JPS6330822Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はデイスクブレーキにおける摩擦パツド
の支持構造、特に摩擦パツドの構造に関するもの
である。

一般に、デイスクブレーキの摩擦パツドの保持
は、種々の形式で行なわれるが、近時の傾向とし
て車体固定部に固定したサポート、あるいは車体
固定部の延設部分（以下サポートと略称する）に
ローター軸方向移動可能に組付けるようにしたも
のが多くなつている。

この場合、通常はローター径外方に開いたサポ
ートの凹設部内に摩擦パツドを収容し、ローター
周方向について隔設する凹設部の壁面それぞれに
よつて該摩擦パツドを係合支持するのが普通であ
り、更に摩擦パツドのガタ止め、摺動面の錆付防
止の上から、所謂パツドクリツプと称される板金
プレス材を組付けることも多くなされている。

第１図、第２図はこのようなパツドクリツプと
して従来知られている形式のものの一つを示し、
第１図に示した如く、パツドクリツプ１は摩擦パ
ツド５がローター両側に配置されることに鑑み、
ローター縁部を跨ぐ跨ぎ連結部２を介して対称的
に一対の摩擦パツド係合鉤部３，３を備え、この
鉤部３，３は延出根元部から屈曲されて摩擦パツ
ド５の耳部６に対して弾着することにより、該摩
擦パツド５の抜け止めをなすと共に、前記根元部
の摩擦パツド耳部６側面への弾着係合によつて摩
擦パツドをローター周方向に押圧するようになつ
ている。

そしてこのパツドクリツプ１は、前記係合鉤部
３，３部分に対して屈曲するコの字状ないしＬ字
状の組付け部４が、サポート７の凹設部側壁面の
凹部に嵌合弾着されて係止されるようになつてい
る。

ところで、このようなパツドクリツプ１は、バ
ネ部材として摩擦パツド５のガタ止めをなすと共
に、サポートと摩擦パツドの間に介在されて摺動
面も形成するために、摩擦パツド５の新品時から
フル摩耗時に至る範囲で摺動面を備える必要があ
る。

換言すると、部材は摺動面を形成する範囲の長
さを持つのである。

また前述した摩擦パツドを、トルク支持という
意味で実質的に保持するサポートは、ブレーキ装
置の軽量化等の要錆から、ローター軸方向につい
てはあまり厚みをもつものとして構成されておら
ず、このために摩擦パツドが組付け部から脱落す
るという虞れもある。

本考案は、これらのことから、前述した形式の
パツドクリツプに摩擦パツドのローターからの後
退限界を定める爪部を形成して、該摩擦パツドの
サポートからの脱落を防止させるようにしたもの
である。

而して本考案よりなるデイスクブレーキのパツ
ドクリツプの特徴は、ローター縁部を横切つてロ
ーターの両側に渡るようにサポートに組付け配置
され、該サポートに支持されるローター挾圧用の
一対の摩擦パツドを係止すると共に、該一対の摩
擦パツドにローター周方向のバネ力を作用するよ
うに設けられたパツドクリツプにおいて、このパ
ツドクリツプのローター軸方向両外側部に、前記
摩擦パツドがローターから離れる後退の限界を定
める該摩擦パツドとの係合爪を設けたという構成
をなすところにある。

以下本考案を図面第３図〜第６図に示す実施例
に基づいて説明する。

図面第３図ないし第６図において、１１は板金
プレス製のパツドクリツプであり、ローター縁部
を跨いでローター両側に渡るように設けられロー
ター周方向に離隔して一対に配置されている。そ
してこのパツドクリツプ１１は、図示から理解さ
れるようにローター縁部を跨ぐための凹設部をな
すように、平板材の中央部を打抜いたものを屈曲
させ、この屈曲状態で摩擦パツドに対してロータ
ー周方向のバネ力作用を生ずるようになされてい
る。

そしてこの屈曲部１２，１３は、その一方１２
ローター両側においてサポート１７の凹設部側壁
に形成した凹部に嵌合弾着する折曲げ縁部１４，
１４を備えている。また屈曲部の他方１３には、
サポート１７の段付部分に引掛される摩擦パツド
１８の耳部１９を引掛する爪部１５，１５をロー
ター両側において備えるように設けられており、
この爪部１５，１５は、摩擦パツド１８のロータ
軸方向移動範囲をカバーする長さをもつようにな
されている。

そして本考案の特徴は、このローター両側に渡
るパツドクリツプ１１のローター軸方向の最外側
位置（すなわち摩擦パツドのローターからの後退
限界位置）に、該摩擦パツド１８の後退規制をな
す係合爪１６，１６を形成したこをにあり、第３
図に示す例では、この係合爪１６は屈曲部１３か
ら前記爪部１５とは独立して形成されたものを示
し、第５図に示す例では前記爪部１５の一部から
延出させるように形成されたものを示している。

このような構成のパツドクリツプ１１によれ
ば、摩擦パツド１８をローター周方向に押圧し、
しかもその摩擦パツドのサポート１７への保持を
確実になさしめるという効果が得られることは勿
論、単に係合爪を設けたことのみによつて摩擦パ
ツドのサポート１７からの脱落が有効に防止され
るという利益があり、その実用上の利益は極めて
大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図面第１図および第２図は従来例を示し、第１
図はパツドクリツプの斜視図、第２図は組付け状
態を示す図である。第３図〜第６図は本考案の実
施例を示すもので、第３図、第５図はそれぞれパ
ツドクリツプの斜視図、第４図、第６図はそれぞ
れ組付け状態を示す図である。 １……パツドクリツプ、２……連結部、３……
係合鉤部、４……組付け部、５……摩擦パツド、
６……耳部、７……サポート、１１……パツドク
リツプ、１２，１３……屈曲部、１４……折曲
部、１５……爪部、１６……係合爪、１７……サ
ポート、１８……摩擦パツド、１９……耳部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ローター縁部を横切つてローターの両側に渡る
   ようにサポートに組付け配置され、該サポートに
   支持されるローター挾圧用の一対の摩擦パツドを
   係止すると共に、該一対の摩擦パツドにローター
   周方向のバネ力を作用するように設けられたパツ
   ドクリツプにおいて、このパツドクリツプのロー
   ター軸方向両外側部に、前記摩擦パツドがロータ
   ーから離れる後退の限界を定める該摩擦パツドと
   の係合爪を設けたことを特徴とするデイスクブレ
   ーキのパツドクリツプ。