JPWO2014098049A1 - 理美容鋏 - Google Patents

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Abstract

【課題】引き切りを行う際に使い手の負担を大きく軽減することのできる理美容鋏を提供する。【解決手段】理美容鋏(1)は、第一鋏体(10)と、第二鋏体(20)と、第一鋏体(10)と第二鋏体(20)とを互いに回転自在に連結する回転軸(30)と、を備え、第一鋏体(10)は、回転軸(30)よりも先端側に位置する第一刃部(11)と、回転軸(30)よりも手元側に位置する第一指環(17)を有する第一柄部(15)と、を備える細長い部材であって、第一柄部(15)が回転軸(30)よりも第一刃部(11)側に折り返された形状をしており、第二鋏体(20)は、回転軸(30)よりも先端側に位置する第二刃部(21)と、回転軸(30)よりも手元側に位置する第二指環(27)を有する第二柄部(25)と、を備える細長い部材であって、第二指環(27)が前記回転軸(30)よりも前記第二刃部(21)側に折り返された形状をしている。【選択図】図1

Description

本発明は、髪の毛をカットする際に使用される理美容鋏に関する。
従来から種々の理美容鋏が提供されており、例えば、下記特許文献1〜3に開示されたような理美容鋏が知られている。
一方、最近の理美容業界では、ファッションの移ろいに応じて種々のヘアスタイルが創造されており、また個人の嗜好も多様であるため要求されるヘアスタイルは幅広い。これに応じてヘアカット技術を向上すべくその追求も盛んである。加えて、ヘアスタイルの完成過程をショー的に公開して、カット技術自体を芸術的に見せる工夫もなされている。
例えば、従来の鋏の握り方を変え、鋏の刃を素早く開閉してカットのスピードを速めたり、或いは毛に対する刃の切り込み角度を様々に変化させたりするなど、斬新なカット法も公開されている。
また、髪が乾いた状態でカットを行うドライカットと呼ばれる手法も着目されているが、ドライカットでは髪が傷みやすいため、ドライカットを行う際には、いわゆる引き切りと呼ばれる鋏を引きながらカットを行う手法が求められている。
特許第4889701号公報 実開平5−1463号公報 実用新案登録第3032395号公報
しかし、引き切りを行う場合には、使い手は、常に手を引きながらカットを行う必要があるため、手への負担が大きいといった問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、引き切りを行う際に使い手の負担を大きく軽減することのできる理美容鋏を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る理美容鋏は、第一鋏体と、第二鋏体と、前記第一鋏体と前記第二鋏体とを互いに回転自在に連結する回転軸とを備える。この理美容鋏は、前記第一鋏体と前記第二鋏体との間に毛髪を挟み込んで切断可能としている。前記第一鋏体は、前記回転軸よりも先端側に位置する第一刃部と、前記回転軸よりも手元側に位置する第一指環を有する第一柄部とを備える細長い部材であって、前記第一柄部が前記回転軸よりも前記第一刃部側に折り返された形状をしている。また前記第二鋏体は、前記回転軸よりも先端側に位置する第二刃部と、前記回転軸よりも手元側に位置する第二指環を有する第二柄部と、を備える細長い部材であって、前記第二指環が前記回転軸よりも前記第二刃部側に折り返された形状をしている。
また、本発明に係る理美容鋏は、第一鋏体と、第二鋏体と、前記第一鋏体と前記第二鋏体とを互いに回転自在に連結する回転軸と、を備え、前記第一鋏体と前記第二鋏体との間に毛髪を挟み込んで切断する理美容鋏において、前記第一鋏体は、前記回転軸よりも先端側に位置する第一刃部と、前記回転軸よりも手元側に位置する第一指環を有する第一柄部と、を備える細長い部材であり、前記第二鋏体は、前記回転軸よりも先端側に位置する第二刃部と、前記回転軸よりも手元側に位置する第二指環を有する第二柄部と、を備える細長い部材であり、前記第一刃部又は前記第二刃部との間の相対的な反りを調整するための傾斜角調整部材を備えることができる。
本発明に係る理美容鋏によれば、鋏を閉じる動作により回転軸が毛髪から遠ざかる方向に移動するため、引き切りを行う際の使い手の手への負担を大きく低減させることができる。
第一実施形態に係る理美容鋏の開いた状態の斜視図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の平面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の正面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の右側面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の左側面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の底面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の背面図である。 従来の理美容鋏により毛髪をカットする際の作用を説明するための上面模式図である。 第一実施形態に係る理美容鋏により毛髪をカットする際の作用を説明するための上面模式図である。 第二実施形態に係る傾斜角調整部材の拡大正面図である。 第二実施形態に係る傾斜角調整部材の拡大平面図である。 第二実施形態の変形例1に係る傾斜角調整部材の拡大平面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の使用状態を示す図である。 変形例に係る回転軸を示す断面図である。 第二実施形態に係る理美容鋏を示す斜視図である。 変形例に係る回転軸を示す断面図である。 他の変形例に係る回転軸を示す断面図である。 他の変形例に係る回転軸を示す断面図である。 第三実施形態に係る理美容鋏の開いた状態の平面図である。 第三実施形態に係る理美容鋏を逆手で使用する状態を示す図である。 第三実施形態に係る理美容鋏を順手で使用する状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための、理美容鋏を例示するものであって、本発明は、理美容鋏を以下のものに特定しない。さらに、本明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」、及び「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(第一実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る理美容鋏100について説明する。図1は、第一実施形態に係る理美容鋏100の開いた状態の斜視図である。図2は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の平面図である。図3は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の正面図である。
図4は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の右側面図である。図5は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の左側面図である。図6は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の底面図である。図7は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の背面図である。さらに図13は、第一実施形態に係る理美容鋏100の使用状態を示す図である。
第一実施形態に係る理美容鋏100は、動刃である第一鋏体10と、静刃である第二鋏体20と、第一鋏体10と第二鋏体20とをX字状に交差させて回動自在に軸支する回転軸30とを備えている。理美容鋏100は、洋鋏型のステンレス製の鋏である。
第一鋏体10は、細長い略板状部材であり、略中央部分に回転軸30を挿通する軸穴と連通した軸穴が形成されている。第一鋏体10の軸穴よりも刃先側には、内側に刃渡りを構成する刃線12が位置する第一刃部11が形成されている。さらに第一鋏体10は、中空の筒体を軸穴と連通させて固定している。
第一鋏体10の軸穴よりも手元側には、使い手が理美容鋏100を使用する際に手に持つ部分となる第一柄部15が形成されている。第一柄部15は、軸穴の手元側で第一刃部11よりも細く形成された第一アーム16と、第一アーム16の手元側に形成され、使い手の指(通常、親指)が挿入される第一指環17とを備えている。
ここで、本実施形態では、細長い第一鋏体10が、正面から見たときに略U字状となるように(図3参照)、第一アーム16の部分において、180°湾曲した形状となっている。また、図2に示すように、上方から見たときには、第一刃部11と第一柄部15が略平行に延在するように、第一アーム16において折り返されている。
従来の鋏は、回転軸において水平に延在する動刃と静刃が交差しており、平面図では、動刃及び静刃の刃部と柄部は回転軸を挟んでそれぞれ上下逆側に位置している。これに対して、回転軸30を挟んで第一鋏体10及び第二鋏体20がU字状に湾曲した本実施形態においては、第一刃部11と第一柄部15は回転軸30を挟んで同じ下側に位置し、第二刃部21と第二柄部25は回転軸30を挟んで同じ上側に位置している(平面図である図2参照)。
第二鋏体20は、第一鋏体10と同じような構造をしており、略中央部分に軸穴24が形成されている。第二鋏体20は、軸穴24よりも先端側に形成された、内側に刃線211が位置する第二刃部21と、軸穴24よりも手元側に形成された、第二アーム26と第二指環27とを備える第二柄部25とを備えている。
第二指環27には、通常、薬指が挿入される。第二指環27の周囲には、使用時に小指を引っ掛けるための指掛け271が形成されている。第一鋏体10と同様に、第二鋏体20も第二アーム26の部分において180°湾曲しており、正面から見たときに略U字状の形状をしている。
第一鋏体10の軸穴と第二鋏体20の軸穴24とを貫通する回転軸30は、締結力を調整可能なネジである。第一鋏体10と第二鋏体20は回転軸30に対して固定されておらず、回転自在である。また、回転軸の先端は軸穴24と固定している。さらにこの例では、回転軸をボルト状としてねじ山を切っており、回転軸の上部に蝶ねじ35を螺合させて、筒体を押圧する。蝶ねじ35の回転によって、筒体への押圧力、すなわち筒体と固定された第一鋏体と、回転軸に固定された第二鋏体との間の締結力を調整できる。
また、第一鋏体と第二鋏体との切断部分で刃先同士の間に隙間が生じると、ここに毛髪が入り込んでカットがしづらくなる。この状態を避けるために、第一鋏体と第二鋏体とを接触させる方向に付勢する構成を設けてもよい。例えば回転軸において、ここに螺合される蝶ねじと筒体との間にスプリングを介在させて、第一鋏体を第二鋏体側に押圧する。
なお、これとは逆に回転軸に締結力を調整可能な機構を設けず、単に回転自在に連結することで、回転軸を簡素化することもできる。このような例を変形例として図14に示す。この例では、例えば回転軸30の上端に径大の上端押さえ31を形成し、回転軸30の下端に径大の下端押さえ32を形成して、回転軸30を中心に第一鋏体10と第二鋏体20とを回転自在に連結しても良い。この構成によれば、回転軸30の簡素化によって製造コストを削減できる利点が得られる。
以上、理美容鋏100の構成について説明したが、理美容師等の使い手が使用する際には、使い手は、親指を第一鋏体10の第一指環17に挿入し、薬指を第二鋏体20の第二指環27に挿入すると共に、小指を指掛け271に掛けて、理美容鋏100を保持する。
そして、薬指及び小指により静刃である第二鋏体20を固定したまま、親指により動刃である第一鋏体10を開閉することで、第一刃部11の刃線12と第二刃部21の刃線22との交点が移動し、交点部分において第一刃部11と第二刃部21とに挟まれた髪の毛が切断される。すなわち、刃線12と刃線22の交点が切断場所になる。
続いて、理美容鋏を用いて髪の毛をカットする際の作用について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、従来の理美容鋏800により髪の毛をカットする際の作用を説明するための上面模式図である。図9は、第一実施形態に係る理美容鋏100により髪の毛をカットする際の作用を説明するための上面模式図である。
図8に示す従来の理美容鋏800は、直線状に延在する動刃及び静刃がX字状の交差点(回転軸M)で回転自在に連結された構成である。図8では、図において上側には、開いた状態の理美容鋏800を、下側には閉じた状態の理美容鋏800を、それぞれ概略的に示し、図中、上下の指環の位置を左右方向で合わせて示している。
指環と回転軸Mとの距離(柄部の長さ)は一定であるため、同図に示すように、理美容鋏800を閉じた状態では、開いた状態よりも回転軸Mが距離l1だけ右側に位置している。すなわち、従来の理美容鋏800では、鋏の開き角が小さくなるほど、指環を支持する使い手の手元と回転軸との距離は離れ、刃先に向かって移動することになる。
また、鋏の開き角を閉じるにしたがって、動刃の刃線と静刃の刃線の交点である切断箇所も刃先へ向かって移動する。このように、従来の理美容鋏800では、鋏を閉じるにつれて、切断箇所が刃先に向かって大きく移動することになり、毛髪に対していわゆる押し切り状態となってしまう。
押し切り状態では、毛髪が刃面の間に押し込まれて詰まり易くなってしまい、実際に毛髪が理美容鋏に詰まると、毛髪自体が傷ついたり、作業が中断され復旧に時間がかかったりしてしまい、カットをしてもらっている人にとっても不快である。さらに、従来の構成の理美容鋏において引き切りを行う場合には、使い手は鋏を持つ手を大きく引きながらカットを行う必要がある。
一方図9に、第一実施形態に係る理美容鋏100を示す。この図では、図において上側に、開いた状態の理美容鋏100を、下側には閉じた状態の理美容鋏100を、それぞれ概略的に示し、図中、上下の指環の位置を左右方向で合わせて示している。同図に示すように、理美容鋏1を閉じた状態では、開いた状態と比較して、回転軸30が左側に距離l2移動している。すなわち、第一実施形態に係る理美容鋏100によれば、鋏を閉じる際に、回転軸30が使い手の手元から離れる方向であって刃先からも離れる方向に移動することになる。
一方、上述したように、理美容鋏100の開き角を閉じるにつれて、第一鋏体10の刃線12と第二鋏体20の刃線22との交点は切断対象物である毛髪に向かって移動することになる。しかし、本実施形態によれば、理美容鋏100の開き角を閉じるにつれて、回転軸30が毛髪から離れる方向に移動するため、刃線12と刃線22との交点の毛髪への移動は、この回転軸30の移動により抑えられるか、又は打ち消されることになる。
このように、理美容鋏100によれば、指環17,27が回転軸30よりも刃部11,21と同じ側にあるため、従来の理美容鋏800と比較して、鋏を閉じる際に切断場所(二つの鋏体の刃線の交点)が切断対象物に向けて移動するのを大きく抑えることができるか、切断対象物から離れる方向に移動することになる。
したがって、理美容鋏100によれば、従来の理美容鋏800のように普通に開閉するだけで押し切り状態となってしまうのを大きく抑えることができる。これにより、毛髪をカットする際の毛髪の詰まりを防止することができ、ドライカットを行う場合でも毛髪の損傷を最低限に抑えることができる。さらに、本実施形態によれば、いわゆる引き切りを行う際の使い手への負担を低減し、引き切りを容易に行うことが可能となる。
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、理美容鋏100を構成する各部材の形状、サイズ、材料等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、第一鋏体10及び第二鋏体20をU字状に180°湾曲させているが、湾曲形状や角度も適宜変更可能である。
(第二実施形態)
さらに回転軸を中心として、第一刃部又は第二刃部との間の相対的な反りを調整するための傾斜角調整部材を付加することもできる。以下、このような傾斜角調整部材を付加した理美容鋏を、第二実施形態として図15、図10、図11、図12に示す。これらの図において、図15は第二実施形態に係る理美容鋏200の斜視図であり、図10は第二実施形態に係る理美容鋏200の傾斜角調整部材の部分を拡大して示す拡大正面図であり、また図11は第二実施形態に係る理美容鋏200の傾斜角調整部材の部分を拡大して示す拡大平面図である。なお、図10では、見易いように各部材の間隔を実際よりも広げて示している。
第二実施形態に係る理美容鋏200は、第一鋏体10の第一刃部11と第二鋏体20の第二刃部21との噛み合わせ関係を微調整するための傾斜角調整部材40を備える。なお傾斜角調整部材40の構成以外は上記第一実施形態に係る理美容鋏100と同様の構成であるため、同様の部品には同じ番号を付し、説明を省略する。
理美容鋏の第一鋏体10及び第二鋏体20は、通常であれば略水平に延在し、それらの第一刃部11と第二刃部21とが略水平な位置関係で噛み合わせられているが、微妙な切れ味を調節するためには、第一刃部11や第二刃部21の反りを調整して両者のなす角を微調整する必要がある。傾斜角調整部材は、第一刃部11と第二刃部21との相対的な反りを調整するため、いずれか一方の反りの角度を調整する。
図10及び図11に示すように、傾斜角調整部材40は、回転軸30の周囲に設置されており、第一傾斜板41、第一調整ネジ43、第二傾斜板46、第二調整ネジ48を備えている。第一傾斜板41は、第一鋏体10の上側に隣接して設置され、第二傾斜板46は、第二鋏体20の下側に隣接して設置されている。
上から順に列んだ第一傾斜板41、第一鋏体10、第二鋏体20及び第二傾斜板46は、これらを上から下まで挿通する回転軸30によって互いに密着するように軸支されており、第一傾斜板41、第一鋏体10、第二鋏体20及び第二傾斜板46は、全て回転軸30に対して回動自在である。
図10の例では、回転軸30の先端は、第二傾斜板46に固定されている。また第一傾斜板41には中空の筒体が固定されており、筒体の中空部分が第一傾斜板41の軸穴に連通されている。さらに筒体の上面においては、回転軸に螺合された蝶ねじ35でもって、開口端を押圧している。
第一傾斜板41及び第一調整ネジ43は、第一刃部11の延在方向(通常は略水平)からの傾斜角度(反り)を調整するための部材である。第一傾斜板41は、第一鋏体10と略同じ幅を有する短い板状部材であり、回転軸30の近傍において第一鋏体10上に重畳設置されている。
第一傾斜板41には、回転軸30が挿通するための軸穴と、軸穴よりも刃先側(図10及び図11において右側)に設置された、第一調整ネジ43がねじ込まれるネジ穴が形成されている。
また、第一傾斜板41は、軸穴よりも手元側に第一傾斜板41を第一鋏体10に対して一体に固定するための第一固定部42を備えている。第一固定部42により、第一鋏体10と第一傾斜板41は一体に固定されるため、両者は回転軸30に対して一体となって回動する。
第一調整ネジ43は、回転軸30よりも刃先側に形成されたネジ穴を貫通して第一傾斜板41の反対面から先端が飛び出すことが可能であり、第一調整ネジ43のねじ送り量を調整することで、飛び出し量を調節することができる。回転軸30よりも刃先側において第一傾斜板41から飛び出した第一調整ネジ43の先端は、第一刃部11の上面に衝突し、さらにねじ送りをすると、第一傾斜板41と第一刃部とが離れるように作用する。
このとき、第一傾斜板41の上方への移動は回転軸30の上端押さえ31により阻止され、第一鋏体10の筒体34部分における下方への移動は第二鋏体20及び第二傾斜板46を挟んで回転軸30の下端押さえ32により阻止される。
このため、第一調整ネジ43の先端に押された第一鋏体10の第一刃部11は、刃先側が水平状態から下方に傾斜するように僅かに動く。よって、第一調整ネジ43のねじ送り量を調整することで、第一刃部11の延在方向からの傾斜角度を微調整、すなわち第一刃部11の反りを微調整することができる。
第二傾斜板46及び第二調整ネジ48は、第二刃部21の延在方向(通常は略水平)からの傾斜角(反り)を調整するための部材である。第二傾斜板46及び第二調整ネジ48の構成及び作用は、上下が逆となるだけで、上述した第一傾斜板41及び第一調整ネジ43と同じであるため、詳細な説明は省略する。すなわち、第二調整ネジ48のねじ送り量を調整することで、第二鋏体20の延在方向からの傾斜角度を微調整、すなわち第二刃部21の反りを微調整することができる。
また、第二傾斜板46も第一傾斜板41と同様に、軸穴よりも手元側に第二傾斜板46を第二鋏体20に対して一体に固定するための第二固定部47を備えている。第二固定部47により、第二鋏体20と第二傾斜板46は一体に固定されるため、両者は回転軸30に対して一体となって回動する。
以上、詳細に説明した第二実施形態に係る理美容鋏200は、上記第一実施形態に係る作用効果を奏すると共に、さらに、傾斜角調整部40により、第一刃部11の反りと第二刃部21の反りとを独立して調整可能であり、第一刃部11と第二刃部21とのなす角度を微調整して噛み合わせを調整することで、理美容鋏の微妙な切れ味を調節することができる。
次に、第二実施形態に係る理美容鋏の変形例1について、図面を参照しながら説明する。図12は、第二実施形態の変形例1に係る理美容鋏200’の傾斜角調整部材の部分を拡大して示す拡大平面図である。
本変形例1に係る理美容鋏200’は、上記第二実施形態における刃部11,21の延在方向からの傾斜角の調整に加えて、刃部11,21の延在方向を軸として、この軸周りのローリング角度、すなわち第一刃部11及び第二刃部21との間の相対的な捻りを微調整することができる。反りと捻りとは、交差する位置関係にある。
本変形例1に係る理美容鋏200’の基本的な構成は、上記第二実施形態に係る理美容鋏200と同じであり、傾斜角調整部材の構成のみが若干異なる。よって、同様の部品には同じ番号を付し、説明を省略する。
図12に示すように、本変形例1に係る傾斜角調整部材40’は、第一傾斜板41、第一調整ネジ43、第三調整ネジ44、第二傾斜板、第二調整ネジ、第四調整ネジを備えている。なお、これら第二傾斜板、第二調整ネジ、第四調整ネジは、図12の裏面側に位置する。この内、第二傾斜板と第二調整ネジは、図10及び後述する図16に示す第二傾斜板46と第二調整ネジ48とほぼ同様の形態で設けられている。
第三調整ネジ44は、第一傾斜板41の幅方向において回転軸30の両脇に二つ設置されており、第一調整ネジ43と同様に、第一傾斜板41に形成されたネジ穴にねじ込まれて、反対面から先端が飛び出すことが可能である。そして、二つの第三調整ネジ44のねじ送り量を微調整することで、第一刃部11の両側への捻りを微調整することができる。
また第四調整ネジは、図12で示す第一傾斜板41上に形成された第三調整ネジ44と同様に、裏面側に位置する第二傾斜板の幅方向において回転軸30の両脇に二つ設置されている。この第四調整ネジも、第一調整ネジ43と同様に、第二傾斜板に形成されたネジ穴にねじ込まれて、反対面から先端が飛び出すことが可能である。そして、二つの第四調整ネジのねじ送り量を微調整することで、第二刃部21の両側への捻りを微調整することができる。
このように、本変形例1によれば、第一刃部11及び第二刃部21の反りの微調整だけではなく、捻りの微調整も可能となるため、より良好に理美容鋏の微妙な切れ味を調節することが可能となる。
また、第二実施形態においても、第一実施形態と同様、第一鋏体と第二鋏体とを接触させる方向に付勢する付勢構造を付加することもできる。このような例を変形例として図16、図17に示す。図16に示す例では、筒体34の上方において、回転軸30に螺合された蝶ねじ35と筒体34の端縁との間にスプリング36を介在させている。この例では、筒体34は第一傾斜板41と固定され、また回転軸の先端は第二傾斜板46と固定されている。このため、スプリング36に押圧された筒体34を介して第一傾斜板41が第二傾斜板46との間隔を狭くするように付勢され、第一鋏体と第二鋏体とを接触させるように作用される。
また、この構成は一例であり、例えば図17に示すように、スプリング36を筒体の内部に収納するように構成することもできる。この例では、筒体の内径を、第一鋏体と第二鋏体の軸穴14、24よりも大きくしている。またスプリング36の内径を、第一鋏体と第二鋏体の軸穴14、24よりも大きくし、かつ筒体の内径よりも狭くしている。これによってスプリング36の先端で第一鋏体の軸穴14の周囲を押圧でき、図16と同様に第一鋏体と第二鋏体とを接触させるように付勢できる。
なお、本実施形態おいても、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、さらなる変形が可能であり、第一鋏体10と第二鋏体20の双方に傾斜角調整機構を設けるのではなく、どちらか一方にだけ設置したのでも良い。
例えば図18に示す他の変形例に係る美理容鋏200”のように、第一固定部に代えて、第一傾斜板41の後端を第一刃部11と固定し、第一調整ネジ43のみでもって傾斜角度を調整できる。この例では、第一調整ネジ43を進行させると第一刃部11が押し下げられてその先端が降下する。逆に第一調整ネジ43を後退させると、第一刃部11が第一傾斜板41と接近する応力が働き、第一刃部11の先端が上昇する。あるいはまた、第一傾斜板や第二傾斜板も省略して、第一刃部、第二刃部に直接第一調整ネジを螺合したり、あるいは第一傾斜板や第二傾斜板を予め第一刃部、第二刃部にそれぞれ一体的に固定してもよい。加えて、回転軸30を交換式として、経年劣化した回転軸を交換可能とすれば、理美容鋏を長期に渡って利用できる。
さらに第一指環、第二指環のいずれか、又は両方を着脱式としてもよい。例えば、使用者の指の太さに応じて適切な内径の第一指環、第二指環に交換可能としたり、材質を変更した第一指環、第二指環(例えば指の当たる部分をゴム製として滑り止め効果を高める)を利用可能とする等の利点が得られる。特にこれらの部分は頻繁に使用者が指を出し入れして摩耗することから、交換式とすることで利便性が高まる。
また、本実施形態では、刃部11,21の反りを微調整する反り調整機構を単体で設置した場合、反り調整機構と共に刃部11,21の捻りを微調整する捻り調整機構を合わせて設置した場合について説明したが、捻り調整機構のみを単体で設置するようにしても良い。また、本実施形態においても理美容鋏を構成する各部材の形状、サイズ、材料等は適宜変更可能である。例えば、以上説明した例においては、左用の刃を採用した理美容鋏について説明しているが、右用の刃を採用した理美容鋏に本発明を適用することも可能である。
(第三実施形態)
さらに第二柄部に、第二湾曲部を設けることもできる。図19の平面図に、このような第三実施形態に係る美理容鋏300を示す。この例では、第二柄部の一部に、湾曲させた第二湾曲部25’を設けることで、この部分に指をかけて美理容鋏を把持し易くできる。特に図20に示すように、右手で逆手、すなわち美理容鋏を開く側が手首側を向く姿勢で美理容鋏を持つ際に、薬指を第二指環27に差し入れ、第二湾曲部25’に中指をかけることで、安定して美理容鋏を把持できる。
一方、第一柄部も湾曲させることができる。図19の例では、第一柄部を全体的に湾曲させた第一湾曲部15’としている。このような形状とすることで、図21に示すように順手、すなわち美理容鋏を開く側が指先側となる姿勢に美理容鋏を持ち替えた際に、中指を第一指環17に差し入れ、第一湾曲部15’に薬指をかけることで、安定して美理容鋏を把持できる。特に人の指は掌から湾曲して延びているため、第一柄部を直線状とするよりも湾曲させることで、自然と指を掛け易くなり、美理容鋏を安定的に把持できる。
1、200、200’、200”、300、800…理美容鋏
10…第一鋏体
11…第一刃部
12…刃線
15…第一柄部;15’…第一湾曲部
16…第一アーム
17…第一指環
20…第二鋏体
21…第二刃部
22…刃線
25…第二柄部;25’…第二湾曲部
26…第二アーム
27…第二指環
30…回転軸
31…上端押さえ
32…下端押さえ
34…筒体
35…蝶ねじ
36…スプリング
40、40’…傾斜角調整部材
41…第一傾斜板
42…第一固定部
43…第一調整ネジ
44…第三調整ネジ
46…第二傾斜板
47…第二固定部
48…第二調整ネジ
271…指掛け
本発明は、髪の毛をカットする際に使用される理美容鋏に関する。
従来から種々の理美容鋏が提供されており、例えば、下記特許文献1〜3に開示されたような理美容鋏が知られている。
一方、最近の理美容業界では、ファッションの移ろいに応じて種々のヘアスタイルが創造されており、また個人の嗜好も多様であるため要求されるヘアスタイルは幅広い。これに応じてヘアカット技術を向上すべくその追求も盛んである。加えて、ヘアスタイルの完成過程をショー的に公開して、カット技術自体を芸術的に見せる工夫もなされている。
例えば、従来の鋏の握り方を変え、鋏の刃を素早く開閉してカットのスピードを速めたり、或いは毛に対する刃の切り込み角度を様々に変化させたりするなど、斬新なカット法も公開されている。
また、髪が乾いた状態でカットを行うドライカットと呼ばれる手法も着目されているが、ドライカットでは髪が傷みやすいため、ドライカットを行う際には、いわゆる引き切りと呼ばれる鋏を引きながらカットを行う手法が求められている。
特許第4889701号公報 実開平5−1463号公報 実用新案登録第3032395号公報
しかし、引き切りを行う場合には、使い手は、常に手を引きながらカットを行う必要があるため、手への負担が大きいといった問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、引き切りを行う際に使い手の負担を大きく軽減することのできる理美容鋏を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る理美容鋏は、第一鋏体と、第二鋏体と、前記第一鋏体と前記第二鋏体とを互いに回転自在に連結する回転軸とを備える。この理美容鋏は、前記第一鋏体と前記第二鋏体との間に毛髪を挟み込んで切断可能としている。前記第一鋏体は、前記回転軸よりも先端側に位置する第一刃部と、前記回転軸よりも手元側に位置する第一指環を有する第一柄部とを備える細長い部材であって、前記第一柄部が前記回転軸よりも前記第一刃部側に折り返された形状で固定されている。また前記第二鋏体は、前記回転軸よりも先端側に位置する第二刃部と、前記回転軸よりも手元側に位置する第二指環を有する第二柄部と、を備える細長い部材であって、前記第二柄部が前記回転軸よりも前記第二刃部側に折り返された形状で固定されている。
また、本発明に係る理美容鋏は、第一鋏体と、第二鋏体と、前記第一鋏体と前記第二鋏体とを互いに回転自在に連結する回転軸と、を備え、前記第一鋏体と前記第二鋏体との間に毛髪を挟み込んで切断する理美容鋏において、前記第一鋏体は、前記回転軸よりも先端側に位置する第一刃部と、前記回転軸よりも手元側に位置する第一指環を有する第一柄部と、を備える細長い部材であり、前記第二鋏体は、前記回転軸よりも先端側に位置する第二刃部と、前記回転軸よりも手元側に位置する第二指環を有する第二柄部と、を備える細長い部材であり、前記第一刃部又は前記第二刃部との間の相対的な反りを調整するための傾斜角調整部材を備えることができる。
本発明に係る理美容鋏によれば、鋏を閉じる動作により回転軸が毛髪から遠ざかる方向に移動するため、引き切りを行う際の使い手の手への負担を大きく低減させることができる。
第一実施形態に係る理美容鋏の開いた状態の斜視図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の平面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の正面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の右側面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の左側面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の底面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の閉じた状態の背面図である。 従来の理美容鋏により毛髪をカットする際の作用を説明するための上面模式図である。 第一実施形態に係る理美容鋏により毛髪をカットする際の作用を説明するための上面模式図である。 第二実施形態に係る傾斜角調整部材の拡大正面図である。 第二実施形態に係る傾斜角調整部材の拡大平面図である。 第二実施形態の変形例1に係る傾斜角調整部材の拡大平面図である。 第一実施形態に係る理美容鋏の使用状態を示す図である。 変形例に係る回転軸を示す断面図である。 第二実施形態に係る理美容鋏を示す斜視図である。 変形例に係る回転軸を示す断面図である。 他の変形例に係る回転軸を示す断面図である。 他の変形例に係る回転軸を示す断面図である。 第三実施形態に係る理美容鋏の開いた状態の平面図である。 第三実施形態に係る理美容鋏を逆手で使用する状態を示す図である。 第三実施形態に係る理美容鋏を順手で使用する状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための、理美容鋏を例示するものであって、本発明は、理美容鋏を以下のものに特定しない。さらに、本明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」、及び「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(第一実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る理美容鋏100について説明する。図1は、第一実施形態に係る理美容鋏100の開いた状態の斜視図である。図2は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の平面図である。図3は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の正面図である。
図4は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の右側面図である。図5は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の左側面図である。図6は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の底面図である。図7は、第一実施形態に係る理美容鋏100の閉じた状態の背面図である。さらに図13は、第一実施形態に係る理美容鋏100の使用状態を示す図である。
第一実施形態に係る理美容鋏100は、動刃である第一鋏体10と、静刃である第二鋏体20と、第一鋏体10と第二鋏体20とをX字状に交差させて回動自在に軸支する回転軸30とを備えている。理美容鋏100は、洋鋏型のステンレス製の鋏である。
第一鋏体10は、細長い略板状部材であり、略中央部分に回転軸30を挿通する軸穴と連通した軸穴が形成されている。第一鋏体10の軸穴よりも刃先側には、内側に刃渡りを構成する刃線12が位置する第一刃部11が形成されている。さらに第一鋏体10は、中空の筒体を軸穴と連通させて固定している。
第一鋏体10の軸穴よりも手元側には、使い手が理美容鋏100を使用する際に手に持つ部分となる第一柄部15が形成されている。第一柄部15は、軸穴の手元側で第一刃部11よりも細く形成された第一アーム16と、第一アーム16の手元側に形成され、使い手の指(通常、親指)が挿入される第一指環17とを備えている。
ここで、本実施形態では、細長い第一鋏体10が、正面から見たときに略U字状となるように(図3参照)、第一アーム16の部分において、180°湾曲した形状となっている。また、図2に示すように、上方から見たときには、第一刃部11と第一柄部15が略平行に延在するように、第一アーム16において折り返されている。
従来の鋏は、回転軸において水平に延在する動刃と静刃が交差しており、平面図では、動刃及び静刃の刃部と柄部は回転軸を挟んでそれぞれ上下逆側に位置している。これに対して、回転軸30を挟んで第一鋏体10及び第二鋏体20がU字状に湾曲した本実施形態においては、第一刃部11と第一柄部15は回転軸30を挟んで同じ下側に位置し、第二刃部21と第二柄部25は回転軸30を挟んで同じ上側に位置している(平面図である図2参照)。
第二鋏体20は、第一鋏体10と同じような構造をしており、略中央部分に軸穴24が形成されている。第二鋏体20は、軸穴24よりも先端側に形成された、内側に刃線211が位置する第二刃部21と、軸穴24よりも手元側に形成された、第二アーム26と第二指環27とを備える第二柄部25とを備えている。
第二指環27には、通常、薬指が挿入される。第二指環27の周囲には、使用時に小指を引っ掛けるための指掛け271が形成されている。第一鋏体10と同様に、第二鋏体20も第二アーム26の部分において180°湾曲しており、正面から見たときに略U字状の形状をしている。
第一鋏体10の軸穴と第二鋏体20の軸穴24とを貫通する回転軸30は、締結力を調整可能なネジである。第一鋏体10と第二鋏体20は回転軸30に対して固定されておらず、回転自在である。また、回転軸の先端は軸穴24と固定している。さらにこの例では、回転軸をボルト状としてねじ山を切っており、回転軸の上部に蝶ねじ35を螺合させて、筒体を押圧する。蝶ねじ35の回転によって、筒体への押圧力、すなわち筒体と固定された第一鋏体と、回転軸に固定された第二鋏体との間の締結力を調整できる。
また、第一鋏体と第二鋏体との切断部分で刃先同士の間に隙間が生じると、ここに毛髪が入り込んでカットがしづらくなる。この状態を避けるために、第一鋏体と第二鋏体とを接触させる方向に付勢する構成を設けてもよい。例えば回転軸において、ここに螺合される蝶ねじと筒体との間にスプリングを介在させて、第一鋏体を第二鋏体側に押圧する。
なお、これとは逆に回転軸に締結力を調整可能な機構を設けず、単に回転自在に連結することで、回転軸を簡素化することもできる。このような例を変形例として図14に示す。この例では、例えば回転軸30の上端に径大の上端押さえ31を形成し、回転軸30の下端に径大の下端押さえ32を形成して、回転軸30を中心に第一鋏体10と第二鋏体20とを回転自在に連結しても良い。この構成によれば、回転軸30の簡素化によって製造コストを削減できる利点が得られる。
以上、理美容鋏100の構成について説明したが、理美容師等の使い手が使用する際には、使い手は、親指を第一鋏体10の第一指環17に挿入し、薬指を第二鋏体20の第二指環27に挿入すると共に、小指を指掛け271に掛けて、理美容鋏100を保持する。
そして、薬指及び小指により静刃である第二鋏体20を固定したまま、親指により動刃である第一鋏体10を開閉することで、第一刃部11の刃線12と第二刃部21の刃線22との交点が移動し、交点部分において第一刃部11と第二刃部21とに挟まれた髪の毛が切断される。すなわち、刃線12と刃線22の交点が切断場所になる。
続いて、理美容鋏を用いて髪の毛をカットする際の作用について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、従来の理美容鋏800により髪の毛をカットする際の作用を説明するための上面模式図である。図9は、第一実施形態に係る理美容鋏100により髪の毛をカットする際の作用を説明するための上面模式図である。
図8に示す従来の理美容鋏800は、直線状に延在する動刃及び静刃がX字状の交差点(回転軸M)で回転自在に連結された構成である。図8では、図において上側には、開いた状態の理美容鋏800を、下側には閉じた状態の理美容鋏800を、それぞれ概略的に示し、図中、上下の指環の位置を左右方向で合わせて示している。
指環と回転軸Mとの距離(柄部の長さ)は一定であるため、同図に示すように、理美容鋏800を閉じた状態では、開いた状態よりも回転軸Mが距離l1だけ右側に位置している。すなわち、従来の理美容鋏800では、鋏の開き角が小さくなるほど、指環を支持する使い手の手元と回転軸との距離は離れ、刃先に向かって移動することになる。
また、鋏の開き角を閉じるにしたがって、動刃の刃線と静刃の刃線の交点である切断箇所も刃先へ向かって移動する。このように、従来の理美容鋏800では、鋏を閉じるにつれて、切断箇所が刃先に向かって大きく移動することになり、毛髪に対していわゆる押し切り状態となってしまう。
押し切り状態では、毛髪が刃面の間に押し込まれて詰まり易くなってしまい、実際に毛髪が理美容鋏に詰まると、毛髪自体が傷ついたり、作業が中断され復旧に時間がかかったりしてしまい、カットをしてもらっている人にとっても不快である。さらに、従来の構成の理美容鋏において引き切りを行う場合には、使い手は鋏を持つ手を大きく引きながらカットを行う必要がある。
一方図9に、第一実施形態に係る理美容鋏100を示す。この図では、図において上側に、開いた状態の理美容鋏100を、下側には閉じた状態の理美容鋏100を、それぞれ概略的に示し、図中、上下の指環の位置を左右方向で合わせて示している。同図に示すように、理美容鋏1を閉じた状態では、開いた状態と比較して、回転軸30が左側に距離l2移動している。すなわち、第一実施形態に係る理美容鋏100によれば、鋏を閉じる際に、回転軸30が使い手の手元から離れる方向であって刃先からも離れる方向に移動することになる。
一方、上述したように、理美容鋏100の開き角を閉じるにつれて、第一鋏体10の刃線12と第二鋏体20の刃線22との交点は切断対象物である毛髪に向かって移動することになる。しかし、本実施形態によれば、理美容鋏100の開き角を閉じるにつれて、回転軸30が毛髪から離れる方向に移動するため、刃線12と刃線22との交点の毛髪への移動は、この回転軸30の移動により抑えられるか、又は打ち消されることになる。
このように、理美容鋏100によれば、指環17,27が回転軸30よりも刃部11,21と同じ側にあるため、従来の理美容鋏800と比較して、鋏を閉じる際に切断場所(二つの鋏体の刃線の交点)が切断対象物に向けて移動するのを大きく抑えることができるか、切断対象物から離れる方向に移動することになる。
したがって、理美容鋏100によれば、従来の理美容鋏800のように普通に開閉するだけで押し切り状態となってしまうのを大きく抑えることができる。これにより、毛髪をカットする際の毛髪の詰まりを防止することができ、ドライカットを行う場合でも毛髪の損傷を最低限に抑えることができる。さらに、本実施形態によれば、いわゆる引き切りを行う際の使い手への負担を低減し、引き切りを容易に行うことが可能となる。
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、理美容鋏100を構成する各部材の形状、サイズ、材料等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、第一鋏体10及び第二鋏体20をU字状に180°湾曲させているが、湾曲形状や角度も適宜変更可能である。
(第二実施形態)
さらに回転軸を中心として、第一刃部又は第二刃部との間の相対的な反りを調整するための傾斜角調整部材を付加することもできる。以下、このような傾斜角調整部材を付加した理美容鋏を、第二実施形態として図15、図10、図11、図12に示す。これらの図において、図15は第二実施形態に係る理美容鋏200の斜視図であり、図10は第二実施形態に係る理美容鋏200の傾斜角調整部材の部分を拡大して示す拡大正面図であり、また図11は第二実施形態に係る理美容鋏200の傾斜角調整部材の部分を拡大して示す拡大平面図である。なお、図10では、見易いように各部材の間隔を実際よりも広げて示している。
第二実施形態に係る理美容鋏200は、第一鋏体10の第一刃部11と第二鋏体20の第二刃部21との噛み合わせ関係を微調整するための傾斜角調整部材40を備える。なお傾斜角調整部材40の構成以外は上記第一実施形態に係る理美容鋏100と同様の構成であるため、同様の部品には同じ番号を付し、説明を省略する。
理美容鋏の第一鋏体10及び第二鋏体20は、通常であれば略水平に延在し、それらの第一刃部11と第二刃部21とが略水平な位置関係で噛み合わせられているが、微妙な切れ味を調節するためには、第一刃部11や第二刃部21の反りを調整して両者のなす角を微調整する必要がある。傾斜角調整部材は、第一刃部11と第二刃部21との相対的な反りを調整するため、いずれか一方の反りの角度を調整する。
図10及び図11に示すように、傾斜角調整部材40は、回転軸30の周囲に設置されており、第一傾斜板41、第一調整ネジ43、第二傾斜板46、第二調整ネジ48を備えている。第一傾斜板41は、第一鋏体10の上側に隣接して設置され、第二傾斜板46は、第二鋏体20の下側に隣接して設置されている。
上から順に列んだ第一傾斜板41、第一鋏体10、第二鋏体20及び第二傾斜板46は、これらを上から下まで挿通する回転軸30によって互いに密着するように軸支されており、第一傾斜板41、第一鋏体10、第二鋏体20及び第二傾斜板46は、全て回転軸30に対して回動自在である。
図10の例では、回転軸30の先端は、第二傾斜板46に固定されている。また第一傾斜板41には中空の筒体が固定されており、筒体の中空部分が第一傾斜板41の軸穴に連通されている。さらに筒体の上面においては、回転軸に螺合された蝶ねじ35でもって、開口端を押圧している。
第一傾斜板41及び第一調整ネジ43は、第一刃部11の延在方向(通常は略水平)からの傾斜角度(反り)を調整するための部材である。第一傾斜板41は、第一鋏体10と略同じ幅を有する短い板状部材であり、回転軸30の近傍において第一鋏体10上に重畳設置されている。
第一傾斜板41には、回転軸30が挿通するための軸穴と、軸穴よりも刃先側(図10及び図11において右側)に設置された、第一調整ネジ43がねじ込まれるネジ穴が形成されている。
また、第一傾斜板41は、軸穴よりも手元側に第一傾斜板41を第一鋏体10に対して一体に固定するための第一固定部42を備えている。第一固定部42により、第一鋏体10と第一傾斜板41は一体に固定されるため、両者は回転軸30に対して一体となって回動する。
第一調整ネジ43は、回転軸30よりも刃先側に形成されたネジ穴を貫通して第一傾斜板41の反対面から先端が飛び出すことが可能であり、第一調整ネジ43のねじ送り量を調整することで、飛び出し量を調節することができる。回転軸30よりも刃先側において第一傾斜板41から飛び出した第一調整ネジ43の先端は、第一刃部11の上面に衝突し、さらにねじ送りをすると、第一傾斜板41と第一刃部とが離れるように作用する。
このとき、第一傾斜板41の上方への移動は回転軸30の上端押さえ31により阻止され、第一鋏体10の筒体34部分における下方への移動は第二鋏体20及び第二傾斜板46を挟んで回転軸30の下端押さえ32により阻止される。
このため、第一調整ネジ43の先端に押された第一鋏体10の第一刃部11は、刃先側が水平状態から下方に傾斜するように僅かに動く。よって、第一調整ネジ43のねじ送り量を調整することで、第一刃部11の延在方向からの傾斜角度を微調整、すなわち第一刃部11の反りを微調整することができる。
第二傾斜板46及び第二調整ネジ48は、第二刃部21の延在方向(通常は略水平)からの傾斜角(反り)を調整するための部材である。第二傾斜板46及び第二調整ネジ48の構成及び作用は、上下が逆となるだけで、上述した第一傾斜板41及び第一調整ネジ43と同じであるため、詳細な説明は省略する。すなわち、第二調整ネジ48のねじ送り量を調整することで、第二鋏体20の延在方向からの傾斜角度を微調整、すなわち第二刃部21の反りを微調整することができる。
また、第二傾斜板46も第一傾斜板41と同様に、軸穴よりも手元側に第二傾斜板46を第二鋏体20に対して一体に固定するための第二固定部47を備えている。第二固定部47により、第二鋏体20と第二傾斜板46は一体に固定されるため、両者は回転軸30に対して一体となって回動する。
以上、詳細に説明した第二実施形態に係る理美容鋏200は、上記第一実施形態に係る作用効果を奏すると共に、さらに、傾斜角調整部40により、第一刃部11の反りと第二刃部21の反りとを独立して調整可能であり、第一刃部11と第二刃部21とのなす角度を微調整して噛み合わせを調整することで、理美容鋏の微妙な切れ味を調節することができる。
次に、第二実施形態に係る理美容鋏の変形例1について、図面を参照しながら説明する。図12は、第二実施形態の変形例1に係る理美容鋏200’の傾斜角調整部材の部分を拡大して示す拡大平面図である。
本変形例1に係る理美容鋏200’は、上記第二実施形態における刃部11,21の延在方向からの傾斜角の調整に加えて、刃部11,21の延在方向を軸として、この軸周りのローリング角度、すなわち第一刃部11及び第二刃部21との間の相対的な捻りを微調整することができる。反りと捻りとは、交差する位置関係にある。
本変形例1に係る理美容鋏200’の基本的な構成は、上記第二実施形態に係る理美容鋏200と同じであり、傾斜角調整部材の構成のみが若干異なる。よって、同様の部品には同じ番号を付し、説明を省略する。
図12に示すように、本変形例1に係る傾斜角調整部材40’は、第一傾斜板41、第一調整ネジ43、第三調整ネジ44、第二傾斜板、第二調整ネジ、第四調整ネジを備えている。なお、これら第二傾斜板、第二調整ネジ、第四調整ネジは、図12の裏面側に位置する。この内、第二傾斜板と第二調整ネジは、図10及び後述する図16に示す第二傾斜板46と第二調整ネジ48とほぼ同様の形態で設けられている。
第三調整ネジ44は、第一傾斜板41の幅方向において回転軸30の両脇に二つ設置されており、第一調整ネジ43と同様に、第一傾斜板41に形成されたネジ穴にねじ込まれて、反対面から先端が飛び出すことが可能である。そして、二つの第三調整ネジ44のねじ送り量を微調整することで、第一刃部11の両側への捻りを微調整することができる。
また第四調整ネジは、図12で示す第一傾斜板41上に形成された第三調整ネジ44と同様に、裏面側に位置する第二傾斜板の幅方向において回転軸30の両脇に二つ設置されている。この第四調整ネジも、第一調整ネジ43と同様に、第二傾斜板に形成されたネジ穴にねじ込まれて、反対面から先端が飛び出すことが可能である。そして、二つの第四調整ネジのねじ送り量を微調整することで、第二刃部21の両側への捻りを微調整することができる。
このように、本変形例1によれば、第一刃部11及び第二刃部21の反りの微調整だけではなく、捻りの微調整も可能となるため、より良好に理美容鋏の微妙な切れ味を調節することが可能となる。
また、第二実施形態においても、第一実施形態と同様、第一鋏体と第二鋏体とを接触させる方向に付勢する付勢構造を付加することもできる。このような例を変形例として図16、図17に示す。図16に示す例では、筒体34の上方において、回転軸30に螺合された蝶ねじ35と筒体34の端縁との間にスプリング36を介在させている。この例では、筒体34は第一傾斜板41と固定され、また回転軸の先端は第二傾斜板46と固定されている。このため、スプリング36に押圧された筒体34を介して第一傾斜板41が第二傾斜板46との間隔を狭くするように付勢され、第一鋏体と第二鋏体とを接触させるように作用される。
また、この構成は一例であり、例えば図17に示すように、スプリング36を筒体の内部に収納するように構成することもできる。この例では、筒体の内径を、第一鋏体と第二鋏体の軸穴14、24よりも大きくしている。またスプリング36の内径を、第一鋏体と第二鋏体の軸穴14、24よりも大きくし、かつ筒体の内径よりも狭くしている。これによってスプリング36の先端で第一鋏体の軸穴14の周囲を押圧でき、図16と同様に第一鋏体と第二鋏体とを接触させるように付勢できる。
なお、本実施形態おいても、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、さらなる変形が可能であり、第一鋏体10と第二鋏体20の双方に傾斜角調整機構を設けるのではなく、どちらか一方にだけ設置したのでも良い。
例えば図18に示す他の変形例に係る美理容鋏200”のように、第一固定部に代えて、第一傾斜板41の後端を第一刃部11と固定し、第一調整ネジ43のみでもって傾斜角度を調整できる。この例では、第一調整ネジ43を進行させると第一刃部11が押し下げられてその先端が降下する。逆に第一調整ネジ43を後退させると、第一刃部11が第一傾斜板41と接近する応力が働き、第一刃部11の先端が上昇する。あるいはまた、第一傾斜板や第二傾斜板も省略して、第一刃部、第二刃部に直接第一調整ネジを螺合したり、あるいは第一傾斜板や第二傾斜板を予め第一刃部、第二刃部にそれぞれ一体的に固定してもよい。加えて、回転軸30を交換式として、経年劣化した回転軸を交換可能とすれば、理美容鋏を長期に渡って利用できる。
さらに第一指環、第二指環のいずれか、又は両方を着脱式としてもよい。例えば、使用者の指の太さに応じて適切な内径の第一指環、第二指環に交換可能としたり、材質を変更した第一指環、第二指環(例えば指の当たる部分をゴム製として滑り止め効果を高める)を利用可能とする等の利点が得られる。特にこれらの部分は頻繁に使用者が指を出し入れして摩耗することから、交換式とすることで利便性が高まる。
また、本実施形態では、刃部11,21の反りを微調整する反り調整機構を単体で設置した場合、反り調整機構と共に刃部11,21の捻りを微調整する捻り調整機構を合わせて設置した場合について説明したが、捻り調整機構のみを単体で設置するようにしても良い。また、本実施形態においても理美容鋏を構成する各部材の形状、サイズ、材料等は適宜変更可能である。例えば、以上説明した例においては、左用の刃を採用した理美容鋏について説明しているが、右用の刃を採用した理美容鋏に本発明を適用することも可能である。
(第三実施形態)
さらに第二柄部に、第二湾曲部を設けることもできる。図19の平面図に、このような第三実施形態に係る美理容鋏300を示す。この例では、第二柄部の一部に、湾曲させた第二湾曲部25’を設けることで、この部分に指をかけて美理容鋏を把持し易くできる。特に図20に示すように、右手で逆手、すなわち美理容鋏を開く側が手首側を向く姿勢で美理容鋏を持つ際に、薬指を第二指環27に差し入れ、第二湾曲部25’に中指をかけることで、安定して美理容鋏を把持できる。
一方、第一柄部も湾曲させることができる。図19の例では、第一柄部を全体的に湾曲させた第一湾曲部15’としている。このような形状とすることで、図21に示すように順手、すなわち美理容鋏を開く側が指先側となる姿勢に美理容鋏を持ち替えた際に、中指を第一指環17に差し入れ、第一湾曲部15’に薬指をかけることで、安定して美理容鋏を把持できる。特に人の指は掌から湾曲して延びているため、第一柄部を直線状とするよりも湾曲させることで、自然と指を掛け易くなり、美理容鋏を安定的に把持できる。
1、200、200’、200”、300、800…理美容鋏
10…第一鋏体
11…第一刃部
12…刃線
15…第一柄部;15’…第一湾曲部
16…第一アーム
17…第一指環
20…第二鋏体
21…第二刃部
22…刃線
25…第二柄部;25’…第二湾曲部
26…第二アーム
27…第二指環
30…回転軸
31…上端押さえ
32…下端押さえ
34…筒体
35…蝶ねじ
36…スプリング
40、40’…傾斜角調整部材
41…第一傾斜板
42…第一固定部
43…第一調整ネジ
44…第三調整ネジ
46…第二傾斜板
47…第二固定部
48…第二調整ネジ
271…指掛け

Claims (10)

  1. 第一鋏体(10)と、
    第二鋏体(20)と、
    前記第一鋏体(10)と前記第二鋏体(20)とを互いに回転自在に連結する回転軸(30)と
    を備え、
    前記第一鋏体(10)と前記第二鋏体(20)との間に毛髪を挟み込んで切断可能とした理美容鋏において、
    前記第一鋏体(10)は、
    前記回転軸(30)よりも先端側に位置する第一刃部(11)と、
    前記回転軸(30)よりも手元側に位置する第一指環(17)を有する第一柄部(15)と
    を備える細長い部材であって、前記第一柄部(15)が前記回転軸(30)よりも前記第一刃部(11)側に折り返された形状をしており、
    前記第二鋏体(20)は、
    前記回転軸(30)よりも先端側に位置する第二刃部(21)と、前記回転軸(30)よりも手元側に位置する第二指環(27)を有する第二柄部(25)と
    を備える細長い部材であって、前記第二指環(27)が前記回転軸(30)よりも前記第二刃部(21)側に折り返された形状をしていることを特徴とする理美容鋏。
  2. 前記第一鋏体(10)及び前記第二鋏体(20)は、略U字状に折り曲げられた形状であることを特徴とする請求項1記載の理美容鋏。
  3. 前記第一鋏体(10)は、上方からみたときに前記第一柄部(15)が前記第一刃部(11)と略平行に延在するように折り返された形状であり、
    前記第二鋏体(20)は、上方からみたときに前記第二柄部(25)が前記第二刃部(21)と略平行に延在するように折り返された形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の理美容鋏。
  4. 前記第一刃部(11)及び前記第二刃部(21)との間の相対的な反りを調整するための傾斜角調整部材(40)を、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至3何れか一に記載の理美容鋏。
  5. 第一鋏体(10)と、
    第二鋏体(20)と、
    前記第一鋏体(10)と前記第二鋏体(20)とを互いに回転自在に連結する回転軸(30)と
    を備え、
    前記第一鋏体(10)と前記第二鋏体(20)との間に毛髪を挟み込んで切断可能とした理美容鋏において、
    前記第一鋏体(10)は、
    前記回転軸(30)よりも先端側に位置する第一刃部(11)と、
    前記回転軸(30)よりも手元側に位置する第一指環(17)を有する第一柄部(15)と
    を備える細長い部材であり、
    前記第二鋏体(20)は、
    前記回転軸(30)よりも先端側に位置する第二刃部(21)と、
    前記回転軸(30)よりも手元側に位置する第二指環(27)を有する第二柄部(25)と
    を備える細長い部材であり、
    前記第一刃部(11)又は前記第二刃部(21)との間の相対的な反りを調整可能な傾斜角調整部材(40)を備えることを特徴とする理美容鋏。
  6. 前記傾斜角調整部材(40)は、前記回転軸(30)によって軸支されると共に、
    前記第一鋏体(10)に一部が固定された状態で重畳設置される第一傾斜板(41)と、
    前記第一傾斜板(41)に形成されたネジ穴にねじ込まれて設置されると共に、その先端が前記第一鋏体(10)に当接可能に設置された調整ネジ(43)と
    を備え、
    前記調整ネジ(43)のねじ送り量を調整することで、前記第一刃部(11)の反りを調整可能としてなることを特徴とする請求項4又は5記載の理美容鋏。
  7. 前記傾斜角調整部材(40)はさらに、前記第一刃部(11)及び前記第二刃部(21)との間の相対的な捻りを調整可能としてなることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一に記載の理美容鋏。
  8. 前記第二柄部(25)は、少なくとも部分的に湾曲された第二湾曲部(25')を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の理美容鋏。
  9. 前記第一柄部(15)は、湾曲された第一湾曲部を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の理美容鋏。
  10. 前記第一指環(17)又は第二指環(27)の少なくともいずれかを着脱式にしてなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の理美容鋏。
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