JPWO2003063212A1 - ステージ装置および露光装置 - Google Patents
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Abstract
本発明のステージ装置は、移動面を有するベース22に移動可能に支持されたステージ本体1Aと、固定子65およびステージ本体1Aに設けられた可動子64Aを有しステージ本体1Aを駆動する第1駆動装置61Aとを備える。固定子65は支持部7に設けられ、この支持部7はベース22から独立して設けられている。解除装置45は、前記移動面とほぼ直交する第1方向におけるベース22と支持部7との相対変位に応じて、ベース22に対する支持部7の独立状態を解除する。
Description
技術分野
本発明は、基板を保持するステージ本体が複数の方向に移動するステージ装置およびこのステージ装置に保持されたマスクと基板とを用いて露光処理を行う露光装置に関し、特に半導体集積回路や液晶ディスプレイ等のデバイスを製造する際に、リソグラフィ工程で好適に用いられるステージ装置および露光装置に関する。
背景技術
従来より、半導体デバイスの製造工程の1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
この縮小投影露光装置としては、レチクルのパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパを改良したもので、特開平8−166043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハとを一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が知られている。
これらの縮小投影露光装置においては、ステージ装置として、床面に先ず装置の基準になるベースプレートが設置され、その上に床振動を遮断するための防振台を介してレチクルステージ、ウエハステージおよび投影光学系(投影レンズ)等を支持する本体コラムが載置されたものが多く用いられている。最近のステージ装置では、前記防振台として、内圧が制御可能なエアマウント、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを備え、本体コラム(メインフレーム)に取り付けられた、例えば6個の加速度計の計測値に基づいて前記ボイスコイルモータ等を制御することにより本体コラムの振動を制御するアクティブ防振台が採用されている。
ところが、上記のステッパ等では、ウエハ上のあるショット領域に対する露光の後、他のショット領域に対して順次露光を繰り返すものであるから、ウエハステージ(ステッパの場合)、あるいはレチクルステージおよびウエハステージ(スキャニング・ステッパの場合)の加速、減速運動によって生じる反力が本体コラムの振動要因となって、投影光学系とウエハ等との相対位置誤差を生じさせるという不都合があった。特に、アライメント時や露光時における上記相対位置誤差は、結果的にウエハ上で設計値と異なる位置にパターンが転写されたり、その位置誤差に振動成分を含む場合には像ボケ(パターン線幅の増大)を招いたりする原因になるという不都合があった。
従って、係る不都合を抑制するためには、上記のアクティブ防振台等により本体コラムの振動を十分に減衰させる必要がある。例えばステッパの場合には、ウエハステージが所望の位置に位置決めされ十分に整定されるのを待ってアライメント動作や露光動作を開始する必要がある。また、スキャニング・ステッパの場合には、レチクルステージとウエハステージとの同期整定を十分に確保した状態で露光を行う必要があった。このため、スループット(生産性)を悪化させる要因となっていた。
また、近年におけるレチクルやウエハの大型化に伴い、両ステージが大型化し、上記特開平8−166475号公報や特開平8−330224号公報に記載された発明を用いても、フレーム部材を伝わって床側に逃げる反力に起因してフレーム部材自身が振動したり、床に逃げた反力が防振台を介して投影光学系を保持する本体コラム(メインボディ)に伝わってこれを加振する、いわゆる揺れ返しが生じる虞がある。そのため、スループットをある程度確保しつつ高精度な露光を行うことは困難になっている。
そこで、例えば特開平8−63231号公報には、ベース上に浮揚支持されるステージ本体と駆動フレームとを設け、ステージ本体の前進移動に伴う反力で駆動フレームが後退するステージ装置が開示されている。この技術によれば、ステージ本体と駆動フレームとの間に運動量保存の法則が働き、ベース上における装置の重心の位置が維持されるため、フレーム部材への振動の影響を小さくすることができる。
図13Aおよび図13Bに、この種のステージ装置の一例を示す。このステージ装置では、基板(感光基板)としてのウエハWを保持するX/Yステージ(ステージ本体)1がリニアモータ等により駆動され、Xガイドバー2に沿ってX方向(図中左右方向)に移動するとともに、Xガイドバー2に設けられた可動子5がリニアモータを構成する固定子3に沿ってY方向に移動することで、ウエハWがXY平面に沿う2次元方向に移動する。各固定子3は、ベース(定盤)4上にそれぞれエアパッド6を介してY方向に移動自在に浮揚支持されたカウンターマス(3,6)を構成している。
X/Yステージ1が、例えば図中矢印で示す+Y方向に加速(移動)すると、加速に伴う反力でカウンターマス(3,6)が−Y方向に加速することで運動量保存の法則が働き、ベース上における装置の重心の位置が維持される。その結果、装置の外部に反力を伝えることなくX/Yステージ1(すなわちウエハW)を移動させることができ、ステージ移動時の振動を最小限に抑えることが可能になる。
ところが、上記のステージ装置では、装置の重心位置は維持されるものの、重量物である固定子3が移動することでベース4が歪み、X/Yステージ1の滑走面に悪影響を及ぼす虞がある。
このような問題を解消するために、例えば図14に示す構成のステージ装置が考えられている。この図に示すステージ装置では、固定子3は、ベース4とは分離・独立して設けられたサイド定盤(支持部)7上にエアパッド6を介して浮揚支持されている。この構成では、ベース4とサイド定盤7とが独立しているため、固定子3がカウンターマス(3,6)として移動した場合でも、移動に伴う歪みエネルギや振動がベース4に伝わらないため、滑走面の面精度が維持されるとともに、振動からX/Yステージ1を保護することができる。
ところで、上記ステージ装置では、ベース4は一般的に除振のために床上に防振台8を介して搭載されることが多い。通常、この種の防振台は駆動ストロークを有しているが、防振台の許容ストロークはリニアモータを構成する固定子3と可動子5間のギャップより小さくする必要がある。防振台の駆動ストロークを大きくする場合には、固定子3−可動子5間のギャップを大きくしなければならず、この場合モータ駆動による熱を発したり、モータ自体が大きくなるという弊害を生じる。
そこで、図15に示すステージ装置では、モータや空気バネ、空気シリンダ等のアクチュエータ9を介して床上にサイド定盤7を設置する構成が考えられている。この構成では、防振台8のストロークに対してサイド定盤7が位置追従することが可能になるため、モータの固定子3−可動子5間のギャップを維持することができる。
しかしながら、上述したような従来のステージ装置および露光装置には、以下のような問題が存在する。
サイド定盤7を駆動するためのアクチュエータ9が常にサーボ状態で頻繁に駆動されることにより、熱が生じる。また、アクチュエータ9が正常に作動している場合は問題がないが、万一、不測の事態が生じてアクチュエータが作動しなかったり、所定外の動作をした場合、モータの固定子3と可動子5とが接触して破損する虞がある。
そこで、固定子3−可動子5間のギャップを大きくしたり、防振台8のストロークを短くすることが考えられるが、ギャップを大きくすることはモータの推力低下という問題を生じさせ、ストロークを短くすることは防振性能の低下という問題を生じさせてしまう。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、ベースに対してモータの固定子を分離・独立して配置した場合でも、モータの推力低下や防振性能の低下、モータの破損を招くことなく反力処理を実施できるステージ装置および露光装置を提供することを目的とする。
発明の開示
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図11に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のステージ装置は、移動面を有するベースに移動可能に支持されたステージ本体と、固定子とステージ本体に設けられた可動子とを有しステージ本体を駆動する第1駆動装置とを備えたステージ装置であって、固定子が設けられるとともに、ベースとは独立して設けられた支持部と、移動面とほぼ直交する第1方向(Z方向)のベースと支持部との相対変位に応じて、ベースに対する支持部の独立状態を解除する解除装置とを有する。
本発明のステージ装置では、固定子を支持する支持部がベースと独立して設けられているため、ステージ本体の移動に伴う反力で固定子が移動した場合でも、固定子の移動に起因する歪みエネルギや振動がベースに伝わることを防止できる。また、不測の事態が生じて、ベースと支持部との第1方向の相対変位が大きくなった場合には、ベースと支持部との独立状態が解除されて従属状態になるため、固定子と可動子との間のギャップが所定以上に小さくなり接触して破損することを防止できる。そのため、固定子と可動子との間のギャップを必要以上に大きくして第1駆動装置の推力が低下したり、ベースを第1方向に駆動するための第2駆動装置のストロークを抑えて防振性能が低下することがなく、ステージ本体の移動による反力の処理が行える。
前記解除装置は、前記ベースに設けられた第1部材と、前記支持部に設けられた第2部材とを有していてもよい。この場合、第1部材と第2部材とによりベースに対する支持部の独立状態を解除できる。
前記支持部が前記ベースから独立している際には、前記第1部材と前記第2部材とが非接触であり、独立状態を解除する際には接触する構成であってもよい。この場合、第1部材と第2部材との接触、非接触によりベースに対する支持部の独立状態を解除できる。
前記第1部材と前記第2部材とのいずれか一方が、第1方向と直交する方向に沿って複数設けられていてもよい。この場合、ベースが第1方向以外の方向に相対変位した場合でも、確実にベースに対する支持部の独立状態を解除して追従移動させることができる。
前記支持部の自重を弾性部材で支持する構成であってもよい。この場合、支持部に対する支持で熱が生じることを防止できる。
前記弾性部材は、少なくとも三角形の頂点を成す3点で支持部を支持する構成となっていてもよい。この場合、支持部を平面的に安定して支持できる。
前記ベースを第1方向に駆動する第2駆動装置を有していてもよい。この場合、第1方向に駆動されるベースに対して支持部の独立状態を解除できる。
前記支持部を第1方向に駆動する第3駆動装置を有していてもよい。この場合、独立状態の解除時にベースを歪ませる力を大幅に小さくできる。
前記固定子を支持部に対して移動可能に支持する支持機構を有していてもよい。この場合、固定子が移動する場合でも、独立状態の解除時にベースを歪ませる力を大幅に小さくできる。
前記固定子の移動に伴う支持部の重心の移動を補正するように第3駆動装置を制御する制御装置を有していてもよい。この場合、固定子の移動に伴う重心移動を補うことができ、弾性部材の剛性を低くできる。
前記第3駆動装置は、駆動停止時に支持部と移動自在に接続されてもよい。この場合、第3駆動装置の駆動停止時にも支持部を確実にベースに追従させることができる。
一方、本発明の露光装置は、マスクステージに保持されたマスクのパターンを基板ステージに保持された基板に露光する露光装置において、マスクステージと基板ステージとの少なくとも一方のステージとして、前記いずれかのステージ装置が用いられる。
この露光装置では、露光処理時にマスクや基板の移動に伴う反力で固定子が移動する際にも、第1駆動装置が破損することなく、第1駆動装置の推力低下や、第2駆動装置の防振性能低下を防止した状態で、ステージ本体の移動による反力処理を実施することが可能になる。
本発明の他の態様に係る露光装置は、第1基板ステージに保持された第1基板にパターンを露光するものであって、前記第1基板ステージに接続された可動子と、固定子とを備え、前記第1基板ステージを駆動する第1駆動装置、前記第1基板ステージが移動する移動面を有した第1定盤、前記固定子が設けられるとともに、前記第1定盤とは独立して設けられた第2定盤、前記第1定盤を前記移動面とほぼ直交する第1方向に駆動する第2駆動装置、および前記第2定盤を前記第1方向に駆動する第3駆動装置を備える。
前記露光装置は、前記固定子を前記第2定盤に対して移動可能に支持する支持機構を備えていてもよい。
前記露光装置は、前記第1基板ステージの移動に伴う前記第1定盤の重心の変化を補正するように前記第2駆動装置を制御するとともに、前記第1基板ステージの移動に応じた前記固定子移動に伴う前記第2定盤の重心の変化を補正するように前記第3駆動装置を制御する制御装置を備えていてもよい。
前記露光装置は、前記パターンを前記第1基板に投影する投影光学系と、前記第1定盤と前記第2定盤とから独立して、前記投影光学系を支持する第3定盤とを備えていてもよい。
前記露光装置は、前記第3定盤を前記第1方向に駆動する第4駆動装置とを備えていてもよい。
前記露光装置は、前記第1定盤の前記移動面を移動する第2基板ステージを備えていてもよい。
本発明の他の態様に係る露光装置は、基板ステージに保持された基板にパターンを露光する方法であって、前記基板ステージに接続された可動子と、固定子とによって前記基板ステージを駆動するステップ、前記基板ステージが移動する移動面を有した第1定盤を前記移動面とほぼ直交する第1方向に駆動するステップ、および前記固定子が設けられるとともに、前記第1定盤とは独立して設けられた第2定盤を前記第1方向に駆動するステップを有する。
本発明のさらに他の態様に係る露光装置は、基板ステージに保持された基板にパターンを露光する方法であって、移動画を有した第1定盤に前記基板ステージを設けるステップ、前記第1定盤とは独立して設けられた第2定盤に固定子を設けるステップ、前記固定子と、前記基板ステージに接続された可動子とにより前記基板ステージを駆動するステップ、および前記第1定盤と前記第2定盤との前記独立状態を解除するステップを有する。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明のステージ装置および露光装置の第1の実施形態を、図1ないし図7を参照して説明する。ここでは、露光装置として、レチクルとウエハとを一次元方向(ここではY軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式、またはステップ・アンド・スティッチ方式からなる走査露光方式の露光装置を使用する場合を例として説明する。また、この露光装置では、本発明のステージ装置をウエハステージとして使用している。これらの図において、従来例として示した図13〜図15と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図1には本発明の一実施形態に係る露光装置10の全体構成が概略的に示されている。露光装置10は、露光用照明光(以下、「照明光」と略述する)ILによりマスクとしてのレチクルR上の矩形状(あるいは円弧状)の照明領域を均一な照度で照明する不図示の照明系と、レチクルRを保持するマスクステージとしてのレチクルステージRST、レチクルRから射出される照明光をウエハW上に投射する投影光学系PL、ウエハWを保持する基板ステージとしてのウエハステージ(ステージ装置)WST、投影光学系PL,レチクルステージRST及びウエハステージWSTが搭載されたボディとしての本体コラム14、及び本体コラム14の振動を抑制あるいは除去する防振システム等を備えている。
前記照明光ILとしては、例えば超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。
本体コラム14は、床面FDに水平に載置された装置の基準となる矩形板状のベースプレートBPと、このベースプレートBP上面の三角形頂点部分の近傍にそれぞれ配置された防振ユニット16A〜16C(但し、図1においては紙面奥側の防振ユニット16Cは図示せず)及びこれらの防振ユニット16A〜16Cを介してほぼ水平に支持された鏡筒定盤18と、鏡筒定盤18に装着されたファーストインバと呼ばれる投影光学系PLの支持部材24(以下、「ファーストインバ24」と呼ぶ)と、鏡筒定盤18上に立設されたセカンドインバと呼ばれるレチクルステージ定盤25の支持部材26(以下、「セカンドインバ26」と呼ぶ)とを備えている。
防振ユニット16A〜16Cは、ベースプレートBPの上部に直列に配置されたアクチュエータ部28と内圧が調整可能なエアマウント30とをそれぞれ含んでいる。防振ユニット16A〜16Cの各アクチュエータ部28には、ボイスコイルモータがそれぞれ少なくとも1つ含まれている。この場合、防振ユニット16A〜16Cの全体としてアクチュエータ部に、鉛直方向(すなわち図1のZ方向)駆動用のボイスコイルモータが少なくとも3個、X方向駆動用のボイスコイルモータ及びY方向駆動用のボイスコイルモータが合計で少なくとも3個(但し、X方向駆動用のボイスコイルモータ及びY方向駆動用のボイスコイルモータが各1つ含まれる)含まれている。
鏡筒定盤18には、図1では図示が省略されているが、この鏡筒定盤18を含む本体コラム14のZ軸方向の振動を検出する振動センサ(例えば半導体加速度センサ等の加速度計)が少なくとも3つ、X方向、Y方向の振動を検出する振動センサ(例えば半導体加速度センサ等の加速度計)が合計で少なくとも3つ(但し、X方向振動検出用センサ及びY方向振動検出用センサを各1つ含む)取り付けられている。これらの少なくとも6つの振動センサ(以下、「振動センサ群32」と呼ぶ)の出力が後述する主制御装置50(図7参照)に供給され、該主制御装置50によって本体コラム14の6自由度方向の運動が求められ、防振ユニット16A〜16Cが制御される。すなわち、本実施形態では、振動センサ群と防振ユニット16A〜16Cと、主制御装置50とによって本体コラム14の振動を制振するためのアクティブ防振システムが構成されている。
セカンドインバ26は、側面視略台形状で底面及び上面が八角形の多面体の全体形状を有し、各側面に台形状の開口が形成され、底面が完全に開口したフレームである。このセカンドインバ26の上面はレチクルステージ定盤25を支持する支持プレートとされており、該支持プレートには、照明光ILの通路を成す矩形の開口部(不図示)が形成され、この開口部を含む領域の上面にレチクルステージ定盤25が載置されている。レチクルステージ定盤25にも開口部に対向して所定の開口が形成されている。
レチクルステージRSTは、上記レチクルステージ定盤25上に配置されている。レチクルステージRSTは、レチクルRをレチクルステージ定盤25上でY軸方向に大きなストロークで直線駆動するとともに、X軸方向及びθZ方向(Z軸回りの回転方向)に関しても微小駆動が可能な構成となっている。
レチクルステージRSTは、レチクルステージ定盤25上にY軸方向に沿って設けられた不図示のYガイドに沿って移動するレチクル粗動ステージ11と、このレチクル粗動ステージ11上を一対のXボイスコイルモータ36A、36B(図1では図示せず、図7参照)と一対のYボイスコイルモータ36C、36D(図1では図示せず、図7参照)とによってX、Y、θZ方向に微少駆動されるレチクル微動ステージ12とを含んで構成されている。レチクルRはレチクル微動ステージ12に、例えば真空吸着等によって固定されている。
レチクル粗動ステージ11は、不図示のエアベアリングによってYガイドに対して非接触で支持されており、Yリニアモータ34A、34B(図1では図示せず、図7参照)によってY軸方向に所定ストロークで駆動される構成になっている。本実施形態では、Yリニアモータ34A、34B、Xボイスコイルモータ36A、36B及びYボイスコイルモータ36C、36DによってレチクルステージRSTの駆動系37(図7参照)が構成されている。
Yリニアモータ34A、34Bのそれぞれは、レチクルステージ定盤25上に複数のエアベアリングによって浮上支持されY軸方向に延びる固定子と、該固定子に対応して設けられレチクル粗動ステージ11に固定された可動子とから構成されている。従って、本実施形態では、レチクルステージRSTが走査方向(Y軸方向)に移動する際には、一対のYリニアモータ34A、34Bの可動子と固定子とが相対的に逆方向に移動する。すなわち、レチクルステージRSTと固定子とが相対的に逆方向に移動する。レチクルステージRSTと固定子とレチクルステージ定盤25との3者間の摩擦が零である場合には、運動量保存の法則が成立し、レチクルステージRSTの移動に伴う固定子の移動量は、レチクルステージRST全体と固定子との重量比で決定される。このため、レチクルステージRSTの走査方向の加減速時の反力は固定子の移動によって吸収されるので、上記反力によってレチクルステージ定盤25が振動するのを効果的に防止することができる。また、レチクルステージRSTと固定子とが相対的に逆方向に移動して、レチクルステージRST、レチクルステージ定盤25等を含む系の全体の重心位置が所定の位置に維持されるので、重心位置の移動による偏荷重が発生しないようになっている。かかる詳細は、例えば、特開平8−63231号公報に記載されている。
レチクル微動ステージ12の一部には、その位置や移動量を計測するための位置計測装置であるレチクルレーザ干渉計システム38からの測長ビームを反射する移動鏡40が取り付けられている。レチクルレーザ干渉計システム38は、鏡筒定盤18の上面に固定されている。レチクルレーザ干渉計システム38に対応した固定鏡42は、投影光学系PLの鏡筒の側面に設けられている。そして、レチクルレーザ干渉計システム38によってレチクルステージRST(具体的にはレチクル微動ステージ12)のX,Y,θZ方向の位置計測が投影光学系PLを基準として行われる。
上記のレチクルレーザ干渉計システム38によって計測されるレチクルステージRST(即ちレチクルR)の位置情報(又は速度情報)はステージ制御装置44(図1では図示せず、図7参照)及びこれを介して主制御装置50に供給される(図7参照)。ステージ制御装置44は、基本的にはレチクルレーザ干渉計システム38から出力される位置情報(或いは速度情報)が主制御装置50からの指令値(目標位置、目標速度)と一致するように上記のYリニアモータ34A、34B及びボイスコイルモータ36A〜36Dを制御する。
前記鏡筒定盤18の中央部には円形開口が形成されており、この円形開口内に上端にフランジが設けられた円筒状部材から成るファーストインバ24が挿入され、このファーストインバ24の内部に投影光学系PLがその光軸方向をZ軸方向として上方から挿入されている。ファーストインバ24の素材としては、低熱膨張の材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、マンガン0.25%、及び微量の炭素と他の元素を含む鉄からなる低膨張の合金)が用いられている。
投影光学系PLの鏡筒部の外周部には、該鏡筒部に一体化された鋳物等から成るフランジFLGが設けられている。このフランジFLGは、投影光学系PLをファーストインバ24に対して点と面とV溝とを介して3点で支持するいわゆるキネマティック支持マウントを構成している。このようなキネマティック支持構造を採用すると、投影光学系PLのファーストインバ24に対する組み付けが容易で、しかも組み付け後のファーストインバ24及び投影光学系PLの振動、温度変化、姿勢変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できるという利点がある。
前記投影光学系PLとしては、ここでは、物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や螢石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから成り投影倍率βが1/4(又は1/5)の屈折光学系が使用されている。このため、レチクルRに照明光ILが照射されると、レチクルR上の回路パターン領域のうちの照明光ILによって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部分倒立像が投影光学系PLの像面側の円形視野の中央にスリット状に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
前記ウエハステージWSTは、ウエハWを保持してXY2次元方向に移動する。これを更に詳述すると、ウエハステージWSTは、図1では簡略化して示されているが、実際には、図2に示されるように、移動面22aを有するウエハステージ定盤(ベース)22、移動ステージ(ステージ本体)1A、1B(適宜、移動ステージ1と総称する)、移動ステージ1A、1BをそれぞれY方向に駆動するYモータ(第1駆動装置)61A、61B、移動ステージ1A、1BをそれぞれX方向に駆動するXモータ62A、62Bを主体として構成されたダブル・ステージ方式であり、例えば移動ステージ1A側でウエハ(基板)W1に対する走査露光中に、移動ステージ1B側でウエハ(基板)W2の交換およびアライメントが実施可能になっている。
ウエハステージ定盤22は、ベースプレートBPの上方に、防振ユニット(第2駆動装置)29を介してほぼ水平に支持されている。防振ユニット29は、上記防振ユニット16A〜16Cと同様に、アクチュエータ部と内圧が調整可能なエアマウントとをそれぞれ含んだアクティブ防振システムを構成しており、図3に示すように、三角形の頂点をなす三カ所に配置されている(なお、図1では紙面奥側の防振ユニットについては図示せず)。そして、図示していないものの、ウエハステージ定盤22には、定盤22のZ軸方向の振動を検出する振動センサ(例えば半導体加速度センサ等の加速度計)が少なくとも3つ、X方向、Y方向の振動を検出する振動センサ(例えば半導体加速度センサ等の加速度計)が合計で少なくとも3つ(但し、X方向振動検出用センサ及びY方向振動検出用センサを各1つ含む)取り付けられている。これらの少なくとも6つの振動センサ(以下、「振動センサ群33」と呼ぶ)の出力が後述する主制御装置50(図7参照)に供給され、該主制御装置50によってウエハステージ定盤22の6自由度方向の運動が求められ、防振ユニット29が移動面22aとほぼ直交するZ方向(第1方向)に駆動されることでベースプレートBPを介してウエハステージ定盤22に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるように制御される。ウエハステージ定盤22の投影光学系PLに対する相対位置は、位置センサ77(図7参照)で検出され主制御系50に出力される。
移動ステージ1A、1Bは、ウエハステージ定盤22上にそれぞれ不図示のエアベアリングを介して浮上支持されている。移動ステージ1A、1B上には、試料台(ホルダ)63A、63Bがそれぞれ載置され、これら試料台63A、63B上には感光基板であるウエハ(基板)W1、W2(適宜、ウエハWと総称する)が真空吸着等によってそれぞれ保持される。試料台63A、63Bは、移動ステージ1A、1Bに対してX方向、Y方向およびZ軸回りの回転方向に微動可能であるとともに、レベリングおよびフォーカシングを行うためにZ方向の変位、および2軸の回り(すなわち、X軸およびY軸回り)の傾斜が可能な構成になっている。
Xモータ62Aは、移動ステージ1Aをステップ移動方向であるX方向に駆動するものであって、X方向に延在するXガイドバー2Aに埋設された不図示のX固定子(以下XガイドバーをX固定子として説明する)と、移動ステージ1Aに設けられ、X固定子との間の電磁気的相互作用によりX方向に駆動されるX移動子(不図示)とから構成されている。同様に、Xモータ62Bは、移動ステージ1BをX方向に駆動するものであって、X方向に延在するXガイドバー2B(適宜、Xガイドバー2と総称する)に埋設されたX固定子(不図示)と、移動ステージ1Bに設けられ、X固定子との間の電磁気的相互作用によりX方向に駆動されるX移動子(不図示)とから構成されている。
Yモータ61Aは、移動ステージ1Aをスキャン方向(走査方向)であるY方向に駆動するものであって、図4に簡略化して示すように、Xガイドバー2Aを介して移動ステージ1Aの両端に設けられたY可動子(可動子)64A、64Aと、Y可動子64Aに向けて開口し、Y可動子64A、64Aとの間の電磁気的相互作用により当該Y可動子64A、64AをY方向に駆動させる固定子としての断面コ字状のカウンターマス(適宜、固定子と称する)65(但し、図2に示すように、カウンターマスの形状は左右で異なるが図1、3では便宜上同形状に図示)とから構成されている。なお、−X側(図2中、左側)に配置されるカウンターマス65には、Xガイドバー2A、2BやY可動子64A、64Bに接続されるエア用配管、冷媒用配管、電力配線、信号供給用のシステム配線等の各種用力供給ケーブル等に応力集中を発生させずに(緩和して)導くための傾斜面が形成されている。
同様に、Yモータ61Bは、移動ステージ1Bをスキャン方向(走査方向)であるY方向に駆動するものであって、Xガイドバー2Bを介して移動ステージ1Bの両端に設けられたY可動子(可動子)64B、64Bと、Y可動子64Bに向けて開口し、Y可動子64B、64Bとの間の電磁気的相互作用により当該Y可動子64B、64BをY方向に駆動させる固定子としての断面コ字状のカウンターマス65とから構成されている。すなわち、Y移動子64A、64Bは、複数の移動ステージ1A、1B毎に設けられるが、カウンターマス65は、移動ステージ1A、1Bの移動範囲に亘る長さを有することで、これらY移動子64A、64Bに共用される構成になっている。なお、上記Yモータ61A、61Bは、ムービングコイル形式のリニアモータを構成している。
カウンターマス65は、ウエハステージ定盤22のX方向両側に設けられたサイド定盤(支持部)7、7上に、Y方向へのガイド機構(支持機構)を有するエアパッド6を介してY方向に移動自在にそれぞれ浮揚支持されている。サイド定盤7は、ウエハステージ定盤22と(振動的に)独立して設けられており、ベースプレートBP上に設置された弾性部材としてのコイルスプリング31により自重を支持されている。コイルスプリング31は、カウンターマス65の重心が移動したときも含めてサイド定盤7の自重を充分に支持できる剛性を有するバネ定数に設定されており、図3に示すように、両端側及び中央部の、三角形の頂点を成す3点でサイド定盤7を支持している。
このサイド定盤7とウエハステージ定盤22とは、解除装置45により上記独立状態が解除自在に連結されている。解除装置45は、これらサイド定盤7及びウエハステージ定盤22のY方向両端面にそれぞれ設けられており(図1、2及び4では−Y側の解除装置のみ図示)、図5に示すように、ウエハステージ定盤22に設けられたステンレス製のストッパー用アーム(第1部材)46と、サイド定盤7にX方向に間隔をあけて突設された軸部材(第2部材)47、47とから構成されている。
ストッパー用アーム46は、ボルト等の不図示の締結手段によりウエハステージ定盤22に固定されており、軸部材47、47と対向する位置にはX方向に延びる嵌合溝48が形成されている。図6に示すように、嵌合溝48は、ウエハステージWSTの正常稼働時に、軸部材47との間にZ方向(及び一部X方向)に隙間L1が形成される幅及び位置に形成されている。この隙間L1は、Yモータ61A、61BにおけるY可動子64A、64Bと固定子65との間のギャップ量をL2(図4参照)とすると、次式の関係が成り立つように設定されている。
L1<L2 …(1)
一方、ウエハステージWSTには、移動ステージ1A、1BやXガイドバー2A、2Bに対して各種用力を供給するための上述した用力供給ケーブル、チューブ等を保持し、且つXガイドバー2A、2Bの移動(すなわち、移動ステージ1A、1BのY方向の移動)とそれぞれ同期移動する不図示のチューブキャリアが設けられている。チューブキャリアが移動ステージ1A、1Bとそれぞれ同期移動することで、チューブキャリアと移動ステージ1A、1Bとの間に配されたケーブル・チューブの変形が阻止されるため、複数のケーブル・チューブ同士の擦れ、叩きやケーブル・チューブの変形に伴う抗力等の外乱に起因する振動の発生を防止することができる。
前記移動ステージ1A、1B上面のX方向一側の端部には、移動鏡79XがY方向に延設され、Y方向の一側の端部には、移動鏡79YがX方向に延設されている。これらの移動鏡79X、79Yに位置検出装置であるウエハレーザ干渉計システム80(図1参照)を構成する各レーザ干渉計からの測長ビームがそれぞれ照射されている。これらの測長ビームに対応する各レーザ干渉計の少なくとも一方は、測長軸を2本有する2軸干渉計が用いられている。
ウエハレーザ干渉計システム80を構成する各レーザ干渉計に対応する各固定鏡は、投影光学系PLの鏡筒の下端部に固定されている。ウエハレーザ干渉計システム80は、鏡筒定盤18上面に配置されている。前述の如く、ウエハステージWST上には、移動鏡として移動鏡79X、79Yが設けられ、これに対応して固定鏡もX方向位置計測用の固定鏡とY方向位置計測用の固定鏡とがそれぞれ設けられ、レーザ干渉計もX方向位置計測用のものとY方向位置計測用のものとが設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡79、固定鏡81、ウエハレーザ干渉計システム80として示されている。
上記のウエハレーザ干渉計システム80によってウエハステージWSTのX,Y,θZ(Z周りの回転)方向の位置計測が投影光学系PLを基準として行われる。ウエハレーザ干渉計システム80によって計測されるウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)はステージ制御装置44及びこれを介して主制御装置50に送られる。ステージ制御装置44は、基本的にはウエハレーザ干渉計システム80から出力される位置情報(或いは速度情報)が主制御装置50から与えられる指令値(目標位置、目標速度)と一致するように上記のYモータ61A、61B及びXモータ62A、62Bを制御する。
図7には、本実施形態に係る露光装置10の制御系の主要な構成がブロック図にて示されている。この制御系は、マイクロコンピュータ(あるいはワークステーション)から成る制御系としての主制御装置50を中心として構成されている。この図に示すように、振動センサ群32、33、位置センサ77の計測結果は、主制御装置50に出力される。主制御装置50は、入力した計測結果に基づいて防振ユニット16A〜16C、29の駆動をそれぞれ制御する。ステージ制御装置44は、主制御装置50の制御下で、レチクルレーザ干渉計システム38およびウエハレーザ干渉計システム80の計測結果に基づいて、Yリニアモータ34A、34B、Xボイスコイルモータ36A、36B、Yボイスコイルモータ36C、36D、Yモータ61A、61B、Xモータ62A、62B、トリムモータ72、ボイスコイルモータ73の駆動を制御する。
次に、上記の構成の露光装置のうち、まずウエハステージWSTの動作について説明する。
例えば、Yモータ61Aが作動してY移動子64Aが固定子65に対して相対移動することにより、移動ステージ1Aが試料台63A(およびウエハW1)とともにY方向に移動すると、この移動による反力でカウンターマスとしての固定子65がサイド定盤7上を移動ステージ1Aの移動方向とは逆方向に相対移動する。この結果、移動ステージ1AのY方向の加減速時の反力はカウンターマス65の移動により吸収され、ベースプレートBPに与える運動量は理論的にゼロとなり、ウエハステージWSTにおける重心の位置がY方向において実質的に固定される。なお、Yモータ61Bが作動して移動ステージ1BがY方向に移動する際にも同様の動作となる。
移動ステージ1A、1Bの移動に際しては、主制御装置50からの指示に応じてステージ制御装置44がレーザ干渉計システム80等の計測値に基づいて、移動ステージ1A、1Bの移動に伴う重心の変化による影響をキャンセルするカウンターフォースを防振ユニット29に対してフィードフォワードで与え、この力を発生するようにエアマウントおよびアクチュエータ部を駆動する。また、移動ステージ1A、1Bとウエハステージ定盤22との摩擦が零でない等の理由で、ウエハステージ定盤22の6自由度方向の微少な振動が残留した場合にも、振動センサ群33や位置センサ77の計測値に基づいて上記残留振動を除去すべく、エアマウントおよびアクチュエータ部をフィードバック制御する。
カウンターマス65の移動でサイド定盤7には偏荷重が掛かるが、剛性の高いコイルスプリング31に支持されているため、大きな姿勢変化は生じず、従ってサイド定盤7とウエハステージ定盤22との相対変位も上記L1以下の微小なものとなる。このとき、カウンターマス65の移動でサイド定盤7には歪みが生じるが、定盤7、22間の相対変位が微小であり、ストッパー用アーム46と軸部材47とが非接触なので、定盤7、22の独立状態が維持され、歪みエネルギや振動はウエハステージ定盤22に伝わらず、移動ステージ1A、1Bの滑走面の面精度が維持される。
一方、万一、防振ユニット29が機能しなくなったり、暴走して定盤7、22間の相対変位が大きくなった場合、具体的には、Z方向の相対変位がストッパー用アーム46と軸部材47との間の隙間L1を超えるような大きさになる場合には、Yモータ61A、61BにおけるY可動子64A、64Bと固定子65とが接触する前に、ストッパー用アーム46と軸部材47とが接触する。これにより、ウエハステージ定盤22とサイド定盤7との独立状態が解除され、ウエハステージ定盤22が+Z方向や−Z方向に大きく変位した場合でもサイド定盤7が追従移動する。そのため、Y可動子64A、64Bと固定子65との間のギャップ量は、L2−L1(>0;式(1)より)が維持され、Y可動子64A、64Bと固定子65との接触が回避される。
また、ウエハステージ定盤22がZ方向のみならず、θY(Y軸周りの回転)方向に変位した場合、軸部材47が一カ所では、この軸部材の軸周りに定盤22が変位すると、軸部材とストッパー用アーム46との間の隙間は維持されるものの、Y可動子64A、64Bと固定子65とが接触してしまう虞がある。しかし、本実施の形態では軸部材47をX方向に2カ所設けることで、ウエハステージ定盤22がθY方向に大きく相対変位した場合でも、ストッパー用アーム46と軸部材47とが接触して、定盤7、22間の独立状態を解除して追従移動させることができるため、Y可動子64A、64Bと固定子65との接触を回避できる。
次に、露光装置10における露光動作について説明する。
前提として、ウエハW上のショット領域を適正露光量(目標露光量)で走査露光するための各種の露光条件が予め設定される。また、不図示のレチクル顕微鏡及び不図示のオフアクシス・アライメントセンサ等を用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等の準備作業が行われ、その後、アライメントセンサを用いたウエハWのファインアライメント(EGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等)が終了し、ウエハW上の複数のショット領域の配列座標が求められる。
このようにして、ウエハWの露光のための準備動作が終了すると、ステージ制御装置44では、主制御装置50からの指示に応じてアライメント結果に基づいてウエハレーザ干渉計システム80の計測値をモニタしつつYモータ61A、61B、及びXモータ62A、62Bを制御してウエハWの第1ショットの露光のための走査開始位置に移動ステージ1を移動する。
ステージ制御装置44では、主制御装置50からの指示に応じてレチクル駆動部37及びウエハ駆動部39を介してレチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY方向の走査を開始し、両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達すると、照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。
ステージ制御装置44では、特に上記の走査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度とウエハステージWSTのY軸方向の移動速度とが投影光学系PLの投影倍率(1/5倍或いは1/4倍)に応じた速度比に維持されるようにレチクルステージRST及びウエハステージWST(移動ステージ1)を同期制御する。
レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショットの走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介して第1ショットに縮小転写される。
このようにして、第1ショットの走査露光が終了すると、ステージ制御装置44により主制御装置50の指示に応じてウエハ駆動部39を介して移動ステージ1がX、Y軸方向にステップ移動され、第2ショットの露光のため走査開始位置に移動される。このステッピングの際に、ステージ制御装置44ではウエハレーザ干渉計システム80の計測値に基づいて移動ステージ1のX、Y、θZ方向の位置変位をリアルタイムに計測する。この計測結果に基づき、ステージ制御装置44ではウエハ駆動部39を制御してXY位置変位が所定の状態になるように移動ステージ1の位置を制御する。
主制御装置50の指示に基づきステージ制御装置44では第2ショットに対して上記と同様の走査露光を行う。このようにして、ウエハW上のショットの走査露光と次ショット露光のためのステッピング動作とが繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショットの全てにレチクルRのパターンが順次転写される。すなわち、以上のようにして、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が行われる。
続いて、2つの移動ステージ1A、1Bによる並行処理について説明する。本実施の形態では、例えば移動ステージ1A(すなわち試料台63A)上のウエハW1を投影光学系PLを介して露光動作を行っている間に、移動ステージ1Bにおいてウエハ交換が行われ、ウエハ交換に引き続いてアライメント動作およびオートフォーカス/オートレベリングが行われる。
移動ステージ1B側で、上記のウエハ交換、アライメント動作が行われている間に、移動ステージ1A側では、2枚のレチクルを使った場合、露光条件を変えながら連続してステップ・アンド・スキャン方式により二重露光を行うことも可能である。2つの移動ステージ1A、1B上で並行して行われる露光シーケンスとウエハ交換・アライメントシーケンスとは、先に終了したウエハステージの方が待ち状態となり、両方の動作が終了した時点で移動ステージ1A、1Bが移動制御される。露光シーケンスが終了した移動ステージ1A上のウエハW1は、ローディングポジションでウエハ交換がなされ、アライメントシーケンスが終了した移動ステージ1B(すなわち試料台63B)上のウエハW2は、投影光学系PLの下で露光シーケンスが行われる。
このように、一方の移動ステージ側でウエハ交換とアライメント動作を実行する間に、他方の移動ステージ側で露光動作を実行することとし、両方の動作が終了した時点でお互いの動作を切り換えるようにすることで、スループットを大幅に向上させることが可能になる。
以上のように、本実施の形態では、ウエハステージ定盤22とサイド定盤7との相対変位に応じてウエハステージ定盤22に対するサイド定盤7の独立状態を解除するので、Y可動子64A、64Bと固定子65とが接触して破損する事態を回避することができる。そのため、Y可動子64A、64Bと固定子65とのギャップ量を大きくしたり、防振ユニット29の駆動ストロークを短くする必要がなくなり、モータの推力低下や防振性能の低下を防ぐことが可能になる。
さらに、本実施の形態では、サイド定盤7の自重をコイルスプリング31で支持しているので、アクチュエータでサイド定盤7の自重を支えた場合のように駆動に伴う熱が生じることを防止できる。
また、本実施の形態では、コイルスプリング31が三角形の頂点を成す3点に配置されているので、サイド定盤7を平面的に安定して支持することも可能になる。
図8乃至図11は、本発明のステージ装置および露光装置の第2の実施形態を示す図である。これらの図において、図1乃至図7に示す第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異なる点は、サイド定盤7をZ方向に駆動するアクチュエータを設けたことである。
図8に示すように、本実施の形態では、ボイスコイルモータ等のアクチュエータ(第3駆動装置)49がサイド定盤7とベースプレートBPとの間に設けられている。アクチュエータ49は、図9に示すように、コイルスプリング31と対となるように当該コイルスプリング31の近傍にX方向に隣り合って、且つコイルスプリング31と同様に、三角形の頂点を成す3カ所に配置され、主制御装置(制御装置)50の制御によりサイド定盤7をZ方向に駆動する構成となっている(図10参照)。アクチュエータ49は、その駆動を停止した際に、サイド定盤7に対して移動自在となるように連結・接続される。また、コイルスプリング31は、カウンターマス65の移動に伴う重心移動に対する剛性を考慮することなく、単にサイド定盤7の自重を支持できる程度の比較的低いバネ定数に設定される。
また、本実施形態では、サイド定盤7のZ方向の位置を検出する位置センサ78(図8では図示せず、図10参照)が設けられており、その検出結果が主制御装置50に出力される構成になっている。主制御装置50は、位置センサ77、78の検出結果に基づいてアクチュエータ49の駆動を制御する。
他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
上記の構成では、露光装置10の通常稼働時にはサイド定盤7の自重はコイルスプリング31によって支持され、移動ステージ1A、1Bの移動に伴うカウンターマス65の移動については、カウンターマス65の重心移動に伴うサイド定盤7の重心移動を補正するために、ウエハステージ定盤22の位置にサイド定盤7が追従するように主制御装置50がアクチュエータ49を駆動させる。従って、常時アクチュエータ49を駆動する必要がなくなり、駆動に伴う発熱を抑制することが可能になる。
一方、防振ユニット29が機能停止状態や暴走状態に陥った場合も、通常稼働時と同様に、位置センサ77、78の検出結果(の差分)に応じてアクチュエータ49を駆動し、サイド定盤7をウエハステージ定盤22に位置追従させることで、Y可動子64A、64Bと固定子65との接触を回避することができる。それとは逆に、アクチュエータ49が機能停止状態や暴走状態に陥った場合、主制御装置50はアクチュエータ49の電源をオフにしてその駆動を停止させ、コイルスプリング31のみでサイド定盤7を支持させる。この場合、サイド定盤7は解除装置45(すなわちストッパー用アーム46と軸部材47)により、所定距離(L2−L1)以上離間しないように拘束されるため、Y可動子64A、64Bと固定子65との接触を回避することができる。上記の動作は、防振ユニット29及びアクチュエータ49の双方が機能停止状態や暴走状態に陥った場合も同様である。
上記第1の実施形態では、カウンターマス65の重心移動にも耐え得るようにコイルスプリング31のバネ定数を比較的大きく設定したため、解除装置45によってコイルスプリング31の付勢力に抗してサイド定盤7をウエハステージ定盤22に位置追従させる際に、付勢力が大きいためにウエハステージ定盤22の方がねじ曲げられて歪む虞があった。しかし、本実施の形態では、上記第1の実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、アクチュエータ49がカウンターマス65の重心移動を補うことでコイルスプリング31のバネ定数を低く抑えることができるので、独立状態の解除時にウエハステージ定盤22を歪ませる力を大幅に小さくすることができる。
上記第2の実施形態では、対となるコイルスプリング31とアクチュエータ49とが隣り合う配置としたが、実際にはアクチュエータ49の駆動を制御には同軸上に配置することが好ましい。これを実現する構成としては、例えば図11に示すように、弾性部材としてのベローズ管51内に、第3駆動装置としてZ方向駆動用のACサーボモータ52及びボールネジ機構53を設ける構成を採用できる。この場合、その駆動を停止した際に、サイド定盤7がZ方向に移動自在となるようにネジ部のリードを大きく設定することが好ましい。ボールネジ機構の代わりにギア構造とすることも可能である。
また、上記第2の実施形態では、位置センサ77、78の計測結果の差分によりアクチュエータ49を駆動する構成としたが、Y可動子64A、64Bと固定子65との間のギャップ量を計測するセンサを設け、このセンサの計測結果に基づいてアクチュエータ49を駆動する構成としてもよい。
上記実施の形態において、ストッパー用アーム46をウエハステージ定盤22に設け、軸部材47をサイド定盤7に設ける構成としたが、これとは逆にストッパー用アーム46をサイド定盤7に設け、軸部材47をウエハステージ定盤22に設ける構成としてもよい。この場合も、軸部材47はX方向に沿って2カ所(複数)設けられることが望ましい。また、防振ユニット29やコイルスプリング31の数は、3カ所に限定するものではなく、一直線上に配置しなければ4カ所以上配置する構成であってもよい。さらに、サイド定盤7の自重を支持する弾性部材としては、コイルスプリングのみならず、空気バネやエアシリンダ等も使用することができる。なお、アクチュエータ49としては、ボイスコイルモータやリニアモータを用いることができる。
上記実施の形態においては、移動ステージが2基設けられた、いわゆるダブルステージ型の例を用いたが、これに限定されるものではなく、移動ステージが1基や、3基以上設けられる構成であってもよい。また、上記実施の形態では、本発明のステージ装置を露光装置10のウエハステージWSTに適用する構成としたが、これに限られず、レチクルステージRSTにも適用可能である。この場合、レチクルステージ用サイド定盤はウエハステージ用サイド定盤と分離して設けても、同一のコラム等で一体的に支持する構成としてもよい。さらに、上記実施の形態では、本発明のステージ装置を露光装置のウエハステージに適用した構成としたが、露光装置以外にも転写マスクの描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等の精密測定機器にも適用可能である。
本実施の形態の基板としては、半導体デバイス用の半導体ウエハW、W1、W2のみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置10としては、レチクルRとウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適用することができる。また、本発明はウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
露光装置10の種類としては、ウエハWに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、不図示の露光用光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)、Ar2レーザ(126nm)のみならず、電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高調波などを用いてもよい。
例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、かつ非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を露光光として用いてもよい。なお、単一波長レーザの発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
また、レーザプラズマ光源、又はSORから発生する波長5〜50nm程度の軟X線領域、例えば波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme Ultra Volet)光を露光光として用いてもよく、EUV露光装置では反射型レチクルが用いられ、かつ投影光学系が複数枚(例えば3〜6枚程度)の反射光学素子(ミラー)のみからなる縮小系となっている。
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。
ウエハステージWSTやレチクルステージRSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージWST、RSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。また、Yモータ61A、61BやXモータ62A、62Bにおいても、ガイドを設けても設けなくとも、どちらでもよい。
各ステージWST、RSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージWST、RSTを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージWST、RSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージWST、RSTの移動面側(ベース)に設ければよい。
以上のように、本願実施形態の露光装置10は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図12に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン材料からウエハを製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
産業上の利用の可能性
本発明のステージ装置では、固定子を支持する支持部がベースと独立して設けられているため、ステージ本体の移動に伴う反力で固定子が移動した場合でも、固定子の移動に起因する歪みエネルギや振動がベースに伝わることを防止できる。また、不測の事態が生じて、ベースと支持部との第1方向の相対変位が大きくなった場合には、ベースと支持部との独立状態が解除されて従属状態になるため、固定子と可動子との間のギャップが所定以上に小さくなり接触して破損することを防止できる。そのため、固定子と可動子との間のギャップを必要以上に大きくして第1駆動装置の推力が低下したり、ベースを第1方向に駆動するための第2駆動装置のストロークを抑えて防振性能が低下することがなく、ステージ本体の移動による反力の処理が行える。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る露光装置の全体構成を示す概略図である。
図2は、本発明に係るウエハステージの外観の斜視図である。
図3は、防振ユニット、コイルスプリングの配置を示す平面図である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るウエハステージの概略構成図である。
図5は、ウエハステージを構成する解除装置の拡大図である。
図6は、同解除装置の側断面図である。
図7は、第1の実施形態における制御のブロック図である。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るウエハステージの概略図である。
図9は、防振ユニット、コイルスプリング、アクチュエータの配置を示す平面図である。
図10は、第2の実施形態における制御ブロック図である。
図11は、弾性部材及び第3駆動装置の別の形態を示す図である。
図12は、半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
図13Aおよび図13Bは、従来のステージ装置の一例を示し、図13Aは平面図、図13Bは正面図である。
図14は、従来のステージ装置の別の例を示す正面図である。
図15は、従来のステージ装置の別の例を示す正面図である。
本発明は、基板を保持するステージ本体が複数の方向に移動するステージ装置およびこのステージ装置に保持されたマスクと基板とを用いて露光処理を行う露光装置に関し、特に半導体集積回路や液晶ディスプレイ等のデバイスを製造する際に、リソグラフィ工程で好適に用いられるステージ装置および露光装置に関する。
背景技術
従来より、半導体デバイスの製造工程の1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
この縮小投影露光装置としては、レチクルのパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパを改良したもので、特開平8−166043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハとを一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が知られている。
これらの縮小投影露光装置においては、ステージ装置として、床面に先ず装置の基準になるベースプレートが設置され、その上に床振動を遮断するための防振台を介してレチクルステージ、ウエハステージおよび投影光学系(投影レンズ)等を支持する本体コラムが載置されたものが多く用いられている。最近のステージ装置では、前記防振台として、内圧が制御可能なエアマウント、ボイスコイルモータ等のアクチュエータを備え、本体コラム(メインフレーム)に取り付けられた、例えば6個の加速度計の計測値に基づいて前記ボイスコイルモータ等を制御することにより本体コラムの振動を制御するアクティブ防振台が採用されている。
ところが、上記のステッパ等では、ウエハ上のあるショット領域に対する露光の後、他のショット領域に対して順次露光を繰り返すものであるから、ウエハステージ(ステッパの場合)、あるいはレチクルステージおよびウエハステージ(スキャニング・ステッパの場合)の加速、減速運動によって生じる反力が本体コラムの振動要因となって、投影光学系とウエハ等との相対位置誤差を生じさせるという不都合があった。特に、アライメント時や露光時における上記相対位置誤差は、結果的にウエハ上で設計値と異なる位置にパターンが転写されたり、その位置誤差に振動成分を含む場合には像ボケ(パターン線幅の増大)を招いたりする原因になるという不都合があった。
従って、係る不都合を抑制するためには、上記のアクティブ防振台等により本体コラムの振動を十分に減衰させる必要がある。例えばステッパの場合には、ウエハステージが所望の位置に位置決めされ十分に整定されるのを待ってアライメント動作や露光動作を開始する必要がある。また、スキャニング・ステッパの場合には、レチクルステージとウエハステージとの同期整定を十分に確保した状態で露光を行う必要があった。このため、スループット(生産性)を悪化させる要因となっていた。
また、近年におけるレチクルやウエハの大型化に伴い、両ステージが大型化し、上記特開平8−166475号公報や特開平8−330224号公報に記載された発明を用いても、フレーム部材を伝わって床側に逃げる反力に起因してフレーム部材自身が振動したり、床に逃げた反力が防振台を介して投影光学系を保持する本体コラム(メインボディ)に伝わってこれを加振する、いわゆる揺れ返しが生じる虞がある。そのため、スループットをある程度確保しつつ高精度な露光を行うことは困難になっている。
そこで、例えば特開平8−63231号公報には、ベース上に浮揚支持されるステージ本体と駆動フレームとを設け、ステージ本体の前進移動に伴う反力で駆動フレームが後退するステージ装置が開示されている。この技術によれば、ステージ本体と駆動フレームとの間に運動量保存の法則が働き、ベース上における装置の重心の位置が維持されるため、フレーム部材への振動の影響を小さくすることができる。
図13Aおよび図13Bに、この種のステージ装置の一例を示す。このステージ装置では、基板(感光基板)としてのウエハWを保持するX/Yステージ(ステージ本体)1がリニアモータ等により駆動され、Xガイドバー2に沿ってX方向(図中左右方向)に移動するとともに、Xガイドバー2に設けられた可動子5がリニアモータを構成する固定子3に沿ってY方向に移動することで、ウエハWがXY平面に沿う2次元方向に移動する。各固定子3は、ベース(定盤)4上にそれぞれエアパッド6を介してY方向に移動自在に浮揚支持されたカウンターマス(3,6)を構成している。
X/Yステージ1が、例えば図中矢印で示す+Y方向に加速(移動)すると、加速に伴う反力でカウンターマス(3,6)が−Y方向に加速することで運動量保存の法則が働き、ベース上における装置の重心の位置が維持される。その結果、装置の外部に反力を伝えることなくX/Yステージ1(すなわちウエハW)を移動させることができ、ステージ移動時の振動を最小限に抑えることが可能になる。
ところが、上記のステージ装置では、装置の重心位置は維持されるものの、重量物である固定子3が移動することでベース4が歪み、X/Yステージ1の滑走面に悪影響を及ぼす虞がある。
このような問題を解消するために、例えば図14に示す構成のステージ装置が考えられている。この図に示すステージ装置では、固定子3は、ベース4とは分離・独立して設けられたサイド定盤(支持部)7上にエアパッド6を介して浮揚支持されている。この構成では、ベース4とサイド定盤7とが独立しているため、固定子3がカウンターマス(3,6)として移動した場合でも、移動に伴う歪みエネルギや振動がベース4に伝わらないため、滑走面の面精度が維持されるとともに、振動からX/Yステージ1を保護することができる。
ところで、上記ステージ装置では、ベース4は一般的に除振のために床上に防振台8を介して搭載されることが多い。通常、この種の防振台は駆動ストロークを有しているが、防振台の許容ストロークはリニアモータを構成する固定子3と可動子5間のギャップより小さくする必要がある。防振台の駆動ストロークを大きくする場合には、固定子3−可動子5間のギャップを大きくしなければならず、この場合モータ駆動による熱を発したり、モータ自体が大きくなるという弊害を生じる。
そこで、図15に示すステージ装置では、モータや空気バネ、空気シリンダ等のアクチュエータ9を介して床上にサイド定盤7を設置する構成が考えられている。この構成では、防振台8のストロークに対してサイド定盤7が位置追従することが可能になるため、モータの固定子3−可動子5間のギャップを維持することができる。
しかしながら、上述したような従来のステージ装置および露光装置には、以下のような問題が存在する。
サイド定盤7を駆動するためのアクチュエータ9が常にサーボ状態で頻繁に駆動されることにより、熱が生じる。また、アクチュエータ9が正常に作動している場合は問題がないが、万一、不測の事態が生じてアクチュエータが作動しなかったり、所定外の動作をした場合、モータの固定子3と可動子5とが接触して破損する虞がある。
そこで、固定子3−可動子5間のギャップを大きくしたり、防振台8のストロークを短くすることが考えられるが、ギャップを大きくすることはモータの推力低下という問題を生じさせ、ストロークを短くすることは防振性能の低下という問題を生じさせてしまう。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、ベースに対してモータの固定子を分離・独立して配置した場合でも、モータの推力低下や防振性能の低下、モータの破損を招くことなく反力処理を実施できるステージ装置および露光装置を提供することを目的とする。
発明の開示
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図11に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のステージ装置は、移動面を有するベースに移動可能に支持されたステージ本体と、固定子とステージ本体に設けられた可動子とを有しステージ本体を駆動する第1駆動装置とを備えたステージ装置であって、固定子が設けられるとともに、ベースとは独立して設けられた支持部と、移動面とほぼ直交する第1方向(Z方向)のベースと支持部との相対変位に応じて、ベースに対する支持部の独立状態を解除する解除装置とを有する。
本発明のステージ装置では、固定子を支持する支持部がベースと独立して設けられているため、ステージ本体の移動に伴う反力で固定子が移動した場合でも、固定子の移動に起因する歪みエネルギや振動がベースに伝わることを防止できる。また、不測の事態が生じて、ベースと支持部との第1方向の相対変位が大きくなった場合には、ベースと支持部との独立状態が解除されて従属状態になるため、固定子と可動子との間のギャップが所定以上に小さくなり接触して破損することを防止できる。そのため、固定子と可動子との間のギャップを必要以上に大きくして第1駆動装置の推力が低下したり、ベースを第1方向に駆動するための第2駆動装置のストロークを抑えて防振性能が低下することがなく、ステージ本体の移動による反力の処理が行える。
前記解除装置は、前記ベースに設けられた第1部材と、前記支持部に設けられた第2部材とを有していてもよい。この場合、第1部材と第2部材とによりベースに対する支持部の独立状態を解除できる。
前記支持部が前記ベースから独立している際には、前記第1部材と前記第2部材とが非接触であり、独立状態を解除する際には接触する構成であってもよい。この場合、第1部材と第2部材との接触、非接触によりベースに対する支持部の独立状態を解除できる。
前記第1部材と前記第2部材とのいずれか一方が、第1方向と直交する方向に沿って複数設けられていてもよい。この場合、ベースが第1方向以外の方向に相対変位した場合でも、確実にベースに対する支持部の独立状態を解除して追従移動させることができる。
前記支持部の自重を弾性部材で支持する構成であってもよい。この場合、支持部に対する支持で熱が生じることを防止できる。
前記弾性部材は、少なくとも三角形の頂点を成す3点で支持部を支持する構成となっていてもよい。この場合、支持部を平面的に安定して支持できる。
前記ベースを第1方向に駆動する第2駆動装置を有していてもよい。この場合、第1方向に駆動されるベースに対して支持部の独立状態を解除できる。
前記支持部を第1方向に駆動する第3駆動装置を有していてもよい。この場合、独立状態の解除時にベースを歪ませる力を大幅に小さくできる。
前記固定子を支持部に対して移動可能に支持する支持機構を有していてもよい。この場合、固定子が移動する場合でも、独立状態の解除時にベースを歪ませる力を大幅に小さくできる。
前記固定子の移動に伴う支持部の重心の移動を補正するように第3駆動装置を制御する制御装置を有していてもよい。この場合、固定子の移動に伴う重心移動を補うことができ、弾性部材の剛性を低くできる。
前記第3駆動装置は、駆動停止時に支持部と移動自在に接続されてもよい。この場合、第3駆動装置の駆動停止時にも支持部を確実にベースに追従させることができる。
一方、本発明の露光装置は、マスクステージに保持されたマスクのパターンを基板ステージに保持された基板に露光する露光装置において、マスクステージと基板ステージとの少なくとも一方のステージとして、前記いずれかのステージ装置が用いられる。
この露光装置では、露光処理時にマスクや基板の移動に伴う反力で固定子が移動する際にも、第1駆動装置が破損することなく、第1駆動装置の推力低下や、第2駆動装置の防振性能低下を防止した状態で、ステージ本体の移動による反力処理を実施することが可能になる。
本発明の他の態様に係る露光装置は、第1基板ステージに保持された第1基板にパターンを露光するものであって、前記第1基板ステージに接続された可動子と、固定子とを備え、前記第1基板ステージを駆動する第1駆動装置、前記第1基板ステージが移動する移動面を有した第1定盤、前記固定子が設けられるとともに、前記第1定盤とは独立して設けられた第2定盤、前記第1定盤を前記移動面とほぼ直交する第1方向に駆動する第2駆動装置、および前記第2定盤を前記第1方向に駆動する第3駆動装置を備える。
前記露光装置は、前記固定子を前記第2定盤に対して移動可能に支持する支持機構を備えていてもよい。
前記露光装置は、前記第1基板ステージの移動に伴う前記第1定盤の重心の変化を補正するように前記第2駆動装置を制御するとともに、前記第1基板ステージの移動に応じた前記固定子移動に伴う前記第2定盤の重心の変化を補正するように前記第3駆動装置を制御する制御装置を備えていてもよい。
前記露光装置は、前記パターンを前記第1基板に投影する投影光学系と、前記第1定盤と前記第2定盤とから独立して、前記投影光学系を支持する第3定盤とを備えていてもよい。
前記露光装置は、前記第3定盤を前記第1方向に駆動する第4駆動装置とを備えていてもよい。
前記露光装置は、前記第1定盤の前記移動面を移動する第2基板ステージを備えていてもよい。
本発明の他の態様に係る露光装置は、基板ステージに保持された基板にパターンを露光する方法であって、前記基板ステージに接続された可動子と、固定子とによって前記基板ステージを駆動するステップ、前記基板ステージが移動する移動面を有した第1定盤を前記移動面とほぼ直交する第1方向に駆動するステップ、および前記固定子が設けられるとともに、前記第1定盤とは独立して設けられた第2定盤を前記第1方向に駆動するステップを有する。
本発明のさらに他の態様に係る露光装置は、基板ステージに保持された基板にパターンを露光する方法であって、移動画を有した第1定盤に前記基板ステージを設けるステップ、前記第1定盤とは独立して設けられた第2定盤に固定子を設けるステップ、前記固定子と、前記基板ステージに接続された可動子とにより前記基板ステージを駆動するステップ、および前記第1定盤と前記第2定盤との前記独立状態を解除するステップを有する。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明のステージ装置および露光装置の第1の実施形態を、図1ないし図7を参照して説明する。ここでは、露光装置として、レチクルとウエハとを一次元方向(ここではY軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式、またはステップ・アンド・スティッチ方式からなる走査露光方式の露光装置を使用する場合を例として説明する。また、この露光装置では、本発明のステージ装置をウエハステージとして使用している。これらの図において、従来例として示した図13〜図15と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図1には本発明の一実施形態に係る露光装置10の全体構成が概略的に示されている。露光装置10は、露光用照明光(以下、「照明光」と略述する)ILによりマスクとしてのレチクルR上の矩形状(あるいは円弧状)の照明領域を均一な照度で照明する不図示の照明系と、レチクルRを保持するマスクステージとしてのレチクルステージRST、レチクルRから射出される照明光をウエハW上に投射する投影光学系PL、ウエハWを保持する基板ステージとしてのウエハステージ(ステージ装置)WST、投影光学系PL,レチクルステージRST及びウエハステージWSTが搭載されたボディとしての本体コラム14、及び本体コラム14の振動を抑制あるいは除去する防振システム等を備えている。
前記照明光ILとしては、例えば超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。
本体コラム14は、床面FDに水平に載置された装置の基準となる矩形板状のベースプレートBPと、このベースプレートBP上面の三角形頂点部分の近傍にそれぞれ配置された防振ユニット16A〜16C(但し、図1においては紙面奥側の防振ユニット16Cは図示せず)及びこれらの防振ユニット16A〜16Cを介してほぼ水平に支持された鏡筒定盤18と、鏡筒定盤18に装着されたファーストインバと呼ばれる投影光学系PLの支持部材24(以下、「ファーストインバ24」と呼ぶ)と、鏡筒定盤18上に立設されたセカンドインバと呼ばれるレチクルステージ定盤25の支持部材26(以下、「セカンドインバ26」と呼ぶ)とを備えている。
防振ユニット16A〜16Cは、ベースプレートBPの上部に直列に配置されたアクチュエータ部28と内圧が調整可能なエアマウント30とをそれぞれ含んでいる。防振ユニット16A〜16Cの各アクチュエータ部28には、ボイスコイルモータがそれぞれ少なくとも1つ含まれている。この場合、防振ユニット16A〜16Cの全体としてアクチュエータ部に、鉛直方向(すなわち図1のZ方向)駆動用のボイスコイルモータが少なくとも3個、X方向駆動用のボイスコイルモータ及びY方向駆動用のボイスコイルモータが合計で少なくとも3個(但し、X方向駆動用のボイスコイルモータ及びY方向駆動用のボイスコイルモータが各1つ含まれる)含まれている。
鏡筒定盤18には、図1では図示が省略されているが、この鏡筒定盤18を含む本体コラム14のZ軸方向の振動を検出する振動センサ(例えば半導体加速度センサ等の加速度計)が少なくとも3つ、X方向、Y方向の振動を検出する振動センサ(例えば半導体加速度センサ等の加速度計)が合計で少なくとも3つ(但し、X方向振動検出用センサ及びY方向振動検出用センサを各1つ含む)取り付けられている。これらの少なくとも6つの振動センサ(以下、「振動センサ群32」と呼ぶ)の出力が後述する主制御装置50(図7参照)に供給され、該主制御装置50によって本体コラム14の6自由度方向の運動が求められ、防振ユニット16A〜16Cが制御される。すなわち、本実施形態では、振動センサ群と防振ユニット16A〜16Cと、主制御装置50とによって本体コラム14の振動を制振するためのアクティブ防振システムが構成されている。
セカンドインバ26は、側面視略台形状で底面及び上面が八角形の多面体の全体形状を有し、各側面に台形状の開口が形成され、底面が完全に開口したフレームである。このセカンドインバ26の上面はレチクルステージ定盤25を支持する支持プレートとされており、該支持プレートには、照明光ILの通路を成す矩形の開口部(不図示)が形成され、この開口部を含む領域の上面にレチクルステージ定盤25が載置されている。レチクルステージ定盤25にも開口部に対向して所定の開口が形成されている。
レチクルステージRSTは、上記レチクルステージ定盤25上に配置されている。レチクルステージRSTは、レチクルRをレチクルステージ定盤25上でY軸方向に大きなストロークで直線駆動するとともに、X軸方向及びθZ方向(Z軸回りの回転方向)に関しても微小駆動が可能な構成となっている。
レチクルステージRSTは、レチクルステージ定盤25上にY軸方向に沿って設けられた不図示のYガイドに沿って移動するレチクル粗動ステージ11と、このレチクル粗動ステージ11上を一対のXボイスコイルモータ36A、36B(図1では図示せず、図7参照)と一対のYボイスコイルモータ36C、36D(図1では図示せず、図7参照)とによってX、Y、θZ方向に微少駆動されるレチクル微動ステージ12とを含んで構成されている。レチクルRはレチクル微動ステージ12に、例えば真空吸着等によって固定されている。
レチクル粗動ステージ11は、不図示のエアベアリングによってYガイドに対して非接触で支持されており、Yリニアモータ34A、34B(図1では図示せず、図7参照)によってY軸方向に所定ストロークで駆動される構成になっている。本実施形態では、Yリニアモータ34A、34B、Xボイスコイルモータ36A、36B及びYボイスコイルモータ36C、36DによってレチクルステージRSTの駆動系37(図7参照)が構成されている。
Yリニアモータ34A、34Bのそれぞれは、レチクルステージ定盤25上に複数のエアベアリングによって浮上支持されY軸方向に延びる固定子と、該固定子に対応して設けられレチクル粗動ステージ11に固定された可動子とから構成されている。従って、本実施形態では、レチクルステージRSTが走査方向(Y軸方向)に移動する際には、一対のYリニアモータ34A、34Bの可動子と固定子とが相対的に逆方向に移動する。すなわち、レチクルステージRSTと固定子とが相対的に逆方向に移動する。レチクルステージRSTと固定子とレチクルステージ定盤25との3者間の摩擦が零である場合には、運動量保存の法則が成立し、レチクルステージRSTの移動に伴う固定子の移動量は、レチクルステージRST全体と固定子との重量比で決定される。このため、レチクルステージRSTの走査方向の加減速時の反力は固定子の移動によって吸収されるので、上記反力によってレチクルステージ定盤25が振動するのを効果的に防止することができる。また、レチクルステージRSTと固定子とが相対的に逆方向に移動して、レチクルステージRST、レチクルステージ定盤25等を含む系の全体の重心位置が所定の位置に維持されるので、重心位置の移動による偏荷重が発生しないようになっている。かかる詳細は、例えば、特開平8−63231号公報に記載されている。
レチクル微動ステージ12の一部には、その位置や移動量を計測するための位置計測装置であるレチクルレーザ干渉計システム38からの測長ビームを反射する移動鏡40が取り付けられている。レチクルレーザ干渉計システム38は、鏡筒定盤18の上面に固定されている。レチクルレーザ干渉計システム38に対応した固定鏡42は、投影光学系PLの鏡筒の側面に設けられている。そして、レチクルレーザ干渉計システム38によってレチクルステージRST(具体的にはレチクル微動ステージ12)のX,Y,θZ方向の位置計測が投影光学系PLを基準として行われる。
上記のレチクルレーザ干渉計システム38によって計測されるレチクルステージRST(即ちレチクルR)の位置情報(又は速度情報)はステージ制御装置44(図1では図示せず、図7参照)及びこれを介して主制御装置50に供給される(図7参照)。ステージ制御装置44は、基本的にはレチクルレーザ干渉計システム38から出力される位置情報(或いは速度情報)が主制御装置50からの指令値(目標位置、目標速度)と一致するように上記のYリニアモータ34A、34B及びボイスコイルモータ36A〜36Dを制御する。
前記鏡筒定盤18の中央部には円形開口が形成されており、この円形開口内に上端にフランジが設けられた円筒状部材から成るファーストインバ24が挿入され、このファーストインバ24の内部に投影光学系PLがその光軸方向をZ軸方向として上方から挿入されている。ファーストインバ24の素材としては、低熱膨張の材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、マンガン0.25%、及び微量の炭素と他の元素を含む鉄からなる低膨張の合金)が用いられている。
投影光学系PLの鏡筒部の外周部には、該鏡筒部に一体化された鋳物等から成るフランジFLGが設けられている。このフランジFLGは、投影光学系PLをファーストインバ24に対して点と面とV溝とを介して3点で支持するいわゆるキネマティック支持マウントを構成している。このようなキネマティック支持構造を採用すると、投影光学系PLのファーストインバ24に対する組み付けが容易で、しかも組み付け後のファーストインバ24及び投影光学系PLの振動、温度変化、姿勢変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できるという利点がある。
前記投影光学系PLとしては、ここでは、物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や螢石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから成り投影倍率βが1/4(又は1/5)の屈折光学系が使用されている。このため、レチクルRに照明光ILが照射されると、レチクルR上の回路パターン領域のうちの照明光ILによって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部分倒立像が投影光学系PLの像面側の円形視野の中央にスリット状に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
前記ウエハステージWSTは、ウエハWを保持してXY2次元方向に移動する。これを更に詳述すると、ウエハステージWSTは、図1では簡略化して示されているが、実際には、図2に示されるように、移動面22aを有するウエハステージ定盤(ベース)22、移動ステージ(ステージ本体)1A、1B(適宜、移動ステージ1と総称する)、移動ステージ1A、1BをそれぞれY方向に駆動するYモータ(第1駆動装置)61A、61B、移動ステージ1A、1BをそれぞれX方向に駆動するXモータ62A、62Bを主体として構成されたダブル・ステージ方式であり、例えば移動ステージ1A側でウエハ(基板)W1に対する走査露光中に、移動ステージ1B側でウエハ(基板)W2の交換およびアライメントが実施可能になっている。
ウエハステージ定盤22は、ベースプレートBPの上方に、防振ユニット(第2駆動装置)29を介してほぼ水平に支持されている。防振ユニット29は、上記防振ユニット16A〜16Cと同様に、アクチュエータ部と内圧が調整可能なエアマウントとをそれぞれ含んだアクティブ防振システムを構成しており、図3に示すように、三角形の頂点をなす三カ所に配置されている(なお、図1では紙面奥側の防振ユニットについては図示せず)。そして、図示していないものの、ウエハステージ定盤22には、定盤22のZ軸方向の振動を検出する振動センサ(例えば半導体加速度センサ等の加速度計)が少なくとも3つ、X方向、Y方向の振動を検出する振動センサ(例えば半導体加速度センサ等の加速度計)が合計で少なくとも3つ(但し、X方向振動検出用センサ及びY方向振動検出用センサを各1つ含む)取り付けられている。これらの少なくとも6つの振動センサ(以下、「振動センサ群33」と呼ぶ)の出力が後述する主制御装置50(図7参照)に供給され、該主制御装置50によってウエハステージ定盤22の6自由度方向の運動が求められ、防振ユニット29が移動面22aとほぼ直交するZ方向(第1方向)に駆動されることでベースプレートBPを介してウエハステージ定盤22に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるように制御される。ウエハステージ定盤22の投影光学系PLに対する相対位置は、位置センサ77(図7参照)で検出され主制御系50に出力される。
移動ステージ1A、1Bは、ウエハステージ定盤22上にそれぞれ不図示のエアベアリングを介して浮上支持されている。移動ステージ1A、1B上には、試料台(ホルダ)63A、63Bがそれぞれ載置され、これら試料台63A、63B上には感光基板であるウエハ(基板)W1、W2(適宜、ウエハWと総称する)が真空吸着等によってそれぞれ保持される。試料台63A、63Bは、移動ステージ1A、1Bに対してX方向、Y方向およびZ軸回りの回転方向に微動可能であるとともに、レベリングおよびフォーカシングを行うためにZ方向の変位、および2軸の回り(すなわち、X軸およびY軸回り)の傾斜が可能な構成になっている。
Xモータ62Aは、移動ステージ1Aをステップ移動方向であるX方向に駆動するものであって、X方向に延在するXガイドバー2Aに埋設された不図示のX固定子(以下XガイドバーをX固定子として説明する)と、移動ステージ1Aに設けられ、X固定子との間の電磁気的相互作用によりX方向に駆動されるX移動子(不図示)とから構成されている。同様に、Xモータ62Bは、移動ステージ1BをX方向に駆動するものであって、X方向に延在するXガイドバー2B(適宜、Xガイドバー2と総称する)に埋設されたX固定子(不図示)と、移動ステージ1Bに設けられ、X固定子との間の電磁気的相互作用によりX方向に駆動されるX移動子(不図示)とから構成されている。
Yモータ61Aは、移動ステージ1Aをスキャン方向(走査方向)であるY方向に駆動するものであって、図4に簡略化して示すように、Xガイドバー2Aを介して移動ステージ1Aの両端に設けられたY可動子(可動子)64A、64Aと、Y可動子64Aに向けて開口し、Y可動子64A、64Aとの間の電磁気的相互作用により当該Y可動子64A、64AをY方向に駆動させる固定子としての断面コ字状のカウンターマス(適宜、固定子と称する)65(但し、図2に示すように、カウンターマスの形状は左右で異なるが図1、3では便宜上同形状に図示)とから構成されている。なお、−X側(図2中、左側)に配置されるカウンターマス65には、Xガイドバー2A、2BやY可動子64A、64Bに接続されるエア用配管、冷媒用配管、電力配線、信号供給用のシステム配線等の各種用力供給ケーブル等に応力集中を発生させずに(緩和して)導くための傾斜面が形成されている。
同様に、Yモータ61Bは、移動ステージ1Bをスキャン方向(走査方向)であるY方向に駆動するものであって、Xガイドバー2Bを介して移動ステージ1Bの両端に設けられたY可動子(可動子)64B、64Bと、Y可動子64Bに向けて開口し、Y可動子64B、64Bとの間の電磁気的相互作用により当該Y可動子64B、64BをY方向に駆動させる固定子としての断面コ字状のカウンターマス65とから構成されている。すなわち、Y移動子64A、64Bは、複数の移動ステージ1A、1B毎に設けられるが、カウンターマス65は、移動ステージ1A、1Bの移動範囲に亘る長さを有することで、これらY移動子64A、64Bに共用される構成になっている。なお、上記Yモータ61A、61Bは、ムービングコイル形式のリニアモータを構成している。
カウンターマス65は、ウエハステージ定盤22のX方向両側に設けられたサイド定盤(支持部)7、7上に、Y方向へのガイド機構(支持機構)を有するエアパッド6を介してY方向に移動自在にそれぞれ浮揚支持されている。サイド定盤7は、ウエハステージ定盤22と(振動的に)独立して設けられており、ベースプレートBP上に設置された弾性部材としてのコイルスプリング31により自重を支持されている。コイルスプリング31は、カウンターマス65の重心が移動したときも含めてサイド定盤7の自重を充分に支持できる剛性を有するバネ定数に設定されており、図3に示すように、両端側及び中央部の、三角形の頂点を成す3点でサイド定盤7を支持している。
このサイド定盤7とウエハステージ定盤22とは、解除装置45により上記独立状態が解除自在に連結されている。解除装置45は、これらサイド定盤7及びウエハステージ定盤22のY方向両端面にそれぞれ設けられており(図1、2及び4では−Y側の解除装置のみ図示)、図5に示すように、ウエハステージ定盤22に設けられたステンレス製のストッパー用アーム(第1部材)46と、サイド定盤7にX方向に間隔をあけて突設された軸部材(第2部材)47、47とから構成されている。
ストッパー用アーム46は、ボルト等の不図示の締結手段によりウエハステージ定盤22に固定されており、軸部材47、47と対向する位置にはX方向に延びる嵌合溝48が形成されている。図6に示すように、嵌合溝48は、ウエハステージWSTの正常稼働時に、軸部材47との間にZ方向(及び一部X方向)に隙間L1が形成される幅及び位置に形成されている。この隙間L1は、Yモータ61A、61BにおけるY可動子64A、64Bと固定子65との間のギャップ量をL2(図4参照)とすると、次式の関係が成り立つように設定されている。
L1<L2 …(1)
一方、ウエハステージWSTには、移動ステージ1A、1BやXガイドバー2A、2Bに対して各種用力を供給するための上述した用力供給ケーブル、チューブ等を保持し、且つXガイドバー2A、2Bの移動(すなわち、移動ステージ1A、1BのY方向の移動)とそれぞれ同期移動する不図示のチューブキャリアが設けられている。チューブキャリアが移動ステージ1A、1Bとそれぞれ同期移動することで、チューブキャリアと移動ステージ1A、1Bとの間に配されたケーブル・チューブの変形が阻止されるため、複数のケーブル・チューブ同士の擦れ、叩きやケーブル・チューブの変形に伴う抗力等の外乱に起因する振動の発生を防止することができる。
前記移動ステージ1A、1B上面のX方向一側の端部には、移動鏡79XがY方向に延設され、Y方向の一側の端部には、移動鏡79YがX方向に延設されている。これらの移動鏡79X、79Yに位置検出装置であるウエハレーザ干渉計システム80(図1参照)を構成する各レーザ干渉計からの測長ビームがそれぞれ照射されている。これらの測長ビームに対応する各レーザ干渉計の少なくとも一方は、測長軸を2本有する2軸干渉計が用いられている。
ウエハレーザ干渉計システム80を構成する各レーザ干渉計に対応する各固定鏡は、投影光学系PLの鏡筒の下端部に固定されている。ウエハレーザ干渉計システム80は、鏡筒定盤18上面に配置されている。前述の如く、ウエハステージWST上には、移動鏡として移動鏡79X、79Yが設けられ、これに対応して固定鏡もX方向位置計測用の固定鏡とY方向位置計測用の固定鏡とがそれぞれ設けられ、レーザ干渉計もX方向位置計測用のものとY方向位置計測用のものとが設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡79、固定鏡81、ウエハレーザ干渉計システム80として示されている。
上記のウエハレーザ干渉計システム80によってウエハステージWSTのX,Y,θZ(Z周りの回転)方向の位置計測が投影光学系PLを基準として行われる。ウエハレーザ干渉計システム80によって計測されるウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)はステージ制御装置44及びこれを介して主制御装置50に送られる。ステージ制御装置44は、基本的にはウエハレーザ干渉計システム80から出力される位置情報(或いは速度情報)が主制御装置50から与えられる指令値(目標位置、目標速度)と一致するように上記のYモータ61A、61B及びXモータ62A、62Bを制御する。
図7には、本実施形態に係る露光装置10の制御系の主要な構成がブロック図にて示されている。この制御系は、マイクロコンピュータ(あるいはワークステーション)から成る制御系としての主制御装置50を中心として構成されている。この図に示すように、振動センサ群32、33、位置センサ77の計測結果は、主制御装置50に出力される。主制御装置50は、入力した計測結果に基づいて防振ユニット16A〜16C、29の駆動をそれぞれ制御する。ステージ制御装置44は、主制御装置50の制御下で、レチクルレーザ干渉計システム38およびウエハレーザ干渉計システム80の計測結果に基づいて、Yリニアモータ34A、34B、Xボイスコイルモータ36A、36B、Yボイスコイルモータ36C、36D、Yモータ61A、61B、Xモータ62A、62B、トリムモータ72、ボイスコイルモータ73の駆動を制御する。
次に、上記の構成の露光装置のうち、まずウエハステージWSTの動作について説明する。
例えば、Yモータ61Aが作動してY移動子64Aが固定子65に対して相対移動することにより、移動ステージ1Aが試料台63A(およびウエハW1)とともにY方向に移動すると、この移動による反力でカウンターマスとしての固定子65がサイド定盤7上を移動ステージ1Aの移動方向とは逆方向に相対移動する。この結果、移動ステージ1AのY方向の加減速時の反力はカウンターマス65の移動により吸収され、ベースプレートBPに与える運動量は理論的にゼロとなり、ウエハステージWSTにおける重心の位置がY方向において実質的に固定される。なお、Yモータ61Bが作動して移動ステージ1BがY方向に移動する際にも同様の動作となる。
移動ステージ1A、1Bの移動に際しては、主制御装置50からの指示に応じてステージ制御装置44がレーザ干渉計システム80等の計測値に基づいて、移動ステージ1A、1Bの移動に伴う重心の変化による影響をキャンセルするカウンターフォースを防振ユニット29に対してフィードフォワードで与え、この力を発生するようにエアマウントおよびアクチュエータ部を駆動する。また、移動ステージ1A、1Bとウエハステージ定盤22との摩擦が零でない等の理由で、ウエハステージ定盤22の6自由度方向の微少な振動が残留した場合にも、振動センサ群33や位置センサ77の計測値に基づいて上記残留振動を除去すべく、エアマウントおよびアクチュエータ部をフィードバック制御する。
カウンターマス65の移動でサイド定盤7には偏荷重が掛かるが、剛性の高いコイルスプリング31に支持されているため、大きな姿勢変化は生じず、従ってサイド定盤7とウエハステージ定盤22との相対変位も上記L1以下の微小なものとなる。このとき、カウンターマス65の移動でサイド定盤7には歪みが生じるが、定盤7、22間の相対変位が微小であり、ストッパー用アーム46と軸部材47とが非接触なので、定盤7、22の独立状態が維持され、歪みエネルギや振動はウエハステージ定盤22に伝わらず、移動ステージ1A、1Bの滑走面の面精度が維持される。
一方、万一、防振ユニット29が機能しなくなったり、暴走して定盤7、22間の相対変位が大きくなった場合、具体的には、Z方向の相対変位がストッパー用アーム46と軸部材47との間の隙間L1を超えるような大きさになる場合には、Yモータ61A、61BにおけるY可動子64A、64Bと固定子65とが接触する前に、ストッパー用アーム46と軸部材47とが接触する。これにより、ウエハステージ定盤22とサイド定盤7との独立状態が解除され、ウエハステージ定盤22が+Z方向や−Z方向に大きく変位した場合でもサイド定盤7が追従移動する。そのため、Y可動子64A、64Bと固定子65との間のギャップ量は、L2−L1(>0;式(1)より)が維持され、Y可動子64A、64Bと固定子65との接触が回避される。
また、ウエハステージ定盤22がZ方向のみならず、θY(Y軸周りの回転)方向に変位した場合、軸部材47が一カ所では、この軸部材の軸周りに定盤22が変位すると、軸部材とストッパー用アーム46との間の隙間は維持されるものの、Y可動子64A、64Bと固定子65とが接触してしまう虞がある。しかし、本実施の形態では軸部材47をX方向に2カ所設けることで、ウエハステージ定盤22がθY方向に大きく相対変位した場合でも、ストッパー用アーム46と軸部材47とが接触して、定盤7、22間の独立状態を解除して追従移動させることができるため、Y可動子64A、64Bと固定子65との接触を回避できる。
次に、露光装置10における露光動作について説明する。
前提として、ウエハW上のショット領域を適正露光量(目標露光量)で走査露光するための各種の露光条件が予め設定される。また、不図示のレチクル顕微鏡及び不図示のオフアクシス・アライメントセンサ等を用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等の準備作業が行われ、その後、アライメントセンサを用いたウエハWのファインアライメント(EGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等)が終了し、ウエハW上の複数のショット領域の配列座標が求められる。
このようにして、ウエハWの露光のための準備動作が終了すると、ステージ制御装置44では、主制御装置50からの指示に応じてアライメント結果に基づいてウエハレーザ干渉計システム80の計測値をモニタしつつYモータ61A、61B、及びXモータ62A、62Bを制御してウエハWの第1ショットの露光のための走査開始位置に移動ステージ1を移動する。
ステージ制御装置44では、主制御装置50からの指示に応じてレチクル駆動部37及びウエハ駆動部39を介してレチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY方向の走査を開始し、両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達すると、照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。
ステージ制御装置44では、特に上記の走査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度とウエハステージWSTのY軸方向の移動速度とが投影光学系PLの投影倍率(1/5倍或いは1/4倍)に応じた速度比に維持されるようにレチクルステージRST及びウエハステージWST(移動ステージ1)を同期制御する。
レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショットの走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介して第1ショットに縮小転写される。
このようにして、第1ショットの走査露光が終了すると、ステージ制御装置44により主制御装置50の指示に応じてウエハ駆動部39を介して移動ステージ1がX、Y軸方向にステップ移動され、第2ショットの露光のため走査開始位置に移動される。このステッピングの際に、ステージ制御装置44ではウエハレーザ干渉計システム80の計測値に基づいて移動ステージ1のX、Y、θZ方向の位置変位をリアルタイムに計測する。この計測結果に基づき、ステージ制御装置44ではウエハ駆動部39を制御してXY位置変位が所定の状態になるように移動ステージ1の位置を制御する。
主制御装置50の指示に基づきステージ制御装置44では第2ショットに対して上記と同様の走査露光を行う。このようにして、ウエハW上のショットの走査露光と次ショット露光のためのステッピング動作とが繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショットの全てにレチクルRのパターンが順次転写される。すなわち、以上のようにして、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が行われる。
続いて、2つの移動ステージ1A、1Bによる並行処理について説明する。本実施の形態では、例えば移動ステージ1A(すなわち試料台63A)上のウエハW1を投影光学系PLを介して露光動作を行っている間に、移動ステージ1Bにおいてウエハ交換が行われ、ウエハ交換に引き続いてアライメント動作およびオートフォーカス/オートレベリングが行われる。
移動ステージ1B側で、上記のウエハ交換、アライメント動作が行われている間に、移動ステージ1A側では、2枚のレチクルを使った場合、露光条件を変えながら連続してステップ・アンド・スキャン方式により二重露光を行うことも可能である。2つの移動ステージ1A、1B上で並行して行われる露光シーケンスとウエハ交換・アライメントシーケンスとは、先に終了したウエハステージの方が待ち状態となり、両方の動作が終了した時点で移動ステージ1A、1Bが移動制御される。露光シーケンスが終了した移動ステージ1A上のウエハW1は、ローディングポジションでウエハ交換がなされ、アライメントシーケンスが終了した移動ステージ1B(すなわち試料台63B)上のウエハW2は、投影光学系PLの下で露光シーケンスが行われる。
このように、一方の移動ステージ側でウエハ交換とアライメント動作を実行する間に、他方の移動ステージ側で露光動作を実行することとし、両方の動作が終了した時点でお互いの動作を切り換えるようにすることで、スループットを大幅に向上させることが可能になる。
以上のように、本実施の形態では、ウエハステージ定盤22とサイド定盤7との相対変位に応じてウエハステージ定盤22に対するサイド定盤7の独立状態を解除するので、Y可動子64A、64Bと固定子65とが接触して破損する事態を回避することができる。そのため、Y可動子64A、64Bと固定子65とのギャップ量を大きくしたり、防振ユニット29の駆動ストロークを短くする必要がなくなり、モータの推力低下や防振性能の低下を防ぐことが可能になる。
さらに、本実施の形態では、サイド定盤7の自重をコイルスプリング31で支持しているので、アクチュエータでサイド定盤7の自重を支えた場合のように駆動に伴う熱が生じることを防止できる。
また、本実施の形態では、コイルスプリング31が三角形の頂点を成す3点に配置されているので、サイド定盤7を平面的に安定して支持することも可能になる。
図8乃至図11は、本発明のステージ装置および露光装置の第2の実施形態を示す図である。これらの図において、図1乃至図7に示す第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異なる点は、サイド定盤7をZ方向に駆動するアクチュエータを設けたことである。
図8に示すように、本実施の形態では、ボイスコイルモータ等のアクチュエータ(第3駆動装置)49がサイド定盤7とベースプレートBPとの間に設けられている。アクチュエータ49は、図9に示すように、コイルスプリング31と対となるように当該コイルスプリング31の近傍にX方向に隣り合って、且つコイルスプリング31と同様に、三角形の頂点を成す3カ所に配置され、主制御装置(制御装置)50の制御によりサイド定盤7をZ方向に駆動する構成となっている(図10参照)。アクチュエータ49は、その駆動を停止した際に、サイド定盤7に対して移動自在となるように連結・接続される。また、コイルスプリング31は、カウンターマス65の移動に伴う重心移動に対する剛性を考慮することなく、単にサイド定盤7の自重を支持できる程度の比較的低いバネ定数に設定される。
また、本実施形態では、サイド定盤7のZ方向の位置を検出する位置センサ78(図8では図示せず、図10参照)が設けられており、その検出結果が主制御装置50に出力される構成になっている。主制御装置50は、位置センサ77、78の検出結果に基づいてアクチュエータ49の駆動を制御する。
他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
上記の構成では、露光装置10の通常稼働時にはサイド定盤7の自重はコイルスプリング31によって支持され、移動ステージ1A、1Bの移動に伴うカウンターマス65の移動については、カウンターマス65の重心移動に伴うサイド定盤7の重心移動を補正するために、ウエハステージ定盤22の位置にサイド定盤7が追従するように主制御装置50がアクチュエータ49を駆動させる。従って、常時アクチュエータ49を駆動する必要がなくなり、駆動に伴う発熱を抑制することが可能になる。
一方、防振ユニット29が機能停止状態や暴走状態に陥った場合も、通常稼働時と同様に、位置センサ77、78の検出結果(の差分)に応じてアクチュエータ49を駆動し、サイド定盤7をウエハステージ定盤22に位置追従させることで、Y可動子64A、64Bと固定子65との接触を回避することができる。それとは逆に、アクチュエータ49が機能停止状態や暴走状態に陥った場合、主制御装置50はアクチュエータ49の電源をオフにしてその駆動を停止させ、コイルスプリング31のみでサイド定盤7を支持させる。この場合、サイド定盤7は解除装置45(すなわちストッパー用アーム46と軸部材47)により、所定距離(L2−L1)以上離間しないように拘束されるため、Y可動子64A、64Bと固定子65との接触を回避することができる。上記の動作は、防振ユニット29及びアクチュエータ49の双方が機能停止状態や暴走状態に陥った場合も同様である。
上記第1の実施形態では、カウンターマス65の重心移動にも耐え得るようにコイルスプリング31のバネ定数を比較的大きく設定したため、解除装置45によってコイルスプリング31の付勢力に抗してサイド定盤7をウエハステージ定盤22に位置追従させる際に、付勢力が大きいためにウエハステージ定盤22の方がねじ曲げられて歪む虞があった。しかし、本実施の形態では、上記第1の実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、アクチュエータ49がカウンターマス65の重心移動を補うことでコイルスプリング31のバネ定数を低く抑えることができるので、独立状態の解除時にウエハステージ定盤22を歪ませる力を大幅に小さくすることができる。
上記第2の実施形態では、対となるコイルスプリング31とアクチュエータ49とが隣り合う配置としたが、実際にはアクチュエータ49の駆動を制御には同軸上に配置することが好ましい。これを実現する構成としては、例えば図11に示すように、弾性部材としてのベローズ管51内に、第3駆動装置としてZ方向駆動用のACサーボモータ52及びボールネジ機構53を設ける構成を採用できる。この場合、その駆動を停止した際に、サイド定盤7がZ方向に移動自在となるようにネジ部のリードを大きく設定することが好ましい。ボールネジ機構の代わりにギア構造とすることも可能である。
また、上記第2の実施形態では、位置センサ77、78の計測結果の差分によりアクチュエータ49を駆動する構成としたが、Y可動子64A、64Bと固定子65との間のギャップ量を計測するセンサを設け、このセンサの計測結果に基づいてアクチュエータ49を駆動する構成としてもよい。
上記実施の形態において、ストッパー用アーム46をウエハステージ定盤22に設け、軸部材47をサイド定盤7に設ける構成としたが、これとは逆にストッパー用アーム46をサイド定盤7に設け、軸部材47をウエハステージ定盤22に設ける構成としてもよい。この場合も、軸部材47はX方向に沿って2カ所(複数)設けられることが望ましい。また、防振ユニット29やコイルスプリング31の数は、3カ所に限定するものではなく、一直線上に配置しなければ4カ所以上配置する構成であってもよい。さらに、サイド定盤7の自重を支持する弾性部材としては、コイルスプリングのみならず、空気バネやエアシリンダ等も使用することができる。なお、アクチュエータ49としては、ボイスコイルモータやリニアモータを用いることができる。
上記実施の形態においては、移動ステージが2基設けられた、いわゆるダブルステージ型の例を用いたが、これに限定されるものではなく、移動ステージが1基や、3基以上設けられる構成であってもよい。また、上記実施の形態では、本発明のステージ装置を露光装置10のウエハステージWSTに適用する構成としたが、これに限られず、レチクルステージRSTにも適用可能である。この場合、レチクルステージ用サイド定盤はウエハステージ用サイド定盤と分離して設けても、同一のコラム等で一体的に支持する構成としてもよい。さらに、上記実施の形態では、本発明のステージ装置を露光装置のウエハステージに適用した構成としたが、露光装置以外にも転写マスクの描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等の精密測定機器にも適用可能である。
本実施の形態の基板としては、半導体デバイス用の半導体ウエハW、W1、W2のみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置10としては、レチクルRとウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適用することができる。また、本発明はウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
露光装置10の種類としては、ウエハWに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、不図示の露光用光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)、Ar2レーザ(126nm)のみならず、電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高調波などを用いてもよい。
例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、かつ非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を露光光として用いてもよい。なお、単一波長レーザの発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
また、レーザプラズマ光源、又はSORから発生する波長5〜50nm程度の軟X線領域、例えば波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme Ultra Volet)光を露光光として用いてもよく、EUV露光装置では反射型レチクルが用いられ、かつ投影光学系が複数枚(例えば3〜6枚程度)の反射光学素子(ミラー)のみからなる縮小系となっている。
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。
ウエハステージWSTやレチクルステージRSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージWST、RSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。また、Yモータ61A、61BやXモータ62A、62Bにおいても、ガイドを設けても設けなくとも、どちらでもよい。
各ステージWST、RSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージWST、RSTを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージWST、RSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージWST、RSTの移動面側(ベース)に設ければよい。
以上のように、本願実施形態の露光装置10は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図12に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン材料からウエハを製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
産業上の利用の可能性
本発明のステージ装置では、固定子を支持する支持部がベースと独立して設けられているため、ステージ本体の移動に伴う反力で固定子が移動した場合でも、固定子の移動に起因する歪みエネルギや振動がベースに伝わることを防止できる。また、不測の事態が生じて、ベースと支持部との第1方向の相対変位が大きくなった場合には、ベースと支持部との独立状態が解除されて従属状態になるため、固定子と可動子との間のギャップが所定以上に小さくなり接触して破損することを防止できる。そのため、固定子と可動子との間のギャップを必要以上に大きくして第1駆動装置の推力が低下したり、ベースを第1方向に駆動するための第2駆動装置のストロークを抑えて防振性能が低下することがなく、ステージ本体の移動による反力の処理が行える。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る露光装置の全体構成を示す概略図である。
図2は、本発明に係るウエハステージの外観の斜視図である。
図3は、防振ユニット、コイルスプリングの配置を示す平面図である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るウエハステージの概略構成図である。
図5は、ウエハステージを構成する解除装置の拡大図である。
図6は、同解除装置の側断面図である。
図7は、第1の実施形態における制御のブロック図である。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るウエハステージの概略図である。
図9は、防振ユニット、コイルスプリング、アクチュエータの配置を示す平面図である。
図10は、第2の実施形態における制御ブロック図である。
図11は、弾性部材及び第3駆動装置の別の形態を示す図である。
図12は、半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
図13Aおよび図13Bは、従来のステージ装置の一例を示し、図13Aは平面図、図13Bは正面図である。
図14は、従来のステージ装置の別の例を示す正面図である。
図15は、従来のステージ装置の別の例を示す正面図である。
Claims (20)
- ステージ装置であって、
移動面を有するベースに移動可能に支持されたステージ本体、
固定子および前記ステージ本体に設けられた可動子を有し前記ステージ本体を駆動する第1駆動装置、
前記固定子が設けられるとともに、前記ベースとは独立して設けられた支持部、および
前記移動面とほぼ直交する第1方向の前記ベースと前記支持部との相対変位に応じて、前記ベースに対する前記支持部の独立状態を解除する解除装置を有する。 - 請求項1記載のステージ装置であって、
前記解除装置は、前記ベースに設けられた第1部材と、前記支持部に設けられた第2部材とを有する。 - 請求項2記載のステージ装置であって、
前記第1部材と前記第2部材とは、前記支持部が前記ベースから独立している際には非接触であり、前記独立状態を解除する際には接触する。 - 請求項2記載のステージ装置であって、
前記第1部材と前記第2部材とのいずれか一方は、前記第1方向と直交する方向に沿って複数設けられている。 - 請求項1記載のステージ装置であって、
前記支持部の自重を支える弾性部材を有する。 - 請求項5記載のステージ装置であって、
前記弾性部材は、少なくとも三角形の頂点を成す3点で前記支持部を支持する。 - 請求項1記載のステージ装置であって、
前記ベースを前記第1方向に駆動する第2駆動装置を有する。 - 請求項1記載のステージ装置であって、
前記支持部を前記第1方向に駆動する第3駆動装置を有する。 - 請求項8記載のステージ装置であって、
前記固定子を前記支持部に対して移動可能に支持する支持機構を有する。 - 請求項9記載のステージ装置であって、
前記固定子は、前記ステージ本体の移動による反力により移動し、
前記固定子の移動に伴う前記支持部の重心の移動を補正するように前記第3駆動装置を制御する制御装置を有する。 - 請求項8記載のステージ装置であって、
前記第3駆動装置は、駆動停止時に前記支持部と移動自在に接続される。 - マスクステージに保持されたマスクのパターンを基板ステージに保持された基板に露光する露光装置であって、
前記マスクステージと前記基板ステージとの少なくとも一方のステージとして、請求項1記載のステージ装置を有する。 - 第1基板ステージに保持された第1基板にパターンを露光する露光装置であって、
前記第1基板ステージに接続された可動子と、固定子とを備え、前記第1基板ステージを駆動する第1駆動装置、
前記第1基板ステージが移動する移動面を有した第1定盤、
前記固定子が設けられるとともに、前記第1定盤とは独立して設けられた第2定盤、
前記第1定盤を前記移動面とほぼ直交する第1方向に駆動する第2駆動装置、および
前記第2定盤を前記第1方向に駆動する第3駆動装置を備える。 - 請求項13記載の露光装置であって、
前記固定子を前記第2定盤に対して移動可能に支持する支持機構を備える。 - 請求項14記載の露光装置であって、
前記第1基板ステージの移動に伴う前記第1定盤の重心の変化を補正するように前記第2駆動装置を制御するとともに、前記第1基板ステージの移動に応じた前記固定子Q移動に伴う前記第2定盤の重心の変化を補正するように前記第3駆動装置を制御する制御装置を備える。 - 請求項13記載の露光装置であって、
前記パターンを前記第1基板に投影する投影光学系と、
前記第1定盤と前記第2定盤とから独立して、前記投影光学系を支持する第3定盤とを備える。 - 請求項16記載の露光装置であって、
前記第3定盤を前記第1方向に駆動する第4駆動装置とを備える。 - 請求項13記載の露光装置であって、
前記第1定盤の前記移動面を移動する第2基板ステージを備える。 - 基板ステージに保持された基板にパターンを露光する露光方法であって、
前記基板ステージに接続された可動子と、固定子とによって前記基板ステージを駆動するステップ、
前記基板ステージが移動する移動面を有した第1定盤を前記移動面とほぼ直交する第1方向に駆動するステップ、および
前記固定子が設けられるとともに、前記第1定盤とは独立して設けられた第2定盤を前記第1方向に駆動するステップを有する。 - 基板ステージに保持された基板にパターンを露光する露光方法であって、
移動画を有した第1定盤に前記基板ステージを設けるステップ、
前記第1定盤とは独立して設けられた第2定盤に固定子を設けるステップ、
前記固定子と、前記基板ステージに接続された可動子とにより前記基板ステージを駆動するステップ、および
前記第1定盤と前記第2定盤との前記独立状態を解除するステップを有する。
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