JPWO2013180293A1 - エネルギを用いた処置具 - Google Patents
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Abstract
Description
第1の実施の形態について図1から図7を用いて説明する。
図1に示すように、この実施の形態に係る、エネルギを用いた処置システム10は、処置具(エネルギ処置具)12と、処置具12にエネルギを付与するエネルギ源14とを有する。エネルギ源14には処置具12に付与するエネルギのON/OFFを切り替えるペダル16aを有するフットスイッチ16が接続されている。処置具12とエネルギ源14との間は複数のリード線や信号線が束ねられた第1ケーブル18aにより電気的に接続され、エネルギ源14とフットスイッチ16との間は複数のリード線や信号線が束ねられた第2ケーブル18bにより電気的に接続されている。フットスイッチ16はペダル16aの操作等によりエネルギ源14に信号を入力することが可能であり、エネルギ源14はフットスイッチ16のペダル16aの操作等に基づいて処置具12に付与するエネルギを制御可能である。
ここで、エネルギ源14の高周波エネルギ出力回路24は、処置具12の後述するエネルギ放出部62,64(電極132)に高周波エネルギを付与してエネルギ放出部62,64間に保持された生体組織を発熱させ、その熱エネルギで生体組織を変性させるように、制御部22で制御される。エネルギ源14の発熱部材駆動回路26は、エネルギ放出部62,64(発熱部材(抵抗加熱ヒータ)82)にエネルギを供給して発熱させて、その熱(熱エネルギ)を電極132に伝熱して、生体組織に熱(熱エネルギ)を伝熱させて生体組織を脱水するように、制御部22で制御される。すなわち、この実施の形態に係る処置具12は、生体組織に熱エネルギを作用させて生体組織の処置を行う。
表示部28は、エネルギ源14の状態を表示したり、各種の設定をしたりする際に用いられるように、例えばタッチパネルが用いられることが好ましい。また、スピーカ30は高周波エネルギ出力回路24や発熱部材駆動回路26からの出力のON/OFFを音によって知らせることができるように制御される。
制御部22は、表示部28での設定により、高周波エネルギ出力回路24で適宜の高周波エネルギを時間t1だけ出力する設定を、エネルギ放出部62,64を用いて計測可能な生体組織の生体情報(例えばインピーダンスや位相差等)の変化を用いて高周波エネルギを出力する設定に切り替えても良く、両者(時間及び生体情報)の一方が早く到達した時点で高周波エネルギの出力を停止するようにしても良い。
図4Aから図5Bに示すように、処置部42は、生体組織の保持部としての開閉可能な1対のジョー(第1及び第2のジョー)52,54と、ジョー52,54に配設されたエネルギ放出部(第1及び第2のエネルギ放出部)62,64と、ジョー52,54とエネルギ放出部62,64との間に配設された中間介在部(第1及び第2の中間介在部)72,74とを有する。このうち、第1のジョー52、第1のエネルギ放出部62及び第1の中間介在部72は第1の処置部42aを形成する。なお、詳細には説明しないが、第2のジョー54に配設された第2のエネルギ放出部64及び第2の中間介在部74は、第1のジョー52に配設された第1のエネルギ放出部62及び第1の中間介在部72と同様に形成されていることが好ましい。このため、第2のジョー54、第2のエネルギ放出部64及び第2の中間介在部74は第2の処置部42bを形成する。すなわち、具体的な説明は省略するが、図5A及び図5Bに示すように、第2の処置部42bは、第1のジョー52と同様に形成された第2のジョー54と、第1のエネルギ放出部62と同様に形成された第2のエネルギ放出部64と、第1の中間介在部72と同様に形成された第2の中間介在部74とを有する。
この実施の形態では、図4Bから図5B中にエネルギ放出部62,64が平板状であるものとして描いているが、種々の形状が許容される。
発熱部材134は複数の発熱素子を用いても良く、また、プレート状のヒータを用いても良い。発熱部材134が複数の発熱素子であれば電極132の裏面に配置あるいは埋設され、プレート状のヒータであれば電極132の裏面に配置されることが好ましい。発熱部材134は電極132の長手方向や長手方向に直交する方向に長いバー形状を有することも好適である。
図7によると、断熱層86として空気層がカバー84と主体部82との間に形成されている場合、断熱層86が形成されていない場合に比べて温度が上がり難いことが見てとれる。したがって、処置対象の生体組織の外側の周辺組織に処置部42から熱的な影響を及ぼすのを防止できる。
例えば接合したい生体組織に処置部42を対峙させる。この状態で操作部46の開閉レバー46aを操作してエネルギ放出部62,64の表面62a,64a間で処置対象の生体組織を保持する。このように、第1及び第2の処置部42a,42bで処置対象の生体組織及びその周辺組織を保持したとき、処置対象の生体組織はエネルギ放出部62,64の表面62a,64aにそれぞれ密着した状態に配置される。また、処置対象の生体組織の周辺組織は外縁部104間に密着した状態に保持される。
なお、第1及び第2の処置部42a,42bで生体組織を保持したとき、第1の処置部42aの空間112内には処置対象の生体組織の周辺組織の一部が入り込む。そして、連結部106の表面106aは空間112を通して配設された周辺組織が隣接した開口108から凹部92に入り込まないように支持している。このように、第1及び第2の処置部42a,42bで生体組織を保持したとき、第1の処置部42aの外縁部104には、処置対象の生体組織の周辺組織が押圧された状態で保持されている。このとき、処置対象の生体組織及びその周辺組織、第1のジョー52に設けられた外縁部104、流路120及びエネルギ放出部62の保持面62aで囲った部位は閉じられている。
ここで、流路120はエネルギ放出部62の保持面62aからエネルギ放出部62の厚さ、中間介在部72のベース102の厚さ、及び、第1のジョー52の主体部82の凹部92の深さを合わせた深さに形成されている。すなわち、流路120は、例えばベース102が存在せずエネルギ放出部62の厚さ及び主体部82が協働して流路が形成されているだけの場合に比べて深く形成されている。このため、処置部42aの軸方向及び幅方向に直交する方向の大きさを変えることなく、流路120の容積を大きくすることができる。したがって、生体組織から生じた流体のうち多くを流路120の空間112、開口108を通してより確実に流路120の最奥の凹部92まで流入させることができる。
そして、流路120内の奥(凹部92内)まで流入させた流体は、例えばベース102が存在せずエネルギ放出部62の厚さと主体部82だけの場合に比べて、流路が処置部42aの軸方向及び幅方向に直交する方向により深く形成されているので、流体を確実に流路120内から出し難くすることができる。すなわち、入り口を狭く、奥行き(深さ方向)を広く形成しているので、一旦流体を流路120に流入させると、流路120から出し難くすることができる。また、連結部106は流体を流路120内に閉じ込めておく蓋の役割を果たす。このため、連結部106により流体をより確実に流路120内に閉じ込めておくことができる。したがって、処置部42の外部に流体が流出するのを極力防止できる。
これら一連の処置において、第2の処置部42bと処置対象の生体組織及びその周辺組織との間も同様に処置されるので、ここでの説明を省略する。
流路120を第1の処置部42aの厚さ方向により大きくなるように形成したので、第1の処置部42aの幅方向を大きくすることなく、流路120の容積を大きくすることができる。このため、エネルギによる処置によって生体組織から生じた流体のうち、より多くの流体を流路120内に流入させることができ、周辺組織を伝って処置部42の外側に放熱されるのを極力防止できる。
また、第1及び第2の処置部42a,42b間に処置対象の生体組織及びその周辺組織を保持したときに、連結部106で周辺組織を保持できるので、周辺組織が開口108を通して凹部92内に入り込むのを防止できる。
次に、第1の実施の形態の第1の変形例について図9Aから図11Cを用いて説明する。この変形例は、第1の実施の形態の変形例である。
図9に示すように、第1の処置部42aのうち、第2の処置部42bに対向する位置には、エネルギ放出部62、中間介在部72のベース102及び第1のジョー52の主体部82により協働してカッタ案内溝152が形成されている。カッタ案内溝152は絶縁性を有する。第2の処置部42bのうち、第1の処置部42aに対向する位置には、エネルギ放出部64、中間介在部74のベース102及び第2のジョー54により協働してカッタ案内溝154が形成されている。
なお、図11B及び図11Cに示す冷却管路162は保持面62aにエネルギ放出部が設けられていない場合、形成されていなくても良い。
また、外縁部104の外周面に熱伝導性が良好な板を配置し、その板に冷却管路162の熱を伝熱することによって、外縁部104により押圧される周辺組織の全体を冷やすようにしても良い。
次に、第2の実施の形態について図12から図15Bを用いて説明する。この実施の形態は各変形例を含む第1の実施の形態の変形例であって、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
処置具212は、ハンドル222と、シャフト224と、開閉可能な処置部226とを備えている。ハンドル222には、ケーブル18aを介してエネルギ源14が接続されている。
シャフト224の先端には、処置部226が配設されている。図14A及び図14Bに示すように、処置部226は、シャフト224の先端に形成された本体側処置部(第1の保持部材、第1のジョー)242と、この本体側処置部242に着脱可能な離脱側処置部(第2の保持部材、第2のジョー)244とを備えている。本体側処置部242に対して離脱側処置部244が閉じた状態では、本体側処置部242及び離脱側処置部244の外縁部242a,244aが互いに対して対向した状態に近接し、又は、互いに当接している。このため、円環状の外縁部242aは円環状の外縁部244aと対向し、処置対象の生体組織の周辺組織を保持する保持部(第2の保持部)を形成する。
フレーム254は、その中心軸が開口されている。このフレーム254の開口された中心軸Cには、通電用パイプ256がフレーム254の中心軸Cに沿って所定の範囲内で移動可能に配設されている。この通電用パイプ256は、保持部開閉ノブ232を回転させると、図14A及び図14Bに示すように、例えばボールネジ(図示せず)の作用により所定の範囲内を移動可能である。この通電用パイプ256には、離脱側処置部244の後述する通電用シャフト282のコネクト部282aが係脱可能なように、径方向内方に突出する突起256aが形成されている。
第1の高周波電極272は、カッタ262が配設されたカッタ案内溝266の外側に配設されている。第1の高周波電極272は、カッタ案内溝266と同様に円環状に形成されている。この第1の高周波電極272には、第1の通電ライン272aの先端が固定されている。第1の通電ライン272aは、本体側処置部242、シャフト224、ハンドル222を介してケーブル18aに接続されている。
なお、発熱部材274は1つ又は複数の板状ヒータが用いられることも好適である。
突出部278aのうち、離脱側処置部244に近接した側の面は、外縁部242aのうち離脱側処置部244の外縁部244aに対する対向面、及び、高周波電極272の保持面273よりもシャフト224及びハンドル222に近接する位置にある。すなわち、電極272と外縁部242aとの間には空間(第3のチャンネル)279が形成されている。そして、突出部278aのうち離脱側処置部244に近接した側の面に流れた流体は隣接する開口278bから流体放出溝276に流される。
なお、電極272と外縁部242aとの間の空間(第3のチャンネル)279及び開口(第2のチャンネル)278bと、流体放出溝(第1のチャンネル)276とが協働して、生体組織から発せられる流体の流路280を形成している。
さらに、流体放出溝290は、ヘッド部284及び通電用シャフト282の流体放出路290aに連通されている。この流体放出路290aは、通電用パイプ256の第2の流体通気路(流体通路)268bに連通している。シャフト204又はハンドル202には、第2の流体通気路268bを通した流体を外部に排出する流体放出口(図示せず)が形成されている。
突出部292aのうち、本体側処置部242に近接した側の面は、外縁部244a及び保持面287よりもシャフト224及びハンドル222に離隔した位置にある。すなわち、電極286と外縁部244aとの間には空間(第3のチャンネル)293が形成されている。そして、突出部292aのうち本体側処置部242に近接した側の面に流れた流体は隣接する開口292bから流体放出溝290に流される。
なお、電極286と外縁部244aとの間の空間(第3のチャンネル)293及び開口(第2のチャンネル)292bと、流体放出溝(第1のチャンネル)290とが協働して、生体組織から発せられる流体の流路294を形成している。
術者は、予めエネルギ源14の表示部28(図2及び図12参照)を操作して、治療処置システム10の出力条件を設定しておく。具体的には、高周波エネルギ出力の設定電力Pset[W]、熱エネルギ出力の設定温度Tset[℃]、生体組織のインピーダンスZの閾値Z1,Z2等を設定しておく。
図13Bに示すように、本体側処置部242を離脱側処置部244に対して閉じた状態で例えば腹壁を通して腹腔内に外科用処置具212の処置部226及びシャフト224を挿入する。外科用処置具212の本体側処置部242と、離脱側処置部244とを処置対象の生体組織に対して対峙させる。
本体側処置部242及び離脱側処置部244で処置対象の生体組織を把持するため、ハンドル222の把持部開閉ノブ232を操作する。このとき、ハンドル222に対して例えば右回りに回動させる。すると、図13Aに示すように、通電用パイプ256をシャフト224のフレーム254に対して先端部側に移動させる。このため、本体側処置部242と離脱側処置部244との間が開き、離脱側処置部244を本体側処置部242から離脱させることができる。
なお、処置部242,244で生体組織を保持したとき、処置対象の生体組織が保持面273,287に保持されるとともに、本体側処置部242の流路280の空間279内には処置対象の生体組織の周辺組織の一部が入り込み、離脱側処置部244の流路294の空間293内には処置対象の生体組織の周辺組織の一部が入り込む。そして、突出部278aの表面は空間279を通して配設された周辺組織が隣接した開口278bから流体放出溝276に入り込まないように支持している。このように、処置部242,244で生体組織を保持したとき、処置部242,244の外縁部242a,244aには、処置対象の生体組織の周辺組織が押圧された状態で保持されている。
生体組織が加熱されるにつれて、生体組織から流体(液体(血液)及び/又は気体(水蒸気))が放出される。このとき、生体組織から放出された流体を、本体側処置部242のカッタ案内溝266及び流路280に流入させるとともに離脱側処置部244の流路294に流入させる。そして、本体側処置部242のカッタ案内溝266及び流路280に流入させた流体は、カッタ案内溝266から第1の流体通気路268aを通してシャフト224に例えば吸引して流す。また、離脱側処置部244の流路294に流入させた流体は、ヘッド部284及び通電用シャフト282の流体放出路290aから通電パイプ256の第2の流体通気路268bを通してシャフト224に例えば吸引して流す。
そして、流路280,294内の奥(流体放出溝(凹部)276,290内)まで流入させた流体は、例えば電極272,286の厚さと流体放出溝(凹部)276,290だけの場合に比べて流路が処置部242,244の径方向に直交する方向により深く形成されているので、流体を確実に流路280,294内から出し難くすることができる。すなわち、入り口を狭く、奥行き(深さ方向)を広く形成しているので、一旦流体を流路280,294に流入させると、流路280,294から出し難くすることができる。また、突出部278a,292aは流体放出溝276,290内に流入させた流体を流路280,294内に閉じ込めておく蓋の役割を果たす。このため、突出部278a,292aにより流体をより確実に流路280,294内に閉じ込めておくことができる。したがって、処置部226の外部に流体が流出するのを極力防止できる。
このように、第1及び第2の高周波電極272,286及び発熱部材274によって生体組織が連続的(略円環状の状態)に変性される。
本体側処置部242に環状に第1の高周波電極272及び発熱部材274を配置し、離脱側処置部244に環状に第2の高周波電極286を配置して処置を行うことができる。このため、本体側処置部242と離脱側処置部244との間の生体組織を略円環状に処置することができる。
また、処置部242,244間に処置対象の生体組織及びその周辺組織を保持したときに、突出部278a,292aで周辺組織を保持できるので、周辺組織が開口278b,292bを通して流体放出溝276,290内に入り込むのを防止できる。
Claims (5)
- 処置対象の生体組織にエネルギを付加してその生体組織を処置するための処置具であって、
周辺組織を含む処置対象の生体組織を保持及び解放可能なように、互いに対して相対的に開閉可能な1対のジョーと、
前記1対のジョーの少なくとも一方に設けられ処置対象の生体組織にエネルギを放出可能なエネルギ放出部と、
前記ジョーと前記エネルギ放出部との間に配設され、前記エネルギ放出部から前記ジョーへの電気の流れを遮断する電気絶縁性を有する絶縁部と、
前記ジョーに設けられた外縁部と、
前記エネルギ放出部が設けられたジョーのうち他方のジョーに対向する側、前記エネルギ放出部、前記絶縁部及び前記外縁部により協働して形成され、前記エネルギ放出部から放出されたエネルギにより処置対象の生体組織から生じた流体を流し込む流路と、
前記流路に流体を流し込むための入口を確保しながら前記流路の少なくとも一部を覆うように前記流路に配置され、処置対象の生体組織の周辺組織が前記流路に入り込むのを防止するように生体組織を支持する支持部と
を有する処置部を具備する、処置具。 - 請求項1に記載の処置具であって、
前記流路は、
前記1対のジョーのうち、前記エネルギ放出部が設けられたジョーに設けられ前記エネルギ放出部からのエネルギの出力により生体組織から発生する流体を集める第1のチャンネルと、
前記支持部が形成され、前記第1のチャンネルの流路を確保しつつ、前記第1のチャンネルを覆うように設けられた第2のチャンネルと、
前記第1のチャンネル及び前記第2のチャンネルの流路を確保しつつ、前記エネルギ放出部と前記外縁部との間に形成された第3のチャンネルと
を有する、処置具。 - 請求項1に記載の処置具であって、
前記支持部は、前記流路を離散的に覆うように形成されている、処置具。 - 請求項1に記載の処置具であって、
前記支持部は、前記流路を網状部材で覆うように形成されている、処置具。 - 請求項1に記載の処置具であって、
前記ジョーは、前記エネルギ放出部が配置された主体部と、前記主体部のうち前記エネルギ放出部が配置された側と反対側に配置され前記主体部を覆うカバーとを有し、
前記主体部と前記カバーとの間に断熱層が形成されている、処置具。
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