JPS6363815B2

JPS6363815B2 -

Info

Publication number: JPS6363815B2
Application number: JP56047253A
Authority: JP
Priority date: 1981-04-01
Filing date: 1981-04-01
Publication date: 1988-12-08
Also published as: JPS57164218A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、複数種類の燃料を混焼するボイラに
おいて、重要補機の故障発生時に、負荷の残りの
補機で運転継続できる値まで急速に絞り込むラン
バツク時に、各種の燃料を最適に絞り込むことに
より、安全な燃焼を維持し、かつプラントの安全
性を確保するようにした多種燃料混焼ボイラのラ
ンバツク制御方法に関するものである。

産業用火力発電所等に於いては、エネルギの高
効率利用の必要性が高まり、生産工程で発生する
種々の可燃性ガスを、発電用ボイラの燃料として
活用する多種燃料混焼ボイラが採用される場合が
多い。

多種燃料混焼ボイラの燃料制御系統の一例を、
第１図を参照して説明する。

第１図の例では、２種類の可燃性ガス（Ａガ
ス、Ｂガスとする。）と重油による混焼制御の例
である。１は重油ベースに換算した合計燃料流量
指令である。２は重油流量検出器、３，４は各々
Ａガス及びＢガス流量検出器である。

５，６は、ＡガスおよびＢガス流量を、各々の
ガスのカロリーに応じて重油流量ベースに換算す
る係数器である。これら係数器の出力信号は、加
算器７で重油流量２に加え合わされて合計燃料流
量８となる。

合計燃料流量指令１と合計燃料流量８は減算器
２９で比較される。そして、偏差信号がPI調節
器３０に入力され、重油流量制御自動／手動切替
器３１を通して重油流量制御弁２８を操作する。

ＡおよびＢガス流量はこの図の例では手動設定
による定値制御である。

Ａガス流量信号１４は、Ａガス流量設定器１６
の出力信号と減算器１５で比較される。得られた
偏差信号はPI調節計１７に入力され、Ａガス流
量制御自動／手動切替器１８を通して、Ａガス流
量制御弁１９を操作する。２０は、Ａガス流量制
御弁１９の手動開度設定器である。

Ｂガス流量２１は、Ｂガス流量設定器２２の出
力信号と減算器２３において比較される。得られ
た偏差信号はPI調節器２４に入力され、さらに
Ｂガス流量制御自動／手動切替器２５を通して、
Ｂガス流量制御弁２６を操作する。２７はＢガス
流量制御弁２６の手動開度設定器である。

この例から分かるように、生産工程に於いて発
生する可燃性ガス（この場合Ａ，Ｂガス）は、
各々の発生量に応じて、手動にて設定された定値
流量に制御され、発電指令に見合つた合計燃料流
量となるように重油流量が負荷に自動追従制御さ
れる系統となつている。

このような系統に於いて、従来用いられている
ランバツク制御回路を第２図に示す。なお、図に
おいて第１図と同一信号の部分は、第１図の内容
と等しいものであることを示す。

同図において、１０１はランバツク時の合計燃
料流量指令設定器であり、トリツプした補機に応
じて、その時の運転継続可能負荷に見合つた合計
燃料流量指令を出力するものである。

１０２は切替器であり、ランバツク時にはｂ側
が選ばれる。１０３は変化率制限器であり、通常
は合計燃料流量指令１に高速追従しており、ラン
バツク発生時には規定の変化率で流量指令を設定
値まで絞り込む働きをする。

１０４は低位選択器であり、ランバツク目標よ
りも低い負荷で運転中には、ランバツク動作を行
なわないようにするものである。１０５は、Ａガ
スのランバツク時流量目標値設定器である。１０
６は切替器であり、ランバツク時には、ｂ側が選
ばれる。

１０７は変化率制限器であり、通常時は、手動
設定器１６の出力信号に高速追従しており、ラン
バツク発生時には、規定の変化率でＡガス流量指
令を設定値まで絞り込む働きをする。１０８は低
位選択器であり、手動設定器１６の出力信号がラ
ンバツク目標よりも小さい場合には、ランバツク
動作を行なわないように作用するものである。

Ｂガス制御側のランバツク回路もまつたく同様
の構成で、同じ働きをする。すなわち、１０９は
Ｂガスランバツク時流量目標値設定器、１１０は
切替器、１１１は変化率制限器、１１２は低位選
択器である。

第２図の回路によるランバツク時の燃料絞り込
み状態の一例を第３図に示す。ランバツク前にお
ける、重油ベースでのＡガスおよびＢガスの燃料
流量を、それぞれK₁・F_A，K₂・F_Bとし、重油流
量をF₀とする。また、ランバツク後における重
油ベース燃料流量目標をF_R、Ａガス及びＢガス
の目標流量をK₁・F_AR，K₂・F_BRとすると、重油
はF_ORまで絞り込まれる。

この場合は、各種の燃料が全て絞り込まれるの
で制御は安定な方向である。

しかし、同じ負荷に於けるランバツクでも、ラ
ンバツク前の混燃状態が第４図に示すような状態
の場合には、ＡガスおよびＢガスは絞り込まれる
が、逆に、重油は流量を増やす必要が生じ、制御
が不安定となるという欠点がある。

以上の例に示した如く、多種燃料混焼ボイラに
於いて、ランバツク時の各種燃料の絞り込み目標
を個別に設定したのでは、混焼の状態に応じて、
絞り込まれる燃料もある一方、流量を増やさねば
ならない燃料もあるというように、制御が複雑化
し、安定なランバツクが達成でき難い欠点があ
る。

特に、生産工程で発生した可燃性ガスの制御
は、その圧縮性によるむだ時間や時定数が大きい
ので、非常に制御が難しくなる。このため、上記
の如く一方で流量を絞り込み、他方で流量を増や
すような制御をすれば、必然的に絞り込み速度が
大きくなり、アンダーシユート等により失火に至
る可能性があり、従来方法の制御では問題があつ
た。

また、例えば特開昭51−150736号公報に示され
るように、各種燃料混焼ボイラにおいて、ランバ
ツク時には、通常運転時に自動追従制御となる燃
料（例えば、重油）をミニマム値まで無条件に絞
り込み、その絞り込みを確認後、絞り込み量が不
足する場合は、定値制御燃料を一種ずつミニマム
値まで絞り込み、その結果、燃料供給量に不足が
生じた時は、自動追従制御燃料の供給量を自動制
御モードで増加して全燃料量を所定値に合致させ
ることも提案されている。

しかし、この場合は、最初に絞り込んだ自動追
従制御燃料を再度増やすことが必要となるのが普
通であり、過渡的に制御が不安定となりがちであ
るという問題がある。

本発明の目的は、多種燃料混焼ボイラに於い
て、ランバツク時に、通常運転時に自動追従制御
される燃料から優先的に絞り込み、その不足分を
他の燃料の絞り込みによつて補なうことにより、
ランバツク時の急速な燃料絞り込みを、安定かつ
速やかに実現することのできるランバツク制御方
法を提供することにある。

本発明の特徴は、従来の如く、各種の燃料に対
して個々に、ランバツク時の燃料流量絞り込み目
標を設定する方法ではなく、自動追従制御の燃料
から優先的に絞り込み、その不足分を、他の燃料
の絞り込みによつて順次補ない、全体としてラン
バツク負荷まで安定に絞り込む方法とした点であ
る。

すなわち、このような混焼ボイラでは、生産工
程での生成ガス以外に、重油等の燃料が準備さ
れ、その供給を負荷要求に応じて自動追従制御し
ているのが普通である。ガスに比較して液体燃料
は制御が容易である為、ランバツク制御時などに
はまずこのような燃料を最低限界まで絞り込んだ
と仮定し、それでも絞り込みが不足の場合は次の
燃料を必要量だけ絞り込む。

前記次の燃料の絞り込みが再び下限に達した場
合には、その絞り込み不足分を、更に次の燃料で
絞り込む。以下同様な手法を複数の燃料に対して
順次に適用し、ランバツク時の絞り込みを行なう
ものである。

本発明では、以上の方法により、ランバツク時
に安定な燃料の絞り込みが可能となり、安全かつ
安定なランバツクが実現できる。

以下、本発明の実施例を、第５図を参照して説
明する。第５図は、助燃用重油と、２種類の生産
工程生成ガスＡ，Ｂとを利用する場合の実施例で
ある。図中で、第１図および第２図を同一記号の
部分は、これらの図の内容と等しいことを示す。

減算器２０２の出力は、Ａガスに対するランバ
ツク時流量指令であり、(1)式によつて計算され
る。

Ａガス・ランバツク時流量指令＝ランバツク時合計燃料量（Ａガスベース） −重油最低絞り込み限度（Ａガスベース） −Ｂガス流量設定値（Ａガスベース）
……(1) これは、重油を最低限まで絞り込み、Ｂガスを
絞り込まない場合の、Ａガスの絞り込み目標値で
ある。

前記(1)式の演算を行なわせるために、設定器２
０１には｛ランバツク時合計燃料（Ａガスベー
ス）｝−｛重油最低絞り込み限度（Ａガスベース）｝
を設定する。係数器２０３はＢガス流量設定値を
Ａガスベースの燃料量に換算するものである。

２０４は、Ａガス流量の最低絞り込み限度を設
定するための設定器であり、高位選択器２０５に
より、Ａガスの絞り込み最低限度を保証してい
る。減算器２０６により、Ａガス絞り込み不足分
を計算する。

係数器２０７により、Ａガス絞り込み不足分を
Ｂガスベースの燃料量に換算する。一方、偏差検
出器２０８により、Ａガス絞り込み不足を検出す
る。そして、絞り込み不足が検出されたときは、
切替器２０９をａ側に倒し、減算器２１０によ
り、Ａガスの絞り込み不足分をＢガスの設定値か
ら減じ、必要量だけ絞り込んだ値を、Ｂガス目標
値として減算器２３に与える。

本発明の前記一実施例によれば、多種燃料の絞
り込み順序に、予じめ優先順位をつけ、先ず最初
に自動追従制御の燃料（重油）を最低限まで絞り
込むようにしておき、絞り込み量が不足した場合
は制御の容易なものから絞り込み、その絞り込み
不足分を次の燃料の絞り込みで補なうということ
をくり返し行なうことにより、極めて安定かつ安
全に、ランバツク時の燃料流量絞り込みを実現す
ることが出来る。

また、各燃料に対する絞り込み目標値はランバ
ツクの条件により、それぞれに対して予め設定さ
れる為、各々の燃料の絞り込みを同時に開始する
ことが可能となり、したがつて、従来よりも速
く、かつ安定に絞り込みを行なうことができる。

なお、以上では３種類の燃料を例にとつたが、
さらに多数の燃料を使用する場合にも、同様の方
法で本発明を実施することが可能である。

上記した如く、本発明のランバツク時燃料絞り
込み方法によれば燃料の優先順序づけ絞り込みに
より多種燃料混焼ボイラに於けるランバツク時の
安定かつ安全な負荷絞り込みが実現できる。省エ
ネルギ対策が重視されている現在の情勢の中で、
産業用火力発電所等の安定運転継続の確保が可能
となり、本発明の効果は非常に大きいものとな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は多種燃料混焼ボイラの燃料制御系統の
一例を示すブロツク図、第２図は従来のランバツ
ク制御回路のブロツク図、第３図および第４図は
それぞれランバツク時の燃料絞り込み状態の例を
示す図、第５図は本発明の一実施例のブロツク図
である。１…合計燃料流量指令、２…重油流量検出器、
３…Ａガス流量検出器、４…Ｂガス流量検出器、
５，６…係数器、７…加算器、１９…Ａガス流量
制御弁、２６…Ｂガス流量制御弁、２８…重油流
量制御弁。

Claims

【特許請求の範囲】１多種類の燃料を同時に混焼する多種燃料混焼
ボイラのランバツク制御方法であつて、ランバツク時には、先ず負荷に自動追従制御さ
れる燃料を優先的に絞り込む第１段階と、前記第１段階の絞り込みでは不足の場合には、
次に制御しやすい種類の燃料を、ランバツク時合
計燃料量から第１段階で絞り込む自動追従制御燃
料の最低絞り込み限度と絞り込まない燃料の量と
に基づいて得られる必要量だけ絞り込む第２の段
階と、更に絞り込みが不足の場合には、前記第２段階
と同様の操作をくり返してさらに他の種類の燃料
の絞り込みを行なう第３の段階とよりなることを
特徴とする多種燃料混焼ボイラのランバツク制御
方法。