JPS6341382Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、搬送される用紙をレジストローラに
よつて一旦停止した後に更に搬送するようにした
給紙装置に関する。

上記のレジストローラによる用紙の停止は、所
定のタイミングで用紙を排送するための操作であ
つて、例えば複写機においては、転写紙搬送のタ
イミングと露光走査系の露光のタイミングとを合
わせるために行なわれる。

上記形式の給紙装置において、所定方向に回転
する送りローラとそのローラに圧接する分離ロー
ラとによつて用紙を挾持搬送すると共に、送りロ
ーラと分離ローラとの間に用紙が１枚あるとき又
は存在しないときには分離ローラを送りローラに
従つて又は搬送される用紙に従つて連れ回りさ
せ、一方それらのローラ間に用紙が、２枚以上あ
るときにはそれら用紙間の摩擦力に打ち勝つて分
離ローラを紙搬送方向と逆方向に回転させるよ
う、その分離ローラにトルクを与えるようにした
装置がある。

この装置では、仮に送りローラと分離ローラと
の間に複数枚の用紙が送られたとしても、送りロ
ーラから見て２枚目以降の用紙は、上記分離ロー
ラの逆方向回転に応じて紙搬送方向とは逆方向に
戻されるので、これらのローラの下流側には１枚
の用紙が送り出されるのみである。このように、
分離ローラの逆方向回転は用紙の重送を防止する
という働きをする。しかしながら、こうして送り
出された１枚の用紙は、レジストローラによつて
排送タイミングの調整のために停止される際、結
果的に後方へ押し戻される作用、いわゆるバツク
リング作用を受けるので、本来用紙１枚のときに
は起らないように設定されている分離ローラの逆
転を生ずる可能性があり、その場合にはレジスト
ローラによる用紙先端のくわえのミスが生じ、ひ
いては給紙不良につながる。

本考案は、上記の点にかんがみ、用紙の排送タ
イミング調整時におけるレジストローラの働きを
確実にして給紙が安定して行なわれるようにする
ことを目的とする。

以下、本考案をその実施例を示す図面に基づい
て説明する。

第１図において、積載された用紙１は、それら
のうちの最上紙に接触し且つ図中正時計方向に回
転するピツクアツプローラ２によつて前方（矢印
Ａ）へ送り出される。こうして送り出された用紙
は、互いに圧接する送りローラ３と分離ローラ４
との圧接部に達する。

送りローラ３は、図示しない駆動系によつて図
中正時計方向に一定トルクで駆動される。他方、
分離ローラ４は、第１図の矢視に従う平面図で
ある第２図に示すように、後述するレジストロー
ラ５の駆動軸５ａに駆動連結される。同図におい
て、レジストローラ５と一体の駆動軸５ａは、チ
エーン６、スプロケツト７及びクラツチ８を有す
る伝動系１０を介して図示しない駆動源によつて
駆動される。駆動軸５ａの適所には歯車９が取り
付けられ、この歯車９には他の歯車１１が噛み合
う。歯車１１は、プーリ１２，１３、それらのプ
ーリ間に掛け渡されたタイミングベルト１４、及
びプーリ１３の軸に取り付けられた歯車１５を有
する伝動系１６の１部を形成する。上記の歯車１
５は、トルクリミツタ１７を介して分離ローラ４
と連結する駆動軸１８上に取り付けられた歯車１
９に噛み合う。このようにして、分離ローラ４の
駆動軸１８とレジストローラ５とは伝動系１６に
よつて駆動連結され、したがつてレジストローラ
５が回転するときには常に上記駆動軸１８も回転
する。尚、このときの両者の回転方向は、第２図
における矢視に従う側面図である第３図からわ
かるように、レジストローラの駆動軸５ａ（従つ
てレジストローラ５）及び分離ローラの駆動軸１
８共に正時計方向である。

第２図においてトルクリミツタ１７は、駆動軸
１８の回転を所定トルク分だけ分離ローラ４に伝
える。すなわち、分離ローラ４に加わる負荷が上
記所定トルク以下であれば分離ローラ４は駆動軸
１８の回転に従つて回転するが、上記負荷が上記
所定トルク以上になると、分離ローラ４は駆動軸
１８の回転には追従しない。

以上の理由により分離ローラ４は、負荷が所定
値以下であれば正時計方向に回転し、負荷が所定
値以上であれば送りローラ３の回転に従つて反時
計方向へ回転する。本実施例では上記負荷の所定
値を、送りローラ３と分離ローラ４との間に複数
の用紙が挾持された場合におけるそれらの用紙相
互間に生ずる摩擦力と等しくとつている。この摩
擦力によつて分離ローラ４に加えられる負荷は、
分離ローラ４が送りローラ３と直接に接触する場
合及びそれらのローラの間に１枚の用紙がある場
合において分離ローラ４に加えられる負荷よりも
小さい。よつて分離ローラ４は、ローラ３とロー
ラ４との間に用紙がないとき又は用紙が１枚だけ
あるときは反時計方向に連れ回りするが、それら
のローラ３と４との間に複数枚の用紙があるとき
は駆動軸１８によつて正時計方向に回転する。

したがつて、仮に送りローラ３と分離ローラ４
との間に複数枚の用紙が来たとしても、送りロー
ラ３から見て２枚目以降の用紙は、正時計方向に
回転する分離ローラ４によつて後へ戻されるの
で、これらのローラの下流に送り出される紙は常
に１枚のみである。

こうして送り出された１枚の紙は、上ガイド板
２１と下ガイド板２２との間を通つてレジストロ
ーラ５とそのレジストローラ５に接触する従動ロ
ーラ２３との接触部に達する。レジストローラ５
は、通常は停止状態にあり、所定のタイミングで
駆動系１０（第２図）によつて正時計方向に回転
する。こうして用紙は、所望のタイミングで更に
前方へ送り出されるのである。このように用紙は
停止するレジストローラ５に突き当つた状態で止
まつているのであるが、その後部ではなおも送り
ローラ３によつて送り作用を受けるので、図示の
通りにたわみを生じ、結果的に矢印Ｂの方向への
前記バツクリングを生ずる。このバツクリングが
生ずると、本来は用紙に連れ回りして反時計方向
に回転すべき分離ローラ４が正時計方向へ回転し
てしまう場合もあり、その場合には用紙が後戻り
するという不都合を生ずる虞れがある。本実施例
ではその不都合を解消するために、レジストロー
ラ５の近くの下流位置に光センサ２４を配置し、
その位置に用紙が達したときにはそのセンサ２４
から適宜の信号を出力させ、その信号に基づいて
第２図のクラツチ８をオフにする。クラツチ８の
オフにより、駆動軸５ａは停止し、よつてレジス
トローラ５及び分離ローラ駆動軸１８は停止す
る。レジストローラ５の停止により用紙の停止、
従つて用紙の給送タイミングの調整が行なわれる
のは前述の通りである。しかしこのとき、同時に
駆動軸１８も停止するので、分離ローラ４は単に
用紙と連れ回りするだけの状態になり、よつて用
紙は後戻りすることがなく、したがつてレジスト
ローラ５が再度回転を開始する際、レジストロー
ラ５と従動ローラ２３との間で用紙のくわえ込み
ミスを生ずるのを防止できる。

このように本実施例によれば、トルクリミツタ
１７を設けると同時に駆動解除手段としてのクラ
ツチ８等を設けてあるので、レジストローラ５へ
送られる用紙の重送を回避して該レジストローラ
５へ１枚の用紙のみを確実に送り出すことができ
ると同時に、レジストローラ５へ送られたその１
枚の用紙をレジストローラ５及び従動ローラ２３
でくわえ込んだ状態で確実に静止して保持でき、
その結果、当該１枚の用紙をその位置ズレを防止
しつつレジストローラ５により適正なタイミング
で送りミスを生ずることなく確実に再給送するこ
とができる。

上記実施例では、レジストローラ５の駆動源と
分離ローラ４の駆動源とを同一として、しかもそ
れらのローラのオン・オフ制御を同時に行なつて
いるので、構成を簡単にすることができるように
なつているが、仮に両方のローラ４及び５の駆動
源又は制御方法をそれぞれ別個に行なうようにし
ても一向に差支えない。但し、分離ローラ４は、
用紙がレジストローラ５に達した時点で停止する
ように制御される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す給紙装置の概略
側断面図、第２図は第１図における矢視に従う
平面図、第３図は第２図における矢視に従う側
面図である。 １……用紙、５……レジストローラ、３……送
りローラ、４……分離ローラ、１８……駆動軸、
１７……トルクリミツタ、２４……光センサ、８
……クラツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 搬送される用紙１をレジストローラ５によつて
   一旦停止した後に更に搬送するようにした給紙装
   置において、 用紙を搬送するために回転する送りローラ３
   と、 送りローラと協働して用紙を挟持する分離ロー
   ラ４と、 分離ローラを駆動するための駆動軸１８と、 分離ローラへの負荷が所定値以下のときその分
   離ローラと上記駆動軸とを駆動連結し上記の負荷
   が所定値を越えるとき上記駆動連結を解除するト
   ルクリミツタ１７と、 上記レジストローラによつて用紙が一旦停止さ
   れる間上記駆動軸を停止させる駆動解除手段８
   と、 を有することを特徴とする給紙装置。