JPH0542887Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のドアに関し、更に詳細に
は、ドア本体から上方に立ち上がるサツシユの外
面に沿つて、ドアガラスが上下方向に摺動可能に
設けられた自動車のドア、即ちインナサツシユタ
イプのドア構造に関する。

（従来の技術） 走行中の空気抵抗および風切り音を減少ととも
に、外観を向上させるための一つの手段として、
車外外面のほぼ面一としたいわゆるフラツシユサ
ーフエス化した自動車の構造が知られている。

そのような構造の自動車においては、例えば実
開昭60−151718号公報に開示されているように、
ドア本体から上方に立ち上がるサツシユの外面に
沿つて、ドアガラスが上下方向に摺動可能に設け
られた、いわゆるインナーサツシユタイプを採用
している。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記のようなインナーサツシユ
構造においては、ドアガラスの外部に位置する部
材がないので、特に高速走行時にドアガラスの吸
い出しという問題点がある。

そこで、本考案は、構造が簡単な吸い出し防止
部材を備えた自動車のドア構造を提供することを
目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、ドア本体から上方に立ち上がるサツ
シユの外面に沿つて、ドアガラスが上下方向に摺
動可能に設けられた自動車のドアにおいて、前記
サツシユの所定部位には、ドアガラスの車体外方
への移動を規制する吸い出し防止部材が設けられ
ており、該吸い出し防止板の基端部が、ドアガラ
スの内面に当接するランチヤンネルの芯金とサツ
シユとの間に挟持されていることを特徴とするも
のである。

（考案の作用、効果） 本考案の自動車のドア構造に用いられている吸
い出し防止部材は、上記したように、その基端部
が、ドアガラスの内面に当接するランチヤンネル
の芯金とサツシユとの間に挟持されているので、
簡単な構造で、確実に取り付けられ、かつ吸い出
し防止効果も期待できるものである。

（実施例） 以下、添付図面を参照しつつ、本考案の好まし
い実施例による自動車のドア構造について説明す
る。

第１図に示す自動車は２ドアタイプで、そのド
ア１は、ドアパネル２の上部にドアサツシユ３
（第２図参照）が一体的に設けられ、このドアサ
ツシユ３の車外側にドアガラス４が位置するよう
に構成されている。これにより、ドアガラス４が
閉じだときすなわち最上昇位置にあるときは、こ
のドアガラス４が、自動車のルーフパネル５、フ
ロントピラー６及びリヤピラー７に対して段差な
くほぼ面一となる一方、ドアパネル２の上端縁部
２ａがドアガラス４の板面に向けて滑らかに連な
るように形成され、フラツシユサーフエイス化が
図られている。

ドアサツシユ３は、第２図に示すように、ドア
パネル２よりほぼ鉛直上方に延びる後縁部３Ａ
と、フロントピラー６の傾斜に対応して上方へ向
かうにつれて後方へ向かうように傾斜された前縁
部３Ｂと、この前後縁部３Ｂ，３Ａの上端同士を
連設する上端部３Ｄとからなる。上記後縁部３Ａ
の下端からは、ドアパネル２内に延びる後ガイド
部８が延設され、また上記前縁部３Ｂの下端部若
干上方からは、この後ガイド部８と平行にドアパ
ネル２内に延びる前ガイド部９が延設されてい
る。そして、ドアガラス４の後縁には、後ガイド
部８、ドアサツシユ３の後縁部３Ａに摺動自在に
係合される上下２つのスライダ１０（一方のみが
示されている）が、前縁には前ガイド部９に摺動
自在に係合されるスライダ１２がそれぞれ一体に
設けられている。これにより、ドアガラス４は、
がたつきなく円滑に開閉（昇降）される。なお、
ドア１は、周知のように、把手１４を利用してそ
の開閉が行われ、また車室内に位置されたロツク
用のノブ１５の操作によつて把手１４の操作に拘
りなくドア１を閉じた状態でロツクし得るように
なつている。

続いて、第３図により、ドアサツシユ３とドア
ガラス４との関係を詳述する。

ドアサツシユ３はドアガラス４と略平行に延び
る基部３ａと、この基部３ａの中間部位より略直
角に車室側に延びる中間リブ部３ｂと、基部３ａ
のピラー７に近い端部より略直角にドアガラス４
の外側面付近まで延びる延長部３ｃと、上記中間
リブ部３ｂの車室内側端部から基部３ａと略平行
となるように屈曲された支柱部３ｄとを有する。
さらに、中間リブ部３ｂの車室内端部近傍におい
ては、Ｕ字状の係止部３ｅが形成されている。こ
のようなドアサツシユ３はアルミニユウム合金
板、鉄板等の一枚の金属板を例えばロール成形す
ることにより形成される。

上記、ドアサツシユ３の後縁部３Ａにおいて
は、フランジ部３ａと支柱部３ｄとの間に、ラン
チヤンネル２１が取付けられている。このランチ
ヤンネル２１の基部３ａ近傍のピラー７側の面か
らは、２つの脚部２１ａおよび２１ｂが上記ピラ
ー７に向つて延びている。この脚部２１ａおよび
２１ｂは、基部３ａの延長部３ｃが設けられた端
部とは反対側の端部３ｆを挟み込むように配置さ
れており、芯金２１ｃがこの脚部２１ａおよび２
１ｂに亘つて延びている。上記脚部２１ａの外面
側には、摩擦係数の小さい合成樹脂等からなるシ
ール部材２２が設けられている。

ドアサツシユ３の後縁部３Ａにおいては、延長
部３ｃにウエザストリツプ２５が嵌着されてい
る。上記ウエザストリツプ２５は、延長部３ｃに
嵌着される嵌着部２５ａと、先端部がドアガラス
４よりも車外側に延びる第１リツプ部２５ｂと、
嵌着部２５ａより突設された第２リツプ部２５ｃ
を有し、第１リツプ部２４ｂはドアガラス４の外
側面に当接され、第２リツプ部２４ｃによりドア
サツシユ３と車体２６との間のシールがなされる
ようになつている。

また、ドアサツシユ３の係止部３ｅには変形し
易い中空部２７ａを有する第２シール部材である
ドアシール２７が配設され、前記ウエザストリツ
プ２５よりも車内側において、ドアサツシユ３と
車体２６との間をシールしている。

サツシユ３の基部３ａの外方側には、ウエザス
トリツプ２５の高さ分だけ間隔をおいて、該基部
３ａと平行にドアガラス４のための吸い出し防止
部材３０が設けられている。この吸い出し部材３
０は、ほぼコ字形の芯金３１の一方の脚部３１ａ
によつて支持されている。この芯金３１の基部３
１ｂは、ウエザストリツプ２５の嵌着部２５ａを
貫通して、延長部３ｃに沿つて延び、基部３ａに
達したところで折れ、今度はこの基部３ａに沿つ
て延び他方の脚部３１ｃを形成している。この脚
部３１ｃは、ランチヤンネル２１の脚部２１ａと
上記基部３ａの間にしつかりと挟持されているよ
うになつている。このように、支持された芯金３
１に取り付けられている吸い出し防止部材３０に
より、高速走行時等におけるドアガラス４の吸い
出し防止を図つている。また、この部材３０、ウ
エザストリツプ２５およびシール部材２２によ
り、ドアガラス４のためのチヤンネルも形成して
いる。

本考案の自動車のドア構造に用いられている吸
い出し防止部材は、上記したように、その基端部
が、ドアガラスの内面に当接するランチヤンネル
の芯金とサツシユとの間に挟持されているので、
簡単な構造で、確実に取り付けられ、かつ吸い出
し防止効果も十分に期待できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案が適用された自動車の一例を
示す図、第２図は、第１図に示す自動車のドア部
分の側面図、第３図は、第２図の線−に沿う
断面図である。 ３……ドアサツシユ、２１……ランチヤンネ
ル、２１ｃ……芯金、３０……吸い出し防止部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドア本体から上方に立ち上がるサツシユの外面
   に沿つて、ドアガラスが上下方向に摺動可能に設
   けられた自動車のドアにおいて、前記サツシユの
   所定部位には、ドアガラスの車体外方への移動を
   規制する吸い出し防止部材が設けられており、該
   吸い出し防止板の基端部が、ドアガラスの内面に
   当接するランチヤンネルの芯金とサツシユとの間
   に挟持されていることを特徴とする自動車のドア
   構造。