JPWO2005107734A1 - アルコール代謝促進組成物、及びこの組成物を含有する飲食物 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、副作用が少なく安心して摂取できるアルコール代謝促進組成物、及びこの組成物を含有する飲食物を提供することである。テアニンを含有する組成物、及びその組成物を含有する飲食物により、目的が達成される。テアニンは、血中アルコール濃度を速やかに減少させることにより、アルコール摂取による障害(例えば、二日酔い、アルコール性肝障害)を緩和または改善することができる。【選択図】 なし

Description

本発明は、テアニンを含有するアルコール代謝促進組成物、及びこの組成物を含有する飲食物に関する。
わが国のアルコール消費量は年々増加の一途をたどっており、1997年度の純アルコール消費量は869,889キロリットルである(国税庁統計年報書)。成人の飲酒者は、約6600万人と言われているので、飲酒人口1人当たりの純アルコール消費量は、年間約8.8リットルにもなる。アルコールを過剰に摂取すると、肝臓においてグルタチオン(Glutathione:GSH)の低下、過酸化脂質増加を伴うアルコール性障害を引き起こすことが知られていることから、アルコール性疾患を減少させるためには、アルコール摂取量を減らすことが望ましい。
しかし、常識的な量の飲酒はストレスを発散させ、人生を楽しくすることもある。また、いわゆるコンパや歓送迎会等の場では、飲酒を拒み難いこともあり得る。更に、アルコール中毒には至らないまでも、日常的となった飲酒の習慣を急に変更することは、必ずしも簡単ではない。そこで、二日酔いなどの悪酔い状態を回避したり、肝臓に対する影響を軽減するなどの目的で、アルコール代謝を促進する組成物の研究が進められている。例えば、γ−アミノ酪酸(GABA)、ゴマ中のセサミンなどには、アルコール代謝促進作用があると言われている。しかしながら、これらのアルコール代謝促進剤については、未だに十分な効果が得られているとは言い難い。
一方、本発明者らは、継続して緑茶特有のアミノ酸であるテアニン(Theanine)に関する作用を研究している。テアニンには、不安惹起抑制、月経前症候群抑制、精神集中向上、喫煙抑制等の様々な作用があることを突き止め、これらの成果の一部を開示してきた(特開平12−143508、特開平14−97136)。また、テアニンには、アセトアルデヒド毒性の抑制作用も報告されている(特開平6−40901)。
特開平12−143508号公報 特開平14−97136号公報 特開平6−40901号公報
しかし、テアニンのアルコール代謝促進に関する詳細な検討を行った研究開発は進められていなかった。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、テアニンを含有するアルコール代謝促進組成物、及びこの組成物を含有する飲食物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、テアニンには、アルコール代謝促進作用があることを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、〔1〕テアニンを含有することを特徴とするアルコール代謝促進組成物、
[2]前記[1]に記載の組成物を含有することを特徴とする飲食物に関する。
本発明のアルコール代謝促進組成物(以下、単に「組成物」と言うことがある)は、各種のアルコール飲料の摂取によって生じる障害(例えば、二日酔い、アルコール性肝障害)を緩和または改善することを目的として、単発的に或いは日常的に使用することができる。本発明の組成物によるアルコール代謝促進効果は、血中アルコール濃度の減少によってもたらされる。すなわち、本発明の組成物をアルコール飲料を摂取する前、間、或いは後に摂取することにより、その飲料中のアルコールの体内への吸収に基づく血中アルコール濃度をより早期に減少させる。このため、アルコール飲料の摂取によって生じる障害を緩和または改善することができる。
また、本発明の組成物を飲食物に含有させた状態で摂取することもできる。このため、アルコール飲料を摂取する際のおつまみ、食事、飲料等に本組成物を含有させることにより、容易かつ的確にアルコール代謝促進を図ることができる。
次に、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、下記の実施形態によって限定されるものではなく、その要旨を変更することなく、様々に改変して実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
本発明に用いられるテアニンとは、茶葉に含まれているグルタミン酸誘導体であり、茶の旨味の主成分であって、呈味を用途とする食品添加物として使用されている。本発明に用いられるテアニンの製造法としては、例えば、茶葉から抽出する方法、有機合成反応させてテアニンを得る方法(Chem.Pharm.Bull.,19(7)1301−1307(1971))、グルタミンとエチルアミンの混合物にグルタミナーゼを作用させてテアニンを得る方法(特公平7−55154号)、エチルアミンを含有する培地で茶の培養細胞群を培養し、培養細胞群中のテアニン蓄積量を増加させつつ培養細胞群の増殖促進を図る方法(特開平5−123166号)、また特公平7−55154号、開平5−123166号におけるエチルアミンをエチルアミン塩酸塩などのエチルアミン誘導体に置き換えてテアニンを得る方法等があり、これらのいずれの方法によって得られたものでも良く、これ以外の方法によって製造されたものでも良い。茶葉としては、緑茶、ウーロン茶、紅茶等が例示される。
このような方法により得られたテアニンは、L−体、D−体、DL−体いずれも使用可能であるが、これらのうち、特にL−体は食品添加物にも認められており、経済的にも利用しやすいことから、L−体を用いることが好ましい。
本発明の組成物の投与方法、投与回数、投与期間等は、特に限定されるものではなく、ヒトに対し、たとえば1回または複数回に分けて、適当な投与形態、好ましくは経口投与により投与することができる。また、本発明の組成物は、単発的に或いは日常的に摂取することにより、アルコール飲料の摂取によって生じる障害を緩和または改善することができる。特に、アルコール飲料を摂取する前、そのような飲料の摂取中、或いは摂取後に、本発明の組成物を摂取することが好ましい。
本発明に用いられるテアニンの安全性は高く、例えばマウスを用いた急性毒性試験において、5g/kgの経口投与でも死亡例がなく、一般状態および体重等に異常は認められない。また、特にテアニンは茶のうまみ成分として知られているものであり、呈味を用途とする食品添加物としても使用され、食品衛生法上、その添加量に制限はない。しかも、従来の薬物と異なり、テアニンによる副作用は全く認められないので、本発明の組成物によれば、安全かつ効果的にアルコール代謝促進組成物として使用できる。
上記のように、安全上の観点からは、テアニンについての用量上限は認められない。但し、経済上の観点及び実際に摂取する際の観点から見ると、テアニンの一回当り用量は、0.01mg/kg体重〜100mg/kg体重であり、好ましくは0.1mg/kg体重〜80mg/kg体重であり、更に好ましくは1mg/kg体重〜50mg/kg体重である。また、本発明に用いるテアニンは、精製品(テアニン含量98%以上)、粗精製品(テアニン含量50%〜98%)、抽出エキス(テアニン含量10%〜50%)等のいずれの形態でも良い。
本発明の組成物は、飲食物に含有させて摂取することができる。そのような飲食物としては、特に限定されるものではないが、例えば、テアニンを含有する乾燥食品等の固形状食品、サプリメント、清涼飲料・ミネラルウォーター・嗜好飲料・アルコール飲料等の液状食品が挙げられる。
固形状食品としては、例えば練り製品、大豆加工品、ムース、ゼリー、ヨーグルト、冷菓、飴、チョコレート、ガム、クラッカー、ビスケット、クッキー、ケーキ、パン等が挙げられる。
液状食品としては、例えば、緑茶、ウーロン茶、紅茶、ハーブティー等の茶類、濃縮果汁、濃縮還元ジュース、ストレートジュース、果実ミックスジュース、果粒入り果実ジュース、果汁入り飲料、果実・野菜ミックスジュース、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料、乳飲料等が挙げられる。
また、本発明の組成物は、特にアルコールを含有する飲料(例えば、ビール、日本酒、ワイン、焼酎、ウイスキー、ブランデーなど)の摂取前、摂取中、或いは摂取後に取ることが、特に有効である。このため、本発明の組成物を含有する飲食物として、ドリンク剤、食品(例えば、ガム・飴等の菓子類、チーズ等のおつまみ類)、アルコール飲料そのもの(例えば、発泡酒、カクテル類、チューハイなど)であることが好ましい。特に、アルコール飲料そのものに、本発明の組成物を含有させた場合には、アルコールを摂取しつつ、アルコール代謝促進組成物を摂取していることになるので、悪酔いを防止できるアルコール飲料を提供できる。
また、本発明の組成物には、更に生薬、ハーブ、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、その他食品に許容される素材・原料を併用することができる。ここにおいて、使用する生薬とは特に限定されるものではないが、カノコソウ、当帰、芍薬、牡丹、高麗人参などが挙げられる。
ハーブについては特に限定されるものではないが、アニス、キャロットシード、クローブ、コリアンダー、サイプレス、シナモン、ジュニパー、ジンジャー、スイートオレンジ、パイソニードル、バジル、パチュリ、ビターオレンジ、フェンネル、ブラックペッパー、ベイ、ペパーミント、ベルガモット、マンダリン、ミルラ、レモングラス、ローズマリー、グレットリーフ、バニラ、ヒソップ、ユーカリ、ライム、レモン、イランイラン、カルダモン、クラリセージ、ジャスミン、ゼラニウム、ブルガリアローズ、ローズ、オリバナム、カミツレ、ゼラニウム、サンダルウッドネロリ、バーベナ、プチグレン、ベチバー、マージョラム、メリッサ、ローズウッドなどが挙げられ、好ましくはペパーミントである。これらのハーブの形状としては抽出エキス、精油、ハーブティー等が例示される。
アミノ酸については特に限定されるものではないが、例えば、グルタミン、グルタミン酸、イノシン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン等が挙げられる。
ビタミンについては特に限定されるものではないが、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ニコチン酸、リボ酸、パントテン酸、ビオチン、ユビキノン等が挙げられ、好ましくはビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12である。更に、ビタミンはそれぞれの誘導体も含まれる。
ミネラルについては特に限定されるものではないが、カルシウム、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛、セレン、カリウム等が例示される。
また、その他食品に許容される素材・原料としては、アロエ、ローヤルゼリー、プラセンタ、プロポリス、インフラボン、大豆レシチン、卵黄レシチン、卵黄油、コンドロイチン、カカオマス、コラーゲン、酢、クロレラ、スピルリナ、イチョウ葉、緑茶、杜仲茶、黄妃茶、ウ一口ン茶、桑の葉、甜茶、バナバ茶、不飽和脂肪酸、糖アルコールやオリゴ糖などの糖類、ビフィズス菌や紅麹などの菌類、アガリクス茸、姫マツタケ、霊芝、マイタケ等のキノコ類、ブルーベリー、プルーン、ブドウ、オリーブ、梅や稚橘類等の果実類、落花生、アーモンド、ゴマや胡椒等の種実類、ピーマン、唐辛子、ネギ、カボチャ、ウリ、人参、ゴボウ、モロヘイヤ、ニンニク、シソ、ワサビ、トマト、ラッキョウ、葉菜、芋や豆等の野菜類、ワカメ等の海草類、魚介類、獣鳥鯨肉類、穀類等が例示され、更にこれらの抽出物、乾燥品、粗精製品、精製品、加工品、醸造品等も使用できる。
また、本発明においては、[3]テアニンを有効成分として含有するアルコール代謝促進医薬品を提供することもできる。そのような、医薬品としての剤形は、例えば内服薬、注射薬、貼付薬、坐薬、吸入薬等が挙げられるが、特に限定されるものではない。内服薬は、従来使用されている錠剤、カプセル、粉末剤、顆粒剤、ドリンク剤等が挙げられる。注射薬としては、筋肉注射剤、皮内注射剤、皮下注射剤、静脈注射剤等が挙げられる。また、貼付薬としては、従来、貼付薬の製造に使用されている公知の担体と本発明の有効成分とを配合したものを公知の貼付薬に使用されるシート等の上に塗布してなるもの等が挙げられる。坐薬は、従来使用されるカカオ脂、グリセロゼラチン、ステアリン酸ナトリウム、プロピレングリコールモノステアレート等と本発明の組成物とを配合してなるもの等が挙げられる。吸入薬としては、従来の方法により吸入させるものであって、例えば、水蒸気又は空気と共に鼻孔又は口腔より体内に吸収され得る剤型を有するもの等が挙げられる。
また、本発明の組成物には、緑茶抽出物を併用することもできる。本発明における緑茶抽出物には、カテキン類(A)が0.001%から90%含まれており、好ましくは0.01%から85%、更に好ましくは0.1%から80%含まれる。緑茶抽出物に含まれるカテキン類(A)とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類(B)及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類(C)をあわせての総称(すなわち、A=B+C)である。また、本発明におけるカテキン類の組成としては、更に非エピ体カテキン類(B)とエピ体カテキン類(C)の含有重量比は、非エピ体カテキン類/エピ体カテキン類(B/C)=0.25〜9.0であるが、好ましくは0.43〜9.0、より好ましくは0.43〜5.67、特に0.54〜5.67が好ましい。緑茶抽出物の一回当たりの用量は0.0005mg/kg体重〜10000mg/kg体重であり、好ましくは0.01mg/kg体重〜1600mg/kg体重であり、更に好ましくは1mg/kg体重〜100mg/kg体重である。また、テアニン類(A)と緑茶抽出物(D)とを併用する場合には、その重量比は、緑茶抽出物/テアニン類(D/A)=0.05〜100、好ましくは0.1〜20、更に好ましくは1〜2とする。
本発明の組成物の製法としては、テアニンを配合する工程を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、テアニンを混合する製法、溶媒中にテアニンを溶かし混合溶液とする製法、また、その混合溶液を凍結乾燥する製法、噴霧乾燥する製法等の一般的な食品、医薬品の製法などが挙げられる。
本発明の製品形態としては、溶液、懸濁物、粉末、固体成形物等の任意の形態が例示されるが、これらに限定するものではない。食品としては、具体的には固形状食品または液状食品として前記例示したものの他、調味料、スープ、コーヒー、ココア、乳製品、発泡酒、カクテル類、チューハイ等が挙げられる。また、医薬品としては、用途、剤型等に応じて適宜選択される公知の任意の担体、本発明の組成物とその他の併合物を配合してなる錠剤、カプセル、注射剤等が例示される。
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において「mg/kg」とは、体重1kgあたりのmg投与量を示す。
参考例1 酵素法によるテアニンの製造
0.3Mグルタミン及び1.5M塩酸エチルアミンを0.05Mホウ酸緩衝液(pH11)中、0.3Uグルタミナーゼ(市販品)存在下にて、30℃、22時間反応させ225nmolのテアニンを得た。次いで、反応液をDowex 50×8、Dowex 1×2カラムクロマトグラフィー(共に室町化学工業(株)製)にかけ、これをエタノール処理することにより、反応液から目的物質を単離し、8.5gのテアニンを得た。
この単離物質をアミノ酸アナライザー(株式会社日立製作所製)、ペーパークロマトグラフィーにかけ、標準物質と同じ挙動を示すことにより、L−テアニンであることを確認した。塩酸又はグルタミナーゼで加水分解処理を行うと、1:1の割合で、グルタミン酸とエチルアミンを生じた。このように、単離物質がグルタミナーゼによって加水分解されたことから、エチルアミンがグルタミン酸のγ位に結合していたことが示される。また、加水分解で生じたグルタミン酸がL-体であることも、グルタミン酸デヒドロゲナーゼにより確認した。
参考例2 テアニンの茶葉からの抽出
茶(Camellia sinensis)葉10Kgを熱水で抽出後、濃縮して酢酸エチルで分配し、カテキン層と水層に分離した。水層部の溶剤を真空下で留去し、得られたエキスをカチオン交換樹脂(日東電工(株)製、NTR 729 HF)に通じ、樹脂を水で洗浄後、アンモニア水で洗い出し、真空下で留去し、加水、噴霧乾燥して20%テアニン125gを得た。
参考例3 テアニンの茶葉からの抽出
茶(Camellia sinensis)葉10kgを熱水で抽出後、カチオン交換樹脂(室町化学工業(株)製、Dowex HCR W−2)に通し、1N NaOHにより溶出した。溶出画分を活性炭(二村化学工業(株)製太閤活性炭SG)に通し、15%エタノールによる溶出画分をRO膜(日東電工(株)製、NTR 729 HF)を用いて濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製し、更に再結晶を行い、24.8gのテアニンを得た。
なお、以下における各試験及び各組成物の製造にはテアニン[商品名:サンテアニン、太陽化学株式会社製]を用いた。
<実施例1> テアニンのアルコール代謝酵素の活性向上
[試験方法]
CDF雄性マウスにエタノールをマウス体重1kg当たり3.0g経口投与した。エタノールの投与前にテアニンを単回腹腔内に投与した。投与後の血中エタノール濃度と肝臓中の過酸化脂質濃度、GSH濃度、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素およびチトクロームP2E1の酵素活性を測定した。
[測定方法]
血中エタノールは、以下の方法(ADH法)で測定した。0.33Nの過塩素酸0.8mLに血液0.1mLを添加し、ボルテックス処理後に1,200g、5分間の遠心処理を行った。この上清0.1mLを0.1mLの緩衝液(4.8mLの2リン酸ナトリウム/セミカルバジド緩衝液(pH8.7)に0.48mM NADを加えたもの)と混合し、0.02mLのADH(≧32IU/mL)を加えて、37℃、25分間インキューベートした後に、340nmで吸光度を測定した。エタノール濃度が既知の標準サンプルデータとの比較により、未知サンプル濃度を計算した。
肝臓中の過酸化脂質濃度は、以下の方法(TBA蛍光光度法)で測定した。0.1mLの肝臓サンプル(生理食塩水中、2%ホモジネート)に、0.5mLの3%SDS、1.5mLの2.0M酢酸緩衝液(pH3.6)、1.5mLの0.8%チオバルビツール酸(TBA)、及び0.4mLの精製水を加えて、全量を4.0mLとした。なお、(1)標準サンプルでは、上記肝臓サンプルに代えて、20μLの50μmol/Lのマロンジアルデヒド(MDA)を加え、精製水量を0.48mLとし、(2)ブランクサンプルでは、上記肝臓サンプルを添加することなく、精製水量を0.5mLとすることにより、それぞれ全量を4.0mLとした。この溶液を沸騰水中、75分間、熱処理した後、5分間冷却した。これに1.0mLの0.2N塩酸と、5.0mLのn−ブタノールを混合し、30秒間振盪した。1,200gにおいて15分間遠心処理し、上清を採取して、蛍光測定(励起波長515nm、蛍光波長553nm)した。濃度未知サンプルは、検量線を用いることにより算出した。
肝臓中のGSH濃度は、以下の方法(HiSSIN−Hilf法)に準じて測定した。氷冷下、Potter型テフロンホモジナイザーを用い、0.1Mリン酸ナトリウム−0.005M EDTA緩衝液(pH8.0)にて、肝臓または心臓の5%ホモジネート液を調製した。0.75mLのホモジネート液に0.25mLの25%メタリン酸を加えよく混和した。10,000gにおいて30分間遠心分離後、0.1mLの上清をとり、0.1Mリン酸ナトリウム−0.005M EDTA緩衝液で50倍希釈した。希釈液を0.20mLとり、3.6mLの0.1Mリン酸ナトリウム−0.005M EDTA緩衝液(pH8.0)と0.20mLの0.1%OPT(o-phthalaldehyde)−メタノール溶液を加え混和した。室温にて15分静置後、蛍光測定(励起波長350nm、蛍光波長420nm)した。濃度未知サンプルは、検量線を用いることにより算出した。
アルコール脱水素酵素は、以下の方法(Hasebaらの改良法)で測定した。肝臓を氷冷下0.5mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で10%ホモジネート液とした後、4℃、105,000gで20分間遠心分離し、その上清を再び4℃、105,000gで1時間遠心分離し、この上清を測定用のサンプルとした。0.1mLのサンプルを37℃に保温したセルに入れ、2.0mLの0.1mMグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH10.7)で希釈した後に0.1mLの39mM NADを添加し、37℃で1分間プレインキュベートし、基質として0.1mLの2%エタノールを添加した。37℃でさらに3分間インキュベートしながら340nmで吸光度を測定し、下記の数式に従い吸光度の差から酵素活性を求めた。
式1
Figure 2005107734
アルデヒド脱水酵素は、アルデヒドを酢酸などのカルボン酸に変換する酵素であり、以下の方法(Mantheyらの方法)で酵素活性を測定した。肝臓を氷冷下0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で5%ホモジネート液とした後、4℃、15,000gで30分間遠心分離し、その上清をサンプルとした。0.2mLのサンプルに1.7mLの反応混液(64mMピロリン酸ナトリウム1.0mL、100mM NAD 0.08mL、10mMピラゾール 0.02mL、10mM EDTA 0.2mL、蒸留水0.4mLを混和したもの)を添加し、37℃で3分間プレインキュベートした後、0.1mLの80mMアセトアルデヒドを加え、さらに37℃でインキュベートを続けながら、5分間〜10分間、340nmで吸光度を測定し、下記の数式に従い吸光度の差から酵素活性を求めた。
式2
Figure 2005107734
チトクロームP2E1(CYP2E1)の薬物代謝酵素活性は、基質と希釈したミクロソーム液とを反応させ、生成する代謝物を蛍光検出器を用いHPLC法で測定することにより求めた。肝臓試料は、氷冷下、Potter型テフロンホモジナイザーを用い、0.25Mスクロース+50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)にて、20%ホモジネート液を調製した。4℃、10,000gで30分間遠心分離後、上清をさらに4℃、105,000gで60分間遠心分離した後、上清をサイトゾル分画として分取し、GST測定に用いた。遠心分離後の沈渣であるミクロソーム分画は、1.0mLの50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)を加え、再度懸濁し、酵素活性測定に用いた。活性測定には、3倍容の50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)を加え4倍希釈したものを用いた。また、酵素活性測定とは別に、ミクロソーム分画のタンパク質濃度を求め、タンパク質量当りの活性を計算した。
酵素活性の測定は、次の方法を用いた。20μLのミクロソーム分画に、380μLの基質溶液(375μLの67mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)、2.5μLの4mMパラニトロフェノールメタノール(p-nitrophenol-methanol)溶液、2.5μLの精製水を混和したもの)と、50μLの精製水を混和し、25℃、5分間プレインキュベーションの後、50μLのNADPH−塩化マグネシウム溶液(ブランクとして、塩化マグネシウム溶液のみ)を混合し、37℃、10分間インキュベーションした。反応終了後、25μLのトリフルオロ酢酸を混合し振盪した後、0℃、15分間インキュベートし、12,000g、15分間遠心分離して、上清をHPLCにより分析した。HPLC分析では、酵素反応により生成するパラニトロカテコール(p-nitrocatechol)を測定した。HPLC条件としては、カラムにCapcell Pack UG80(5μm,250x4.6mm,資生堂)を使用し、移動相としてトリフルオロ酢酸−アセトニトリル−水(0.1:25:74.9,v/v)を流速0.8mL/minで用いた。また、カラム温度は、26℃とした。検出には、ECD(+700mV vs 銀/塩化銀)を用いた。
<試験結果>
表1及び図1には、マウスにアルコールを投与した後の血中アルコール濃度推移を示した。
Figure 2005107734
テアニン(100mg/kg)をエタノール(3.0g/kg)投与30分後に併用すると、エタノール(3.0g/kg)単独で投与した場合に比べると、血中エタノール濃度は1時間後において有意に減少した(p<0.05)。また、AUC0−3hrは、テアニンの併用により、エタノール単独の76%まで減少した。このことより、エタノールとテアニンとを併用することで、エタノールの体内からの消失が促進されることがわかった。
表2及び図2には、エタノール性肝障害時に上昇する過酸化脂質の濃度推移を示した。
Figure 2005107734
エタノールのみを摂取すると、3時間後には1.036(濃度単位は、「μmol/gタンパク質」である。以下同じ)まで上昇した。これは、正常時(0時間)の168%であった(p<0.01)。一方、エタノールとテアニンとを併用すると、過酸化脂質濃度は、正常時に比べて、1時間後及び3時間後には、有意に減少した(p<0.005)。このことより、テアニンはエタノール摂取による一過性の過酸化脂質濃度の上昇を抑制し、正常レベルに維持させることがわかった。
表3及び図3には、エタノール投与後のグルタチオン濃度推移を示した。
Figure 2005107734
エタノールのみを投与すると、グルタチオン濃度は、徐々に減少し、投与後5時間目では、正常時(0時間)に比べると、65.5%まで有意に減少した(p<0.05)。一方、エタノールとテアニンとを併用すると、グルタチオン濃度は、投与後30分の時点では一過性に減少するものの(正常時の79.84%)、その後は速やかに正常値付近まで戻った。また、投与後5時間目には、エタノール単独投与と比較して、グルタチオン濃度は有意に向上していた(p<0.001)。このことより、テアニンの投与は、エタノール代謝による過酸化を防止し、肝保護作用を示すことがわかった。
表4、表5及び図4には、エタノール投与から3時間後の肝臓中のアルコールデヒドロゲナーゼ活性(ADH)及びCYP2E1の変化を示した。
Figure 2005107734
Figure 2005107734
ADH活性は、エタノールのみの投与により、コントロール(正常時)に比べると約123%に上昇し、酵素が誘導され活性が増加した。一方、エタノールとテアニンとを併用すると、更にADH活性の上昇が見られ(コントロールの約183%)、酵素活性が大きく促進することが示された。
また、エタノール代謝の一部を担っているCYP2E1を測定した。このタンパク質は、過剰のエタノールが存在するときに作用し、慢性的なエタノール摂取で誘導が起きるとされている。CYP2E1によるアルコール代謝の際には、大量の活性酸素が生じるために、細胞毒性を示すことが明らかになっている。図表より、エタノールの単独投与では、コントロールに比べて有意にCYP2E1活性が上昇した(p<0.01)。一方、エタノールとテアニンとを併用すると、CYP2E1活性は、やや減少傾向(コントロールの約95.7%)を示した。これらのことから、テアニンを投与することにより、CYP2E1活性を介した肝障害を回避できる可能性があることが示された。
表6及び図5には、エタノール投与から3時間後の肝臓中のアルデヒド代謝酵素活性(ALDH)の変化を示した。
Figure 2005107734
エタノール単独投与では、コントロールと比べて、ALDHは約63.5%に減少した(p<0.01)。一方、エタノールとテアニンとを併用すると、ALDHはコントロールとほぼ同等の活性を示した(約92.8%)。体内でのエタノール代謝では、アルデヒド酸化過程が律速となっている。上記結果から見ると、テアニンはALDH活性を上昇させる作用が認められることから、アルデヒド代謝も促進させ、ADH活性と併せて、アルコール代謝を促進することがわかった。
<実施例2> 長期的アルコール摂取による肝障害に対するテアニンの影響
[試験方法]
5週齢CDF系雄性マウスにエタノールをマウス体重1kgあたり1.0gもしくは2.0gを1日2回経口投与した。また、テアニンを体重1kgあたり100mg腹腔内投与した。エタノール及びテアニンを10日間連続投与した後、血中GOT、GPT、γ−GTPを測定した。併せて、肝臓中の過酸化脂質レベル、およびGSHレベルを測定した。
[測定方法]
血中GOTおよびGTPの測定は、トランスアミラーゼC−テストワコー(和光純薬株式会社製)により測定した。また、γ−GTPの測定は、γ−GTP Cテストワコー(和光純薬株式会社製)により測定した。また、肝臓成分の測定は実施例1の方法に従って、測定した。
血中GOTの測定方法は、次の通りであった。まず、分離した血清0.02mLにGOT測定用基質酵素液0.5mLを添加し、37℃で5分間インキュベーションした。その後、発色試液0.5mLを添加後、37℃で20分間インキュベーションし、反応停止液2.0mLを加え、555nmで吸光度を測定した。GOT活性値は、GOT標品を用いた検量線を作成し、その検量線との比較により、GOT活性値(Karmen単位)で表した。
血中GPTの測定方法は、次の通りであった。まず、分離した血清0.02mLにGPT測定用基質酵素液0.5mLを添加し、37℃で5分間インキュベーションした。その後、発色試液0.5mLを添加後、37℃で20分間インキュベーションし、反応停止液2.0mLを加え、555nmで吸光度を測定した。GPT活性値は、GPT標品を用いた検量線を作成し、その検量線との比較により、GPT活性値(Karmen単位)で表した。
血中γ−GTPの測定方法は、次の通りであった。まず、基質緩衝液を37℃で3分間インキュベーションした後、血清0.02mLを添加し37℃で15分間インキュベーションした。次に、発色試液2.0mLを添加し、660nmで吸光度を測定した。γ−GTP活性値は、γ−GTP標品を用いた検量線を作成し、その検量線との比較により、γ−GTP活性値(IU/l,37℃)で表した。
<試験結果>
結果を図6及び図7に示した。血中GPTは、エタノール投与により増加したが、テアニンの併用により抑制傾向が見られた(図6)。血中GOTについても同様の傾向を示した。また、肝臓中過酸化脂質量増加は、テアニンの併用により抑制された。さらに、肝臓中GSHレベルは、エタノール投与により有意に減少したが、テアニンの併用により減少を抑制する傾向が見られた(図7)。
以上より、長期的なアルコールを摂取する際に、テアニンを併用することにより、アルコールによる障害を軽減することがわかった。
[結論]
このように本実施例によれば、テアニンは、ADH活性及びALDH活性を上昇させることにより、アルコール代謝を促進し、血中アルコール濃度を速やかに減少させることがわかった。また、CYP2E1活性の増加を押さえることにより、活性酸素による肝障害を防止し得ることが示された。
また、長期的なアルコールを摂取する際に、テアニンを併用することにより、アルコールによる障害を軽減することがわかった。
こうして、テアニンを含有する組成物は、各種のアルコール飲料の摂取によって生じる障害(例えば、二日酔い、アルコール性肝障害)を緩和または改善するために提供できる。
上記知見に基づいて、テアニンを含有する組成物、或いはその組成物を含有する飲食物を次のようにして提供することができる。
<実施例3>
下表7に示す原料を混合後打錠し、テアニンを含有する錠剤を製造した。表に示す材料を混合し、錠剤(1錠当り1000mg)を打錠した。
Figure 2005107734
<実施例4>
下表8に示す原料を用いてテアニン配合キャンディーを製造した。
Figure 2005107734
グラニュー糖を水20kgに溶解しながら110℃まで加熱し、テアニンを溶解した残りの水10kgとカモミールと水飴を加えて、145℃まで温度を上げた。火を止め、50%酒石酸を添加し混合した。75℃〜80℃まで冷却し、成形ローラーで成形し、テアニン配合キャンディーを調製した。なお、キャンディー中のテアニンの含量を測定した結果、含量は1個1.2gで89.6mg/gであった。
<実施例5>
一例として、下表9に示す原料を用いてテアニン配合飲料を製造した。
Figure 2005107734
果糖ブドウ糖、ブルーベリー濃縮果汁、1/5透明レモン果汁、クエン酸Na、カモミールおよびテアニンを水に加え攪拌溶解した。50%クエン酸Na(結晶)を用いpH3.1に調製し95℃まで昇温後香料を加えて100mLに充填して冷却し、テアニン配合ブルーベリー飲料を製造した。なお、ブルーベリージュース中のテアニンを定量した結果、含量は98.3mg/100mLであった。
<実施例6>
下表10に示す原料を用いてテアニン配合飲料を製造した。
Figure 2005107734
果糖ブドウ糖液、テアニン、カモミール、ピロリン酸第二鉄、プラセンタエキスおよびグレープフルーツ果汁100%を水に加え攪拌溶解した。クエン酸Naを用いpH3.1に調製し95℃まで昇温後香料を加えて、100mLづつ充填して冷却し、テアニン配合グレープフルーツ飲料を製造した。なお、グレープフルーツジュース中のテアニンを定量した結果、含量は96.4mg/100mLであった。
<実施例7>
下表11に示す原料を用いてテアニン配合アルコール飲料(チューハイ。アルコール分7%)を製造することができる。
Figure 2005107734
上記原料からチューハイを製造する場合には、上記原料のうち炭酸水を除く8つのもの(果糖ブドウ糖液糖、1/5レモン濃縮果汁、焼酎、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、レモンエッセンス、水、及びテアニン)を混合溶解し、冷却後缶等の容器に入れ、よく冷却した炭酸水を混合し密封する。
<実施例8>
ウイスキー20g、ライム・ジュース5g、グレナデインシロップ2g、砂糖1g、テアニン(太陽化学(株)製、サンテアニン)0.2gおよびミネラルウオーター72gを良く混合し密封することにより、カクテルが得られる。
<実施例9>
ウォッカ20mL、グレープフルーツジュース40mL、食塩0.1g、テアニン(太陽化学(株)製、サンテアニン)および果糖ぶどう糖液糖5gを良く混合し密封することにより、カクテルが得られる。
<実施例10>
アルコール度数35%の甲種焼酎(ホワイトリカー)、梅および砂糖を3:3:1の割合で漬け込み、3ヶ月間後に梅を除く。清澄液にテアニン(太陽化学(株)製、サンテアニン)を0.1%になるように溶解し、密封することにより梅リキュールが得られる。
実施例3〜実施例10の飲食物によっても、実施例1及び実施例2と同様の効果を得ることができる。
アルコール摂取後の血中アルコール濃度の時間推移を示すグラフである。図中、「◇」は、エタノールの単独投与を示し、「□」は、エタノールとテアニンとの併用を示す(以下、同じ)。 アルコール摂取後の肝臓中過酸化脂質濃度の時間推移を示すグラフである。 アルコール摂取後の肝臓中GSH濃度の時間推移を示すグラフである。 アルコール摂取後の肝臓中のADH活性(左図)、及びCYP2E1活性(右図)を示すグラフである。 アルコール摂取後の肝臓中のALDH活性を示すグラフである。 10日間アルコール摂取後の血中GTP活性を示すグラフである。 10日間アルコール摂取後の肝臓中GSH濃度を示すグラフである。

Claims (2)

  1. テアニンを含有することを特徴とするアルコール代謝促進組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物を含有することを特徴とする飲食物。
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