JPWO2002080185A1 - ステージ装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
リニアモータ(36X)によりウエハステージ(WST)をX軸方向に駆動する際の推力の作用点上に、ウエハ(W)が載置されるウエハステージの重心位置が設定されている。このため、ウエハステージがX軸方向に駆動される場合に、該ウエハステージにピッチング及びヨーイング等を生じさせるような不要な回転モーメントが殆ど作用しない。このため、ピッチング及びヨーイングなどに起因するウエハステージの振動を抑制でき、ウエハステージの姿勢安定性、位置制御性を向上させることが可能となる。
Description
技術分野
本発明はステージ装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、物体を保持して、移動するステージと該ステージを駆動する駆動装置とを備えるステージ装置及び該ステージ装置を備えた露光装置、並びに該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
背景技術
従来より、半導体素子(集積回路)又は液晶表示素子等を製造するリソグラフィ工程では、種々の露光装置が用いられている。近年では、半導体素子の高集積化に伴い、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等の逐次移動型の投影露光装置が主流となっている。
この種の露光装置では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパターンをウエハ等の基板上の複数のショット領域に順次転写する必要から、レチクルやウエハを保持して1次元又は2次元移動するステージを備えたステージ装置が用いられている。
かかるステージ装置では、高精度な露光を実現する必要から、ステージの高い位置決め性能が要求されるとともに、露光動作のスループット向上のため、高加速度及び高速移動時の高い位置制御性が要求されている。これに応じて、近年ではウエハやレチクルをより高速で、機械的な案内面の精度等に影響されず高精度に位置制御を行うとともに、機械的な摩擦を回避して長寿命とする必要から、ウエハ等を保持するステージを非接触で駆動するステージ装置が開発されている。かかるステージ装置の駆動源としては、電磁力駆動方式を採用したリニアモータが主流となっている。
このリニアモータを、例えば基板ステージの駆動源として用いる場合には、基板が載置されるテーブルの下側にリニアモータの可動子を配置し、該可動子と固定子(リニアガイド)との間の電磁相互作用によって生じるローレンツ力によりステージを固定子に沿って、かつステージベース(定盤)の上面に形成されたガイド面に沿って駆動するのが一般的である。
ところで、従来においても、ステージの位置制御性の向上を図るために、ステージの駆動方法(例えばリニアモータの駆動制御方法など)や、ステージの移動基準となるガイド面の平坦度などの改善等、様々な工夫がなされている。
しかしながら、最近における半導体素子の高集積化に伴い、基板ステージ等に対する位置制御性の要求はますます厳しくなっており、今やステージの駆動方法や、ガイド面の平坦度の改善などの手法では要求されるステージの位置制御性を達成することは困難となりつつある。
すなわち、従来は殆ど問題視されなかったステージ装置そのもの(ステージあるいは駆動装置、又は両者の組み合わせ)に起因する位置制御性の低下要因、例えば、リニアモータによるステージの駆動の際に生じるステージの振動などが無視できないレベルとなりつつある。
上記と同様の問題は、露光装置以外の精密機器のステージ装置についても生じる可能性がある。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、ステージの位置制御性の向上を図ることができるステージ装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、高精度な露光を実現することが可能な露光装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができるデバイス製造方法を提供することにある。
発明の開示
本発明は、第1の観点からすると、物体が載置されるステージと;該ステージを少なくとも所定の1軸方向に駆動する駆動装置と;を備え、前記ステージの重心位置が、前記駆動装置が少なくとも前記所定の1軸方向に前記ステージを駆動する際の駆動軸上に設定されていることを特徴とする第1のステージ装置である。
本明細書において、「駆動軸」とは、送りねじ駆動方式のような物理的な駆動軸を意味するものではなく、ステージを駆動する際に駆動装置がステージに対して与える推力の作用点(作用点が複数存在する場合には、それらを総合した実質的な作用点)と、その推力の方向により規定される仮想的な軸(この軸が駆動方式によっては、物理的な駆動軸と一致する場合を含む)を意味するものである。
これによれば、物体が載置されるステージの重心位置が、ステージが、少なくとも所定の1軸方向に駆動装置によって駆動される際の駆動軸上に設定されている。すなわち、ステージが前記所定の1軸方向に駆動される際に、ステージの重心位置にその推力の作用点が一致するので、ステージの重心を通る前記1軸に直交する軸回りの回転モーメントが発生するのを防止することができる。これにより、ステージに前記1軸に直交する軸回りの不要な回転、ひいてはそれに起因する振動等が発生するのを効果的に抑制することができる。従って、ステージの姿勢の安定性及び位置制御性を向上させることが可能となる。
この場合において、前記駆動装置は、前記ステージを移動面内で前記所定の1軸方向及びこれに直交する他の1軸方向に駆動することとすることができる。この場合において、他の1軸方向についても駆動軸とステージの重心位置とが一致していることが望ましい。
本発明の第1のステージ装置では、駆動装置としては、送りねじと回転モータとの組み合わせや、平面モータなど、種々のものが考えられるが、例えば前記駆動装置は、リニアモータであることとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記ステージは、前記物体を保持するテーブルと、該テーブルを支持するステージ本体部とを備え、前記重心位置の前記駆動軸上への設定は、前記ステージ本体部の重心位置の調整により行われていることとすることができる。
この場合において、前記ステージ本体部に取り付けられた前記重心位置の調整用のおもり部材を更に備えることとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記ステージが前記テーブルと前記ステージ本体部とを備えている場合には、前記ステージ本体部の重心位置の調整は、前記ステージ本体部を構成する一部の部材として高密度部材を用いることにより実現されることとすることもできる。
この場合において、前記ステージの移動基準となるガイド面に対して所定のクリアランスを介して前記ステージ本体部及び前記テーブルを浮上支持する気体静圧軸受けを更に備え、前記一部の部材は、前記気体静圧軸受けが設けられた底面部材であることとすることができる。
この場合において、前記底面部材の底面に、所定深さの凹部が形成されていることとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記ステージの位置が、干渉計により計測されている場合、前記ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点で前記ステージに固定される前記干渉計用の移動鏡を更に備えることとすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、物体が載置されるとともに、移動基準となるガイド面に対して所定のクリアランスを介して浮上支持されたステージと;前記ステージを前記ガイド面に沿って少なくとも所定の1軸方向に駆動する駆動装置と;を備え、前記ステージを構成する底面部材の底面に、所定深さの凹部が形成されていることを特徴とする第2のステージ装置である。
これによれば、物体が載置されるステージを構成する底面部材の底面に、所定深さの凹部が形成されている。すなわち、ステージの移動基準であるガイド面に対して凹部の部分は、底面部材のその他の部分以上のクリアランスを有している。このため、ステージが、例えば前記所定の1軸方向に駆動装置によって駆動された際に、その駆動に伴いステージに振動が生じた場合に、ステージの凹部とガイド面との間に存在する気体により、ステージの主として重力方向の振動が減衰される。すなわち、ステージが例えば重力方向に振動した場合に、前記凹部とガイド面との間に存在する気体(例えば空気)が凹部内で移動する、あるいは凹部から抜け出そうとするが、その際にその気体の粘性のためその気体が一種のダンパとして機能し、ステージの主として重力方向の振動を減衰させる。従って、このステージ振動の減衰によりステージの位置制御性を向上させることが可能となる。
この場合において、前記ステージの位置が、干渉計により計測されている場合、前記ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点で前記ステージに固定される前記干渉計用の移動鏡を更に備えることとすることができる。
この場合において、前記移動鏡の前記ステージに対向する部分には、前記ステージと接触する少なくとも2箇所の接触部と、前記ステージとは接触しない非接触部とが設定されていることとすることができる。
この場合において、前記接触部は、前記移動鏡の前記ステージ対向面に設けられた凸部であることとすることができる。また、前記移動鏡は、前記接触部にて前記ステージに対してねじ止めされ、前記ミラーのねじ止め位置周辺の部分は、その他の部分よりも低剛性とされていることとすることができる。
本発明の第2のステージ装置では、前記ステージの重心位置は、前記ステージの駆動軸上に設定されていることとすることができる。
本発明は、第3の観点からすると、物体が載置されるとともに、その位置が干渉計により計測されるステージと;前記ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点で前記ステージに固定される前記干渉計用の移動鏡と;を備える第3のステージ装置である。
これによれば、ステージの位置を計測する干渉計用の移動鏡が、ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点でステージに固定されている。このため、例えばステージの駆動の際にステージが振動し、その振動が移動鏡に伝達されると、移動鏡とステージとの間に存在する気体(例えば空気)により移動鏡の振動が減衰される。すなわち、移動鏡の振動により気体が前記空隙内で移動する、あるいは空隙から抜け出そうとするときに、その気体はその粘性により一種のダンパとして機能して移動鏡の振動を減衰させる。従って、その振動が減衰された移動鏡を介して干渉計によりステージの位置が計測されるので、ステージの高精度な位置計測、ひいては高精度な位置制御を行うことが可能となる。
この場合において、前記移動鏡の前記ステージに対向する部分には、前記ステージと接触する少なくとも2箇所の接触部と、前記ステージとは接触しない非接触部とが設定されていることとすることができる。
この場合において、前記接触部は、前記移動鏡の前記ステージ対向面に設けられた凸部であることとすることができる。また、前記移動鏡は、前記接触部にて前記ステージに対してねじ止めされ、前記ミラーのねじ止め位置周辺の部分は、その他の部分よりも低剛性とされていることとすることができる。
本発明の第3のステージ装置では、前記ステージの重心位置は、前記ステージの駆動軸上に設定されていることとすることができる。
本発明は、第4の観点からすると、第1物体に形成されたパターンを第2物体上に転写する露光装置であって、本発明の第1〜第3のステージ装置のいずれかを、前記第1物体と前記第2物体との少なくとも一方の駆動装置として具備する露光装置である。
これによれば、位置制御性の高いステージ装置を第1物体と第2物体との少なくとも一方の駆動装置として具備することから、第1物体と第2物体の位置合わせ精度や、第2物体に対するパターンの重ね合わせ精度等を向上させることが可能である。すなわち、露光精度の向上を図ることが可能である。
また、リソグラフィ工程において、本発明の露光装置を用いて第1物体のパターンを第2物体上に転写することにより、第2物体上にパターンを精度良く形成することができ、これにより、より高集積度のマイクロデバイスを歩留まり良く製造することができる。従って、本発明の更に別の観点からは、本発明の露光装置を用いるデバイス製造方法であると言える。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図4Cに基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置10の概略構成が示されている。この露光装置10は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置10は、照明系IOP、マスク(物体、第1物体)としてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、基板(物体、第2物体)としてのウエハWの駆動装置を構成するステージ装置としてのウエハステージ装置50、及びこれらを制御する制御系等を備えている。
前記照明系IOPは、例えば特開平10−112433号公報、特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号公報などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、可変視野絞り(レチクルブラインド又はマスキングブレードとも呼ばれる)、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成されている。ここで、オプティカルインテグレータとしてはフライアイレンズ、内面反射型インテグレータ(ロッドインテグレータ等)、あるいは回折光学素子等が用いられる。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
この照明系IOPでは、回路パターン等が描かれたレチクルR上で、レチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域(Y軸方向に細長い長方形状の照明領域)部分をエネルギビームとしての照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動部22によって、照明系IOPの光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図1における紙面内左右方向であるX軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。なお、レチクルステージ駆動部22は、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする機構であるが、図1では図示の便宜上から単なるブロックとして示されている。
レチクルステージRSTの移動面内の位置は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクルステージRST上にはY軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とX軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、これらの移動鏡に対応してレチクルY干渉計とレチクルX干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡15、レチクル干渉計16として示されている。なお、例えば、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡15の反射面に相当)を形成しても良い。また、レチクルステージRSTの走査方向(本実施形態ではX軸方向)の位置検出に用いられるY軸方向に伸びた反射面の代わりに、少なくとも1つのコーナーキューブ型ミラーを用いても良い。ここで、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の少なくとも一方、例えばレチクルX干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルX干渉計の計測値に基づきレチクルステージRSTのX位置に加え、θz方向(Z軸回りの回転方向)の回転量(ヨーイング量)も計測できるようになっている。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報(ヨーイング量などの回転情報を含む)は主制御装置20に供給される。主制御装置20では、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部22を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/5、又は1/4)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明系IOPからの照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、レチクルRの回路パターンの照明領域部分の縮小像(部分倒立像)が投影光学系PLを介してウエハW上の前記照明領域に共役な投影光学系の視野内の投影領域に投影され、ウエハW表面のレジスト層に転写される。
前記ウエハステージ装置50は、床面(又はベースプレート、フレームキャスターなど)F上に防振ユニット26を介して3点あるいは4点でほぼ水平に支持されたステージベース40と、該ステージベース40の上方に配設されたステージとしてのウエハステージWSTと、該ウエハステージWSTの駆動装置としてのウエハステージ駆動部24とを備えている。
前記各防振ユニット26は、床面Fからステージベース40に伝達される微振動をそれぞれマイクロGレベルで絶縁する。これらの防振ユニット26として、ステージベース40の所定箇所に固定された半導体加速度計等の振動センサの出力に基づいてステージベース40の振動を積極的に制振するいわゆるアクティブ防振装置を用いることは勿論可能である。
前記ステージベース40の+Z側の面(上面)は、その平坦度が非常に高くなるように加工されており、ウエハステージWSTの移動基準面であるガイド面40aとされている。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方で、ウエハステージ駆動部24によって駆動され、ウエハWを保持して上記ガイド面40aに沿ってXY2次元移動するようになっている。
前記ウエハステージWSTは、ウエハWを保持するテーブルとしてのウエハテーブルWTBと、該ウエハテーブルWTBをボイスコイルモータ等を含む不図示のZ・チルト駆動機構を介して下側から支持するウエハステージ本体部30とを備えている。
前記ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハホルダ25を介してウエハWが真空吸着(又は静電吸着)等により吸着保持されている。前記Z・チルト駆動機構は、ウエハステージ本体部30上でウエハテーブルWTBをZ,θx(X軸回りの回転方向)、θy(Y軸回りの回転方向)の3自由度方向に微小駆動するもので、Zチルトステージとも呼ばれる。
前記ウエハテーブルWTBの側面には、干渉計としてのウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)23からのレーザビームを反射する移動鏡21が固定され、外部に配置されたウエハ干渉計23より、ウエハテーブルWTBのX方向、Y方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)の位置が例えば、0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。
ここで、ウエハテーブルWTBには、実際には、図2Aに示されるように、+X方向の端部に、X軸方向に直交する反射面を有する移動鏡21Xが設けられ、−Y方向端部に、Y軸方向に直交する反射面を有する移動鏡21Yが設けられている。また、これに対応して、ウエハ干渉計も移動鏡21X,21Yにそれぞれレーザ光を照射してウエハテーブルWTBのX軸方向、Y軸方向の位置をそれぞれ計測するX軸干渉計、Y軸干渉計がそれぞれ設けられている。
本実施形態では、X軸及びY軸干渉計はそれぞれ複数ずつ設けられ、あるいはX軸及びY軸干渉計は測長軸を複数有する多軸干渉計で構成され、ウエハテーブルWTBのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。
このようにウエハ干渉計、及び移動鏡はそれぞれ複数設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡21、ウエハ干渉計23として示されている。
ここで、例えば、ウエハテーブルWTBの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡21X、21Yの反射面に相当)を形成しても良い。なお、移動鏡21X,21Yの具体的な構成等については、後に更に詳述する。また、前述の多軸干渉計は45°傾いてウエハテーブルWTBに設置される反射面を介して、投影光学系PLが載置される架台(不図示)に設置される反射面にレーザビームを照射し、投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出するようにしても良い。
ウエハ干渉計23で計測されるウエハテーブルWTBの位置情報(又は速度情報)は主制御装置20に送られ、主制御装置20では前記位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハステージ駆動部24を構成するリニアモータ36X,36Y1,36Y2(これらのリニアモータを含むウエハステージ駆動部24の構成等については更に後述する)を介してウエハステージWSTのXY面内位置を制御する。
前記ウエハステージ本体部30は、図2A及び図2Bに示されるように、前記ステージベース40上面のガイド面40aに対向して配置される矩形板状の底面部材46、該底面部材46の上面のY軸方向の両端部にそれぞれ固定された一対の支持部材42A,42Bと、これらの支持部材42A,42Bによって底面部材の上面に平行に支持された天板48等を備えている。
前記天板48は、矩形板状の部材から成り、その上方には、ボイスコイルモータ等より成る不図示のZ・チルト駆動機構を介してウエハテーブルWTBが載置されている。また、この天板48の下面には、後述するX軸リニアモータ36Xを構成する可動子32Xが固定されている。これについては後述する。
前記底面部材46は、天板48よりも一回り小さい平板状部材から成り、図2Bに示されるように、その底面のY軸方向中央部には、深さ数μm(例えば7μm)程度で所定幅の帯状の凹部46aがX軸方向に沿って形成されている。また、この凹部46aのY軸方向両側に位置する平面部46b,46cには、各2つ合計4つの真空予圧型気体静圧軸受け(以下、単に「気体静圧軸受け」と呼ぶ)102が設けられている。これらの気体静圧軸受け102は、図2Bから分かるように、その中央部に加圧気体(ここではヘリウム又は窒素などの不活性ガス)を噴き出す噴出し口102aと、該噴出し口102aの周囲に形成され、不図示の真空吸引路に連通する溝102bとを備えている。
ここで、ArFエキシマレーザ光、あるいはF2レーザ光などの波長200nm〜150nmの帯域に属する真空紫外と呼ばれる波長域の光束を露光光として用いる場合には、酸素や有機物(F2レーザ光の場合には、それ以外に水蒸気,炭化水素ガス等も含む)による吸収が極めて大きいため、露光光が通る光路上の空間中のこれらのガスの濃度を数ppm以下の濃度にまで下げるべく、その光路上の空間の気体を、吸収の少ない、窒素や、ヘリウム等の不活性ガス(以下では、ヘリウムなどだけでなく窒素も含めて不活性ガスと総称する)で置換する(パージする)必要がある。そこで、本実施形態では照明系IOP及び投影光学系PLなどだけでなく、照明系IOPと投影光学系PLとの間でレチクルRが配置される第1空間、及び投影光学系PLとウエハWとの間の第2空間でもパージ(又は単なる不活性ガスの送風)を行っている。このため、本実施形態では加圧気体として、例えば露光光ILが通る空間のうち少なくとも前述の第2空間に供給される不活性ガスと同一種類、あるいは種類が異なる別の不活性ガスを用いることとしている。
但し、露光光ILとして波長が200nm程度以上の照明光(例えばKrFエキシマレーザ光などの遠紫外光、又はi線などの紫外光など)を用いる場合には加圧気体として、例えばケミカルフィルタにて有機物などの不純物が除去された空気、あるいは化学的にクリーンなドライエアなどを用いることができる。さらに、露光光ILとしてArFエキシマレーザ光を用いる場合でも、露光光ILが通る空間のうち少なくとも前述の第2空間に不活性ガスが供給されていなければ、前述の空気又はドライエアなどを加圧気体として用いても良い。すなわち、少なくとも前述の第2空間に不活性ガスが供給されていないときは、加圧気体として任意の気体を用いることができ、逆に不活性ガスが供給されているときは、加圧気体として不活性ガスを用いることが好ましい。
なお、気体静圧軸受けとして、軸受け面の加圧気体の噴出し口の周囲に真空吸引路に連通する溝を有するタイプのものを使用する場合には、各気体静圧軸受けからガイド面40aに対して噴出された気体が直ちに真空排気されるので、周囲への気体の漏出を防止することができる。従って、ヘリウム等の純度を高く維持しなければならない、気体の流出による周囲気体の汚染を嫌う環境下においても加圧気体として空気(ドライエアを含む)、あるいは前述のパージが行われる空間に比べて純度が相対的に低い、すなわち露光光を減衰させる不純物(酸素、有機物、水蒸気など)の濃度が相対的に高い不活性ガスを用いることが可能である。
本実施形態では、4つの気体静圧軸受け102の軸受け面からガイド面40aに向かってそれぞれ噴き出された加圧気体の軸受け面とガイド面40aとの間の静圧(いわゆる隙間内圧力)と、ウエハステージWST全体の自重と真空予圧力とのバランスにより、ウエハステージWSTがステージベース40の上面であるガイド面40aの上方に数μm程度のクリアランスを介して非接触で支持されるようになっている。
前記ウエハステージ駆動部24は、図1に示されるように、ウエハステージWSTを走査方向であるX軸方向に駆動するX軸リニアモータ36Xと、ウエハステージWSTをX軸リニアモータ36Xと一体的に非走査方向であるY軸方向に駆動する一対のY軸リニアモータ36Y1,36Y2とを備えている。
一方のY軸リニアモータ36Y1は、ステージベース40の−X側で床面F上にY軸方向に延設された固定子としてのY軸リニアガイド34Y1と、該Y軸リニアガイド34Y1に沿って移動するY可動子32Y1とを備えている。
前記Y軸リニアガイド34Y1の内部には不図示の電機子コイルが所定間隔でY軸方向に沿って配設されている。前記Y可動子32Y1はXZ断面逆U字状の形状を有し、内側の一対の対向面にはY軸方向に沿って、不図示の複数の界磁石が所定間隔で配列されている。すなわち、Y軸リニアモータ36Y1は、ムービングマグネット型の電磁力駆動方式のリニアモータである。従って、Y軸リニアモータ36Y1では、Y軸リニアガイド34Y1と、Y可動子32Y1との間の電磁相互作用によりY可動子32Y1をY軸方向に駆動する駆動力(ローレンツ力)を発生する。
他方のY軸リニアモータ36Y2もY軸リニアモータ36Y1と同様の構成となっている。すなわち、Y軸リニアモータ36Y2は、ステージベース40の+X側で床面F上にY軸方向に延設されたY軸リニアガイド34Y2と、該Y軸リニアガイド34Y2に沿って移動するY可動子32Y2とを備えている。このY軸リニアモータ36Y2では、Y軸リニアガイド34Y2と、Y可動子32Y2との間で電磁相互作用を行ってY可動子32Y2に対するY軸方向の駆動力(ローレンツ力)を発生する。
前記X軸リニアモータ36Xは、X軸方向を長手方向とする固定子としてのX軸リニアガイド34Xと、該X軸リニアガイド34Xに沿ってX軸方向へ移動するX可動子32Xとを備えている。前記X軸リニアガイド34Xの長手方向の一端部には、前記一方のY可動子32Y1が固定され、他端部には他方のY可動子32Y2が固定されている。また、X軸リニアガイド34Xは、X軸方向に伸びる固定子ヨークと、その内部に所定間隔でX軸方向に沿って配設された複数の電機子コイルとを備えている。
前記X可動子32Xは、図2Bに示されるように、前述したウエハステージ本体部30を構成する天板48の下面に固定された断面矩形枠状でX軸方向に伸びる可動子ヨーク52と、該可動子ヨーク52の内面側の上下対向面に、X軸方向に沿って所定間隔で交互に配列された複数の界磁石54N,54Sとを備えている。この場合、可動子ヨーク52の内部空間には、X軸方向に沿って交番磁界が形成されている。X可動子32Xの可動子ヨーク52の内部空間にX軸リニアガイド34Xが挿入された状態で図1のX軸リニアモータ36Xが構成されている。
この場合、X可動子32Xと、X軸リニアガイド34Xとの間の電磁相互作用により、X可動子32XをX軸方向に駆動する駆動力(ローレンツ力)を発生するようになっている。このX軸リニアモータ36Xは、ムービングマグネット型の電磁力駆動方式のリニアモータである。
また、前述のように、X軸リニアガイド34Xの両端部がY可動子32Y1、32Y2にそれぞれ固定されていることから、Y軸リニアモータ36Y1,36Y2がY軸方向の駆動力を発生すると、X軸リニアモータ36XとともにウエハステージWSTがY軸方向に駆動されるようになっている。この場合、Y軸リニアモータ36Y1,36Y2の発生する駆動力を異ならせることにより、X軸リニアモータ36Xを介してウエハステージWSTのZ軸回りの回転を制御することが可能となっている。
前記底面部材46の±Y側の面には、図2A及び図2Bに示されるように、底面部材46のX軸方向の長さと同一の長さを有する直方体状のおもり部材44A1,44A2が固定されている。これらのおもり部材44A1,44A2は、それぞれ同形状、同質量(ここでは質量(M1/2)とする)とされている。おもり部材44A1、44A2それぞれの重心G1,G1’は、図3に示されるように、同一Z位置で、且つ底面部材46の重心GBから等距離の位置となるように設定されている。
すなわち、上記の如く、2つのおもり部材44A1,44A2が配置されていることから、おもり部材44A1,44A2の総重量(M1×g)は、底面部材46の重心GBと同一のZ軸上に作用することになる。
更に、底面部材46の上面のY軸方向中央部には、図2Aに示されるように、複数のブロック状のおもりから構成されるおもり群44Bが載置されている。この場合、図3に示されるように、おもり群44Bの重心G2は、底面部材46の重心GBと同一のZ軸上に位置するように設定されている。なお、このおもり群44Bの質量を、以下の説明においては質量M2と表すものとする。
本実施形態において、おもり部材44A1,44A2の合計質量M1及びおもり群44Bの質量M2は、以下のように設定されている。
すなわち、図3に示されるように、ウエハステージWSTをX軸方向に駆動するX軸リニアモータ36Xの駆動力(推力)が作用する軸(駆動軸)のZ方向位置をP、底面部材46及びおもり部材44A1,44A2、おもり群44Bを除くウエハステージWST(この質量をMSとする)の重心をGSとし、この重心GSと駆動軸との距離をδ、駆動軸と底面部材46の重心GBとの距離をLB、駆動軸と重心G1との高さ方向距離をL1、駆動軸とおもり群44Bの重心G2との距離をL2としたときに、次式(1)を満たすように質量M1,M2が設定されている。
MS・δ=MB・LB+M1・L1+M2・L2 …(1)
このように、上式(1)を満足するように、おもり部材44A1,44A2の総質量M1(おもり部材44A1,44A2それぞれの質量(M1/2))、おもり群44Bの質量M2が決定されているので、結果的にウエハステージWST全体の重心位置がウエハステージWSTをX軸方向へ駆動する際の駆動軸上に設定されている。
なお、上式(1)からも分かるように、各おもり部材44A1,44A2、おもり群44Bの各質量(重量)を軽減する、すなわちウエハステージWST(可動部)全体の重量を軽減するためには、距離LB、L1、及びL2は、できる限り大きく設定しておくことが望ましい。
次に、ウエハテーブルWTBの側面に設けられた、前記移動鏡21X,21Yの構成等について図4A〜図4Cに基づいて説明する。
図4Aには、一方の移動鏡21Yの具体的な構成が示されている。この図4Aから分かるように、移動鏡21Yは、ウエハテーブルWTBの−Y側端部の下側から−Y方向に突出した状態となるように、ウエハテーブルWTBの下面に対してねじ止め等により固定された座板56Y上に載置されている。この座板56Yの上面は、所定の平坦度を満足するように加工されている。
移動鏡21Yは、概略直方体状の形状を有し、その−Y側の面21Ymが鏡面加工され、前述した干渉計23からのレーザが反射されるようになっている。なお、以下の説明においては、この−Y側面21Ymを適宜「鏡面21Ym」と呼ぶものとする。
鏡面21Ymの反対側の面(+Y側の面)には、そのX軸方向両端部近傍の位置に、+Y方向に数μm(例えば、7μm)程度突出した凸部21Ya,21Ybが移動鏡21Yの上端部から下端部にかけて形成されている。
更に、移動鏡21Yの下面には、上記凸部21Ya、21Ybと同一のX方向位置に、−Z方向に数μm(例えば、7μm)程度突出した状態で、凸部21Yc,21Ydが移動鏡21Yの+Y端部から−Y端部にかけて形成されている。
ここで、ウエハテーブルWTBの−Y側面と移動鏡21Yとは、凸部21Ya、21Yb部分のみが接触するようになっている。また、同様に、座板56Yの上面と移動鏡21Yとは、凸部21Yc、21Yd部分のみが接触するようになっている。すなわち、移動鏡21Yにおいては、凸部21Ya,21Yb以外の+Y側面部分はウエハテーブルWTBに対して数μm(例えば、7μm)程度のクリアランスを有し、凸部21Yc,21Yd以外の下面部分は座板56Yに対して数μm程度のクリアランスを有することになる。
更に、移動鏡21Yには、図4Aに示されるように、鏡面21Ymの凸部21c,21dの近傍に、移動鏡21YをウエハテーブルWTBに対して固定するためのねじ止め部21Ye,21Yfが形成されている。
図4Bには、上記ねじ止め部21Ye,21Yfのうちの一方のねじ止め部21Ye近傍を拡大して−Y方向から+Y方向に見た図が示され、図4Cには、図4Bの状態からねじ72を外した状態の図4BにおけるA−A線断面図が示されている。
これらの図から分かるように、ねじ止め部21Yeは、鏡面21YmからY軸方向中央部やや+Y側寄りの位置にかけて掘り下げられた状態の矩形状溝部62aと、該矩形状溝部62aの内部の底面から更に+Y側面まで貫通形成された丸孔62bと、丸孔62bの±X側に位置し該矩形状溝部62aの内部の底面から+Y側面まで貫通形成された矩形孔62c,62dとにより形成されている。
なお、他方のねじ止め部21Yfも上記ねじ止め部21Yeと同様の構成となっている。すなわち、ねじ止め部21Yfは、鏡面21YmからY軸方向中央部やや+Y側寄りの位置にかけて掘り下げられた状態の矩形状溝部と、矩形状溝部の内部から更に+Y側面まで貫通形成された丸孔、及び2つの矩形孔とにより形成されている。
移動鏡21Yは、図4Cにおいてねじ止め部21Yeにて代表的に示されるように、ねじ止め部21Ye(及び21Yf)に形成された丸孔62b及び、ウエハテーブルWTBの−Y側面に形成されたねじ穴80を介してねじ72により、ウエハテーブルWTBに対してねじ止めされている。
ねじ止め部21Ye,21Yfが上記のように形成されているのは、移動鏡21Yがねじ72によってウエハテーブルWTBの側面に固定されると、その固定のための力がねじ72の周辺部に作用することになるが、このねじ72の周辺部を上述のようにねじ止め部21Ye,21Yfとして形成し、その他の部分よりも低剛性とすることで、ねじ72の力によって低剛性部分(ねじ止め部)に応力集中が生じ、ねじ止め部21Ye,21Yf以外の鏡面21Ym部分には変形が殆ど生じないようにするためである。従って、ねじ止め部21Ye,21Yfを移動鏡21Yに形成することにより、鏡面21Ymの平面度を高く維持することができるのである。
また、移動鏡21Yとして上述したような所定位置に凸部を有する形状を採用したのは、ウエハステージWSTの駆動に伴う振動が移動鏡21Yに伝達しても、移動鏡21Yとその固定面との間の気体が振動により隙間内で移動する、あるいは隙間から抜け出そうとするため、その気体の粘性によって振動を減衰させることができるからである。
なお、他方の移動鏡21Xについても、移動鏡21Yと同様の構成となっている。
すなわち、移動鏡21Xは、図2A,図2Bに示されるように、ウエハテーブルWTBの下面の+X端部近傍に固定された座板56X上に載置されており、移動鏡21Xには移動鏡21Yと同様に、−X側及び−Z側の面に2つの凸部がそれぞれ形成されている。そして、ウエハテーブルWTBの+X側面及び座板56Xの上面(+Z側面)と各凸部が接触するようになっている。
そして、移動鏡21Xの+X側の面(鏡面)からその裏面にかけて形成された不図示のねじ止め部を介して、ウエハテーブルWTBに固定されている。
この場合においても、移動鏡21XとウエハテーブルWTBとの間、及び移動鏡21Xと座板56Xとの間には凸部を除いて、数μm(例えば、7μm)程度の間隔が設けられている。
制御系は、図1中、主制御装置20によって主に構成される。主制御装置20は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、装置全体を統括して制御する。主制御装置20は、例えば露光動作が的確に行われるように、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステッピング等を制御する。
次に、上述のようにして構成された本実施形態の露光装置10により、レチクルRのパターンをウエハW上の各ショット領域に順次転写する際の露光動作について簡単に説明する。なお、前提として、不図示のレチクル顕微鏡、ウエハテーブルWTB上の不図示の基準マーク板、及び不図示のウエハアライメント系を用いたレチクルアライメント、ウエハアライメント系のベースライン計測、及びウエハアライメント(EGA等)等の準備作業は終了しているものとする。
なお、上記のレチクルアライメント、ベースライン計測等については、例えば特開平7−176468号公報及びこれに対応する米国特許第5,646,413号に詳細に開示され、また、EGAについては、特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号等に詳細に開示されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記各公報並びにこれらに対応する上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
まず、主制御装置20は、レチクルRとウエハW、すなわちレチクルステージRSTとウエハステージWSTとのX軸方向の相対走査を開始する。両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達し、等速同期状態に達すると、照明系IOPからの紫外パルス光によってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。上記の相対走査は、主制御装置20が、前述したウエハ干渉計23及びレチクル干渉計16の計測値をモニタしつつ、レチクル駆動部22及びウエハステージ駆動部24を制御することにより行われる。
主制御装置20は、特に上記の走査露光時には、レチクルステージRSTのX軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのX軸方向の移動速度Vwとが、投影光学系PLの投影倍率(1/4倍あるいは1/5倍)に応じた速度比に維持されるように同期制御を行う。
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が紫外パルス光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショットの走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介して第1ショットに縮小転写される。
上述のようにして、第1ショットの走査露光が終了すると、主制御装置20により、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTがX、Y軸方向にステップ移動され、第2ショットの露光のための走査開始位置(加速開始位置)に移動される。
そして、主制御装置20により、上述と同様に各部の動作が制御され、ウエハW上の第2ショットに対して上記と同様の走査露光が行われる。
このようにして、ウエハW上のショットの走査露光とショット間のステッピング動作とが繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショットの全てにレチクルRのパターンが順次転写される。
ウエハW上の全露光対象ショットへのパターン転写が終了すると、次のウエハと交換され、上記と同様にアライメント、露光動作が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態の露光装置10によると、上述のような露光動作を行うに際し、ウエハステージWSTがリニアモータによって駆動されるが、ウエハステージWSTの重心位置がウエハステージWSTがX軸方向に駆動されるときの駆動軸上に設定されているので、ウエハステージWSTをX軸方向に駆動する場合に、不要な回転モーメントが作用しないようになっている。従って、ウエハステージWSTにピッチング(Y軸回りの回転)、ヨーイング(Z軸回りの回転)等が発生するのを効果的に抑制することができ、これによりウエハステージの姿勢安定性及び位置制御性を向上させることが可能となっている。
また、ウエハステージWSTの駆動の際に、本実施形態では、ウエハテーブルWTBに固定された移動鏡21X,21Yを用いてウエハテーブルWTBの位置計測を行うが、上述したように、移動鏡21X、21YがウエハテーブルWTBの側面、座板56X,56Yの上面に対して数μm程度のクリアランスを介して固定されているので、たとえウエハステージWSTが駆動に伴って振動し、その振動が移動鏡21X,21Yに伝達しても、移動鏡21X、21Yと各固定面との間に存在する気体によって、移動鏡21X,21Yの振動が減衰されることになる。これは、移動鏡21X,21Yと各固定面との間の気体が振動により隙間内で移動する、あるいは隙間から抜け出そうとするときに、その気体の粘性により振動が減衰するからである。従って、移動鏡21X,21Yの振動が極力抑制されることにより、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)の位置制御を高精度に行うことができる。
また、ウエハステージ本体部30の底面にも数μmの空隙を形成するための凹部46aを形成したことから、その空隙内に存在する気体の粘性により、上述と同様の理由からウエハステージ全体の振動を抑制することができる。従って、ウエハステージWSTの位置制御を高精度に行うことが可能となっている。
また、本実施形態では、上記のように位置制御性の高いウエハステージ装置50を用いてウエハの移動を行うので、特に走査型の露光装置では走査露時におけるレチクルとウエハとの同期精度が向上し、ウエハに対するパターンの転写精度、すなわち露光精度を向上することが可能となっている。
なお、上記実施形態では、ウエハステージの重心位置を駆動軸上に設定するために、ウエハステージ本体部に固定されるおもり部材は、図2A、図2Bの構成に限られるものではなく、例えば形状、個数、質量、材質、及び設置箇所(位置)などが任意で構わないし、ウエハステージ本体部を構成する少なくとも1つの部材(底面部材46など)をその一部が凸部となるように加工して、おもり部材の固定を不要としても良い。さらに、上記実施形態では、ウエハステージの重心位置を駆動軸上に設定するために、ウエハステージ本体部に対しておもり部材、おもり群を固定するものとしたが、本発明がこれに限られるものではない。すなわち、ウエハステージの重心位置を調整するにあたって、おもり部材を用いる等の外的な付加を行わずに、ウエハステージ本体部(可動部)を構成する少なくとも1つの部材の材質を変更する、すなわちその少なくとも1つの部材を他の部材と異なる重い材質とする。例えば、ウエハステージ本体部を構成する一部の部材としての底面部材を、ステンレス鋼等の合金鋼、ニッケル合金、モリブデン、ダングステン、及びそれらの合金等高密度部材等に変更することとしても良い。
このとき、ウエハステージ本体部を構成する1つ又は複数の部材の各々でその全てを高密度部材等とすることが好ましいが、その一部のみを高密度部材等としても良い。また、上記実施形態では、例えばおもり部材を付加するなどして、ウエハステージ本体部(可動部)の一部を重くしてその重心位置を駆動軸上に設定するものとしたが、それとは逆にウエハステージ本体部の一部を軽くする(ウエハステージ本体部を構成する少なくとも1つの部材を軽量化する)、例えばウエハテーブルWTBなどをハニカム構造とする、あるいはその少なくとも1つの部材を他の部材と異なる軽い材質とするなどして、ウエハステージ本体部の重心位置を駆動軸上に設定しても良い。ここで、上記重く又は軽くすべき少なくとも1つの部材は、ウエハステージ本体部(可動部)を構成するいかなる部材でも構わない。さらに、上記実施形態では、上記式(1)におけるウエハステージWST(可動部)の質量MSがその一部、例えばウエハテーブルWTBに設けられる移動鏡21X、21Yや不図示の基準マーク板などの質量を含むものとしたが、ウエハステージWSTはウエハWを保持して移動するので、ウエハWの質量をも含むものとすることが好ましい。
なお、上記実施形態では、移動鏡に凸部を形成することで、移動鏡と固定対象面との間に空隙を設けるものとしたが、本発明がこれに限られるものではなく、ウエハテーブルの側面や、座板の上面など、移動鏡が固定される対象面側に凸部を形成することとしても良いし、移動鏡と固定対象面との間の隙間に別の部材を介して固定するようにしても良い。要は、移動鏡と固定対象面との間の一部に空隙を介した状態で、移動鏡がウエハステージ(ウエハテーブル)に固定されれば良い。
なお、上記実施形態では、ウエハテーブルに対して移動鏡を固定する手段としてねじ止めを採用するものとしたが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、凸部にて接着剤等により固定することとしても良い。この場合には、上記実施形態のように、低剛性部を設けなくて良い。
なお、上記実施形態では、重心位置が駆動軸上に設定されたウエハステージに振動が抑制された移動鏡を設け、更にウエハステージの底面部材の底面に凹部を形成した場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではない。すなわち、本発明のステージ装置は、重心位置を駆動軸上に設定する第1の特徴、移動鏡とその固定対象面との間に空隙を設ける第2の特徴、及びウエハステージ(底面部材)の底面に凹部を設ける第3の特徴のうち、任意の2つの特徴を組み合わせたステージ、あるいは任意の1つの特徴を有するステージとしても良い。特に第2の特徴を有さないで第1及び第3の特徴の少なくとも一方を有するウエハステージでは、移動鏡21X、21Yを設けることなくその一部、例えばウエハテーブルWTBの端面を鏡面加工して反射面としても良い。
なお、上記実施形態においては、本発明のステージ装置がウエハを駆動するウエハステージに用いられた場合について説明したが、これに限らず、本発明のステージ装置をレチクルステージとして採用することも可能である。
なお、上記実施形態では、ステージを駆動する駆動装置としてリニアモータを採用した場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、駆動装置として送りねじ方式の駆動装置を採用することも可能である。
また、図1では図示が省略されているが、上記実施形態の露光装置は、ウエハステージ(ステージベース40)と投影光学系PLとを異なる防振機構でそれぞれ保持する構成となっているが、本発明の露光装置がこれに限定されないことは勿論である。例えば、投影光学系PLを保持するコラムとステージベースとを同一の防振機構により支持しても良い。この場合、ステージベースを前記コラムに吊り下げ支持することもできる。あるいは、ステージベース上に別の防振機構を設け、該防振機構を介して前記コラムを支持することとしても良い。すなわち、露光装置のボディ構造は図1に示されるものに限定されるものではなく、その構成はいかなる構成であっても良い。
さらに、上記実施形態の露光装置では、ウエハステージとレチクルステージとの少なくとも一方で、駆動装置の一部をステージが配置されるベースとは異なる設置面に配置するリアクションフレーム機構、あるいはカウンターマスによってステージの移動時に発生する反力を相殺するカウンターマス機構を採用しても良いし、2つのステージが配置されるツインステージ方式、あるいは2つの物体(レチクル又はウエハ)を保持可能なツインホルダ方式などを採用しても良い。
なお、上記実施形態では、光源としてF2レーザ、ArFエキシマレーザ等の真空紫外域のパルスレーザ光源を用いるものとしたが、これに限らず、水銀ランプ、KrFエキシマレーザ光源(出力波長248nm)などの紫外又は遠紫外光源、あるいはAr2レーザ光源(出力波長126nm)などの他の真空紫外光源を用いても良い。また、例えば、真空紫外光として上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。さらに、露光用照明光ILとして紫外光などだでなく、X線(EUV光を含む)又は電子線やイオンビームなどの荷電粒子線などを用いても良い。
なお、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用できる。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、上記実施形態では、本発明が半導体製造用の露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置、プラズマディスプレイや有機ELなどの表示装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子、マイクロマシン、DNAチップなどを製造するための露光装置などにも本発明は広く適用できる。
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、上記実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。以下、このデバイス製造方法について詳述する。
《デバイス製造方法》
図5には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図5に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ204(ウエハ処理ステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステップ)において、ステップ204で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図6には、半導体デバイスにおける、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図6において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ215(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上で説明した露光装置及びその露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上記実施形態の露光装置が用いられるので、第2物体としてのウエハ上に第1物体としてのレチクルのパターンを高精度に転写することができ、結果的に高集積度のデバイスを生産性(歩留まりを含む)を向上させることが可能となる。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明の第1〜第3のステージ装置は、ステージをその姿勢の安定性及び位置制御性良く駆動するのに適している。また、本発明の露光装置は、回路パターンを物体上に転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、高集積度のデバイスの生産に適している。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。
図2Aは、ウエハステージを斜め上方から見た斜視図であり、図2Bは、ウエハステージを斜め下方から見た斜視図である。
図3は、ウエハステージの重心位置の調整方法を説明するための図である。
図4Aは、移動鏡を拡大して示す斜視図であり、図4Bは、移動鏡に形成されたねじ止め部近傍を拡大して示す図であり、図4Cは、図4BのA−A線断面図である。
図5は、本発明のデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
図6は、図5のステップ216の詳細例を示すフローチャートである。
本発明はステージ装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、物体を保持して、移動するステージと該ステージを駆動する駆動装置とを備えるステージ装置及び該ステージ装置を備えた露光装置、並びに該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
背景技術
従来より、半導体素子(集積回路)又は液晶表示素子等を製造するリソグラフィ工程では、種々の露光装置が用いられている。近年では、半導体素子の高集積化に伴い、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等の逐次移動型の投影露光装置が主流となっている。
この種の露光装置では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパターンをウエハ等の基板上の複数のショット領域に順次転写する必要から、レチクルやウエハを保持して1次元又は2次元移動するステージを備えたステージ装置が用いられている。
かかるステージ装置では、高精度な露光を実現する必要から、ステージの高い位置決め性能が要求されるとともに、露光動作のスループット向上のため、高加速度及び高速移動時の高い位置制御性が要求されている。これに応じて、近年ではウエハやレチクルをより高速で、機械的な案内面の精度等に影響されず高精度に位置制御を行うとともに、機械的な摩擦を回避して長寿命とする必要から、ウエハ等を保持するステージを非接触で駆動するステージ装置が開発されている。かかるステージ装置の駆動源としては、電磁力駆動方式を採用したリニアモータが主流となっている。
このリニアモータを、例えば基板ステージの駆動源として用いる場合には、基板が載置されるテーブルの下側にリニアモータの可動子を配置し、該可動子と固定子(リニアガイド)との間の電磁相互作用によって生じるローレンツ力によりステージを固定子に沿って、かつステージベース(定盤)の上面に形成されたガイド面に沿って駆動するのが一般的である。
ところで、従来においても、ステージの位置制御性の向上を図るために、ステージの駆動方法(例えばリニアモータの駆動制御方法など)や、ステージの移動基準となるガイド面の平坦度などの改善等、様々な工夫がなされている。
しかしながら、最近における半導体素子の高集積化に伴い、基板ステージ等に対する位置制御性の要求はますます厳しくなっており、今やステージの駆動方法や、ガイド面の平坦度の改善などの手法では要求されるステージの位置制御性を達成することは困難となりつつある。
すなわち、従来は殆ど問題視されなかったステージ装置そのもの(ステージあるいは駆動装置、又は両者の組み合わせ)に起因する位置制御性の低下要因、例えば、リニアモータによるステージの駆動の際に生じるステージの振動などが無視できないレベルとなりつつある。
上記と同様の問題は、露光装置以外の精密機器のステージ装置についても生じる可能性がある。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、ステージの位置制御性の向上を図ることができるステージ装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、高精度な露光を実現することが可能な露光装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができるデバイス製造方法を提供することにある。
発明の開示
本発明は、第1の観点からすると、物体が載置されるステージと;該ステージを少なくとも所定の1軸方向に駆動する駆動装置と;を備え、前記ステージの重心位置が、前記駆動装置が少なくとも前記所定の1軸方向に前記ステージを駆動する際の駆動軸上に設定されていることを特徴とする第1のステージ装置である。
本明細書において、「駆動軸」とは、送りねじ駆動方式のような物理的な駆動軸を意味するものではなく、ステージを駆動する際に駆動装置がステージに対して与える推力の作用点(作用点が複数存在する場合には、それらを総合した実質的な作用点)と、その推力の方向により規定される仮想的な軸(この軸が駆動方式によっては、物理的な駆動軸と一致する場合を含む)を意味するものである。
これによれば、物体が載置されるステージの重心位置が、ステージが、少なくとも所定の1軸方向に駆動装置によって駆動される際の駆動軸上に設定されている。すなわち、ステージが前記所定の1軸方向に駆動される際に、ステージの重心位置にその推力の作用点が一致するので、ステージの重心を通る前記1軸に直交する軸回りの回転モーメントが発生するのを防止することができる。これにより、ステージに前記1軸に直交する軸回りの不要な回転、ひいてはそれに起因する振動等が発生するのを効果的に抑制することができる。従って、ステージの姿勢の安定性及び位置制御性を向上させることが可能となる。
この場合において、前記駆動装置は、前記ステージを移動面内で前記所定の1軸方向及びこれに直交する他の1軸方向に駆動することとすることができる。この場合において、他の1軸方向についても駆動軸とステージの重心位置とが一致していることが望ましい。
本発明の第1のステージ装置では、駆動装置としては、送りねじと回転モータとの組み合わせや、平面モータなど、種々のものが考えられるが、例えば前記駆動装置は、リニアモータであることとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記ステージは、前記物体を保持するテーブルと、該テーブルを支持するステージ本体部とを備え、前記重心位置の前記駆動軸上への設定は、前記ステージ本体部の重心位置の調整により行われていることとすることができる。
この場合において、前記ステージ本体部に取り付けられた前記重心位置の調整用のおもり部材を更に備えることとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記ステージが前記テーブルと前記ステージ本体部とを備えている場合には、前記ステージ本体部の重心位置の調整は、前記ステージ本体部を構成する一部の部材として高密度部材を用いることにより実現されることとすることもできる。
この場合において、前記ステージの移動基準となるガイド面に対して所定のクリアランスを介して前記ステージ本体部及び前記テーブルを浮上支持する気体静圧軸受けを更に備え、前記一部の部材は、前記気体静圧軸受けが設けられた底面部材であることとすることができる。
この場合において、前記底面部材の底面に、所定深さの凹部が形成されていることとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記ステージの位置が、干渉計により計測されている場合、前記ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点で前記ステージに固定される前記干渉計用の移動鏡を更に備えることとすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、物体が載置されるとともに、移動基準となるガイド面に対して所定のクリアランスを介して浮上支持されたステージと;前記ステージを前記ガイド面に沿って少なくとも所定の1軸方向に駆動する駆動装置と;を備え、前記ステージを構成する底面部材の底面に、所定深さの凹部が形成されていることを特徴とする第2のステージ装置である。
これによれば、物体が載置されるステージを構成する底面部材の底面に、所定深さの凹部が形成されている。すなわち、ステージの移動基準であるガイド面に対して凹部の部分は、底面部材のその他の部分以上のクリアランスを有している。このため、ステージが、例えば前記所定の1軸方向に駆動装置によって駆動された際に、その駆動に伴いステージに振動が生じた場合に、ステージの凹部とガイド面との間に存在する気体により、ステージの主として重力方向の振動が減衰される。すなわち、ステージが例えば重力方向に振動した場合に、前記凹部とガイド面との間に存在する気体(例えば空気)が凹部内で移動する、あるいは凹部から抜け出そうとするが、その際にその気体の粘性のためその気体が一種のダンパとして機能し、ステージの主として重力方向の振動を減衰させる。従って、このステージ振動の減衰によりステージの位置制御性を向上させることが可能となる。
この場合において、前記ステージの位置が、干渉計により計測されている場合、前記ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点で前記ステージに固定される前記干渉計用の移動鏡を更に備えることとすることができる。
この場合において、前記移動鏡の前記ステージに対向する部分には、前記ステージと接触する少なくとも2箇所の接触部と、前記ステージとは接触しない非接触部とが設定されていることとすることができる。
この場合において、前記接触部は、前記移動鏡の前記ステージ対向面に設けられた凸部であることとすることができる。また、前記移動鏡は、前記接触部にて前記ステージに対してねじ止めされ、前記ミラーのねじ止め位置周辺の部分は、その他の部分よりも低剛性とされていることとすることができる。
本発明の第2のステージ装置では、前記ステージの重心位置は、前記ステージの駆動軸上に設定されていることとすることができる。
本発明は、第3の観点からすると、物体が載置されるとともに、その位置が干渉計により計測されるステージと;前記ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点で前記ステージに固定される前記干渉計用の移動鏡と;を備える第3のステージ装置である。
これによれば、ステージの位置を計測する干渉計用の移動鏡が、ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点でステージに固定されている。このため、例えばステージの駆動の際にステージが振動し、その振動が移動鏡に伝達されると、移動鏡とステージとの間に存在する気体(例えば空気)により移動鏡の振動が減衰される。すなわち、移動鏡の振動により気体が前記空隙内で移動する、あるいは空隙から抜け出そうとするときに、その気体はその粘性により一種のダンパとして機能して移動鏡の振動を減衰させる。従って、その振動が減衰された移動鏡を介して干渉計によりステージの位置が計測されるので、ステージの高精度な位置計測、ひいては高精度な位置制御を行うことが可能となる。
この場合において、前記移動鏡の前記ステージに対向する部分には、前記ステージと接触する少なくとも2箇所の接触部と、前記ステージとは接触しない非接触部とが設定されていることとすることができる。
この場合において、前記接触部は、前記移動鏡の前記ステージ対向面に設けられた凸部であることとすることができる。また、前記移動鏡は、前記接触部にて前記ステージに対してねじ止めされ、前記ミラーのねじ止め位置周辺の部分は、その他の部分よりも低剛性とされていることとすることができる。
本発明の第3のステージ装置では、前記ステージの重心位置は、前記ステージの駆動軸上に設定されていることとすることができる。
本発明は、第4の観点からすると、第1物体に形成されたパターンを第2物体上に転写する露光装置であって、本発明の第1〜第3のステージ装置のいずれかを、前記第1物体と前記第2物体との少なくとも一方の駆動装置として具備する露光装置である。
これによれば、位置制御性の高いステージ装置を第1物体と第2物体との少なくとも一方の駆動装置として具備することから、第1物体と第2物体の位置合わせ精度や、第2物体に対するパターンの重ね合わせ精度等を向上させることが可能である。すなわち、露光精度の向上を図ることが可能である。
また、リソグラフィ工程において、本発明の露光装置を用いて第1物体のパターンを第2物体上に転写することにより、第2物体上にパターンを精度良く形成することができ、これにより、より高集積度のマイクロデバイスを歩留まり良く製造することができる。従って、本発明の更に別の観点からは、本発明の露光装置を用いるデバイス製造方法であると言える。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図4Cに基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置10の概略構成が示されている。この露光装置10は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置10は、照明系IOP、マスク(物体、第1物体)としてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、基板(物体、第2物体)としてのウエハWの駆動装置を構成するステージ装置としてのウエハステージ装置50、及びこれらを制御する制御系等を備えている。
前記照明系IOPは、例えば特開平10−112433号公報、特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号公報などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、可変視野絞り(レチクルブラインド又はマスキングブレードとも呼ばれる)、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成されている。ここで、オプティカルインテグレータとしてはフライアイレンズ、内面反射型インテグレータ(ロッドインテグレータ等)、あるいは回折光学素子等が用いられる。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
この照明系IOPでは、回路パターン等が描かれたレチクルR上で、レチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域(Y軸方向に細長い長方形状の照明領域)部分をエネルギビームとしての照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動部22によって、照明系IOPの光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図1における紙面内左右方向であるX軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。なお、レチクルステージ駆動部22は、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする機構であるが、図1では図示の便宜上から単なるブロックとして示されている。
レチクルステージRSTの移動面内の位置は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクルステージRST上にはY軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とX軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、これらの移動鏡に対応してレチクルY干渉計とレチクルX干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡15、レチクル干渉計16として示されている。なお、例えば、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡15の反射面に相当)を形成しても良い。また、レチクルステージRSTの走査方向(本実施形態ではX軸方向)の位置検出に用いられるY軸方向に伸びた反射面の代わりに、少なくとも1つのコーナーキューブ型ミラーを用いても良い。ここで、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の少なくとも一方、例えばレチクルX干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルX干渉計の計測値に基づきレチクルステージRSTのX位置に加え、θz方向(Z軸回りの回転方向)の回転量(ヨーイング量)も計測できるようになっている。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報(ヨーイング量などの回転情報を含む)は主制御装置20に供給される。主制御装置20では、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部22を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/5、又は1/4)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明系IOPからの照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、レチクルRの回路パターンの照明領域部分の縮小像(部分倒立像)が投影光学系PLを介してウエハW上の前記照明領域に共役な投影光学系の視野内の投影領域に投影され、ウエハW表面のレジスト層に転写される。
前記ウエハステージ装置50は、床面(又はベースプレート、フレームキャスターなど)F上に防振ユニット26を介して3点あるいは4点でほぼ水平に支持されたステージベース40と、該ステージベース40の上方に配設されたステージとしてのウエハステージWSTと、該ウエハステージWSTの駆動装置としてのウエハステージ駆動部24とを備えている。
前記各防振ユニット26は、床面Fからステージベース40に伝達される微振動をそれぞれマイクロGレベルで絶縁する。これらの防振ユニット26として、ステージベース40の所定箇所に固定された半導体加速度計等の振動センサの出力に基づいてステージベース40の振動を積極的に制振するいわゆるアクティブ防振装置を用いることは勿論可能である。
前記ステージベース40の+Z側の面(上面)は、その平坦度が非常に高くなるように加工されており、ウエハステージWSTの移動基準面であるガイド面40aとされている。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方で、ウエハステージ駆動部24によって駆動され、ウエハWを保持して上記ガイド面40aに沿ってXY2次元移動するようになっている。
前記ウエハステージWSTは、ウエハWを保持するテーブルとしてのウエハテーブルWTBと、該ウエハテーブルWTBをボイスコイルモータ等を含む不図示のZ・チルト駆動機構を介して下側から支持するウエハステージ本体部30とを備えている。
前記ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハホルダ25を介してウエハWが真空吸着(又は静電吸着)等により吸着保持されている。前記Z・チルト駆動機構は、ウエハステージ本体部30上でウエハテーブルWTBをZ,θx(X軸回りの回転方向)、θy(Y軸回りの回転方向)の3自由度方向に微小駆動するもので、Zチルトステージとも呼ばれる。
前記ウエハテーブルWTBの側面には、干渉計としてのウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)23からのレーザビームを反射する移動鏡21が固定され、外部に配置されたウエハ干渉計23より、ウエハテーブルWTBのX方向、Y方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)の位置が例えば、0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。
ここで、ウエハテーブルWTBには、実際には、図2Aに示されるように、+X方向の端部に、X軸方向に直交する反射面を有する移動鏡21Xが設けられ、−Y方向端部に、Y軸方向に直交する反射面を有する移動鏡21Yが設けられている。また、これに対応して、ウエハ干渉計も移動鏡21X,21Yにそれぞれレーザ光を照射してウエハテーブルWTBのX軸方向、Y軸方向の位置をそれぞれ計測するX軸干渉計、Y軸干渉計がそれぞれ設けられている。
本実施形態では、X軸及びY軸干渉計はそれぞれ複数ずつ設けられ、あるいはX軸及びY軸干渉計は測長軸を複数有する多軸干渉計で構成され、ウエハテーブルWTBのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。
このようにウエハ干渉計、及び移動鏡はそれぞれ複数設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡21、ウエハ干渉計23として示されている。
ここで、例えば、ウエハテーブルWTBの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡21X、21Yの反射面に相当)を形成しても良い。なお、移動鏡21X,21Yの具体的な構成等については、後に更に詳述する。また、前述の多軸干渉計は45°傾いてウエハテーブルWTBに設置される反射面を介して、投影光学系PLが載置される架台(不図示)に設置される反射面にレーザビームを照射し、投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出するようにしても良い。
ウエハ干渉計23で計測されるウエハテーブルWTBの位置情報(又は速度情報)は主制御装置20に送られ、主制御装置20では前記位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハステージ駆動部24を構成するリニアモータ36X,36Y1,36Y2(これらのリニアモータを含むウエハステージ駆動部24の構成等については更に後述する)を介してウエハステージWSTのXY面内位置を制御する。
前記ウエハステージ本体部30は、図2A及び図2Bに示されるように、前記ステージベース40上面のガイド面40aに対向して配置される矩形板状の底面部材46、該底面部材46の上面のY軸方向の両端部にそれぞれ固定された一対の支持部材42A,42Bと、これらの支持部材42A,42Bによって底面部材の上面に平行に支持された天板48等を備えている。
前記天板48は、矩形板状の部材から成り、その上方には、ボイスコイルモータ等より成る不図示のZ・チルト駆動機構を介してウエハテーブルWTBが載置されている。また、この天板48の下面には、後述するX軸リニアモータ36Xを構成する可動子32Xが固定されている。これについては後述する。
前記底面部材46は、天板48よりも一回り小さい平板状部材から成り、図2Bに示されるように、その底面のY軸方向中央部には、深さ数μm(例えば7μm)程度で所定幅の帯状の凹部46aがX軸方向に沿って形成されている。また、この凹部46aのY軸方向両側に位置する平面部46b,46cには、各2つ合計4つの真空予圧型気体静圧軸受け(以下、単に「気体静圧軸受け」と呼ぶ)102が設けられている。これらの気体静圧軸受け102は、図2Bから分かるように、その中央部に加圧気体(ここではヘリウム又は窒素などの不活性ガス)を噴き出す噴出し口102aと、該噴出し口102aの周囲に形成され、不図示の真空吸引路に連通する溝102bとを備えている。
ここで、ArFエキシマレーザ光、あるいはF2レーザ光などの波長200nm〜150nmの帯域に属する真空紫外と呼ばれる波長域の光束を露光光として用いる場合には、酸素や有機物(F2レーザ光の場合には、それ以外に水蒸気,炭化水素ガス等も含む)による吸収が極めて大きいため、露光光が通る光路上の空間中のこれらのガスの濃度を数ppm以下の濃度にまで下げるべく、その光路上の空間の気体を、吸収の少ない、窒素や、ヘリウム等の不活性ガス(以下では、ヘリウムなどだけでなく窒素も含めて不活性ガスと総称する)で置換する(パージする)必要がある。そこで、本実施形態では照明系IOP及び投影光学系PLなどだけでなく、照明系IOPと投影光学系PLとの間でレチクルRが配置される第1空間、及び投影光学系PLとウエハWとの間の第2空間でもパージ(又は単なる不活性ガスの送風)を行っている。このため、本実施形態では加圧気体として、例えば露光光ILが通る空間のうち少なくとも前述の第2空間に供給される不活性ガスと同一種類、あるいは種類が異なる別の不活性ガスを用いることとしている。
但し、露光光ILとして波長が200nm程度以上の照明光(例えばKrFエキシマレーザ光などの遠紫外光、又はi線などの紫外光など)を用いる場合には加圧気体として、例えばケミカルフィルタにて有機物などの不純物が除去された空気、あるいは化学的にクリーンなドライエアなどを用いることができる。さらに、露光光ILとしてArFエキシマレーザ光を用いる場合でも、露光光ILが通る空間のうち少なくとも前述の第2空間に不活性ガスが供給されていなければ、前述の空気又はドライエアなどを加圧気体として用いても良い。すなわち、少なくとも前述の第2空間に不活性ガスが供給されていないときは、加圧気体として任意の気体を用いることができ、逆に不活性ガスが供給されているときは、加圧気体として不活性ガスを用いることが好ましい。
なお、気体静圧軸受けとして、軸受け面の加圧気体の噴出し口の周囲に真空吸引路に連通する溝を有するタイプのものを使用する場合には、各気体静圧軸受けからガイド面40aに対して噴出された気体が直ちに真空排気されるので、周囲への気体の漏出を防止することができる。従って、ヘリウム等の純度を高く維持しなければならない、気体の流出による周囲気体の汚染を嫌う環境下においても加圧気体として空気(ドライエアを含む)、あるいは前述のパージが行われる空間に比べて純度が相対的に低い、すなわち露光光を減衰させる不純物(酸素、有機物、水蒸気など)の濃度が相対的に高い不活性ガスを用いることが可能である。
本実施形態では、4つの気体静圧軸受け102の軸受け面からガイド面40aに向かってそれぞれ噴き出された加圧気体の軸受け面とガイド面40aとの間の静圧(いわゆる隙間内圧力)と、ウエハステージWST全体の自重と真空予圧力とのバランスにより、ウエハステージWSTがステージベース40の上面であるガイド面40aの上方に数μm程度のクリアランスを介して非接触で支持されるようになっている。
前記ウエハステージ駆動部24は、図1に示されるように、ウエハステージWSTを走査方向であるX軸方向に駆動するX軸リニアモータ36Xと、ウエハステージWSTをX軸リニアモータ36Xと一体的に非走査方向であるY軸方向に駆動する一対のY軸リニアモータ36Y1,36Y2とを備えている。
一方のY軸リニアモータ36Y1は、ステージベース40の−X側で床面F上にY軸方向に延設された固定子としてのY軸リニアガイド34Y1と、該Y軸リニアガイド34Y1に沿って移動するY可動子32Y1とを備えている。
前記Y軸リニアガイド34Y1の内部には不図示の電機子コイルが所定間隔でY軸方向に沿って配設されている。前記Y可動子32Y1はXZ断面逆U字状の形状を有し、内側の一対の対向面にはY軸方向に沿って、不図示の複数の界磁石が所定間隔で配列されている。すなわち、Y軸リニアモータ36Y1は、ムービングマグネット型の電磁力駆動方式のリニアモータである。従って、Y軸リニアモータ36Y1では、Y軸リニアガイド34Y1と、Y可動子32Y1との間の電磁相互作用によりY可動子32Y1をY軸方向に駆動する駆動力(ローレンツ力)を発生する。
他方のY軸リニアモータ36Y2もY軸リニアモータ36Y1と同様の構成となっている。すなわち、Y軸リニアモータ36Y2は、ステージベース40の+X側で床面F上にY軸方向に延設されたY軸リニアガイド34Y2と、該Y軸リニアガイド34Y2に沿って移動するY可動子32Y2とを備えている。このY軸リニアモータ36Y2では、Y軸リニアガイド34Y2と、Y可動子32Y2との間で電磁相互作用を行ってY可動子32Y2に対するY軸方向の駆動力(ローレンツ力)を発生する。
前記X軸リニアモータ36Xは、X軸方向を長手方向とする固定子としてのX軸リニアガイド34Xと、該X軸リニアガイド34Xに沿ってX軸方向へ移動するX可動子32Xとを備えている。前記X軸リニアガイド34Xの長手方向の一端部には、前記一方のY可動子32Y1が固定され、他端部には他方のY可動子32Y2が固定されている。また、X軸リニアガイド34Xは、X軸方向に伸びる固定子ヨークと、その内部に所定間隔でX軸方向に沿って配設された複数の電機子コイルとを備えている。
前記X可動子32Xは、図2Bに示されるように、前述したウエハステージ本体部30を構成する天板48の下面に固定された断面矩形枠状でX軸方向に伸びる可動子ヨーク52と、該可動子ヨーク52の内面側の上下対向面に、X軸方向に沿って所定間隔で交互に配列された複数の界磁石54N,54Sとを備えている。この場合、可動子ヨーク52の内部空間には、X軸方向に沿って交番磁界が形成されている。X可動子32Xの可動子ヨーク52の内部空間にX軸リニアガイド34Xが挿入された状態で図1のX軸リニアモータ36Xが構成されている。
この場合、X可動子32Xと、X軸リニアガイド34Xとの間の電磁相互作用により、X可動子32XをX軸方向に駆動する駆動力(ローレンツ力)を発生するようになっている。このX軸リニアモータ36Xは、ムービングマグネット型の電磁力駆動方式のリニアモータである。
また、前述のように、X軸リニアガイド34Xの両端部がY可動子32Y1、32Y2にそれぞれ固定されていることから、Y軸リニアモータ36Y1,36Y2がY軸方向の駆動力を発生すると、X軸リニアモータ36XとともにウエハステージWSTがY軸方向に駆動されるようになっている。この場合、Y軸リニアモータ36Y1,36Y2の発生する駆動力を異ならせることにより、X軸リニアモータ36Xを介してウエハステージWSTのZ軸回りの回転を制御することが可能となっている。
前記底面部材46の±Y側の面には、図2A及び図2Bに示されるように、底面部材46のX軸方向の長さと同一の長さを有する直方体状のおもり部材44A1,44A2が固定されている。これらのおもり部材44A1,44A2は、それぞれ同形状、同質量(ここでは質量(M1/2)とする)とされている。おもり部材44A1、44A2それぞれの重心G1,G1’は、図3に示されるように、同一Z位置で、且つ底面部材46の重心GBから等距離の位置となるように設定されている。
すなわち、上記の如く、2つのおもり部材44A1,44A2が配置されていることから、おもり部材44A1,44A2の総重量(M1×g)は、底面部材46の重心GBと同一のZ軸上に作用することになる。
更に、底面部材46の上面のY軸方向中央部には、図2Aに示されるように、複数のブロック状のおもりから構成されるおもり群44Bが載置されている。この場合、図3に示されるように、おもり群44Bの重心G2は、底面部材46の重心GBと同一のZ軸上に位置するように設定されている。なお、このおもり群44Bの質量を、以下の説明においては質量M2と表すものとする。
本実施形態において、おもり部材44A1,44A2の合計質量M1及びおもり群44Bの質量M2は、以下のように設定されている。
すなわち、図3に示されるように、ウエハステージWSTをX軸方向に駆動するX軸リニアモータ36Xの駆動力(推力)が作用する軸(駆動軸)のZ方向位置をP、底面部材46及びおもり部材44A1,44A2、おもり群44Bを除くウエハステージWST(この質量をMSとする)の重心をGSとし、この重心GSと駆動軸との距離をδ、駆動軸と底面部材46の重心GBとの距離をLB、駆動軸と重心G1との高さ方向距離をL1、駆動軸とおもり群44Bの重心G2との距離をL2としたときに、次式(1)を満たすように質量M1,M2が設定されている。
MS・δ=MB・LB+M1・L1+M2・L2 …(1)
このように、上式(1)を満足するように、おもり部材44A1,44A2の総質量M1(おもり部材44A1,44A2それぞれの質量(M1/2))、おもり群44Bの質量M2が決定されているので、結果的にウエハステージWST全体の重心位置がウエハステージWSTをX軸方向へ駆動する際の駆動軸上に設定されている。
なお、上式(1)からも分かるように、各おもり部材44A1,44A2、おもり群44Bの各質量(重量)を軽減する、すなわちウエハステージWST(可動部)全体の重量を軽減するためには、距離LB、L1、及びL2は、できる限り大きく設定しておくことが望ましい。
次に、ウエハテーブルWTBの側面に設けられた、前記移動鏡21X,21Yの構成等について図4A〜図4Cに基づいて説明する。
図4Aには、一方の移動鏡21Yの具体的な構成が示されている。この図4Aから分かるように、移動鏡21Yは、ウエハテーブルWTBの−Y側端部の下側から−Y方向に突出した状態となるように、ウエハテーブルWTBの下面に対してねじ止め等により固定された座板56Y上に載置されている。この座板56Yの上面は、所定の平坦度を満足するように加工されている。
移動鏡21Yは、概略直方体状の形状を有し、その−Y側の面21Ymが鏡面加工され、前述した干渉計23からのレーザが反射されるようになっている。なお、以下の説明においては、この−Y側面21Ymを適宜「鏡面21Ym」と呼ぶものとする。
鏡面21Ymの反対側の面(+Y側の面)には、そのX軸方向両端部近傍の位置に、+Y方向に数μm(例えば、7μm)程度突出した凸部21Ya,21Ybが移動鏡21Yの上端部から下端部にかけて形成されている。
更に、移動鏡21Yの下面には、上記凸部21Ya、21Ybと同一のX方向位置に、−Z方向に数μm(例えば、7μm)程度突出した状態で、凸部21Yc,21Ydが移動鏡21Yの+Y端部から−Y端部にかけて形成されている。
ここで、ウエハテーブルWTBの−Y側面と移動鏡21Yとは、凸部21Ya、21Yb部分のみが接触するようになっている。また、同様に、座板56Yの上面と移動鏡21Yとは、凸部21Yc、21Yd部分のみが接触するようになっている。すなわち、移動鏡21Yにおいては、凸部21Ya,21Yb以外の+Y側面部分はウエハテーブルWTBに対して数μm(例えば、7μm)程度のクリアランスを有し、凸部21Yc,21Yd以外の下面部分は座板56Yに対して数μm程度のクリアランスを有することになる。
更に、移動鏡21Yには、図4Aに示されるように、鏡面21Ymの凸部21c,21dの近傍に、移動鏡21YをウエハテーブルWTBに対して固定するためのねじ止め部21Ye,21Yfが形成されている。
図4Bには、上記ねじ止め部21Ye,21Yfのうちの一方のねじ止め部21Ye近傍を拡大して−Y方向から+Y方向に見た図が示され、図4Cには、図4Bの状態からねじ72を外した状態の図4BにおけるA−A線断面図が示されている。
これらの図から分かるように、ねじ止め部21Yeは、鏡面21YmからY軸方向中央部やや+Y側寄りの位置にかけて掘り下げられた状態の矩形状溝部62aと、該矩形状溝部62aの内部の底面から更に+Y側面まで貫通形成された丸孔62bと、丸孔62bの±X側に位置し該矩形状溝部62aの内部の底面から+Y側面まで貫通形成された矩形孔62c,62dとにより形成されている。
なお、他方のねじ止め部21Yfも上記ねじ止め部21Yeと同様の構成となっている。すなわち、ねじ止め部21Yfは、鏡面21YmからY軸方向中央部やや+Y側寄りの位置にかけて掘り下げられた状態の矩形状溝部と、矩形状溝部の内部から更に+Y側面まで貫通形成された丸孔、及び2つの矩形孔とにより形成されている。
移動鏡21Yは、図4Cにおいてねじ止め部21Yeにて代表的に示されるように、ねじ止め部21Ye(及び21Yf)に形成された丸孔62b及び、ウエハテーブルWTBの−Y側面に形成されたねじ穴80を介してねじ72により、ウエハテーブルWTBに対してねじ止めされている。
ねじ止め部21Ye,21Yfが上記のように形成されているのは、移動鏡21Yがねじ72によってウエハテーブルWTBの側面に固定されると、その固定のための力がねじ72の周辺部に作用することになるが、このねじ72の周辺部を上述のようにねじ止め部21Ye,21Yfとして形成し、その他の部分よりも低剛性とすることで、ねじ72の力によって低剛性部分(ねじ止め部)に応力集中が生じ、ねじ止め部21Ye,21Yf以外の鏡面21Ym部分には変形が殆ど生じないようにするためである。従って、ねじ止め部21Ye,21Yfを移動鏡21Yに形成することにより、鏡面21Ymの平面度を高く維持することができるのである。
また、移動鏡21Yとして上述したような所定位置に凸部を有する形状を採用したのは、ウエハステージWSTの駆動に伴う振動が移動鏡21Yに伝達しても、移動鏡21Yとその固定面との間の気体が振動により隙間内で移動する、あるいは隙間から抜け出そうとするため、その気体の粘性によって振動を減衰させることができるからである。
なお、他方の移動鏡21Xについても、移動鏡21Yと同様の構成となっている。
すなわち、移動鏡21Xは、図2A,図2Bに示されるように、ウエハテーブルWTBの下面の+X端部近傍に固定された座板56X上に載置されており、移動鏡21Xには移動鏡21Yと同様に、−X側及び−Z側の面に2つの凸部がそれぞれ形成されている。そして、ウエハテーブルWTBの+X側面及び座板56Xの上面(+Z側面)と各凸部が接触するようになっている。
そして、移動鏡21Xの+X側の面(鏡面)からその裏面にかけて形成された不図示のねじ止め部を介して、ウエハテーブルWTBに固定されている。
この場合においても、移動鏡21XとウエハテーブルWTBとの間、及び移動鏡21Xと座板56Xとの間には凸部を除いて、数μm(例えば、7μm)程度の間隔が設けられている。
制御系は、図1中、主制御装置20によって主に構成される。主制御装置20は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、装置全体を統括して制御する。主制御装置20は、例えば露光動作が的確に行われるように、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステッピング等を制御する。
次に、上述のようにして構成された本実施形態の露光装置10により、レチクルRのパターンをウエハW上の各ショット領域に順次転写する際の露光動作について簡単に説明する。なお、前提として、不図示のレチクル顕微鏡、ウエハテーブルWTB上の不図示の基準マーク板、及び不図示のウエハアライメント系を用いたレチクルアライメント、ウエハアライメント系のベースライン計測、及びウエハアライメント(EGA等)等の準備作業は終了しているものとする。
なお、上記のレチクルアライメント、ベースライン計測等については、例えば特開平7−176468号公報及びこれに対応する米国特許第5,646,413号に詳細に開示され、また、EGAについては、特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号等に詳細に開示されている。本国際出願で指定した指定国又は選択した選択国の国内法令が許す限りにおいて、上記各公報並びにこれらに対応する上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
まず、主制御装置20は、レチクルRとウエハW、すなわちレチクルステージRSTとウエハステージWSTとのX軸方向の相対走査を開始する。両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達し、等速同期状態に達すると、照明系IOPからの紫外パルス光によってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。上記の相対走査は、主制御装置20が、前述したウエハ干渉計23及びレチクル干渉計16の計測値をモニタしつつ、レチクル駆動部22及びウエハステージ駆動部24を制御することにより行われる。
主制御装置20は、特に上記の走査露光時には、レチクルステージRSTのX軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのX軸方向の移動速度Vwとが、投影光学系PLの投影倍率(1/4倍あるいは1/5倍)に応じた速度比に維持されるように同期制御を行う。
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が紫外パルス光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショットの走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介して第1ショットに縮小転写される。
上述のようにして、第1ショットの走査露光が終了すると、主制御装置20により、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTがX、Y軸方向にステップ移動され、第2ショットの露光のための走査開始位置(加速開始位置)に移動される。
そして、主制御装置20により、上述と同様に各部の動作が制御され、ウエハW上の第2ショットに対して上記と同様の走査露光が行われる。
このようにして、ウエハW上のショットの走査露光とショット間のステッピング動作とが繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショットの全てにレチクルRのパターンが順次転写される。
ウエハW上の全露光対象ショットへのパターン転写が終了すると、次のウエハと交換され、上記と同様にアライメント、露光動作が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態の露光装置10によると、上述のような露光動作を行うに際し、ウエハステージWSTがリニアモータによって駆動されるが、ウエハステージWSTの重心位置がウエハステージWSTがX軸方向に駆動されるときの駆動軸上に設定されているので、ウエハステージWSTをX軸方向に駆動する場合に、不要な回転モーメントが作用しないようになっている。従って、ウエハステージWSTにピッチング(Y軸回りの回転)、ヨーイング(Z軸回りの回転)等が発生するのを効果的に抑制することができ、これによりウエハステージの姿勢安定性及び位置制御性を向上させることが可能となっている。
また、ウエハステージWSTの駆動の際に、本実施形態では、ウエハテーブルWTBに固定された移動鏡21X,21Yを用いてウエハテーブルWTBの位置計測を行うが、上述したように、移動鏡21X、21YがウエハテーブルWTBの側面、座板56X,56Yの上面に対して数μm程度のクリアランスを介して固定されているので、たとえウエハステージWSTが駆動に伴って振動し、その振動が移動鏡21X,21Yに伝達しても、移動鏡21X、21Yと各固定面との間に存在する気体によって、移動鏡21X,21Yの振動が減衰されることになる。これは、移動鏡21X,21Yと各固定面との間の気体が振動により隙間内で移動する、あるいは隙間から抜け出そうとするときに、その気体の粘性により振動が減衰するからである。従って、移動鏡21X,21Yの振動が極力抑制されることにより、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)の位置制御を高精度に行うことができる。
また、ウエハステージ本体部30の底面にも数μmの空隙を形成するための凹部46aを形成したことから、その空隙内に存在する気体の粘性により、上述と同様の理由からウエハステージ全体の振動を抑制することができる。従って、ウエハステージWSTの位置制御を高精度に行うことが可能となっている。
また、本実施形態では、上記のように位置制御性の高いウエハステージ装置50を用いてウエハの移動を行うので、特に走査型の露光装置では走査露時におけるレチクルとウエハとの同期精度が向上し、ウエハに対するパターンの転写精度、すなわち露光精度を向上することが可能となっている。
なお、上記実施形態では、ウエハステージの重心位置を駆動軸上に設定するために、ウエハステージ本体部に固定されるおもり部材は、図2A、図2Bの構成に限られるものではなく、例えば形状、個数、質量、材質、及び設置箇所(位置)などが任意で構わないし、ウエハステージ本体部を構成する少なくとも1つの部材(底面部材46など)をその一部が凸部となるように加工して、おもり部材の固定を不要としても良い。さらに、上記実施形態では、ウエハステージの重心位置を駆動軸上に設定するために、ウエハステージ本体部に対しておもり部材、おもり群を固定するものとしたが、本発明がこれに限られるものではない。すなわち、ウエハステージの重心位置を調整するにあたって、おもり部材を用いる等の外的な付加を行わずに、ウエハステージ本体部(可動部)を構成する少なくとも1つの部材の材質を変更する、すなわちその少なくとも1つの部材を他の部材と異なる重い材質とする。例えば、ウエハステージ本体部を構成する一部の部材としての底面部材を、ステンレス鋼等の合金鋼、ニッケル合金、モリブデン、ダングステン、及びそれらの合金等高密度部材等に変更することとしても良い。
このとき、ウエハステージ本体部を構成する1つ又は複数の部材の各々でその全てを高密度部材等とすることが好ましいが、その一部のみを高密度部材等としても良い。また、上記実施形態では、例えばおもり部材を付加するなどして、ウエハステージ本体部(可動部)の一部を重くしてその重心位置を駆動軸上に設定するものとしたが、それとは逆にウエハステージ本体部の一部を軽くする(ウエハステージ本体部を構成する少なくとも1つの部材を軽量化する)、例えばウエハテーブルWTBなどをハニカム構造とする、あるいはその少なくとも1つの部材を他の部材と異なる軽い材質とするなどして、ウエハステージ本体部の重心位置を駆動軸上に設定しても良い。ここで、上記重く又は軽くすべき少なくとも1つの部材は、ウエハステージ本体部(可動部)を構成するいかなる部材でも構わない。さらに、上記実施形態では、上記式(1)におけるウエハステージWST(可動部)の質量MSがその一部、例えばウエハテーブルWTBに設けられる移動鏡21X、21Yや不図示の基準マーク板などの質量を含むものとしたが、ウエハステージWSTはウエハWを保持して移動するので、ウエハWの質量をも含むものとすることが好ましい。
なお、上記実施形態では、移動鏡に凸部を形成することで、移動鏡と固定対象面との間に空隙を設けるものとしたが、本発明がこれに限られるものではなく、ウエハテーブルの側面や、座板の上面など、移動鏡が固定される対象面側に凸部を形成することとしても良いし、移動鏡と固定対象面との間の隙間に別の部材を介して固定するようにしても良い。要は、移動鏡と固定対象面との間の一部に空隙を介した状態で、移動鏡がウエハステージ(ウエハテーブル)に固定されれば良い。
なお、上記実施形態では、ウエハテーブルに対して移動鏡を固定する手段としてねじ止めを採用するものとしたが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、凸部にて接着剤等により固定することとしても良い。この場合には、上記実施形態のように、低剛性部を設けなくて良い。
なお、上記実施形態では、重心位置が駆動軸上に設定されたウエハステージに振動が抑制された移動鏡を設け、更にウエハステージの底面部材の底面に凹部を形成した場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではない。すなわち、本発明のステージ装置は、重心位置を駆動軸上に設定する第1の特徴、移動鏡とその固定対象面との間に空隙を設ける第2の特徴、及びウエハステージ(底面部材)の底面に凹部を設ける第3の特徴のうち、任意の2つの特徴を組み合わせたステージ、あるいは任意の1つの特徴を有するステージとしても良い。特に第2の特徴を有さないで第1及び第3の特徴の少なくとも一方を有するウエハステージでは、移動鏡21X、21Yを設けることなくその一部、例えばウエハテーブルWTBの端面を鏡面加工して反射面としても良い。
なお、上記実施形態においては、本発明のステージ装置がウエハを駆動するウエハステージに用いられた場合について説明したが、これに限らず、本発明のステージ装置をレチクルステージとして採用することも可能である。
なお、上記実施形態では、ステージを駆動する駆動装置としてリニアモータを採用した場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、駆動装置として送りねじ方式の駆動装置を採用することも可能である。
また、図1では図示が省略されているが、上記実施形態の露光装置は、ウエハステージ(ステージベース40)と投影光学系PLとを異なる防振機構でそれぞれ保持する構成となっているが、本発明の露光装置がこれに限定されないことは勿論である。例えば、投影光学系PLを保持するコラムとステージベースとを同一の防振機構により支持しても良い。この場合、ステージベースを前記コラムに吊り下げ支持することもできる。あるいは、ステージベース上に別の防振機構を設け、該防振機構を介して前記コラムを支持することとしても良い。すなわち、露光装置のボディ構造は図1に示されるものに限定されるものではなく、その構成はいかなる構成であっても良い。
さらに、上記実施形態の露光装置では、ウエハステージとレチクルステージとの少なくとも一方で、駆動装置の一部をステージが配置されるベースとは異なる設置面に配置するリアクションフレーム機構、あるいはカウンターマスによってステージの移動時に発生する反力を相殺するカウンターマス機構を採用しても良いし、2つのステージが配置されるツインステージ方式、あるいは2つの物体(レチクル又はウエハ)を保持可能なツインホルダ方式などを採用しても良い。
なお、上記実施形態では、光源としてF2レーザ、ArFエキシマレーザ等の真空紫外域のパルスレーザ光源を用いるものとしたが、これに限らず、水銀ランプ、KrFエキシマレーザ光源(出力波長248nm)などの紫外又は遠紫外光源、あるいはAr2レーザ光源(出力波長126nm)などの他の真空紫外光源を用いても良い。また、例えば、真空紫外光として上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。さらに、露光用照明光ILとして紫外光などだでなく、X線(EUV光を含む)又は電子線やイオンビームなどの荷電粒子線などを用いても良い。
なお、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用できる。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、上記実施形態では、本発明が半導体製造用の露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置、プラズマディスプレイや有機ELなどの表示装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子、マイクロマシン、DNAチップなどを製造するための露光装置などにも本発明は広く適用できる。
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、上記実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。以下、このデバイス製造方法について詳述する。
《デバイス製造方法》
図5には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図5に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ204(ウエハ処理ステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステップ)において、ステップ204で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図6には、半導体デバイスにおける、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図6において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ215(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上で説明した露光装置及びその露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上記実施形態の露光装置が用いられるので、第2物体としてのウエハ上に第1物体としてのレチクルのパターンを高精度に転写することができ、結果的に高集積度のデバイスを生産性(歩留まりを含む)を向上させることが可能となる。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明の第1〜第3のステージ装置は、ステージをその姿勢の安定性及び位置制御性良く駆動するのに適している。また、本発明の露光装置は、回路パターンを物体上に転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、高集積度のデバイスの生産に適している。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。
図2Aは、ウエハステージを斜め上方から見た斜視図であり、図2Bは、ウエハステージを斜め下方から見た斜視図である。
図3は、ウエハステージの重心位置の調整方法を説明するための図である。
図4Aは、移動鏡を拡大して示す斜視図であり、図4Bは、移動鏡に形成されたねじ止め部近傍を拡大して示す図であり、図4Cは、図4BのA−A線断面図である。
図5は、本発明のデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
図6は、図5のステップ216の詳細例を示すフローチャートである。
Claims (22)
- 物体が載置されるステージと;
該ステージを少なくとも所定の1軸方向に駆動する駆動装置と;を備え、
前記ステージの重心位置は、前記駆動装置が少なくとも前記所定の1軸方向に前記ステージを駆動する際の駆動軸上に設定されていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項1に記載のステージ装置において、
前記駆動装置は、前記ステージを移動面内で前記所定の1軸方向及びこれに直交する他の1軸方向に駆動することを特徴とするステージ装置。 - 請求項1に記載のステージ装置において、
前記駆動装置は、リニアモータであることを特徴とするステージ装置。 - 請求項1に記載のステージ装置において、
前記ステージは、前記物体を保持するテーブルと、該テーブルを支持するステージ本体部とを備え、
前記重心位置の前記駆動軸上への設定は、前記ステージ本体部の重心位置の調整により行われていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項4に記載のステージ装置において、
前記ステージ本体部に取り付けられた前記重心位置の調整用のおもり部材を更に備えることを特徴とするステージ装置。 - 請求項4に記載のステージ装置において、
前記ステージ本体部の重心位置の調整は、前記ステージ本体部を構成する一部の部材として高密度部材を用いることにより実現されることを特徴とするステージ装置。 - 請求項6に記載のステージ装置において、
前記ステージの移動基準となるガイド面に対して所定のクリアランスを介して前記ステージ本体部及び前記テーブルを浮上支持する気体静圧軸受けを更に備え、
前記一部の部材は、前記気体静圧軸受けが設けられた底面部材であることを特徴とするステージ装置。 - 請求項7に記載のステージ装置において、
前記底面部材の底面に、所定深さの凹部が形成されていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項1に記載のステージ装置において、
前記ステージの位置は、干渉計により計測され、
前記ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点で前記ステージに固定される前記干渉計用の移動鏡を更に備えることを特徴とするステージ装置。 - 物体が載置されるとともに、移動基準となるガイド面に対して所定のクリアランスを介して浮上支持されたステージと;
前記ステージを前記ガイド面に沿って少なくとも所定の1軸方向に駆動する駆動装置と;を備え、
前記ステージを構成する底面部材の底面に、所定深さの凹部が形成されていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項10に記載のステージ装置において、
前記ステージの位置は、干渉計により計測され、
前記ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点で前記ステージに固定される前記干渉計用の移動鏡を更に備えることを特徴とするステージ装置。 - 請求項11に記載のステージ装置において、
前記移動鏡の前記ステージに対向する部分には、前記ステージと接触する少なくとも2箇所の接触部と、前記ステージとは接触しない非接触部とが設定されていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項12に記載のステージ装置において、
前記接触部は、前記移動鏡の前記ステージ対向面に設けられた凸部であることを特徴とするステージ装置。 - 請求項12に記載のステージ装置において、
前記移動鏡は、前記接触部にて前記ステージに対してねじ止めされ、前記ミラーのねじ止め位置周辺の部分は、その他の部分よりも低剛性とされていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項10に記載のステージ装置において、
前記ステージの重心位置は、前記ステージの駆動軸上に設定されていることを特徴とするステージ装置。 - 物体が載置されるとともに、その位置が干渉計により計測されるステージと;
前記ステージとの間に空隙を形成した状態で、少なくとも2点で前記ステージに固定される前記干渉計用の移動鏡と;を備えるステージ装置。 - 請求項16に記載のステージ装置において、
前記移動鏡の前記ステージに対向する部分には、前記ステージと接触する少なくとも2箇所の接触部と、前記ステージとは接触しない非接触部とが設定されていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項17に記載のステージ装置において、
前記接触部は、前記移動鏡の前記ステージ対向面に設けられた凸部であることを特徴とするステージ装置。 - 請求項17に記載のステージ装置において、
前記移動鏡は、前記接触部にて前記ステージに対してねじ止めされ、前記ミラーのねじ止め位置周辺の部分は、その他の部分よりも低剛性とされていることを特徴とするステージ装置。 - 請求項16に記載のステージ装置において、
前記ステージの重心位置は、前記ステージの駆動軸上に設定されていることを特徴とするステージ装置。 - 第1物体に形成されたパターンを第2物体上に転写する露光装置であって、
請求項1〜20のいずれか一項に記載のステージ装置を、前記第1物体と前記第2物体との少なくとも一方の駆動装置として具備する露光装置。 - リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
前記リソグラフィ工程では、請求項21に記載の露光装置を用いて、第1物体のパターンを第2物体上に転写することを特徴とするデバイス製造方法。
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