JPWO2011102128A1 - アンテナ共用器 - Google Patents

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哲也 鶴成
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城二 藤原
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Abstract

アンテナ共用器であって、第1周波数帯域の信号を通過させる第1フィルタ(3)と、第1周波数帯域より高い第2周波数帯域の信号を通過させる第2フィルタ(4)とを有するアンテナ共用器(1)であって、第1フィルタ(3)は、最も***振周波数の低い直列共振器(7)と、その他の直列共振器とを含む。最も***振周波数の低い直列共振器(7)の電気機械結合係数が、その他の直列共振器の電気機械結合係数よりも小さくなるように、最も***振周波数の低い直列共振器(7)の主要弾性波の伝搬角と、その他の直列共振器の主要弾性波の伝搬角とを異ならせた。

Description

本発明は、複数のフィルタを有するアンテナ共用器に関する。
近年、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等の、送受同時通信を行う通信方式の携帯電話が急速に普及している。これに伴い、デュプレクサ等のアンテナ共用器の需要が増加している。また、アンテナ共用器を構成する素子としては、小型化、低背化および量産性の面で優れた、SAW(Surface Acoustic Wave)素子、境界波(Boundary Elastic Wave)素子、または、BAW(Bulk Acoustic Wave)素子等が主流となっている。
一般的に、アンテナ共用器は、送信帯域の信号とその高域側に隣接した受信帯域の信号とを分波するために、2つのフィルタ(送信フィルタと受信フィルタ)を有している。特に、送信フィルタとして、直列共振器と並列共振器とが梯子状に接続された、ラダー型フィルタが採用されている。
例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において定められたBand2における、送信帯域と受信帯域との間隔(クロスバンド)は、20MHz(比帯域幅で表現すると1.06%)である。この間隔は、従来のアンテナ共用器でよく用いられていた、Band5のクロスバンドである20MHz(比帯域幅:2.36%)と比較すると非常に狭い。
そこで、この狭いクロスバンドに対応して急峻性を確保する為に、送信フィルタの共振器のIDT(Inter Digital Transducer)に重み付けを施す技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、ラダー型フィルタにおいて、共振器の主要弾性波の伝搬角を異ならせる技術も各種提案させている(例えば、特許文献2および特許文献3を参照)。
しかしながら、特許文献1は狭帯域化を目的としたものであり、Band2のように、帯域幅が60MHzと広帯域なアンテナ共用器を実現する手段は開示されていない。すなわち、特許文献1に記載されたアンテナ共用器の送信フィルタにおいては、受信帯域における減衰を十分確保するために急峻性を上げると、逆に送信帯域幅が狭くなり、広い送信通過帯域における損失が大きくなってしまうという課題があった。特に、Band2における送受信通過帯域は比帯域幅で3.2%と広く、この広い送信通過帯域で損失を小さく保つことが非常に困難であった。
今後、Band2に加えて、Band3およびBand8等においても、広帯域な低ロス特性と急峻な減衰特性との両立が可能なアンテナ共用器が必要になると考えられる。
しかしながら、従来から知られている技術においては、広帯域で低ロス特性を実現しようとすると、十分な急峻性を得ることができないという課題があった。
特表2001−500697号公報 特開平7−283688号公報 国際公開第2005/060094号
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、アンテナ共用器において、クロスバンドにおける急峻性と通過帯域における低ロス特性とを両立させるものである。
本発明のアンテナ共用器は、第1周波数帯域の信号を通過させる第1フィルタと、第1周波数帯域より高い第2周波数帯域の信号を通過させる第2フィルタとを有するアンテナ共用器であって、第1フィルタは、圧電体と、圧電体の上に形成された保護膜と、圧電体と保護膜との間に形成され、主要弾性波を励振させる電極とを有し、電極を含む複数の共振器を直列および並列に接続させて形成したラダー型フィルタを備え、ラダー型フィルタは、複数の直列共振器を有し、複数の直列共振器は、最も***振周波数の低い直列共振器と、最も***振周波数の低い直列共振器以外のその他の共振器とを含み、最も***振周波数の低い直列共振器の電気機械結合係数が、その他の共振器の電気機械結合係数よりも小さくなるように、最も***振周波数の低い直列共振器の主要弾性波の伝搬角と、その他の共振器の主要弾性波の伝搬角とを異ならせた構成である。
また、本発明のアンテナ共用器は、第1周波数帯域の信号を通過させる第1フィルタと、第1周波数帯域より高い第2周波数帯域の信号を通過させる第2フィルタとを有するアンテナ共用器である。第2フィルタは、圧電体と、圧電体の上に形成された保護膜と、圧電体と保護膜との間に形成され、主要弾性波を励振させる電極とを有し、電極を含む共振器を直列および並列に接続させて形成したラダー型フィルタを備えている。ラダー型フィルタは、複数の並列共振器を有し、複数の並列共振器は、最も共振周波数の高い並列共振器と、最も共振周波数の高い並列共振器以外のその他の共振器とを含み、最も共振周波数の高い並列共振器の電気機械結合係数が、その他の共振器の電気機械結合係数よりも小さくなるように、最も共振周波数の高い並列共振器の主要弾性波の伝搬角と、その他の共振器の主要弾性波の伝搬角とを異ならせた構成である。
さらに、本発明のアンテナ共用器は、第1周波数帯域の信号を通過させる第1フィルタと、第1周波数帯域より高い第2周波数帯域の信号を通過させる第2フィルタとを有するアンテナ共用器である。第1フィルタは、圧電体と、圧電体の上に形成された保護膜と、圧電体と保護膜との間に形成され、主要弾性波を励振させる電極とを有し、電極を含む複数の共振器を直列および並列に接続させて形成したラダー型フィルタを備えている。ラダー型フィルタは、複数の直列共振器を有し、複数の直列共振器は、一の直列共振器と、一の直列共振器よりも***振周波数の高い他の直列共振器とを含み、一の直列共振器の電気機械結合係数が、他の直列共振器の電気機械結合係数よりも小さくなるように、一の直列共振器の主要弾性波の伝搬角と他の直列共振器の主要弾性波の伝搬角とを異ならせた構成である。
図1は、本発明の第1の実施の形態における、アンテナ共用器の回路模式図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る、アンテナ共用器における第1フィルタの模式断面図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタの、電気機械結合係数を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタを構成する、各直列共振器の***振周波数、静電容量、伝搬角ψおよび電気機械結合係数を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタの通過特性を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタの圧電体が、オイラー角(0°,−87.5°,0°)のニオブ酸リチウム系である場合のその他の共振器群の周波数特性図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタの圧電体が、オイラー角(0°,−90°,0°)のニオブ酸リチウム系である場合のその他の共振器群の周波数特性図である。 図8Aは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて保護膜の膜厚を変化させたときの、速い横波の電気機械結合係数(k2)を示す図である。 図8Bは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて保護膜の膜厚を変化させたときの、速い横波の共振のQ値(Qs)を示す図である。 図8Cは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて保護膜の膜厚を変化させたときの、速い横波の***振のQ値(Qa)を示す図である。 図9Aは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて保護膜の膜厚を変化させたときの、速い横波の電気機械結合係数(k2)を示す図である。 図9Bは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて保護膜の膜厚を変化させたときの、速い横波の共振のQ値(Qs)を示す図である。 図9Cは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて保護膜の膜厚を変化させたときの、速い横波の***振のQ値(Qa)を示す図である。 図10Aは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、φ=−9°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図10Bは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、φ=−6°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図10Cは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、φ=−3°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図10Dは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、φ=0°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図10Eは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、φ=+3°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図10Fは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、φ=+6°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図10Gは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、φ=+9°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図11Aは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、ψ=−9°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図11Bは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、ψ=−6°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図11Cは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、ψ=−3°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図11Dは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、ψ=0°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図11Eは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、ψ=+3°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図11Fは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、ψ=+6°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図11Gは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、ψ=+9°とした場合のアドミタンス特性を示す図である。 図12Aは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、圧電体を、オイラー角(7°,−87.5°,8.4°)のニオブ酸リチウムとし、電極を膜厚0.03λの銅とし、保護膜をその上面が平坦な膜厚0.35λの酸化ケイ素とした場合のその他の共振器群のアドミタンス特性図である。 図12Bは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、圧電体を、オイラー角(9°,−87.5°,10.7°)のニオブ酸リチウムとしたときのアドミタンス特性図である。 図13は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタのオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φとψとの望ましい範囲を示した図である。 図14は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、圧電体のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、ψをψ=1.193φから上下に変化させた場合のその他の共振器群のレイリー波のQ値を示す図である。 図15は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの圧電体のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、ψをψ=−2φの関係から上下に変化させた場合における、その他の共振器群の速い横波のQ値を示す図である。 図16は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの圧電体のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、θを変化させた場合におけるその他の共振器群のレイリー波の電気機械結合係数(k2)を示す図である。 図17は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの圧電体のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、θを変化させた場合におけるその他の共振器群のSH波の規格化結合係数を示す図である。 図18は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの圧電体のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φをψ=1.193φの関係に沿って変化させた場合における、その他の共振器群のレイリー波の電気機械結合係数(k2)を示す図である。 図19は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの圧電体のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φをψ=1.193φに沿って変化させた場合における、その他の共振器群のSH波の規格化結合係数を示す図である。 図20は、本発明の第2の実施の形態における、アンテナ共用器の回路模式図である。 図21は、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタの模式断面図である。 図22Aは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、圧電体を、オイラー角(7°,−87.5°,8.4°)のニオブ酸リチウムとし、電極を膜厚0.08λのアルミニウムとし、保護膜をその上面に高さT=0.08λの凸部を有する膜厚0.35λの酸化ケイ素とした場合のその他の共振器群のアドミタンス特性図である。 図22Bは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタにおいて、圧電体を、オイラー角(9°,−87.5°,10.7°)のニオブ酸リチウムとしたときのアドミタンス特性図である。 図23Aは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの製造方法の一例を示す図である。 図23Bは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの製造方法の一例を示す図である。 図23Cは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの製造方法の一例を示す図である。 図23Dは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの製造方法の一例を示す図である。 図23Eは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの製造方法の一例を示す図である。 図23Fは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの製造方法の一例を示す図である。 図23Gは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの製造方法の一例を示す図である。 図23Hは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタの製造方法の一例を示す図である。 図24は、本発明の第3の実施の形態における、アンテナ共用器の回路模式図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における、アンテナ共用器1の回路模式図である。
本実施の形態におけるアンテナ共用器1は、アンテナ端子2に夫々接続された、送信フィルタである第1フィルタ3と受信フィルタである第2フィルタ4とを備えている。また、アンテナ共用器1は、第1フィルタ3と第2フィルタ4とのアイソレーションを確保するために、第1フィルタ3と第2フィルタ4との間に接続された移相器10を有している。
アンテナ共用器1は、例えばBand2用であり、第1フィルタ3が、1850MHz〜1910MHzの第1周波数帯域(送信帯域)の信号を通過し、第2フィルタ4が、第1周波数帯域より高い1930MHz〜1990MHzの第2周波数帯域(受信帯域)の信号を通過する。
ここで、第1フィルタ3および第2フィルタ4の回路構成について詳述する。
第1フィルタ3は、入力端子5と、この入力端子5からアンテナ端子2にかけて順番に直列接続された、第1直列共振器6、第2直列共振器7、第3直列共振器8および第4直列共振器9を備えている。第1フィルタ3は、さらに、第1直列共振器6と第2直列共振器7との間に、並列に接地接続された第1並列共振器11と、第2直列共振器7と第3直列共振器8との間に並列に接地接続された第2並列共振器12と、第3直列共振器8と第4直列共振器9との間に並列に接地接続された第3並列共振器13とを備えている。
第2フィルタ4は、アンテナ端子2と出力端子18との間に、アンテナ端子2側から順番に直列接続された、第5直列共振器14、第6直列共振器15、第7直列共振器16および第8直列共振器17を備えている。第2フィルタ4は、さらに、第5直列共振器14と第6直列共振器15との間に並列に接地接続された第4並列共振器19と、第6直列共振器15と第7直列共振器16との間に並列に接地接続された第5並列共振器20と、第7直列共振器16と第8直列共振器17との間に並列に接地接続された第6並列共振器21と、第8直列共振器17と出力端子18との間に並列に接地接続された第7並列共振器22とを備えている。なお、第2フィルタ4は、多重モード弾性波フィルタ(図示せず)を備える構成であってもよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における、第1フィルタ3の模式断面図である。第1フィルタ3は、圧電体23と、圧電体23上に形成された保護膜24と、圧電体23と保護膜24との間に形成され、波長λの例えばSH(Shear Horizontal)波からなる主要弾性波を励振させる、IDT(Inter−Digital Transducer)である電極25とを有している。圧電体23、保護膜24および電極25が、上述した各共振器を構成している。
電極25は、櫛形の電極であり、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、チタン、タングステン、モリブデン、白金もしくはクロムからなる単体金属、これらの金属を主成分とする合金、または、これらの金属の積層物からなる。なお、この電極25の(電極指幅/ピッチ)で表されるメタライゼーションレシオ(デューティ)は、量産性や低ロス化の観点から、0.45以上0.6未満とすることが望ましい。
圧電体23は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)等からなる圧電単結晶基板である。特に、圧電体23がニオブ酸リチウム(LiNbO)系である場合には、後述する理由によって、第3直列共振器8、第4直列共振器9、第1並列共振器11、第2並列共振器12および第3並列共振器13における圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)が、−100°≦θ≦−60°、1.193φ−2°≦ψ≦1.193φ+2°、ψ≦−2φ−3°,−2φ+3°≦ψの関係を満たすことが望ましい。なお、φ、θはそれぞれ、圧電体23の切出しカット角であり、ψは、第3直列共振器8、第4直列共振器9、第1並列共振器11、第2並列共振器12および第3並列共振器13の主要弾性波の伝搬角である。
なお、ニオブ酸リチウム系の圧電体23は、三方晶系の結晶であるため、オイラー角には次の関係がある。
(φ,θ,ψ)=(60+φ,−θ,ψ)
=(60−φ,−θ,180−ψ)
=(φ,180+θ,180−ψ)
=(φ,θ,180+ψ)
保護膜24は、例えば酸化ケイ素(SiO)膜からなる。保護膜24は、圧電体23とは逆の温度特性を有する。保護膜24が酸化ケイ素からなる場合、その膜厚を所定膜厚より厚くすることで、第1フィルタ3の周波数温度特性を向上させることができる。このとき、ニオブ酸リチウムからなる圧電体23の、第1直列共振器6および第2直列共振器7以外の、第3直列共振器8、第4直列共振器9、第1並列共振器11、第2並列共振器12および第3並列共振器13において、そのオイラー角(φ,θ,ψ)を変化させる。具体的には、φとψを所定角度以上とし、かつ、ψ=1.193φの関係にある程度従うように変化させる。これにより、レイリー波による不要スプリアスの発生を抑制しながら、速い横波が発生する周波数帯付近における不要スプリアスをも抑制することができる。この不要スプリアスの抑制作用については後述する。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における第1フィルタ3の、電気機械結合係数を示す図である。図3の例では、圧電体23がオイラー角(6°,−87.5°,ψ°)のニオブ酸リチウムであり、電極25が膜厚0.12λのアルミニウムであり、保護膜24が電極25の電極指上方におけるその上面に凸部を有した膜厚0.35λの酸化ケイ素からなるものとする。図3には、伝搬角ψを変化させた場合の、主要弾性波の電気機械結合係数を示している。電気機械結合係数は、ψ=7.4°のときの値で規格化した値を示している。なお、この凸部の高さは0.03λよりも高く、かつ、電極25の高さ以下であり、凸部の頂部の幅は、電極25の電極指の幅よりも小さいものとした。
なお、本明細書中において、保護膜24の膜厚とは、圧電体23と保護膜24とが接している部分(電極25が非形成の部分)における、圧電体23と保護膜24との境界面から保護膜24の上面までの距離をいうものとする。
図3に示したように、本実施の形態における第1フィルタ3を用いれば、伝搬角ψを変化させることにより、主要弾性波の電気機械結合係数を制御することができる。なお、第1フィルタ3における主要弾性波の電気機械結合係数は、伝搬角ψ=0°の場合に最大値9.6%を示す。
次に、第1フィルタ3の一例として、圧電体23をオイラー角(6°,−87.5°,7.4°)のニオブ酸リチウムとし、電極25を膜厚0.12λのアルミニウムとし、保護膜24を電極25の電極指上方におけるその上面に凸部を有した膜厚0.35λの酸化ケイ素とした場合について、説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における第1フィルタ3を構成する、各直列共振器の***振周波数、静電容量、伝搬角ψおよび電気機械結合係数を示す図である。
図4に示したように、第2直列共振器7の***振周波数は、その他の直列共振器、すなわち、第1直列共振器6、第3直列共振器8および第4直列共振器9の***振周波数よりも低い。この第2直列共振器7を含む、第1直列共振器6および第2直列共振器7の電気機械結合係数を、他の第3直列共振器8および第4直列共振器9の電気機械結合係数よりも小さくしている。このために、第1直列共振器6および第2直列共振器7の主要弾性波の伝搬角ψを、第3直列共振器8および第4直列共振器9の主要弾性波の伝搬角ψに対して異ならせている。
なお、本実施の形態においては、圧電体23のオイラー角のうち、第1直列共振器6および第2直列共振器7の伝搬角ψを、他の第3直列共振器8および第4直列共振器9の伝搬角ψに対して変化させた第1フィルタ3について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数の直列共振器のうち、最も***振周波数の低い第2直列共振器7の電気機械結合係数を、他の共振器である第1直列共振器6、第3直列共振器8および第4直列共振器9の電気機械結合係数よりも小さくしてもよい。この場合には、最も***振周波数の低い第2直列共振器7の主要弾性波の伝搬角ψを、他の共振器である第1直列共振器6、第3直列共振器8および第4直列共振器9の主要弾性波の伝搬角ψと異ならせればよい。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における、第1フィルタ3の通過特性を示す図である。図5においては、本実施の形態の第1フィルタ3の通過特性と、第1直列共振器6および第2直列共振器7の伝搬角ψを第3直列共振器8および第4直列共振器9の伝搬角ψに対して変化させないフィルタの通過特性とを対比させて表示している。
図5に示したように、第1直列共振器6および第2直列共振器7の伝搬角を、第3直列共振器8および第4直列共振器9の伝搬角よりも大きくすることによって、第1フィルタ3の通過帯域の高周波数側(点線で囲った部分)でのスロープ特性を急峻にすることができる。
上述したように、本実施の形態におけるアンテナ共用器1の第1フィルタ3は、圧電体23の上に電極25を覆うように形成された保護膜24を有する構成である。このような構成とすることにより、各直列共振器における主要弾性波の伝搬角ψ(伝搬方向)を変化させることによって、各直列共振器の主要弾性波の電気機械結合係数を幅広く制御することができる。
さらに、第1フィルタ3において、急峻性に大きく影響する、最も***振周波数の低い第2直列共振器7の電気機械結合係数を他の共振器と比較して小さくすることにより、クロスバンドにおける急峻性を向上させることができる。
また、急峻性への影響の小さい、最も***振周波数の低い第2直列共振器7以外の直列共振器(その他の直列共振器と記す)、すなわち、本実施の形態においては、***振周波数の比較的高い第3直列共振器8の電気機械結合係数を大きく確保することにより、通過帯域幅を広くでき、広い送信通過帯域において損失を抑制することができる。すなわち、本実施の形態のアンテナ共用器1によれば、クロスバンドにおける急峻性と送信通過帯域における低損失化とを両立させることができる。
なお、図4に示したように、最も***振周波数の低い第2直列共振器7の静電容量を、第1フィルタ3に含まれる複数の直列共振器のうちで、最も大きくすることが望ましい。これは、静電容量の大きな共振器を直列接続した場合の通過ロスは小さいので、伝搬角を変化させる際に、フィルタの通過帯域の高周波数側のロス劣化を伴うことなく急峻なスロープ特性を得られるためである。
なお、伝搬角を変化させる直列共振器(本実施の形態においては、第1直列共振器6および第2直列共振器7)における圧電体23のオイラー角のうち、伝搬角ψについては、必ずしも上述した特定範囲(ψ≦−2φ−3°,−2φ+3°≦ψの関係)を満たさなくてもよい。これは、伝搬角を変化させる直列共振器は***振周波数が低いため、不要スプリアスが通過特性に与える影響度が低いためである。すなわち、第1フィルタ3においては、伝搬角を変化させないその他の直列共振器、本実施の形態においては、第3直列共振器8および第4直列共振器9における圧電体23のオイラー角ψを、上述した特定範囲にすればよい。これにより、伝搬角を変化させる直列共振器、例えば第1直列共振器6および第2直列共振器7における圧電体23のオイラー角ψを上述した特定範囲外にしても、不要スプリアスを抑制することができるとともに、クロスバンドにおける急峻性を向上させることができる。
なお、複数の直列共振器のうち、最も***振周波数の低い第2直列共振器7以外の任意の直列共振器(一の直列共振器)と、一の直列共振器よりも***振周波数の高い、他の直列共振器とについて、電気機械結合係数を異ならせてもよい。たとえば、図4の例においては、第1直列共振器6の電気機械結合係数と、第1直列共振器6よりも***振周波数の高い第3直列共振器8の電気機械結合係数とを異ならせている。すなわち、第1直列共振器6の電気機械結合係数が、第3直列共振器8の電気機械結合係数よりも小さくなるように、第1直列共振器6の主要弾性波の伝搬角ψと第3直列共振器8の主要弾性波の伝搬角ψとを異ならせている。これにより、クロスバンドにおける急峻性と送信通過帯域における低損失化とを両立させることができる。
本実施の形態における第1フィルタ3によれば、伝搬角を変化させる直列共振器を第1直列共振器6および第2直列共振器7とした場合に、これらの直列共振器以外の共振器である、第3直列共振器8、第4直列共振器9、第1並列共振器11、第2並列共振器12および第3並列共振器13(以下その他の共振器群38と記す)における圧電体23のオイラー角を特定範囲にすることにより、不要スプリアスを抑制することができる。この作用について説明する。
図6は、本発明の第1の実施の形態におけるアンテナ共用器1に係る第1フィルタ3の圧電体23が、オイラー角(0°,−87.5°,0°)のニオブ酸リチウム系である場合のその他の共振器群38の周波数特性図であり、図7は、オイラー角(0°,−90°,0°)のニオブ酸リチウム系である場合のその他の共振器群38の周波数特性図である。なお、図6および図7において、その縦軸は整合値に対する規格化アドミタンスを示し、横軸はその他の共振器群38に発生する、遅い横波(音速4024m/s)の半分の周波数に対する規格化周波数を示している。これは、他の特性図においても同じであるものとする。
なお、図6に示した例においては、第1フィルタ3の電極25は、膜厚0.03λの銅であり、保護膜24はその上面が平坦で膜厚0.35λの酸化ケイ素である。
また、図7に示した例においては、第1フィルタの電極25は、膜厚0.08λのアルミニウムであり、保護膜24は電極25の電極指上方におけるその上面に凸部を有した膜厚0.35λの酸化ケイ素である。なお、この凸部の高さは0.03λよりも高く、かつ、電極25の高さ以下であり、凸部の頂部の幅は、電極25の電極指の幅よりも小さいものとした。
図6および図7に示したように、その他の共振器群38の温度特性を向上するために、酸化ケイ素からなる保護膜24の膜厚を、例えば0.35λとすると、共振周波数の約1.2倍付近において、不要スプリアス26,27が発生する。この不要スプリアスは、その他の共振器群38に発生する速い横波が原因であると考えられる。なお、その他の共振器群38に発生する横波のうち、最も音速が速いものを速い横波と記し、その他の共振器群38に発生する横波のうち、最も音速が遅いものを遅い横波と記す。
次に、第1フィルタ3において、圧電体23をオイラー角(0°,−87.5°,0°)のニオブ酸リチウムとし、電極25を膜厚0.03λの銅とし、保護膜24をその上面が平坦な酸化ケイ素とし、その膜厚を変化させたときの特性変化について説明する。
図8Aは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における第1フィルタ3において保護膜24の膜厚を変化させたときの、速い横波の電気機械結合係数(k2)を示す図であり、図8Bは、速い横波の共振のQ値(Qs)を示す図であり、図8Cは、速い横波の***振のQ値(Qa)を示す図である。
図8Bに示したように、保護膜24の膜厚を0.27λ(波長λの27%を示す。以下同じ)よりも厚くすると、速い横波の共振のQ値が大きくなる。また、図8Cに示したように、保護膜24の膜厚を0.34λよりも厚くすると、速い横波の***振のQ値も大きくなる。
次に、第1フィルタ3において、圧電体23をオイラー角(0°,−90°,0°)のニオブ酸リチウムとし、電極25を膜厚0.08λのアルミニウムとし、保護膜24を電極25の電極指上方におけるその上面に上述した凸部を有した酸化ケイ素とし、その膜厚を変化させたときの特性変化について説明する。
図9Aは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における、第1フィルタ3において保護膜24の膜厚を変化させたときの、速い横波の電気機械結合係数(k2)を示す図であり、図9Bは、速い横波の共振のQ値(Qs)を示す図であり、図9Cは、速い横波の***振のQ値(Qa)を示す図である。
図9Bに示したように、保護膜24の膜厚を0.2λよりも厚くすると、速い横波の共振のQ値が大きくなる。また、図9Cに示したように、保護膜24の膜厚を0.27λよりも厚くすると、速い横波の***振のQ値も大きくなる。
従来は、この速い横波による不要スプリアスが発生し、共振器を適用したフィルタ、または、アンテナ共用器の特性品質が劣化するという課題があった。
ここで、この速い横波による不要スプリアスを抑制するために、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φとψとを変化させる例について説明する。
図10A〜図10Gは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における第1フィルタ3において、φを変化させた場合のアドミタンス特性を示す図であり、図11A〜図11Gは、ψを変化させた場合のアドミタンス特性を示す図である。なお、図10A〜図10Gおよび図11A〜図11Gにおいて、1e+02以上、及び、1e−02以下の場合のアドミタンス特性は図示していない。
図10A〜図10Gおよび図11A〜図11Gは、圧電体23がオイラー角(0°,−90°,0°)のニオブ酸リチウムであり、電極25が膜厚0.08λのアルミニウムであり、保護膜24が電極25の電極指上方におけるその上面に上述した凸部を有した膜厚0.35λの酸化ケイ素からなる場合の特性図である。
図10A〜図10Gおよび図11A〜図11Gそれぞれの上部には、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)を示している。例えば、図10A〜図10G、および、図11A〜図11Gに示したように、φを変化させた場合にもψを変化させた場合にも、不要スプリアスを抑制することができる。しかしながら、これらの場合には、逆に、共振周波数から少し低い周波数帯に、異なる不要スプリアスが発生する。この不要スプリアスはレイリー波による不要スプリアスだと考えられる。
そこで、第1フィルタ3における保護膜24の膜厚が0.27λよりも大きい場合に、レイリー波による不要スプリアスの発生を抑制するとともに、速い横波による不要スプリアスをも抑制するための検討を行った。
具体的には、アンテナ共用器1における第1フィルタ3を、オイラー角(φ,θ,ψ)のニオブ酸リチウム系の圧電体23と、圧電体23の上に設けられ、波長λの主要弾性波を励振させる電極25と、電極25を覆うように圧電体23の上に設けられ、0.27λより厚い保護膜24とを備えた構成とする。その上で、圧電体23のオイラー角を、−100°≦θ≦−60°、1.193φ−2°≦ψ≦1.193φ+2°、ψ≦−2φ−3°,−2φ+3°≦ψを満たすよう構成する。
このように、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φとψとを所定角度以上とし、かつ、ψ=1.193φの関係にある程度従うように変化させる。これにより、レイリー波による不要スプリアスの発生を抑制しながら、速い横波が発生する周波数帯付近における不要スプリアスをも抑制することができる。
なお、図8Aに示したように、速い横波の電気機械結合係数が所定レベル以下となるように、保護膜24の膜厚の上限を0.5λとすることが望ましい。
図12Aは、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における第1フィルタ3において、圧電体23を、オイラー角(7°,−87.5°,8.4°)のニオブ酸リチウムとし、電極25を膜厚0.03λの銅とし、保護膜24をその上面が平坦な膜厚0.35λの酸化ケイ素とした場合のその他の共振器群38の特性図であり、図12Bは、圧電体23を、オイラー角(9°,−87.5°,10.7°)のニオブ酸リチウムとしたときの特性図である。
図12Aおよび図12Bに示したように、このような構成の第1フィルタ3におけるその他の共振器群38によれば、レイリー波による不要スプリアスの発生を抑制しながら、速い横波が発生する周波数帯付近における不要スプリアスをも抑制することができる。
図13は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における第1フィルタ3のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φとψとの望ましい範囲を示した図である。
図13においては、ニオブ酸リチウム系からなる圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φとψとの望ましい範囲を斜線で示している。この例においては、−100°≦θ≦−60°とし、保護膜24の膜厚を0.27λよりも厚く設定すると共に、電極25を規格化膜厚0.03λの銅としている。
図13に示したψ=1.193φの直線は、レイリー波による不要スプリアスが最も抑制される場合のφとψとの関係を示す線である。この線を中心として、ψの範囲を、±2度以内、すなわち1.193φ−2°≦ψ≦1.193φ+2°の範囲とすることにより、レイリー波による不要スプリアスを抑制することができる。
図14は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における第1フィルタ3において、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、ψをψ=1.193φから上下に変化させた場合のその他の共振器群38のレイリー波のQ値を示す図である。なお、縦軸は、レイリー波のQ値(Qs)を示し、横軸は、ψのψ=1.193φの関係からの変化分Δψを示している。図14に示したように、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、ψがψ=1.193φから±2度の範囲において、その他の共振器群38のレイリー波のQ値を所定レベル以下に抑制することができる。
図13に戻って、ψ=−2φの関係を満たす直線は、速い横波による不要スプリアスが最も大きく発生する場合のφとψとの関係を示す線である。この線を中心として、ψを±3度以上の範囲、すなわち、ψ≦−2φ−3°,−2φ+3°≦ψの範囲とすることにより、速い横波による不要スプリアスが抑制される。
図15は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における、第1フィルタ3の圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、ψをψ=−2φの関係から上下に変化させた場合における、その他の共振器群38の速い横波のQ値を示す図である。図15においては、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、ψをψ=−2φから上下に変化させ、φ=0°,0.5°,1°,1.5°,2°,2.5°としたときの速い横波のQ値を示している。
図15に示したように、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、ψがψ=−2φ+3°から±3度以上の範囲において、その他の共振器群38の速い横波のQ値が所定レベル以下に抑制される。
図16は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における、第1フィルタ3の圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、θを変化させた場合におけるその他の共振器群38のレイリー波の電気機械結合係数(k2)を示す図である。図16に示したように、レイリー波の電気機械結合係数を0.01以下に抑制するためには、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、θが−100°≦θ≦−60°の関係を満たす必要がある。
図17は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における、第1フィルタ3の圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、θを変化させた場合におけるその他の共振器群38のSH波の規格化結合係数を示す図である。なお、規格化結合係数は、電気機械結合係数の値を、θ=−90°の場合の電気機械結合係数の値で規格化した値である。図17に示したように、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうちのθが、上述した−100°≦θ≦−60°の範囲を含む、−110°≦θ≦−60°の範囲において、SH波の電気機械結合係数(k2)が所定値以上の値となる。
図18は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における、第1フィルタ3の圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φをψ=1.193φの関係に沿って変化させた場合における、その他の共振器群38のレイリー波の電気機械結合係数(k2)を示す図である。図18に示したように、φ≦20°の範囲において、レイリー波の電気機械結合係数を、上述した0.01よりもさらに低い、約0.002以下に抑制することができる。φについて、圧電体23のオイラー角を負方向に回転させた場合にも同様の結果を得ることができる。すなわち、上述した条件において、第1フィルタ3の圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうちのφが|φ|≦20°の関係を満たすことが望ましい。これにより、レイリー波の電気機械結合係数をさらに抑制することができる。
図19は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ共用器1における、第1フィルタ3の圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φをψ=1.193φに沿って変化させた場合における、その他の共振器群38のSH波の規格化結合係数を示す図である。図19は、φに関して圧電体23のオイラー角を正方向に回転させた場合であるが、φに関して圧電体23のオイラー角を負方向に回転させた場合にも同様の結果を得ることができる。図19に示したように、主要弾性波であるSH波の観点からも、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうちのφが|φ|≦20°の関係を満たすことにより、所定値以上のSH波の電気機械結合係数を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、圧電体23として、上述した所定範囲のオイラー角を有するニオブ酸リチウムを用いた場合について説明したが、本発明のアンテナ共用器はこの例に限定されない。例えば、上記規定範囲外のオイラー角を有するニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムを用いることも可能である。
また、上述した主要弾性波は、圧電体23の表面を伝搬する弾性表面波および弾性境界波の両者に適用可能である。例えば、保護膜24の膜厚をλ以上としたときには、主要弾性波は弾性境界波となる。
なお、本実施の形態においては、第2直列共振器7の***振周波数を、第1直列共振器6、第3直列共振器8および第4直列共振器9の***振周波数よりも低くした例を用いて説明した。しかしながら、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、入力端子5の最も近くに配置された第1直列共振器6の***振周波数を、第2直列共振器7、第3直列共振器8および第4直列共振器9の***振周波数よりも低くしてもよい。この構成によれば、最も入力端子5側に近い第1直列共振器6の電極指の幅を、最も広くすることができるので、耐電力性に優れたアンテナ共用器1を提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図20は、本発明の第2の実施の形態における、アンテナ共用器51の回路模式図である。
図21は、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器51における第1フィルタ53の模式断面図である。本実施の形態におけるアンテナ共用器51は、図1に示したアンテナ共用器1と同様に、第1フィルタ53および第2フィルタ4を備えている。なお、特に説明しない限りにおいて、第1フィルタ53の構成は、第1の実施の形態の第1フィルタ3と同様であるものとする。
本実施の形態における第1フィルタ53は、オイラー角(φ,θ,ψ)を有するニオブ酸リチウム系の圧電体23と、圧電体23の上に設けられて波長λの主要弾性波を励振させる電極25と、この電極25を覆うように圧電体23の上に設けられ、膜厚が0.2λよりも厚い保護膜24とを備えている。
保護膜24は、電極25の電極指の延伸方向と直交する方向の断面において電極25の電極指の上方で凸部28を有する構成である。この凸部28の頂部29の幅は、電極25の電極指の幅よりも小さい。
圧電体23のオイラー角は、−100°≦θ≦−60°、1.193φ−2°≦ψ≦1.193φ+2°、ψ≦−2φ−3°,−2φ+3°≦ψの関係を満たしている。
図21に示した構成のように、保護膜24が凸部28を有する場合、速い横波による不要スプリアスが特に問題となる。そこで、第1フィルタ53の周波数温度特性を向上すべく、例えば酸化ケイ素からなる保護膜24の膜厚を0.2λより厚くした場合を想定する。この場合にも、圧電体23のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φとψを所定角度以上とし、かつ、ψ=1.193φにある程度従うように変化させると、レイリー波による不要スプリアスの発生を抑制しながら速い横波が発生する周波数帯付近における不要スプリアスを抑制することができる。
図22Aは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における第1フィルタ53において、圧電体23を、オイラー角(7°,−87.5°,8.4°)のニオブ酸リチウムとし、電極25を膜厚0.08λのアルミニウムとし、保護膜24をその上面に高さT=0.08λの凸部28を有する膜厚0.35λの酸化ケイ素とした場合のその他の共振器群38の特性図であり、図22Bは、圧電体23を、オイラー角(9°,−87.5°,10.7°)のニオブ酸リチウムとしたときの特性図である。
図22Aおよび図22Bに示したように、本実施の形態の第1フィルタ53によれば、レイリー波による不要スプリアスの発生を抑制しながら、速い横波が発生する周波数帯付近における不要スプリアスを抑制することができる。
なお、保護膜24の凸部28は、その凸部28の頂部29から最下部30にかけて下に凸な曲線となる形状を有することが望ましい。この場合、この下に凸な曲線またはその延長線と、頂部29を含む圧電体23の上面に平行な直線とが交わる点同士の間の距離で定義される、頂部29の幅Lを、電極25の電極指の幅よりも小さくしている。これにより、凸部28における保護膜24の質量付加が連続的かつ緩やかに変化する。その結果、保護膜24の形状に起因する不要な反射を発生させることを抑制しつつ、第1フィルタ53の電気的特性を向上することができる。
なお、凸部28の頂部29の幅を、さらに電極25の電極指幅の1/2以下とすることが望ましい。また、頂部29の中心位置を、電極指の中心位置の上方に実質的に一致させることが望ましい。これにより、質量付加効果により電極指での反射率が更に高まり、第1フィルタ53の電気的特性を向上させることができる。
さらに、凸部28の高さをT、電極25の膜厚をhとしたときに、0.03λ<T≦hの関係を満たすことが望ましい。これは、保護膜24の凸部28の最下部30から頂部29までの高さTと電気的特性との関係を検討すると、Tを、0.03λよりも大きくすれば、保護膜24の表面をフラットにしたものに対して反射率の向上が大きく見られるからである。一方、高さTを電極25の膜厚hよりも高くすると、製造時(後述する)に、さらに、保護膜24を作成する為の新たな工程を追加することが必要となり、製造方法が煩雑となるので、高さTを膜厚h以下とすることが望ましい。
ここで、本発明の第2の実施の形態における、第1フィルタ53の製造方法について説明する。
図23A〜図23Hは、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ共用器における、第1フィルタ53の製造方法の一例を示す図である。
まず、図23Aに示したように、圧電体31の上面に、AlまたはAl合金を蒸着またはスパッタ等の方法により、電極および反射器の少なくともいずれかとなる電極膜32を成膜する。
そして、図23Bに示したように、電極膜32の上面にレジスト膜33を形成する。
さらに、図23Cに示したように、所望の形状となるように露光・現像技術等を用いてレジスト膜33を加工する。
そして、図23Dに示したように、ドライエッチング技術等を用いて電極膜32をIDT電極や反射器等の、所望の形状に加工した後、レジスト膜33を除去する。
次に、図23Eに示したように、電極膜32を覆うように酸化ケイ素を蒸着またはスパッタする等の方法により、保護膜34を形成する。このとき、保護膜34に上述した凸部28を得る方法として、圧電体31側にバイアスを印加しながらスパッタリングで成膜を行う、いわゆるバイアススパッタリング法を用いることができる。
酸化ケイ素のターゲットをスパッタリングすることにより、圧電体31上に保護膜34を堆積させると同時に、バイアスを印加することにより、圧電体31上の保護膜34の一部をスパッタリングする。つまり保護膜34を堆積させながら一部を削ることにより、保護膜34の形状をコントロールすることができる。保護膜34の形状をコントロールする手段としては、保護膜34を堆積させる途中で圧電体31に印加するバイアスとスパッタリング電力との比率を変化させたり、成膜の初期は圧電体31にバイアスをかけずに成膜し、途中から成膜と同時にバイアスを印加したりすればよい。このとき、圧電体31の温度についても管理を行う。
次に、図23Fに示したように、保護膜34の表面にレジスト膜35を形成する。
そして、図23Gに示したように、露光・現像技術等を用いてレジスト膜35を所望の形状に加工する。
次に、図23Hに示したように、ドライエッチング技術等を用いて、電気信号を取出すためのパッド36の部分等、保護膜34が不要な部分の保護膜34を取り除き、その後レジスト膜35を除去する。
そして、ダイシングにより分割することによって、第1フィルタ53を有するアンテナ共用器51を得ることができる。
以上のように、バイアススパッタリング法を用いて、適当な成膜条件下で保護膜34を成膜することで、所望の形状を得ることができる。
本実施の形態における第1フィルタ53のその他の共振器群の特性は、図13から図19に示した、第1の実施の形態における第1フィルタ3のその他の共振器群38の特性と同様である。例えば、第1フィルタ53の周波数温度特性を向上すべく例えば酸化ケイ素からなる保護膜34の膜厚を0.2λより厚くした場合を想定する。この場合に、圧電体31のオイラー角(φ,θ,ψ)のうち、φとψを所定角度以上とし、かつ、ψ=1.193φにある程度従うように変化させると、レイリー波による不要スプリアスの発生を抑制しながら速い横波が発生する周波数帯付近における不要スプリアスを抑制することができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図24は、本発明の第3の実施の形態における、アンテナ共用器61の回路模式図である。
本実施の形態においては、アンテナ共用器61の第2のフィルタ54について、第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した第1フィルタ3,53の構成を適用する。
具体的には、第2フィルタ54における第4並列共振器19の共振周波数を、その他の並列共振器、具体的には、第5並列共振器20、第6並列共振器21および第7並列共振器22の共振周波数よりも高くしている。そして、第4並列共振器19の電気機械結合係数を、第5並列共振器20、第6並列共振器21および第7並列共振器22の電気機械結合係数よりも小さくしている。このため、第4並列共振器19の主要弾性波の伝搬角ψを、第5並列共振器20、第6並列共振器21および第7並列共振器22の主要弾性波の伝搬角ψに対して異ならせている。
なお、本発明の第3の実施の形態におけるアンテナ共用器61の第2フィルタ54の圧電体23、保護膜24、電極25等の構成は、特に説明しない限り、第1の実施の形態および第2の実施の形態におけるアンテナ共用器1,51の第1フィルタ3,53の構成と同様である。
なお、本実施の形態においては、第2フィルタ54の第4並列共振器19について、圧電体23のオイラー角のうちの伝搬角ψを変化させるものとして説明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。第4並列共振器19だけではなく、その他の各並列共振器の伝搬角を変化させていてもよい。例えば、並列共振器のうち、最も共振周波数の高い第4並列共振器19、および第5並列共振器20の電気機械結合係数を、その他の並列共振器、つまり第6並列共振器21および第7並列共振器22の電気機械結合係数よりも小さくしてもよい。この場合には、第4並列共振器19および第5並列共振器20の主要弾性波の伝搬角ψを、その他の共振器である、第6並列共振器21および第7並列共振器22の主要弾性波の伝搬角ψと異ならせた構成とすればよい。
本実施の形態のアンテナ共用器61に係る受信フィルタ54によれば、第4並列共振器19の伝搬角ψを、他の並列共振器である第5並列共振器20、第6並列共振器21および第7並列共振器22の伝搬角ψよりも大きくすることにより、第2フィルタ54の通過帯域の高周波数側のスロープ特性を急峻にすることができる。
また、上述したように、アンテナ共用器61の第2フィルタ54も、第1の実施の形態での説明と同様に、圧電体23の上に電極25を覆うように形成された保護膜24を有する構成である。
これにより、共振器における主要弾性波の伝搬角ψ(伝搬方向)を変化させることで共振器の主要弾性波の電気機械結合係数を大きく制御することができる。
本実施の形態に係るアンテナ共用器61における第2フィルタ54によれば、急峻性に大きく影響する、最も共振周波数の高い第4並列共振器19の電気機械結合係数を他の並列共振器と比較して小さくすることにより、クロスバンドにおける急峻性を向上させることができる。
また、急峻性への影響の小さい、共振周波数の比較的高いその他の並列共振器、すなわち第5並列共振器20、第6並列共振器21および第7並列共振器22の電気機械結合係数を第4並列共振器19よりも大きくすることにより、通過帯域幅が広くなり、広い送信通過帯域における損失を抑制することができる。すなわち、本実施の形態のアンテナ共用器61によれば、クロスバンドにおける急峻性と受信通過帯域における低損失化とを両立させることができる。
さらに、複数の並列共振器のうちの最も共振周波数の高い第4並列共振器19以外の並列共振器、例えば第5並列共振器20と、第5並列共振器20よりも共振周波数の低い並列共振器、例えば第6並列共振器21との電気機械結合係数を比較して、第5並列共振器20の電気機械結合係数が第6並列共振器21の電気機械結合係数よりも小さくなるように構成してもよい。つまり、第5並列共振器20の主要弾性波の伝搬角ψと第6並列共振器21の主要弾性波の伝搬角ψとを異ならせても良い。これにより、クロスバンドにおける急峻性と受信通過帯域における低損失化とを両立させることができる。
なお、本実施の形態のアンテナ共用器61における送信フィルタの構成を、第1の実施の形態および第2の実施の形態において説明した送信フィルタ3,53と同様の構成とすることにより、クロスバンドにおける急峻性と送受信通過帯域における低損失化とを両立させることができる。しかしながら、本実施の形態のアンテナ共用器61は、この例に限定されず、送信フィルタとして様々な公知のラダー型フィルタを用いることも可能である。
以上述べたように、本発明のアンテナ共用器は、クロスバンドにおける急峻性と通過帯域における低損失化とを両立させることができるという効果を有し、携帯電話等の電子機器に適用可能である。
1,51,61 アンテナ共用器
2 アンテナ端子
3,53 第1フィルタ
4,54 第2フィルタ
5 入力端子
6 第1直列共振器
7 第2直列共振器
8 第3直列共振器
9 第4直列共振器
10 移相器
11 第1並列共振器
12 第2並列共振器
13 第3並列共振器
14 第5直列共振器
15 第6直列共振器
16 第7直列共振器
17 第8直列共振器
18 出力端子
19 第4並列共振器
20 第5並列共振器
21 第6並列共振器
22 第7並列共振器
23,31 圧電体
24,34 保護膜
25 電極
28 凸部
29 頂部
30 最下部
32 電極膜
33,35 レジスト膜
36 パッド
38 その他の共振器群

Claims (14)

  1. 第1周波数帯域の信号を通過させる第1フィルタと、前記第1周波数帯域より高い第2周波数帯域の信号を通過させる第2フィルタとを有するアンテナ共用器であって、
    前記第1フィルタは、圧電体と、前記圧電体の上に形成された保護膜と、前記圧電体と前記保護膜との間に形成され、主要弾性波を励振させる電極とを有し、前記電極を含む複数の共振器を直列および並列に接続させて形成したラダー型フィルタを備え、
    前記ラダー型フィルタは、複数の直列共振器を有し、
    前記複数の直列共振器は、最も***振周波数の低い直列共振器と、前記最も***振周波数の低い直列共振器以外のその他の共振器とを含み、
    前記最も***振周波数の低い直列共振器の電気機械結合係数が、前記その他の共振器の電気機械結合係数よりも小さくなるように、前記最も***振周波数の低い直列共振器の主要弾性波の伝搬角と、前記その他の共振器の主要弾性波の伝搬角とを異ならせたアンテナ共用器。
  2. 前記第1フィルタに含まれる前記複数の直列共振器のうち、前記最も***振周波数の低い直列共振器の静電容量は、前記その他の共振器の静電容量よりも大きい請求項1に記載のアンテナ共用器。
  3. 前記第1フィルタは送信フィルタであり、
    前記最も***振周波数の低い直列共振器は、前記第1フィルタの前記複数の直列共振器のうち、前記第1フィルタの入力端子の最も近くに配置された直列共振器である請求項2に記載のアンテナ共用器。
  4. 第1周波数帯域の信号を通過させる第1フィルタと、前記第1周波数帯域より高い第2周波数帯域の信号を通過させる第2フィルタとを有するアンテナ共用器であって、
    前記第2フィルタは、圧電体と、前記圧電体の上に形成された保護膜と、前記圧電体と前記保護膜との間に形成され、主要弾性波を励振させる電極とを有し、前記電極を含む共振器を直列および並列に接続させて形成したラダー型フィルタを備え、
    前記ラダー型フィルタは、複数の並列共振器を有し、
    前記複数の並列共振器は、最も共振周波数の高い並列共振器と、前記最も共振周波数の高い並列共振器以外のその他の共振器とを含み、
    前記最も共振周波数の高い並列共振器の電気機械結合係数が、前記その他の共振器の電気機械結合係数よりも小さくなるように、前記最も共振周波数の高い並列共振器の主要弾性波の伝搬角と、前記その他の共振器の主要弾性波の伝搬角とを異ならせたアンテナ共用器。
  5. 前記保護膜は、酸化ケイ素膜からなる請求項1または請求項4に記載のアンテナ共用器。
  6. 前記圧電体は、オイラー角(φ,θ,ψ)を有するニオブ酸リチウム系であり、
    前記保護膜は、その膜厚が0.27λ(λ:主要弾性波の波長)よりも厚く、
    前記その他の共振器における前記オイラー角が、
    −100°≦θ≦−60°と、
    1.193φ−2°≦ψ≦1.193φ+2°と、
    ψ≦−2φ−3°および−2φ+3°≦ψのいずれか一方と
    を満たす請求項1または請求項4に記載のアンテナ共用器。
  7. 前記圧電体は、オイラー角(φ,θ,ψ)を有するニオブ酸リチウム系であり、
    前記保護膜は、膜厚が0.2λ(λ:主要弾性波の波長)よりも厚く、前記電極の電極指の延伸方向と直交する方向の断面において前記電極の電極指の上方に凸部を有し、
    前記凸部の頂部の幅は、前記電極の電極指の幅よりも小さく、
    前記その他の共振器における前記オイラー角は、
    −100°≦θ≦−60°と、
    1.193φ−2°≦ψ≦1.193φ+2°と、
    ψ≦−2φ−3°および−2φ+3°≦ψのいずれか一方と
    を満たす請求項1または請求項4に記載のアンテナ共用器。
  8. 前記その他の共振器における前記オイラー角が、
    −20°≦φ≦20°の関係を満たす請求項6に記載のアンテナ共用器。
  9. 前記その他の共振器における前記オイラー角が、
    −20°≦φ≦20°の関係を満たす請求項7に記載のアンテナ共用器。
  10. 前記保護膜は、前記断面において前記凸部の頂部から最下部にかけて下に凸の曲線形状を有する請求項7に記載のアンテナ共用器。
  11. 前記凸部の頂部の幅は、前記電極の電極指幅の1/2以下である請求項7に記載のアンテナ共用器。
  12. 前記凸部の頂部の中心位置は、前記電極指の中心位置の上方に実質的に一致している請求項7に記載のアンテナ共用器。
  13. 前記凸部の高さをT、前記電極の膜厚をhとしたときに、0.03λ<T≦hの関係を満たす請求項7に記載のアンテナ共用器。
  14. 第1周波数帯域の信号を通過させる第1フィルタと、前記第1周波数帯域より高い第2周波数帯域の信号を通過させる第2フィルタとを有するアンテナ共用器であって、
    前記第1フィルタは、圧電体と、前記圧電体の上に形成された保護膜と、前記圧電体と前記保護膜との間に形成され、主要弾性波を励振させる電極とを有し、前記電極を含む複数の共振器を直列および並列に接続させて形成したラダー型フィルタを備え、
    前記ラダー型フィルタは、複数の直列共振器を有し、
    前記複数の直列共振器は、一の直列共振器と、前記一の直列共振器よりも***振周波数の高い他の直列共振器とを含み、
    前記一の直列共振器の電気機械結合係数が、前記他の直列共振器の電気機械結合係数よりも小さくなるように、前記一の直列共振器の主要弾性波の伝搬角と前記他の直列共振器の主要弾性波の伝搬角とを異ならせたアンテナ共用器。
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