JPWO2009119409A1 - パーオキサイド架橋系含フッ素エラストマー組成物 - Google Patents

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Abstract

高価なモノマーの使用量を増やすことなく分岐型含フッ素エラストマーの常態物性を維持しつつ粘度を低下させ得る含フッ素エラストマー組成物を提供する。該組成物は、(A)パーオキサイド架橋可能な架橋部位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6未満である分岐型含フッ素エラストマー、および(B)数平均分子量が1,000〜250,000の範囲にあり、かつマーク−ハウィン勾配aが0.6以上である直鎖型含フッ素ポリマーとを含むパーオキサイド架橋系含フッ素エラストマー組成物である。

Description

本発明は、加工性が向上したパーオキサイド架橋系含フッ素エラストマー組成物に関する。
ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系やテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系などの含フッ素エラストマーは、それらの卓越した耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性を示すことから、過酷な環境下で使用されるO−リング、ガスケット、ホース、ステムシール、シャフトシール、ダイヤフラムなどとして自動車工業、半導体工業、化学工業などの分野において広く使用されている。
こうした用途に用いられる含フッ素エラストマーとしては、分子末端に高活性のヨウ素原子などの架橋部位を有する含フッ素エラストマーがある。この分子末端に架橋部位を有する含フッ素エラストマーは分子末端の架橋部位により良好な架橋効率が可能であり、架橋性に優れている。また、金属成分をもつ化学物質を添加する必要がないことから、パーオキサイド加硫成形品として広く使用されている。
パーオキサイド加硫系は耐薬品性、及び耐スチーム(熱水)性に優れているが、耐圧縮永久歪みはポリオール加硫系と比べて劣っていた。この問題はエラストマー主鎖中に、架橋部位を導入することで解決されている。架橋部位を導入する方法としては、通常架橋部位を有する架橋モノマー(CSM)を共重合させる方法が行われている(特許文献1、2)。このようにして得られた含フッ素エラストマーは分岐型構造をとる。
一般的にオープンロールなどでの加硫剤などの配合剤の分散性、成形時の流れ性などの加工性はエラストマーの粘度が低いほうが有利である。
分岐型含フッ素エラストマーの粘度を下げる方法として、CSMの使用量を多くし分岐の数を増やすことが考えられるが、そうすると耐圧縮永久歪みは向上するが、伸びが悪化する。また高価なCSMの使用量が増える分、高価になってしまう。また、RIx(DI)であらわされる連鎖移動剤を増やし分子量を下げることが考えられるが、1分子中の分岐数が減少するため、耐圧縮永久歪みは悪化してしまう。
米国特許第6,646,077B1号明細書 特開2007−56215号公報
本発明は、高価なCSMの使用量を増やすことなく分岐型含フッ素エラストマーの耐圧縮永久歪みや常態物性を維持しつつ粘度を低下させ得る含フッ素エラストマー組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、DIやCSMの使用量を多くし、分岐数を維持したまま分子量下げることも考えたが、そうすると耐圧縮永久歪みは維持できるが、伸びが低下し、エラストマーとしてのバランスが悪くなってしまう。さらに、DIやCSMの使用量が増大する分、高価になってしまう。そこで、パーオキサイド架橋系では末端で架橋反応が進むことに着目し、ある決まった割合の直鎖型含フッ素エラストマーを配合することにより、分岐型含フッ素エラストマー組成物の耐圧縮永久歪みや強度、伸びなどの常態物性を維持し、かつ高価なCSMの使用量を増加させることなく粘度を低下させうることを見出し、本発明を完成するに至った。その理由としては、架橋後の架橋構造を大きく変化させないことにあるものと推定される。
すなわち本発明は、
(A)パーオキサイド架橋可能な架橋部位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6未満である分岐型含フッ素エラストマー、および
(B)数平均分子量が1,000〜250,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6以上である直鎖型含フッ素ポリマー
とを含むパーオキサイド架橋系含フッ素エラストマー組成物に関する。
本発明の含フッ素エラストマー組成物において、分岐型含フッ素エラストマー(A)/直鎖型含フッ素ポリマー(B)の質量比(A)/(B)は、95/5〜55/45であることが、(B)の割合が5質量%以下では粘度の低下作用が少なく、45質量%以上では直鎖型の性質が現れ始め、伸びなどの常態物性の低下が見られることから好ましい。
また、本発明の含フッ素エラストマー組成物は、ムーニー粘度(ML1+10:100℃)が10〜120であることが、成形加工性が良好な点から好ましい。
分岐型含フッ素エラストマー(A)としては、少なくとも1種のフルオロオレフィンを含むエチレン性不飽和化合物と、一般式(1):
CY1 2=CY2f 11 (1)
(式中、Y1、Y2はフッ素原子、水素原子または−CH3;Rf 1はエーテル結合性酸素原子を有していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状の含フッ素アルキレン基;X1はヨウ素原子または臭素原子)
で示される化合物および/またはビスオレフィンとを共重合させて得られる含フッ素エラストマーであることが、耐圧縮永久歪み性が良好な点から好ましい。
本発明はまた、
(A)少なくとも1種のフルオロオレフィンを含むエチレン性不飽和化合物と、一般式(1):
CY1 2=CY2f 11 (1)
(式中、Y1、Y2はフッ素原子、水素原子または−CH3;Rf 1はエーテル結合性酸素原子を有していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状の含フッ素アルキレン基;X1はヨウ素原子または臭素原子)
で示される化合物とを共重合させる際に、一般式(1)で示される化合物の添加を、重合開始剤添加後に重合系内に添加されるエチレン性不飽和化合物の全添加量の0〜10質量%添加した時期に開始することを特徴とする製造方法によって得られた分岐型含フッ素エラストマー、および
(B)数平均分子量が1,000〜250,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6以上である直鎖型含フッ素ポリマー
とを含むパーオキサイド架橋系含フッ素エラストマー組成物にも関する。
この組成物において、製造された分岐型含フッ素エラストマー(A)が、パーオキサイド架橋可能な架橋部位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6未満である分岐型含フッ素エラストマーであることが好ましい。
また、分岐型含フッ素エラストマー(A)と直鎖型含フッ素ポリマー(B)を質量比(A)/(B)で95/5〜55/45で含むことが、上記と同様の理由で好ましい。
さらに、ムーニー粘度(ML1+10:100℃)が10〜120であることが、上記と同様の理由で好ましい。
直鎖型含フッ素ポリマー(B)としては、上記一般式(1)で表される化合物および/またはビスオレフィンを実質的に含まない含フッ素エラストマーであることが、コスト面から好ましい。
本発明はまた、前記分岐型含フッ素エラストマー(A)を重合した後、同一の重合槽で引き続き前記直鎖型含フッ素ポリマー(B)を重合する本発明の含フッ素エラストマー組成物の製造方法にも関する。
また本発明の含フッ素エラストマー組成物は、前記分岐型含フッ素エラストマー(A)の水性分散液と前記直鎖型含フッ素ポリマー(B)の水性分散液を混合する方法でも製造できる。
さらにまた本発明の含フッ素エラストマー組成物は、前記分岐型含フッ素エラストマー(A)と前記直鎖型含フッ素ポリマー(B)をドライブレンドする方法でも製造できる。
本発明はまた、上記含フッ素エラストマー組成物を含む架橋性組成物、さらには、該架橋性組成物を架橋して得られる成形品にも関する。
本発明においては、ポリマーの分岐の程度をマーク−ハウィン(Mark-Houwink)プロットの勾配aで評価している。
マーク−ハウィンプロットとは、ポリマーの長鎖分岐の状態をみるために作成するものであり、横軸を絶対重量分子量とし縦軸を固有粘度とするグラフである。このマーク−ハウィンプロットからは、ポリマーの長鎖分岐の状態を知ることができ、特に絶対重量分子量および固有粘度をプロットして算出されるマーク−ハウィン勾配aは、含フッ素エラストマーのポリマーの長鎖分岐の度合いを特定することができ、物質を特定する(区分けする)パラメータとしても使用できる。同一の絶対重量分子量のポリマー同士でも、長鎖の分岐が多いと最も長い鎖の分子量は小さくなり、固有粘度は小さくなる。したがって、同一の絶対重量分子量のポリマー同士では、勾配aが小さくなるほど(すなわち絶対重量分子量に対する固有粘度が小さくなるため)長鎖の分岐が多いことを示しており、一方、直鎖型のポリマーの勾配aは大きい。
一般に、重量平均分子量の測定は、示差屈折計(RI)を用いたGPC分析が用いられ、ポリスチレンなどの標準ポリマーとの比較により間接的に求められる換算値であるのに対し、絶対重量分子量とは直接的に求められるものであり、たとえばGPC光散乱により求められる。
固有粘度は分子の大きさと形に関する指標であり、その測定方法については後述する。
本発明によれば、高価なDIやCSMの使用量を増やすことなく分岐型含フッ素エラストマーの常態物性を維持しつつ粘度を低下させ得る含フッ素エラストマー組成物を提供することができる。
本発明のパーオキサイド架橋系含フッ素エラストマー組成物は、分岐型含フッ素エラストマー(A)と直鎖型含フッ素ポリマー(B)とを含む。
分岐型含フッ素エラストマー(A)は、長鎖の分岐を有する含フッ素エラストマーであり、パーオキサイド架橋可能な架橋部位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6未満である分岐型含フッ素エラストマーである。
パーオキサイド架橋可能な架橋部位としては、たとえばヨウ素原子、臭素原子、シアノ基などが例示できる。なかでも反応性が良好な点から、ヨウ素原子が好ましい。分岐型含フッ素エラストマーにおいて架橋部位は分岐鎖の末端に存在する。
架橋部位の導入法は、パーオキサイド架橋可能な架橋部位を有するモノマー(CSM)を共重合する方法、連鎖移動剤としてパーオキサイド架橋可能な架橋部位を複数残渣として残す化合物(たとえばRIxなどの多ヨウ化化合物など)を使用する方法などがあげられる。
分岐型含フッ素エラストマー(A)の数平均分子量は、1,000〜300,000であり、10,000〜200,000であることが好ましい。数平均分子量が1,000未満であると、粘度が低すぎて取り扱い性が悪化し、300,000をこえると同様に粘度が上昇しすぎて取り扱い性が悪化する。
分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.3以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。また、分子量分布の上限は特に限定されないが、8以下であることが好ましい。分子量分布が、1.3未満であると、物性面で問題はないものの、ロール加工性が悪化する傾向があり、8をこえると、ロール加工時の発熱やロールへの粘着がおこる傾向がある。
数平均分子量の調整は通常の方法、たとえば重合時間を制御することにより、または、分子量調整剤を使用することにより行うことができる。
分岐型含フッ素エラストマー(A)は、絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6未満、好ましくは0.55以下、また0.46以下、さらに好ましくは0.35以下、特に好ましくは0.33以下である。下限は、0である。勾配aが0.6より大きくなると長鎖の分岐鎖が少なくなり、耐圧縮永久歪みが向上しないほか、耐熱性などの特性も悪くなる。
分岐型含フッ素エラストマー(A)として好ましくは、少なくとも1種のフルオロオレフィンを含むエチレン性不飽和化合物と、一般式(1):
CY1 2=CY2f 11 (1)
(式中、Y1、Y2はフッ素原子、水素原子または−CH3;Rf 1はエーテル結合性酸素原子を有していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状の含フッ素アルキレン基;X1はヨウ素原子または臭素原子)
で示される化合物とを共重合させて得られる分岐型含フッ素エラストマーがあげられる。
かかる分岐型含フッ素エラストマーのうち、マーク−ハウィン勾配aが0.46以下の含フッ素エラストマーは新規なポリマーである。
本発明で使用可能な他の分岐型含フッ素エラストマー(A)としては、たとえば特開2000−34381号公報に記載されている分岐型含フッ素エラストマー、米国特許第6,646,077B1号明細書に記載されている分岐型含フッ素エラストマー、特開2007−56215号公報に記載されている分岐型含フッ素エラストマーなどが例示できる。
分岐型含フッ素エラストマー(A)の製造に用いる一般式(1):
CY1 2=CY2f 11 (1)
(式中、Y1、Y2はフッ素原子、水素原子または−CH3;Rf 1はエーテル結合性酸素原子を有していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状の含フッ素アルキレン基;X1はヨウ素原子または臭素原子)
で示される化合物としては、たとえば、一般式(4):
CY1 2=CY2f 3CHR1−X1 (4)
(式中、Y1、Y2、X1は前記同様であり、Rf 3は1個以上のエーテル型酸素原子を有していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状の含フッ素アルキレン基、すなわち水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状の含フッ素アルキレン基、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状の含フッ素オキシアルキレン基、または水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状の含フッ素ポリオキシアルキレン基;R1は水素原子またはメチル基)
で示されるヨウ素含有モノマー、臭素含有モノマー、一般式(5)〜(22):
CY4 2=CY4(CF2n−X1 (5)
(式中、Y4は水素原子またはフッ素原子、nは1〜8の整数)
CF2=CFCF2f 4−X1 (6)
(式中、
Figure 2009119409
であり、nは0〜5の整数)
CF2=CFCF2(OCF(CF3)CF2m
(OCH2CF2CF2nOCH2CF2−X1 (7)
(式中、mは0〜5の整数、nは0〜5の整数)
CF2=CFCF2(OCH2CF2CF2m
(OCF(CF3)CF2nOCF(CF3)−X1 (8)
(式中、mは0〜5の整数、nは0〜5の整数)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))mO(CF2n−X1 (9)
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜8の整数)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))m−X1 (10)
(式中、mは1〜5の整数)
CF2=CFOCF2(CF(CF3)OCF2nCF(−X1)CF3 (11)
(式中、nは1〜4の整数)
CF2=CFO(CF2nOCF(CF3)−X1 (12)
(式中、nは2〜5の整数)
CF2=CFO(CF2n−(C64)−X1 (13)
(式中、nは1〜6の整数)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))nOCF2CF(CF3)−X1 (14)
(式中、nは1〜2の整数)
CH2=CFCF2O(CF(CF3)CF2O)nCF(CF3)−X1 (15)
(式中、nは0〜5の整数)、
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2n−X1 (16)
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数)
CH2=CFCF2OCF(CF3)OCF(CF3)−X1 (17)
CH2=CFCF2OCH2CF2−X1 (18)
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)mCF2CF(CF3)−X1 (19)
(式中、mは0以上の整数)
CF2=CFOCF(CF3)CF2O(CF2n−X1 (20)
(式中、nは1以上の整数)
CF2=CFOCF2OCF2CF(CF3)OCF2−X1 (21)
CH2=CH−(CF2n1 (22)
(式中、nは2〜8の整数)
(一般式(5)〜(22)中、X1は前記と同様)
で表されるヨウ素含有モノマー、臭素含有モノマーなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。
一般式(4)で示されるヨウ素含有モノマーまたは臭素含有モノマーとしては、一般式(23):
Figure 2009119409
(式中、mは1〜5の整数であり、nは0〜3の整数)
で表されるヨウ素含有フッ素化ビニルエーテルが好ましくあげられ、より具体的には、
Figure 2009119409
などがあげられるが、これらの中でも、ICH2CF2CF2OCF=CF2が好ましい。
一般式(5)で示されるヨウ素含有モノマーまたは臭素含有モノマーとしてより具体的には、ICF2CF2CF=CH2、I(CF2CF22CF=CH2が好ましくあげられる。
一般式(9)で示されるヨウ素含有モノマーまたは臭素含有モノマーとしてより具体的には、I(CF2CF22OCF=CF2が好ましくあげられる。
一般式(22)で示されるヨウ素含有モノマーまたは臭素含有モノマーとしてより具体的には、CH2=CHCF2CF2I、I(CF2CF22CH=CH2が好ましくあげられる。
また、前記一般式(4)〜(22)で示される化合物のX1をシアノ基(−CN基)、カルボキシル基(−COOH基)またはアルコキシカルボニル基(−COOR基、Rは炭素数1〜10のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)に変えたモノマーを、一般式(1)で示される化合物と共に用いてもよい。
分岐型含フッ素エラストマー(A)の製造に用いられるフルオロオレフィンとしては、一般式(2):
CX23=CX45 (2)
(X2〜X4は、水素原子またはハロゲン原子;X5は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたエーテル結合性酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜9の含フッ素アルキル基、または水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたエーテル結合性酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜9の含フッ素アルコキシ基;ただし、X2〜X5の少なくとも1つはフッ素原子、含フッ素アルキル基または含フッ素アルコキシ基である)
で示されるものが好ましい。
一般式(2)で示されるフルオロオレフィンとしては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ビニリデンフルオライド(VdF)、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ビニルフルオライド、ヘキサフルオロイソブテン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)などがあげられるが、エラストマー組成が得られやすい点から、ビニリデンフルオライド(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、トリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ビニルフルオライド、ヘキサフルオロイソブテンが好ましい。
また、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類は、耐寒性、耐薬品性の点でも好ましい。
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)などがあげられる。
また、一般式(2)で示されるフルオロオレフィン以外のフルオロオレフィンとしては、
Figure 2009119409
で示されるフルオロオレフィンや、一般式(3):
Figure 2009119409
(式中Y3は、−CH2I、−OH、−COOH、−SO2F、−SO3M(Mは水素原子、NH4またはアルカリ金属原子)、カルボン酸塩、カルボキシエステル基、エポキシ基、シアノ基、ヨウ素原子;X6およびX7は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ素原子;Rf 2はエーテル結合性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基;nは0または1;ただし、前記一般式(1)と同一のものは除く)で示される官能基含有フルオロオレフィンやポリフルオロジエン類などがあげられる。
官能基含有フルオロオレフィンは、表面改質、架橋密度アップなどの機能性モノマーとして好ましく、ポリフルオロジエン類は、架橋効率の点で好ましい。
一般式(3)で示される官能基含有フルオロオレフィンとしては、
Figure 2009119409
Figure 2009119409
などがあげられる。
ポリフルオロジエン類としては、CF2=CFCF=CF2、CF2=CFCF2OCF=CF2などがあげられる。
フルオロオレフィン以外のエチレン性不飽和化合物としては、特に限定されないが、エチレン(ET)、プロピレン、ブテン、ペンテンなどの炭素数2〜10のα−オレフィンモノマー、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどの炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルビニルエーテルなどがあげられる。これらは、低コスト、耐アミン性の点で好ましい。
分岐型含フッ素エラストマー(A)を形成するモノマーの組み合わせとしては、上記一般式(2)で示されるフルオロオレフィンを1種以上、一般式(2)以外のフルオロオレフィンを1種以上、一般式(2)で示されるフルオロオレフィンを1種以上と一般式(2)以外のフルオロオレフィンを1種以上含む組合わせがあり、かつそれぞれの組み合わせの共重合モノマーとして、フルオロオレフィン以外のエチレン性不飽和化合物を含んでいてもよい。
上記一般式(2)で示されるフルオロオレフィン、および一般式(2)で示されるフルオロオレフィン以外のエチレン性不飽和化合物の中でも、低コストで良好な架橋性を有する含フッ素エラストマーを形成する目的では、ビニリデンフルオライド(VdF)と共重合可能なエチレン性不飽和化合物からなることが好ましい。
分岐型含フッ素エラストマー(A)は、なかでもVdFとその他のモノマーからなるVdF系エラストマーが好適である。
具体的には、上記VdF系エラストマーは、VdF繰り返し単位が、VdF繰り返し単位と上記VdF系エラストマーにおけるその他の共モノマーに由来する繰り返し単位との合計モル数の20モル%以上、90モル%以下が好ましく、40モル%以上、85モル%以下であることがより好ましい。さらに好ましい下限は45モル%、特に好ましい下限は50モル%であり、さらに好ましい上限は80モル%である。
そして、上記VdF系エラストマーにおけるその他のモノマーとしてはVdFと共重合可能であれば特に限定されず、たとえば、TFE、HFP、PAVE、CTFE、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、フッ化ビニル、ヨウ素含有フッ素化ビニルエーテル等のフッ素含有モノマー;エチレン(Et)、プロピレン(Pr)、アルキルビニルエーテル等のフッ素非含有モノマー等があげられ、これらのフッ素含有モノマーおよびフッ素非含有モノマーのなかから1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。前記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)が好ましく、特にパーフルオロ(メチルビニルエーテル)が好ましい。
上記VdF系エラストマーとしては、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/CTFE/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体、VdF/TFE/Pr共重合体、または、VdF/Et/HFP共重合体が好ましいが、その他のモノマーとして、TFE、HFP、および/または、PAVEを有するものであることがより好ましく、特には、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、または、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体が好ましい。
VdF/HFP共重合体は、VdF/HFPの組成が、(45〜85)/(55〜15)(モル%)であることが好ましく、より好ましくは、(50〜80)/(50〜20)(モル%)であり、さらに好ましくは、(60〜80)/(40〜20)(モル%)である。
VdF/HFP/TFE共重合体は、VdF/HFP/TFEの組成が、(40〜80)/(10〜35)/(10〜25)(モル%)のものが好ましい。
VdF/PAVE共重合体としては、VdF/PAVEの組成が、(65〜90)/(10〜35)(モル%)のものが好ましい。
VdF/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/TFE/PAVEの組成が、(40〜80)/(3〜40)/(15〜35)(モル%)のものが好ましい。
VdF/HFP/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/PAVEの組成が、(65〜90)/(3〜25)/(3〜25)(モル%)のものが好ましい。
VdF/HFP/TFE/PAVE共重合としては、VdF/HFP/TFE/PAVEの組成が、(40〜90)/(0〜25)/(0〜40)/(3〜35)(モル%)のものが好ましく、(40〜80)/(3〜25)/(3〜40)/(3〜25)(モル%)のものがより好ましい。
分岐型含フッ素エラストマー(A)の製造は、好ましくは、少なくとも1種のフルオロオレフィンを含むエチレン性不飽和化合物と、前記一般式(1)化合物とを、一般式(1)で示される化合物の添加を、重合開始剤添加後に重合系内に添加する前記エチレン性不飽和化合物の全添加量、すなわち重合開始剤を添加して重合を開始した後に重合系内に追加導入する前記エチレン性不飽和化合物の全量(以下、「全追加量」という)の0〜10質量%を添加(追加)した時期に開始することにより得ることができる。
一般式(1)で示される化合物の添加は、前記エチレン性不飽和化合物の全追加量の0〜10質量%を追加した時期、好ましくは0〜8質量%を追加した時期、さらに好ましくは0〜5質量%を追加した時期である。添加開始の時期が、エチレン性不飽和化合物の全追加量の10質量%をこえる時期であると、主鎖分子の成長のみが先行して起こり、主鎖と側鎖の分子長さが不均一となって、架橋点間距離の分布の均一性が低下する傾向がある。ここで、前記エチレン性不飽和化合物の全追加量の0質量%を追加した時期に開始するとは、一般式(1)で示される化合物を重合開始剤の添加の前にあらかじめ、または重合開始剤の添加と同時に、さらには重合開始後で前記エチレン性不飽和化合物の追加時までに重合系に供給しておき、その後前記エチレン性不飽和化合物の追加を開始することをいう。重合開始剤の添加と同時に(全追加量の0質量%の時期)一般式(1)で示される化合物の添加を開始することが特に好ましい。
一般式(1)で示される化合物の添加方法としては、特に限定されるものではなく、一括添加、二分割、三分割など数回に分けて添加してもよく、連続的に添加してもよい。
一般式(1)で示される化合物の添加の終了時期としては、とくに限定されるものではないが、エチレン性不飽和化合物の全追加量の0〜20質量%を追加した時期であることが好ましく、0〜10質量%を追加した時期であることがより好ましい。20質量%追加した時期より後であると主鎖分子のみの成長が進行しており、架橋点間距離の分布の均一性が低下する傾向がある。ここで、前記エチレン性不飽和化合物の全追加量の0質量%を追加した時期に終了するとは、一般式(1)で示される化合物を重合開始剤の添加の前にあらかじめ、または重合開始剤の添加と同時に、さらには重合開始後で前記エチレン性不飽和化合物の追加時までに重合系に一括供給しておき、その後前記エチレン性不飽和化合物の添加を開始することをいう。
ここで、通常、重合系に前記エチレン性不飽和化合物をあらかじめ仕込み、重合開始剤を添加して重合を開始し、前記の時期に前記エチレン性不飽和化合物の追加および一般式(1)で示される化合物の添加を行い重合を継続する方法が採用できる。エチレン性不飽和化合物の追加方法としては、特に限定されるものではなく、一括添加、二分割、三分割など数回に分けて添加してもよく、連続的に添加してもよい。
一般式(1)で示される化合物の添加量としては、含フッ素エラストマー100質量部に対して、0.3〜5.0質量部であることが好ましく、0.5〜2.0質量部であることがより好ましい。
分岐型含フッ素エラストマー(A)の具体的な製造方法としては、とくに限定されるものではないが、架橋点間距離の分布を均一に近付けることが比較的容易であるという点から、ヨウ素移動重合法であることが好ましい。
以下、ヨウ素移動重合について説明する。
ヨウ素移動重合に使用する反応槽は、加圧下に重合を行なう場合は耐圧容器を使用することが好ましく、特に高圧下でない場合は、反応槽は特に限定されず、通常のエラストマー製造時に用いられる反応槽を用いることができる。この反応槽内に乳化重合用の目的とするポリマー(含フッ素エラストマー)と同じ組成のポリマー粒子を含む水性媒体(通常は純水)を入れ、液相部分とする。
反応槽はこの液相部分と気相部分とから構成されており、気相部分を窒素などで置換したのち重合性モノマー(エチレン性不飽和化合物)を導入する。ついで反応槽内、とくに液相部分を攪拌して重合性モノマーを気相部分から液相部分に供給する。液相部分に供給されたモノマーはポリマー粒子中に浸透し、ポリマー粒子内の重合性モノマー濃度を上げる。気相部分にモノマーを供給しつづけることにより、ポリマー粒子中のモノマー濃度が飽和状態となる(液相部分へのモノマー供給速度が平衡状態になるとも言える)ので、重合開始剤とヨウ素化合物を投入して重合を開始する。
重合を継続していくとモノマーが消費され、生成ポリマー粒子中のモノマー濃度が低下していくため、ポリマー粒子中に常にモノマー(追加モノマー)を供給し続ける。
追加モノマーの比率は、追加されるモノマーおよび目的とするポリマーの組成によるが、重合初期の反応槽内モノマー組成を一定に保つ比率であることが好ましい。一般式(1)で示される化合物の添加は前記時期に行うことが望ましい。
ヨウ素移動重合法において、重合時の温度および圧力については特に限定されるものではなく、モノマーの種類、一般式(1)で示される化合物の種類などにより適宜選択されるが、重合温度としては、10〜140℃であることが好ましく、30〜100℃であることがより好ましく、重合圧力としては、0.1〜15MPaであることが好ましく、3〜12MPaであることがより好ましい。重合温度が10℃未満であるとポリマー粒子中のモノマー濃度が飽和に達せず重合速度が低下するだけでなく目的のポリマーが得られにくい傾向がある。圧力の上限値は、特に限定はないが、モノマーの取扱いや、反応設備コストなどを考慮すると15MPa以下が好ましく、12MPa以下であることがより好ましい。さらに、攪拌することが好ましい。攪拌することによって、ポリマー粒子中のモノマー濃度を、重合を通して高く維持できるためである。攪拌の手段としては、たとえばアンカー翼、タービン翼、傾斜翼なども使用できるが、モノマーの拡散とポリマーの分散安定性が良好な点からフルゾーンやマックスブレンドと呼ばれる大型翼による攪拌が好ましい。攪拌装置としては、横型攪拌装置でも縦型攪拌装置でもよい。
反応系は、実質的にモノマー相部分を有する。ここで、実質的にモノマー相を有するとは、重合容器の体積に対して、水などの媒体が占める体積が90%以下の状態で重合を行うことを示し、好ましくは80%以下である。体積が90%を超えると、モノマーが媒体に供給されにくく、重合速度が低下する、あるいはポリマー物性が悪化する傾向がある。
ヨウ素化合物としては、一般式(24):
f 5・Ix (24)
で示されるヨウ素化合物があげられる。式中、Rf 5は、炭素数1〜16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基であり、炭素数4〜8のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。炭素数が16をこえると、反応性が低下する傾向がある。
一般式(24)で示されるヨウ素化合物のxは、Rf 5の結合手の数であって、1〜4の整数であり、2〜3の整数であることが好ましい。xが4をこえても使用可能であるが、合成コストの点では好ましくない。
このヨウ素化合物の炭素−ヨウ素結合は、比較的弱い結合であって、ラジカル発生源の存在下にラジカルとして開裂する。生じたラジカルの反応性が高いために、モノマーが付加成長反応を起こし、しかる後にヨウ素化合物からヨウ素を引き抜くことにより反応を停止する。このようにして得られた分子末端の炭素にヨウ素が結合している含フッ素エラストマーは、末端ヨウ素が有効な架橋点となり効率的に架橋できる。
一般式(24)で示されるヨウ素化合物としては、モノヨードパーフルオロメタン、モノヨードパーフルオロエタン、モノヨードパーフルオロプロパン、モノヨードパーフルオロブタン〔たとえば、2−ヨードパーフルオロブタン、1−ヨードパーフルオロ(1,1−ジメチルエタン)〕、モノヨードパーフルオロペンタン〔たとえば1−ヨードパールフオロ(4−メチルブタン)〕、1−ヨードパーフルオロ−n−オクタン、モノヨードパーフルオロシクロブタン、モノヨードパーフルオロシクロヘキサン、モノヨードトリフルオロシクロブタン、モノヨードジフルオロメタン、モノヨードモノフルオロメタン、2−ヨード−1−ハイドロパーフルオロエタン、3−ヨード−1−ハイドロパーフルオロプロパン、モノヨードモノクロロジフルオロメタン、モノヨードジクロロモノフルオロメタン、2−ヨード−1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、4−ヨード−1,2−ジクロロパーフルオロブタン、6−ヨード−1,2−ジクロロパーフルオロヘキサン、4−ヨード−1,2,4−トリクロロパーフルオロブタン、1−ヨード−2,2−ジハイドロパーフルオロプロパン、1−ヨード−2−ハイドロパーフルオロプロパン、モノヨードトリフルオロエチレン、3−ヨードパーフルオロプロペン−1、4−ヨードパーフルオロペンテン−1、4−ヨード−5−クロロパーフルオロペンテン−1、2−ヨードパーフルオロ(1−シクロブテニルエタン)、1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロ−n−ブタン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロ−n−ペンタン、1,7−ジヨードパーフルオロ−n−オクタン、1,2−ジ(ヨードジフルオロメチル)パーフルオロシクロブタン、2−ヨード−1,1,1−トリフルオロエタン、1−ヨード−1−ハイドロパーフルオロ(2−メチルエタン)、2−ヨード−2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、2−ヨード−2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタンなどがあげられる。さらに、Rf 5の炭化水素基には、エーテル結合性酸素原子、チオエーテル結合性硫黄原子、カルボキシル基などの官能基を含んでいてもよく、2−ヨードパーフルオロ(エチルビニルエーテル)、2−ヨードパーフルオロ(エチルイソプロピルエーテル)、3−ヨード−2−クロロパーフルオロ(ブチルメチルチオエーテル)、3−ヨード−4−クロロパーフルオロ酪酸などをあげることができる。
これらの中でも、合成の容易さ、反応性、経済性、安定性の点で、1,4−ジヨードパーフルオロ−n−ブタンが好ましい。
ヨウ素化合物の添加量は、分岐型含フッ素エラストマー(A)に対して、0.05〜2.0質量%であることが好ましい。添加量が、0.05質量%未満であると、架橋が不充分となり、圧縮永久歪み(CS)が悪化する傾向があり、2.0質量%をこえると、架橋密度が上がり過ぎるために、伸びなどのゴムとしての性能を損なう傾向がある。
ヨウ素化合物の添加は、重合初期に一括で添加してもよく、また数回に分けて添加してもよい。
ヨウ素移動重合において、重合開始剤として油溶性ラジカル重合開始剤、または水溶性ラジカル重合開始剤を使用できる。
油溶性ラジカル重合開始剤としては、通常周知の油溶性の過酸化物が用いられ、たとえばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類などが、また、ジ(ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−ヘキサデカフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロバレリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−デカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル−ω−ハイドロヘキサデカフルオロノナノイル−パーオキサイド、ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル−ω−クロロ−デカフルオロヘキサノイル−パーオキサイド、ω−ハイドロドデカフルオロヘプタノイル−パーフルオロブチリル−パーオキサイド、ジ(ジクロロペンタフルオロブタノイル)パーオキサイド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルオロデカノイル)パーオキサイド、ジ(ウンデカクロロドトリアコンタフルオロドコサノイル)パーオキサイドなどのジ[パーフルオロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類などが代表的なものとしてあげられる。
しかし、代表的な油溶性開始剤である、ジ−イソプロピルパーオキシカーボネイト(IPP)やジ−n−プロピルパーオキシカーボネイト(NPP)などのパーオキシカーボネイト類は爆発の危険性がある上、高価であり、しかも重合反応中に重合槽の壁面などのスケールの付着が生じやすいという問題があるので、水溶性ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
水溶性ラジカル重合開始剤としては、通常周知の水溶性の過酸化物が用いられ、たとえば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸などのアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、t−ブチルパーマレエート、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどがあげられる。
水溶性ラジカル重合開始剤の添加量は、特に限定はないが、重合速度が著しく低下しない程度の量(たとえば、数ppm対水濃度)以上を重合の初期に一括して、または逐次的に、または連続して添加すればよい。上限は、装置面から重合反応熱を除熱できる範囲である。
さらに乳化剤、分子量調整剤、pH調整剤などを添加してもよい。分子量調整剤は、初期に一括して添加してもよいし、連続的または分割して添加してもよい。
乳化剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが使用でき、とくにアニオン系界面活性剤の例として、パーフルオロオクタン酸(CF3(CF26COOH)、1,1,2,2−テトラハイドロパーフルオロヘキサンスルフォン酸(CF3(CF23CH2CH2SO3H)、1,1,2,2−テトラハイドロパーフルオロオクタンスルフォン酸(CF3(CF25CH2CH2SO3H)または、そのアンモニウム塩、あるいはアルカリ金属塩などが好ましい。
分子量調整剤としては、たとえばマロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、コハク酸ジメチルなどのエステル類のほか、イソペンタン、イソプロパノール、アセトン、各種メルカプタン、四塩化炭素、シクロヘキサン、モノヨードメタン、1−ヨードエタン、1−ヨード−n−プロパン、ヨウ化イソプロピル、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパンなどがあげられる。
そのほか緩衝剤などを適宜添加してもよいが、その量は本発明の効果を損なわない範囲とする。
これらの分岐型含フッ素エラストマー(A)は、エラストマー中に0.01〜8質量%のヨウ素原子を含むことが好ましく、0.05〜2質量%含むことがより好ましい。ヨウ素原子含有量が、0.01質量%未満であると架橋が不充分となり、圧縮永久歪みが悪化する傾向があり、8質量%をこえると架橋密度が高すぎ、伸びが小さすぎるなど、ゴムとしての性能が悪化する傾向がある。
本発明の含フッ素エラストマー組成物の他の成分である含フッ素ポリマー(B)は、数平均分子量が1,000〜250,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6以上である直鎖型含フッ素ポリマーである。
直鎖型含フッ素ポリマー(B)の数平均分子量は、1,000〜250,000であり、5,000〜140,000であることが好ましく、さらには15,000〜100,000であることがより好ましい。数平均分子量が250,000をこえると分岐型含フッ素エラストマーと混合した際に耐圧縮永久歪みが悪化する傾向があり、1,000未満であると、伸びなどの常態物性が悪化する傾向があり、またヨウ素化合物の使用量が多くなるためコストが上がる傾向となる。
分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、下限は特に限定されないが1.1以上であることがより好ましい。また、分子量分布の上限は4以下であることが好ましい。分子量分布が、1.1未満であると、物性面で問題はないものの、ロール加工性が悪化する傾向があり、4をこえると、ロール加工時の発熱やロールへの粘着がおこる傾向がある。
数平均分子量の調整は通常の方法、たとえば重合時間を制御することにより、または、分子量調整剤を使用することにより行うことができる。
直鎖型含フッ素ポリマー(B)は、絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6以上、好ましくは0.7以上である。上限は1である。勾配aが0.6より小さくなると長鎖の分岐鎖が多くなり、架橋構造を乱す結果、伸びなどの常態物性が悪化する傾向がある。
直鎖型含フッ素ポリマー(B)の製造に用いられるフルオロオレフィンとしては、分岐型含フッ素エラストマー(A)で例示した前記一般式(2):
CX23=CX45 (2)
(X2〜X4は、水素原子またはハロゲン原子;X5は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたエーテル結合性酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜9の含フッ素アルキル基、または水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたエーテル結合性酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜9の含フッ素アルコキシ基;ただし、X2〜X5の少なくとも1つはフッ素原子、含フッ素アルキル基または含フッ素アルコキシ基である)
で示されるものが好ましい。
ただし、分岐型含フッ素エラストマー(A)におけるフルオロオレフィンと同じである必要はなく、種類および組成が異なっていてもよい。好ましくは同種で同じ基本組成(分岐状態や分子量は異なる)であることが親和性がよいことから好ましい。
直鎖型含フッ素ポリマー(B)における一般式(2)で示されるフルオロオレフィンとしては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ビニリデンフルオライド(VdF)、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ビニルフルオライド、ヘキサフルオロイソブテン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)などがあげられるが、エラストマー組成が得られやすい点から、ビニリデンフルオライド(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、トリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ビニルフルオライド、ヘキサフルオロイソブテンが好ましい。
また、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類は、耐寒性、耐薬品性の点でも好ましい。
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)などがあげられる。
また、一般式(2)で示されるフルオロオレフィン以外のフルオロオレフィンとしては、
Figure 2009119409
で示されるフルオロオレフィンや、一般式(3):
Figure 2009119409
(式中Y3は、−CH2I、−OH、−COOH、−SO2F、−SO3M(Mは水素原子、NH4またはアルカリ金属原子)、カルボン酸塩、カルボキシエステル基、エポキシ基、シアノ基、ヨウ素原子;X6およびX7は同じかまたは異なりいずれも水素原子またはフッ素原子;Rf 2はエーテル結合性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基;nは0または1;ただし、前記一般式(1)と同一のものは除く)で示される官能基含有フルオロオレフィンやポリフルオロジエン類などがあげられる。
官能基含有フルオロオレフィンは、表面改質、架橋密度アップなどの機能性モノマーとして好ましく、ポリフルオロジエン類は、架橋効率の点で好ましい。
一般式(3)で示される官能基含有フルオロオレフィンとしては、
Figure 2009119409
Figure 2009119409
などがあげられる。
フルオロオレフィン以外のエチレン性不飽和化合物としては、特に限定されないが、エチレン(ET)、プロピレン、ブテン、ペンテンなどの炭素数2〜10のα−オレフィンモノマー、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどの炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルビニルエーテルなどがあげられる。これらは、低コスト、耐アミン性の点で好ましい。
直鎖型含フッ素ポリマー(B)を形成するモノマーの組み合わせとしては、上記一般式(2)で示されるフルオロオレフィンを1種以上、一般式(2)以外のフルオロオレフィンを1種以上、一般式(2)で示されるフルオロオレフィンを1種以上と一般式(2)以外のフルオロオレフィンを1種以上含む組合わせがあり、かつそれぞれの組み合わせの共重合モノマーとして、フルオロオレフィン以外のエチレン性不飽和化合物を含んでいてもよい。
上記一般式(2)で示されるフルオロオレフィン、および一般式(2)で示されるフルオロオレフィン以外のエチレン性不飽和化合物の中でも、低コストで良好な架橋性を有する含フッ素エラストマーを形成する目的では、ビニリデンフルオライド(VdF)と共重合可能なエチレン性不飽和化合物からなることが好ましい。
直鎖型含フッ素ポリマー(B)は、なかでもVdFとその他のモノマーからなるVdF系エラストマーが好適である。
具体的には、上記VdF系エラストマーは、VdF繰り返し単位が、VdF繰り返し単位と上記VdF系エラストマーにおけるその他の共モノマーに由来する繰り返し単位との合計モル数の20モル%以上、90モル%以下が好ましく、40モル%以上、85モル%以下であることがより好ましい。さらに好ましい下限は45モル%、特に好ましい下限は50モル%であり、さらに好ましい上限は80モル%である。
そして、上記VdF系エラストマーにおけるその他のモノマーとしてはVdFと共重合可能であれば特に限定されず、たとえば、TFE、HFP、PAVE、CTFE、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、フッ化ビニル、ヨウ素含有フッ素化ビニルエーテル等のフッ素含有モノマー;エチレン(Et)、プロピレン(Pr)、アルキルビニルエーテル等のフッ素非含有モノマー等があげられ、これらのフッ素含有モノマーおよびフッ素非含有モノマーのなかから1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。前記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)が好ましく、特にパーフルオロ(メチルビニルエーテル)が好ましい。
上記VdF系エラストマーとしては、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/CTFE/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体、VdF/TFE/Pr共重合体、または、VdF/Et/HFP共重合体が好ましいが、その他のモノマーとして、TFE、HFP、および/または、PAVEを有するものであることがより好ましく、特には、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、または、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体が好ましい。
VdF/HFP共重合体は、VdF/HFPの組成が、(45〜85)/(55〜15)(モル%)であることが好ましく、より好ましくは、(50〜80)/(50〜20)(モル%)であり、さらに好ましくは、(60〜80)/(40〜20)(モル%)である。
VdF/HFP/TFE共重合体は、VdF/HFP/TFEの組成が、(40〜80)/(10〜35)/(10〜25)(モル%)のものが好ましい。
VdF/PAVE共重合体としては、VdF/PAVEの組成が、(65〜90)/(10〜35)(モル%)のものが好ましい。
VdF/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/TFE/PAVEの組成が、(40〜80)/(3〜40)/(15〜35)(モル%)のものが好ましい。
VdF/HFP/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/PAVEの組成が、(65〜90)/(3〜25)/(3〜25)(モル%)のものが好ましい。
VdF/HFP/TFE/PAVE共重合としては、VdF/HFP/TFE/PAVEの組成が、(40〜90)/(0〜25)/(0〜40)/(3〜35)(モル%)のものが好ましく、(40〜80)/(3〜25)/(3〜40)/(3〜25)(モル%)のものがより好ましい。
また、直鎖型含フッ素ポリマー(B)は、パーオキサイド架橋可能な架橋部位を有することが好適である。パーオキサイド架橋可能な架橋部位としては、たとえばヨウ素原子、臭素原子、シアノ基などが例示できる。なかでも反応性が良好な点から、ヨウ素原子が好ましい。架橋部位の導入法は、連鎖移動剤としてパーオキサイド架橋可能な架橋部位を複数残渣として残す化合物(たとえばRIxなどの多ヨウ化化合物など)を使用する方法などがあげられる。直鎖型含フッ素ポリマー(B)は、ポリマー中に0.01〜8質量%のヨウ素原子を含むことが好ましく、0.05〜5質量%含むことがより好ましく、0.1〜3.0質量%含むことが特に好ましい。ヨウ素原子含有量が、0.01質量%未満であると架橋が不充分となり、圧縮永久歪みが悪化する傾向があり、8質量%をこえると架橋密度が高すぎ、伸びが小さすぎるなど性能が悪化する傾向がある。
直鎖型含フッ素ポリマー(B)の製造は、分岐型含フッ素エラストマー(A)の製造において、一般式(1)で示される化合物を存在させないで行うほかは同様でよい。ただし、分子量を抑える点から一般式(24)で示されるヨウ素化合物の添加量を比較的多くすることが好ましく、直鎖型含フッ素ポリマー(B)に対して、0.1〜3.0質量%であることが好ましい。
本発明のパーオキサイド架橋が可能な含フッ素エラストマー組成物は、たとえばつぎの方法により調製できるが、これらに限定されるものではない。
(1)分岐型含フッ素エラストマー(A)を重合した後、同一の重合槽で引き続き直鎖型含フッ素ポリマー(B)を重合する方法(1槽法)。
(2)分岐型含フッ素エラストマー(A)の水性分散液と直鎖型含フッ素ポリマー(B)の水性分散液を混合する方法(湿式混合法)。
(3)分岐型含フッ素エラストマー(A)と直鎖型含フッ素ポリマー(B)をドライブレンドする方法(乾式混合法)。
1槽法は、たとえば乳化重合法により重合途中で連鎖移動剤を添加して重合させると多ピーク型の分子量分布のポリマーが得られる。この場合、最初に分岐型含フッ素エラストマー(A)を生成させたのち、任意の時期に連鎖移動剤および必要に応じて重合触媒を添加することにより直鎖型含フッ素ポリマー(B)を生成させる方法である。連鎖移動剤としては前記のヨウ素化合物を用いるのがよい。
湿式混合法は、たとえば乳化重合で得られた分岐型含フッ素エラストマー(A)の水性分散液と同様にして得られた直鎖型含フッ素ポリマー(B)の水性分散液を、特定の割合で混合、攪拌後、食塩水等を添加し、2つの成分を共凝析させ、本発明の含フッ素エラストマー組成物を得る方法である。
乾式混合法は、別々に製造された分岐型含フッ素エラストマー(A)と直鎖型含フッ素ポリマー(B)をロール、ニーダー、バンバリミキサーなどを用いて混練することによって得られる。
これらの方法のうち、2成分の均一分散が良好な点から1槽法および湿式混合法が好ましく、特に生産性が良好な点から1槽法が好ましい。
本発明の含フッ素エラストマー組成物において、分岐型含フッ素エラストマー(A)/直鎖型含フッ素ポリマー(B)の質量比(A)/(B)は、95/5〜55/45であることが、分岐型含フッ素エラストマーの特性の維持が良好な点から好ましい。さらには、粘度の低下作用が良好であり、伸びなどの常態物性の低下が見られないことから90/10〜60/40が好ましい。
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、パーオキサイド系架橋剤により架橋することができる。
本発明で使用可能な架橋剤としては、含フッ素エラストマーの分野で通常使用されるパーオキサイド架橋剤が使用できる。
架橋剤としては、パーオキサイド架橋系ではたとえばα,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物があげられる。しかしこれらに限られるものではない。
これらの中でも、架橋性、取り扱い性の点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
架橋剤の配合量は分岐型含フッ素エラストマー(A)100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。架橋剤が、0.01質量部より少ないと、架橋度が不足するため、含フッ素成形品の性能が損なわれる傾向があり、10質量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため架橋時間が長くなることに加え、経済的にも好ましくない傾向がある。
パーオキサイド架橋剤には架橋助剤を用いることが好ましい。架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリス(ジアリルアミン−s−トリアジン)、トリアリルホスファイト、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルテトラフタラミド、N,N,N′,N′−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートなどがあげられる。これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
架橋助剤の配合量は、分岐型含フッ素エラストマー(A)100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5.0質量部であることがより好ましい。架橋助剤が、0.01質量部より少ないと、架橋時間が実用に耐えないほど長くなる傾向があり、10質量部をこえると、架橋時間が極端に短くなることに加え、成形品の圧縮永久歪も低下する傾向がある。
さらに通常の添加剤である充填材、加工助剤、カーボンブラック、無機充填剤や、酸化マグネシウムのような金属酸化物、水酸化カルシウムのような金属水酸化物などを本発明の目的を損なわない限り使用してもよい。
本発明の含フッ素エラストマー組成物のムーニー粘度は、成形法に応じて最適粘度を選択するため、特に限定されないが、たとえば射出成形の場合、100℃でのムーニー粘度(ML1+10)が10〜110、好ましくは20〜100であり、高すぎると流動性不良による成形不良が生じたり、低すぎると泡が混入しやすいなどの不具合を起こしたりする傾向がある。
本発明の組成物の架橋法はとくに制限はなく、たとえば、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形、射出成形など、従来公知の方法が採用できる。
得られる成形品の引張破断伸び(Eb)が180〜550%であることが好ましい。引張破断伸びが180%未満であると、いわゆる「ゴムらしさ」がなくなる傾向がある。また逆に550%をこえると、架橋密度が下がり過ぎ、圧縮永久歪み(CS)が悪化する傾向がある。また、成形品の200℃、72時間での圧縮永久歪み(CS)は、小さい方が好ましく、30%以下が好ましく、25%以下がより好ましい。
一般には、圧縮永久歪みが小さくなると、成形品の引張破断伸びも小さくなってしまう傾向があるため、圧縮永久歪みが小さく、かつ成形品の引張破断伸びが大きい「ゴムらしさ」のこれら両者を兼ね備えることは非常に困難であるが、本発明においては、特定の物性を有する分岐型含フッ素エラストマー(A)を用い、かつ特定の物性を有する直鎖型含フッ素ポリマー(B)を配合することで、これらの物性を兼ね備えることが可能になったものである。
特に、本発明の含フッ素エラストマー組成物によれば、従来では提供できなかった引張破断伸び(Eb)と72時間での圧縮永久歪み(CS)とのバランスが優れた成形品を提供することもできるようになる。具体的には、Ebが170〜200%でかつCSが10以下の成形品、Ebが200〜230%でかつCSが13以下の成形品、Ebが230〜260%でかつCSが14以下の成形品、Ebが260〜290%でかつCSが18以下の成形品、Ebが290〜320%でかつCSが20以下の成形品を提供することも可能となる。
ここで、上記成形品の引張破断伸び(Eb)や200℃、72時間での圧縮永久歪み(CS)の値は、後述する標準配合、標準架橋条件により架橋することにより得られる成形品での値をいう。
本発明の組成物からは、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野、自動車分野、航空機分野、ロケット分野、船舶分野、化学プラント等の化学品分野、医薬品等の薬品分野、現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野、塗装設備等の塗装分野、食品プラント機器分野、原子力プラント機器分野、鉄板加工設備等の鉄鋼分野、一般工業分野、燃料電池分野、電子部品分野などの分野で好適な成形品を与えることができる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
<重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)>
装置:HLC−8020(東ソー(株)製)
カラム:GPC KF−806M 2本
GPC KF−801 1本
GPC KF−802 1本
検出器:示差屈折率計
展開溶媒:テトラヒドロフラン
温度:35℃
試料濃度:0.1重量%
標準試料:単分散ポリスチレン各種((Mw/Mn)=1.14(Max))、TSK standard POLYSTYRENE(東ソー(株)製)
<ムーニー粘度>
ASTM−D1646およびJIS K6300−1に準拠して測定する。
測定機器:(株)上島製作所製の自動ムーニー粘度計
ローター回転数:2rpm
測定温度:100℃(一部60℃)
<絶対重量分子量、固有粘度>
装置: GPCmax−TDA302システム(Viscotech社)
検出器:RI(示差屈折計),VISC(粘度計),LALLS(低角度光散乱検出器),RALLS(直角光散乱検出器)
解析ソフトウェアー:Viscotech Omin SEC
カラム:TSKgelGMHRH 2本
展開溶媒:HCFC−225/HFIP(10%)
温度:30℃
試料濃度:0.4質量%
標準試料:PMMA
<マーク−ハウィン勾配a>
具体的には、GPC−光散乱−粘度計システムを用いてGPCを測定し、RI検出器でピークが検出された分子量範囲において、各点における接線の傾きの平均値として算出する。
<圧縮永久歪み>
下記標準配合物を下記標準加硫条件で1次プレス加硫および2次オーブン加硫してO−リング(P−24)を作製し、JIS−K6301に準じて、1次プレス加硫後の圧縮永久歪みおよび2次オーブン加硫後の圧縮永久歪み(CS)を測定する(25%加圧圧縮下に200℃で72時間保持したのち25℃の恒温室内に30分間放置した試料を測定)。
(標準配合1)
含フッ素エラストマー 100質量部
トリアリルイソシアヌレート(TAIC) 4質量部
パーヘキサ25B 1.5質量部
カーボンブラックMT−C 20質量部
(標準配合2)
含フッ素エラストマー 100質量部
トリアリルイソシアヌレート(TAIC) 3質量部
パーヘキサ25B 1.5質量部
カーボンブラックMT−C 20質量部
(標準加硫条件)
混練方法 :ロール練り
プレス加硫 :160℃で10分
オーブン加硫:180℃で4時間
<100%モジュラス(M100)>
前記標準配合物を前記標準加硫条件で1次プレス加硫および2次オーブン加硫して厚さ2mmのシートとし、JIS−K6251に準じて測定する。
<引張破断強度(Tb)および引張破断伸び(Eb)>
前記標準配合物を前記標準加硫条件で1次プレス加硫および2次オーブン加硫して厚さ2mmのシートとし、JIS−K6251に準じて測定する。
<硬度(Hs)>
前記標準配合物を前記標準加硫条件で1次プレス加硫および2次オーブン加硫して厚さ2mmのシートとし、JIS−K6253に準じて測定する。
<加硫特性>
前記1次プレス加硫時にJSR型キュラストメータII型、およびV型を用いて170℃における加硫曲線を求め、最低粘度(ML)、加硫度(MH)、誘導時間(T10)および最適加硫時間(T90)を求める。
<組成分析>
19F−NMR(Bruker社製AC300P型)を用いて測定した。ただし、含TFEポリマーは、19F−NMR(日本電子(株)製FX100型)を用いて測定する。
<元素分析>
横河ヒューレットパッカード社G2350A型を用いて測定する。
参考例1(分岐型含フッ素エラストマー(A−1)の製造)
攪拌装置として、電磁誘導攪拌装置を有する内容積3リットルの重合槽に、純水1730gとC511CHOONH41.73gと2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2−トリフルオロアリルオキシ)プロポキシ]プロピオン酸アンモニウム塩0.173gを仕込み、系内を充分に窒素置換したのち減圧にした。この操作を5回繰返し、減圧状態でVdF35g、TFE42g、HFP1090gを仕込み、攪拌下に80℃まで昇温した。ついで、純水10gに溶解したAPS0.24gを窒素ガスにて圧入して重合を開始し、(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)の条件で重合を継続し、4時間後に攪拌を止め、モノマーを放出して重合を停止した。
(a)重合槽内組成VdF/TFE/HFP=6.5/5.0/88.5(モル%)に対するPeng−Robinson式による臨界温度・臨界圧力計算をAspen Plus Ver.11.1を用いて行ったところ、Tc=87.7℃、Pc=3.05MPaであった。さらに換算温度TR0.95、換算圧力PR0.80による変換を行なうと、T=69.7℃、P=2.44MPaとなり、ここでの重合条件(80℃、3.5MPa)は、換算温度以上かつ換算圧力以上である。
(b)VdF/TFE/HFP(65.5/25.3/9.2(モル%))モノマー混合物を連続的に供給し、気相部分の圧力を3.5MPaに維持した。また、重合終了までに、400gのモノマー混合物を槽内に供給した。
(c)攪拌速度を560rpmで維持した。
(d)(b)記載のモノマー混合物を8g(全追加モノマー混合物供給量の2質量%)供給した時に、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン2.059g(含フッ素エラストマー100質量部に対して0.33質量部)、さらに28g(全追加モノマー供給量の7質量%)供給した時に、IMモノマー(CF2=CFOCF2CF2CH2I)6.86g(目的とする含フッ素エラストマー100質量部に対して1.1質量部)を窒素ガスにて圧入した。
(e)IMモノマーの添加を、(b)記載のモノマー混合物を28g(全追加モノマー混合物供給量の7質量%)添加した時期に終了した。
得られた乳濁液の重量は2343g、ポリマー濃度が26.7質量%であった。また、含フッ素エラストマーとしては626gであり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは9.6万、数平均分子量Mnは6.1万、Mw/Mnは1.56であった。また、19F−NMRで測定した重合体の組成はVdF/TFE/HFP=50.2/19.9/29.9(モル%)であった。100℃におけるムーニー粘度は70であった。
この含フッ素エラストマー(A−1)についてマーク−ハウィンプロットにプロットしてマーク−ハウィン勾配aを算出したところ、0.44であった。
参考例2(分岐型含フッ素エラストマー(A−2)の製造)
参考例1記載の条件のうち(d)の条件内の、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン1.45g(含フッ素エラストマー100質量部に対して0.26質量部)、IMモノマー(CF2=CFOCF2CF2CH2I)5.1g(目的とする含フッ素エラストマー100質量部に対して0.85質量部)使用した以外は参考例1と同様にして行った。
得られた乳濁液の重量は2182g、ポリマー濃度が27.6質量%であった。また、含フッ素エラストマーとしては602gであり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは17.9万、数平均分子量Mnは10.1万、Mw/Mnは1.76であった。また、19F−NMRで測定した重合体の組成はVdF/TFE/HFP=51/20/29(モル%)であった。100℃におけるムーニー粘度は105であった。
この含フッ素エラストマー(A−2)についてマーク−ハウィンプロットにプロットしてマーク−ハウィン勾配aを算出したところ、0.46であった。
参考例3(直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)の製造)
参考例1と同様の攪拌装置を有する内容積3リットルの重合槽に、純水1730gとC511CHOONH41.73gと2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2−トリフルオロアリルオキシ)プロポキシ]プロピオン酸アンモニウム塩0.173gを仕込み、系内を充分に窒素置換したのち減圧にした。この操作を5回繰返し、減圧状態でVdF35g、TFE42g、HFP1090gを仕込み、攪拌下に80℃まで昇温した。ついで、純水10gに溶解したAPS0.24gを窒素ガスにて圧入して重合を開始し、(a)、(b)、(c)、および(d)の条件で重合を継続し、3時間後に攪拌を止め、モノマーを放出して重合を停止した。
(a)重合槽内組成VdF/TFE/HFP=6.5/5.0/88.5(モル%)に対するPeng−Robinson式による臨界温度・臨界圧力計算をAspen Plus Ver.11.1を用いて行ったところ、Tc=87.7℃、Pc=3.05MPaであった。さらに換算温度TR0.95、換算圧力PR0.80による変換を行なうと、T=69.7℃、P=2.44MPaとなり、ここでの重合条件(80℃、3.5MPa)は、換算温度以上かつ換算圧力以上である。
(b)VdF/TFE/HFP(65.5/25.3/9.2(モル%))モノマー混合物を連続的に供給し、気相部分の圧力を3.5MPaに維持した。また、重合終了までに、400gのモノマー混合物を槽内に供給した。
(c)攪拌速度を560rpmで維持した。
(d)(b)記載のモノマー混合物を8g(全追加モノマー混合物供給量の2質量%)供給した時に、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン13.3g(含フッ素エラストマー100質量部に対して1.8質量部)を窒素ガスにて圧入した。
得られた乳濁液の重量は2442g、ポリマー濃度が26.6質量%であった。また、含フッ素エラストマーとしては650gであり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは2.4万、数平均分子量Mnは2.2万、Mw/Mnは1.14であった。また、19F−NMRで測定した重合体の組成はVdF/TFE/HFP=49.2/20.1/30.7(モル%)のエラストマー性の含フッ素ポリマーであった。60℃におけるムーニー粘度は7であった。
この含フッ素ポリマー(B−1)についてマーク−ハウィンプロットにプロットしてマーク−ハウィン勾配aを算出したところ、0.75であった。
参考例4(直鎖型含フッ素ポリマー(B−2)の製造)
参考例1と同様の攪拌装置を有する内容積3リットルの重合槽に、純水1730gとC511CHOONH41.73gと2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2−トリフルオロアリルオキシ)プロポキシ]プロピオン酸アンモニウム塩0.173gを仕込み、系内を充分に窒素置換したのち減圧にした。この操作を5回繰返し、減圧状態でVdF35g、TFE42g、HFP1090gを仕込み、攪拌下に80℃まで昇温した。ついで、純水10gに溶解したAPS0.24gを窒素ガスにて圧入して重合を開始し、(a)、(b)、(c)、および(d)の条件で重合を継続し、2.2時間後に攪拌を止め、モノマーを放出して重合を停止した。
(a)重合槽内組成VdF/TFE/HFP=6.5/5.0/88.5(モル%)に対するPeng−Robinson式による臨界温度・臨界圧力計算をAspen Plus Ver.11.1を用いて行ったところ、Tc=87.7℃、Pc=3.05MPaであった。さらに換算温度TR0.95、換算圧力PR0.80による変換を行なうと、T=69.7℃、P=2.44MPaとなり、重合条件(80℃、3.5MPa)は、換算温度以上かつ換算圧力以上である。
(b)VdF/TFE/HFP(65.5/25.3/9.2(モル%))モノマー混合物を連続的に供給し、気相部分の圧力を3.5MPaに維持した。また、重合終了までに、400gのモノマー混合物を槽内に供給した。
(c)攪拌速度を560rpmで維持した。
(d)(b)記載のモノマー混合物を8g(全追加モノマー混合物供給量の2質量%)供給した時に、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン3.7g(含フッ素エラストマー100質量部に対して0.57質量部)を窒素ガスにて圧入した。
得られた乳濁液の重量は2422g、ポリマー濃度が26.8質量%であった。また、含フッ素エラストマーとしては650gであり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは9.3万、数平均分子量Mnは8.0万、Mw/Mnは1.16であった。また、19F−NMRで測定した重合体の組成はVdF/TFE/HFP=49.5/20.0/30.5(モル%)のエラストマー性の含フッ素ポリマーであった。100℃におけるムーニー粘度は32であった。
この含フッ素ポリマー(B−1)についてマーク−ハウィンプロットにプロットしてマーク−ハウィン勾配aを算出したところ、0.77であった。
実施例1
参考例1で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−1)の水性分散液90質量部と参考例3で製造した直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)の水性分散液10質量部とを混合し、攪拌し充分に混合したのち、共凝析させた。
ついで、得られた共凝析物を回収し、130℃で15時間乾燥して本発明の含フッ素エラストマー組成物を得た。この組成物中には、分岐型含フッ素エラストマー(A−1)と直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)とが、質量比で90/10の割合で存在していた。得られた含フッ素エラストマー組成物の100℃におけるムーニー粘度は55であった。
得られた含フッ素エラストマー組成物を前記評価法にしたがい評価した。結果を表1に示す。
実施例2
参考例1で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−1)の水性分散液80質量部と参考例3で製造した直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)の水性分散液20質量部とを混合し、攪拌し充分に混合したのち、共凝析させた。
ついで、得られた共凝析物を回収し、130℃で15時間乾燥して本発明の含フッ素エラストマー組成物を得た。この組成物中には、分岐型含フッ素エラストマー(A−1)と直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)とが、質量比で80/20の割合で存在していた。得られた含フッ素エラストマー組成物の100℃におけるムーニー粘度は42であった。
得られた含フッ素エラストマー組成物を前記評価法にしたがい評価した。結果を表1に示す。
実施例3
攪拌装置として、電磁誘導攪拌装置を有する内容積3リットルの重合槽に、純水1730gとC511CHOONH41.73gと2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2−トリフルオロアリルオキシ)プロポキシ]プロピオン酸アンモニウム塩0.173gを仕込み、系内を充分に窒素置換したのち減圧にした。この操作を5回繰返し、減圧状態でVdF35g、TFE42g、HFP1090gを仕込み、攪拌下に80℃まで昇温した。ついで、純水10gに溶解したAPS0.24gを窒素ガスにて圧入して重合を開始し、(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)の条件で重合を継続し、4時間後に攪拌を止め、モノマーを放出して重合を停止した。
(a)重合槽内組成VdF/TFE/HFP=6.5/5.0/88.5(モル%)に対するPeng−Robinson式による臨界温度・臨界圧力計算をAspen Plus Ver.11.1を用いて行ったところ、Tc=87.7℃、Pc=3.05MPaであった。さらに換算温度TR0.95、換算圧力PR0.80による変換を行なうと、T=69.7℃、P=2.44MPaとなり、ここでの重合条件(80℃、4.5MPa)は、換算温度以上かつ換算圧力以上である。
(b)VdF/TFE/HFP(65.5/25.3/9.2(モル%))モノマー混合物を連続的に供給し、気相部分の圧力を3.5MPaに維持した。また、重合終了までに、400gのモノマー混合物を槽内に供給した。
(c)攪拌速度を560rpmで維持した。
(d)(b)記載のモノマー混合物を8g(全追加モノマー混合物供給量の2質量%)供給した時に、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン1.65g(含フッ素エラストマー100質量部に対して0.26質量部)、さらに28g(全追加モノマー供給量の7質量%)供給した時に、IMモノマー(CF2=CFOCF2CF2CH2I)4.8g(目的とする含フッ素エラストマー100質量部に対して0.76質量部)、さらに307g(全追加モノマー供給量の76.8%)供給した時に、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン2.66g(含フッ素エラストマー100質量部に対して0.42質量部)を窒素ガスにて圧入した。
(e)IMモノマーの添加を、(b)記載のモノマー混合物を28g(全追加モノマー混合物供給量の7質量%)添加した時期に終了した。すなわち、IMモノマーの添加は(d)の1回のみである。
得られた乳濁液の重量は2350g、ポリマー濃度が26.8質量%であった。また、含フッ素エラストマーとしては630gであり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは11.6万、数平均分子量Mnは5.8万、Mw/Mnは1.99であった。また、19F−NMRで測定した重合体の組成はVdF/TFE/HFP=50.2/19.9/29.9(モル%)であった。この組成物中には、分岐型含フッ素エラストマー(A)と直鎖型含フッ素ポリマー(B)とが、質量比で77/23の割合で存在していた。組成物の100℃におけるムーニー粘度は45であった。
得られた含フッ素エラストマー組成物を前記評価法にしたがい評価した。結果を表1に示す。
実施例4
参考例1で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−1)の水性分散液80質量部と参考例4で製造した直鎖型含フッ素ポリマー(B−2)の水性分散液20質量部とを混合し、攪拌し充分に混合したのち、共凝析させた。
ついで、得られた共凝析物を回収し、130℃で15時間乾燥して本発明の含フッ素エラストマー組成物を得た。この組成物中には、分岐型含フッ素エラストマー(A−1)と直鎖型含フッ素ポリマー(B−2とが、質量比で80/20の割合で存在していた。得られた含フッ素エラストマー組成物の100℃におけるムーニー粘度は66であった。
得られた含フッ素エラストマー組成物を前記評価法にしたがい評価した。結果を表1に示す。
比較例1
参考例1で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−1)のみを用いて、前記評価法にしたがい評価した。結果を表1に示す。
比較例2
参考例3で製造したエラストマー性の直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)のみを用いて、前記評価法にしたがい評価した。結果を表1に示す。
比較例3
参考例4で製造したエラストマー性の直鎖型含フッ素ポリマー(B−2)のみを用いて、前記評価法にしたがい評価した。結果を表1に示す。
Figure 2009119409
表1の結果から、分岐型含フッ素エラストマー(A)に直鎖型含フッ素エラストマー(B)をブレンドしても、分岐型含フッ素エラストマー(A)の物性を維持するということが分かる。
実施例5
参考例2で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−2)の水性分散液80質量部と参考例3で製造した直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)の水性分散液20質量部とを混合し、攪拌し充分に混合したのち、共凝析させた。
ついで、得られた共凝析物を回収し、130℃で15時間乾燥して本発明の含フッ素エラストマー組成物を得た。この組成物中には、分岐型含フッ素エラストマー(A−2)と直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)とが、質量比で80/20の割合で存在していた。得られた含フッ素エラストマー組成物の100℃におけるムーニー粘度は65であった。
得られた含フッ素エラストマー組成物を前記評価法にしたがい評価した。結果を表2に示す。
実施例6
参考例2で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−2)の水性分散液60質量部と参考例3で製造した直鎖型含フッ素エラストマー(B−1)の水性分散液40質量部とを混合し、攪拌し充分に混合したのち、共凝析させた。
ついで、得られた共凝析物を回収し、130℃で15時間乾燥して本発明の含フッ素エラストマー組成物を得た。この組成物中には、分岐型含フッ素エラストマー(A−2)と直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)とが、質量比で60/40の割合で存在していた。得られた含フッ素エラストマー組成物の100℃におけるムーニー粘度は39であった。
得られた含フッ素エラストマー組成物を前記評価法にしたがい評価した。結果を表2に示す。
比較例4
参考例2で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−2)のみを用いて、前記評価法にしたがい評価した。結果を表2に示す。
Figure 2009119409
表2の結果から、分岐型含フッ素エラストマー(A)に直鎖型含フッ素エラストマー(B)をブレンドしても、分岐型含フッ素エラストマー(A)の物性を維持するということが分かる。
参考例5(分岐型含フッ素エラストマー(A−3)の製造)
攪拌装置として、電磁誘導攪拌装置を有する内容積3リットルの重合槽に、純水1730gとC511CHOONH41.73gと2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2−トリフルオロアリルオキシ)プロポキシ]プロピオン酸アンモニウム塩0.173gを仕込み、系内を充分に窒素置換したのち減圧にした。この操作を5回繰返し、減圧状態にした。続いて重合槽内がVdF/HFP=42/58モル%、80℃、6MPaとなるようにモノマーを圧入し、昇温を行った。ついで、純水10gに溶解した過硫酸アンモニウム(APS)0.086gを窒素ガスにて圧入して重合を開始し、(a)、(b)、(c)、(d)の条件で重合を継続し、2.1時間後に攪拌を止め、モノマーを放出して重合を停止した。
(a)重合の進行に伴い内圧が降下し始めた時点で、VdF/HFP混合モノマー(=78/22モル%)を連続的に供給し、内圧を6MPaに維持した。また、重合終了までに、470gの混合モノマーを槽内に供給した。
(b)攪拌速度を600rpmで維持した。
(c)(a)記載のモノマー混合物を9.4g(全追加モノマー混合物供給量の2質量%)供給した時に、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン2.15g(含フッ素エラストマー100質量部に対して0.33質量部)、さらに33g(全追加モノマー供給量の7質量%)供給した時に、IMモノマー(CF2=CFOCF2CF2CH2I)7.2g(目的とする含フッ素エラストマー100質量部に対して1.1質量部)を窒素ガスにて圧入した。
(d)IMモノマーの添加を、(a)記載のモノマー混合物を7.2g(全追加モノマー混合物供給量の7質量%)添加した時期に終了した。
得られた乳濁液の重量は2289g、ポリマー濃度が28.4質量%であった。また、含フッ素エラストマーとしては650gであり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは9.8万、数平均分子量Mnは6.3万、Mw/Mnは1.56であった。また、19F−NMRで測定した重合体の組成はVdF/HFP=78.0/22.0(モル%)であった。100℃におけるムーニー粘度は67であった。
この含フッ素エラストマー(A−3)についてマーク−ハウィンプロットにプロットしてマーク−ハウィン勾配aを算出したところ、0.43であった。
参考例6(直鎖型含フッ素ポリマー(B−3)の製造)
攪拌装置として、電磁誘導攪拌装置を有する内容積3リットルの重合槽に、純水1730gとC511CHOONH41.73gと2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2−トリフルオロアリルオキシ)プロポキシ]プロピオン酸アンモニウム塩0.173gを仕込み、系内を充分に窒素置換したのち減圧にした。この操作を5回繰返し、減圧状態にした。続いて重合槽内がVdF/HFP=42/58モル%、80℃、6MPaとなるようにモノマーを圧入し、昇温を行った。ついで、純水10gに溶解した過硫酸アンモニウム(APS)0.086gを窒素ガスにて圧入して重合を開始し、(a)、(b)、(c)の条件で重合を継続し、2.9時間後に攪拌を止め、モノマーを放出して重合を停止した。
(a)重合の進行に伴い内圧が降下し始めた時点で、VdF/HFP混合モノマー(=78/22モル%)を連続的に供給し、内圧を6MPaに維持した。また、重合終了までに、470gの混合モノマーを槽内に供給した。
(b)攪拌速度を600rpmで維持した。
(c)(a)記載のモノマー混合物を9.4g(全追加モノマー混合物供給量の2質量%)供給した時に、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン13.3g(含フッ素エラストマー100質量部に対して2.0質量部)を窒素ガスにて圧入した。
得られた乳濁液の重量は2272g、ポリマー濃度が28.7質量%であった。また、含フッ素エラストマーとしては651gであり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは2.6万、数平均分子量Mnは2.3万、Mw/Mnは1.13であった。また、19F−NMRで測定した重合体の組成はVdF/HFP=78.0/22.0(モル%)であった。60℃におけるムーニー粘度は8であった。
この含フッ素エラストマー(B−3)についてマーク−ハウィンプロットにプロットしてマーク−ハウィン勾配aを算出したところ、0.76であった。
実施例7
参考例5で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−3)の水性分散液80質量部と参考例6で製造した直鎖型含フッ素ポリマー(B−3)の水性分散液20質量部とを混合し、攪拌し充分に混合したのち、共凝析させた。
ついで、得られた共凝析物を回収し、130℃で15時間乾燥して本発明の含フッ素エラストマー組成物を得た。この組成物中には、分岐型含フッ素エラストマー(A−3)と直鎖型含フッ素ポリマー(B−3)とが、質量比で80/20の割合で存在していた。得られた含フッ素エラストマー組成物の100℃におけるムーニー粘度は40であった。
得られた含フッ素エラストマー組成物を前記評価法にしたがい評価した。結果を表3に示す。
比較例5
参考例5で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−3)のみを用いて、前記評価法にしたがい評価した。結果を表3に示す。
比較例6
参考例6で製造したエラストマー性の直鎖型含フッ素ポリマー(B−3)のみを用いて、前記評価法にしたがい評価した。結果を表3に示す。
Figure 2009119409
表3の結果から、分岐型含フッ素エラストマー(A)に直鎖型含フッ素エラストマー(B)をブレンドしても、分岐型含フッ素エラストマー(A)の物性を維持するということが分かる。
参考例7(分岐型含フッ素エラストマー(A−4)の製造)
攪拌装置として、電磁誘導攪拌装置を有する内容積3リットルの重合槽に、純水1730gとC511CHOONH43.46gと2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2−トリフルオロアリルオキシ)プロポキシ]プロピオン酸アンモニウム塩0.0865gを仕込み、系内を充分に窒素置換したのち減圧にした。この操作を5回繰返し、減圧状態にした。続いて重合槽内がVdF/TFE/PMVE=65/6/29モル%、80℃、1.47MPaとなるようにモノマーを圧入し、昇温を行った。ついで、純水10gに溶解した過硫酸アンモニウム(APS)0.0173gを窒素ガスにて圧入して重合を開始し、(a)、(b)、(c)の条件で重合を継続し、14時間後に攪拌を止め、モノマーを放出して重合を停止した。APSについては3時間毎に0.0082gを追加した。
(a)重合の進行に伴い内圧が降下し始めた時点で、VdF/TFE/PMVE混合モノマー(=68/12/20モル%)を連続的に供給し、内圧を1.47MPaに維持した。また、重合終了までに、620gの混合モノマーを槽内に供給した。
(b)攪拌速度を600rpmで維持した。
(c)(a)記載のモノマー混合物を12.4g(全追加モノマー混合物供給量の2質量%)供給した時に、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン1.87g(含フッ素エラストマー100質量部に対して0.24質量部)、さらに31g(全追加モノマー供給量の5質量%)供給した時に、IMモノマー(CF2=CFOCF2CF2CH2I)3.83g(目的とする含フッ素エラストマー100質量部に対して0.6質量部)を窒素ガスにて圧入した。
得られた乳濁液の重量は2375g、ポリマー濃度が26.1質量%であった。また、含フッ素エラストマーとしては620gであり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは15.0万、数平均分子量Mnは10.7万、Mw/Mnは1.4であった。また、19F−NMRで測定した重合体の組成はVdF/TFE/PMVE=67.2/13.3/19.5(モル%)であった。100℃におけるムーニー粘度は50であった。
この含フッ素エラストマー(A−4)についてマーク−ハウィンプロットにプロットしてマーク−ハウィン勾配aを算出したところ、0.30であった。
参考例8(直鎖型含フッ素ポリマー(B−4)の製造)
攪拌装置として、電磁誘導攪拌装置を有する内容積3リットルの重合槽に、純水1730gとC511CHOONH43.46gと2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2−トリフルオロアリルオキシ)プロポキシ]プロピオン酸アンモニウム塩0.0865gを仕込み、系内を充分に窒素置換したのち減圧にした。この操作を5回繰返し、減圧状態にした。続いて重合槽内がVdF/TFE/PMVE=64/8/28モル%、80℃、1.47MPaとなるようにモノマーを圧入し、昇温を行った。ついで、純水10gに溶解した過硫酸アンモニウム(APS)0.011gを窒素ガスにて圧入して重合を開始し、(a)、(b)、(c)の条件で重合を継続し、10.2時間後に攪拌を止め、モノマーを放出して重合を停止した。APSについては3時間毎に0.008gを追加した。
(a)重合の進行に伴い内圧が降下し始めた時点で、VdF/TFE/PMVE混合モノマー(=68/12/20モル%)を連続的に供給し、内圧を1.47MPaに維持した。また、重合終了までに、444gの混合モノマーを槽内に供給した。
(b)攪拌速度を600rpmで維持した。
(c)(a)記載のモノマー混合物を8.9g(全追加モノマー混合物供給量の2質量%)供給した時に、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン2.48g(含フッ素エラストマー100質量部に対して0.56質量部)を窒素ガスにて圧入した。
得られた乳濁液の重量は2140g、ポリマー濃度が20.7質量%であった。また、含フッ素エラストマーとしては443gであり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは11.6万、数平均分子量Mnは8.2万、Mw/Mnは1.42であった。また、19F−NMRで測定した重合体の組成はVdF/TFE/PMVE=67.8/12.2/20.0(モル%)であった。100℃におけるムーニー粘度は25であった。
この含フッ素エラストマー(B−4)についてマーク−ハウィンプロットにプロットしてマーク−ハウィン勾配aを算出したところ、0.79であった。
実施例8
参考例7で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−4)の水性分散液80質量部と参考例8で製造した直鎖型含フッ素ポリマー(B−4)の水性分散液20質量部とを混合し、攪拌し充分に混合したのち、共凝析させた。
ついで、得られた共凝析物を回収し、130℃で15時間乾燥して本発明の含フッ素エラストマー組成物を得た。この組成物中には、分岐型含フッ素エラストマー(A−4)と直鎖型含フッ素ポリマー(B−4)とが、質量比で80/20の割合で存在していた。得られた含フッ素エラストマー組成物の100℃におけるムーニー粘度は41であった。
得られた含フッ素エラストマー組成物を前記評価法にしたがい評価した。結果を表4に示す。
比較例7
参考例7で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−4)のみを用いて、前記評価法にしたがい評価した。結果を表4に示す。
比較例8
参考例8で製造したエラストマー性の直鎖型含フッ素ポリマー(B−4)のみを用いて、前記評価法にしたがい評価した。結果を表4に示す。
Figure 2009119409
表4の結果から、分岐型含フッ素エラストマー(A)に直鎖型含フッ素エラストマー(B)をブレンドしても、分岐型含フッ素エラストマー(A)の物性を維持するということが分かる。
実施例9
参考例1で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−1)の凝析物90質量部と参考例3で製造した直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)の凝析物10質量部とをロールにてドライブレンドを行った。乾燥条件は参考例1と同様の操作を行なった。
この組成物中には、分岐型含フッ素エラストマー(A−1)と直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)とが、質量比で90/10の割合で存在していた。得られた含フッ素エラストマー組成物の100℃におけるムーニー粘度は53であった。
得られた含フッ素エラストマー組成物を前記評価法にしたがい評価した。結果を表5に示す。
実施例10
参考例1で製造した分岐型含フッ素エラストマー(A−1)の凝析物80質量部と参考例3で製造した直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)の凝析物20質量部とをロールにてドライブレンドを行った。乾燥条件は参考例1と同様の操作を行なった。
この組成物中には、分岐型含フッ素エラストマー(A−1)と直鎖型含フッ素ポリマー(B−1)とが、質量比で80/20の割合で存在していた。得られた含フッ素エラストマー組成物の100℃におけるムーニー粘度は41であった。
得られた含フッ素エラストマー組成物を前記評価法にしたがい評価した。結果を表5に示す。
Figure 2009119409
表5の結果から、ドライブレンドしても実施例1および2の共凝析した物性とほぼ同等の物性であることが分かる。

Claims (13)

  1. (A)パーオキサイド架橋可能な架橋部位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6未満である分岐型含フッ素エラストマー、および
    (B)数平均分子量が1,000〜250,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6以上である直鎖型含フッ素ポリマー
    とを含むパーオキサイド架橋系含フッ素エラストマー組成物。
  2. 分岐型含フッ素エラストマー(A)/直鎖型含フッ素ポリマー(B)の質量比(A)/(B)が95/5〜55/45である請求項1記載の含フッ素エラストマー組成物。
  3. ムーニー粘度(ML1+10:100℃)が10〜120である請求項1または2記載の含フッ素エラストマー組成物。
  4. 分岐型含フッ素エラストマー(A)が、少なくとも1種のフルオロオレフィンを含むエチレン性不飽和化合物と、一般式(1):
    CY1 2=CY2f 11 (1)
    (式中、Y1、Y2はフッ素原子、水素原子または−CH3;Rf 1はエーテル結合性酸素原子を有していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状の含フッ素アルキレン基;X1はヨウ素原子または臭素原子)
    で示される化合物および/またはビスオレフィンとを共重合させて得られる含フッ素エラストマーである請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物。
  5. (A)少なくとも1種のフルオロオレフィンを含むエチレン性不飽和化合物と、一般式(1):
    CY1 2=CY2f 11 (1)
    (式中、Y1、Y2はフッ素原子、水素原子または−CH3;Rf 1はエーテル結合性酸素原子を有していてもよく水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状の含フッ素アルキレン基;X1はヨウ素原子または臭素原子)
    で示される化合物とを共重合させる際に、一般式(1)で示される化合物の添加を、重合開始剤添加後に重合系内に添加されるエチレン性不飽和化合物の全添加量の0〜10質量%添加した時期に開始することを特徴とする製造方法によって得られた分岐型含フッ素エラストマー、および
    (B)数平均分子量が1,000〜250,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6以上である直鎖型含フッ素ポリマー
    とを含むパーオキサイド架橋系含フッ素エラストマー組成物。
  6. 分岐型含フッ素エラストマー(A)が、パーオキサイド架橋可能な架橋部位を有し、数平均分子量が1,000〜300,000の範囲にあり、かつ絶対重量分子量および固有粘度を横軸が絶対重量分子量で縦軸が固有粘度であるマーク−ハウィンプロットにプロットしたときのマーク−ハウィン勾配aが0.6未満である分岐型含フッ素エラストマーである請求項5記載の含フッ素エラストマー組成物。
  7. 分岐型含フッ素エラストマー(A)と直鎖型含フッ素ポリマー(B)を質量比(A)/(B)で95/5〜55/45で含む請求項5または6記載の含フッ素エラストマー組成物。
  8. ムーニー粘度(ML1+10:100℃)が10〜120である請求項5〜7のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物。
  9. 請求項1記載の分岐型含フッ素エラストマー(A)を重合した後、同一の重合槽で引き続き請求項1記載の直鎖型含フッ素ポリマー(B)を重合する請求項1〜8のいずれかに記載のパーオキサイド架橋系含フッ素エラストマー組成物の製造方法。
  10. 請求項1記載の分岐型含フッ素エラストマー(A)の水性分散液と請求項1記載の直鎖型含フッ素ポリマー(B)の水性分散液を混合する請求項1〜8のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物の製造方法。
  11. 請求項1記載の分岐型含フッ素エラストマー(A)と請求項1記載の直鎖型含フッ素ポリマー(B)をドライブレンドする請求項1〜8のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物の製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物を含む架橋性組成物。
  13. 請求項12記載の架橋性組成物を架橋して得られる成形品。
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