JPS63232180A - 魚の真空包装方法

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(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、魚の真空包装方法に関するものである。

（従来技術とその問題点）魚を真空包装する場合には、それが生魚であれ調理済み
魚であれ、魚から包装袋内にドリップが滲出してくる。

これは袋内の外圧が大きいために、袋内の魚が押圧され
るためである。

例えば、種別の切り身（フィーレ）を真空包装した場合
のドリップ量は、表−１の如ようになる。

表−１このドリップの量は、魚が族基されていたり調理されて
いると、生魚より多くなり、また、殺菌のため真空包装
した状態で加熱してやるとさらに滲出量が増大する。

ドリップは変質し易いエキス分（呈味分）や水溶性蛋白
を多く含んでおり、包装後未加熱の場合には魚の変質を
誘発し、包装後加熱する場合には水溶性蛋白が凝固して
魚に付着したり袋の内面に拡散して外観を著しく損ね、
いずれの場合であっても良好な包装状態とならない。

ドリップ量が著しく多い場合には、ドリップや魚体が袋
内で移行して、魚の表皮が剥離し易くなったり、開封時
にドリップが漏れて周囲を汚染したりする不都合もある
。

（技術的課題）本発明は、魚を真空包装する方法において、魚から滲出
するドリップの拡散を防止することを課題としたもので
ある。

（技術的手段）この技術的課題を解決するための技術的手段は、（イ）袋体に魚体と可食性天然吸水物質とを封入した後
、（ロ）袋内を真空状態にして密封すること、である。

（技術的手段の作用）可食性天然吸水物質を魚体と共に袋内に密封させると、
魚から滲出したドリップはこの物質に吸収されようとす
るが、魚体の体積は、滲出したドリップ分だけ小さくな
るために、吸水物質による吸水と膨潤とが極めて円滑に
行われ、ドリップが魚体の周囲や袋内に拡散することが
なくなる訳である。

（本発明の効果）ドリップの拡散を防止できる結果、魚体と袋との間に水
溶性蛋白が侵入して外観を損ねることもないし、袋内で
の魚体が移行することもないため、魚自体を奇麗に包装
できる利点がある。

特に、包装後加熱殺菌を施す場合に有利である。

ドリップを吸収した可食性吸水物質は、吸収したドリッ
プ゛に自身の呈味成分を溶解させ、可食性吸水物質の呈
味成分と魚の呈味成分とがドリップを介して互いに移行
し合い、包装中に魚にうま味を出せる利点がある。

（実施態様）魚体と共に封入する可食性吸水物質としては、乾燥した
昆布、ワカメ、そぼろ、ノリ、等の水産加工品や、乾燥
した野菜、干瓢、切り干し大根、しいたけ等の農産加工
品のように、吸収した水分の離水率の小さいものを使用
することが望ましい。

吸水物質の量は、魚体の推定滲出ドリップ量を基準にし
て決定すればよく、参考までに昆布、干瓢及び乾燥ノリ
の吸水率を示すと、表−２の如くになる。

表−２注）吸水率の測定は、吸水物質を一定時間水に浸漬した
後水切りをし、濾紙にて残存水分を吸収させ、浸漬前／
浸漬後の重量によって求めた。

尚、本発明方法は、生魚、調理済み魚を問わずに使用す
ることができるのは言うまでもない。

（実　施　例）次に、上記技術的手段の具体例を以下に説明する。

注）■フィー１の種類は表−１の加熱処理をした１〜４
の区分と同じ。

■吸水物質の量は、表−２の最大吸水率を基準にドリッ
プ量と対応させて決定した。

表−３は、種別のフィーレに単点昆布、だし昆布及びワ
カメを組み合わせて真空包装した例を示したものであり
、それぞれの検体について９５°Ｃ−４０分間加熱殺菌
してドリップの状態を観察した。

表−３の区分ｌでは、だし昆布が最も良好な結果を示し
、ドリップは完全に吸収されていたが、単点昆布と乾燥
ワカメは僅かに未吸収のドリップが確認された。これは
ドリップの滲出量が推定で算出したためであると考えら
れる。

次いで、吸水物質を水に浸漬後６０分の吸水率を基準に
その量を決定（使用量を増加させる）して同様の試験を
実施した。その結果、単点昆布と乾燥ワカメにおいても
完全にドリップを吸収させることができた。

上記のことから、吸水物質の量は、最大吸水率を下回る
率を基準に決定するのが望ましいと言える。

【特許請求の範囲】