JPS6326989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、各種自動車において、天井内張り用
リステイングワイヤを支持する構造に関する。

従来、第１図及び第２図に示すように、ルーフ
パネルａの端部に形成されたフランジｂにはウイ
ンドガラスｃが取付けられる一方、ルーフレイン
フオースメントｄが連接されており、ルーフレイ
ンフオースメントｄは、フランジｂに接合される
フランジ部ｅより第１平面部ｆ、立上部ｇ及び第
２平面部ｈが順に連続して形成されると共に、第
２平面部ｈから立上部ｇに亘つてコ字状に切欠か
れて、立上部ｇにおける切欠き開口がリステイン
グワイヤ係止口ｉとなつている。更に、ルーフレ
インフオースメントｄの上部にはブラケツトｊが
固着されており、ブラケツトｊは第１及び第２平
面部ｆ，ｈに溶接される第１フランジｋ及び第２
フランジｌと立上部ｇに一定間隔を存して平行な
ストツパｍとより構成され、第２平面部ｈにおけ
る切欠き開口は第２フランジｌにより閉鎖され、
係止口ｉに挿入されたリステイングワイヤには、
上方への動きが第２フランジｌにより、長さ方向
の動きがストツパｍにより規制されて支持されて
いる。

しかし、上述の構造においては、リステイング
ワイヤ係止口ｉを形成るに当り第２平面部ｈの一
部をも切除しているため、その第２平面部ｈの開
口を閉鎖する必要があり、しかも第２フランジｌ
を第２平面部ｈに固着する必要から、ブラケツト
ｊはその幅Ａが係止口ｉの幅Ｂより相当大きなも
のに構成しなければならず、大型となつて高価に
なると共に、車体全体に比して小部品といえども
重量が大きいために、車体軽量化の妨げになると
いう欠点がある。

一方、実開昭53−109227号公報には、リステイ
ングワイヤ係止片を設け、該係止片にリステイン
グワイヤを係止するものが開示されているが、こ
の方法だと係止片を一個ずつ組付ける必要があ
り、作業性が煩わしいという欠点があつた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、上
述した如き構造において、リステイングワイヤの
長さ方向の動きを規制するストツパを有するブラ
ケツトを小型にし、安価且つ軽量で作業性に優れ
る天井内張り用リステイングワイヤの支持構造を
提供することを目的とするものである。

本考案は、上記目的を達成するために、ルーフ
パネル端部近傍に配設され、該ルーフパネルに対
面する第１平面部と、該第１平面部からルーフパ
ネルに向つて伸びる立上部と、設立上部に連続し
ルーフパネルに対面する第２平面部とから成るル
ーフレインフオースメントの立上部にリステイン
グワイヤ係止口が形成される一方、該リステイン
グワイヤ係止口の幅とほぼ同じ幅を有し、且つル
ーフレインフオースメントの第１平面部と第２平
面部とに接合される第１フランジと第２フランジ
及び立上部とほぼ平行でリステイングワイヤ係止
口に挿入されるリステイングワイヤの長さ方向の
動きを規制するストツパを有するブラケツトがル
ーフレインフオースメントに固着されてなること
を特徴とするものである。

以下、本考案の実施例を図面に沿つて説明す
る。

第３図及び第４図に示すように、１は自動車の
ルーフパネルで、前端部に屈曲成形されたフラン
ジ２の上部にはウインドガラス３が接着剤４によ
つて取付けられており、ウインドガラス３の上端
縁はモール５が取付けられて覆われている。

６はルーフパネル１の下方に添うルーフレイン
フオースメントで、フランジ２の下部に接合され
るフランジ部７と、フランジ部７に湾曲部８を介
して連続しルーフパネル１に対面する第１平面部
９と、第１平面部９から屈曲しルーフパネル１に
向つて上方へ伸びる立上部１０と、立上部１０か
ら屈曲して連続しルーフパネル１に対面する第２
平面部１１とより断面ほぼ逆ハツト型に形成され
ている。さらに立上部１０には一部上方に切り起
されて矩形状のリステイングワイヤ係止口１２が
形成され、天井内張り用リステイングワイヤ１３
の端部が挿入される。

１４はルーフレインフオースメント６の上部に
固着されるブラケツトであり、第１平面部９の上
面に接合される第１フランジ１５と、第１フラン
ジ１５から屈曲し且つ立上部１０に一定間隔を存
してほぼ平行にルーフパネル１に向つて上方へ伸
びるストツパ１６と、ストツパ１６から屈曲して
連続し第２平面部１１の上面に接合される第２フ
ランジ１７とより構成されている。さらにブラケ
ツト１４は、その幅Ｘがリステイングワイヤ係止
口１２の幅Ｙとほぼ同幅に形成されたもので、ス
トツパ１６が係止口１２に対面している。

従つて、リステイングワイヤ１３は係止口１２
に挿入され、その長さ方向の動きは端面がストツ
パ１６に当接して規制される一方、上方への動き
は第２平面部１１に当接して規制され、ルーフレ
インフオースメント６に支持されている。

第５図は模式的に示すルーフレインフオースメ
ント６にリステイングワイヤ係止口１２を形成す
る成型装置１８を示し、固定されたパンチプレー
ト１９上にパンチホルダ２０が取付けられ、パン
チホルダ２０の上部凹溝２１には逆Ｌ字状の本体
パンチ２２が設けられている。さらに本体パンチ
２２の上方にはスラストガイド２３に添つて上下
動するプレツサ２４が設けられ、プレツサ２４は
スプリング２５によつて下方に押圧され、パンチ
ホルダ２０上に載置されたルーフレインフオース
メント６を本体パンチ２２との間にて挾持する。
またパンチプレート１９上にはパンチホルダ２０
の前方にパンチ２６が水平移動自在に設けられ、
パンチ２６は前方に突出するピアスベンド２７と
後部にカム２８とが設けられ、ピアスベンド２７
を水平動せしめてルーフレインフオースメント６
の立上部１０の一部を切り起し、リステイングワ
イヤ係止口１２を形成する。

尚、本実施例は、リステイングワイヤ係止口１
２をピアスベンド２７により立上部１０の一部を
切り起して形成するようにしたが、立上部１０の
一部をピアスにより切除して係止口を形成しても
よい。

さらに、本実施例は、車両の前後方向にリステ
イングワイヤを配設するものについて述べたが、
本考案は車両の左右方向、つまり車幅方向にリス
テイングワイヤを配設するものにも適用できるも
のである。その場合、ルーフレインフオースメン
トは左右のルーフレールインナーで構成されるも
のである。

以上のように本考案によれば、ルーフレインフ
オースメントの立上部にリステイングワイヤ係止
口を形成し、ブラケツトをその幅が係止口の幅と
同幅にしてルーフレインフオースメントに固着し
たために、リステイングワイヤを確実に支持でき
ると同時に、該リステイングワイヤの長さ方向の
動きを規制するストツパを有するブラケツトを従
来に比して小型にすることができるので、安価に
製造することができると共に、軽量で、作業性も
優れたものにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例を示し、第１図はリ
ステイングワイヤの支持構造を示す要部の断面
図、第２図はブラケツト及びルーフレインフオー
スメントの斜視図、第３図乃至第５図は本考案の
実施態様を示し、第３図はリステイングワイヤの
支持構造を示す要部の断面図、第４図はブラケツ
ト及びルーフレインフオースメントの分解斜視
図、第５図はリステイングワイヤ係止口の成型装
置を示す断面図である。 １……ルーフパネル、２……フランジ、３……
ウインドガラス、６……ルーフレインフオースメ
ント、７……フランジ部、９……第１平面部、１
０……立上部、１１……第２平面部、１２……リ
ステイングワイヤ係止口、１３……リステイング
ワイヤ、１４……ブラケツト、１５……第１フラ
ンジ、１６……ストツパ、１７……第２フラン
ジ、１８……成型装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーフパネル端部近傍に配設され、該ルーフパ
   ネルに対面する第１平面部と、該第１平面部から
   ルーフパネルに向つて伸びる立上部と、該立上部
   に連続しルーフパネルに対面する第２平面部とか
   ら成るルーフレインフオースメントの立上部にリ
   ステイングワイヤ係止口が形成される一方、該リ
   ステイングワイヤ係止口の幅とほぼ同じ幅を有
   し、且つルーフレインフオースメントの第１平面
   部と第２平面部とに接合される第１フランジと第
   ２フランジ及び立上部とほぼ平行でリステイング
   ワイヤ係止口に挿入されるリステイングワイヤの
   長さ方向の動きを規制するストツパを有するブラ
   ケツトがルーフレインフオースメントに固着され
   てなることを特徴とする天井内張り用リステイン
   グワイヤの支持構造。