JPWO2004105105A1 - ステージ装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

ステージ(WST)は、第1定盤(44)のガイド面(44a)に案内され、可動子ユニットと一体で、X軸方向駆動、及びY軸方向及びZ軸回りの回転方向に微小駆動される。また、ステージは、固定子ユニットと一体的に、Y軸方向に駆動される。この場合において、固定子ユニットを、ステージのガイド面が形成された第1定盤とは振動的に分離された第2定盤(46A,46B)に形成された支持面によりZ軸方向に関して支持する。これにより、ステージのY軸方向駆動に起因して、Y軸固定子に振動が発生した場合であっても、振動は、Y軸固定子を支持する第2定盤に伝達するのみで、第1定盤に伝達されることはない。従って、振動が第1定盤を介してステージに伝達するのを回避することができるので、ステージの位置制御精度を高く維持することができる。

Description

本発明は、ステージ装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、物体が載置され2次元面内で移動可能なステージを有するステージ装置及び該ステージ装置を具備する露光装置、並びに前記露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の感光物体(以下、「ウエハ」と総称する)上に転写するステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)などが主として用いられている。
ステッパなどの投影露光装置では、被露光物体であるウエハを保持して2次元移動するステージと、このステージを駆動する駆動機構とを備えたステージ装置が用いられている。近年、ステージ装置としては、リニアモータを駆動源として有するリニアモータ方式のステージ装置が主流となっている。このリニアモータ方式のステージ装置としては、ステージを第1軸方向に駆動する第1軸リニアモータと、該第1軸リニアモータとステージとを一体的に、第1軸に直交する第2軸方向に駆動する一対の第2軸リニアモータとを備えた、2軸駆動リニアモータ方式のステージ装置が比較的多く用いられている。この場合、第1軸リニアモータの固定子とステージとの第2軸方向に関する位置関係は、両者間に設けられた気体静圧軸受けあるいは磁気軸受けにより略一定に維持される。
従来の2軸駆動リニアモータ方式のステージ装置では、各第2軸リニアモータとして、例えば、床面上に設置された支持部材あるいは防振台などによりその両端部を支持された固定子としてのリニアガイドと、該リニアガイドとの間の電磁相互作用によって発生する電磁力によりリニアガイドの長手方向に移動する可動子としてのスライダとを有するものが用いられている。この場合、各スライダは、第1軸リニアモータの固定子を構成するリニアガイドの長手方向の一側、他側の端部にそれぞれ設けられ、ステージを案内するガイド面が形成された定盤に沿って移動するようになっている。また、一対の第2軸リニアモータがそれぞれ発生する駆動力を僅かに異ならせることにより、第1軸リニアモータと一体的にステージを微小回転させることができる。最近では、ステージは定盤表面のガイド面に対して非接触ベアリング、例えばエアベアリングを介して浮上支持される構成が採用されていることが多い(例えば、特許文献1、2等参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の2軸駆動リニアモータ方式のステージ装置では、一対の第2軸リニアモータの固定子(リニアガイド)が梁構造となっているため、ステージを第2軸方向にある程度以上の駆動力で駆動するとそのリニアガイドに振動が生じ易く、その振動が生じた場合には、その振動が可動子であるスライダ(及び第1軸リニアモータの固定子をガイド面上で浮上支持するエアベアリング)等を介して定盤に伝達され、さらに、その定盤の振動がステージを浮上支持するエアベアリングを介してステージに伝達されるおそれがあった。これは、エアベアリングとして、ガイド面との間のクリアランス(いわゆる軸受け隙間)を略一定に維持できる程度に剛性が高いものが通常用いられているからである。
また、最近では、半導体素子の高集積化に伴い、ステッパに比べて精度の高い露光が可能なスキャニング・ステッパが主流となっており、このスキャニング・ステッパの場合、レチクルが搭載されたレチクルステージと、被露光物体であるウエハを保持するステージとの走査方向(同期移動方向)に関する同期精度を向上する必要があるが、上記特許文献1又は特許文献2に記載のステージ装置では、ステージは、微小回転のみが可能な構造となっているため、同期精度は、専らレチクルステージ側のステージに対する追従精度に依存していた。
しかるに、将来の半導体素子の更なる高集積化に伴い、スキャニング・ステッパに要求されるレチクルとウエハとの同期精度は一層厳しくなることは確実であり、このような要求を実現するために、ウエハを保持するステージの位置制御性の向上が期待されている。
特開平11−352266号公報 特開平8−233964号公報
本発明は、かかる事情の下になされたものであり、その第1の目的は、物体が載置されるステージの位置制御性の向上を図ることが可能なステージ装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、感光物体上へのパターンの転写精度の向上を図ることが可能な露光装置を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができるデバイス製造方法を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、物体が載置されるステージと;前記ステージに設けられた可動子ユニットと、該可動子ユニットとの間の電磁相互作用により前記ステージを、第1軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、前記ステージの移動面と平行な面内で前記第1軸に直交する第2軸方向並びに前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸回りに微小駆動する、前記第1軸方向に延びる固定子ユニットとを有する第1駆動機構と;前記固定子ユニットの前記第1軸方向の一端部と他端部とにそれぞれ設けられた一対の第1可動子と、該各第1可動子との間の電磁相互作用により対応する第1可動子と一体的に前記固定子ユニットを前記第2軸方向に駆動する駆動力を発生する一対の第1固定子とを有する第2駆動機構と;前記ステージを案内するガイド面が形成された第1定盤と;前記第1定盤とは振動的に分離され、前記固定子ユニットを前記第3軸方向に関して支持する支持面が形成され、前記一対の第1固定子のそれぞれを支持する少なくとも1つの第2定盤と;を備える第1のステージ装置である。
これによれば、ステージは、第1定盤に形成されたガイド面に案内され、第1駆動機構を構成する可動子ユニットと一体で、該可動子ユニットと固定子ユニットとの間の電磁相互作用により発生する駆動力により、第1軸方向に駆動されるとともに、第2軸方向及び第3軸回りの回転方向に微小駆動される。また、ステージは、第1定盤に形成されたガイド面に案内され、第2駆動機構を構成する一対の第1固定子とこれに対応する一対の第1可動子との間の電磁相互作用により発生する駆動力により、前記一対の第1可動子が長手方向の一端部と他端部とにそれぞれ設けられた固定子ユニットと一体的に、第2軸方向に駆動される。この場合、第1駆動機構を構成する固定子ユニットは、第1定盤とは振動的に分離された第2定盤に形成された支持面により第3軸方向に関して支持されている。
従って、ステージが固定子ユニットとともに第2の駆動機構により第2軸方向に駆動される際に、一対の第1固定子に振動が仮に発生した場合にも、その振動は、一対の第1固定子のそれぞれを支持する第2定盤に伝達するのみで、第1定盤に伝達されることはない。また、各第1固定子の振動が対応する各第1可動子に伝達されたとしても、各第1可動子がその両端に設けられた固定子ユニットは、第2定盤の支持面によって第3軸方向に関して支持されているので、第2定盤に振動が伝達されることはあっても、該第2定盤と振動的に分離された第1定盤に伝達されることはない。また、各第1可動子の振動が固定子ユニットに影響を与えることも殆どない。また、可動子ユニットと固定子ユニットとの間の電磁相互作用により発生する駆動力によりステージを第2軸方向へ微小駆動することができるので、ステージ(可動子ユニット)と固定子ユニットとの第2軸方向の位置関係を維持するためにエアベアリング等を設ける必要がないとともに、ステージを第2軸方向に関して所望の位置に精度良く移動させることが可能となる。この場合、固定子ユニットの第2軸方向への移動が直接的にステージに影響を与えることもない。これにより、ステージの第2軸方向への駆動がステージの振動要因となることがなく、第2軸方向への駆動に際してステージの位置制御精度を高く維持することができる。
また、ステージは、可動子ユニットと固定子ユニットの間の電磁相互作用によって生じる駆動力によってガイド面に案内された状態で、固定子ユニットに沿って第1軸方向へ駆動されるので、この駆動の際にステージに振動が生じることもない。また、この駆動による反力が、固定子ユニットを介して各第1固定子を支持する第2定盤に伝達されても、この振動が第1定盤に伝達されることはない。
この場合において、前記固定子ユニットと前記可動子ユニットとは、前記ステージ走査中における前記第1定盤と前記第2定盤との前記第3軸方向の相対位置の変化を許容するように、前記第3軸方向の間隔が設定されていることとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記固定子ユニットは、前記第1軸方向に延びる第2固定子と、該第2固定子を中心として前記第2軸方向の一側と他側にそれぞれ配置された前記第1軸方向に延びる一対の第3固定子とを含み、前記可動子ユニットは、前記第2固定子との間の電磁相互作用により前記ステージを前記第2軸方向に微小駆動する駆動力を発生する第2可動子と、前記一対の第3固定子との間で個別に電磁相互作用を行い、前記ステージを前記第1軸方向に駆動する駆動力をそれぞれ発生する一対の第3可動子とを含むこととすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記ステージは、前記可動子ユニットが設けられたステージ本体と、該ステージ本体上で前記物体を保持して少なくとも前記第3軸方向に微小駆動可能なテーブルとを有することとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記第2駆動機構は、前記各第1可動子が電機子ユニットから成り、前記各第1固定子が磁極ユニットから成る、一対のムービングコイル型のリニアモータによって構成されていることとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記ステージに前記ガイド面に対向して設けられ、前記ステージを前記ガイド面に対して非接触で支持する第1の軸受け機構と;前記固定子ユニットに前記第2定盤の支持面に対向して設けられ、前記固定子ユニットを前記支持面に対して非接触で支持する第2の軸受け機構と;を更に備えることとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記各第1固定子は、前記第2定盤との間の摩擦力がほぼゼロの状態で、少なくとも前記第2軸方向に関する相対移動が許容されていることとすることができる。
この場合において、前記各第1固定子の前記第2軸方向の位置を調整する2つの位置調整機構を更に備えることとすることができる。
この場合において、前記第2駆動機構が、固定子として磁極ユニットをそれぞれ有する一対のムービングコイル型のリニアモータを含み、前記各位置調整機構は、前記磁極ユニットの一部を可動子とすることとすることができる。
本発明の第1のステージ装置では、前記固定子ユニットは、前記ステージ及び前記ガイド面との間の摩擦力がほぼゼロの状態で、少なくとも前記第1軸方向に関する相対移動が許容されていることとすることができる。
この場合において、前記第2定盤は、前記一対の第1固定子に対応して一対設けられ、該一対の第2定盤の少なくとも一方の特定定盤は、床面に対して移動可能とされ、前記可動子ユニットの前記第1軸方向への駆動時に生じる反力を前記固定子ユニットを介して前記特定定盤に伝達する伝達機構を更に備えることとすることができる。
この場合において、前記特定定盤上に設けられ、前記反力の作用に起因して前記特定定盤に生じる回転モーメントを相殺する相殺機構を更に備えることとすることができる。
この場合において、相殺機構としては種々の構成が考えられるが、例えば、前記相殺機構は、前記特定定盤上に固定された固定子と、該固定子との間の電磁相互作用により駆動され、前記回転モーメントによる前記特定定盤の回転を相殺する方向の反力を発生する可動子とを有することとすることができる。
この場合において、前記相殺機構は、前記第1可動子の前記第2軸方向の位置と、前記ステージの前記第1軸方向への駆動量とに応じた所定量だけ、前記可動子を所定方向に駆動することとすることができる。
本発明は、第2の観点からすると、物体が載置されるステージと;前記ステージに設けられた可動子ユニットと、該可動子ユニットとの間の電磁相互作用により前記ステージを、第1軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、前記ステージの移動面と平行な面内で前記第1軸に直交する第2軸方向並びに前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸回りに微小駆動する、前記第1軸方向に延びる固定子ユニットとを有する第1駆動機構と;前記固定子ユニットの前記第1軸方向の一端部と他端部とにそれぞれ設けられた一対の第1可動子と、該各第1可動子との間の電磁相互作用により対応する第1可動子と一体的に前記固定子ユニットを前記第2軸方向に駆動する駆動力を発生する一対の第1固定子とを有する第2駆動機構と;を備え、前記各第1固定子が、少なくとも前記第2軸方向に関する移動を許容された状態で支持されていることを特徴とする第2のステージ装置である。
これによれば、第1駆動機構は、ステージに設けられた可動子ユニットと第1軸方向に延びる固定子ユニットとの間の電磁相互作用により、ステージを、第1軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、ステージの移動面と平行な面内で第1軸に直交する第2軸方向並びに第1軸及び第2軸に直交する第3軸回りに微小駆動し、第2駆動機構は、固定子ユニットの第1軸方向の一端部と他端部とにそれぞれ設けられた一対の第1可動子と、一対の第1固定子との間の電磁相互作用により対応する第1可動子と一体的に固定子ユニットを第2軸方向に駆動する。すなわち、第1駆動機構と第2駆動機構とにより、ステージが第1、第2軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、第2軸方向及び第3軸回りに微小駆動されるようになっている。また、前記一対の第1固定子が少なくとも第2軸方向に関する移動が許容された状態で支持されていることから、第1可動子の第2軸方向への駆動時に発生する反力を受けて、第1固定子が運動量保存則に従う所定距離だけ第2軸方向に移動することで、前記反力が吸収される(キャンセルされる)。従って、固定子ユニット(一対の第1可動子)の第2軸方向への駆動がステージの振動要因となることがないので、ステージの位置制御精度を高く維持することができる。
この場合において、前記固定子ユニットは、前記ステージに対し、互いの間の摩擦力がほぼゼロの状態で少なくとも前記第1軸方向に関する相対移動が許容されていることとすることができる。
本発明の第2のステージ装置では、前記各第1固定子の少なくとも一方の、前記第1軸方向の位置を調整する第1の位置調整機構を更に備えることとすることができる。
本発明の第2のステージ装置では、前記各第1固定子の前記第2軸方向の位置を調整する第2の位置調整機構を更に備えることとすることができる。
本発明の第2のステージ装置では、前記各第1固定子の少なくとも一方は、前記固定子ユニットの前記第1軸方向への駆動時に生じる反力によって前記第1軸方向に移動可能に支持されていることとすることができる。
この場合において、前記反力の作用に起因して前記各第1固定子の少なくとも一方に生じる回転モーメントを相殺する相殺機構を更に備えることとすることができる。あるいは、前記ステージを支持する第1定盤と;前記一対の第1固定子のそれぞれを支持し、少なくとも1つが床面に対して移動可能な第2定盤と;前記可動子ユニットとの前記第1軸方向への駆動時に生じる反力を、前記固定子ユニットを介して前記少なくとも1つの第2定盤に伝達する伝達機構と、を更に備えることとすることができる。
この場合において、前記反力の作用に起因して前記少なくとも1つの第2定盤に生じる回転モーメントを相殺する相殺機構を更に備えることとすることができる。
この場合において、前記相殺機構は、前記少なくとも1つの第2定盤上に固定された固定子と;該固定子との間の電磁相互作用により駆動され、前記回転モーメントによる前記少なくとも1つの第2定盤の回転を相殺する方向の反力を発生する可動子とを有することとすることができる。
本発明は、第3の観点からすると、マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写する露光装置であって、前記感光物体が前記物体として前記ステージ上に載置される本発明の第1、第2のステージ装置のいずれかを具備することを特徴とする露光装置である。
これによれば、感光物体が物体としてステージ上に載置される本発明の第1、第2のステージ装置のいずれかを具備するので、感光物体の位置制御性の向上が可能となり、これにより感光物体上に精度良くマスクに形成されたパターンを転写することが可能となる。
この場合において、前記パターンを前記感光物体上に投影する投影光学系と;前記マスクが載置されるマスクステージと;前記マスクステージと前記ステージとを同期して、前記第2軸方向に関して、前記投影光学系に対して相対移動する同期移動装置と;を更に備えることとすることができる。
また、リソグラフィ工程において、本発明の露光装置を用いて基板上にデバイスパターンを転写することにより、高集積度のマイクロデバイスの生産性を向上することが可能である。従って、本発明は、更に別の観点からすると、本発明の露光装置を用いるデバイス製造方法であるとも言える。
[図1]一実施形態に係る露光装置を概略的に示す図である。
[図2]図1のウエハステージ装置を示す斜視図である。
[図3(A)]ウエハステージを−X側から見た図である。
[図3(B)]ウエハステージ及び固定子ユニットを示す平面図である。
[図4]取り付け部材65Bに設けられたエアベアリング51Bの構成を説明するための図である。
[図5(A)]一対のX軸リニアモータの駆動制御方法を説明するための図(その1)である。
[図5(B)]一対のX軸リニアモータの駆動制御方法を説明するための図(その2)である。
[図6]位置調整機構とY軸固定子との関係を説明するための図である。
[図7(A)]相殺機構の構成を説明するための図(その1)である。
[図7(B)]相殺機構の構成を説明するための図(その2)である。
[図8]相殺機構の駆動方法及び作用を説明するための図である。
[図9]第1の変形例に係るステージ装置の構成を示す斜視図である。
[図10(A)]第1の変形例のステージ装置における相殺機構の制御方法を説明するための図(その1)である。
[図10(B)]第1の変形例のステージ装置における相殺機構の制御方法を説明するための図(その2)である。
[図11]第2の変形例に係るステージ装置の構成を示す斜視図である。
[図12]第3の変形例に係るステージ装置の構成を示す斜視図である。
[図13]本発明に係るデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
[図14]図13のステップ204の具体例を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1には、一実施形態の露光装置10が一部断面して概略的に示されている。
この露光装置10は、マスクとしてのレチクルRと感光物体(及び物体)としてのウエハWとを一次元方向(ここでは、図1における紙面直交方向であるY軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルRに形成された回路パターンを投影光学系PLを介してウエハW上の複数のショット領域にそれぞれ転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、すなわちいわゆるスキャニング・ステッパである。
露光装置10は、照明光ILによりレチクルRを照明する照明系12、レチクルRが載置されるレチクルステージRST、レチクルRから射出される照明光ILをウエハW上に投射する投影光学系PL、ウエハWが載置されるステージ装置20等を備えている。
前記照明系12は、例えば特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号などに開示されるように、光源と、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、内面反射型インテグレータ、あるいは回折光学素子など)等を含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)から成る照明光学系とを含んで構成されている。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。この照明系12では、回路パターン等が形成されたレチクルR上でX軸方向に細長く延びるスリット状(又は矩形状)の照明領域(この照明領域はレチクルブラインドで規定される)を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)あるいはFレーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
ここで、照明系12内の各駆動部、例えば可変NDフィルタ、レチクルブラインド等は、主制御装置50からの指示に応じ不図示の照明制御装置(露光コントローラ)によって制御される。
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動部22によって、照明系12の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内でX軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微少駆動可能であるとともに、レチクルステージベース30の上面に沿って所定の走査方向(Y軸方向)に指定された走査速度で駆動可能となっている。なお、レチクルステージ駆動部22は、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする機構であるが、図1では図示の便宜上から単なるブロックとして示されている。なお、レチクルステージRSTとしては、Y軸方向に一次元駆動する粗動ステージと、該粗動ステージに対してレチクルRを少なくとも3自由度方向(X軸方向、Y軸方向、及びθz方向)に微小駆動可能な微動ステージとを有する粗微動構造のステージを採用しても勿論良い。
レチクルステージRSTのXY面内の位置(θz回転を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報(θz回転量(ヨーイング量)などの回転情報を含む)は主制御装置50に供給される。主制御装置50では、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部22を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。なお、移動鏡15に代えて、例えば、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡15の反射面に相当)を形成しても良い。
前記投影光学系PLとしては、物体面側(レチクル側)と像面側(ウエハ側)の両方がテレセントリックでその投影倍率が1/4(又は1/5)の縮小系が用いられている。このため、レチクルRに照明系12から照明光(紫外パルス光)ILが照射されると、レチクルR上に形成された回路パターン領域のうちの紫外パルス光によって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その照明光ILの照射領域(前述の照明領域)内の回路パターンの像(部分倒立像)が紫外パルス光の各パルス照射の度に投影光学系PLの像面側の視野の中央にX軸方向に細長いスリット状(又は矩形状(多角形))に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
投影光学系PLとしては、照明光ILとしてKrFエキシマレーザ光又はArFエキシマレーザ光などを用いる場合には、屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る屈折系が主として用いられるが、照明光ILとしてFレーザ光を用いる場合には、例えば特開平3−282527号公報及びこれに対応する米国特許第5,220,454号などに開示されるような、屈折光学素子と反射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合わせたいわゆるカタディオプトリック系(反射屈折系)、あるいは反射光学素子のみから成る反射系が主として用いられる。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。但し、Fレーザ光を用いる場合に、屈折系を用いることは可能である。
前記ステージ装置20は、投影光学系PLの図1における下方に配置され、ウエハWを保持するステージとしてのウエハステージWST、該ウエハステージWSTをX軸(第1軸)方向に所定ストロークで駆動するとともに、Y軸(第2軸)方向及びZ軸(第3軸)回りの回転方向(θz方向)に微小駆動する第1駆動機構、及び該第1駆動機構と一体的にウエハステージWSTをY軸方向に駆動する第2駆動機構等を備えている。
以下、このステージ装置20の構成各部について、図2を中心に、適宜その他の図面を参照しつつ詳述する。
前記ウエハステージWSTは、クリーンルームの床面Fで複数(例えば3つ)の防振ユニット92を介して略水平に支持された平面視(上方から見て)長方形の第1定盤44の上方に配置されている。この第1定盤44の上面44aは、平坦度が非常に高く仕上げられ、ウエハステージWSTを案内するガイド面とされている。以下においては、第1定盤44の上面44aを「ガイド面44a」とも記述する。
上記複数の防振ユニット92は、床面Fから第1定盤44に伝達される微振動(暗振動)を、マイクロGレベルで絶縁する。なお、複数の防振ユニット92として、第1定盤44の所定個所にそれぞれ固定された半導体加速度計等の振動センサの出力に基づいて第1定盤44をそれぞれ積極的に制振する、いわゆるアクティブ防振装置を用いることは勿論可能である。
前記ウエハステージWSTは、図2に示されるように、ウエハWを保持するウエハテーブルWTBと、該ウエハテーブルWTBをZ・チルト駆動機構96a〜96cを介して支持するステージ本体100とを備えている。
ステージ本体100は、図3(A)に示されるように、YZ断面が矩形の枠状体によって構成されている。このステージ本体100は、Z軸方向に関して所定間隔を隔てて配設された天板99a及び底板99bと、当該天板99a及び底板99b相互間にY軸方向に所定間隔を隔てて配置され、両者を連結する2枚の側板99c,99dとを有している。このうち、天板99aとしては、平面視(上方から見て)多角形の板部材が用いられ、残りの板99b、99c、99dとしては、長方形の板部材が用いられている。
底板99bの底面には、図3(A)に示されるように、第1の軸受け機構としての複数の気体静圧軸受け(例えばエアベアリング)94が設けられている。この気体静圧軸受け94から前述した第1定盤44のガイド面44aに向けて加圧気体(例えばヘリウム又は窒素ガス(あるいはクリーンな空気)など)を噴き付けることにより、その加圧気体の静圧とウエハステージWST(全体)の自重との釣り合いによりウエハステージWSTがガイド面44aの上方に数μm程度のクリアランスを介して浮上支持されている。
前記天板99aの下面の中央部には、図3(A)に示されるように、第2可動子としての磁極ユニット76Aが固定されている。また、天板99aの下面の磁極ユニット76AのY軸方向の一側及び他側には、一対の第3可動子としての磁極ユニット76B,76Cが設けられている。これら磁極ユニット76A〜76Cのうち、磁極ユニット76Aは、YZ断面矩形の磁性体から成る枠状部材31と該枠状部材31の内側の一対の対向面(上面及び下面)にそれぞれ設けられた一対のX軸方向に細長く延びる永久磁石33A、33Bとを備えている。永久磁石33Aと永久磁石33Bとは、互いに逆極性とされている。従って、永久磁石33Aと永久磁石33Bとの間には、磁束の向きが−Z方向(又は−Z方向)の磁界が生じている。
残りの磁極ユニット76B,76Cのうちの一方の磁極ユニット76Bは、図3(A)に示されるように、YZ断面矩形の磁性体から成る枠状部材35と、該枠状部材35の内側の一対の対向面(上面及び下面)にX軸方向に沿って所定間隔でそれぞれ配設された複数の界磁石37とを有している。この場合、X軸方向に隣り合う界磁石37同士、Z軸方向で向かい合う界磁石37同士は互いに逆極性とされている。このため、枠状部材35の内部空間には、X軸方向に関して交番磁界が形成されている。なお、もう一方の磁極ユニット76Cも前記磁極ユニット76Bと同様に構成されている。
前記固定子ユニット60は、図3(A)及び図3(B)を総合するとわかるように、X軸方向に延びるYZ断面がH字状の第2固定子としての電機子ユニット61Aと、該電機子ユニット61Aの±Y側に所定間隔を隔ててかつ平行に延設された断面H字状の一対の第3固定子としての電機子ユニット61B,61Cと、これら電機子ユニット61A〜61Cの長手方向の一端部と他端部をそれぞれ一体化する一対の取り付け部材65A,65Bとを有している。
このうち、電機子ユニット61Aは、前述した磁極ユニット76Aを構成する永久磁石33A、33Bと枠状部材31とによって形成される空間内に挿入されている。また、電機子ユニット61Bは、前述した磁極ユニット76Bの内部空間に挿入されている。また、電機子ユニット61Cは、前述した磁極ユニット76Cの内部空間に挿入されている。本実施形態では、固定子ユニット60とウエハステージ本体100とを組み付けるに際しては、電機子ユニット61A〜61Cの長手方向の一端部を、例えば取り付け部材65Aで連結した状態で、電機子ユニット61A〜61Cの長手方向の他端部を、対応する磁極ユニット76A〜76Cの内部空間にそれぞれ挿入し、その挿入後に電機子ユニット61A〜61Cの長手方向の一端部を、取り付け部材65Bで連結することとすれば良い。
前記電機子ユニット61Aの内部には、例えば磁極ユニット76A内に形成されたZ軸方向の磁界中で−X方向にのみあるいは−X方向にのみ電流を流すことができるような配置で1つ又は複数の電機子コイルが配設されている。この場合、電機子コイルとしては、例えばY軸方向に所定間隔で配置されたX軸方向に細長く延びる環状の一対のコイルを用いることができる。
本実施形態では、この電機子ユニット61Aを構成する電機子コイルに供給される電流の大きさ及び方向が主制御装置50によって制御されるようになっており、これによって、磁極ユニット76Aを電機子ユニット61Aに対してY軸方向に駆動する駆動力(ローレンツ力)の大きさ及び方向が任意に制御される。すなわち、電機子ユニット61Aと、磁極ユニット76Aとによって、ウエハステージWSTをY軸方向に微小駆動するY軸微動モータ75Aが構成されている。以下においては、電機子ユニット61AをY軸微動固定子61Aとも呼び、磁極ユニット76AをY軸微動可動子76Aとも呼ぶものとする。
また、前記電機子ユニット61B,61Cの内部には、X軸方向に沿って所定間隔(所定ピッチ)で複数の電機子コイルが配設されている。本実施形態では、磁極ユニット76B,76Cの内部空間にそれぞれ形成されるX軸方向に関する交番磁界の中に位置する少なくとも1つの電機子コイルに対して供給される電流の大きさ及び方向が主制御装置50によって制御されるようになっており、これによってステージ本体100に設けられた磁極ユニット76B,76Cのそれぞれを、電機子ユニット61B,61Cに対して、X軸方向に駆動する駆動力(ローレンツ力)の大きさ及び方向が任意に制御される。この場合、例えば図5(A)に示されるように、ウエハステージWSTの重心Gsに関して対称な位置にX軸方向の駆動力fを生じさせることで、ウエハステージWST(の重心)を2×fの力でX軸方向に駆動することができる。また、図5(B)に示されるように、ウエハステージWSTの重心Gsに関して対称な位置に同一の大きさ、かつ反対方向の駆動力f及び−fを発生させることにより、ウエハステージWSTを重心Gs回りに回転させることができる。
すなわち、電機子ユニット61B,61Cと、これらにそれぞれ係合する磁極ユニット76B,76Cとによって、ウエハステージWSTをX軸方向に所定ストロークで駆動し、かつウエハステージWSTをZ軸回りの回転方向に微小駆動するムービングマグネット型のX軸リニアモータ75B,75Cが構成されている。以下においては、電機子ユニット61B,61CをX軸固定子61B,61Cとも呼び、磁極ユニット76B,76CをX軸可動子76B,76Cとも呼ぶものとする。
また、これまでの説明から明らかなように、ステージ本体100に設けられたY軸微動可動子76A及びX軸可動子76B,76Cによって、可動子ユニットが構成され、該可動子ユニットと、前述の固定子ユニット60とによって、電磁相互作用によりウエハステージWSTを、X軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、Y軸方向及びZ軸回りに微小駆動する第1の駆動機構が構成されている。
前記第1定盤44のX軸方向の一側(−X側)及び他側(−X側)には、図1に示されるように、XZ断面L字状でY軸方向を長手方向とする一対の第2定盤46A、46Bが左右対称な状態で配置されている。このうち、第1定盤44の−X側に位置する一方の第2定盤46Aは、クリーンルームの床面F上に固定されており、その+X側(内側)の端部が凸部とされている。この凸部の上面(以下、便宜上「第1面」とも呼ぶ)146a(図2参照)は、前述の固定子ユニット60を後述するようにしてZ軸方向に関して支持する支持面とされている。また、凸部の外側の一段下がった面(以下、便宜上「第2面」とも呼ぶ)146bには、図2に示されるように、Y軸方向を長手方向とする断面U字状のガイド部材48Aが固定されている。
第1定盤44の+X側に位置する他方の第2定盤46Bは、クリーンルームの床面F上に気体静圧軸受け(例えばエアベアリング)42を介して浮上支持されている。この第2定盤46Bは、第2定盤46Aと左右対称ではあるが同様の形状を有している。なお、この第2定盤46Bは、前述した第2定盤46Aに比べY軸方向の長さが幾分長く形成されている(図2参照)。
図2に示されるように、第2定盤46Bは、−X側(内側)端部が凸部とされており、該凸部の上面(以下、便宜上「第1面」とも呼ぶ)146c及び±X側の側面(146e,146f(図4参照))は、固定子ユニット60を後述するようにしてZ軸方向及びX軸方向に関してそれぞれ支持する支持面とされている。また、凸部の外側の一段下がった面(以下、便宜上「第2面」とも呼ぶ)146dには、前述したガイド部材48Aと同様の形状を有するガイド部材48Bが固定されている。
前記固定子ユニット60の長手方向一端部及び他端部には、図3(B)に示されるように、取り付け部材65A,65Bをそれぞれ介して第1可動子としての一対の電機子ユニット64A、64Bが設けられている。
また、取り付け部材65A、65Bの底面には、第2の軸受け機構としての気体静圧軸受け(例えばエアベアリング)51A、51B(ただし、図2では、一方の第2の軸受け機構51Bについては不図示、図4参照)が設けられている。
一方の取り付け部材65Aに設けられた気体静圧軸受け51Aは、図2に示されるように、前述した第2定盤46Aの凸部の上面(第1面)146aに対向して配置されている。気体静圧軸受け51Aからは第1面146aに向けて加圧気体(例えばヘリウム又は窒素ガス(あるいはクリーンな空気)など)が噴出され、その加圧気体の静圧によって気体静圧軸受け51Aの軸受け面と第1面146aとの間に数μm程度のクリアランスが形成されている。
他方の取り付け部材65Bに設けられた気体静圧軸受け51Bは、図4に示されるように、第2定盤46Bの第1面146cに対向して配置されている。この気体静圧軸受け51Bからは、第1面146cに向けて加圧気体が噴出され、その加圧気体の静圧によって気体静圧軸受け51Bの軸受け面と第1面146cとの間に数μm程度のクリアランスが形成されている。
すなわち、固定子ユニット60及び一対の電機子ユニット64A、64Bの全体が、気体静圧軸受け51A、51Bによって第2定盤46A、46Bの第1面146a,146cに対して非接触でZ軸方向に関して支持されている。
前記エアベアリング51BのX軸方向の一側と他側には、図4に示されるように、一対の気体静圧軸受け151a、151bがそれぞれ固定されている。このうち、一方の気体静圧軸受け151aは、第2定盤46Bの凸部の側面146eに対向して配置され、該側面146eに向けて加圧気体を噴出している。また、他方の気体静圧軸受け151bは、第2定盤46Bの凸部の側面146fに対向して配置され、該側面146fに向けて加圧気体を噴出している。この場合、気体静圧軸受け151a、151bからそれぞれ噴出される加圧気体の静圧(隙間内圧力)の釣り合いにより、凸部とそれぞれの気体静圧軸受けとの間には、それぞれ数μm程度のクリアランスが形成され、かつ維持されるようになっている。本実施形態では、第2定盤46Bの凸部は、固定子ユニット60のヨーガイドの役目を兼ねている。また、気体静圧軸受け151a、151bによってウエハステージWST(可動子ユニット)のX軸方向への駆動時に生じる反力を固定子ユニット60を介して第2定盤46Bに伝達する伝達機構が構成されている。
なお、前述のように、第1定盤44を支持する防振ユニット92は、床面Fから伝達される振動を絶縁させる機能を有する。そのために、この防振ユニット92によって第1定盤44がZ軸方向に微小駆動できるような構成としても良い。また、防振ユニット92を、例えばアクチュエータとエアマウントとを有するようなアクティブ防振装置とした場合においても、このアクチュエータによって第1定盤44をZ軸方向に能動的に動かすことで防振機能を働かせることもできる。また、必要に応じてアクティブ防振装置によって6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz方向)に第1定盤44を移動させることで制振させるようにしても良い。更に、ウエハステージWSTのウエハ保持面と投影光学系PLの焦点位置とのZ軸方向の位置関係を所定の関係に維持するために、アクチュエータ等によって第1定盤44をZ軸方向に移動させることも考えられる。このように第1定盤44を移動させた場合、第1定盤44のガイド面44a上にあるウエハステージWSTも第1定盤44と略同じような働きをする。従って、第1定盤44がZ軸方向に移動可能に構成されている場合、第1定盤44と第2定盤46A,46Bとの間で、Z軸方向に関する相対位置の変化が生じる。また、第1定盤44がθx,θy方向に移動(回転)できるように構成した場合においても、第1定盤44と第2定盤46A,46Bとの間で、Z軸方向に関する相対位置の変化が生じる。本実施形態の構成においては、Y軸微動モータ75A,X軸リニアモータ75B,75Cは、それぞれの可動子(磁極ユニット76A,76B,76C)が、ウエハステージWSTに固定された状態で第1定盤44上に支持される。また、それぞれの固定子(電機子ユニット61A,61B,61C)は、一対の取付部材65A,65Bを介して第2定盤46A,46B上に支持される。その結果、Z軸方向における第1定盤44と第2定盤46A,46Bとの間の相対位置が変化すると、Y軸微動モータ75A,X軸リニアモータ75B,75Cは、それぞれの可動子と固定子との間のZ軸方向における相対位置も変化することになる。従って、これらのモータ75A,75B,75Cそれぞれの可動子と固定子との間のZ軸方向に関する間隔(ギャップ)は、第1定盤44がZ軸方向に移動しても、可動子と固定子とが接触しないような値に予め定めておく必要がある。例えば、走査露光中、第1定盤44が防振ユニット92によってZ軸方向に移動できる範囲を基準位置から±0.3〜3.0mmと設定した場合、モータ75A,75B,75Cそれぞれの可動子と固定子との間のZ軸方向の間隔はそれぞれ0.4〜4.0mm程度に設定すると良い。この場合、モータ75A,75B,75Cそれぞれは、可動子と固定子とのギャップ距離によって、駆動方向の出力が変化しないように構成されていることが望ましい。また、ステージ装置20のメンテナンス等を行なう際に、第1定盤44のZ位置が変化する場合(例えば、防振ユニット92がエアマウントを有していて、そのエアを抜いた状態にしたときなど)もモータ75A,75B,75Cそれぞれの可動子と固定子とが接触しないようにする必要がある。このとき、可動子と固定子との間隔だけでは接触を防ぐことができない場合には、予めストッパ等を設けておき、このストッパで接触を防止できるようにした後で、第1定盤44のZ軸方向の位置を変更するようにすれば良い。また、第1定盤44と第2定盤46A,46Bとの間のガイド面の平行度が変化した場合、気体静圧軸受け51A,51B,151a,151bにおけるクリアランスが減少し、例えば軸受けと定盤のガイド面とが接触する場合もあり得る。そこで、例えば、取り付け部材65Bと固定子ユニット60との間及び取り付け部材65Aと気体静圧軸受け51Aとの間に板バネ、フレキシャ等を備えたヒンジ機構(図示せず)を設け、前記平行度の変化を許容できるように構成しても良い。この場合、取り付け部材65Bと固定子ユニット60との間に設けられるヒンジ機構は、θy方向の自由度を持つ構成とし、取り付け部材65Aと気体静圧軸受け51Aとの間に設けられるヒンジ機構は、θx方向とθy方向の自由度を持つ構成とすれば良い。これらのヒンジ機構により、第1定盤44と第2定盤46A,46Bとの平行度が変化しても、ヒンジ機構での変形によって気体静圧軸受け51A,51B,151a,151bに回転方向の応力(ストレス)が作用することがなく、これら各気体静圧軸受けにおける所定のクリアランスを維持することが可能となる。
図2に戻り、前記一対の電機子ユニット64A、64Bにそれぞれ対向して、第2定盤46A,46B上方には、第1固定子としての一対の磁極ユニット62A、62BがY軸方向に沿って延設されている。
これら磁極ユニット62A、62Bのうち一方の磁極ユニット62Aは、図2に示されるように、平面視(上方から見て)矩形板状の上板部材54Aと、該上板部材54Aと同一形状を有する下板部材54Bと、これら上板部材54A及び下板部材54Bとを連結する状態で設けられた断面コ字状(U字状)の中間部材56とから成るヨーク60Aと、このヨーク60Aの一対の対向面(上面及び下面)にY軸方向に沿って所定間隔でそれぞれ配設された複数の界磁石108とを有している。この場合、Y軸方向に隣り合う界磁石108同士、Z軸方向で向かい合う界磁石108同士が逆極性とされている。このため、ヨーク60Aの内部空間には、Y軸方向に関して交番磁界が形成されている。
他方の磁極ユニット62Bも、磁極ユニット64Aと同様に構成されている。すなわち、平面視(上方から見て)矩形板状の上板部材54Aと、該上板部材54Aと同一形状を有する下板部材54Bと、これら上板部材54A及び下板部材54Bとを連結する状態で設けられた断面コ字状(U字状)の中間部材56とから成るヨーク60Bと、このヨーク60Bの一対の対向面(上面及び下面)にY軸方向に沿って所定間隔でそれぞれ配設された複数の界磁石108とを有している。ヨーク60Bの内部空間にも、Y軸方向に関して交番磁界が形成されている。
前記電機子ユニット64A、64Bは、内部が中空とされた筐体と、該筐体内にY軸方向に沿って所定間隔で配設された不図示の電機子コイルとにより構成されている。
従って、電機子ユニット64A、64Bをそれぞれ構成する電機子コイルを流れる電流と、磁極ユニット62A、62Bをそれぞれ構成する界磁石の発生する磁界(交番磁界)との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力により、電機子ユニット64A、64B(すなわち固定子ユニット60)が磁極ユニット62A、62Bに沿ってY軸方向に駆動される。すなわち、本実施形態では、電機子ユニット64A、64Bと磁極ユニット62A、62Bとによって、ムービングコイル型のリニアモータから成る、第2駆動機構としての一対のY軸リニアモータ66A、66Bが、それぞれ構成されている。従って、以下では、磁極ユニット62A、62BをY軸固定子62A、62Bとも呼び、電機子ユニット64A、64BをY軸可動子64A、64Bとも呼ぶ。
また、一方の磁極ユニット(Y軸固定子)62Aの下面には、Y軸方向を長手方向とする角柱状のスライド部材68Aが固定され、他方の磁極ユニット(Y軸固定子)62Bの下面には、Y軸方向を長手方向とする角柱状のスライド部材68Bが固定されている。
一方のスライド部材68Aは、図2に示されるように、そのX軸方向両側の側面及び下面が、前述したU字状のガイド部材48Aの内側の3面にそれぞれ対向する状態で配置されており、スライド部材68Aは3方向(+X方向、−X方向及び−Z方向)から不図示の気体静圧軸受け(例えばエアベアリング)をそれぞれ介してガイド部材48Aによって非接触で支持されている。この場合、Y軸固定子62Aの下面とガイド部材48Aとの間には、所定のクリアランスが形成されている。
他方のスライド部材68Bは、図2に示されるように、そのX軸方向両側の側面及び下面が、前述したU字状のガイド部材48Bの内側の3面にそれぞれ対向する状態で配置されており、スライド部材68Bは3方向(+X方向、−X方向及び−Z方向)から不図示の気体静圧軸受け(例えばエアベアリング)をそれぞれ介してガイド部材48Bによって非接触で支持されている。この場合、Y軸固定子62Bの下面とガイド部材48Bとの間には、所定のクリアランスが形成されている。
前記Z・チルト駆動機構96a〜96cは、ステージ本体100の上面のほぼ正三角形の頂点となる位置にそれぞれ配置されている。Z・チルト駆動機構96a〜96cのそれぞれは、ウエハテーブルWTBを支持するとともに、独立してZ軸方向に微少駆動するボイスコイルモータを含む。従って、Z・チルト駆動機構96a〜96cによって、ウエハテーブルWTBはZ軸方向、θx方向(X軸回りの回転方向)、及びθy方向(Y軸回りの回転方向)の3自由度方向について微少駆動される。本実施形態では、Z・チルト駆動機構96a〜96cは、図1の主制御装置50によって制御される。
Z・チルト駆動機構96a〜96cによってステージ本体100上で支持された前記ウエハテーブルWTB上には、図1に示されるように、ウエハホルダ25を介してウエハWが静電吸着又は真空吸着により固定されている。ウエハテーブルWTBのXY面内の位置(θz回転を含む)は、ウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)104により、移動鏡102を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時計測されている。
ここで、ウエハテーブルWTB上には、実際には、図2に示されるように、Y軸方向の一側(+Y側)の端部にX軸方向に延びるY移動鏡102aが固定され、X軸方向の一側(−X側)の端部にY軸方向に延びるX移動鏡102bが固定されている。これらの移動鏡102a、102bの外面は、鏡面加工がなされた反射面とされている。また、上記の移動鏡102a、102bに対応して、ウエハ干渉計も、Y移動鏡102aの反射面にレーザビーム(測長ビーム)を照射するY干渉計と、X移動鏡102bの反射面にレーザビーム(測長ビーム)を照射するX干渉計とが設けられている。
このように、移動鏡、ウエハ干渉計はそれぞれ複数設けられているが、図1では、これらが代表的に移動鏡102、ウエハ干渉計104として示されている。
この場合、X干渉計及びY干渉計としては、ともに測長軸を複数有する多軸干渉計が用いられており、ウエハテーブルWTBのX、Y位置及びヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)に加え、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能とされている。なお、例えば、ウエハテーブルWTBの端面を鏡面加工して反射面(前述の移動鏡102a,102bの反射面に相当)を形成しても良い。また、前述の多軸干渉計は45°傾いてウエハテーブルWTBに設置される反射面を介して、投影光学系PLが載置される架台(不図示)に設置される反射面にレーザビームを照射し、投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出するようにしても良い。
ウエハ干渉計104で計測されるウエハテーブルWTB(ウエハステージWST)の位置情報(又は速度情報)は主制御装置50に送られ、主制御装置50ではウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)に基づいてY軸リニアモータ66A,66B、X軸リニアモータ75B,75C、Y軸微動モータ75Aを介してウエハステージWSTのXY面内位置を制御する。
ステージ装置20は、図2に示されるように、前述のY軸固定子62A,62BのY軸方向の位置を調整する2つの位置調整機構52A,52Bを更に備えている。このうちの一方の位置調整機構52Bは、図2に示されるように、床面F上に支持部材72を介して所定高さ位置で支持された電機子ユニット74を固定子として有し、前述した磁極ユニット62B、すなわちY軸固定子62Bの一部を可動子として有するムービングマグネット型のリニアモータによって構成されている。
すなわち、電機子ユニット74は、図6に示されるように、Y軸固定子62Bを構成するヨーク60Bの中間部材56に形成された矩形開口OPを介してヨーク60Bの内部空間(複数の界磁石によって交番磁界が形成された空間)に挿入されている。電機子ユニット74の内部には、少なくとも1つの電機子コイルが設けられており、この電機子コイルに流れるX軸方向の電流と、上記の交番磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力により、Y軸固定子62Bが電機子ユニット74に対してY軸方向に駆動される。この場合、電機子ユニット74内部の電機子コイルに供給される電流の大きさ及び方向が、図1の主制御装置50によって制御されるようになっている。
他方の位置調整機構52Aは、上述した位置調整機構52Bと同様の構成のムービングマグネット型のリニアモータによって構成され、Y軸固定子62AをY軸方向に駆動する。
なお、これらの位置調整機構52A,52BによるY軸固定子の位置調整のタイミング等については更に後述する。
ステージ装置20は、ウエハステージWSTのX軸方向への駆動の際に生じる反力の作用に起因して第2定盤46Bに生じる回転モーメントを相殺する相殺機構を更に備えている。この相殺機構78は、図2に示されるように、第2定盤46Bの第2面146dの−Y側端部に、配設されている。この相殺機構78は、図2及び図7(A)に示されるように、第2定盤46B上に固定された固定部78Aと、該固定部78Aの長手方向に沿って移動する可動部78Bとを備えている。
前記固定部78Aは、図7(B)に示されるように、断面略U字状のガイド179と該ガイド179の上面に固定された固定子RMaとを備えている。この場合、ガイド179が、第2定盤46B上に直接固定されている。前記固定子RMaは、断面I字状でその内部に複数の電機子コイルが配置されている。
前記可動部78Bは、図7(B)に示されるように、可動子RMbと、該可動子RMbのY軸方向両側に固定された一対の重量物(マス)178A,178Bとを備えている。可動子RMbは、断面矩形の筒状部材と、該筒状部材の内側の一対の対向面(Y軸方向の両側面)に固定された複数の界磁石とから構成されている。
固定子RMaと可動子RMbとが、図7(A)に示されるように係合した状態においては、固定子RMa内を流れる電流と、可動子RMb内に形成される磁界との間の電磁相互作用により、可動子RMbにはX軸方向の駆動力が作用することとなる。すなわち、これら固定子RMaと可動子RMbとにより、ムービングマグネット型のリニアモータRMが構成されている。
また、可動子RMbのY軸方向両側に固定されたマス178A,178Bのガイド179に対向する部分の一部には、不図示の気体静圧軸受けが設けられており、当該気体静圧軸受けを介してマス178A,178Bがガイド179に対して数μmのクリアランスを介して浮上支持されている。これらのマス178A,178Bは、小さなストロークで大きな反力(力)を発生させるために設けられている。マス178A,178Bとしては、比較的密度の大きい部材で構成するなどして、質量をできる限り大きくすることが望ましい。
このようにして構成された相殺機構78(すなわちリニアモータRM)は、図1の主制御装置50によって後述するようにして制御される。
ステージ装置20は、図2に示されるように、第2定盤46BをX軸方向に駆動可能なボイスコイルモータ80を更に備えている。このボイスコイルモータ80は、第2定盤46Bの+X側の側面に突設された平板状の可動子81と、該可動子81と非接触で係合するように、支持部材83を介して床面Fの上方に配置された断面U字状の固定子82とを備えている。この場合、例えば可動子81が、その内部に電機子コイルを有する電機子ユニットであり、固定子82が、その内側の一対の対向面(上面及び下面)に互いに逆極性の界磁石が設けられた磁極ユニットであることとすることができる。
可動子81は、第2定盤46Bの重心に対応するY軸方向の位置に設けられている。従って、ボイスコイルモータ80が、主制御装置50により駆動された場合に、第2定盤46Bをθz回転させることなく、X軸方向に駆動することが可能となっている。
図1に戻り、本実施形態の露光装置10は、主制御装置50によってオンオフが制御される光源を有し、投影光学系PLの結像面に向けて多数のピンホール又はスリットの像を形成するための結像光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射する照射系AFaと、それらの結像光束のウエハW表面での反射光束を受光する受光系AFbとから成る斜入射方式の多点焦点位置検出系から成る焦点位置検出系を、更に備えている。なお、本実施形態の焦点位置検出系(AFa、AFb)と同様の多点焦点位置検出系の詳細な構成は、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号等に開示されている。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
主制御装置50では、後述する走査露光時等に、受光系AFbからの焦点ずれ信号(デフォーカス信号)、例えばSカーブ信号に基づいて、Z・チルト駆動機構96a〜96cを介してウエハテーブルWTBのZ軸方向への移動、及び2次元面に対する傾斜(すなわち、θx,θy方向の回転)を制御する、すなわち多点焦点位置検出系(AFa、AFb)の検出結果に基づいてウエハテーブルWTBの移動を制御することにより、照明光ILの照射領域(照明領域と結像関係になる露光領域)内で投影光学系PLの結像面とウエハW(ショット領域)の表面とを実質的に合致させる(換言すれば、露光領域内でショット領域の表面を投影光学系PLの焦点深度内に設定する)オートフォーカス(自動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行する。
上述のように構成される本実施形態の露光装置10によると、通常のスキャニング・ステッパと同様に、レチクルアライメント、不図示のアライメント系のベースライン計測、並びにEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式のウエハアライメント等の所定の準備作業が行われた後、以下のようにしてステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
なお、上記のレチクルアライメント、ベースライン計測等の準備作業については、例えば特開平7−176468号公報及びこれに対応する米国特許第5,646,413号に詳細に開示されており、これに続くEGAについては、特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号等に詳細に開示されている。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記各公報並びにこれらに対応する上記米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
すなわち、主制御装置50では、ウエハアライメントの結果に基づいて、ウエハテーブルWTB上に保持されたウエハW上の第1ショット領域(ファーストショット領域)の露光のための加速開始位置にウエハステージWSTを移動する。この移動は、主制御装置50により、ウエハ干渉計104の計測値に基づいて、Y軸リニアモータ66A、66B、及びX軸リニアモータ75B、75Cを制御することによって行われる。
次いで、主制御装置50では、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向の相対走査を開始して、ウエハW上のファーストショット領域に対する走査露光を行い、そのファーストショット領域にレチクルRの回路パターンを投影光学系PLを介して縮小転写する。
ここで、走査露光の際に、主制御装置50は、レチクル干渉計22、ウエハ干渉計104の計測値をモニタしつつ、レチクルステージ駆動部22及びY軸リニアモータ66A、66Bを制御することにより、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを相対走査するが、この相対走査中(少なくとも露光中)は、両者を精度良く同期させる必要がある。かかる点を考慮して、レチクルステージRSTのウエハステージWSTに対する追従誤差が極力生じないように、主制御装置50はY軸微動モータ75Aを用いて、ウエハステージWSTのY軸方向位置の微調整を行っている。
また、走査露光中には、前述した焦点位置検出系(AFa,AFb)の出力に基づくオートフォーカス、オートレベリングが主制御装置50によりZ・チルト駆動機構96a〜96cを介して実行されている。
このようにして、ファーストショットの走査露光が終了すると、主制御装置50により、ウエハステージWSTがX軸方向にステップ移動され、セカンドショット領域(第2番目のショット領域)の露光のための加速開始位置に移動される。そして、主制御装置50の管理の下、セカンドショット領域に対して上記と同様の走査露光が行われる。
このようにして、ウエハW上のショット領域の走査露光とショット領域間のステッピング動作とが繰り返し行われ、ウエハW上の全ての露光対象ショット領域にレチクルRの回路パターンが順次転写される。
上述のステップ・アンド・スキャン方式の露光動作中に、ウエハステージWSTが固定子ユニット60とともにY軸方向へ駆動されると、その駆動による反力がY軸リニアモータ66A,66Bを構成するY軸固定子62A,62Bに作用する。この反力の作用により、Y軸固定子62A,62Bはガイド48A,48Bに沿ってY軸方向に駆動される。この場合、ガイド48A,48Bと、Y軸固定子62A,62Bに固定されたスライダ68A,68Bとの間は気体静圧軸受けにより非接触とされているので、運動量保存則が略成立するようにY軸固定子62A,62Bが移動し、前述の反力がほぼ完全にキャンセルされる。
但し、Y軸固定子62A,62Bが上記の反力に応じた距離だけ繰り返し移動した場合、Y軸固定子62A,62Bが所定の基準位置からずれ、最悪の場合には、ウエハステージWSTの必要なストローク範囲から外れてしまう可能性がある。このため、本実施形態では、主制御装置50が、露光精度に影響を与えないタイミング、すなわち、例えば露光動作やアライメント動作が行われていない時間などに、前述した位置調整機構52A,52Bを構成する電機子コイルに対する供給電流を制御することにより、Y軸固定子62A,62Bを所定の基準位置に戻す動作を行うようになっている。
また、ウエハステージWSTのY軸方向への目標位置に基づいて、その目標位置にウエハステージWSTを駆動した際に生じる反力が運動量保存則でキャンセルされるような位置にY軸固定子62A,62Bが移動するように、位置調整機構52A,52Bを常時制御するようにしても良い。この場合においても、露光動作やアライメント動作が行われていないタイミングで位置調整機構52A,52Bを駆動するように制御すると良い。
一方、ウエハステージWSTがX軸方向に沿って駆動されると、その駆動による反力は、固定子ユニット60に作用し、該固定子ユニット60がウエハステージWSTとは反対方向に移動しようとする。この場合、固定子ユニット60は、気体静圧軸受け151a,151bを介して、第2定盤46Bに対するX軸方向の位置が維持されているので、上記のX軸方向の反力が第2定盤46Bにも伝達され、固定子ユニット60と第2定盤46Bとが一体的にウエハステージWSTとは反対方向に移動する。
この場合、第2定盤46Bは床面F上にて浮上支持されているので、固定子ユニット60と第2定盤46Bとは、運動量保存則が略成立するように一体的にX軸方向に移動し、これによりウエハステージWSTのX軸方向への駆動による反力がほぼ完全にキャンセルされる。また、このように固定子ユニット60のみが反力キャンセルのために移動するのではなく、固定子ユニット60とともに第2定盤46Bが移動するので、それらの重量が増える分、X軸方向への移動ストロークを小さく抑えることが可能である。
この場合において、ウエハステージWSTのX軸方向への駆動による反力が第2定盤46B及びガイド部材48B、Y軸固定子62Bなどの第2定盤46Bに支持された部材から成る系の重心に作用する場合には問題ないが、図8に示されるように、ウエハステージWSTが、前記系の重心Gpよりも距離L1だけ離れた位置にあり、その位置に反力が作用する場合には、第2定盤46Bに回転モーメント(トルク)Mが発生してしまう。そこで、本実施形態では、主制御装置50が、その反力の大きさ及び作用点の位置に応じて、前述の相殺機構78を構成する可動部78BをX軸方向に駆動することで、回転モーメントMを第2定盤46Bを含む閉じた系内で相殺する。
より具体的には、主制御装置50は、ウエハステージWSTのX軸方向への移動による反力(F)と、系の重心Gpから反力(F)が作用する点までの距離(L1)に応じて発生する重心回りの回転モーメント(M)と、相殺機構78の可動部78BのX軸方向への移動による反力(F)と、系の重心Gpから反力(F)が作用する点までの距離(L2)に応じて発生する重心回りの回転モーメントとが相反する方向で同一の大きさとなるように、相殺機構78の可動部78Bを駆動制御する。これにより、第2定盤46Bを含む系の重心Gp回りに作用するモーメント(M)を第2定盤46Bを含む系内で相殺することが可能となり、回転モーメントMによる第2定盤46Bの回転を防止することができる。
本実施形態では、上記のようにして第2定盤46Bを含む系に作用する回転モーメントを相殺することが可能であるが、第2定盤46Bは、反力Fと反力Fとの合力の作用によって、運動量保存則に従いつつX軸方向に微小量ではあるが、移動する。この第2定盤46Bの移動に伴い、前述の固定子ユニット60及び一対のY軸可動子64A、64Bが、第2定盤46B等に対してX軸方向に移動する。このような移動が、繰り返し行われると、第2定盤46B及び固定子ユニット60等が基準位置からずれ、そのずれが大きくなると、Y軸リニアモータ66Aの制御等に影響が生じることとなる。すなわち、例えばY軸可動子64AがY軸固定子62Aの内部空間から外れてしまったり、エアベアリング51Aが第2定盤46Aの第1面146aから外れてしまったりする可能性がある。従って、このような事態が発生することがないように、主制御装置50では、露光動作やアライメント動作が行われていない間に、ボイスコイルモータ80の駆動を制御し、第2定盤46B及び固定子ユニット60を所定の基準位置、あるいはその近傍に適宜移動する。
また、ウエハステージWSTのX軸方向への目標位置に基づいて、その目標位置にウエハステージWSTを駆動した際に生じる反力が運動量保存則でキャンセルされるような位置に第2定盤46B及び固定子ユニット60が移動するようにボイスコイルモータ80を常時制御しても良い。この場合においても、露光動作やアライメント動作が行われていないタイミングでボイスコイルモータ80を駆動するように制御すると良い。
以上のようにすることで、露光動作、アライメント動作中に生じる反力は、ほぼ完全にキャンセルされ、また、その反力により第2定盤46B等に与えられる回転モーメントの影響を極力抑えることができ、更には、Y軸リニアモータの制御不能などが発生するのを確実に回避することができる。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るステージ装置20によると、ウエハステージWSTは、第1定盤44に形成されたガイド面44aに案内され、前述の第1駆動機構を構成するX軸リニアモータ75B,75CによりX軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、Z軸回りの回転方向に微小駆動される。また、ウエハステージWSTは、第1駆動機構を構成するY軸微動モータ75AによりY軸方向に微小駆動される。さらに、ウエハステージWSTは、第1定盤44に形成されたガイド面44aに案内され、第2駆動機構を構成する一対のY軸固定子64A、64Bと対応する一対のY軸可動子65A、65Bとの間の電磁相互作用により発生する駆動力(すなわち一対のY軸リニアモータ66A、66Bの駆動力)により、前記一対のY軸可動子65A、65Bが長手方向の一端部と他端部とにそれぞれ設けられた固定子ユニット60と一体的に、Y軸方向に駆動される。
この場合、第1駆動機構(Y軸微動モータ75A、X軸リニアモータ75B,75C)を構成する固定子ユニット60(X軸固定子61B、61C及びY軸微動固定子61Aを含む)は、第1定盤44とは振動的に分離された第2定盤46A,46Bの第1面146a,146cによりZ軸方向に関して支持されている。
従って、ウエハステージWSTが固定子ユニット60とともに一対のY軸リニアモータ66A、66BによりY軸方向に駆動される際に、一対のY軸固定子64A、64Bに振動が仮に発生した場合にも、その振動は、Y軸固定子64A、64Bを個別に支持する第2定盤46A、46Bに伝達するのみで、これらと振動的に分離された第1定盤44に伝達されることはない。また、Y軸固定子64A、64Bの振動が対応するY軸可動子65A、65Bに伝達されたとしても、それらのY軸可動子65A、65Bがその両端に設けられた固定子ユニット60は、一対の第2定盤46A、46Bの支持面146a、146Bに気体静圧軸受けを介してZ軸方向に関して非接触で支持されているので、第2定盤46A、46Bに振動が伝達されることはあっても、これらの第2定盤46A、46Bと振動的に分離された第1定盤44に伝達されることはない。また、Y軸可動子65A、65Bの振動が固定子ユニット60に影響を与えることも殆どない。なお、防振ユニット92は、第1定盤44に伝達される振動の影響がなければ、必ずしも設ける必要はない。防振ユニット92を設けない場合、第1定盤44と第2定盤46A,46Bとを一体に構成しても良い。
また、可動子ユニット(具体的には、Y軸微動可動子76A)と固定子ユニット60(具体的には、Y軸微動固定子61A)との間の電磁相互作用により発生する駆動力よりウエハステージWSTをY軸方向(走査方向)へ微小駆動することができるので、ウエハステージWST(可動子ユニット)と固定子ユニット60とのY軸方向の位置関係を維持するためにエアベアリング等を設ける必要がないとともに、ウエハステージWSTをY軸方向に関して所望の位置に精度良く移動させることが可能となる。
この場合、固定子ユニット60のY軸方向への移動が直接的にウエハステージWSTに影響を与えることもない。これにより、ウエハステージWSTのY軸方向への駆動がウエハステージWSTの振動要因となることがなく、Y軸方向への駆動に際してウエハステージWSTの位置制御精度を高く維持することができる。
また、ウエハステージWSTは、可動子ユニットと固定子ユニット60との間の電磁相互作用によって生じる駆動力によりガイド面44aに案内された状態で、固定子ユニット60に沿ってX軸方向へ駆動されるので、この駆動の際にウエハステージWSTに振動が生じることもない。また、この駆動による反力が、固定子ユニット60を介してY軸固定子64A、64Bをそれぞれ支持する第2定盤46A、46Bに伝達されても、この振動が第1定盤44に伝達されることはない。
従って、ステージ装置20によると、ウエハステージWSTの駆動により生じる反力に起因する各部の振動がウエハステージWSTの位置制御性を悪化させる要因となることが殆どなく、ウエハステージWSTの高精度な位置制御を実現することができる。
また、ステージ装置20によると、固定子ユニット60は、X軸方向に延びるY軸微動固定子61Aと、該Y軸微動固定子61Aを中心としてY軸方向の一側と他側にそれぞれ配置されたX軸方向に延びる一対のX軸固定子61B,61Cとを含み、可動子ユニットは、Y軸微動固定子61Aとの間の電磁相互作用によりウエハステージWSTをY軸方向に微小駆動する駆動力を発生するY軸微動可動子76Aと、一対のX軸固定子61B,61Cとの間で個別に電磁相互作用を行い、ウエハステージWSTをX軸方向に駆動する駆動力をそれぞれ発生する一対のX軸可動子76B,76Cとを含んでいる。すなわち、ウエハステージWSTをY軸方向に微小駆動するY軸微動モータ75Aと、該Y軸微動モータ75Aを中心としY軸方向の一側と他側にそれぞれ配置されたX軸リニアモータ75B,75Cとを有しているので、X軸リニアモータ75B,75Cの駆動力を同一とすることにより、ステージの重心近傍に駆動力を作用させることが可能となり、X軸リニアモータ75B,75Cの駆動力を大きさが同一で反対方向の力とすることにより、重心回りの回転駆動を行うことができる。
また、本実施形態に係るステージ装置20によると、Y軸リニアモータ66A,66Bは、可動子64A,64Bが電機子ユニットから成り、固定子64A,64Bが磁極ユニットから成る、一対のムービングコイル型のリニアモータによって構成されているので、可動子側を軽量化することができるとともに、固定子側を重量化することができる。この場合、固定子がカウンタマスとして機能する際のストロークを小さくすることができ、装置の小型化を図ることが可能となる。また、本実施形態では、ムービングコイル型のY軸リニアモータ66A,66Bを採用しているので、ウエハステージを2つ備え、該2つのウエハステージのY軸リニアモータの固定子を共通にすることで、ウエハステージを2つ備えるツインウエハステージタイプのウエハステージ装置を比較的容易に実現することが可能となる。
また、第2定盤46A,46Bは、Y軸固定子62A,62Bの基盤をも兼ねており、各Y軸固定子62A,62Bは、第2定盤46A,46Bとの間の摩擦力がほぼゼロの状態で、少なくともY軸方向に関する相対移動が許容されている。このため、ウエハステージWSTのY軸方向への駆動時に、固定子ユニット60と一体でY軸可動子64A,64BがY軸方向に駆動される際にY軸固定子62A,62Bに生じる反力によりY軸固定子62A,62Bが運動量保存則に従ってY軸方向に移動する。これにより、その反力がほぼ完全にキャンセルされ、振動の発生が防止される。この場合、重心位置の移動も生じないので、偏荷重の発生もない。
また、本実施形態に係るステージ装置20によると、固定子ユニット60は、ウエハステージWST及びガイド面44aとの間の摩擦力がほぼゼロの状態で、X軸方向に関する相対移動が許容されているので、ウエハステージWSTのX軸方向への駆動の際にはその駆動力の反力により固定子ユニット60が、運動量保存則に従ってX軸方向に移動し、その反力がキャンセルされ、その反力に起因する振動の発生を防止することができる。更に、第2定盤46Bは、床面Fに対して移動可能とされ、ウエハステージWST(X軸可動子76B,76C)のX軸方向への駆動時に固定子ユニット60に生じる反力を、第2定盤46Bに伝達する気体静圧軸受け151a、151bが、固定子ユニット60に設けられている。このため、ウエハステージWST(X軸可動子76B,76C)の反力が固定子ユニット60及び第2定盤46B等の移動によりキャンセルされる。この場合、第2定盤46Bなどの質量は大きいので、その移動距離を極力短くすることが可能となっている。
また、本実施形態に係るステージ装置20によると、前述の2つの位置調整機構52A,52Bにより、Y軸固定子62A,62BのY軸方向の位置を所定の基準位置まで戻すことが可能であることから、Y軸固定子62A,62Bの移動ストロークを大きくとる必要がなく、その分小型化を図ることが可能となっている。また、位置調整装置52A,52Bは、Y軸固定子62A、62Bの一部を可動子としているので、Y軸リニアモータと別個に磁極ユニット(又は電機子ユニット)を設ける必要がない。
更に、ステージ装置20によると、前述した相殺機構78により、ウエハステージWSTの駆動時の反力に起因する第2定盤46Bの回転の発生を防止することが可能である。
また、本実施形態の露光装置10によると、ステージ装置20によりウエハステージWSTの位置制御性の向上が図られるので、これによりウエハステージWST上に保持されたウエハWに精度良くレチクルRのパターンを転写することが可能となる。
また、露光装置10によると、ステージ装置20は、走査方向に関して粗微動型の構成が採用されているので、走査露光時のレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期精度を向上させることができ、この点においても、露光精度(レチクルパターンとウエハとの重ね合わせ精度など)の向上が可能となる。
なお、上記実施形態では、第2定盤をY軸固定子に対応して2つ備えるものとしたが、これに限らず、第2定盤は1つであっても良い。この場合、例えば、第2定盤としては第1定盤44を取り囲むような枠状の定盤を採用することができる。
また、上記実施形態では、2つの第2定盤46A,46Bのうちの一方の第2定盤46Bを床面上で浮上支持し、該一方の第2定盤46BをX軸方向のカウンタマスとして用いる場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、2つの第2定盤46A,46Bのいずれも、床面F上に浮上支持される構成を採用しても良い。また、この場合には、2つの第2定盤46A,46Bを所定の連結部材で連結し、各定盤が同一量だけ移動するような構成を採用しても良い。例えば、2つの第2定盤46A,46Bを所定の連結部材で連結するかあるいは一体化して第1定盤44を取り囲むような枠状の定盤とし、この定盤を床面F上に浮上支持してX軸方向及びY軸方向への移動並びにθz回転が可能なように構成しても良い。これにより、第2定盤をX軸方向及びθz方向用のカウンタマスとして機能させることができる。そして、この第2定盤のX軸方向の位置及びY軸方向の位置の調整、並びにθz回転の除去を行うための駆動装置を設けても良い。この駆動装置としては、前述の位置調整機構52A,52B、ボイスコイルモータ80、相殺機構78等と同様の構成を用いることができる。さらに、第1定盤44と第2定盤46A,46Bとを一体化してX軸方向、Y軸方向、θz回転用のカウンタマスとして機能させることも可能である。
また、第2定盤46A、46Bを所定の連結部材で連結するかあるいは一体化して第1定盤44を囲むような枠状部材とし、この枠状部材にY軸リニアモータ66A、66BのY軸固定子(磁極ユニット)62A、62Bを固定する構成としても良い。そして、この枠状部材を床面F上に浮上支持してX軸方向及びY軸方向への移動並びにθz回転が可能なように構成し、X軸方向、Y軸方向、θz回転用のカウンタマスとして機能させても良い。この場合においても、前述のように、枠状部材のX軸方向の位置及びY軸方向の位置の調整、並びにθz回転の除去を行うための駆動装置を設けても良い。さらに、枠状部材と第1定盤44とを一体化して前記反力が第1定盤44に伝わるようにし、その第1定盤44をX軸方向、Y軸方向、θz回転用のカウンタマスとして機能させることも可能である。
なお、上記実施形態で説明した相殺機構78は、一例であって、本発明のステージ装置では、特定定盤(上記実施形態では第2定盤46B)上に設けられ、ステージ(可動子ユニット)のX軸方向への駆動時に生じる反力の作用に起因して前記特定定盤に生じる回転モーメントを相殺する相殺機構の構成として、種々の構成を採用することができる。
すなわち、例えば図9に示されるような構成を採用することも可能である(以下、第1の変形例と呼ぶ)。この図9に示される第1の変形例に係るステージ装置20’は、前述したステージ装置20とほぼ同様に構成されているが、相殺機構78に代えて、相殺機構BMが設けられている点に特徴を有している。
この相殺機構BMは、第2定盤46Bの−X側端部に設けられたY軸方向を長手方向とするガイド181と、該ガイド181に係合状態とされたバランスマス182とを備えている。前記バランスマス182は、不図示の駆動機構によりガイド181に沿ってY軸方向に駆動可能となっている。
前記バランスマス182は、ウエハステージWSTのY軸方向の位置に応じて主制御装置50により前記駆動機構を介して駆動され、ウエハステージWSTがX軸方向に駆動された際に生じる反力の第2定盤46Bへの伝達部近傍に、第2定盤46B及び相殺機構BMを含む系の重心が位置するように制御される。すなわち、図10(A)に示されるようにウエハステージWSTがY軸方向一側(+Y側端部)近傍に位置する場合には、バランスマス182も+Y側端部に位置するように制御され、図10(B)に示されるようにウエハステージWSTがY軸方向他側(−Y側端部)近傍に位置する場合には、バランスマス182も−Y側端部に位置するように制御される。
このように、第1の変形例に係るステージ装置20’によると、ウエハステージWSTの位置(Y軸方向位置)に関わらず、ウエハステージWSTのX軸方向駆動に伴う反力は、常に第2定盤46Bの重心付近に伝達することとなるため、第2定盤46Bにはトルク成分が発生しない、あるいは発生しても僅かな量に抑制することができる。
なお、相殺機構BMを構成するバランスマス182の質量は、第2定盤46Bに生じるトルク成分を見積もり、それを打ち消すことが可能な値に設定することとし、バランスマス182の駆動量は、バランスマス182の質量に応じて調整するものとする。
また、上記相殺機構BMに代えて図11に示されるような2つのアクチュエータ(リアクションモータ)80A,80Bを、相殺機構として備えた第2の変形例に係るステージ装置20”を、ステージ装置20に代えて採用しても良い。この第2の変形例に係るステージ装置20”では、ウエハステージWSTの駆動に伴って生じる反力の作用による第2定盤46Bのトルク成分をキャンセルする相殺機構が、第2定盤46Bの+X側にY軸方向に所定間隔を隔てて配置された2つのアクチュエータ(リアクションモータ)80A,80Bによって構成されている。
前記一方のアクチュエータ(リアクションモータ)80Aとしては、例えば第2定盤46Bの+X側の面の−Y側端部近傍に突設された可動子81Aと、該可動子81Aとの間の電磁相互作用によりX軸方向の駆動力を発生する固定子82Aとから成るボイスコイルモータを用いることができる。この場合固定子82Aは、支持部材83Aによって床面Fから所定高さの位置で支持されている。
他方のアクチュエータ(リアクションモータ)80Bとしては、上記アクチュエータ(リアクションモータ)80Aと同様に、支持部材83Bによって支持された固定子82Bと第2定盤46Bの+X側の面の+Y側端部近傍に突設された可動子81Bとから成るボイスコイルモータを用いることができる。
この第2の変形例に係るステージ装置20”によると、2つのアクチュエータ80A,80Bから第2定盤46A,46Bに与えられるX軸方向の力のバランスを調整することによって、ウエハステージWSTの移動に伴って第2定盤46Bに生じるトルク成分をほぼ完全にキャンセルすることが可能となる。
なお、これら2つのアクチュエータ80A,80Bの駆動によって支持部材83A、83Bに作用する反力を、必要に応じて、別途不図示の3自由度のカウンタマスを用いてキャンセルすることとしても良い。また、2つのアクチュエータ80A,80Bに前記ボイスコイルモータ80の機能を併用させても良い。すなわち、2つのアクチュエータ80A,80Bを、第2定盤46Bに生じるトルク成分のキャンセルに用いるだけでなく、前述のように第2定盤46B及び固定子ユニット60を所定の基準位置又はその近傍に移動させるために使用することとしても良い。
更に、図12に示されるような第3の変形例のステージ装置120を、前述のステージ装置20に代えて採用することとしても良い。この第3の変形例のステージ装置120は、第2定盤46B上に配置された2つのリアクションモータ115A,115Bによって相殺機構が構成されている点に特徴を有する。
一方のリアクションモータ115Aは、図12に示されるように、X軸方向を長手方向とし、第2定盤46Bの−Y端部近傍に固定されたガイド114と、該ガイド114に沿ってスライド移動可能な固定子部112と、該固定子部112の内部に設けられた可動子113とを備えている。
前記固定子部112は、Z軸方向に所定間隔を隔てて設けられた一対のマス111A,111Bと、これらのマス111A,111B同士が対向する面に設けられた複数の永久磁石を含んで構成される固定子ユニット(不図示)とを備えている。この場合、下方に位置するマス111Bは、ガイド114及び第2定盤46Bに対して不図示のエアベアリング等を介して非接触とされている。
前記可動子113は、内部に複数の電機子コイルを含む電機子ユニットから成り、マス111A、111B間に挿入されている。すなわち、可動子113は、該可動子113の電機子コイルに供給される電流と固定子ユニットによって形成される磁界との間の電磁相互作用により、固定子部112の内部でX軸方向に駆動されるようになっている。
すなわち、このように構成されるリアクションモータ115Aによると、可動子113が例えば+X方向に駆動されると、その駆動によって生じる反力が固定子部112に作用し、固定子部112が可動子113の駆動方向とは反対の方向(−X方向)に移動する。さらに、この固定子部112の移動による+X方向の反力が、第2定盤46Bに作用する。従って、第2定盤46Bには+X方向の力が作用することとなる。このように、リアクションモータ115Aによると、可動子113の駆動方向と同一方向の力を第2定盤46Bに作用させることができる。
他方のリアクションモータ115Bも、上述のリアクションモータ115Aと同様に構成されている。
従って、第3の変形例のステージ装置120によると、第2定盤46B上に配置された2つのリアクションモータ115A,115Bのそれぞれから第2定盤46Bに伝達される反力のバランスを調整することで、第2定盤46Bに作用するウエハステージWSTの位置及び移動に起因するトルク成分をキャンセルすることが可能である。この場合、リアクションモータ115A,115Bを構成する固定子部112のマス111A,111Bの質量や発生推力等を、ウエハステージWSTのY軸方向位置や、第2定盤46Bに生じるトルク成分に基づいて見積もることにより、トルク成分をほぼ完全にキャンセルすることが可能となる。
なお、リアクションモータ(115A,115B)については、第2定盤46B上に2つ設けるものとしたが、これに限らず、上記実施形態の相殺機構78と同様にリアクションモータを1つのみ設けることとしても良い。
なお、上記実施形態では、位置調整機構の可動子としてY軸リニアモータの一部を兼用するものとしたが、これに限らず、Y軸固定子に、別途可動子を取り付けても良いことは勿論である。
なお、上記実施形態では、第2定盤を所定位置に戻す位置調整機構としてボイスコイルモータを用いるものとしたが、リニアモータ等の別の駆動機構を用いても勿論良い。
なお、上記実施形態では、X軸リニアモータにムービングマグネット型のリニアモータを採用し、Y軸リニアモータにムービングコイル型のリニアモータを採用するものとしたが、本発明がこれに限られるものではなく、両リニアモータともにムービングコイル型のリニアモータを採用しても良いし、ともにムービングマグネット型のリニアモータを採用しても良い。また、X軸リニアモータをムービングコイル型のリニアモータとし、Y軸リニアモータをムービングマグネット型のリニアモータとしても良い。
なお、上記実施形態では、第1駆動機構が2つのX軸リニアモータと1つのY軸微動モータとにより構成されるものとしたが、ウエハステージWSTを第1軸方向(例えばX軸方向)に所定ストロークで駆動するとともに、ウエハステージWSTの移動面と平行な面内で前記第1軸に直交する第2軸方向(例えばY軸方向)並びに前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸(例えばZ軸)回りに微小駆動する駆動機構であれば、その構成は上記実施形態の構成に限られるものではない。
なお、上記実施形態では、Y軸固定子、並びにX軸固定子及び第2定盤が、カウンタマスとしての機能を有する場合について説明したが、これに限らず、各部はカウンタマスとしての機能を有していなくても良い。
なお、上記実施形態では、ウエハステージWSTが第1定盤44のガイド面44aに対して気体静圧軸受けにより浮上支持され、固定子ユニット60が第2定盤46A,46Bの第1面146a、146cに対して気体静圧軸受けにより浮上支持される場合について説明したが、これに限らず、磁気浮上や機械的なガイドを採用することとしても良い。
なお、上記実施形態では、本発明がスキャニング・ステッパに適用された場合について説明したが、これに限らず、ステップ・アンド・リピート方式のステッパ等の静止露光型の露光装置にも適用できる。
また、上記実施形態では、本発明のステージ装置が、露光装置のウエハを保持するステージ装置に適用された場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、露光装置以外の精密機械などにも本発明のステージ装置は好適に適用できるものである。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
《デバイス製造方法》
次に上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図13には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図13に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ204(ウエハ処理ステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステップ)において、ステップ204で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図14には、半導体デバイスにおける、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図14において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ215(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上記実施形態の露光装置が用いられるので、ウエハ上に精度良くレチクルのパターンを転写することができる。この結果、高集積度のマイクロデバイスの歩留まりを向上させることができ、その生産性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明のステージ装置は、物体が載置されたステージを2次元面内で移動するのに適している。また、本発明の露光装置は、マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、高集積度のマイクロデバイスを生産するのに適している。

Claims (26)

  1. 物体が載置されるステージと;
    前記ステージに設けられた可動子ユニットと、該可動子ユニットとの間の電磁相互作用により前記ステージを、第1軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、前記ステージの移動面と平行な面内で前記第1軸に直交する第2軸方向並びに前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸回りに微小駆動する、前記第1軸方向に延びる固定子ユニットとを有する第1駆動機構と;
    前記固定子ユニットの前記第1軸方向の一端部と他端部とにそれぞれ設けられた一対の第1可動子と、該各第1可動子との間の電磁相互作用により対応する第1可動子と一体的に前記固定子ユニットを前記第2軸方向に駆動する駆動力を発生する一対の第1固定子とを有する第2駆動機構と;
    前記ステージを案内するガイド面が形成された第1定盤と;
    前記第1定盤とは振動的に分離され、前記固定子ユニットを前記第3軸方向に関して支持する支持面が形成され、前記一対の第1固定子のそれぞれを支持する少なくとも1つの第2定盤と;を備えるステージ装置。
  2. 請求項1に記載のステージ装置において、
    前記固定子ユニットと前記可動子ユニットとは、前記ステージの走査中における前記第1定盤と前記第2定盤との前記第3軸方向の相対位置の変化を許容するように、前記第3軸方向の間隔が設定されていることを特徴とするステージ装置。
  3. 請求項1に記載のステージ装置において、
    前記固定子ユニットは、前記第1軸方向に延びる第2固定子と、該第2固定子を中心として前記第2軸方向の一側と他側にそれぞれ配置された前記第1軸方向に延びる一対の第3固定子とを含み、
    前記可動子ユニットは、前記第2固定子との間の電磁相互作用により前記ステージを前記第2軸方向に微小駆動する駆動力を発生する第2可動子と、前記一対の第3固定子との間で個別に電磁相互作用を行い、前記ステージを前記第1軸方向に駆動する駆動力をそれぞれ発生する一対の第3可動子とを含むことを特徴とするステージ装置。
  4. 請求項1に記載のステージ装置において、
    前記ステージは、前記可動子ユニットが設けられたステージ本体と、該ステージ本体上で前記物体を保持して少なくとも前記第3軸方向に微小駆動可能なテーブルとを有することを特徴とするステージ装置。
  5. 請求項1に記載のステージ装置において、
    前記第2駆動機構は、前記各第1可動子が電機子ユニットから成り、前記各第1固定子が磁極ユニットから成る、一対のムービングコイル型のリニアモータによって構成されていることを特徴とするステージ装置。
  6. 請求項1に記載のステージ装置において、
    前記ステージに前記ガイド面に対向して設けられ、前記ステージを前記ガイド面に対して非接触で支持する第1の軸受け機構と;
    前記固定子ユニットに前記第2定盤の支持面に対向して設けられ、前記固定子ユニットを前記支持面に対して非接触で支持する第2の軸受け機構と;を更に備えるステージ装置。
  7. 請求項1に記載のステージ装置において、
    前記各第1固定子は、前記第2定盤との間の摩擦力がほぼゼロの状態で、少なくとも前記第2軸方向に関する相対移動が許容されていることを特徴とするステージ装置。
  8. 請求項7に記載のステージ装置において、
    前記各第1固定子の前記第2軸方向の位置を調整する2つの位置調整機構を更に備えるステージ装置。
  9. 請求項8に記載のステージ装置において、
    前記第2駆動機構が、固定子として磁極ユニットをそれぞれ有する一対のムービングコイル型のリニアモータを含み、
    前記各位置調整機構は、前記磁極ユニットの一部を可動子とすることを特徴とするステージ装置。
  10. 請求項1に記載のステージ装置において、
    前記固定子ユニットは、前記ステージ及び前記ガイド面との間の摩擦力がほぼゼロの状態で、少なくとも前記第1軸方向に関する相対移動が許容されていることを特徴とするステージ装置。
  11. 請求項10に記載のステージ装置において、
    前記第2定盤は、前記一対の第1固定子に対応して一対設けられ、該一対の第2定盤の少なくとも一方の特定定盤は、床面に対して移動可能とされ、
    前記可動子ユニットの前記第1軸方向への駆動時に生じる反力を前記固定子ユニットを介して前記特定定盤に伝達する伝達機構を更に備えるステージ装置。
  12. 請求項11に記載のステージ装置において、
    前記特定定盤上に設けられ、前記反力の作用に起因して前記特定定盤に生じる回転モーメントを相殺する相殺機構を更に備えるステージ装置。
  13. 請求項12に記載のステージ装置において、
    前記相殺機構は、前記特定定盤上に固定された固定子と、該固定子との間の電磁相互作用により駆動され、前記回転モーメントによる前記特定定盤の回転を相殺する方向の反力を発生する可動子とを有することを特徴とするステージ装置。
  14. 請求項13に記載のステージ装置において、
    前記相殺機構は、前記第1可動子の前記第2軸方向の位置と、前記ステージの前記第1軸方向への駆動量とに応じた所定量だけ、前記可動子を所定方向に駆動することを特徴とするステージ装置。
  15. 物体が載置されるステージと;
    前記ステージに設けられた可動子ユニットと、該可動子ユニットとの間の電磁相互作用により前記ステージを、第1軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、前記ステージの移動面と平行な面内で前記第1軸に直交する第2軸方向並びに前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸回りに微小駆動する、前記第1軸方向に延びる固定子ユニットとを有する第1駆動機構と;
    前記固定子ユニットの前記第1軸方向の一端部と他端部とにそれぞれ設けられた一対の第1可動子と、該各第1可動子との間の電磁相互作用により対応する第1可動子と一体的に前記固定子ユニットを前記第2軸方向に駆動する駆動力を発生する一対の第1固定子とを有する第2駆動機構と;を備え、
    前記各第1固定子が、少なくとも前記第2軸方向に関する移動を許容された状態で支持されていることを特徴とするステージ装置。
  16. 請求項15に記載のステージ装置において、
    前記固定子ユニットは、前記ステージに対し、互いの間の摩擦力がほぼゼロの状態で少なくとも前記第1軸方向に関する相対移動が許容されていることを特徴とするステージ装置。
  17. 請求項15に記載のステージ装置において、
    前記各第1固定子の少なくとも一方の前記第1軸方向の位置を調整する第1の位置調整機構を更に備えるステージ装置。
  18. 請求項15に記載のステージ装置において、
    前記各第1固定子の前記第2軸方向の位置を調整する第2の位置調整機構を更に備えるステージ装置。
  19. 請求項15に記載のステージ装置において、
    前記各第1固定子の少なくとも一方は、前記固定子ユニットの前記第1軸方向への駆動時に生じる反力によって前記第1軸方向に移動可能に支持されていることを特徴とするステージ装置。
  20. 請求項19に記載のステージ装置において、
    前記反力の作用に起因して前記各第1固定子の少なくとも一方に生じる回転モーメントを相殺する相殺機構を更に備えるステージ装置。
  21. 請求項19に記載のステージ装置において、
    前記ステージを支持する第1定盤と;
    前記一対の第1固定子のそれぞれを支持し、少なくとも1つが床面に対して移動可能な第2定盤と;
    前記可動子ユニットの前記第1軸方向への駆動時に生じる反力を、前記固定子ユニットを介して前記少なくとも1つの第2定盤に伝達する伝達機構と;を更に備えるステージ装置。
  22. 請求項21に記載のステージ装置において、
    前記反力の作用に起因して前記少なくとも1つの第2定盤に生じる回転モーメントを相殺する相殺機構を更に備えるステージ装置。
  23. 請求項22に記載のステージ装置において、
    前記相殺機構は、前記少なくとも1つの第2定盤上に固定された固定子と;
    該固定子との間の電磁相互作用により駆動され、前記回転モーメントによる前記少なくとも1つの第2定盤の回転を相殺する方向の反力を発生する可動子と;を有することを特徴とするステージ装置。
  24. マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写する露光装置であって、
    前記感光物体が前記物体として前記ステージ上に載置される請求項1〜23のいずれか一項に記載のステージ装置を具備することを特徴とする露光装置。
  25. 請求項24に記載の露光装置において、
    前記パターンを前記感光物体上に投影する投影光学系と;
    前記マスクが載置されるマスクステージと;
    前記マスクステージと前記ステージとを同期して、前記第2軸方向に関して、前記投影光学系に対して相対移動する同期移動装置と;を更に備える露光装置。
  26. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項24に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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