JPWO2011021633A1 - ポリアミド - Google Patents

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Abstract

デカヒドロナフタレンジカルボン酸単位を60モル%以上含むジカルボン酸単位とジアミン単位とを含有するポリアミド。

Description

本発明は、ポリアミドに関し、詳しくは透明ポリアミドに関する。
ナイロン6、ナイロン66に代表される結晶性ポリアミドは、成形加工性、機械的特性、耐薬品性などに優れることから、繊維、フィルム、あるいは汎用のエンジニアリングプラスチックとして幅広く使用されている。近年、用途分野の拡大に伴い、フィルム、メガネレンズ、各種機器のカバーなどの用途で、ポリアミドの特性に加えて透明性を有する透明ポリアミドの需要が高まっている。
透明ポリアミドを得る方法については種々の提案が成されており、3種類以上のモノマー成分を共重合させる方法や、複数のシクロヘキサン環を有するジアミンを用いる方法が知られている。例えば、特許文献1には、ヘキサメチレンジアミンをイソフタル酸又はイソフタル酸のポリアミド形成性官能誘導体70〜85%とテレフタル酸又はテレフタル酸のポリアミド形成性官能誘導体30〜15%との混合物と公知方法で重縮合する透明な熱可塑性ポリアミドが開示されている。特許文献2には、(A)ジカルボン酸から誘導される単位、及び(B)ジアミンから誘導される単位からなるポリアミド樹脂であって、(A)のジカルボン酸が(A−1)炭素数6〜22の分岐型飽和ジカルボン酸から誘導される単位50〜100モル%と(A−2)イソフタル酸から誘導される単位0〜50モル%からなり、(B)のジアミンが特定の構造式で表されるジアミンであり、((A)のモル数):((B)のモル数)が100:95〜100:105である透明ポリアミド樹脂が開示されている。特許文献3には、炭素原子数14〜22のアルキル置換脂環式ジアミン及び20モル%までを芳香族ジカルボン酸と置換してもよい炭素原子数8〜14の枝なし脂肪族ジカルボン酸、又は炭素原子数8〜14の枝なし脂肪族ジアミン及び20モル%まで芳香族ジカルボン酸と置換してもよい炭素原子数7〜36の脂環式ジカルボン酸、から製造される無色透明の非晶質ポリアミドが開示されている。特許文献4には、脂環式ジアミンと、ラクタム又は少なくとも7個の炭素原子を含む対応アミノ酸と、テレフタル酸又は50%以上のテレフタル酸を含むイソフタル酸及びテレフタル酸の混合物とから得られる透明な熱可塑性ポリアミドが開示されている。
特公昭49−36959号公報 特開2000−1544号公報 特開平8−239469号公報 特許第2631535号公報
しかし、3種類以上のモノマー成分を共重合させて得られるポリアミドの多くは、重合直後は透明であっても、長時間経過したり、沸騰水に浸漬したりすると白化し、透明性が失われる。
また、耐熱性を強化した透明ポリアミドは、医薬品または食料品分野において高温高圧での滅菌処理を必要とする成形品などにおいて需要拡大が見込まれている。
しかし、従来の透明ポリアミドの多くは耐熱性が不十分であり、高い耐熱性が要求される用途では使用することが困難である。例えば、特許文献2にはガラス転移温度(Tg)が100〜170℃程度のポリアミドが、特許文献3にはTgが140〜170℃程度のポリアミドが、特許文献4にはTgが110〜150℃程度のポリアミドがそれぞれ具体的に開示されているが、これらのポリアミドは耐熱性が不十分であり、耐熱用途への適用は困難である。
本発明の第1の課題は、沸騰水中でも白化しにくく透明性を失わない透明ポリアミドを提供することにある。また、本発明の第2の課題は、高いTgを有し、耐熱性に優れた透明ポリアミドを提供することにある。
本発明者らは、各種ジカルボン酸、ジアミンを原料に用いて検討を重ねた結果、ジカルボン酸成分をデカヒドロナフタレンジカルボン酸(以下「H−NDCA」ともいう)とすると、ジアミンの種類によらず沸騰水中で白化しにくい透明ポリアミドが得られることを見出した。また、本発明者らは、更に検討を重ねた結果、ジカルボン酸成分をH−NDCAとし、ジアミン成分を芳香族ジアミン及び/又は脂環式ジアミンとすることで、高いTgを有し、耐熱性に優れた透明ポリアミドが得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づきなされるに至ったものである。
本発明によれば、デカヒドロナフタレンジカルボン酸単位を60モル%以上含むジカルボン酸単位とジアミン単位とを含有するポリアミドが提供される。
本発明の透明ポリアミドは、沸騰水に浸漬しても白化しにくく、透明性を失わない。そのため、ポリアミドの特性に加えて高い透明性が要求される用途へ好適に適用できる。
更に、ジアミン成分として芳香族ジアミン及び/又は脂環式ジアミンを用いた本発明の透明ポリアミドは、高いTgを有し、耐熱性に優れた透明ポリアミドを得ることができる。そのため、本発明の透明ポリアミドは、高い耐熱性及び透明性が要求される用途へ好適に適用できる。
また、本発明によれば、3種類以上のモノマーを用いなくとも、透明ポリアミドを製造することができる。
(ポリアミド)
本発明のポリアミドは、デカヒドロナフタレンジカルボン酸単位を60モル%以上含むジカルボン酸単位とジアミン単位とを含有する。本発明のポリアミドは、本発明の効果を損なわない範囲で、前記以外の構成単位を更に含んでいてもよい。なお、本発明において、ジカルボン酸から誘導される単位及びジアミンから誘導される単位をそれぞれ「ジカルボン酸単位」及び「ジアミン単位」という。
(ジカルボン酸単位)
本発明のポリアミド中のジカルボン酸単位は、透明性の観点から、デカヒドロナフタレンジカルボン酸単位(H−NDCA単位)を60モル%以上含む。当該含有量は、沸騰水中での白化を防止する観点からは、好ましくは70モル%以上、また、耐熱性の観点からは、好ましくは95モル%以上であるが、特に好ましくは実質的に100モル%である。
H−NDCA単位を構成しうる化合物としては、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸(1,4−H−NDCA)、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸(2,6−H−NDCA)、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸(2,7−H−NDCA)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のポリアミドにおいて、H−NDCA単位は、透明性及び高Tgの観点から、2,6−H−NDCA単位をジカルボン酸単位中に60モル%以上含むことが好ましく、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは95モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。
本発明のポリアミド中のH−NDCA単位以外のジカルボン酸単位を構成しうる化合物としては、原料入手性及びコストの観点から、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等の直鎖脂肪族ジカルボン酸や、透明性及び高Tgの観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を例示できる。また、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(ジアミン単位)
本発明のポリアミド中のジアミン単位は、透明性の観点からは、脂肪族ジアミン単位、芳香族ジアミン単位、脂環式ジアミン単位のいずれであってもよい。
また、本発明のポリアミド中のジアミン単位は、透明性及び高Tgの観点からは、芳香族ジアミン単位及び/又は脂環式ジアミン単位を70モル%以上含むことが好ましく、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であり、特に好ましくは実質的に100モル%である。当該芳香族ジアミン及び/又は脂環式ジアミン単位としては、メタキシリレンジアミン単位、パラキシリレンジアミン単位、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン単位、及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン単位からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
脂肪族ジアミン単位を構成しうる化合物としては、好ましくは炭素数1〜16、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数3〜10の直鎖状または分枝状の脂肪族ジアミンが挙げられる。具体的には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ジアミン単位を構成しうる化合物としては、好ましくは炭素数6〜16、より好ましくは炭素数6〜10の芳香族ジアミンが挙げられる。また、少なくとも1つのベンゼン環又はナフタレン環を有する芳香族ジアミンが好ましい。
具体的には、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
脂環式ジアミン単位を構成しうる化合物としては、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数6〜16、更に好ましくは炭素数6〜10の脂環式ジアミンが挙げられる。また、少なくとも1つのシクロヘキサン環を有する脂環式ジアミンが好ましい。
具体的には、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロへキシルメタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロへキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ−5−エチルシクロへキシル)メタン、1,2−ビス(4−アミノシクロへキシル)エタン、2,2’−ビス(4−アミノシクロへキシル)プロパン、2,2’−ビス(3−メチル−4−アミノシクロへキシル)プロパン等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
上記に例示された化合物は単独で使用してもよく、2種類以上を適宜組み合わせて使用してもよい。透明性の観点からは、いずれの化合物も使用することができる。透明性及び高Tgの観点からは、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
(ポリアミドの製造方法)
本発明のポリアミドは、デカヒドロナフタレンジカルボン酸を60モル%以上含むジカルボン酸成分とジアミン成分とを重縮合する工程を含む方法により製造することができる。すなわち、本発明のポリアミドは、前記ジカルボン酸単位を構成しうるジカルボン酸成分と、前記ジアミン単位を構成しうるジアミン成分とを重縮合することで製造することができる。本発明によれば、3種類以上のモノマーを用いなくとも、透明ポリアミドを製造することができる。
本発明のポリアミドの製造方法は上記原料が重合できる方法であれば特に制約はないが、一例を以下に記載する。上記原料からなる所定のモル比のナイロン塩水溶液を調製し、反応槽に仕込む。ジカルボン酸/ジアミンのモル比は、好ましくは1/0.985〜1/1.005、より好ましくは1/0.990〜1/1.000である。反応槽内を窒素置換した後、撹拌しながら加圧下で好ましくは160〜250℃、より好ましくは180〜230℃まで昇温する。ここでの圧力は好ましくは1.5〜3.0MPaGとなるように調整し、好ましくは1〜3時間保持して反応槽に仕込んだ水と重縮合反応によって生じた水を留去する。その後、好ましくは200〜390℃、より好ましくは240〜350℃まで昇温し、その間に圧力を常圧まで下げ、必要に応じて減圧する。撹拌トルクが所定の値まで上がったところで撹拌を止め、反応槽内のポリアミドをストランドとして抜き出し、冷水にくぐらせてペレタイジングする。
得られるポリアミドの性状を安定化させるために、重縮合時に必要に応じて重合促進剤や熱安定剤として無機系リン化合物を添加することができる。無機系リン化合物の具体例としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸ならびにこれらの塩などがある。これらの無機系リン化合物の添加量は、通常、得られるポリアミドに対して50〜1000ppmである。また、必要に応じて分子量調節剤として、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ベンジルアミンなどのモノアミンや、酢酸、安息香酸、ラウリン酸、ステアリン酸などのモノカルボン酸を添加することができる。これらの分子量調節剤の添加量は、最終的に得ようとするポリアミドの分子量に応じて適宜選択される。
本発明のポリアミドの数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、好ましくは5000〜100000、より好ましくは10000〜30000である。数平均分子量は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明のポリアミドは無色透明である。沸騰水に浸漬しても白化しにくく、透明性を失わない。
本発明のポリアミドのTgは、特に限定されないが、好ましくは120〜250℃、より好ましくは180〜250℃、更に好ましくは190〜240℃である。Tgは、実施例に記載の方法で測定することができる。Tgが180℃以上の場合、耐熱用途へ好適に適用できる。
本発明のポリアミドはフィルム押出機や射出成形機での成形が可能であり、安定して成形を行うための樹脂温度は、好ましくは200〜390℃、より好ましくは240〜350℃である。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、本実施例及び比較例で採用した評価法は以下の通りである。
(1)GPC測定
GPC装置(東ソー(株)製、商品名:HLC−8320GPC)に、カラム(東ソー(株)製、商品名:TSKgel SuperHM−H)を2本接続して使用し、ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させた試料のポリメタクリル酸メチル換算の数平均分子量(Mn)を測定した。
(2)DSC測定
示差走査熱量計((株)島津製作所製、商品名:DSC−60)を使用し、窒素雰囲気下にて昇温速度10℃/minで300℃まで昇温し、試料のガラス転移温度、昇温時の結晶化温度、融点を測定した。
(3)透明性評価
熱プレス成形機(大竹機械工業(株)製)を使用し、溶融させたポリアミドを1.0MPaG、保持時間30秒の条件でプレス成形し、厚さ約500μmのフィルムを作製した。以下に示す基準でフィルムの透明性評価を目視にて行った。
A:透明で濁りがない。
B:多少でも白化している。
(4)沸騰水浸漬試験
上記方法により作製したフィルムから1cm×1cmの試験片を切り取り、沸騰水(100℃)に浸漬して、白化が生じるまでの時間を測定した。浸漬時間は最長で10時間までとした。
製造例
(2,6−H−NDCAの調製)
本発明で使用される2,6−H−NDCAは、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸ジメチル(三菱ガス化学(株)製)を水酸化ナトリウムで加水分解し、塩酸で中和して調製した。
実施例1
温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口を備えた200mlオートクレーブに、2,6−H−NDCA 14.77g(65.3mmol)、ヘキサメチレンジアミン(和光純薬工業(株)製)7.58g(65.3mmol)、蒸留水5.59gを仕込み、容器内を窒素置換した。2時間かけて220℃まで昇温し、圧力2MPaGで2時間保持した。その後、1時間かけて300℃まで昇温するとともに、その昇温の間に圧力を常圧まで下げ、30分間、300℃、常圧で保持した後に冷却することでポリアミドを合成した。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様のオートクレーブに、2,6−H−NDCA 13.53g(59.8mmol)、オクタメチレンジアミン(関東化学(株)製)8.63g(59.8mmol)、蒸留水5.54gを仕込み、最終温度を270℃に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
実施例3
実施例1と同様のオートクレーブに、2,6−H−NDCA 11.59g(51.2mmol)、ドデカメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)10.26g(51.2mmol)、蒸留水5.46gを仕込み、最終温度を250℃に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
実施例4
実施例1と同様のオートクレーブに、2,6−H−NDCA 12.98g(57.4mmol)、トリメチルへキサメチレンジアミン(東京化成工業(株)製、2,2,4−体と2,4,4−体との混合物)9.08g(57.4mmol)、蒸留水5.52gを仕込み、実施例1と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
実施例5
実施例1と同様のオートクレーブに、2,6−H−NDCA 13.86g(61.3mmol)、メタキシリレンジアミン(三菱ガス化学(株)製)8.34g(61.3mmol)、蒸留水5.55gを仕込み、最終温度を310℃に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
実施例6
メタキシリレンジアミンをパラキシリレンジアミン(三菱ガス化学(株)製)に変更したこと以外は実施例5と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
実施例7
実施例1と同様のオートクレーブに、2,6−H−NDCA 13.61g(60.2mmol)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロへキサン(三菱ガス化学(株)製、以下1,3−BACと記載する)8.56g(60.2mmol)、蒸留水5.54gを仕込み、実施例5と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
実施例8
1,3−BACを1,4−ビス(アミノメチル)シクロへキサン(三菱ガス化学(株)製、以下1,4−BACと記載する)に変更したこと以外は実施例5と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
実施例9
実施例1と同様のオートクレーブに、2,6−H−NDCA 13.16g(58.2mmol)、ドデカン二酸(和光純薬工業(株)製)0.71g(3.1mmol)、メタキシリレンジアミン8.34g(61.2mmol)、蒸留水5.55gを仕込み、実施例1と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
実施例10
実施例1と同様のオートクレーブに、2,6−H−NDCA 9.67g(42.7mmol)、ドデカン二酸(和光純薬工業(株)製)4.22g(18.3mmol)、メタキシリレンジアミン8.31g(61.0mmol)、蒸留水5.55gを仕込み、実施例2と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
実施例11
実施例1と同様のオートクレーブに、2,6−H−NDCA 8.28g(36.6mmol)、ドデカン二酸5.62g(24.4mmol)、メタキシリレンジアミン8.30g(61.0mmol)、蒸留水5.55gを仕込み、実施例3と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様のオートクレーブに、2,6−H−NDCA 6.89g(30.5mmol)、ドデカン二酸7.01g(30.5mmol)、メタキシリレンジアミン8.29g(60.9mmol)、蒸留水5.55gを仕込み、実施例3と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
比較例2
実施例1と同様のオートクレーブに、イソフタル酸(エイ・ジイ・インタナショナル・ケミカル(株)製)9.44g(56.8mmol)、テレフタル酸(水島アロマ(株)製)4.05g(24.4mmol)、ヘキサメチレンジアミン(和光純薬工業(株)製)9.44g(81.2mmol)、蒸留水5.73gを仕込み、実施例1と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。
比較例3
実施例1と同様のオートクレーブに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(東京化成工業(株)製、以下1,4−CHDAと記載する)8.91g(51.7mmol)、アジピン酸(ローディア製)3.24g(22.2mmol)、1,3−BAC 10.51g(73.9mmol)、蒸留水5.67gを仕込み、最終温度を335℃に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で合成を行った。使用した原料の組成及び得られたポリアミドの性状を表1に示す。なお、このポリアミドから作製したフィルムは白化していたため、沸騰水浸漬試験は実施していない。
Figure 2011021633
表1から明らかなように、実施例1〜11のポリアミドはいずれも透明で濁りがなく、沸騰水中で白化が生じるまでの時間は比較例1及び2よりも長い。このことから、本発明のポリアミドは、沸騰水に浸漬しても白化しにくく、透明性が失われにくいことがわかる。実施例1〜11のポリアミドの中でも、ジカルボン酸成分として2,6−H−NDCAを95モル%以上用い、ジアミン成分として芳香族ジアミン又は脂環式ジアミンを用いた実施例5〜9のポリアミドは、Tgが184〜230℃と高く、耐熱性にも優れることがわかる。
本発明のポリアミドは、沸騰水に浸漬しても白化しにくく、透明性が失われないことから、ポリアミドの特性に加えて高い透明性が要求される用途へ好適に適用できる。また、ジアミン成分として芳香族ジアミン及び/又は脂環式ジアミンを用いた本発明のポリアミドは、高いTg及び透明性を有することから、従来の透明ポリアミドでは困難であった耐熱用途へ好適に適用できる。したがって、本発明のポリアミドの工業的価値は高い。
また、本発明によれば、3種類以上のモノマーを用いなくとも、透明ポリアミドを製造することができる。

Claims (8)

  1. デカヒドロナフタレンジカルボン酸単位を60モル%以上含むジカルボン酸単位とジアミン単位とを含有するポリアミド。
  2. 前記ジカルボン酸単位が、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸単位を60モル%以上含む、請求項1に記載のポリアミド。
  3. 前記ジカルボン酸単位が、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸単位を95モル%以上含む、請求項1又は2に記載のポリアミド。
  4. 前記ジアミン単位が、芳香族ジアミン単位及び/又は脂環式ジアミン単位を70モル%以上含む、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド。
  5. 前記の芳香族ジアミン単位及び/又は脂環式ジアミン単位が、メタキシリレンジアミン単位、パラキシリレンジアミン単位、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン単位、及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン単位からなる群から選ばれる1種以上である、請求項4に記載のポリアミド。
  6. 前記ジアミン単位が、脂肪族ジアミン単位を70モル%以上含む、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド。
  7. ガラス転移温度が180〜250℃である、請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド。
  8. デカヒドロナフタレンジカルボン酸を60モル%以上含むジカルボン酸成分とジアミン成分とを重縮合する工程を含む製造方法で得られた、請求項1〜7のいずれかに記載のポリアミド。
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