JPS6322781Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリアトレイの背面に設けられたトラン
クルームをスピーカキヤビネツトとして利用する
カーステレオ用スピーカシステムの改良に関す
る。

従来の、この種のカーステレオ用スピーカシス
テムでは、第１図及び第２図で示すように、車の
リアトレイＡに直接、スピーカＢを取り付けて、
リアトレイＡの背面に設けられたトランクルーム
をスピーカキヤビネツトとして利用し、充分な低
音再生を行なうこと目的としていた。しかしなが
ら、リアトレイＡの面積には制限があり大口径の
スピーカＢを取り付けることができないことと、
車の騒音は低域周波数に分布しており、車の中で
は低音がマスキングされること、リアトレイＡは
音響的に充分な強度がないため低音が出にくいこ
と等の原因によつて、充分な低音再生を行なわせ
ることが困難であつた。

また、そのほかに自動車のリアトレイの背面を
スピーカキヤビネツトとして利用し、このリアト
レイ上にドライバ用のスピーカとドロンコーンと
を取り付けたカーステレオ用スピーカシステムに
関する従来技術としては、例えば、実開昭56−
85485号公報及び実開昭56−74593号公報等が存在
した。

実開昭56−85485号公報に記載の従来技術は、
自動車のトランクルームの一方の仕切板にパツシ
ブラジエータ（ドロンコーン）を有する枠体を取
り付けて密閉した筐体を形成し、この筐体のトラ
ンクルーム側にドライバ用のスピーカを取り付け
た構成である。

しかしながら、ドロンコーンとスピーカとは密
閉した筐体の同軸方向に連接して形成したもので
あるため、スピーカの放音振動がそのままドロン
コーンに伝わつて、ドライバ用のスピーカの低音
再生はある程度、充分なものとはなるが、ドロン
コーンの振動は密閉筐体内で振動し、ドロンコー
ン独自の充分な再生音が得られないという問題を
有している。

次に、実開昭56−74593号公報に記載の従来技
術は、薄形の密閉箱に大口径のドロンコーンと小
形スピーカユニツトとを取り付け、該小形スピー
カユニツトによつて大口径ドロンコーンを駆動す
る構成のものである。

この従来技術を用いて本考案のような自動車の
リアトレイ上に取り付けることは、第１図及び第
２図で示したように、単にトランクルームをスピ
ーカキヤビネツトとして利用するというだけで、
低音再生の効率化という問題点は充分に解消する
ことは出来るものではなかつた。

また、上記のような問題点を解決する技術のひ
とつとしては、例えば、特開昭57−175446号公報
等に示されるようなものが存在した。この従来技
術はリアパーセルにスピーカ及びドロンコーンス
ピーカを直接に取り付けるように構成され、トラ
ンクルーム内の密閉性を高く保持して、トランク
ルームの内壁パネルが共振しない様処置されては
いるものの、その具体的な技術手段は何ら開示さ
れているものではなかつた。

そこで、本考案は上記のような問題点を解消し
ようとするもので、車体鉄板にリアトレイを近接
して設け、このリアトレイの背面に設けられたト
ランクルームをスピーカキヤビネツトとして利用
し、リアトレイ上にはドライバ用のスピーカとド
ロンコーンとを取り付けたカーステレオ用スピー
カシステムにおいて、上記のドロンコーンをフラ
ンジ部及び周壁に段部を設けたメツシユグリルと
平板な振動板とから構成しておき、振動板の周辺
に取り付けたエツジをメツシユグリルの周壁の段
部に固定すると共に、上記車体鉄板よりかなり上
位に配置することにより、充分な低音再生が可能
となる埋込型のカーステレオ用スピーカシステム
を提供せんとするものである。

以下、本考案を図面の実施例に基づいて説明す
ると、第３図は本考案に係るカーステレオ用スピ
ーカシステムの組立前の状態を示す斜視図で、第
４図は同スピーカシステムの要部を示す拡大断面
図である。

上記の図面において、１は車の後部に設けられ
たリアトレイ、２は該リアトレイ１の背面に近接
した車体の鉄板である。また、リアトレイ１の背
面には、スピーカキヤビネツトとして利用するト
ランクルーム３が設けられている。

４は上記リアトレイ１の平面形状に合せたバツ
フルボードで、該バツフルボード４は、リアトレ
イ１の両端近傍に各々ドライバ用のスピーカ５
が、その磁気回路をリアトレイ１側に向けた埋込
状態で取り付けられている。また、バツフルボー
ド４の中央には、ドロンコーン６を設けるが、こ
のドロンコーン６は平面視方形状で取り付け用の
フランジ部７及び周壁に段部８を設けたメツシユ
グリル９と、平板な振動板１０とからなり、バツ
フルボード４の中央には振動板１０より少し大き
な方形穴１１が開口されている。そして、メツシ
ユグリル９は蝶ネジ１２によりフランジ部７をバ
ツフルボード４に固定して、方形穴１１を閉塞す
るように配置する。一方、振動板１０は周辺にエ
ツジ１３を上記の段部８に固定することにより、
車体の鉄板２よりかなり上位に配置する。従つ
て、振動板１０は鉄板２に衝当することなく、十
分に振巾させることができ、低音再生が可能とな
る。尚、ドロンコーン６は平面形状が円形状で、
振動板１０がコーン形状のものを用いてもよい。

また、リアトレイ１にはドライバ用のスピーカ
５及びドロンコーン６と対応する位置に、各々ス
ピーカ５及びドロンコーン６と同一平面形状の穴
１４及び１５を開設する。尚、上記のスピーカ５
及びドロンコーン６は直接、リアトレイ１に取り
付けても良く、この場合にはバツフルボード４の
スピーカ５及びドロンコーン６と対応する位置
に、各々スピーカ５及びドロンコーン６が露出す
る穴を形成する必要がある。

本考案は叙上のように、車体鉄板２にリアトレ
イ１を近接して設け、このリアトレイ１の背面に
設けられたトランクルーム３をスピーカキヤビネ
ツトとして利用し、リアトレイ上にはドライバ用
のスピーカとドロンコーンとを取り付けたカース
テレオ用スピーカシステムにおいて、上記のドロ
ンコーン６をフランジ部７及び周壁に段部８を設
けたメツシユグリル９と平板な振動板１０とから
構成しておき、振動板１０の周辺に取り付けたエ
ツジ１３をメツシユグリル９の周壁の段部８に固
定すると共に、上記車体鉄板２よりかなり上位に
配置したので、カーステレオ用スピーカシステム
として十分な低音再生が可能となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のカーステレオ用スピーカシス
テムの斜視図で、第２図は同スピーカシステムの
要部を示す一部切断の拡大正面図、第３図は本考
案に係るカーステレオ用スピーカシステムの組立
前の状態を示す斜視図で、第４図は同スピーカシ
ステムの組立状態における要部の拡大断面図であ
る。 １……リアトレイ、２……車体鉄板、３……ト
ランクルーム、４……バツフルボード、５……ス
ピーカ、６……ドロンコーン、７……フランジ
部、８……段部、９……メツシユグリル、１０…
…振動板、１３……エツジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体鉄板にリアトレイを近接して設け、このリ
   アトレイの背面に設けられたトランクルームをス
   ピーカキヤビネツトとして利用し、リアトレイ上
   にはドライバ用のスピーカとドロンコーンとを取
   り付けたカーステレオ用スピーカシステムにおい
   て、上記のドロンコーンをフランジ部及び周壁に
   段部を設けたメツシユグリルと平板な振動板とか
   ら構成しておき、振動板の周辺に取り付けたエツ
   ジをメツシユグリルの周壁の段部に固定すると共
   に、上記車体鉄板よりかなり上位に配置したこと
   を特徴とするカーステレオ用スピーカシステム。