JPS6357656B2

JPS6357656B2 -

Info

Publication number: JPS6357656B2
Application number: JP25155183A
Authority: JP
Inventors: Toshiaki Abe; Junkichi Konishi
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1983-12-27
Filing date: 1983-12-27
Publication date: 1988-11-11
Also published as: JPS60139942A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は内筒、外筒およびこれら内、外筒間に
装填される弾性体とを備えた筒状ブツシユに関す
る。

従来技術この種筒状ブツシユは、たとえばNISSANサ
ービス周報第428号（日産自動車株式会社昭和55
年９月発行）第115頁に示され、第１図に示すよ
うにセミトレーリングアーム式のサスペンシヨン
１に用いられている。即ち、このサスペンシヨン
１はサスペンシヨンメンバ２にアーム３が上下揺
動可能に支持され、このアーム３の揺動端部に車
輪取付用のロードホイール４が回転自在に取付け
られている。５は図外のデイフアレンシヤルギヤ
を収納するキヤリツジで、前記デイフアレンシヤ
ルギヤから分岐され前記キヤリツジ５から回転可
能に突出するドライブシヤフト６が前記ロードホ
イール４に連結されている。７はストラツトであ
る。そして、前記サスペンシヨンメンバ２の車両
左右方向両端部が筒状ブツシユ８を介して図外の
車体に取付けられ、この筒状ブツシユ８によつて
サスペンシヨン１の制振機能と路面から車体に伝
達される振動の遮断機能とを行なうようになつて
いる。ところで、前記筒状ブツシユ８には特公昭
48−36151号に示されるように、内筒、外筒間に
装填される弾性体内に内筒を境にして複数の液体
室を形成し、これら各液体室を連通路を介して連
通することによつて、前記制振機能と振動遮断機
能とを効率良く行なうようにした液体入りの筒状
ブツシユがある。

しかしながら、この液体入りの筒状ブツシユに
あつては該ブツシユの軸直角方向の外力に対して
は液体室内容積が変化してその効果が発揮される
のであるが、軸方向に作用する外力に対しては液
体室内容積の変化はほとんど生ぜず、その制振機
能および振動遮断機能を充分に行なうことができ
ない。従つて、筒状ブツシユの軸方向に入力され
るロードノイズおよびハーシユネスが車体側に伝
達されてしまい車室内こもり音が発生してしまう
という問題点があつた。

発明の目的本発明はかかる従来の問題点に鑑みて、筒状ブ
ツシユに軸方向の外力が作用したときに、積極的
に容積が収縮および膨張される１対の液体室を設
け、これら液体室間をオリフイス効果を有する連
通路で連通することにより、軸方向の外力に対す
る筒状ブツシユのばね定数を変化させ、もつて、
かかる軸方向の振動遮断機能および制振機能両者
を満足させるようにした筒状ブツシユを提供する
ことを目的とする。

発明の構成かかる目的を達成するために本発明の筒状ブツ
シユは、同心状に配置される内筒、外筒と、それ
ら内、外筒間に装填される弾性体とを備え、該弾
性体内にブツシユの軸方向に対峙して１対の液体
室を形成すると共に、これら液体室間の弾性体に
よる隔壁と、各液体室の外方壁との径方向長さを
異ならせ、かつ、前記１対の液体室を連通路を介
して連通させることにより構成してある。

作用以上の構成により本発明の作用は、軸方向に対
峙した１対の液体室は、隔壁と外方壁との径方向
の長さが異なつているため、筒状ブツシユに軸方
向の外力が作用した場合に、弾性体変形に伴つて
一方の液体室内容積が収縮し、他方の液体室内容
積が膨張されることになる。従つて、一方の液体
室から他方の液体室に連通路を介して液体移動さ
れる際に抵抗が生じ、前記外力が衝撃的な一方向
入力又は低周波振動である場合は、前記連通路に
発生する液体の通過抵抗が著しく大きくなつて液
体室内液体を剛体状とし、筒状ブツシユ全体のば
ね定数を大幅に高くして制振効果を向上する。一
方、周波数が大きくなる振動が入力された場合
は、この振動が弾性体によつて吸収されるため振
動遮断効果が向上することになる。

実施例以下本発明の実施例を図に基づいて詳細に説明
する。

即ち、第２図は本発明の一実施例を示す筒状ブ
ツシユ１０で、内筒１１とこの内筒１１に対し同
心状に配置される外筒１２との間にゴム製の弾性
体１３が装填されている。この弾性体１３は前記
内筒１１と、前記外筒１２の内周にシールラバー
１４を介して圧入等により嵌着される補助リング
１５とに加硫接着される。前記弾性体１３内には
筒状ブツシユ１０の軸方向に対峙して、隔壁１６
によつて隔成される１対の第１、第２液体室１
７，１７ａおよびこの第１、第２液体室１７，１
７ａと内筒１１を境に対称に設けられ隔壁１６ａ
を有する第３、第４液体室１８，１８ａが形成さ
れる。前記隔壁１６，１６ａは前記弾性体１３よ
りばね定数の小さいゴム等の弾性体で形成され、
内筒１１から突設された鍔部１９外周に嵌着固定
される環状部材２０と前記補助リング１５との間
に加硫接着されている。そして、前記隔壁１６，
１６ａの径方向長さl₁は前記液体室１７，１７
ａ，１８，１８ａの外側に設けられる外方壁２
１，２１ａの長さl₂より小さくなつている。とこ
ろで、前記第１、第２液体室１７，１７ａおよび
第３、第４液体室１８，１８ａは鍔部１９と環状
部材２０との間に形成される第１連通路２２，２
２ａによつて連通され、この第１連通路２２，２
２ａを介して第１、第２液体室１７，１７ａ内の
液体移動および第３、第４液体室１８，１８ａ内
の液体移動がオリフイス効果をもつて行なわれる
ようになつている。更に、前記鍔部１９外周には
前記第１連通路２２，２２ａに連通する第２連通
路２３が形成され、この第２連通路２３を介して
第１、第２液体室１７，１７ａと第３、第４液体
室１８，１８ａ間の液体移動がオリフイス効果を
もつて行なわれるようになつている。

かかる構成になる筒状ブツシユ１０は、前記第
１図に示したようにサスペンシヨンメンバ２を図
外の車体に取付ける際に用いられ、外筒１２がサ
スペンシヨンメンバ２の両端部に固設され、か
つ、内筒１１が図外の取付ピンを介して前記車体
に装着されるようになつている。

以上の構成により、本実施例の筒状ブツシユ１
０にあつては、このブツシユ１０の軸方向に連通
路２２，２２ａで連通された第１、第２液体室１
７，１７ａおよび第３、第４液体室１８，１８ａ
が形成されているため、前記筒状ブツシユ１０に
軸方向の外力が作用した時には、内筒１１、外筒
１２が軸方向に相対移動し、弾性体１３が変形さ
れる。たとえば、サスペンシヨンメンバ２の上方
変位に対し第２図中外筒１２が内筒１１に対して
上方に移動された場合、弾性体１３の変形に伴つ
て第１、第２、第３、第４液体室１７，１７ａ，
１８，１８ａ内形状も変化する。このとき、第３
図に示すように隔壁１６，１６ａに対して外方壁
２１，２１ａが径方向に長くなつているため、第
２、第４液体室１７ａ，１８ａの外方壁２１，２
１ａは前記隔壁１６，１６ａに近づこうとする
が、第１、第３液体室１７，１８の外方壁２１，
２１ａは前記隔壁１６，１６ａから遠ざかろうと
する。従つて、第２、第４液体室１７ａ，１８ａ
内容積は収縮し、第１、第３液体室１７，１８内
容積は膨張され、これら第１、第２液体室１７，
１７ａ間および第３、第４液体室１８，１８ａ間
の圧力は第１連通路２２，２２ａを介して液体移
動されることにより均衡されようとする。ところ
が、前記軸方向の外力がバウンド、リバウンド時
に生ずる衝撃的な変位荷重である場合は、第１連
通路２２，２２ａのオリフイス効果によつて流体
移動に大きな抵抗が生じ、第２、第４液体室１７
ａ，１８ａ内の液体圧力が著しく大きくなつて剛
体状となり、該第２、第４液体室１７ａ，１８ａ
内容積の収縮が阻止される。すると、弾性体１３
のそれ以上の変形は抑制され、あたかも筒状ブツ
シユ１０全体のばね定数が著しく増大したかのよ
うになり、内周１１、外周１２間の軸方向の相対
変位が阻止され、ここにサスペンシヨンメンバ２
の上方変位が阻止されて制振機能が発揮される。
尚、サスペンシヨンメンバ２が下方変位したとき
には、第１、第２液体室１７，１７ａおよび第
３、第４液体室１８，１８ａ間の収縮、膨張関係
が、前述したサスペンシヨンメンバ２の上方変位
の場合と逆になるが、同様に第１連通路２２，２
２ａのオリフイス効果によつて制振機能が発揮さ
れる。

次に、サスペンシヨンメンバ２に伝達されるロ
ードノイズとかハーシユネス等の振動に対して
は、この振動が筒状ブツシユ１０の軸方向に入力
された場合、かかる振動による変位は著しく小さ
いため、弾性体１３の変形はほとんど伴わず、第
１、第２液体室１７，１７ａ内および第３、第４
液体室１８，１８ａ内の収縮、膨張に関係なく弾
性体１３自体の振動吸収能力により前記振動が車
体側に伝達されるのを遮断する。従つて、弾性体
１３のばね定数を小さく設定しておくとによつ
て、前記振動遮断機能が向上し、ロードノイズ、
ハーシユネス等によつて生ずる車室内騒音を防止
し、室内の静斉性を向上することができる。

尚、本実施例にあつては、前記第１、第２液体
室１７，１７ａの１組と前記第３、第４液体室１
８，１８ａの１組とが内筒１１を境にして対向配
置され、かつ、この対向される夫々の組が第２連
通路２３を介して連通されているため、これら互
いに１組となつた第１、第２液体室１７，１７ａ
と第３、第４液体室１８，１８ａとを外力の作用
方向、つまり車両前後方向に配置しておくことに
よつて、かかる外力の作用方向に対する制振機能
および振動遮断機能を効率良く行なうことができ
る。即ち、車両の急加、減速時等に発生する慣性
力が筒状ブツシユ１０に軸直角方向の外力として
作用した場合、前記第１、第２液体室１７，１７
ａおよび第３、第４液体室１８，１８ａの一方の
１組が潰されると共に、他方の１組が膨張され
て、第２連通路２３を介して液体移動が行なわれ
る。従つて、この液体移動時に第２連通路２３内
に発生するオリフイス効果により前記各液体室内
容積の変化が阻止され、ここに筒状ブツシユ１０
の軸直角方向つまり車両前後方向のサスペンシヨ
ンメンバ２の変位が阻止され制振機能が効果的に
発揮される。また、車両前後方向に作用する振
動、たとえばロードノイズ等の振動に対してもば
ね定数を小さくした弾性体１３によつて振動吸収
されることになる。

第４図、第５図は本発明の他の実施例を夫々示
す筒状ブツシユ３０，３０ａで、内筒３１，３１
ａと外筒３２，３２ａ間に装填される弾性体３
３，３３ａには前記実施例と同様に軸方向に対峙
して１対の液体室３４，３５および３４ａ，３５
ａが形成され、これら液体室３４，３５および３
４ａ，３５ａは連通路３６，３６ａを介して連通
されている。ここで、第４図に示す実施例にあつ
ては前記内筒３１の外側形状が両端から中央部に
行くに従つて徐々に拡径される謂わゆる太鼓状に
形成されることによつて、隔壁３７に対して外方
壁３８の径方向長さが大きくなるように設定され
ている。また、第５図に示す実施例にあつては、
前記内筒３１ａの外側形状が両端から中央部に行
くに従つて徐々に縮径される謂わゆるつづみ状に
形成されることによつて、隔壁３７ａに対して外
方壁３８ａの径方向長さが小さくなるように設定
されている。従つて、かかる第４図、第５図に示
す実施例にあつては、隔壁３７，３７ａと外方壁
３８，３８ａの長さが異なるために、軸方向の外
力が作用した際に液体室３４，３５および液体室
３４ａ，３５ａ内容積の一方が収縮し、他方が膨
張するため前記第２図に示す実施例と同様に軸方
向の外力に対する制振機能および振動遮断機能を
夫々向上することができる。

尚、前記第４図、第５図に示す筒状ブツシユ３
０，３０ａは、軸方向の外力のみを考慮して、各
液体室３４，３５および３４ａ，３５ａは環状に
形成されたものを図示したが、これに限ることな
く前記第２図の実施例で述べたように前記液体室
３４，３５および３４ａ，３５ａを、内筒３１，
３１ａを境にして対向されるように独立させ、そ
して、このように独立されて対向する液体室同志
を連通路を介して連通することにより、第２図の
実施例と同様に軸直角方向の外力に対する制振機
能および振動遮断機能を向上することができる。

ところで、前述した各実施例であつては、サス
ペンシヨンメンバ２を車体に取付ける際に用いら
れる筒状ブツシユ１０，３０，３０ａを例にとつ
て述べたが、これに限ることなく、トレーリング
アーム式のサスペンシヨンにあつてアームとサス
ペンシヨンメンバを連結する筒状ブツシユとし
て、また、４リンク式のサスペンシヨンにあつて
リンクの連結部として夫々用いることができ、更
にはサスペンシヨンに限ることなく、一般に存在
する振動体を固定体に装着する際に用いられる筒
状ブツシユに本発明を適用することができること
は勿論である。

発明の効果以上説明したように本発明の筒状ブツシユにあ
つては、弾性体内に、連通路を介して連通される
１対の液体室をブツシユの軸方向に対峙して形成
し、かつ、液体室間の隔壁と外壁との径方向長さ
を異ならせたので、筒状ブツシユに軸方向の衝撃
的な外力が作用した場合は、１対の液体室の一方
が収縮し他方が膨張されることに伴つて前記連通
路を介しての液体移動に大きな抵抗が生じ、弾性
体のそれ以上の変形が阻止される。従つて、内
筒、外筒間の相対的な軸方向移動が抑制され、こ
こにブツシユ軸方向における制振機能の向上が図
られる。また、軸方向の振動に対しては液体室の
容積変化はほとんど生ぜず、従つて、弾性体のば
ね定数を小さく設定しておくことによつて前記振
動が弾性体に効率良く吸収され、ここにブツシユ
軸方向における振動遮断機の向上が図られる。こ
のように、本発明は筒状ブツシユの軸方向におけ
る制振機能および振動遮断機能の両者を向上する
ようにしたので、従来果し得なかつた振動伝達特
性の著しい向上を達成できるという優れた効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の筒状ブツシユを用いたサスペン
シヨンの斜視図、第２図は本発明の一実施例を示
す筒状ブツシユの断面図、第３図は第２図に示す
筒状ブツシユの作動状態を示す要部断面図、第４
図、第５図は本発明の他の実施例を夫々示す断面
図である。１０，３０，３０ａ……筒状ブツシユ、１１，
３１，３１ａ……内筒、１２，３２，３２ａ……
外筒、１３，３３，３３ａ……弾性体、１６，３
７，３７ａ……隔壁、１７，１７ａ，１８，１８
ａ，３４，３４ａ，３５，３５ａ……流体室、２
１，２１ａ，３８，３８ａ……外方壁、２２，３
６，３６ａ……連通路。

Claims

【特許請求の範囲】

１同心状に配置される内筒、外筒と、これら
内、外筒間に装填される弾性体とを備え、該弾性
体内にブツシユの軸方向に対峙して１対の液体室
を形成すると共に、これら液体室間の弾性体によ
る隔壁と、各液体室の外方壁との径方向長さを異
ならせ、かつ、前記１対の液体室を連通路を介し
て連通させたことを特徴とする筒状ブツシユ。