JP3082130B2

JP3082130B2 - 音響機器

Info

Publication number: JP3082130B2
Application number: JP07164653A
Authority: JP
Inventors: 高志鳥居
Original assignee: Panasonic Corp; Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Corp; Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1995-06-07
Filing date: 1995-06-07
Publication date: 2000-08-28
Anticipated expiration: 2015-08-28
Also published as: JPH08336195A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ラジオカセットなどの
音響機器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、音場創成や高音部の指向性改善の
目的で、音響機器の天面にスピーカが配置される事が多
い。そしてラジオカセットなどプラスチックス製のキャ
ビネットを有する音響機器においても、指向性改善から
天面にスピーカを配置する場合が多い。

【０００３】従来、プラスチックス製キャビネットを有
する音響機器の多くは、キャビネットを上キャビネット
と下キャビネットの上下に分割できる構成とし、そして
上キャビネットにボスを設けてスピーカをビス止めする
構造としていた。従って上下キャビネットの分割線が音
響機器の正面から見えるので、デザイン上好ましいとは
言えない。また、プラスチックス成型時に発生するヒケ
など外観上好ましくない部分が見える事になる。

【０００４】さらに、音響機器の正面にパネルや操作ボ
タンなどを取付ける構成とする場合、キャビネットが上
下キャビネットに分割する構造では、そのキャビネット
の成型金型が製作し難い問題点があった。

【０００５】また、天面に高音域用スピーカを、音響機
器の前面に低音域用スピーカを配置する構成において
は、上下キャビネットの分割線上に、低音域用スピーカ
を取付ける装着部材をキャビネットと一体に構成する事
ができない。

【０００６】また、音響機器の天面に高音域用スピーカ
を、前面に低音域用スピーカを配置し、夫々のスピーカ
の音が干渉し合わない様にするためには、夫々のスピー
カの背部をキャビネット内で密閉する事が必要である。
処がキャビネットを上下２分割にする構造では、上記す
る目的でスピーカの背部を密閉構造にする事がむつかし
いなど音響性能上、キャビネットの上下２分割構成は好
ましいものではなかった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する従来の問題点は、天面と前面に夫々スピーカを有す
る音響機器において、上下２分割構成のキャビネットで
は、音響性能上ならびにデザイン上好ましくない構成に
なるという事である。

【０００８】そこで本発明は、音響性能上ならびにデザ
イン上好ましいキャビネットを容易に組み立てる事がで
きる構成を提供する事を目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１記載に係る発明
は、前キャビネットと後キャビネットとの結合によるキ
ャビネットと、前記キャビネットの天面にある分割線上
において切欠き部の対向により形成される穴となる凹み
と、前記凹みの底部に設けたカバー挿入孔に嵌入した筒
状カバーと、前記筒状カバー中に嵌入し且つ前記穴の上
部に嵌合した蓋体との間に配設された天面スピーカと、
キャビネットの前面に設けた前面スピーカとを備える構
成としたものである。

【００１０】また、請求項２記載に係る発明は、請求項
１記載に係る発明において、蓋体は、天面と、キャビネ
ットの穴に嵌合する側壁とを有し、前記天面の一部と側
壁の一部とにかけて透孔を設け、前記透孔に天面ネット
を装着し、前記透孔は音響機器の前方向と側方向を向く
構成としたものである。

【００１１】また、請求項３記載に係る発明は、請求項
１または２記載に係る発明において、蓋体の下部と天面
スピーカとの間に拡散器を配設したものである。

【００１２】また、請求項４記載に係る発明は、請求項
１ないし３のいすれかに記載する発明において、前面ス
ピーカは、キャビネット内における縦方向の隔壁と、キ
ャビネットの壁と、キャビネットの天面にある凹みの側
壁と底面及び前記底面に嵌合した筒状カバーとにより構
成される密閉空間内に配置する構成としたものである。

【００１３】また、請求項５記載に係る発明は、請求項
１ないし４のいすれかに記載する発明において、キャビ
ネットの天面の分割線を覆い、且つ２つの蓋体間にテー
プカセット挿入部と操作ボタンを設ける構成としたもの
である。

【００１４】また、請求項６記載に係る発明は、請求項
１ないし５のいすれかに記載した発明の天面スピーカを
中高音域用のスピーカとし、前面スピーカは低音域用の
スピーカとしたものである。

【００１５】

【作用】前記する構成により、キャビネットの分割線は
音響機器の正面よりは目視できず、且つ天面スピーカの
背部が覆われていて、天面スピーカ全体が密閉空間に存
在するため、前面スピーカの音との干渉がない。

【００１６】請求項２記載の発明においては、上記の作
用に加えて天面スピーカからの音が音響機器の前方向と
側方向に放射される。

【００１７】また、請求項３記載の発明においては、前
記作用のいずれかに加えて天面スピーカの音を拡散する
作用がある。

【００１８】また、請求項４記載の発明においては、前
記作用のいずれかに加えて前面スピーカの音が音響機器
内において天面スピーカよりの音と干渉し合う事がな
い。

【００１９】また、請求項５記載の発明においては、前
記作用のいずれかに加えて天面の分割線を覆い上面から
見える分割線が少い。

【００２０】また、請求項６記載の発明においては、音
響機器の天面より中高音域の音が、前面より低音域が放
射され音響効果がよい。

【００２１】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図を参照
して説明する。図１において１はラジオカセットの音響
機器で、そのプラスチックス製のキャビネット２は、前
キャビネット２ａと後キャビネット２ｂを結合して構成
されており、前記前後キャビネット２ａ，２ｂの間には
分割線３が形成される。そして音響機器１の前面には左
右に夫々低音域を放射する前面ネット４が設けられてい
る。また、音響機器１の天面には左右に中高音域を放射
する天面ネット５が設けられている。前面ネット４の背
部にある音響機器１の透孔には低音域用の前面スピーカ
６を配置し、天面ネット５の下部には中高音域用の天面
スピーカ７を配置している。前記天面に設けた天面スピ
ーカ７の上面には側壁８のある蓋体９が、分割線３の部
分に夫々設けられた前キャビネット２ａの切欠き部１０
と後キャビネット２ｂの切欠き部１１とで形成される穴
１２に側壁８を嵌合する事によって配置されている。な
お天面ネット５は前記蓋体９の上面の一部と側壁８の一
部とにわたり、形成された透孔に図１の（ｂ）に示す様
に設けられている。従って天面スピーカ７からの中高音
域は天面ネット５を通じて音響機器１の前面方向と左右
両側面方向に放射される事になる。

【００２２】また、天面スピーカ７は、底面１３があり
上面が開口している筒状カバー１４により覆われてお
り、その筒状カバー１４の側壁には段部１５がある。そ
の段部１５の上方の側壁には小孔１６が設けられてい
る。そして前記筒状カバー１４は上端鍔部１７と蓋体９
の下端縁部９ａとの間に天面スピーカ７の周縁をビス１
７ａで挾着し、且つ段部１５に設けたリブ１５ａを前キ
ャビネット２ａと後キャビネット２ｂの夫々の切欠き部
１０，１１によって形成される穴１２の下方にある凹み
１８の底部１８ａにあるカバー挿入孔１９の周縁に装着
してある。

【００２３】従って凹み１８の底部１８ａはキャビネッ
ト２内を上下に区割しており、前面スピーカ６と天面ス
ピーカ７とからの音が相互に干渉しない様に、前面スピ
ーカ６の背部と天面スピーカ７の背部とを隔離して夫々
前面及び天面スピーカ６，７が別々の密閉空間２０ａ，
２０ｂに配置されている。２１は天面スピーカ７の上面
で且つ蓋体９の下面に配置した拡散器で、天面スピーカ
７からの中高音域を周囲に拡散する。２２はキャビネッ
ト２内に前後の縦方向に設けられた隔壁で、前記する凹
み１８の底部１８ａと側部１８ｂとにより密閉空間２０
ａを構成している。

【００２４】なお、２３は貫通ボス、２４は音響機器１
の天面に設けたテープカセット挿入部、２５は同じく操
作ボタンを示し、天面の左右の蓋体９の間に配置されて
いて分割線３が目立たないようにしている。

【００２５】以下、上記構成の音響機器１についての組
立て方ならびに作用効果について説明する。

【００２６】キャビネット２は前キャビネット２ａと後
キャビネット２ｂとの結合によって組立てられる構成で
あるため、組立が容易で且つ上下２分割する従来例に見
られる様に音響機器の正面に分割線が見える事がない。

【００２７】また、天面スピーカ７の上部を覆う蓋体９
がその側壁８を、前キャビネット２ａの切欠き部と後キ
ャビネット２ｂの切欠き部１１とが相対して形成される
穴１２に嵌入する事によって分割線３は音響機器１の上
面より見ても目立たない。従ってデザイン上好ましい。

【００２８】天面スピーカ７はキャビネット２の穴１２
によって形成されている凹み１８の底部１８ａのカバー
挿入孔１９に挿入した筒状カバー１４内に配置されてい
て、蓋体９の下端縁部９ａと筒状カバー１４の上端鍔部
１７で天面スピーカ７の上部周縁が挾着されるのでその
取付けは容易である。

【００２９】加えて天面スピーカ７の背部は筒状カバー
１４で覆われると共に全体が凹み１８の側部１８ｂなら
びに底部１８ａで囲まれるため密閉空間２０ｂ内に配置
される事になり、前面スピーカ６の音とで干渉する事が
なく音響特性がよい。勿論前面スピーカ６はキャビネッ
ト２内で隔壁２２、キャビネット２の側壁ならびに凹み
１８の底部１８ａによって構成される密閉空間２０ａ内
に配置されていて、天面スピーカ７の音と干渉する事が
ないので音響特性がよい。

【００３０】また、音響機器１の天面には、テープカセ
ット挿入部２４と操作ボタン２５が設けられた部分が分
割線３の目視を少くするのでデザイン上一層好ましいも
のである。

【００３１】

【発明の効果】前記の説明により明らかなように、本発
明の音響機器は前キャビネットと後キャビネットの結合
によるキャビネットを有するものであるから、分割線は
天面にあって正面より見える事がなくデザイン上好まし
い。

【００３２】また、天面にある分割線上に天面スピーカ
の上部を覆う蓋体が配置され、分割線を目立たなくす
る。しかも天面スピーカはキャビネットの天面に形成さ
れる凹みの中に容易に上部から挿入する構成になってい
て、筒状カバーならびに凹み底部によって形成される密
閉空間に配設されるので、前面スピーカと隔離され、相
互に音の干渉がなく音響特性がよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本発明の一実施例における音響機器の正
面図（ｂ）同上面図

【図２】同図１（ａ）におけるＡ−Ａ線で半截した音響
機器の右方向の後部より見た要部拡大断面図

【図３】同図１（ｂ）におけるＢ−Ｂ線矢視方向の要部
拡大断面図

【符号の説明】

１音響機器２キャビネット２ａ前キャビネット２ｂ後キャビネット３分割線６前面スピーカ７天面スピーカ８側壁９蓋体１０，１１切欠き部１２穴１４筒状カバー１８凹み１８ａ底部１９カバー挿入孔２０ａ，２０ｂ密閉空間２１拡散器２２隔壁２４テープカセット挿入部２５操作ボタン

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】前キャビネットと後キャビネットとの結
合によるキャビネットと、前記キャビネットの天面にあ
る分割線上において切欠き部の対向により形成される穴
となる凹みと、前記凹みの底部に設けたカバー挿入孔に
嵌入した筒状カバーと、前記筒状カバー中に嵌入し且つ
前記穴の上部に嵌合した蓋体との間に配設された天面ス
ピーカと、キャビネットの前面に設けた前面スピーカと
を備えた音響機器。
【請求項２】蓋体は、天面と、キャビネットの穴に嵌
合する側壁とを有し、前記天面の一部と側壁の一部とに
かけて透孔を設け、前記透孔に天面ネットを装着し、前
記透孔は音響機器の前方向と側方向を向く構成とした請
求項１記載の音響機器。
【請求項３】蓋体の下部と天面スピーカとの間に拡散
器を配設した請求項１または２のいずれかに記載した音
響機器。
【請求項４】前面スピーカは、キャビネット内におけ
る縦方向の隔壁と、キャビネットの壁と、キャビネット
の天面にある凹みの側壁と底面及び前記底面に嵌合した
筒状カバーとにより構成される密閉空間内に配置した請
求項１ないし３のいずれかに記載した音響機器。
【請求項５】キャビネットの天面の分割線を覆い、且
つ２つの蓋体間にテープカセット挿入部と操作ボタンを
設けた請求項１ないし４のいずれかに記載した音響機
器。
【請求項６】天面スピーカは中高音域用のスピーカと
し、前面スピーカは低音域用のスピーカとした請求項１
ないし５のいずれかに記載した音響機器。