JPS63377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は容器等に取付けられ乳液等の比較的粘
性の高い内容液を略一定量づつ射出する小形の液
体射出装置に係り、特に噴出ヘツドから横方向に
延びるノズル管先端部に、ノズル孔の目詰まりを
防止する目詰まり防止機構を付設した液体射出装
置を提供することを目的とする。

以下添付図面を参照して本考案実施例を説明す
る。第１図において、１は乳液等の液体を収容し
た容器、２はこの容器１の口部に螺着もしくは嵌
着により液密に嵌合されたキヤツプ等の装着部材
で、この装着部材２上端面は小径に開口してあ
る。該装着部材２内にはその上端を装着部材内壁
部に固定した縦長の円筒状のシリンダー３が垂設
してあり、該シリンダー３下端の小径底部４は液
中に垂下されている吸上げ管５上端を固定してい
る。該吸上げ管５上端開口は弁孔６を形成してお
り、この弁孔６は、可撓性板に舌状の弁部を切設
した吸込み弁７で塞がれている。

一方、前記装着部材２の開口には、上端にノズ
ル管８を持つ噴出ヘツド９を固定したステム１０
が上下動可能に挿通されている。該ステム１０の
装着部材２内の下端部は拡径され、この拡径部に
より装着部材２から抜け出さないようにしてあ
る。このステム１０下端の段形部内面には、前記
シリンダー３内を摺動する筒状のピストン１１が
固定され、該ピストン１１下端面と前記吸込み弁
７間にはコイルバネ１２が介挿されており、この
バネ１２がピストン１１を介し前記ステム１０、
噴出ヘツド９を常時上方に押し上げている。また
ピストン１１上端開口部には、この開口を封止す
る球状の吐出弁１３が遊嵌されている。該吐出弁
１３の上方のステム１１部には狭径部１４があ
り、この狭径部１４を越えて吐出弁１３が上方に
移動しないようになつている。

前記ノズル管８先端開口部には、ノズル孔の目
詰まりを防止する目詰まり防止機構１５が付設し
てある。即ち、ノズル管８先端開口には、先端を
閉塞し、該閉塞先端近くの周壁に周方向の幾つか
のノズル孔１６を明けたキヤツプ状のノズル孔部
材１７が挿入固定してあり、この部材１７外面
に、筒状弾性体１８からなる目詰まり防止機構１
５を嵌合密着させ、常時該弾性体１８でノズル孔
１６を気密に封止するようにしたものである。
尚、筒状弾性体１８は、後端基部に外向きフラン
ジ１９を形成し、該フランジ１９部内周に係合周
条を突設し、該係合周条をノズル孔部材１７外周
の周溝に嵌着して固定し、先端側が外方に拡開で
きるように取付けてある。

次に上記装置の作用を説明する。定常時におい
ては、吸込み弁７を介し吸上げられた液体はシリ
ンダー３内に略充満しており、またノズル孔１６
は筒状弾性体１８により気密に封止されている。
この状態で噴出ヘツド９によりステム１０を介し
ピストン１１をバネ１２に抗して下方に押下げる
と、該ピストン１１は上端開口が吐出弁１３で封
止されていることから当該下降動作でシリンダー
３内の液圧が高まり、この液圧が規定値に達する
と吐出弁１３を上方に押し上げ、シリンダー３内
の液体は該吐出弁１３とステム１０間の間隙を通
しノズル管８に向けて射出される。すると、この
射出された液の噴射圧により筒状弾性体１８が図
示破線のように外方に押し拡げられノズル孔１６
が開口するので、射出された液はノズル孔１６か
ら外方に噴出される。シリンダー３内の液体が略
射出された時点で押下げ動作を停止すると噴出ヘ
ツド９、ステム１０、ピストン１１はバネ１２に
より図示状態に復帰するが、一方前記液体射出が
終了するとシリンダー３内が負圧化するので容器
１内の液体は吸上げ管５及び吸込み弁７を通しシ
リンダー３内に流入し、射出動作の一サイクルが
終る。

この種液体射出装置で、液体が粘性の高い乳液
等の場合には、液を射出したときこの液体がノズ
ル孔に付着して固化し目詰まりを起すおそれが多
い。しかし上記本考案では、ノズル管８先端開口
部のノズル孔部材１７外囲に目詰まり防止機構で
ある筒状弾性体１８を密着嵌合させ、液射出終了
により拡開した弾性体１８を復帰させてノズル孔
１６を気密に封止させるようにしたので、ノズル
孔１６に付着した液が乾燥固化するのが防止で
き、従つてノズル孔１６の目詰まりが防止でき
る。

第２図乃至第４図は他の異なる目詰まり防止機
構１５を示したものである。第２図のものは、ノ
ズル孔部材１７を、ノズル管８に挿入固定される
筒体部２０先端から周方向適宜間隔で数本の足２
１を延出し、これら足２１先端にブロツク２２を
固定して足２１間空所をノズル孔１６とし、一方
筒状弾性体１８は中途に外側への折曲げ部２３を
設け、且つ先端開口を前記ブロツク２２の先端小
径部前面から気密に嵌合してノズル孔１６を封止
したもので、液射出時には射出液で弾性体１８を
前方に押し延ばすことで液をノズル孔１６、弾性
体１８先端開口から外方に射出する。

第３図のものは、ノズル孔１６をノズル管８先
端近くに下向きに設け、一方ノズル管８先端開口
は内側面から案内筒２４を穿設した端板２５で閉
塞し、また案内筒２４で案内される封止板２６を
バネ２７で噴出ヘツド９側に付勢させてノズル管
８とノズル孔１６を気密に封止したもので、液射
出時には射出液でバネ２７に抗して封止板２６を
ノズル管先端方向に押込んでノズル管８からノズ
ル孔１６への通路を解放し、液をノズル孔１６か
ら外方に射出する。

第４図のものは、ノズル管８先端開口部に、該
ノズル管８を延長するように挿入固定した筒状の
ノズル孔部材１７の後端部に柱２８を設け、該柱
２８から先端側に蛇行状のバネ２７を延出し、該
バネ２７先端にノズル孔１６であるノズル孔部材
１７内孔を気密に封止する摺動封止板２６を固定
したもので、液射出時に射出液でバネ２７に抗し
て封止板２６をノズル孔部材１７外方に押出して
ノズル孔１６を開口し、液を該ノズル孔１６から
外方に射出する。この例の場合、封止板２６内面
周縁から、ノズル孔部材１７内周面に摺接する数
本の案内棒を内方に突出させておき、液射出完了
後に封止板２６が該案内棒に案内され円滑且つ確
実にノズル孔部材１７内に戻るようにしておくの
がよい。これら第２図乃至第４図実施例によつて
も第１図例と同様に目的が達成できる。

以上記載の如く本考案では、ノズル孔１６の位
置に応じ、筒状弾性体１８若しくはバネ２７で付
勢された封止板２６からなる目詰まり防止機構１
５でノズル孔１６を気密に封止しておき、液射出
時には射出液でこの目詰まり防止機構１５を変位
させノズル孔１６を開口して液射出させ、液射出
終了にて自動的に復帰させてノズル孔１６を気密
に封止するようにしたので、液射出終了の都度ノ
ズル孔１６が気密に封止でき、従つてノズル孔１
６に液体が付着してもこの液体の乾燥固化を防止
し、これによりノズル孔１６の目詰まりが防止で
きる液体射出装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案液体射出装置の主要部を縦断し
て示した側面図、第２図乃至第４図は同液体射出
装置の夫々異なる他のノズル孔目詰まり防止機構
を示し、第２図と第３図は縦断面図、第４図は一
部破断斜視図である。 １……容器、３……シリンダー、８……ノズル
管、９……噴出ヘツド、１５……目詰まり防止機
構、１６……ノズル孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器口部に嵌合可能に設けた装着部材２の上部
   内面からシリンダー３を垂設し、該シリンダー３
   内には装着部材２の頂壁を貫通させたステム１０
   下端に付設した筒状ピストン１１を嵌合し、また
   ステム１０上端にはノズル管８付き噴出ヘツド９
   を装着し、前記シリンダー底部には吸込み弁７
   を、またステム１０或いは筒状ピストン１１内に
   は吐出弁１３を設けた液体射出装置において、筒
   状弾性体１８またはバネ２７で付勢された封止板
   ２６から形成されて前記ノズル管８先端部にノズ
   ル孔１６を気密に封止して設けられ、液射出時、
   射出液で変位されてノズル孔１６を開口し、液射
   出停止で復帰してノズル孔１６を気密に封止する
   目詰まり防止機構１５を備えた液体射出装置。