、不溶性食物繊維、並びに、動物性乾燥タンパク質、ビタミン、ミネラル、着色料及び保存料を含有する粉末混合物を混合することによってチャンク部原材料混合物の生地を調製する。得られた生地を、次にスチームオーブンのベルト上に押し出し、例えば、80〜90℃で加熱調理する。加熱することによってチャンク部原材料混合物を凝固させることができる。加熱時間は特に制限されないが、加熱直後のチャンク用混合物の温度を計測することで、品質を均一になるように管理することができる。その後、チャンク用混合物の温度が室温程度まで低下した後、チャンク用混合物を適切な大きさの小片に切断することにより、第一実施形態のペットフードのチャンクを得ることができる。
ベースミート部原材料を混ぜ合わせ、さらにチャンク部を加えることにより、第一実施形態のペットフードを得ることができる。
(比較例1)
まず、ベースミート部の製造工程を記す。ベースミート部に含まれるタンパク質原材料として、魚類具材を蒸気によって加熱し、加熱された魚類具材温度が室温まで低下した後、皮、骨、及びその他異物を除去し、フレーク状になるようにサイズを調整し、魚類フレークを得た。その後、タンパク質原材料(魚類フレーク)、油脂、フィッシュエキス、調味料、増粘剤及び水等を含むベースミート部原材料(原材料A)を、表1に示す質量で混合し、本発明に係るペットフードのベースミート部を得た。
つぎに、チャンク部の製造工程を記す。タンパク質原材料、穀類、ビタミン・ミネラル類、調味料、結着剤及び水等を含むチャンク部原材料(原材料B)を、表1に示す質量で攪拌機によって均一に混合し、エクストルーダを用いて押し出し成形し、その後、蒸気によって加熱し、温度が室温程度まで低下した後に3〜5mmの立方体に切断し、本発明に係るペットフードのチャンク部を得た。
チャンク部にベースミート部を加え、本発明に関わるペットフードを得た。
したがって比較例1のペットフードは、チャンク部にもベースミート部にもセルロースパウダーは添加せずに製造した。よって、比較例1のペットフードの原材料には、不溶性食物繊維は含まれていない。
比較例2のペットフードは、ベースミート部のみに表1に示す質量でセルロースパウダーを添加した。それ以外の原材料は上記の比較例1のペットフードと同様であり、製造方法についても同様の方法で製造した。全体の質量については水で調整し、チャンク部とベースミート部ともに、比較例1と同じ質量になるように製造した。
比較例3のペットフードは、チャンク部のみに表1に示す質量でセルロースパウダーを添加した。それ以外の原材料は上記の比較例1のペットフードと同様であり、製造方法についても同様の方法で製造した。全体の質量については水で調整し、チャンク部とベースミート部ともに、比較例1と同じ質量になるように製造した。
実施例1〜2のペットフードは、チャンク部とベースミート部の両方に表1に示す質量でセルロースパウダーを添加した。それ以外の原材料は上記の比較例1のペットフードと同様であり、製造方法についても同様の方法で製造した。全体の質量については水で調整し、チャンク部とベースミート部ともに、比較例1と同じ質量になるように製造した。
実施例3のペットフードは、チャンク部のみに表1に示す質量でセルロースパウダーを添加した。それ以外の原材料は上記の比較例1のペットフードと同様であり、製造方法についても同様の方法で製造した。全体の質量については水で調整し、チャンク部とベースミート部ともに、比較例1と同じ質量になるように製造した。
ドライフードのネコに対する毛玉ケア効果の評価を行った。評価には、実施例1〜3及び比較例2〜3のペットフードの代わりに、セルロースパウダーを全体の3質量%の分量で添加したドライフードを、試験対象のペットフードとして用いた。また、比較例1のペットフードの代わりに、セルロースパウダーを添加していないドライフードを比較対象のペットフードとして用いた。試験対象のペットフード(ドライフード)及び比較対象のペットフード(ドライフード)を、合計40名のパネルに飼育されている合計40匹の猫に給餌してもらった結果を集計した。
具体的には、20名のパネルには、普段与えているペットフードの代わりに、まず試験対象のペットフードを4週間与えてもらい、その後、比較対象のペットフードを4週間与えてもらった。もう一方の20名のパネルには、普段与えているペットフードの代わりに、まず、比較対象のペットフードを4週間与えてもらい、その後、試験対象のペットフードを4週間与えてもらった。
セルロースパウダーを5%添加した実施例1〜3及び比較例2〜3に対応する試験対象のペットフードに対して、毛玉ケア効果について質問したところ、51.2%が「効果がある」と回答し、17.1%が「やや効果がある」と回答し、31.7%が「どちらともいえない」と回答した。「あまり効果がない」及び「効果がない」と回答したパネルはいなかった。
セルロースパウダーを添加していない比較対象のペットフードに対して、毛玉ケア効果について質問したところ、35.0%が「効果がある」と回答し、42.5%が「やや効果がある」と回答し、17.5%が「どちらともいえない」と回答し、5.0%が「あまり効果がない」と回答した。「効果がない」と回答したパネルはいなかった。
毛玉ケアの効果の評価結果を表2に併記する。「効果がある」と回答した割合が50%以上である場合は当該試験例に対する毛玉ケア効果が高い(○)と評価した。「効果がある」と回答した割合が40%以上50%未満である場合は当該試験例に対する毛玉ケア効果は従来と同程度(△)であると評価した。「効果がある」と回答した割合が40%以下である場合は当該試験例に対する毛玉ケア効果は比較例よりも劣る(×)と評価した。
実施例1〜3及び比較例2〜3に対応するペットフード(ドライフード)は実施例1〜3及び比較例2〜3のペットフードと同等の毛玉効果を持つと推定される。従って、これらの結果から、実施例1〜3及び比較例2〜3のペットフードは、比較例1のペットフードより優れた毛玉ケア効果を有することが明らかである。
製造した各ペットフードのネコに対する嗜好性を以下の方法により評価した。
後述する「数値A:数値B」の表記は、数値Aが各試験対象のペットフードに対する嗜好性の高さ(程度)を示し、数値Bが比較対象のペットフードに対する嗜好性の高さ(程度)を表す。数値A+数値B=100である。数値Aが51以上である場合は試験対象のペットフードに対する嗜好性が比較対象のペットフードと同程度(○)と評価した。数値Aが40〜51未満である場合は試験対象のペットフードに対する嗜好性は比較対象のペットフードとほぼ同程度(△)であると評価した。数値Aが40未満である場合は試験対象のペットフードに対する嗜好性は比較対象のペットフードよりも劣る(×)と評価した。
まず、実施例1〜3及び比較例2〜3(試験対象のペットフード)と、比較例1(比較対象のペットフード)との組み合わせで、合計5つのペットフードの組み合わせを準備した。各組について、20匹の猫をモニターとして2日間でテストした。
第1日は、各組のペットフードのうち、一方を左から、他方を右から、猫1匹に対して40gずつ同時に給与し、猫が食べた量を1時間後に測定した。
当該猫1匹が第1日に食べた合計のペットフードの質量のうち、実施例1〜3及び比較例2〜3のペットフードの摂食量と比較例1のペットフードの摂食量を百分率で求めた。モニターである20匹の猫から得られた百分率を平均して、第1日の結果とした。
第2日は、各組のペットフードのうち、一方を右から、他方を左から、猫1匹に対して40gずつ同時に給与し、猫が食べた量を1時間後に測定した。
当該猫1匹が第2日に食べた合計のペットフードの質量のうち、実施例1〜3及び比較例2〜3のペットフードの摂食量と比較例1のペットフードの摂食量を百分率で求めた。モニターである20匹の猫から得られた百分率を平均して、第2日の結果とした。
最後に、第1日と第2日の結果を平均して、最終結果である摂食量の比(嗜好性)を求めた。この嗜好性の数値が高い程、モニターである猫が好んで摂食したことを示す。
ベースミート部のみにセルロースパウダーを添加した比較例2のペットフードでは、比較例1のペットフードと比べて嗜好性が劣っていた。ベースミート部に2%、チャンク部に1%の割合で、セルロースパウダーを添加した実施例1のペットフードでは、比較例1のペットフードとほぼ同程度の嗜好性を有していた。ベースミート部に1.5%、チャンク部に1.5%の割合でセルロースパウダーを添加した実施例2のペットフードでは、比較例1のペットフードと同程度の嗜好性を有していた。ベースミート部に0%、チャンク部に3.6%の割合で、セルロースパウダーを添加した実施例3のペットフードでは、比較例1のペットフードとほぼ同程度の嗜好性を有していた。ベースミート部に0%、チャンク部に4.4%の割合で、セルロースパウダーを添加した比較例3のペットフードでは、比較例1のペットフードと比べて、嗜好性が劣っていた。
したがって、これらの結果から、チャンク部にセルロースパウダーを添加することで、高い毛玉ケア効果を有しつつ、嗜好性の低下を抑えることができたことがわかる。
Claims (9)
- チャンク部とベースミート部とを含むウェットタイプのペットフードであって、タンパク質、炭水化物、脂質、及び不溶性食物繊維を含み、少なくとも前記チャンク部に不溶性食物繊維を含み、ペットフードに含まれる前記不溶性食物繊維の割合が、ペットフード全体の乾物換算質量に対して5〜20質量%であることを特徴とするペットフード。
- ペットフードに含まれる前記不溶性食物繊維の割合が、ペットフード全体の乾物換算質量に対して8〜20質量%であることを特徴とする請求項1に記載のペットフード。
- 前記ベースミート部に前記不溶性食物繊維を含み、前記ベースミート部に含まれる前記不溶性食物繊維の割合は、ペットフード全体の乾物換算質量に対して12質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のペットフード。
- ペットフードに含まれる水分の割合がペットフード全体の質量に対して60質量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のペットフード。
- ペットフードに含まれる前記タンパク質の割合が、ペットフード全体の乾物換算質量に対して26〜60質量%であり、ペットフードに含まれる前記脂質の割合が、ペットフード全体の乾物換算質量に対して9〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のペットフード。
- ペットフードに含まれる前記チャンク部の割合が、ペットフード全体の質量に対して5〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のペットフード。
- 前記不溶性食物繊維がセルロースであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のペットフード。
- ネコ用の飼料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のペットフード。
- チャンク部原材料と不溶性食物繊維とを混合し、チャンク部原材料混合物を得る工程を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のペットフードの製造方法。
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