本発明は、凹凸ピットによって主情報が記録されている光ディスクに対して、固有の追記マークを追記するとともに、追記した追記マークを検出する光ディスク装置、光ディスク制御方法及び集積回路に関するものである。
デジタルコンテンツデータを記録する媒体としてDVD−ROM又はBD−ROMなどの光ディスクが幅広く利用されている。DVD−ROMにおいて、単層ディスクは4.7GB(ギガバイト)の記録容量を有し、2つの記録層を有する2層ディスクは8.5GBの記録容量を有している。さらに、BD−ROMにおいて、単層ディスクは25GBの記録容量を有し、2層ディスクは50GBの記録容量を有している。そのため、光ディスクは、広くデジタルデータの配布媒体として普及してきている。特に、データ量を多く記録できるBD−ROMはハイビジョン映像コンテンツデータなどを手軽に配布することができる光ディスクとして活用されている。
このように、光ディスクの記録容量が増大し、1枚の光ディスクに保存されるコンテンツ情報の容量が増えて光ディスク1枚あたりの価値が高まるにつれて、コンテンツ情報が凹凸ピットにより記録された光ディスクを1枚ごとに区別し管理したいという要望も強まっている。
しかし、一般に凹凸ピットによりコンテンツ情報を記録している光ディスクは、スタンパと呼ばれる原盤を作ることにより、一度に多数の光ディスクを複製することが可能であるという特徴を有する反面、同一原盤から複製するという特性上、原盤から複製された光ディスクは完全に同じピット形状を持っている。そのため、それぞれの光ディスクを1枚ごとに区別することは不可能である。
そこで、スタンパにより複製された光ディスクを1枚ごとに識別する技術として、光ディスクの内周部に、バーストカッティングエリア(BCA)と呼ばれる特別な領域を設け、YAGレーザと呼ばれる高出力レーザを用いて、半径方向に長いマークをバーコード状に記録することによってディスク固有のIDを記録する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
あるいは、光ディスクに形成された所定長さ以上のピット又はランドの中央付近にチャネルクロック単位幅のごく短いパルス記録を行って反射率を局所的に変化させ、ディスク識別情報を記録する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
あるいは、光ディスクの領域をデータ領域と識別領域とに分割し、識別領域には、それぞれ変調後のパターンが予め決められている複数のピットと複数のランドとを繰り返し記録しておき、その繰り返しピット及びランドにガスレーザ光を照射して反射膜を変化させ、変化させた反射膜から再生信号を検出する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
あるいは、ランダムに配列された主情報であるコンテンツ情報を記録した凹凸マーク(凹凸ピット)に沿ってチャネルビット長の整数倍で、連続的又は間欠的なレーザ光を照射して反射膜の反射率を変化させて副情報を記録する技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献1で開示された発明においては、その文献の段落0035で述べられているように、光ディスクの反射膜をスリット状に溶融させるため、記録に大きなエネルギーが必要であり、YAGレーザのような比較的大型で高出力の工業用パルスレーザを用いなければ記録することができない。つまり、特許文献1の記録装置は工場に設置するような大掛かりなものにならざるを得ず、比較的低出力の半導体レーザ光源しか搭載していない一般のパソコン用光ディスクドライブでは、アルミニウムの反射膜を溶融してディスク識別用のIDを記録することは不可能である。
また、特許文献2で開示された発明は、その文献の段落0017で述べられているように、マークを記録する際は工場で仕上げ装置なる特殊な装置を用いて、ディスク再生信号のチャネルビット単位で正確に同期してディスク識別情報を記録する必要がある。ディスク識別情報の記録パルス幅は、ピットに本来書かれている情報の再生信号品質を損なわないために、ビット長より充分に短いことが必要である。特許文献2の例では、記録パルス幅は1チャネルビットである。通常、このように、熱伝導率の比較的良い反射膜に対し、再生装置での安定な検出を行いえる急峻なパルスを高精度な位置に記録するためには、記録型光ディスク装置と同等以上の精度を持つレーザ駆動回路と、比較的大きなレーザパワーを出力するレーザ光源とが必要である。
また、特許文献3で開示された発明は、その文献の段落0027で述べられているように、レーザ源としてアルゴンレーザ又はHe−Cdレーザ等のガスレーザが必要であり、特許文献1及び特許文献2と同様に、工場で管理された特別な記録装置を使うものである。本特許文献3で開示されている発明では、光ディスクの特定領域に予め決められた複数のピット及びランドのパターンを用意しておかなければならない。特許文献3の図11A及び図11Bには、3チャネルビット(3T)長のピット及びランドの繰り返しパターンが開示されている。また、特許文献3では、反射膜にガスレーザを照射して反射膜の特性を変化させた場合に、具体的にどの物理特性がどのように変化し、再生装置でどのような検出がなされるかは開示されていない。
また、特許文献4で開示された発明では、一定領域の凹凸ピットにレーザを照射して、光ディスクの反射率をある程度広い範囲にわたって変化させる。特許文献4で開示された発明は、反射率をある程度広い範囲にわたって変化させるため、反射率変化量が少ない場合でも検出感度がとりやすいという特徴がある。しなしながら、特許文献4では、凹凸ピットにレーザ光を照射してマークを記録することには触れているものの、具体的な記録装置の構成については言及されていない。
特許第3089599号公報
特許第3454410号公報
特許第4211395号公報
国際公開第2007/139077号
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる光ディスク装置、光ディスク制御方法及び集積回路を提供することを目的とするものである。
本発明の一局面に係る光ディスク装置は、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、前記凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記する光ディスク装置であって、光ピックアップと、前記光ピックアップからの出力に基づいてRF信号を取得するRF信号処理部と、前記RF信号を復調して基準位置信号を検出する基準位置検出部と、前記光ディスクの回転速度を少なくとも2種類の回転速度に切り替える回転速度制御部と、前記基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で前記光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングを生成する発光タイミング生成部と、前記発光タイミングにおいて前記光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーを増加させるレーザパワー制御部と、前記RF信号から前記光ディスクによる反射光の反射率の変化量を検出する反射率変化量検出部と、前記光ディスクに形成された前記凹凸ピットを再生する際に、前記回転速度制御部に対して第1の回転速度を設定し、かつ前記レーザパワー制御部に対して第1のレーザパワーを設定する凹凸ピット再生制御部と、前記光ディスクに前記追記マークを追記する際に、前記第1の回転速度よりも遅くかつ前記凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度を前記回転速度制御部に設定し、かつ前記発光タイミングに応じて前記第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーを前記レーザパワー制御部に設定する追記マーク記録制御部とを備える。
この構成によれば、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号が取得され、RF信号を復調して基準位置信号が検出される。回転速度制御部によって、光ディスクの回転速度が少なくとも2種類の回転速度に切り替えられ、発光タイミング生成部によって、基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングが生成され、レーザパワー制御部によって、発光タイミングにおいて光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーが増加される。反射率変化量検出部によって、RF信号から光ディスクによる反射光の反射率の変化量が検出される。そして、光ディスクに形成された凹凸ピットを再生する際に、回転速度制御部に対して第1の回転速度が設定され、かつレーザパワー制御部に対して第1のレーザパワーが設定される。また、光ディスクに追記マークを追記する際に、第1の回転速度よりも遅くかつ凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度が回転速度制御部に設定され、かつ発光タイミングに応じて第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーがレーザパワー制御部に設定される。
本発明によれば、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の実施の形態1における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1における光ディスク装置で使用する光ディスクのデータフォーマットを説明するための模式図である。
本発明の実施の形態1におけるマーク記録動作を示すタイミングチャートである。
凹凸ピットにより記録されたコンテンツデータを再生するデータ再生動作を示すフローチャートである。
追記マークを記録するマーク記録動作を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態1において、回転速度と、記録に必要なレーザパワーとの関係を示す図である。
光ディスクに記録された追記マークを検出するマーク検出動作を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態1におけるマーク検出処理を示すタイミングチャートである。
本発明の実施の形態1における他の追記マーク検出方法について説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態1におけるマーク検出処理を更に詳細に説明するためのフローチャートである。
本発明の実施の形態2におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態3におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態4におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態5におけるマーク記録制御部及びタイミング生成部の動作を説明するためのマーク記録動作のタイミングチャートである。
本発明の実施の形態6におけるタイミング生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態6におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態7におけるタイミング生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態7におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態8におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態9における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態9におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態10におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作及び追記マーク検出動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態11におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。図1において、光ディスク装置100は、入出力部101、CPU(中央演算処理装置)102、タイミング生成部106、レーザパワー切替部107、ディスク回転速度切替部108、光ピックアップ109、ディスクモータ110、RF信号処理部111、フォーカス及びトラッキング制御部112、復調回路113、誤り訂正部114及びマーク検出部115を備える。図1の破線内のブロックは、半導体集積回路124として、まとめてひとつのチップに実装される。
光ディスク装置100は、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスク1に対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記する。また、光ディスク装置100は、凹凸ピットによって記録された主情報を再生するとともに、追記された追記マークを再生する。
ディスクモータ110は、光ディスク1を一定速度で回転させる。光ピックアップ109は、光ディスク1から凹凸ピットにより記録された主情報を読み取る。光ピックアップ109は、光ディスク1にレーザ光を照射するとともに、光ディスク1からの反射光を受光し、光ピックアップ出力信号P0を出力する。
RF信号処理部111は、光ピックアップ109からの光ピックアップ出力信号P0に基づいてRF信号RFSを取得する。フォーカス及びトラッキング制御部112は、光ピックアップ109の照射する光ビームが正確に光ディスク1上の凹凸ピットをトレースするようにフォーカス方向及びトラキング方向に光ピックアップ109を駆動する。トラッキング制御方式としては、通常、凹凸ピットで構成されたコンテンツ情報を再生する際には位相差検出方式が用いられる。すなわち、フォーカス及びトラッキング制御部112は、位相差検出方式によりトラッキング制御を行う。復調回路113は、RF信号RFSを復調し、復調したデジタル信号DSを出力する。また、復調回路113は、RF信号RFSに含まれている同期符号を検出し、基準位置信号SYを発生させる。
誤り訂正部114は、復調回路113によって復調されたデジタル信号DSに含まれているランダムエラー及びバーストエラーを訂正し、デジタル再生信号RDとして入出力部101に伝達する。
入出力部101は、光ディスク装置100が例えば外部のパーソナルコンピュータなどから再生コマンドを受けられるようにするインタフェースである。入出力部101は、外部から入力される、データ再生、マーク記録及びマーク検出などの動作命令をCPU102へ出力する。また、入出力部101は、誤り訂正部114によって誤り訂正が行われたデジタル再生信号RD及びマーク検出部115によるマーク検出結果MDRを受け取り、外部へ出力する。
CPU102は、光ディスク装置100全体を制御し、データ再生制御部103、マーク記録制御部104及びマーク検出制御部105を備える。
マーク検出部115は、反射膜の反射率を変化させることにより記録された追記マークを検出する。マーク検出部115は、RF信号RFSから光ディスク1による反射光の反射率の変化量を検出する。タイミング生成部106は、CPU102からの指令を受け、復調回路113から受領する基準位置信号SYに同期して発光区間信号EZを生成する。タイミング生成部106は、基準位置信号SYにしたがって、あらかじめ決められた位置で光ピックアップ109から照射されるレーザ光の発光タイミングを生成する。
レーザパワー切替部107は、レーザパワーを切り替える。レーザパワー切替部107は、タイミング生成部106によって生成される発光タイミングにおいて光ピックアップ109から照射されるレーザ光のレーザパワーを増加させる。ディスク回転速度切替部108は、光ディスク1の回転速度を切り替える。ディスク回転速度切替部108は、光ディスク1の回転速度を少なくとも2種類の回転速度に切り替える。
データ再生制御部103は、光ディスク1に形成された凹凸ピットを再生する際に、ディスク回転速度切替部108に対して第1の回転速度を設定し、かつレーザパワー切替部107に対して第1のレーザパワーを設定する。
マーク記録制御部104は、光ディスク1に追記マークを追記する際に、第1の回転速度よりも遅くかつ凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度をディスク回転速度切替部108に設定し、かつ発光タイミングに応じて第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーをレーザパワー切替部107に設定する。
マーク検出制御部105は、光ディスク1に形成された追記マークを検出する際に、マーク検出部115によって検出された反射率の変化量に基づいて追記マークを検出するよう制御する。
なお、本実施の形態において、RF信号処理部111がRF信号処理部の一例に相当し、復調回路113が基準位置検出部の一例に相当し、ディスク回転速度切替部108が回転速度制御部の一例に相当し、タイミング生成部106が発光タイミング生成部の一例に相当し、レーザパワー切替部107がレーザパワー制御部の一例に相当し、マーク検出部115が反射率変化量検出部の一例に相当し、データ再生制御部103が凹凸ピット再生制御部の一例に相当し、マーク記録制御部104が追記マーク記録制御部の一例に相当し、マーク検出制御部105が追記マーク検出制御部の一例に相当し、フォーカス及びトラッキング制御部112がトラッキング制御部の一例に相当する。
図2は、本発明の実施の形態1における光ディスク装置で使用する光ディスクのデータフォーマットを説明するための模式図である。図2において、ECC(Error Collection Code)ブロック2は、光ディスク1から再生したデジタル信号DSに対して、誤り訂正可能な最小単位を表わす。フレーム3は、同期符号が付加される変調データの最小単位を表わす。通常、一つのECCブロックは、数百のフレームから構成される。更に、フレーム3は、同期符号4と変調データ5とから構成される。同期符号4は、ディスク上の再生データの位置決めをするために付加されている信号であり、通常は変調データには現れることのないユニークなパターンが用いられる。復調回路113は、同期符号4を検出することにより、基準位置信号SYを発生させる。
復調回路113は、基準位置信号SYを連続的に出力することも可能であるが、復調回路113内部にアドレス復調回路を有し、特定の開始アドレスに同期してアドレス復調回路から基準位置信号SYを出力するように構成することもできる。
図3は、本発明の実施の形態1におけるマーク記録動作を示すタイミングチャートである。タイミング生成部106は、基準位置信号SYに基づいて、発光区間信号EZを出力する。レーザパワー切替部107は、発光区間信号EZがLowである場合は、第1のレーザパワーレベル11で光ピックアップ109に搭載されたレーザ光源を発光させる。また、レーザパワー切替部107は、発光区間信号EZがHighである場合には、第1のレーザパワーレベル11より大きい第2のレーザパワーレベル10で光ピックアップ109に搭載されたレーザ光源を発光させる。レーザパワーが第2のレーザパワーレベル10である区間において、ディスク盤面上の凹凸ピット7に沿って、追記マーク8がディスク盤面上に形成される。
安定して追記マーク8を検出するためには、凹凸ピット7の復調信号とは異なる周波数帯域で追記マーク8を記録しなければ、RF信号RFSにおいて追記マーク8と凹凸ピット7との区別がつかなくなるおそれがある。このため、追記マーク8の長さは、凹凸ピット7の最短ピット長の10倍以上であることが望ましい。すなわち、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間は、凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上であることが好ましい。
安価な半導体レーザ光源を用いる場合には、第2のレーザパワーレベル10を著しく高く設定することはできない。第2のレーザパワーは、レーザ光源の寿命の観点から、第1のレーザパワーに比して5倍以上、10倍以下であることが好ましい。
次に、本発明の実施の形態1の特徴である、CPU102の指令を受けた場合のマーク検出部115、タイミング生成部106、レーザパワー切替部107及びディスク回転速度切替部108の動作について、図4、図5及び図7のフローチャートと、図6の説明図とを用いて更に詳細に説明する。
図4は、凹凸ピットにより記録されたコンテンツデータを再生するデータ再生動作を示すフローチャートである。
まず、入出力部101は、データ再生制御部103へ、凹凸ピットにより記録されたコンテンツデータを再生するためのデータ再生命令を出力する(ステップS11)。データ再生制御部103は、入出力部101から入力されたデータ再生命令を受け取り、光ディスク1を再生してコンテンツデータを読み取るために、光ディスク1の回転速度を設定するためのディスク回転速度設定信号DRS、光ピックアップ109から出射されるレーザ光のレーザパワーを設定するためのレーザパワー設定信号LPS、及びレーザ光の発光タイミングを設定するための発光タイミング設定信号EZCを出力する。
次に、データ再生制御部103は、ディスク回転速度設定信号DRSをディスク回転速度切替部108へ出力し、ディスクモータ110により光ディスク1が第1の回転速度、つまりコンテンツデータを再生する場合の回転速度で回転するようにディスク回転速度切替部108を設定する(ステップS12)。
次に、データ再生制御部103は、レーザパワー設定信号LPSをレーザパワー切替部107へ出力し、コンテンツデータの再生時に用いられる第1のレーザパワーでレーザ光源を発光するようにレーザパワー切替部107を設定する(ステップS13)。
次に、データ再生制御部103は、発光タイミング設定信号EZCをタイミング生成部106へ出力し、レーザ光源が常に第1のレーザパワーで発光する発光区間信号EZを出力するように、つまり第2のレーザパワーで発光する発光区間信号EZを出力しないようにタイミング生成部106を設定する(ステップS14)。
光ディスク1からのコンテンツデータの再生が開始されると、光ピックアップ109及びRF信号処理部111を経由して、復調回路113にRF信号RFSが入力される。次に、復調回路113は、RF信号RFSを復調し、デジタル信号DSの再生を開始する(ステップS15)。次に、誤り訂正部114は、デジタル信号DSの誤り訂正を行い、デジタル再生信号RDを入出力部101へ出力する(ステップS16)。
なお、データ再生時には、フォーカス及びトラッキング制御部112によるフォーカス制御及びトラッキング制御、又は光ピックアップ109の位置制御なども必要であるが、これらは一般の光ディスク装置が普通に備えている機能であり、ここでは説明を省略している。
図5は、追記マークを記録するマーク記録動作を示すフローチャートである。
まず、入出力部101は、マーク記録制御部104へ、追記マークを記録するためのマーク記録命令を出力する(ステップS21)。マーク記録制御部104は、入出力部101から入力されたマーク記録命令を受け取り、追記マークを記録するために、光ピックアップ109から出射されるレーザ光のレーザパワーを設定するためのレーザパワー設定信号LPS、光ディスク1の回転速度を設定するためのディスク回転速度設定信号DRS、及びレーザ光の発光タイミングを設定するための発光タイミング設定信号EZCを出力する。
次に、マーク記録制御部104は、レーザパワー設定信号LPSをレーザパワー切替部107へ出力し、第2のレーザパワーでレーザ光源を発光するようにレーザパワー切替部107を設定する(ステップS22)。
次に、マーク記録制御部104は、ディスク回転速度設定信号DRSをディスク回転速度切替部108へ出力し、ディスクモータ110により光ディスク1が第2の回転速度で回転するようにディスク回転速度切替部108を設定する(ステップS23)。
次に、マーク記録制御部104は、発光タイミング設定信号EZCをタイミング生成部106へ出力し、レーザ光源が第2のレーザパワーで発光する発光区間信号EZを出力するようにタイミング生成部106を設定する(ステップS24)。図3に示すタイミングチャートの例では、マーク記録制御部104は、基準位置信号SYの後に、一定区間幅のパルスを生成するように発光タイミングを設定する。
光ディスク上の再生位置が同期符号の位置に達すると、復調回路113より基準位置信号SYが出力される。マーク記録制御部104は、基準位置信号SYが記録開始位置であるか否かを判断する(ステップS25)。ここで、基準位置信号SYが記録開始位置ではないと判断された場合(ステップS25でNO)、基準位置信号SYが記録開始位置になるまでステップS25の判断処理が繰り返し行われる。
一方、基準位置信号SYが記録開始位置であると判断された場合(ステップS25でYES)タイミング生成部106は、基準位置信号SYに基づいて、レーザ光を発光させる区間を表す発光区間信号EZを生成する(ステップS26)。レーザパワー切替部107は、発光区間信号EZで表される発光区間において、レーザ光源の発光パワーを、第1のレーザパワーから第2のレーザパワーに切り替える(ステップS27)。
次に、マーク記録制御部104は、基準位置信号SYが最終記録アドレスであるか否かを判断する(ステップS28)。ここで、基準位置信号SYが最終記録アドレスではないと判断された場合(ステップS28でNO)、ステップS26の処理へ戻る。一方、基準位置信号SYが最終記録アドレスであると判断された場合(ステップS28でYES)、マーク記録動作を終了する。以上のステップS26〜ステップS28の動作が、基準位置信号SYが最終記録アドレスになるまで繰り返されて、追記マークが記録される。
上記の説明では、光ディスク上の再生位置が特定位置になったとき、基準位置信号SYが出力されるとしているが、基準位置信号SYが同期符号の位置で常に出力されるように構成し、アドレス情報が復調回路113からタイミング生成部106に基準位置信号SYと同時に出力され、タイミング生成部106がアドレス情報に基づいて特定位置を判断するように構成することも可能である。
図6は、本発明の実施の形態1において、回転速度と、記録に必要なレーザパワーとの関係を示す図である。凹凸ピットが形成された光ディスク1に追記マークを記録する際には、レーザ光を照射することにより一定の熱エネルギーを反射膜に与え、反射膜に物理的及び光学的な変化を起こさせる。光ディスク1の線速度つまり回転速度が速いほど、反射膜の単位長さあたりに加えられる熱量は少なくなり、光ピックアップ109から大きなレーザパワーでレーザ光を照射しないと反射膜に変化を起こさせることができない。
図6のパワー曲線12において、第1の回転速度x1及びレーザパワーAで反射膜に物理的及び光学的な変化を与えることが可能であるとする。このとき、第1の回転速度x1よりも低速な第2の回転速度x2で反射膜に第1の回転速度x1で回転させた場合と同じ物理的及び光学的な変化を与えるために必要なレーザパワーはレーザパワーBであり、レーザパワーBはレーザパワーAよりも低い値になる。
第2の回転速度は、凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度の2分の1以下であることが好ましい。本発明の実施の形態1においては、第2の回転速度x2が、通常光ディスク装置が持っているコンテンツデータの再生に必要な最低回転速度x3に対して例えば半分以下に設定されることにより、充分に低いレーザパワーで反射膜に物理的及び光学的な変化を起こさせるように構成することができる。
また、第2の回転速度は、第1の回転速度の10分の1以下であることが好ましい。一般的に、光ディスク装置は、コンテンツデータの再生を高速に行い得るように設計するのが普通であるが、第2の回転速度は、第1の回転速度の10分の1以下とすることにより、充分に低いレーザパワーで反射膜に物理的及び光学的な変化を起こさせることが可能となる。
図7は、光ディスクに記録された追記マークを検出するマーク検出動作を示すフローチャートである。
まず、入出力部101は、マーク検出制御部105へ、光ディスク1に記録された追記マークを検出するためのマーク検出命令を出力する(ステップS31)。マーク検出制御部105は、入出力部101からマーク検出命令を受け取り、光ディスク1に記録された追記マークを検出するために、レーザ光の発光タイミングを設定するための発光タイミング設定信号EZC、光ピックアップ109から出射されるレーザ光のレーザパワーを設定するためのレーザパワー設定信号LPS、及び光ディスク1の回転速度を設定するためのディスク回転速度設定信号DRSを出力する。
次に、マーク検出制御部105は、レーザパワー設定信号LPSをレーザパワー切替部107へ出力し、コンテンツデータの再生時に用いられる第1のレーザパワーでレーザ光源を発光するようにレーザパワー切替部107を設定する(ステップS32)。
次に、マーク検出制御部105は、ディスク回転速度設定信号DRSをディスク回転速度切替部108へ出力し、ディスクモータ110により光ディスク1が第1の回転速度で回転するようにディスク回転速度切替部108を設定する(ステップS33)。
次に、マーク検出制御部105は、発光タイミング設定信号EZCをタイミング生成部106へ出力し、レーザ光源が第1のレーザパワーで発光する発光区間信号EZを出力するように、つまり第2のレーザパワーで発光する発光区間信号EZを出力しないようにタイミング生成部106を設定する(ステップS34)。
光ディスク1からのコンテンツデータの再生が開始されると、光ピックアップ109及びRF信号処理部111を経由して、復調回路113にRF信号RFSが入力される。次に、復調回路113は、RF信号RFSを復調し、基準位置信号SYを出力する(ステップS35)。
次に、マーク検出部115は、基準位置信号SYが最終記録アドレスであるか否かを判断する(ステップS36)。ここで、基準位置信号SYが最終記録アドレスであると判断された場合(ステップS36でYES)、マーク検出部115は、マーク検出結果MDRを入出力部101に出力し、マーク検出動作は終了となる(ステップS37)。一方、基準位置信号SYが最終記録アドレスに到達する前であれば、すなわち、基準位置信号SYが最終記録アドレスではないと判断された場合(ステップS36でNO)、マーク検出部115は、後述するマーク検出処理を実行する(ステップS38)。
本実施の形態では、マーク検出動作時のディスク回転速度は第1の回転速度であるとしているが、第2の回転速度で追記マークを検出するように構成することもできる。一般に、ディスクモータの回転速度の切り替えには応答時間が必要であり、切り替えに要する応答時間が、データ再生動作、マーク記録動作及びマーク検出動作全体の所要時間に影響を与える。そのため、コンテンツデータの再生、追記マークの記録及び追記マークの再生の各動作順序を考慮しながら、全体の処理時間が最短になるように回転速度を決定することが好ましい。
図8は、本発明の実施の形態1におけるマーク検出処理について説明するためのタイミングチャートである。図8において、ECCブロック2、フレーム3、凹凸ピット7及び追記マーク8は、図2と同じである。
図8に示すRF信号13は、RF信号処理部111から出力されたRF信号RFSをアナログ波形として示している。RF信号RFSの先頭には同期符号部があり、続いて規定の変調規則に則った見かけ上ランダムなピット列がデータとして並んでいる。破線で示すRF信号14は、追記マークが記録された後のRF信号を表し、実線で示すRF信号15は、追記マークが記録される前のRF信号を表しており、RF信号14はRF信号15に対して反射率の変化があることを示している。一点鎖線で示す追記マークが記録された後のRF信号の平均値17は、二点鎖線で示す追記マークが記録される前のRF信号の平均値16よりも増加している。つまり、追記マークの有無は、追記マークがない場合のRF信号の平均値と、追記マークがある場合のRF信号の平均値との差分18として検出することができる。マーク検出部115は、RF信号の振幅平均値を計測し、計測した振幅平均値の変動量をモニタすることにより反射率変化量を検出する。
また、マーク検出部115は、追記マークが記録されているマーク追記部のRF信号波形を積分し、積分量の変化に基づいて追記マークを検出してもよい。すなわち、マーク検出部115は、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間内におけるRF信号の積分値と、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間以外で発光区間と同じ長さの区間内におけるRF信号の積分値とをそれぞれ検出し、検出した2つの積分値の差を求めることにより反射率変化量を検出してもよい。
また、マーク検出部115は、復調回路113からピット長に関する情報を取得し、一定長以上のピット又はランドの中央部付近のみの値を平均値の算出に用いてもよい。すなわち、マーク検出部115は、検出されたピット長が一定長以上である凹凸ピットの中央部での反射率の変化量のみを検出する。これにより、凹凸ピットが長短入り乱れてランダムに並んでいることによる振幅平均値算出時の誤差を低減することができる。また、マーク検出部115は、同じ長さのピット又はランドだけを平均値の算出に用いてもよい。
また、マーク検出部115は、追記マークの記録による反射率の変化を、RF信号の微小な揺らぎとして検出しても良い。例えば、図8において、追記マークが記録される前のRF信号15に比べて、追記マークが記録された後のRF信号14は、追記マークの影響により、時間軸上で微小に変化している(ずれている)ことが判る。マーク検出部115は、RF信号の時間軸上の微小な変化を、所定の統計処理を行うことで、追記マークの有無を検出することできる。統計処理は、例えば、一般的なジッタ値を導出する処理である。すなわち、追記マークの有無は、ジッタ値の違いにより、検出することができる。
または、図9で表される追記マーク検出方法を用いてもよい。図9は、本発明の実施の形態1における他の追記マーク検出方法について説明するためのタイミングチャートである。
図9において、タイミング生成部106は、追記マーク検出時に事前に知られている追記マーク記録区間に追記マークが記録されているか検出するため、追記マークが記録されているはずの区間で検出区間信号DZをマーク検出部115に出力する。マーク検出部115は、検出区間信号DZの出力区間において、光ディスク1の再生が不安定になった場合に追記マークが記録されていると判断する。
例えば、マーク検出部115は、検出区間信号DZの出力区間でPLL(Phase Lock Loop)回路のロックが外れたことを検出する。PLL回路のロックが外れたことは、周波数が所定基準値以上ずれたことを意味する。
なお、これまで述べたマーク検出部115によって追記マークを検出する際に、再生信号品質を一定に保つために光ディスク装置に一般的に備わっている所定の信号処理機能、例えば、RF信号振幅の中心を調整するベースライン制御機能、振幅を一定の幅に保つよう調整するAGC機能、又は周波数を一定に保つPLL機能を動作させないことによって、追記マーク検出感度を上げることができる。これらの信号処理機能は、一般的にRF信号の変化を補正するように動作する。そのため、これらの信号処理機能が動作していると、追記マークによるRF信号の変動が小さくなってしまうため、追記マークの検出感度が劣る。
図10は、本発明の実施の形態1におけるマーク検出処理を更に詳細に説明するためのフローチャートである。図10を用いて、マーク検出部115の詳細な動作について説明する。
マーク検出処理が開始されると、マーク検出部115は、各所定区間のRF信号波形の信号レベルの平均値を算出する(ステップS41)。次に、マーク検出部115は、識別領域のRF信号波形の取得が完了したか否かを判断する(ステップS42)。ここで、識別領域のRF信号波形の取得が完了していないと判断された場合(ステップS42でNO)、ステップS41の処理へ戻る。
一方、識別領域のRF信号波形の取得が完了したと判断された場合(ステップS42でYES)、マーク検出部115は、他の区間と比較してRF信号波形の信号レベルの平均値が所定値以上高い区間が存在するか否かを判断する(ステップS43)。ここで、他の区間と比較してRF信号波形の信号レベルの平均値が所定値以上高い区間が存在すると判断された場合(ステップS43でYES)、マーク検出部115は、該当区間に追記マークが存在すると判定する(ステップS44)。一方、他の区間と比較してRF信号波形の信号レベルの平均値が所定値以上高い区間が存在しないと判断された場合(ステップS43でNO)、マーク検出部115は、該当区間に追記マークが存在しないと判定する(ステップS45)。
このように、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる。
また、1チャネルビット幅といった高精度なパルス記録は不要であり、例えばフレーム長の整数倍といった周波数帯域の低いレーザパワー制御で追記マークの記録が可能となるので、記録型光ディスクで用いられているような高速かつ高精度なレーザ駆動回路が不要となり、光ディスク装置を安価に構成することができる。
また、追記マークは、ルーペなどで目視可能なストライプ状のマークではないため、ユーザが追記マークの存在を特定することが困難であり、追記マークにより記録された情報のセキュリティを向上させることができる。
また、同期符号パターン上に追記マークを形成しなければならないという制約もなく、追記マークを記録する下地にあたる凹凸ピットの変調パターンが予め決められた固定パターンである必要はない。そのため、追記マークの記録位置は光ディスク上のどこにでも設定可能であり、運用上の融通性が高いという利点を持つ。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態2における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
本発明では、タイミング生成部106の動作を工夫することで、追記マークの形成方法が多種考えられる。図11は、本発明の実施の形態2におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。実施の形態2における光ディスク装置の構成要素は図1と同じなので、説明を省略し、実施の形態1とは異なるタイミング生成部の動作のみを説明する。
実施の形態2では、タイミング生成部106は、追記マークの記録区間を、基準位置信号SYの整数倍とする。すなわち、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、凹凸ピットのフレーム間隔の整数倍であることが好ましい。このように構成することにより、追記マークの始端及び終端をフレーム単位で構成できるという利点を持つ。
また、追記マークの長さを、あるECCブロックの先頭フレームから出力される基準位置信号SYから、次のECCブロックの先頭フレームから出力される基準位置信号SYまでの長さで記録するように構成することもできる。このようにすることにより、追記マークの始端及び終端をECCブロック単位で容易に管理及び構成できる。
また、通常、光ディスク装置においては、ECCブロックは凹凸ピットで記録されている物理アドレス情報と関連づけて管理されている。そのため、追記マークの記録長をECCブロックの整数倍として、記録の開始点と終了点とを比較的容易に管理できるように構成することもできる。
すなわち、光ディスク1に凹凸ピットで記録されている主情報は、一定単位のユーザデータに対してエラー訂正情報が付加されたエラー訂正ブロック単位で構成されている。マーク記録制御部104は、エラー訂正ブロック単位で、タイミング生成部106によって生成される第2のレーザパワーで発光される発光区間を制御する。このとき、タイミング生成部106によって生成される第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、エラー訂正ブロックの単位長さの整数倍である。
このような長期間にわたり、第2のレーザパワーに切り替える場合には、その発光区間でフォトディテクタの感度を切り替え、位相差サーボを第2のレーザパワー発光時にも行うように構成することができる。すなわち、フォーカス及びトラッキング制御部112は、第2のレーザパワーで発光される発光区間内においても、トラッキング制御を行う。
また、上記のように追記された追記マークを検出する際には、追記マークの長さが長いので、RF信号の平均値が安定し、メディアの傷又は汚れなどの外乱に追記マークの検出結果が左右されにくいという特徴を持つ。また、記録区間が長いので、RF信号の平均値に基づいて追記マークを検出するのではなく、RF信号の変化量に比例したパラメータ、例えば主情報の変調符号の再生ジッタの悪化、又はアシンメトリの変化に基づいて追記マークを検出することも可能である。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態3における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図12は、本発明の実施の形態3におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。実施の形態3における光ディスク装置の構成要素は図1と同じなので、説明を省略し、実施の形態1及び2とは異なるタイミング生成部の動作のみを説明する。本実施の形態3では、追記マーク21は、例えば4フレーム間隔で記録される。
レーザパワーを通常の再生パワー以上の第2のレーザパワーに切り替えて追記マーク21を記録している発光区間22では、光ピックアップ109のフォトディテクタが飽和してしまい、正常な光ピックアップ出力信号P0を出力できなくなる場合がある。このような場合、フォーカス及びトラッキング制御部112にも正常な信号が入力されないため、一時的に光ピックアップ109のトラッキング制御が不能となる。
そこで、実施の形態3では、追記マーク21を記録するために第2のレーザパワーで発光している発光区間22は、1フレーム長以下とし、フォーカス及びトラッキング制御部112は、発光区間22内において位相差信号によるトラッキングサーボをホールドする。そして、フォーカス及びトラッキング制御部112は、隣接する追記マーク21の間の3フレーム長以上の区間23においてトラッキング制御のリカバリを行う。
すなわち、フォーカス及びトラッキング制御部112は、第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、トラッキング制御をホールドする。また、凹凸ピットは同期符号を含み、同期符号間の距離を1フレーム長としたとき、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間22の長さは、1フレーム長以下であり、かつ次の発光区間22までの間隔は3フレーム長以上である。
なお、復調回路113が、自動ゲイン制御(AGC)回路又はPLL回路を内蔵している場合、それらの回路も第2のレーザパワーによる光ピックアップ出力信号P0の変動に応答しないように、ホールドすることが好ましい。すなわち、復調回路113は、第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、PLL回路の周波数比較機能又は位相比較機能をホールドする。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態4における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図13は、本発明の実施の形態4におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。図13において、4フレームごとに追記マークを記録することは、実施の形態3と同じであるが、本実施の形態4では、2種類の記録モードを持たせている。タイミング生成部106は、エラー訂正ブロック内において、等間隔で複数の第2のレーザパワーで発光される発光タイミングを生成する。
図13に示すように、4フレーム周期の第1の位相で第2のレーザパワーを有するレーザ光を発光させた場合には、第1の追記マーク24が光ディスク1に形成される。また、第1の位相から1フレームだけずらした4フレーム周期の第2の位相で第2のレーザパワーを有するレーザ光を発光させた場合は、第2の追記マーク25が光ディスク1に形成される。マーク記録制御部104は、タイミング生成部106に対して、第1の位相及び第2の位相のいずれの位相で記録するかを指示する。
タイミング生成部106は、光ディスク1上で互いに重なることがないように事前に決められた第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのいずれかを生成する。マーク記録制御部104は、タイミング生成部106に対し、第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのうちのいずれの発光タイミングを選択するかを指示する。
つまり、追記マークの検出時に、記録されている位相を検出することにより、2種類の情報を記録及び識別することが可能である。2種類の情報は、例えばバイナリデータの“0”及び“1”に対応させることができる。隣接する追記マークが4フレーム間隔であれば、各位相をそれぞれ1フレームずつずらすことにより、最大4種類の情報を記録することができ、バイナリデータの“00”、“01”、“10”及び“11”などに対応させることができる。この場合、マーク検出部115は、それぞれの位相に対応した区間でのみ検出処理を行う複数の検出回路を有する必要がある。
マーク検出部115は、事前に決められた第1の発光タイミングにおける反射率変化量と、第2の発光タイミングにおける反射率変化量とを検出し、第1の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“0”を対応付けるとともに、第2の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“1”を対応付けた2値データを検出する。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態5における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図14は、本発明の実施の形態5におけるマーク記録制御部及びタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
実施の形態5において、マーク記録制御部104は、第2のレーザパワーをさらに2種類用意して、追記マークを記録するフレームに応じて、第3のレーザパワーと、第3のレーザパワーより大きい第4のレーザパワーとの2種類のレーザパワーを使い分ける。
追記マーク26は、第3のレーザパワーのレーザ光を照射することにより追記された追記マークである。追記マーク27は、第4のレーザパワーのレーザ光を照射することにより追記された追記マークである。追記マーク28は、第3のレーザパワーのレーザ光を照射した上に、さらに第4のレーザパワーのレーザ光を照射することにより追記された追記マークである。
実施の形態5では、複数のレーザパワーを使い分けることにより、光ディスク1に複数の異なった種類の追記マークを形成している。第3のレーザパワーと第4のレーザパワーとを異ならせることにより、図8で説明したマーク検出部115において検出されるRF信号の平均値の差分18が異なる。実施の形態5では、マーク検出部115は、追記マーク26に対応したRF信号の平均値、追記マーク27に対応したRF信号の平均値、追記マーク28に対応したRF信号の平均値、及び追記マークのない部分29に対応したRF信号の平均値の4種類の値を検出する。したがって、これらの値を実施の形態4と同様に2ビットのバイナリデータとして用いることができる。
また、一度追記した追記マークの記録が光ディスクの汚れ等、何らかの原因で不十分であった場合に、レーザパワーを第3のレーザパワーから第4のレーザパワーに増大させて、追記マークを改めて形成しなおす用途に用いることもできる。追記マークが充分に形成されているかどうかは、図4に示したRF信号の平均値の変化量から推定することができる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態6における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図15は、本発明の実施の形態6におけるタイミング生成部の詳細な構成を示すブロック図である。光ディスク装置100は、タイミング生成部106に替えてタイミング生成部116を備える。図15において、タイミング生成部116は、アドレス領域識別部117、マーク間隔生成器118及びマーク幅生成器119を備える。アドレス領域識別部117は、特定フレームにアドレス情報が含まれているかどうかを識別する。ここで、アドレス領域識別部117は、アドレス情報が含まれているアドレス領域(フレーム)を識別するために必要なアドレス検出情報を復調回路113から取得する。マーク間隔生成器118は、発光区間信号EZの周期を決定する。マーク幅生成器119は、事前に決められた幅の発光区間信号EZを生成する。
次に、図16に示すタイミングチャートを用いて、実施の形態6の追記マーク記録動作について説明する。図16は、本発明の実施の形態6におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図16において、ECCブロック2は、アドレス情報の存在しないフレーム30と、アドレス情報が存在するフレーム31とを含む。実施の形態6におけるタイミング生成部116は、アドレス情報の存在しているフレーム31の区間においては、発光区間信号EZを出力しない。この結果、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光区間は、アドレス情報の存在しないフレーム30に対応する区間だけとなる。したがって、アドレス情報の存在しないフレーム30において、追記マーク32は記録されるが、アドレス情報の存在しているフレーム31において、レーザパワーが第2のレーザパワーにはならず、追記マーク32は形成されない。
すなわち、光ディスク1に凹凸ピットで記録されている主情報は、光ディスク1内の物理的位置を示すアドレス情報を含む。タイミング生成部116は、アドレス情報が記録されている領域を避けて第2のレーザパワーでレーザ光を照射するように発光タイミングを生成する。
実施の形態3において、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光区間では、光ピックアップ109のフォトディテクタが飽和することを例示したが、フォトディテクタが飽和することによりサーボ制御を行うフォーカス及びトラッキング制御部112以外のRF信号処理部111においても、正常な信号処理ができなくなることがある。この発光区間において、RF信号処理部111が有するAGC回路又はPLL回路をホールドした場合、ホールドした区間では、次段の復調回路113に正常な信号が出力されず、よってアドレス情報を復調することができなくなる。
実施の形態6では、図16に示すようにアドレス情報を含む区間(フレーム)を避けて追記マークが形成されることにより、複数の追記マークが形成される場合でも、アドレス情報が記録されたフレームでは第2のレーザパワーに切り替わらない。そのため、サーボ制御及び復調処理が可能となり、アドレス情報も検出可能となる。このため、復調されるアドレス情報の連続性を、例えば復調回路113又はマーク記録制御部104が監視することができ、メディアの傷又は外乱によるトラック飛びを検出することができる。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態7における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図17は、本発明の実施の形態7におけるタイミング生成部の詳細な構成を示すブロック図である。光ディスク装置100は、タイミング生成部106に替えてタイミング生成部120を備える。図17において、タイミング生成部120は、乱数発生器121、マーク間隔生成器122及びマーク幅発生器123を備える。乱数発生器121は、乱数を発生させる。マーク間隔生成器122は、乱数発生器121から発生された乱数に基づき、発光区間信号EZの周期をランダムに生成する。マーク幅発生器123は、事前に決められた幅の発光区間信号EZを生成する。
すなわち、タイミング生成部120は、乱数を発生させ、発生させた乱数に基づいて、第2のレーザパワーで発光される発光タイミングの周期をランダムに変更する。
次に、図18のタイミングチャートを用いて、実施の形態7における追記マークの記録動作について説明する。図18は、本発明の実施の形態7におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。図18において、追記マーク36の間隔33,34,35は、乱数によってランダムに変わる。
実施の形態7では、追記マーク36の記録位置がランダムである。そのため、マーク検出時においては、マーク検出部115は、追記マーク36が記録されている位置を正確に把握して、検出タイミングを生成しなければならない。しかしながら、乱数発生器121における乱数系列を適宜入れ替えることにより、複数の記録パターンで追記マークを記録することが可能となる。
(実施の形態8)
次に、実施の形態8における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態8における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図19は、本発明の実施の形態8におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。図19において、基準位置信号SYの間の1フレーム内に、複数の追記マークが記録される。
タイミング生成部106は、復調回路113によって生成されるチャネルクロックに同期して、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光区間信号EZを生成する。実施の形態8では、基準位置信号SYと、追記マークの記録が開始されるタイミングとが異なる。そのため、追記マーク検出時においては、マーク検出部115は、記録されているマーク位置を正確に把握して、検出タイミングを生成しなければならない。しかしながら、1フレーム内に複数の追記マークを記録するように発光区間信号EZが生成されるため、追記マークの記録情報量を増加させることができる。
なお、第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上であることが好ましい。
(実施の形態9)
次に、実施の形態9における光ディスク装置について説明する。図20は、本発明の実施の形態9における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態9における光ディスク装置100’において、図1に示す実施の形態1における光ディスク装置100と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。光ディスク装置100’は、シフト制御部125をさらに備える。
CPU102のマーク記録制御部104は、シフト制御設定信号SSを出力し、追記マーク記録時にレーザ光照射位置が光ディスクの半径方向に事前に決められた微少距離だけシフトするようシフト制御部125を設定する。シフト制御部125は、シフト制御設定信号SSに従って、タイミング生成部106から出力される発光区間信号EZのタイミングに同期して光ピックアップ109が光ディスクの半径方向に対して事前に決められた微少距離だけシフトするようトラッキング制御信号をフォーカス及びトラッキング制御部112へ出力する。
図21は、本発明の実施の形態9におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。図21において、追記マーク41a,41bは、凹凸ピット40が記録されている位置より光ディスクの半径方向に微小距離だけシフトして記録される。
シフト制御部125は、光ディスクの半径方向の追記マークの中心がピットの中心から内周側又は外周側へ微小距離だけシフトさせて追記マークを記録するための第1の追記マークシフト信号と、第1の追記マークシフト信号とは逆の方向へ微小距離だけシフトさせて追記マークを記録するための第2の追記マークシフト信号とを生成する。
シフト制御部125は、タイミング生成部106によって生成される第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、光ピックアップ109によって出射されるレーザ光を、光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心から所定の距離だけ内周方向又は外周方向にシフトさせる。
シフト制御部125によって第1の追記マークシフト信号が出力されている区間では、追記マーク41aは、光ディスクの半径方向の追記マークの中心が凹凸ピット40の中心から内周側又は外周側へ微小距離だけシフトさせて記録される。また、シフト制御部125によって第2の追記マークシフト信号が出力されている区間では、追記マーク41bは、第1の追記マークシフト信号とは逆の方向へ微小距離だけシフトさせて記録される。
例えば、図21に示すように、追記マーク41aの中心線42は、凹凸ピット40の中心線43に対して内周側へシフトしており、追記マーク41bの中心線44は、凹凸ピット40の中心線43に対して外周側へシフトしている。
実施の形態8のマーク検出時においては、光ピックアップ109が反射光の反射率の非対称性を検出し、追記マークが記録されていることだけでなく、追記マークが内周方向又は外周方向にシフトしていることを検出する。
すなわち、マーク検出部115は、追記マークからの反射光の分布が光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心に対して非対称であることを検出し、非対称である反射光のRF信号の振幅平均値を計測し、計測した振幅平均値の変動量をモニタすることにより反射率変化量を検出する。
本実施の形態8では、追記マークを光ディスクの半径方向に微小距離だけシフトすることによって記録できる情報量を増加させることができる。
(実施の形態10)
次に、実施の形態10における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態10における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図22は、本発明の実施の形態10におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作及び追記マーク検出動作を説明するためのタイミングチャートである。図22に示す実施の形態10では、レーザ光を異なる振幅で出力させ、追記マーク検出時において凹凸ピット55による影響を除いた、矩形以外の形状のRF信号波形を取得する。
レーザパワー切替部107は、追記マークを記録する際に、光ピックアップ109が出力するレーザ光の振幅を例えば、事前に決められたパターン又は乱数系列に基づいたランダムなパターンによって変化させて、追記マーク59を記録する。これにより、1つの追記マーク59には、反射率の異なる複数の領域56,57,58が含まれる。すなわち、レーザパワー切替部107は、タイミング生成部106によって生成される第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンにしたがって第2のレーザパワーが複数の値に変化するように制御する。
また、図22では、追記マークが記録される前のRF信号51と、追記マークが記録された後のRF信号52と、追記マークが記録される前のRF信号51と追記マークが記録された後のRF信号52との差分53と、追記マークが記録される前のRF信号51と追記マークが記録された後のRF信号52との理想的な差分54とを示している。
実施の形態8では、マーク検出部115は、追記マークが検出される際に、再生されたRF信号の追記マークによる差分53と、再生されたRF信号の追記マークによる理想的な差分54とを比較する。マーク検出部115は、追記マークが検出される際に、再生されたRF信号の追記マークによる差分53と、再生されたRF信号の追記マークによる理想的な差分54とが一致するか否かを判断する。
すなわち、マーク検出部115は、タイミング生成部106によって生成される第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、レーザ光が照射される前のRF信号の波形とレーザ光が照射された後のRF信号の波形との差分値と、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンとを比較して、差分値とパターンとが一致する場合、正常に追記マークが記録されたと判断し、差分値とパターンとが一致しない場合、正常に追記マークが記録されていないと判断する。
これにより、例えば、追記マークの検出を鍵認証として利用することができる。マーク検出部115は、正しい記録位置に、RF信号の理想的な差分44と一致するRF信号の差分43が検出されない場合、事前に正しい鍵が追記マークとして記録されていないとして、光ディスク1に凹凸ピットにより記録されているコンテンツデータの再生を禁止する。
(実施の形態11)
次に、実施の形態11における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態11における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図23は、本発明の実施の形態11におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。
図23において、追記マーク61の記録区間と未記録区間とはともに周期が一定でなく、例えば乱数によって記録区間と未記録区間とをランダムに変化させる。すなわち、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、乱数系列によって決まる。タイミング生成部106は、乱数を発生させ、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さ及び隣接する発光区間の間隔を、発生させた乱数によって決定する。
この場合、追記マーク61の記録位置がランダムに変化しているため、乱数に基づいて記録されている位置を正確に把握して検出タイミングを生成しなければならない。しかしながら、乱数系列を適宜入れ替えることにより、複数の記録パターンで追記マークを記録することが可能となる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る光ディスク装置は、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、前記凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記する光ディスク装置であって、光ピックアップと、前記光ピックアップからの出力に基づいてRF信号を取得するRF信号処理部と、前記RF信号を復調して基準位置信号を検出する基準位置検出部と、前記光ディスクの回転速度を少なくとも2種類の回転速度に切り替える回転速度制御部と、前記基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で前記光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングを生成する発光タイミング生成部と、前記発光タイミングにおいて前記光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーを増加させるレーザパワー制御部と、前記RF信号から前記光ディスクによる反射光の反射率の変化量を検出する反射率変化量検出部と、前記光ディスクに形成された前記凹凸ピットを再生する際に、前記回転速度制御部に対して第1の回転速度を設定し、かつ前記レーザパワー制御部に対して第1のレーザパワーを設定する凹凸ピット再生制御部と、前記光ディスクに前記追記マークを追記する際に、前記第1の回転速度よりも遅くかつ前記凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度を前記回転速度制御部に設定し、かつ前記発光タイミングに応じて前記第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーを前記レーザパワー制御部に設定する追記マーク記録制御部とを備える。
この構成によれば、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号が取得され、RF信号を復調して基準位置信号が検出される。回転速度制御部によって、光ディスクの回転速度が少なくとも2種類の回転速度に切り替えられ、発光タイミング生成部によって、基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングが生成され、レーザパワー制御部によって、発光タイミングにおいて光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーが増加される。反射率変化量検出部によって、RF信号から光ディスクによる反射光の反射率の変化量が検出される。そして、光ディスクに形成された凹凸ピットを再生する際に、回転速度制御部に対して第1の回転速度が設定され、かつレーザパワー制御部に対して第1のレーザパワーが設定される。また、光ディスクに追記マークを追記する際に、第1の回転速度よりも遅くかつ凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度が回転速度制御部に設定され、かつ発光タイミングに応じて第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーがレーザパワー制御部に設定される。
したがって、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ディスクに形成された前記追記マークを検出する際に、前記反射率変化量検出部によって検出された前記反射率の変化量に基づいて前記追記マークを検出するよう制御する追記マーク検出制御部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、光ディスクに形成された追記マークを検出する際に、反射率変化量検出部によって検出された反射率の変化量に基づいて追記マークを検出することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記第2の回転速度は、前記最低回転速度の2分の1以下であることが好ましい。この構成によれば、最低回転速度の2分の1以下である第2の回転速度で、光ディスクに追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記第2の回転速度は、前記第1の回転速度の10分の1以下であることが好ましい。この構成によれば、第1の回転速度の10分の1以下である第2の回転速度で、光ディスクに追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記第2のレーザパワーは、前記第1のレーザパワーの5倍以上、10倍以下であることが好ましい。この構成によれば、第1のレーザパワーの5倍以上、10倍以下である第2のレーザパワーで、光ディスクに追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ピックアップに対するトラッキングを制御するトラッキング制御部をさらに備え、前記トラッキング制御部は、位相差検出方式によりトラッキング制御を行うことが好ましい。この構成によれば、位相差検出方式によりトラッキング制御を行うことができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記第2のレーザパワーで前記レーザ光が照射される発光区間は、前記凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上であることが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間は、凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上であるので、RF信号において追記マークと凹凸ピットとをより明確に区別することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記基準位置検出部は、少なくともPLL回路を用いて前記RF信号を復調し、前記第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、前記PLL回路の周波数比較機能又は位相比較機能をホールドすることが好ましい。
この構成によれば、少なくともPLL回路を用いてRF信号が復調され、第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、PLL回路の周波数比較機能又は位相比較機能がホールドされるので、PLL回路の周波数比較機能又は位相比較機能が第2のレーザパワーによる光ピックアップ出力信号の変動に応答しなくなり、正常にRF信号を復調することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ピックアップに対するトラッキングを制御するトラッキング制御部をさらに備え、前記トラッキング制御部は、前記第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、トラッキング制御をホールドすることが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、トラッキング制御がホールドされるので、トラッキング制御が第2のレーザパワーによる光ピックアップ出力信号の変動に応答しなくなり、正常にトラッキング制御を行うことができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記凹凸ピットは同期符号を含み、前記同期符号間の距離を1フレーム長としたとき、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、1フレーム長以下であり、かつ次の発光区間までの間隔は3フレーム長以上であることが好ましい。
この構成によれば、同期符号間の距離を1フレーム長としたとき、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、1フレーム長以下であり、かつ次の発光区間までの間隔は3フレーム長以上であるので、発光区間内においてトラッキング制御をホールドし、隣接する追記マークの間の3フレーム長以上の区間においてトラッキング制御のリカバリを行うことができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記凹凸ピットは同期符号を含み、前記同期符号間の距離を1フレーム長としたとき、前記第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、前記凹凸ピットのフレーム間隔の整数倍であることが好ましい。
この構成によれば、同期符号間の距離を1フレーム長としたとき、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、凹凸ピットのフレーム間隔の整数倍であるので、周波数帯域の低いレーザパワー制御で追記マークの追記が可能となるので、記録型光ディスクで用いられているような高速かつ高精度なレーザ駆動回路が不要となり、光ディスク装置を安価に製造することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ディスクに前記凹凸ピットで記録されている前記主情報は、前記光ディスク内の物理的位置を示すアドレス情報を含み、前記発光タイミング生成部は、前記アドレス情報が記録されている領域を避けて前記第2のレーザパワーで前記レーザ光を照射するように前記発光タイミングを生成することが好ましい。
この構成によれば、アドレス情報が記録されている領域を避けて第2のレーザパワーでレーザ光を照射するように発光タイミングが生成される。したがって、複数の追記マークが形成される場合でも、アドレス情報が記録された領域では第2のレーザパワーに切り替わらないため、当該領域におけるサーボ制御及び復調処理が可能となり、正常にアドレス情報を検出することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ディスクに前記凹凸ピットで記録されている前記主情報は、一定単位のユーザデータに対してエラー訂正情報が付加されたエラー訂正ブロック単位で構成されており、前記追記マーク記録制御部は、前記エラー訂正ブロック単位で、前記発光タイミング生成部によって生成される前記第2のレーザパワーで発光される発光区間を制御することが好ましい。
この構成によれば、光ディスクに凹凸ピットで記録されている主情報は、一定単位のユーザデータに対してエラー訂正情報が付加されたエラー訂正ブロック単位で構成されている。そして、エラー訂正ブロック単位で、第2のレーザパワーで発光される発光区間が制御されるので、追記マークの記録の開始点と終了点とを比較的容易に管理することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部によって生成される前記第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、前記エラー訂正ブロックの単位長さの整数倍であることが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、エラー訂正ブロックの単位長さの整数倍であるので、追記マークの記録の開始点と終了点とを比較的容易に管理することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ピックアップに対するトラッキングを制御するトラッキング制御部をさらに備え、前記トラッキング制御部は、前記第2のレーザパワーで発光される発光区間内において、トラッキング制御を行うことが好ましい。この構成によれば、第2のレーザパワーで発光される発光区間内において、トラッキング制御を行うことができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部は、前記エラー訂正ブロック内において、等間隔で複数の第2のレーザパワーで発光される発光タイミングを生成することが好ましい。
この構成によれば、エラー訂正ブロック内において、等間隔で複数の第2のレーザパワーで発光される発光タイミングが生成されるので、追記マークの記録の開始点と終了点とを比較的容易に管理することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部は、乱数を発生させ、発生させた乱数に基づいて、第2のレーザパワーで発光される発光タイミングの周期をランダムに変更することが好ましい。
この構成によれば、乱数が発生され、発生された乱数に基づいて、第2のレーザパワーで発光される発光タイミングの周期がランダムに変更されるので、複数の記録パターンで追記マークを記録することができ、追記マークの複製を困難にすることができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部は、光ディスク上で互いに重なることがないように事前に決められた第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのいずれかを生成し、前記追記マーク記録制御部は、前記発光タイミング生成部に対し、前記第1の発光タイミングと前記第2の発光タイミングとのうちのいずれの発光タイミングを選択するかを指示することが好ましい。
この構成によれば、光ディスク上で互いに重なることがないように事前に決められた第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのいずれかが生成され、第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのうちのいずれの発光タイミングを選択するかが指示される。したがって、光ディスク上で互いに重なることがないように事前に決められた第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのうちのいずれの発光タイミングを選択するかが指示されるので、複数種類の情報を追記マークにより追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記反射率変化量検出部は、事前に決められた前記第1の発光タイミングにおける反射率変化量と、前記第2の発光タイミングにおける反射率変化量とを検出し、前記第1の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“0”を対応付けるとともに、前記第2の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“1”を対応付けた2値データを検出することが好ましい。
この構成によれば、事前に決められた第1の発光タイミングにおける反射率変化量と、第2の発光タイミングにおける反射率変化量とが検出され、第1の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“0”が対応付けられるとともに、第2の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“1”が対応付けられた2値データが検出される。したがって、複数種類の情報を追記マークにより追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記反射率変化量検出部は、前記RF信号の振幅平均値を計測し、計測した前記振幅平均値の変動量をモニタすることにより前記反射率変化量を検出することが好ましい。
この構成によれば、RF信号の振幅平均値が計測され、計測された振幅平均値の変動量がモニタされることにより反射率変化量が検出される。したがって、反射率変化量を検出することにより、追記マークの有無を検出することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記基準位置検出部は、前記凹凸ピットのピット長を検出し、前記反射率変化量検出部は、検出された前記ピット長が一定長以上である前記凹凸ピットの中央部での前記反射率変化量のみを検出することが好ましい。
この構成によれば、凹凸ピットのピット長が検出され、検出されたピット長が一定長以上である凹凸ピットの中央部での反射率変化量のみが検出されるので、凹凸ピットが長短入り乱れてランダムに並んでいることによる振幅平均値算出時の誤差を低減することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記反射率変化量検出部は、前記第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間内におけるRF信号の積分値と、前記第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間以外で前記発光区間と同じ長さの区間内におけるRF信号の積分値とをそれぞれ検出し、検出した2つの積分値の差を求めることにより前記反射率変化量を検出することが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間内におけるRF信号の積分値と、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間以外で発光区間と同じ長さの区間内におけるRF信号の積分値とがそれぞれ検出され、検出された2つの積分値の差を求めることにより反射率変化量が検出される。したがって、反射率変化量を検出することにより、追記マークの有無を検出することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部は、チャネルクロックに同期して、前記第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングを生成し、前記第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、前記凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上であることが好ましい。
この構成によれば、チャネルクロックに同期して、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングが生成され、第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上である。したがって、1フレーム内に複数の追記マークを記録するように発光タイミングが生成されるため、追記マークの記録情報量を増加させることができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部によって生成される前記第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、前記光ピックアップによって出射されるレーザ光を、前記光ディスクの半径方向の前記凹凸ピットの中心から所定の距離だけ内周方向又は外周方向にシフトさせるシフト制御部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、光ピックアップによって出射されるレーザ光が、光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心から所定の距離だけ内周方向又は外周方向にシフトされる。
したがって、追記マークが、光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心から所定の距離だけ内周方向又は外周方向にシフトして追記されるので、追記マークにより記録できる情報量を増加させることができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記反射率変化量検出部は、前記追記マークからの反射光の分布が前記光ディスクの半径方向の前記凹凸ピットの中心に対して非対称であることを検出し、非対称である前記反射光の前記RF信号の振幅平均値を計測し、計測した前記振幅平均値の変動量をモニタすることにより前記反射率変化量を検出することが好ましい。
この構成によれば、追記マークからの反射光の分布が光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心に対して非対称であることが検出され、非対称である反射光のRF信号の振幅平均値が計測され、計測された振幅平均値の変動量がモニタされることにより反射率変化量が検出される。
したがって、光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心から所定の距離だけ内周方向又は外周方向にシフトして追記された追記マークを検出することができ、追記マークにより記録できる情報量を増加させることができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記レーザパワー制御部は、前記発光タイミング生成部によって生成される前記第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンにしたがって前記第2のレーザパワーが複数の値に変化するように制御することが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンにしたがって第2のレーザパワーが複数の値に変化するように制御される。したがって、反射率の異なる複数の領域を含む追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記反射率変化量検出部は、前記発光タイミング生成部によって生成される前記第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、レーザ光が照射される前のRF信号の波形とレーザ光が照射された後のRF信号の波形との差分値と、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンとを比較して、前記差分値と前記パターンとが一致する場合、正常に前記追記マークが記録されたと判断し、前記差分値と前記パターンとが一致しない場合、正常に前記追記マークが記録されていないと判断することが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、レーザ光が照射される前のRF信号の波形とレーザ光が照射された後のRF信号の波形との差分値と、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンとが比較される。そして、差分値とパターンとが一致する場合、正常に追記マークが記録されたと判断され、差分値とパターンとが一致しない場合、正常に追記マークが記録されていないと判断される。したがって、追記マークの検出を鍵認証として利用することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記第2のレーザパワーで前記レーザ光が照射される発光区間の長さは、乱数系列によって決まることが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、乱数系列によって決まる。したがって、追記マークの記録位置がランダムに変化するため、乱数に基づいて記録されている位置を正確に把握して検出タイミングを生成しなければならず、乱数系列を適宜入れ替えることにより、複数の記録パターンで追記マークを記録することができる。
本発明の他の局面に係る集積回路は、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、前記凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記する光ディスク装置が備える集積回路であって、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号を取得するRF信号処理回路と、RF信号を復調して基準位置信号を検出する基準位置検出回路と、前記光ディスクの回転速度を少なくとも2種類の回転速度に切り替える回転速度制御回路と、前記基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で前記光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングを生成する発光タイミング生成回路と、前記発光タイミングにおいて前記光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーを増加させるレーザパワー制御回路と、前記RF信号から前記光ディスクによる反射光の反射率の変化量を検出する反射率変化量検出回路と、前記光ディスクに形成された前記凹凸ピットを再生する際に、前記回転速度制御回路に対して第1の回転速度を設定し、かつ前記レーザパワー制御回路に対して第1のレーザパワーを設定する凹凸ピット再生制御回路と、前記光ディスクに前記追記マークを追記する際に、前記第1の回転速度よりも遅くかつ前記凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度を前記回転速度制御回路に設定し、かつ前記発光タイミングに応じて前記第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーを前記レーザパワー制御回路に設定する追記マーク記録制御回路とを備える。
この構成によれば、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号が取得され、RF信号を復調して基準位置信号が検出される。回転速度制御回路によって、光ディスクの回転速度が少なくとも2種類の回転速度に切り替えられ、発光タイミング生成回路によって、基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングが生成され、レーザパワー制御回路によって、発光タイミングにおいて光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーが増加される。反射率変化量検出回路によって、RF信号から光ディスクによる反射光の反射率の変化量が検出される。そして、光ディスクに形成された凹凸ピットを再生する際に、回転速度制御回路に対して第1の回転速度が設定され、かつレーザパワー制御回路に対して第1のレーザパワーが設定される。また、光ディスクに追記マークを追記する際に、第1の回転速度よりも遅くかつ凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度が回転速度制御回路に設定され、かつ発光タイミングに応じて第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーがレーザパワー制御回路に設定される。
したがって、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる。
また、上記の集積回路において、前記光ディスクに形成された前記追記マークを検出する際には、前記反射率変化量検出回路によって検出された前記反射率変化量に基づいて前記追記マークを検出するよう制御する追記マーク検出制御回路をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、光ディスクに形成された追記マークを検出する際には、反射率変化量検出回路によって検出された反射率の変化量に基づいて追記マークを検出することができる。
本発明の他の局面に係る光ディスク制御方法は、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、前記凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記する光ディスク制御方法であって、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号を取得するRF信号処理ステップと、前記RF信号を復調して基準位置信号を検出する基準位置検出ステップと、前記光ディスクの回転速度を少なくとも2種類の回転速度に切り替える回転速度制御ステップと、前記基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で前記光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングを生成する発光タイミング生成ステップと、前記発光タイミングにおいて前記光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーを増加させるレーザパワー制御ステップと、前記RF信号から前記光ディスクによる反射光の反射率の変化量を検出する反射率変化量検出ステップと、前記光ディスクに形成された前記凹凸ピットを再生する際に、前記回転速度制御ステップにおいて第1の回転速度を設定し、かつ前記レーザパワー制御ステップにおいて第1のレーザパワーを設定する凹凸ピット再生制御ステップと、前記光ディスクに前記追記マークを追記する際に、前記第1の回転速度よりも遅くかつ前記凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度を前記回転速度制御ステップにおいて設定し、かつ前記発光タイミングに応じて前記第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーを前記レーザパワー制御ステップにおいて設定する追記マーク記録制御ステップとを含む。
この構成によれば、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号が取得され、RF信号を復調して基準位置信号が検出される。回転速度制御ステップにおいて、光ディスクの回転速度が少なくとも2種類の回転速度に切り替えられ、発光タイミング生成ステップにおいて、基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングが生成され、レーザパワー制御ステップにおいて、発光タイミングにおいて光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーが増加される。反射率変化量検出ステップにおいて、RF信号から光ディスクによる反射光の反射率の変化量が検出される。そして、光ディスクに形成された凹凸ピットを再生する際に、回転速度制御ステップにおいて第1の回転速度が設定され、かつレーザパワー制御ステップにおいて第1のレーザパワーが設定される。また、光ディスクに追記マークを追記する際に、第1の回転速度よりも遅くかつ凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度が回転速度制御ステップにおいて設定され、かつ発光タイミングに応じて第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーがレーザパワー制御ステップにおいて設定される。
したがって、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク制御方法において、前記光ディスクに形成された前記追記マークを検出する際には、前記反射率変化量検出ステップにおいて検出された前記反射率の変化量に基づいて前記追記マークを検出するよう制御する追記マーク検出制御ステップをさらに含むことが好ましい。
この構成によれば、光ディスクに形成された追記マークを検出する際には、反射率変化量検出ステップにおいて検出された反射率の変化量に基づいて追記マークを検出することができる。
なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
本発明に係る光ディスク装置、光ディスク制御方法及び集積回路は、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる光ディスク装置、光ディスク制御方法及び集積回路に利用可能である。
本発明は、凹凸ピットによって主情報が記録されている光ディスクに対して、固有の追記マークを追記するとともに、追記した追記マークを検出する光ディスク装置、光ディスク制御方法及び集積回路に関するものである。
デジタルコンテンツデータを記録する媒体としてDVD−ROM又はBD−ROMなどの光ディスクが幅広く利用されている。DVD−ROMにおいて、単層ディスクは4.7GB(ギガバイト)の記録容量を有し、2つの記録層を有する2層ディスクは8.5GBの記録容量を有している。さらに、BD−ROMにおいて、単層ディスクは25GBの記録容量を有し、2層ディスクは50GBの記録容量を有している。そのため、光ディスクは、広くデジタルデータの配布媒体として普及してきている。特に、データ量を多く記録できるBD−ROMはハイビジョン映像コンテンツデータなどを手軽に配布することができる光ディスクとして活用されている。
このように、光ディスクの記録容量が増大し、1枚の光ディスクに保存されるコンテンツ情報の容量が増えて光ディスク1枚あたりの価値が高まるにつれて、コンテンツ情報が凹凸ピットにより記録された光ディスクを1枚ごとに区別し管理したいという要望も強まっている。
しかし、一般に凹凸ピットによりコンテンツ情報を記録している光ディスクは、スタンパと呼ばれる原盤を作ることにより、一度に多数の光ディスクを複製することが可能であるという特徴を有する反面、同一原盤から複製するという特性上、原盤から複製された光ディスクは完全に同じピット形状を持っている。そのため、それぞれの光ディスクを1枚ごとに区別することは不可能である。
そこで、スタンパにより複製された光ディスクを1枚ごとに識別する技術として、光ディスクの内周部に、バーストカッティングエリア(BCA)と呼ばれる特別な領域を設け、YAGレーザと呼ばれる高出力レーザを用いて、半径方向に長いマークをバーコード状に記録することによってディスク固有のIDを記録する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
あるいは、光ディスクに形成された所定長さ以上のピット又はランドの中央付近にチャネルクロック単位幅のごく短いパルス記録を行って反射率を局所的に変化させ、ディスク識別情報を記録する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
あるいは、光ディスクの領域をデータ領域と識別領域とに分割し、識別領域には、それぞれ変調後のパターンが予め決められている複数のピットと複数のランドとを繰り返し記録しておき、その繰り返しピット及びランドにガスレーザ光を照射して反射膜を変化させ、変化させた反射膜から再生信号を検出する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
あるいは、ランダムに配列された主情報であるコンテンツ情報を記録した凹凸マーク(凹凸ピット)に沿ってチャネルビット長の整数倍で、連続的又は間欠的なレーザ光を照射して反射膜の反射率を変化させて副情報を記録する技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特許第3089599号公報
特許第3454410号公報
特許第4211395号公報
国際公開第2007/139077号
しかしながら、特許文献1で開示された発明においては、その文献の段落0035で述べられているように、光ディスクの反射膜をスリット状に溶融させるため、記録に大きなエネルギーが必要であり、YAGレーザのような比較的大型で高出力の工業用パルスレーザを用いなければ記録することができない。つまり、特許文献1の記録装置は工場に設置するような大掛かりなものにならざるを得ず、比較的低出力の半導体レーザ光源しか搭載していない一般のパソコン用光ディスクドライブでは、アルミニウムの反射膜を溶融してディスク識別用のIDを記録することは不可能である。
また、特許文献2で開示された発明は、その文献の段落0017で述べられているように、マークを記録する際は工場で仕上げ装置なる特殊な装置を用いて、ディスク再生信号のチャネルビット単位で正確に同期してディスク識別情報を記録する必要がある。ディスク識別情報の記録パルス幅は、ピットに本来書かれている情報の再生信号品質を損なわないために、ビット長より充分に短いことが必要である。特許文献2の例では、記録パルス幅は1チャネルビットである。通常、このように、熱伝導率の比較的良い反射膜に対し、再生装置での安定な検出を行いえる急峻なパルスを高精度な位置に記録するためには、記録型光ディスク装置と同等以上の精度を持つレーザ駆動回路と、比較的大きなレーザパワーを出力するレーザ光源とが必要である。
また、特許文献3で開示された発明は、その文献の段落0027で述べられているように、レーザ源としてアルゴンレーザ又はHe−Cdレーザ等のガスレーザが必要であり、特許文献1及び特許文献2と同様に、工場で管理された特別な記録装置を使うものである。本特許文献3で開示されている発明では、光ディスクの特定領域に予め決められた複数のピット及びランドのパターンを用意しておかなければならない。特許文献3の図11A及び図11Bには、3チャネルビット(3T)長のピット及びランドの繰り返しパターンが開示されている。また、特許文献3では、反射膜にガスレーザを照射して反射膜の特性を変化させた場合に、具体的にどの物理特性がどのように変化し、再生装置でどのような検出がなされるかは開示されていない。
また、特許文献4で開示された発明では、一定領域の凹凸ピットにレーザを照射して、光ディスクの反射率をある程度広い範囲にわたって変化させる。特許文献4で開示された発明は、反射率をある程度広い範囲にわたって変化させるため、反射率変化量が少ない場合でも検出感度がとりやすいという特徴がある。しなしながら、特許文献4では、凹凸ピットにレーザ光を照射してマークを記録することには触れているものの、具体的な記録装置の構成については言及されていない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる光ディスク装置、光ディスク制御方法及び集積回路を提供することを目的とするものである。
本発明の一局面に係る光ディスク装置は、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、前記凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記する光ディスク装置であって、光ピックアップと、前記光ピックアップからの出力に基づいてRF信号を取得するRF信号処理部と、前記RF信号を復調して基準位置信号を検出する基準位置検出部と、前記光ディスクの回転速度を少なくとも2種類の回転速度に切り替える回転速度制御部と、前記基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で前記光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングを生成する発光タイミング生成部と、前記発光タイミングにおいて前記光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーを増加させるレーザパワー制御部と、前記RF信号から前記光ディスクによる反射光の反射率の変化量を検出する反射率変化量検出部と、前記光ディスクに形成された前記凹凸ピットを再生する際に、前記回転速度制御部に対して第1の回転速度を設定し、かつ前記レーザパワー制御部に対して第1のレーザパワーを設定する凹凸ピット再生制御部と、前記光ディスクに前記追記マークを追記する際に、前記第1の回転速度よりも遅くかつ前記凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度を前記回転速度制御部に設定し、かつ前記発光タイミングに応じて前記第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーを前記レーザパワー制御部に設定する追記マーク記録制御部とを備える。
この構成によれば、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号が取得され、RF信号を復調して基準位置信号が検出される。回転速度制御部によって、光ディスクの回転速度が少なくとも2種類の回転速度に切り替えられ、発光タイミング生成部によって、基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングが生成され、レーザパワー制御部によって、発光タイミングにおいて光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーが増加される。反射率変化量検出部によって、RF信号から光ディスクによる反射光の反射率の変化量が検出される。そして、光ディスクに形成された凹凸ピットを再生する際に、回転速度制御部に対して第1の回転速度が設定され、かつレーザパワー制御部に対して第1のレーザパワーが設定される。また、光ディスクに追記マークを追記する際に、第1の回転速度よりも遅くかつ凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度が回転速度制御部に設定され、かつ発光タイミングに応じて第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーがレーザパワー制御部に設定される。
本発明によれば、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる。
本発明の実施の形態1における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1における光ディスク装置で使用する光ディスクのデータフォーマットを説明するための模式図である。
本発明の実施の形態1におけるマーク記録動作を示すタイミングチャートである。
凹凸ピットにより記録されたコンテンツデータを再生するデータ再生動作を示すフローチャートである。
追記マークを記録するマーク記録動作を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態1において、回転速度と、記録に必要なレーザパワーとの関係を示す図である。
光ディスクに記録された追記マークを検出するマーク検出動作を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態1におけるマーク検出処理を示すタイミングチャートである。
本発明の実施の形態1における他の追記マーク検出方法について説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態1におけるマーク検出処理を更に詳細に説明するためのフローチャートである。
本発明の実施の形態2におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態3におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態4におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態5におけるマーク記録制御部及びタイミング生成部の動作を説明するためのマーク記録動作のタイミングチャートである。
本発明の実施の形態6におけるタイミング生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態6におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態7におけるタイミング生成部の詳細な構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態7におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態8におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態9における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態9におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態10におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作及び追記マーク検出動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態11におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。図1において、光ディスク装置100は、入出力部101、CPU(中央演算処理装置)102、タイミング生成部106、レーザパワー切替部107、ディスク回転速度切替部108、光ピックアップ109、ディスクモータ110、RF信号処理部111、フォーカス及びトラッキング制御部112、復調回路113、誤り訂正部114及びマーク検出部115を備える。図1の破線内のブロックは、半導体集積回路124として、まとめてひとつのチップに実装される。
光ディスク装置100は、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスク1に対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記する。また、光ディスク装置100は、凹凸ピットによって記録された主情報を再生するとともに、追記された追記マークを再生する。
ディスクモータ110は、光ディスク1を一定速度で回転させる。光ピックアップ109は、光ディスク1から凹凸ピットにより記録された主情報を読み取る。光ピックアップ109は、光ディスク1にレーザ光を照射するとともに、光ディスク1からの反射光を受光し、光ピックアップ出力信号P0を出力する。
RF信号処理部111は、光ピックアップ109からの光ピックアップ出力信号P0に基づいてRF信号RFSを取得する。フォーカス及びトラッキング制御部112は、光ピックアップ109の照射する光ビームが正確に光ディスク1上の凹凸ピットをトレースするようにフォーカス方向及びトラキング方向に光ピックアップ109を駆動する。トラッキング制御方式としては、通常、凹凸ピットで構成されたコンテンツ情報を再生する際には位相差検出方式が用いられる。すなわち、フォーカス及びトラッキング制御部112は、位相差検出方式によりトラッキング制御を行う。復調回路113は、RF信号RFSを復調し、復調したデジタル信号DSを出力する。また、復調回路113は、RF信号RFSに含まれている同期符号を検出し、基準位置信号SYを発生させる。
誤り訂正部114は、復調回路113によって復調されたデジタル信号DSに含まれているランダムエラー及びバーストエラーを訂正し、デジタル再生信号RDとして入出力部101に伝達する。
入出力部101は、光ディスク装置100が例えば外部のパーソナルコンピュータなどから再生コマンドを受けられるようにするインタフェースである。入出力部101は、外部から入力される、データ再生、マーク記録及びマーク検出などの動作命令をCPU102へ出力する。また、入出力部101は、誤り訂正部114によって誤り訂正が行われたデジタル再生信号RD及びマーク検出部115によるマーク検出結果MDRを受け取り、外部へ出力する。
CPU102は、光ディスク装置100全体を制御し、データ再生制御部103、マーク記録制御部104及びマーク検出制御部105を備える。
マーク検出部115は、反射膜の反射率を変化させることにより記録された追記マークを検出する。マーク検出部115は、RF信号RFSから光ディスク1による反射光の反射率の変化量を検出する。タイミング生成部106は、CPU102からの指令を受け、復調回路113から受領する基準位置信号SYに同期して発光区間信号EZを生成する。タイミング生成部106は、基準位置信号SYにしたがって、あらかじめ決められた位置で光ピックアップ109から照射されるレーザ光の発光タイミングを生成する。
レーザパワー切替部107は、レーザパワーを切り替える。レーザパワー切替部107は、タイミング生成部106によって生成される発光タイミングにおいて光ピックアップ109から照射されるレーザ光のレーザパワーを増加させる。ディスク回転速度切替部108は、光ディスク1の回転速度を切り替える。ディスク回転速度切替部108は、光ディスク1の回転速度を少なくとも2種類の回転速度に切り替える。
データ再生制御部103は、光ディスク1に形成された凹凸ピットを再生する際に、ディスク回転速度切替部108に対して第1の回転速度を設定し、かつレーザパワー切替部107に対して第1のレーザパワーを設定する。
マーク記録制御部104は、光ディスク1に追記マークを追記する際に、第1の回転速度よりも遅くかつ凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度をディスク回転速度切替部108に設定し、かつ発光タイミングに応じて第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーをレーザパワー切替部107に設定する。
マーク検出制御部105は、光ディスク1に形成された追記マークを検出する際に、マーク検出部115によって検出された反射率の変化量に基づいて追記マークを検出するよう制御する。
なお、本実施の形態において、RF信号処理部111がRF信号処理部の一例に相当し、復調回路113が基準位置検出部の一例に相当し、ディスク回転速度切替部108が回転速度制御部の一例に相当し、タイミング生成部106が発光タイミング生成部の一例に相当し、レーザパワー切替部107がレーザパワー制御部の一例に相当し、マーク検出部115が反射率変化量検出部の一例に相当し、データ再生制御部103が凹凸ピット再生制御部の一例に相当し、マーク記録制御部104が追記マーク記録制御部の一例に相当し、マーク検出制御部105が追記マーク検出制御部の一例に相当し、フォーカス及びトラッキング制御部112がトラッキング制御部の一例に相当する。
図2は、本発明の実施の形態1における光ディスク装置で使用する光ディスクのデータフォーマットを説明するための模式図である。図2において、ECC(Error Correction Code)ブロック2は、光ディスク1から再生したデジタル信号DSに対して、誤り訂正可能な最小単位を表わす。フレーム3は、同期符号が付加される変調データの最小単位を表わす。通常、一つのECCブロックは、数百のフレームから構成される。更に、フレーム3は、同期符号4と変調データ5とから構成される。同期符号4は、ディスク上の再生データの位置決めをするために付加されている信号であり、通常は変調データには現れることのないユニークなパターンが用いられる。復調回路113は、同期符号4を検出することにより、基準位置信号SYを発生させる。
復調回路113は、基準位置信号SYを連続的に出力することも可能であるが、復調回路113内部にアドレス復調回路を有し、特定の開始アドレスに同期してアドレス復調回路から基準位置信号SYを出力するように構成することもできる。
図3は、本発明の実施の形態1におけるマーク記録動作を示すタイミングチャートである。タイミング生成部106は、基準位置信号SYに基づいて、発光区間信号EZを出力する。レーザパワー切替部107は、発光区間信号EZがLowである場合は、第1のレーザパワーレベル11で光ピックアップ109に搭載されたレーザ光源を発光させる。また、レーザパワー切替部107は、発光区間信号EZがHighである場合には、第1のレーザパワーレベル11より大きい第2のレーザパワーレベル10で光ピックアップ109に搭載されたレーザ光源を発光させる。レーザパワーが第2のレーザパワーレベル10である区間において、ディスク盤面上の凹凸ピット7に沿って、追記マーク8がディスク盤面上に形成される。
安定して追記マーク8を検出するためには、凹凸ピット7の復調信号とは異なる周波数帯域で追記マーク8を記録しなければ、RF信号RFSにおいて追記マーク8と凹凸ピット7との区別がつかなくなるおそれがある。このため、追記マーク8の長さは、凹凸ピット7の最短ピット長の10倍以上であることが望ましい。すなわち、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間は、凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上であることが好ましい。
安価な半導体レーザ光源を用いる場合には、第2のレーザパワーレベル10を著しく高く設定することはできない。第2のレーザパワーは、レーザ光源の寿命の観点から、第1のレーザパワーに比して5倍以上、10倍以下であることが好ましい。
次に、本発明の実施の形態1の特徴である、CPU102の指令を受けた場合のマーク検出部115、タイミング生成部106、レーザパワー切替部107及びディスク回転速度切替部108の動作について、図4、図5及び図7のフローチャートと、図6の説明図とを用いて更に詳細に説明する。
図4は、凹凸ピットにより記録されたコンテンツデータを再生するデータ再生動作を示すフローチャートである。
まず、入出力部101は、データ再生制御部103へ、凹凸ピットにより記録されたコンテンツデータを再生するためのデータ再生命令を出力する(ステップS11)。データ再生制御部103は、入出力部101から入力されたデータ再生命令を受け取り、光ディスク1を再生してコンテンツデータを読み取るために、光ディスク1の回転速度を設定するためのディスク回転速度設定信号DRS、光ピックアップ109から出射されるレーザ光のレーザパワーを設定するためのレーザパワー設定信号LPS、及びレーザ光の発光タイミングを設定するための発光タイミング設定信号EZCを出力する。
次に、データ再生制御部103は、ディスク回転速度設定信号DRSをディスク回転速度切替部108へ出力し、ディスクモータ110により光ディスク1が第1の回転速度、つまりコンテンツデータを再生する場合の回転速度で回転するようにディスク回転速度切替部108を設定する(ステップS12)。
次に、データ再生制御部103は、レーザパワー設定信号LPSをレーザパワー切替部107へ出力し、コンテンツデータの再生時に用いられる第1のレーザパワーでレーザ光源を発光するようにレーザパワー切替部107を設定する(ステップS13)。
次に、データ再生制御部103は、発光タイミング設定信号EZCをタイミング生成部106へ出力し、レーザ光源が常に第1のレーザパワーで発光する発光区間信号EZを出力するように、つまり第2のレーザパワーで発光する発光区間信号EZを出力しないようにタイミング生成部106を設定する(ステップS14)。
光ディスク1からのコンテンツデータの再生が開始されると、光ピックアップ109及びRF信号処理部111を経由して、復調回路113にRF信号RFSが入力される。次に、復調回路113は、RF信号RFSを復調し、デジタル信号DSの再生を開始する(ステップS15)。次に、誤り訂正部114は、デジタル信号DSの誤り訂正を行い、デジタル再生信号RDを入出力部101へ出力する(ステップS16)。
なお、データ再生時には、フォーカス及びトラッキング制御部112によるフォーカス制御及びトラッキング制御、又は光ピックアップ109の位置制御なども必要であるが、これらは一般の光ディスク装置が普通に備えている機能であり、ここでは説明を省略している。
図5は、追記マークを記録するマーク記録動作を示すフローチャートである。
まず、入出力部101は、マーク記録制御部104へ、追記マークを記録するためのマーク記録命令を出力する(ステップS21)。マーク記録制御部104は、入出力部101から入力されたマーク記録命令を受け取り、追記マークを記録するために、光ピックアップ109から出射されるレーザ光のレーザパワーを設定するためのレーザパワー設定信号LPS、光ディスク1の回転速度を設定するためのディスク回転速度設定信号DRS、及びレーザ光の発光タイミングを設定するための発光タイミング設定信号EZCを出力する。
次に、マーク記録制御部104は、レーザパワー設定信号LPSをレーザパワー切替部107へ出力し、第2のレーザパワーでレーザ光源を発光するようにレーザパワー切替部107を設定する(ステップS22)。
次に、マーク記録制御部104は、ディスク回転速度設定信号DRSをディスク回転速度切替部108へ出力し、ディスクモータ110により光ディスク1が第2の回転速度で回転するようにディスク回転速度切替部108を設定する(ステップS23)。
次に、マーク記録制御部104は、発光タイミング設定信号EZCをタイミング生成部106へ出力し、レーザ光源が第2のレーザパワーで発光する発光区間信号EZを出力するようにタイミング生成部106を設定する(ステップS24)。図3に示すタイミングチャートの例では、マーク記録制御部104は、基準位置信号SYの後に、一定区間幅のパルスを生成するように発光タイミングを設定する。
光ディスク上の再生位置が同期符号の位置に達すると、復調回路113より基準位置信号SYが出力される。マーク記録制御部104は、基準位置信号SYが記録開始位置であるか否かを判断する(ステップS25)。ここで、基準位置信号SYが記録開始位置ではないと判断された場合(ステップS25でNO)、基準位置信号SYが記録開始位置になるまでステップS25の判断処理が繰り返し行われる。
一方、基準位置信号SYが記録開始位置であると判断された場合(ステップS25でYES)タイミング生成部106は、基準位置信号SYに基づいて、レーザ光を発光させる区間を表す発光区間信号EZを生成する(ステップS26)。レーザパワー切替部107は、発光区間信号EZで表される発光区間において、レーザ光源の発光パワーを、第1のレーザパワーから第2のレーザパワーに切り替える(ステップS27)。
次に、マーク記録制御部104は、基準位置信号SYが最終記録アドレスであるか否かを判断する(ステップS28)。ここで、基準位置信号SYが最終記録アドレスではないと判断された場合(ステップS28でNO)、ステップS26の処理へ戻る。一方、基準位置信号SYが最終記録アドレスであると判断された場合(ステップS28でYES)、マーク記録動作を終了する。以上のステップS26〜ステップS28の動作が、基準位置信号SYが最終記録アドレスになるまで繰り返されて、追記マークが記録される。
上記の説明では、光ディスク上の再生位置が特定位置になったとき、基準位置信号SYが出力されるとしているが、基準位置信号SYが同期符号の位置で常に出力されるように構成し、アドレス情報が復調回路113からタイミング生成部106に基準位置信号SYと同時に出力され、タイミング生成部106がアドレス情報に基づいて特定位置を判断するように構成することも可能である。
図6は、本発明の実施の形態1において、回転速度と、記録に必要なレーザパワーとの関係を示す図である。凹凸ピットが形成された光ディスク1に追記マークを記録する際には、レーザ光を照射することにより一定の熱エネルギーを反射膜に与え、反射膜に物理的及び光学的な変化を起こさせる。光ディスク1の線速度つまり回転速度が速いほど、反射膜の単位長さあたりに加えられる熱量は少なくなり、光ピックアップ109から大きなレーザパワーでレーザ光を照射しないと反射膜に変化を起こさせることができない。
図6のパワー曲線12において、第1の回転速度x1及びレーザパワーAで反射膜に物理的及び光学的な変化を与えることが可能であるとする。このとき、第1の回転速度x1よりも低速な第2の回転速度x2で反射膜に第1の回転速度x1で回転させた場合と同じ物理的及び光学的な変化を与えるために必要なレーザパワーはレーザパワーBであり、レーザパワーBはレーザパワーAよりも低い値になる。
第2の回転速度は、凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度の2分の1以下であることが好ましい。本発明の実施の形態1においては、第2の回転速度x2が、通常光ディスク装置が持っているコンテンツデータの再生に必要な最低回転速度x3に対して例えば半分以下に設定されることにより、充分に低いレーザパワーで反射膜に物理的及び光学的な変化を起こさせるように構成することができる。
また、第2の回転速度は、第1の回転速度の10分の1以下であることが好ましい。一般的に、光ディスク装置は、コンテンツデータの再生を高速に行い得るように設計するのが普通であるが、第2の回転速度は、第1の回転速度の10分の1以下とすることにより、充分に低いレーザパワーで反射膜に物理的及び光学的な変化を起こさせることが可能となる。
図7は、光ディスクに記録された追記マークを検出するマーク検出動作を示すフローチャートである。
まず、入出力部101は、マーク検出制御部105へ、光ディスク1に記録された追記マークを検出するためのマーク検出命令を出力する(ステップS31)。マーク検出制御部105は、入出力部101からマーク検出命令を受け取り、光ディスク1に記録された追記マークを検出するために、レーザ光の発光タイミングを設定するための発光タイミング設定信号EZC、光ピックアップ109から出射されるレーザ光のレーザパワーを設定するためのレーザパワー設定信号LPS、及び光ディスク1の回転速度を設定するためのディスク回転速度設定信号DRSを出力する。
次に、マーク検出制御部105は、レーザパワー設定信号LPSをレーザパワー切替部107へ出力し、コンテンツデータの再生時に用いられる第1のレーザパワーでレーザ光源を発光するようにレーザパワー切替部107を設定する(ステップS32)。
次に、マーク検出制御部105は、ディスク回転速度設定信号DRSをディスク回転速度切替部108へ出力し、ディスクモータ110により光ディスク1が第1の回転速度で回転するようにディスク回転速度切替部108を設定する(ステップS33)。
次に、マーク検出制御部105は、発光タイミング設定信号EZCをタイミング生成部106へ出力し、レーザ光源が第1のレーザパワーで発光する発光区間信号EZを出力するように、つまり第2のレーザパワーで発光する発光区間信号EZを出力しないようにタイミング生成部106を設定する(ステップS34)。
光ディスク1からのコンテンツデータの再生が開始されると、光ピックアップ109及びRF信号処理部111を経由して、復調回路113にRF信号RFSが入力される。次に、復調回路113は、RF信号RFSを復調し、基準位置信号SYを出力する(ステップS35)。
次に、マーク検出部115は、基準位置信号SYが最終記録アドレスであるか否かを判断する(ステップS36)。ここで、基準位置信号SYが最終記録アドレスであると判断された場合(ステップS36でYES)、マーク検出部115は、マーク検出結果MDRを入出力部101に出力し、マーク検出動作は終了となる(ステップS37)。一方、基準位置信号SYが最終記録アドレスに到達する前であれば、すなわち、基準位置信号SYが最終記録アドレスではないと判断された場合(ステップS36でNO)、マーク検出部115は、後述するマーク検出処理を実行する(ステップS38)。
本実施の形態では、マーク検出動作時のディスク回転速度は第1の回転速度であるとしているが、第2の回転速度で追記マークを検出するように構成することもできる。一般に、ディスクモータの回転速度の切り替えには応答時間が必要であり、切り替えに要する応答時間が、データ再生動作、マーク記録動作及びマーク検出動作全体の所要時間に影響を与える。そのため、コンテンツデータの再生、追記マークの記録及び追記マークの再生の各動作順序を考慮しながら、全体の処理時間が最短になるように回転速度を決定することが好ましい。
図8は、本発明の実施の形態1におけるマーク検出処理について説明するためのタイミングチャートである。図8において、ECCブロック2、フレーム3、凹凸ピット7及び追記マーク8は、図2と同じである。
図8に示すRF信号13は、RF信号処理部111から出力されたRF信号RFSをアナログ波形として示している。RF信号RFSの先頭には同期符号部があり、続いて規定の変調規則に則った見かけ上ランダムなピット列がデータとして並んでいる。破線で示すRF信号14は、追記マークが記録された後のRF信号を表し、実線で示すRF信号15は、追記マークが記録される前のRF信号を表しており、RF信号14はRF信号15に対して反射率の変化があることを示している。一点鎖線で示す追記マークが記録された後のRF信号の平均値17は、二点鎖線で示す追記マークが記録される前のRF信号の平均値16よりも増加している。つまり、追記マークの有無は、追記マークがない場合のRF信号の平均値と、追記マークがある場合のRF信号の平均値との差分18として検出することができる。マーク検出部115は、RF信号の振幅平均値を計測し、計測した振幅平均値の変動量をモニタすることにより反射率変化量を検出する。
また、マーク検出部115は、追記マークが記録されているマーク追記部のRF信号波形を積分し、積分量の変化に基づいて追記マークを検出してもよい。すなわち、マーク検出部115は、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間内におけるRF信号の積分値と、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間以外で発光区間と同じ長さの区間内におけるRF信号の積分値とをそれぞれ検出し、検出した2つの積分値の差を求めることにより反射率変化量を検出してもよい。
また、マーク検出部115は、復調回路113からピット長に関する情報を取得し、一定長以上のピット又はランドの中央部付近のみの値を平均値の算出に用いてもよい。すなわち、マーク検出部115は、検出されたピット長が一定長以上である凹凸ピットの中央部での反射率の変化量のみを検出する。これにより、凹凸ピットが長短入り乱れてランダムに並んでいることによる振幅平均値算出時の誤差を低減することができる。また、マーク検出部115は、同じ長さのピット又はランドだけを平均値の算出に用いてもよい。
また、マーク検出部115は、追記マークの記録による反射率の変化を、RF信号の微小な揺らぎとして検出しても良い。例えば、図8において、追記マークが記録される前のRF信号15に比べて、追記マークが記録された後のRF信号14は、追記マークの影響により、時間軸上で微小に変化している(ずれている)ことが判る。マーク検出部115は、RF信号の時間軸上の微小な変化を、所定の統計処理を行うことで、追記マークの有無を検出することできる。統計処理は、例えば、一般的なジッタ値を導出する処理である。すなわち、追記マークの有無は、ジッタ値の違いにより、検出することができる。
または、図9で表される追記マーク検出方法を用いてもよい。図9は、本発明の実施の形態1における他の追記マーク検出方法について説明するためのタイミングチャートである。
図9において、タイミング生成部106は、追記マーク検出時に事前に知られている追記マーク記録区間に追記マークが記録されているか検出するため、追記マークが記録されているはずの区間で検出区間信号DZをマーク検出部115に出力する。マーク検出部115は、検出区間信号DZの出力区間において、光ディスク1の再生が不安定になった場合に追記マークが記録されていると判断する。
例えば、マーク検出部115は、検出区間信号DZの出力区間でPLL(Phase Lock Loop)回路のロックが外れたことを検出する。PLL回路のロックが外れたことは、周波数が所定基準値以上ずれたことを意味する。
なお、これまで述べたマーク検出部115によって追記マークを検出する際に、再生信号品質を一定に保つために光ディスク装置に一般的に備わっている所定の信号処理機能、例えば、RF信号振幅の中心を調整するベースライン制御機能、振幅を一定の幅に保つよう調整するAGC機能、又は周波数を一定に保つPLL機能を動作させないことによって、追記マーク検出感度を上げることができる。これらの信号処理機能は、一般的にRF信号の変化を補正するように動作する。そのため、これらの信号処理機能が動作していると、追記マークによるRF信号の変動が小さくなってしまうため、追記マークの検出感度が劣る。
図10は、本発明の実施の形態1におけるマーク検出処理を更に詳細に説明するためのフローチャートである。図10を用いて、マーク検出部115の詳細な動作について説明する。
マーク検出処理が開始されると、マーク検出部115は、各所定区間のRF信号波形の信号レベルの平均値を算出する(ステップS41)。次に、マーク検出部115は、識別領域のRF信号波形の取得が完了したか否かを判断する(ステップS42)。ここで、識別領域のRF信号波形の取得が完了していないと判断された場合(ステップS42でNO)、ステップS41の処理へ戻る。
一方、識別領域のRF信号波形の取得が完了したと判断された場合(ステップS42でYES)、マーク検出部115は、他の区間と比較してRF信号波形の信号レベルの平均値が所定値以上高い区間が存在するか否かを判断する(ステップS43)。ここで、他の区間と比較してRF信号波形の信号レベルの平均値が所定値以上高い区間が存在すると判断された場合(ステップS43でYES)、マーク検出部115は、該当区間に追記マークが存在すると判定する(ステップS44)。一方、他の区間と比較してRF信号波形の信号レベルの平均値が所定値以上高い区間が存在しないと判断された場合(ステップS43でNO)、マーク検出部115は、該当区間に追記マークが存在しないと判定する(ステップS45)。
このように、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる。
また、1チャネルビット幅といった高精度なパルス記録は不要であり、例えばフレーム長の整数倍といった周波数帯域の低いレーザパワー制御で追記マークの記録が可能となるので、記録型光ディスクで用いられているような高速かつ高精度なレーザ駆動回路が不要となり、光ディスク装置を安価に構成することができる。
また、追記マークは、ルーペなどで目視可能なストライプ状のマークではないため、ユーザが追記マークの存在を特定することが困難であり、追記マークにより記録された情報のセキュリティを向上させることができる。
また、同期符号パターン上に追記マークを形成しなければならないという制約もなく、追記マークを記録する下地にあたる凹凸ピットの変調パターンが予め決められた固定パターンである必要はない。そのため、追記マークの記録位置は光ディスク上のどこにでも設定可能であり、運用上の融通性が高いという利点を持つ。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態2における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
本発明では、タイミング生成部106の動作を工夫することで、追記マークの形成方法が多種考えられる。図11は、本発明の実施の形態2におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。実施の形態2における光ディスク装置の構成要素は図1と同じなので、説明を省略し、実施の形態1とは異なるタイミング生成部の動作のみを説明する。
実施の形態2では、タイミング生成部106は、追記マークの記録区間を、基準位置信号SYの整数倍とする。すなわち、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、凹凸ピットのフレーム間隔の整数倍であることが好ましい。このように構成することにより、追記マークの始端及び終端をフレーム単位で構成できるという利点を持つ。
また、追記マークの長さを、あるECCブロックの先頭フレームから出力される基準位置信号SYから、次のECCブロックの先頭フレームから出力される基準位置信号SYまでの長さで記録するように構成することもできる。このようにすることにより、追記マークの始端及び終端をECCブロック単位で容易に管理及び構成できる。
また、通常、光ディスク装置においては、ECCブロックは凹凸ピットで記録されている物理アドレス情報と関連づけて管理されている。そのため、追記マークの記録長をECCブロックの整数倍として、記録の開始点と終了点とを比較的容易に管理できるように構成することもできる。
すなわち、光ディスク1に凹凸ピットで記録されている主情報は、一定単位のユーザデータに対してエラー訂正情報が付加されたエラー訂正ブロック単位で構成されている。マーク記録制御部104は、エラー訂正ブロック単位で、タイミング生成部106によって生成される第2のレーザパワーで発光される発光区間を制御する。このとき、タイミング生成部106によって生成される第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、エラー訂正ブロックの単位長さの整数倍である。
このような長期間にわたり、第2のレーザパワーに切り替える場合には、その発光区間でフォトディテクタの感度を切り替え、位相差サーボを第2のレーザパワー発光時にも行うように構成することができる。すなわち、フォーカス及びトラッキング制御部112は、第2のレーザパワーで発光される発光区間内においても、トラッキング制御を行う。
また、上記のように追記された追記マークを検出する際には、追記マークの長さが長いので、RF信号の平均値が安定し、メディアの傷又は汚れなどの外乱に追記マークの検出結果が左右されにくいという特徴を持つ。また、記録区間が長いので、RF信号の平均値に基づいて追記マークを検出するのではなく、RF信号の変化量に比例したパラメータ、例えば主情報の変調符号の再生ジッタの悪化、又はアシンメトリの変化に基づいて追記マークを検出することも可能である。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態3における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図12は、本発明の実施の形態3におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。実施の形態3における光ディスク装置の構成要素は図1と同じなので、説明を省略し、実施の形態1及び2とは異なるタイミング生成部の動作のみを説明する。本実施の形態3では、追記マーク21は、例えば4フレーム間隔で記録される。
レーザパワーを通常の再生パワー以上の第2のレーザパワーに切り替えて追記マーク21を記録している発光区間22では、光ピックアップ109のフォトディテクタが飽和してしまい、正常な光ピックアップ出力信号P0を出力できなくなる場合がある。このような場合、フォーカス及びトラッキング制御部112にも正常な信号が入力されないため、一時的に光ピックアップ109のトラッキング制御が不能となる。
そこで、実施の形態3では、追記マーク21を記録するために第2のレーザパワーで発光している発光区間22は、1フレーム長以下とし、フォーカス及びトラッキング制御部112は、発光区間22内において位相差信号によるトラッキングサーボをホールドする。そして、フォーカス及びトラッキング制御部112は、隣接する追記マーク21の間の3フレーム長以上の区間23においてトラッキング制御のリカバリを行う。
すなわち、フォーカス及びトラッキング制御部112は、第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、トラッキング制御をホールドする。また、凹凸ピットは同期符号を含み、同期符号間の距離を1フレーム長としたとき、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間22の長さは、1フレーム長以下であり、かつ次の発光区間22までの間隔は3フレーム長以上である。
なお、復調回路113が、自動ゲイン制御(AGC)回路又はPLL回路を内蔵している場合、それらの回路も第2のレーザパワーによる光ピックアップ出力信号P0の変動に応答しないように、ホールドすることが好ましい。すなわち、復調回路113は、第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、PLL回路の周波数比較機能又は位相比較機能をホールドする。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態4における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図13は、本発明の実施の形態4におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。図13において、4フレームごとに追記マークを記録することは、実施の形態3と同じであるが、本実施の形態4では、2種類の記録モードを持たせている。タイミング生成部106は、エラー訂正ブロック内において、等間隔で複数の第2のレーザパワーで発光される発光タイミングを生成する。
図13に示すように、4フレーム周期の第1の位相で第2のレーザパワーを有するレーザ光を発光させた場合には、第1の追記マーク24が光ディスク1に形成される。また、第1の位相から1フレームだけずらした4フレーム周期の第2の位相で第2のレーザパワーを有するレーザ光を発光させた場合は、第2の追記マーク25が光ディスク1に形成される。マーク記録制御部104は、タイミング生成部106に対して、第1の位相及び第2の位相のいずれの位相で記録するかを指示する。
タイミング生成部106は、光ディスク1上で互いに重なることがないように事前に決められた第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのいずれかを生成する。マーク記録制御部104は、タイミング生成部106に対し、第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのうちのいずれの発光タイミングを選択するかを指示する。
つまり、追記マークの検出時に、記録されている位相を検出することにより、2種類の情報を記録及び識別することが可能である。2種類の情報は、例えばバイナリデータの“0”及び“1”に対応させることができる。隣接する追記マークが4フレーム間隔であれば、各位相をそれぞれ1フレームずつずらすことにより、最大4種類の情報を記録することができ、バイナリデータの“00”、“01”、“10”及び“11”などに対応させることができる。この場合、マーク検出部115は、それぞれの位相に対応した区間でのみ検出処理を行う複数の検出回路を有する必要がある。
マーク検出部115は、事前に決められた第1の発光タイミングにおける反射率変化量と、第2の発光タイミングにおける反射率変化量とを検出し、第1の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“0”を対応付けるとともに、第2の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“1”を対応付けた2値データを検出する。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態5における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図14は、本発明の実施の形態5におけるマーク記録制御部及びタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
実施の形態5において、マーク記録制御部104は、第2のレーザパワーをさらに2種類用意して、追記マークを記録するフレームに応じて、第3のレーザパワーと、第3のレーザパワーより大きい第4のレーザパワーとの2種類のレーザパワーを使い分ける。
追記マーク26は、第3のレーザパワーのレーザ光を照射することにより追記された追記マークである。追記マーク27は、第4のレーザパワーのレーザ光を照射することにより追記された追記マークである。追記マーク28は、第3のレーザパワーのレーザ光を照射した上に、さらに第4のレーザパワーのレーザ光を照射することにより追記された追記マークである。
実施の形態5では、複数のレーザパワーを使い分けることにより、光ディスク1に複数の異なった種類の追記マークを形成している。第3のレーザパワーと第4のレーザパワーとを異ならせることにより、図8で説明したマーク検出部115において検出されるRF信号の平均値の差分18が異なる。実施の形態5では、マーク検出部115は、追記マーク26に対応したRF信号の平均値、追記マーク27に対応したRF信号の平均値、追記マーク28に対応したRF信号の平均値、及び追記マークのない部分29に対応したRF信号の平均値の4種類の値を検出する。したがって、これらの値を実施の形態4と同様に2ビットのバイナリデータとして用いることができる。
また、一度追記した追記マークの記録が光ディスクの汚れ等、何らかの原因で不十分であった場合に、レーザパワーを第3のレーザパワーから第4のレーザパワーに増大させて、追記マークを改めて形成しなおす用途に用いることもできる。追記マークが充分に形成されているかどうかは、図4に示したRF信号の平均値の変化量から推定することができる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態6における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図15は、本発明の実施の形態6におけるタイミング生成部の詳細な構成を示すブロック図である。光ディスク装置100は、タイミング生成部106に替えてタイミング生成部116を備える。図15において、タイミング生成部116は、アドレス領域識別部117、マーク間隔生成器118及びマーク幅生成器119を備える。アドレス領域識別部117は、特定フレームにアドレス情報が含まれているかどうかを識別する。ここで、アドレス領域識別部117は、アドレス情報が含まれているアドレス領域(フレーム)を識別するために必要なアドレス検出情報を復調回路113から取得する。マーク間隔生成器118は、発光区間信号EZの周期を決定する。マーク幅生成器119は、事前に決められた幅の発光区間信号EZを生成する。
次に、図16に示すタイミングチャートを用いて、実施の形態6の追記マーク記録動作について説明する。図16は、本発明の実施の形態6におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図16において、ECCブロック2は、アドレス情報の存在しないフレーム30と、アドレス情報が存在するフレーム31とを含む。実施の形態6におけるタイミング生成部116は、アドレス情報の存在しているフレーム31の区間においては、発光区間信号EZを出力しない。この結果、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光区間は、アドレス情報の存在しないフレーム30に対応する区間だけとなる。したがって、アドレス情報の存在しないフレーム30において、追記マーク32は記録されるが、アドレス情報の存在しているフレーム31において、レーザパワーが第2のレーザパワーにはならず、追記マーク32は形成されない。
すなわち、光ディスク1に凹凸ピットで記録されている主情報は、光ディスク1内の物理的位置を示すアドレス情報を含む。タイミング生成部116は、アドレス情報が記録されている領域を避けて第2のレーザパワーでレーザ光を照射するように発光タイミングを生成する。
実施の形態3において、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光区間では、光ピックアップ109のフォトディテクタが飽和することを例示したが、フォトディテクタが飽和することによりサーボ制御を行うフォーカス及びトラッキング制御部112以外のRF信号処理部111においても、正常な信号処理ができなくなることがある。この発光区間において、RF信号処理部111が有するAGC回路又はPLL回路をホールドした場合、ホールドした区間では、次段の復調回路113に正常な信号が出力されず、よってアドレス情報を復調することができなくなる。
実施の形態6では、図16に示すようにアドレス情報を含む区間(フレーム)を避けて追記マークが形成されることにより、複数の追記マークが形成される場合でも、アドレス情報が記録されたフレームでは第2のレーザパワーに切り替わらない。そのため、サーボ制御及び復調処理が可能となり、アドレス情報も検出可能となる。このため、復調されるアドレス情報の連続性を、例えば復調回路113又はマーク記録制御部104が監視することができ、メディアの傷又は外乱によるトラック飛びを検出することができる。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態7における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図17は、本発明の実施の形態7におけるタイミング生成部の詳細な構成を示すブロック図である。光ディスク装置100は、タイミング生成部106に替えてタイミング生成部120を備える。図17において、タイミング生成部120は、乱数発生器121、マーク間隔生成器122及びマーク幅発生器123を備える。乱数発生器121は、乱数を発生させる。マーク間隔生成器122は、乱数発生器121から発生された乱数に基づき、発光区間信号EZの周期をランダムに生成する。マーク幅発生器123は、事前に決められた幅の発光区間信号EZを生成する。
すなわち、タイミング生成部120は、乱数を発生させ、発生させた乱数に基づいて、第2のレーザパワーで発光される発光タイミングの周期をランダムに変更する。
次に、図18のタイミングチャートを用いて、実施の形態7における追記マークの記録動作について説明する。図18は、本発明の実施の形態7におけるタイミング生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。図18において、追記マーク36の間隔33,34,35は、乱数によってランダムに変わる。
実施の形態7では、追記マーク36の記録位置がランダムである。そのため、マーク検出時においては、マーク検出部115は、追記マーク36が記録されている位置を正確に把握して、検出タイミングを生成しなければならない。しかしながら、乱数発生器121における乱数系列を適宜入れ替えることにより、複数の記録パターンで追記マークを記録することが可能となる。
(実施の形態8)
次に、実施の形態8における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態8における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図19は、本発明の実施の形態8におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。図19において、基準位置信号SYの間の1フレーム内に、複数の追記マークが記録される。
タイミング生成部106は、復調回路113によって生成されるチャネルクロックに同期して、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光区間信号EZを生成する。実施の形態8では、基準位置信号SYと、追記マークの記録が開始されるタイミングとが異なる。そのため、追記マーク検出時においては、マーク検出部115は、記録されているマーク位置を正確に把握して、検出タイミングを生成しなければならない。しかしながら、1フレーム内に複数の追記マークを記録するように発光区間信号EZが生成されるため、追記マークの記録情報量を増加させることができる。
なお、第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上であることが好ましい。
(実施の形態9)
次に、実施の形態9における光ディスク装置について説明する。図20は、本発明の実施の形態9における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態9における光ディスク装置100’において、図1に示す実施の形態1における光ディスク装置100と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。光ディスク装置100’は、シフト制御部125をさらに備える。
CPU102のマーク記録制御部104は、シフト制御設定信号SSを出力し、追記マーク記録時にレーザ光照射位置が光ディスクの半径方向に事前に決められた微少距離だけシフトするようシフト制御部125を設定する。シフト制御部125は、シフト制御設定信号SSに従って、タイミング生成部106から出力される発光区間信号EZのタイミングに同期して光ピックアップ109が光ディスクの半径方向に対して事前に決められた微少距離だけシフトするようトラッキング制御信号をフォーカス及びトラッキング制御部112へ出力する。
図21は、本発明の実施の形態9におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。図21において、追記マーク41a,41bは、凹凸ピット40が記録されている位置より光ディスクの半径方向に微小距離だけシフトして記録される。
シフト制御部125は、光ディスクの半径方向の追記マークの中心がピットの中心から内周側又は外周側へ微小距離だけシフトさせて追記マークを記録するための第1の追記マークシフト信号と、第1の追記マークシフト信号とは逆の方向へ微小距離だけシフトさせて追記マークを記録するための第2の追記マークシフト信号とを生成する。
シフト制御部125は、タイミング生成部106によって生成される第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、光ピックアップ109によって出射されるレーザ光を、光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心から所定の距離だけ内周方向又は外周方向にシフトさせる。
シフト制御部125によって第1の追記マークシフト信号が出力されている区間では、追記マーク41aは、光ディスクの半径方向の追記マークの中心が凹凸ピット40の中心から内周側又は外周側へ微小距離だけシフトさせて記録される。また、シフト制御部125によって第2の追記マークシフト信号が出力されている区間では、追記マーク41bは、第1の追記マークシフト信号とは逆の方向へ微小距離だけシフトさせて記録される。
例えば、図21に示すように、追記マーク41aの中心線42は、凹凸ピット40の中心線43に対して内周側へシフトしており、追記マーク41bの中心線44は、凹凸ピット40の中心線43に対して外周側へシフトしている。
実施の形態8のマーク検出時においては、光ピックアップ109が反射光の反射率の非対称性を検出し、追記マークが記録されていることだけでなく、追記マークが内周方向又は外周方向にシフトしていることを検出する。
すなわち、マーク検出部115は、追記マークからの反射光の分布が光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心に対して非対称であることを検出し、非対称である反射光のRF信号の振幅平均値を計測し、計測した振幅平均値の変動量をモニタすることにより反射率変化量を検出する。
本実施の形態8では、追記マークを光ディスクの半径方向に微小距離だけシフトすることによって記録できる情報量を増加させることができる。
(実施の形態10)
次に、実施の形態10における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態10における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図22は、本発明の実施の形態10におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作及び追記マーク検出動作を説明するためのタイミングチャートである。図22に示す実施の形態10では、レーザ光を異なる振幅で出力させ、追記マーク検出時において凹凸ピット55による影響を除いた、矩形以外の形状のRF信号波形を取得する。
レーザパワー切替部107は、追記マークを記録する際に、光ピックアップ109が出力するレーザ光の振幅を例えば、事前に決められたパターン又は乱数系列に基づいたランダムなパターンによって変化させて、追記マーク59を記録する。これにより、1つの追記マーク59には、反射率の異なる複数の領域56,57,58が含まれる。すなわち、レーザパワー切替部107は、タイミング生成部106によって生成される第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンにしたがって第2のレーザパワーが複数の値に変化するように制御する。
また、図22では、追記マークが記録される前のRF信号51と、追記マークが記録された後のRF信号52と、追記マークが記録される前のRF信号51と追記マークが記録された後のRF信号52との差分53と、追記マークが記録される前のRF信号51と追記マークが記録された後のRF信号52との理想的な差分54とを示している。
実施の形態8では、マーク検出部115は、追記マークが検出される際に、再生されたRF信号の追記マークによる差分53と、再生されたRF信号の追記マークによる理想的な差分54とを比較する。マーク検出部115は、追記マークが検出される際に、再生されたRF信号の追記マークによる差分53と、再生されたRF信号の追記マークによる理想的な差分54とが一致するか否かを判断する。
すなわち、マーク検出部115は、タイミング生成部106によって生成される第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、レーザ光が照射される前のRF信号の波形とレーザ光が照射された後のRF信号の波形との差分値と、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンとを比較して、差分値とパターンとが一致する場合、正常に追記マークが記録されたと判断し、差分値とパターンとが一致しない場合、正常に追記マークが記録されていないと判断する。
これにより、例えば、追記マークの検出を鍵認証として利用することができる。マーク検出部115は、正しい記録位置に、RF信号の理想的な差分54と一致するRF信号の差分53が検出されない場合、事前に正しい鍵が追記マークとして記録されていないとして、光ディスク1に凹凸ピットにより記録されているコンテンツデータの再生を禁止する。
(実施の形態11)
次に、実施の形態11における光ディスク装置について説明する。なお、実施の形態11における光ディスク装置の構成は、実施の形態1における光ディスク装置100の構成と同じであるので説明を省略し、光ディスク装置100と異なる点についてのみ説明する。
図23は、本発明の実施の形態11におけるタイミング生成部の追記マーク記録動作を説明するためのタイミングチャートである。
図23において、追記マーク61の記録区間と未記録区間とはともに周期が一定でなく、例えば乱数によって記録区間と未記録区間とをランダムに変化させる。すなわち、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、乱数系列によって決まる。タイミング生成部106は、乱数を発生させ、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さ及び隣接する発光区間の間隔を、発生させた乱数によって決定する。
この場合、追記マーク61の記録位置がランダムに変化しているため、乱数に基づいて記録されている位置を正確に把握して検出タイミングを生成しなければならない。しかしながら、乱数系列を適宜入れ替えることにより、複数の記録パターンで追記マークを記録することが可能となる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る光ディスク装置は、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、前記凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記する光ディスク装置であって、光ピックアップと、前記光ピックアップからの出力に基づいてRF信号を取得するRF信号処理部と、前記RF信号を復調して基準位置信号を検出する基準位置検出部と、前記光ディスクの回転速度を少なくとも2種類の回転速度に切り替える回転速度制御部と、前記基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で前記光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングを生成する発光タイミング生成部と、前記発光タイミングにおいて前記光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーを増加させるレーザパワー制御部と、前記RF信号から前記光ディスクによる反射光の反射率の変化量を検出する反射率変化量検出部と、前記光ディスクに形成された前記凹凸ピットを再生する際に、前記回転速度制御部に対して第1の回転速度を設定し、かつ前記レーザパワー制御部に対して第1のレーザパワーを設定する凹凸ピット再生制御部と、前記光ディスクに前記追記マークを追記する際に、前記第1の回転速度よりも遅くかつ前記凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度を前記回転速度制御部に設定し、かつ前記発光タイミングに応じて前記第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーを前記レーザパワー制御部に設定する追記マーク記録制御部とを備える。
この構成によれば、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号が取得され、RF信号を復調して基準位置信号が検出される。回転速度制御部によって、光ディスクの回転速度が少なくとも2種類の回転速度に切り替えられ、発光タイミング生成部によって、基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングが生成され、レーザパワー制御部によって、発光タイミングにおいて光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーが増加される。反射率変化量検出部によって、RF信号から光ディスクによる反射光の反射率の変化量が検出される。そして、光ディスクに形成された凹凸ピットを再生する際に、回転速度制御部に対して第1の回転速度が設定され、かつレーザパワー制御部に対して第1のレーザパワーが設定される。また、光ディスクに追記マークを追記する際に、第1の回転速度よりも遅くかつ凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度が回転速度制御部に設定され、かつ発光タイミングに応じて第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーがレーザパワー制御部に設定される。
したがって、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ディスクに形成された前記追記マークを検出する際に、前記反射率変化量検出部によって検出された前記反射率の変化量に基づいて前記追記マークを検出するよう制御する追記マーク検出制御部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、光ディスクに形成された追記マークを検出する際に、反射率変化量検出部によって検出された反射率の変化量に基づいて追記マークを検出することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記第2の回転速度は、前記最低回転速度の2分の1以下であることが好ましい。この構成によれば、最低回転速度の2分の1以下である第2の回転速度で、光ディスクに追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記第2の回転速度は、前記第1の回転速度の10分の1以下であることが好ましい。この構成によれば、第1の回転速度の10分の1以下である第2の回転速度で、光ディスクに追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記第2のレーザパワーは、前記第1のレーザパワーの5倍以上、10倍以下であることが好ましい。この構成によれば、第1のレーザパワーの5倍以上、10倍以下である第2のレーザパワーで、光ディスクに追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ピックアップに対するトラッキングを制御するトラッキング制御部をさらに備え、前記トラッキング制御部は、位相差検出方式によりトラッキング制御を行うことが好ましい。この構成によれば、位相差検出方式によりトラッキング制御を行うことができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記第2のレーザパワーで前記レーザ光が照射される発光区間は、前記凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上であることが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間は、凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上であるので、RF信号において追記マークと凹凸ピットとをより明確に区別することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記基準位置検出部は、少なくともPLL回路を用いて前記RF信号を復調し、前記第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、前記PLL回路の周波数比較機能又は位相比較機能をホールドすることが好ましい。
この構成によれば、少なくともPLL回路を用いてRF信号が復調され、第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、PLL回路の周波数比較機能又は位相比較機能がホールドされるので、PLL回路の周波数比較機能又は位相比較機能が第2のレーザパワーによる光ピックアップ出力信号の変動に応答しなくなり、正常にRF信号を復調することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ピックアップに対するトラッキングを制御するトラッキング制御部をさらに備え、前記トラッキング制御部は、前記第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、トラッキング制御をホールドすることが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光を照射する際には、トラッキング制御がホールドされるので、トラッキング制御が第2のレーザパワーによる光ピックアップ出力信号の変動に応答しなくなり、正常にトラッキング制御を行うことができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記凹凸ピットは同期符号を含み、前記同期符号間の距離を1フレーム長としたとき、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、1フレーム長以下であり、かつ次の発光区間までの間隔は3フレーム長以上であることが好ましい。
この構成によれば、同期符号間の距離を1フレーム長としたとき、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、1フレーム長以下であり、かつ次の発光区間までの間隔は3フレーム長以上であるので、発光区間内においてトラッキング制御をホールドし、隣接する追記マークの間の3フレーム長以上の区間においてトラッキング制御のリカバリを行うことができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記凹凸ピットは同期符号を含み、前記同期符号間の距離を1フレーム長としたとき、前記第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、前記凹凸ピットのフレーム間隔の整数倍であることが好ましい。
この構成によれば、同期符号間の距離を1フレーム長としたとき、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、凹凸ピットのフレーム間隔の整数倍であるので、周波数帯域の低いレーザパワー制御で追記マークの追記が可能となるので、記録型光ディスクで用いられているような高速かつ高精度なレーザ駆動回路が不要となり、光ディスク装置を安価に製造することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ディスクに前記凹凸ピットで記録されている前記主情報は、前記光ディスク内の物理的位置を示すアドレス情報を含み、前記発光タイミング生成部は、前記アドレス情報が記録されている領域を避けて前記第2のレーザパワーで前記レーザ光を照射するように前記発光タイミングを生成することが好ましい。
この構成によれば、アドレス情報が記録されている領域を避けて第2のレーザパワーでレーザ光を照射するように発光タイミングが生成される。したがって、複数の追記マークが形成される場合でも、アドレス情報が記録された領域では第2のレーザパワーに切り替わらないため、当該領域におけるサーボ制御及び復調処理が可能となり、正常にアドレス情報を検出することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ディスクに前記凹凸ピットで記録されている前記主情報は、一定単位のユーザデータに対してエラー訂正情報が付加されたエラー訂正ブロック単位で構成されており、前記追記マーク記録制御部は、前記エラー訂正ブロック単位で、前記発光タイミング生成部によって生成される前記第2のレーザパワーで発光される発光区間を制御することが好ましい。
この構成によれば、光ディスクに凹凸ピットで記録されている主情報は、一定単位のユーザデータに対してエラー訂正情報が付加されたエラー訂正ブロック単位で構成されている。そして、エラー訂正ブロック単位で、第2のレーザパワーで発光される発光区間が制御されるので、追記マークの記録の開始点と終了点とを比較的容易に管理することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部によって生成される前記第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、前記エラー訂正ブロックの単位長さの整数倍であることが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、エラー訂正ブロックの単位長さの整数倍であるので、追記マークの記録の開始点と終了点とを比較的容易に管理することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記光ピックアップに対するトラッキングを制御するトラッキング制御部をさらに備え、前記トラッキング制御部は、前記第2のレーザパワーで発光される発光区間内において、トラッキング制御を行うことが好ましい。この構成によれば、第2のレーザパワーで発光される発光区間内において、トラッキング制御を行うことができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部は、前記エラー訂正ブロック内において、等間隔で複数の第2のレーザパワーで発光される発光タイミングを生成することが好ましい。
この構成によれば、エラー訂正ブロック内において、等間隔で複数の第2のレーザパワーで発光される発光タイミングが生成されるので、追記マークの記録の開始点と終了点とを比較的容易に管理することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部は、乱数を発生させ、発生させた乱数に基づいて、第2のレーザパワーで発光される発光タイミングの周期をランダムに変更することが好ましい。
この構成によれば、乱数が発生され、発生された乱数に基づいて、第2のレーザパワーで発光される発光タイミングの周期がランダムに変更されるので、複数の記録パターンで追記マークを記録することができ、追記マークの複製を困難にすることができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部は、光ディスク上で互いに重なることがないように事前に決められた第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのいずれかを生成し、前記追記マーク記録制御部は、前記発光タイミング生成部に対し、前記第1の発光タイミングと前記第2の発光タイミングとのうちのいずれの発光タイミングを選択するかを指示することが好ましい。
この構成によれば、光ディスク上で互いに重なることがないように事前に決められた第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのいずれかが生成され、第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのうちのいずれの発光タイミングを選択するかが指示される。したがって、光ディスク上で互いに重なることがないように事前に決められた第1の発光タイミングと第2の発光タイミングとのうちのいずれの発光タイミングを選択するかが指示されるので、複数種類の情報を追記マークにより追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記反射率変化量検出部は、事前に決められた前記第1の発光タイミングにおける反射率変化量と、前記第2の発光タイミングにおける反射率変化量とを検出し、前記第1の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“0”を対応付けるとともに、前記第2の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“1”を対応付けた2値データを検出することが好ましい。
この構成によれば、事前に決められた第1の発光タイミングにおける反射率変化量と、第2の発光タイミングにおける反射率変化量とが検出され、第1の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“0”が対応付けられるとともに、第2の発光タイミングにおいて反射率変化量が検出された場合には値“1”が対応付けられた2値データが検出される。したがって、複数種類の情報を追記マークにより追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記反射率変化量検出部は、前記RF信号の振幅平均値を計測し、計測した前記振幅平均値の変動量をモニタすることにより前記反射率変化量を検出することが好ましい。
この構成によれば、RF信号の振幅平均値が計測され、計測された振幅平均値の変動量がモニタされることにより反射率変化量が検出される。したがって、反射率変化量を検出することにより、追記マークの有無を検出することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記基準位置検出部は、前記凹凸ピットのピット長を検出し、前記反射率変化量検出部は、検出された前記ピット長が一定長以上である前記凹凸ピットの中央部での前記反射率変化量のみを検出することが好ましい。
この構成によれば、凹凸ピットのピット長が検出され、検出されたピット長が一定長以上である凹凸ピットの中央部での反射率変化量のみが検出されるので、凹凸ピットが長短入り乱れてランダムに並んでいることによる振幅平均値算出時の誤差を低減することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記反射率変化量検出部は、前記第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間内におけるRF信号の積分値と、前記第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間以外で前記発光区間と同じ長さの区間内におけるRF信号の積分値とをそれぞれ検出し、検出した2つの積分値の差を求めることにより前記反射率変化量を検出することが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間内におけるRF信号の積分値と、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間以外で発光区間と同じ長さの区間内におけるRF信号の積分値とがそれぞれ検出され、検出された2つの積分値の差を求めることにより反射率変化量が検出される。したがって、反射率変化量を検出することにより、追記マークの有無を検出することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部は、チャネルクロックに同期して、前記第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングを生成し、前記第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、前記凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上であることが好ましい。
この構成によれば、チャネルクロックに同期して、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングが生成され、第2のレーザパワーでレーザ光が発光される発光区間は、凹凸ピットの最短ピット長の10倍以上である。したがって、1フレーム内に複数の追記マークを記録するように発光タイミングが生成されるため、追記マークの記録情報量を増加させることができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記発光タイミング生成部によって生成される前記第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、前記光ピックアップによって出射されるレーザ光を、前記光ディスクの半径方向の前記凹凸ピットの中心から所定の距離だけ内周方向又は外周方向にシフトさせるシフト制御部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、光ピックアップによって出射されるレーザ光が、光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心から所定の距離だけ内周方向又は外周方向にシフトされる。
したがって、追記マークが、光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心から所定の距離だけ内周方向又は外周方向にシフトして追記されるので、追記マークにより記録できる情報量を増加させることができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記反射率変化量検出部は、前記追記マークからの反射光の分布が前記光ディスクの半径方向の前記凹凸ピットの中心に対して非対称であることを検出し、非対称である前記反射光の前記RF信号の振幅平均値を計測し、計測した前記振幅平均値の変動量をモニタすることにより前記反射率変化量を検出することが好ましい。
この構成によれば、追記マークからの反射光の分布が光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心に対して非対称であることが検出され、非対称である反射光のRF信号の振幅平均値が計測され、計測された振幅平均値の変動量がモニタされることにより反射率変化量が検出される。
したがって、光ディスクの半径方向の凹凸ピットの中心から所定の距離だけ内周方向又は外周方向にシフトして追記された追記マークを検出することができ、追記マークにより記録できる情報量を増加させることができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記レーザパワー制御部は、前記発光タイミング生成部によって生成される前記第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンにしたがって前記第2のレーザパワーが複数の値に変化するように制御することが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンにしたがって第2のレーザパワーが複数の値に変化するように制御される。したがって、反射率の異なる複数の領域を含む追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記反射率変化量検出部は、前記発光タイミング生成部によって生成される前記第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、レーザ光が照射される前のRF信号の波形とレーザ光が照射された後のRF信号の波形との差分値と、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンとを比較して、前記差分値と前記パターンとが一致する場合、正常に前記追記マークが記録されたと判断し、前記差分値と前記パターンとが一致しない場合、正常に前記追記マークが記録されていないと判断することが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光を発光する発光タイミングにおいて、レーザ光が照射される前のRF信号の波形とレーザ光が照射された後のRF信号の波形との差分値と、事前に決められたパターン又は乱数系列によって決まるランダムなパターンとが比較される。そして、差分値とパターンとが一致する場合、正常に追記マークが記録されたと判断され、差分値とパターンとが一致しない場合、正常に追記マークが記録されていないと判断される。したがって、追記マークの検出を鍵認証として利用することができる。
また、上記の光ディスク装置において、前記第2のレーザパワーで前記レーザ光が照射される発光区間の長さは、乱数系列によって決まることが好ましい。
この構成によれば、第2のレーザパワーでレーザ光が照射される発光区間の長さは、乱数系列によって決まる。したがって、追記マークの記録位置がランダムに変化するため、乱数に基づいて記録されている位置を正確に把握して検出タイミングを生成しなければならず、乱数系列を適宜入れ替えることにより、複数の記録パターンで追記マークを記録することができる。
本発明の他の局面に係る集積回路は、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、前記凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記する光ディスク装置が備える集積回路であって、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号を取得するRF信号処理回路と、RF信号を復調して基準位置信号を検出する基準位置検出回路と、前記光ディスクの回転速度を少なくとも2種類の回転速度に切り替える回転速度制御回路と、前記基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で前記光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングを生成する発光タイミング生成回路と、前記発光タイミングにおいて前記光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーを増加させるレーザパワー制御回路と、前記RF信号から前記光ディスクによる反射光の反射率の変化量を検出する反射率変化量検出回路と、前記光ディスクに形成された前記凹凸ピットを再生する際に、前記回転速度制御回路に対して第1の回転速度を設定し、かつ前記レーザパワー制御回路に対して第1のレーザパワーを設定する凹凸ピット再生制御回路と、前記光ディスクに前記追記マークを追記する際に、前記第1の回転速度よりも遅くかつ前記凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度を前記回転速度制御回路に設定し、かつ前記発光タイミングに応じて前記第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーを前記レーザパワー制御回路に設定する追記マーク記録制御回路とを備える。
この構成によれば、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号が取得され、RF信号を復調して基準位置信号が検出される。回転速度制御回路によって、光ディスクの回転速度が少なくとも2種類の回転速度に切り替えられ、発光タイミング生成回路によって、基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングが生成され、レーザパワー制御回路によって、発光タイミングにおいて光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーが増加される。反射率変化量検出回路によって、RF信号から光ディスクによる反射光の反射率の変化量が検出される。そして、光ディスクに形成された凹凸ピットを再生する際に、回転速度制御回路に対して第1の回転速度が設定され、かつレーザパワー制御回路に対して第1のレーザパワーが設定される。また、光ディスクに追記マークを追記する際に、第1の回転速度よりも遅くかつ凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度が回転速度制御回路に設定され、かつ発光タイミングに応じて第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーがレーザパワー制御回路に設定される。
したがって、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる。
また、上記の集積回路において、前記光ディスクに形成された前記追記マークを検出する際には、前記反射率変化量検出回路によって検出された前記反射率変化量に基づいて前記追記マークを検出するよう制御する追記マーク検出制御回路をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、光ディスクに形成された追記マークを検出する際には、反射率変化量検出回路によって検出された反射率の変化量に基づいて追記マークを検出することができる。
本発明の他の局面に係る光ディスク制御方法は、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、前記凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記する光ディスク制御方法であって、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号を取得するRF信号処理ステップと、前記RF信号を復調して基準位置信号を検出する基準位置検出ステップと、前記光ディスクの回転速度を少なくとも2種類の回転速度に切り替える回転速度制御ステップと、前記基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で前記光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングを生成する発光タイミング生成ステップと、前記発光タイミングにおいて前記光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーを増加させるレーザパワー制御ステップと、前記RF信号から前記光ディスクによる反射光の反射率の変化量を検出する反射率変化量検出ステップと、前記光ディスクに形成された前記凹凸ピットを再生する際に、前記回転速度制御ステップにおいて第1の回転速度を設定し、かつ前記レーザパワー制御ステップにおいて第1のレーザパワーを設定する凹凸ピット再生制御ステップと、前記光ディスクに前記追記マークを追記する際に、前記第1の回転速度よりも遅くかつ前記凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度を前記回転速度制御ステップにおいて設定し、かつ前記発光タイミングに応じて前記第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーを前記レーザパワー制御ステップにおいて設定する追記マーク記録制御ステップとを含む。
この構成によれば、光ピックアップからの出力に基づいてRF信号が取得され、RF信号を復調して基準位置信号が検出される。回転速度制御ステップにおいて、光ディスクの回転速度が少なくとも2種類の回転速度に切り替えられ、発光タイミング生成ステップにおいて、基準位置信号にしたがって、あらかじめ決められた位置で光ピックアップから照射されるレーザ光の発光タイミングが生成され、レーザパワー制御ステップにおいて、発光タイミングにおいて光ピックアップから照射されるレーザ光のレーザパワーが増加される。反射率変化量検出ステップにおいて、RF信号から光ディスクによる反射光の反射率の変化量が検出される。そして、光ディスクに形成された凹凸ピットを再生する際に、回転速度制御ステップにおいて第1の回転速度が設定され、かつレーザパワー制御ステップにおいて第1のレーザパワーが設定される。また、光ディスクに追記マークを追記する際に、第1の回転速度よりも遅くかつ凹凸ピットを再生することが可能な最低回転速度よりも遅い第2の回転速度が回転速度制御ステップにおいて設定され、かつ発光タイミングに応じて第1のレーザパワーよりも大きい第2のレーザパワーがレーザパワー制御ステップにおいて設定される。
したがって、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる。
また、上記の光ディスク制御方法において、前記光ディスクに形成された前記追記マークを検出する際には、前記反射率変化量検出ステップにおいて検出された前記反射率の変化量に基づいて前記追記マークを検出するよう制御する追記マーク検出制御ステップをさらに含むことが好ましい。
この構成によれば、光ディスクに形成された追記マークを検出する際には、反射率変化量検出ステップにおいて検出された反射率の変化量に基づいて追記マークを検出することができる。
なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
本発明に係る光ディスク装置、光ディスク制御方法及び集積回路は、工場内の特殊装置又は高出力のレーザ光源を用いることなく、比較的安価で低出力のレーザ光源を用いて、凹凸ピットによって主情報が記録された光ディスクに対して、凹凸ピット上に形成された反射膜の反射率を変化させることにより追記マークを追記することができる光ディスク装置、光ディスク制御方法及び集積回路に利用可能である。