JPS6345003B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は石油フアンヒータ等に用いられる燃焼
装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来この種の燃焼装置においては、第１図に示
すように、バーナヘツド１に設けられた炎孔２か
ら水平方向に形成される火炎Ｆによつて燃焼室３
等の外殻部が高温に加熱されるのを防ぐため、炎
孔２に対向する環状壁４を設け、火炎Ｆの広がり
を小さくしていた。ところがこの構成のものは、
燃焼範囲を広げるために二次空気５（図中の矢
印）を導入しても前記環状壁４の外側を通つて環
状壁４の上端から流入して火炎Ｆに接触するた
め、燃焼反応がほぼ終了しており、あまり燃焼特
性を向上させる効果が得られなかつた。また、前
記環状壁４によつて一次空気（火炎Ｆの形成され
る方向に流れる）と二次空気５の流れが平行して
いるため、混合が悪く、前述と同様に燃焼特性を
向上させる効果が得られにくく、燃焼範囲が狭か
つた。そのため、特にフアンヒータ等の室内開放
形の燃焼機においては、小さな空燃比バランスの
くずれによつても人体に有害な一酸化炭素等の未
燃成分を排出するという問題があつた。

発明の目的 本発明は上記の点に鑑みてなしたもので、燃焼
特性を改善し燃焼範囲の拡大を目的としたもので
ある。

発明の構成 上記目的を達成するため本発明は炎孔に対向す
る環状壁の内側すなわち、炎孔から環状壁に至る
までの部分に二次空気導入用の小孔を設け、二次
空気の火炎への接触を早くし、なおかつ混合をよ
くするようにしたものである。また環状壁の内側
と外側に両方に二次空気を流してアース板を冷却
し、耐久性を向上させる。

実施例の説明 以下その一実施例を第２図〜第４図を用いて説
明する。図において、６は上部を開口した気化
筒、７はこの気化筒に埋設したシーズヒータ、８
は上記気化筒６に燃焼用空気を供給する一次空気
通路で、送風機９と連通している。１０は上記気
化筒６の外側に二次空気１１を供給する二次空気
通路で一次空気通路８と同様に送風機９と連通し
ている。１２は同気化筒６に燃料を供給する燃料
パイプで、ポンプ１３を介して燃料タンク１４と
連通している。１５は同気化筒６の外周を囲むバ
ーナケースで、二次空気１１を上方に導いてい
る。１６は上記気化筒６の上部開口に配設した案
内体、１７はこの案内体１６の上方から気化筒６
の上部開口に覆着したバーナヘツドで、有天筒状
に形成してあり、その周壁部には金網１８を内貼
りした複数個の炎孔１９が形成してある。２０は
前記気化筒６の開口部外周に嵌合したアース板
で、水平部２０ａの外周縁に炎孔１９の外周を囲
む環状壁２０ｂが形成してある。前記アース板２
０の水平部２０ａには複数個の二次空気導入用小
孔２１が設けられ、前記炎孔１９と環状壁２０ｂ
の間隙に二次空気１１が流入するようになつてい
る。２２は炎孔１９から噴出する燃料と空気の混
合気を着火させる点火電極、２３は着火された火
炎Ｆを検出するフレームロツドである。

上記構成において、燃料パイプ１２から供給さ
れた燃料は気化筒６内で気化され、一次空気通路
８から供給された一次空気と混合され、案内体１
６を通つてバーナヘツド１７の周壁部の炎孔１９
から噴出する。そしてこの混合ガスは点火電極２
２からの火花放電により着火され、火炎Ｆを形成
し、燃焼を開始する。

一方、二次空気通路１０から供給される二次空
気１１は、気化筒６の外側すなわちバーナケース
１５の内部を通つて上方に導かれ、一部は、アー
ス板２０の水平部２０ａに設けられた二次空気導
入用小孔２１を通つて炎孔１９と環状壁２０ｂの
間隙に流入する。したがつて炎孔１９に形成され
た火炎Ｆの炎孔１９にかなり近い位置に二次空気
１１が流入することになり、燃焼反応の途中段階
で二次空気１１が得られ、燃焼反応が促進され、
より完全な燃焼が実現できることになる。

また、本実施例のものは、炎孔１９から噴出す
る混合ガス（火炎Ｆ）の流れは水平方向であるの
に対して、二次空気導入用小孔２１を通過して流
入する二次空気１１の流れは垂直方向であるの
で、火炎Ｆと二次空気１１の混合がきわめてよ
く、燃焼反応がより一層効率よく行なわれるよう
になる。したがつて、燃焼範囲が格段に拡大さ
れ、燃料と空気の空燃比バランスが多少変化して
も、常に完全燃焼し、有害な一酸化炭素等を排出
するまでには至らない。

なお上記実施例では、アース板２０は気化筒６
（バーナ本体）に嵌合したものであるが、環状壁
に至るまでの部分を気化筒６（バーナ本体）に一
体成形したものであつても同様の効果が得られる
のは言うまでもない。また、上記実施例では液体
燃料を用いる燃焼装置で説明したが、気体燃料を
用いた燃焼装置であつても同様である。

発明の効果 以上の説明で明らかなように本発明によれば、
一次空気と燃料の混合ガスに着火されて形成され
た火炎に対し、その燃焼反応の途中段階でしかも
混合しやすい状態で二次空気を導入することがで
きるので、燃焼反応がより効率よく行なわれ、燃
焼範囲を拡大することができる。したがつて、空
燃比のバランスが多少変化しても、不完全燃焼に
は至らず、安全な燃焼装置を提供することができ
る。さらに環状壁の内側と外側の両方に二次空気
を流すことにより、火炎がより内側に寄せられる
とともに、環状壁は両側から冷却されるので、温
度をかなり低下させることができ、アース板の耐
久性は格段に向上される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃焼装置を示す断面図、第２図
は本発明の一実施例における燃焼装置の断面図、
第３図は同燃焼部の斜視図、第４図は同燃焼部の
断面図である。 ６……バーナ本体（気化筒）、１５……バーナ
ケース、１７……バーナヘツド、１９……炎孔、
２０……アース板、２０ｂ……環状壁、２１……
二次空気導入用小孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 炎孔を周壁部に有する筒状のバーナヘツド
   と、バーナ本体の外周に位置し、かつ前記炎孔に
   対向する環状壁を具備したアース板と、前記バー
   ナ本体の外周を囲むバーナケースと、前記バーナ
   本体とバーナケースとの間に空気を送風する送風
   機とを備え、前記バーナケースの上部とアース板
   との間に二次空気を流す間隙を設けると共に、ア
   ース板の根元部に複数個の二次空気導入用小孔を
   設けて、前記送風機からの二次空気を前記環状壁
   の内側と外側とに流す構成とした燃焼装置。