JPS63202446A - 複合型制振積層体およびその製造方法 - Google Patents

複合型制振積層体およびその製造方法

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JPS63202446A
JPS63202446A JP3537687A JP3537687A JPS63202446A JP S63202446 A JPS63202446 A JP S63202446A JP 3537687 A JP3537687 A JP 3537687A JP 3537687 A JP3537687 A JP 3537687A JP S63202446 A JPS63202446 A JP S63202446A
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JP
Japan
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resin
molecular weight
mixture
high molecular
weight
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JP3537687A
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English (en)
Inventor
俊明 塩田
弘行 長井
田所 義雄
戸谷 博雄
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Nippon Steel Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、制振効果のある樹脂層とそれを両側からはさ
む金属層とからなる3層構造の複合型制振積層体に関す
る。特に、芯材樹脂層に熱可塑性ポリエステル含有樹脂
混合物を使用し、比較的低温での割振性能に優れ、かつ
加工性にも優れるといった、従来技術では達成できなか
った性能を示す複合型制振積層体に関する。
(従来の技術) 近年、産業機械や家電用品の発達により、各種機械装置
より発生する騒音、振動が保健衛生あるいは環境保全の
面から問題とされるようになってきた。特に、輸送期間
の発達、自動車の普及率の上昇は著しく、それに伴う騒
音が社会問題として取上げられ、騒音防止対策が要望さ
れている。
特に、自動車のエンジン廻り部品(オイルパンやエンジ
ンカバー)、ボディー(ダッシュパネル、ドア、フード
、フロア−など)、”家電機器、金属加工機械、ダクト
、建材(屋根、塀、壁、床など)等における騒音低減が
強(要望されている。
かかる対策の1つとして、制振鋼板などの制振金属板の
使用があり、防振合金を利用する方法、金属に割振材料
を貼合わせた2層型(非拘束型)の割振鋼板を使用する
方法、さらには金属と金属との間に芯材樹脂層を挟み込
んだ複合型(拘束型)割振鋼板を使用する方法が開発さ
れ、広範囲の分野で採用され始めている。特に複合拘束
型制振tlilFi、(以下、単に制振鋼板という)は
、中間層の粘弾性物質の剪断変形による内部摩擦を利用
して振動を減衰させるものであり、上記の中でも最も割
振性能に優れている。しかも、かかる複合型制 、振鋼
板は、そのままでプレス加工などの二次加工が可能で、
通常の鋼板と同様に取扱うことができるという利点があ
る。
制振鋼板は、その樹脂層と金属層との剪断接着強度が大
きい方が一般に加工性も良好となることが知られている
。また、この剪断接着強度は、中間層樹脂の硬さと相関
関係があり、硬いほど良好となる。一方、割振鋼板の制
振性能は、中間層樹脂がある程度柔らかい場合に良好で
ある。
したがって、自動車エンジンオイルパンなどのように比
較的高温での割振性が要求される場合には、中間層樹脂
として常温(プレス加工時の温度)では硬く、高温(使
用温度)では適当な柔らかさになる樹脂を選択すること
によって、加工性と制振性とが両立した割振鋼板を提供
することが可能である。
一方、常温で割振性能を発揮させたい場合、必然的に常
温で柔らかい樹脂を使用する必要があるが、その鋼板と
の剪断接着強度は小さいので加工性が十分でな(、常温
での制振鋼板の用途は比較的単純な形状のものに限定さ
れているのが現状であった。
したがって、常温で使用する複雑な形状の物品に制振鋼
板を適用するために、常温での剪断接着強度と柔らかさ
とを両立させるという、矛盾した特性を有する中間層樹
脂の開発が求められている。
常温用制振鋼板としては、アクリル系、ポリエステル系
の粘着性樹脂や、ブタジェンゴムなどのゴム系材料がそ
の中間層樹脂として用いられてきた。これらの比較的柔
らかい樹脂を中間層として用いた割振鋼板は、常温での
割振性には優れるが、鋼板との剪断接着強度が低いとい
う固有の欠点を有している。ポリビニルブチラール樹脂
などのビニルアセクール重合体を主成分とする粘着性樹
脂からなる割振鋼板が、特公昭55−27975号およ
び特開昭59−124847号公報に開示されているが
、やはり常温割振性と剪断接着強度とは両立していない
この欠点を克服するため、樹脂の硬さの温度依存性を利
用し、割振鋼板を常温よりかなり低温に冷却して樹脂層
を硬くした状態でプレス加工する方法も提案されている
が、実際的な方法ではない。
割振鋼板の制振性もしくは接着強度を改善する別の方法
として、中間層の熱可塑性樹脂を架橋させるか、あるい
は2種以上のモノマーの共重合体もしくは211以上の
樹脂の混合物を中間層に利用する方法が提案されている
たとえば、特公昭53−9794号公報に記載の割振鋼
板では、飽和ポリエステル樹脂に有機過酸化物系架橋剤
および充填剤を配合し、加熱により架橋させた架橋ポリ
エステル系の中間樹脂層が使用されている。この公報は
、また従来技術として熱可塑性ポリエステルをエポキシ
化合物やイソシアネート化合物で三次元架橋させる方法
、メラミンなどの熱硬化性成分と硬化剤を配合する方法
、ポリエステルの重合中にエステル形成性官能基を3個
以上含有する化合物を配合することによりポリエステル
を分岐架橋させる方法が公知であることも開示している
。しかし、これらの方法でも良好な剪断接着強度は得ら
れず、たとえばこの公報記載の実施例で得られた最高の
剪断接着強度でも約18kg/−であり、十分な値とは
いえない。
また、2種以上のモノマーの共重合体を樹脂層に用いた
制振鋼板としては、酢酸ビニルにエチレン、不飽和ジカ
ルボン酸もしくはそのエステルなどの1種以上を共重合
させた共重合体を始めとして各種の共重合体樹脂が提案
されている(例、特公昭45−35664号、同45−
36823号、および同46−17064号公報)、こ
れらも、常温での制振性または加工性の少な(ともいず
れかが十分でない。
特公昭39−12451号公報は、ホモポリマー〇ガラ
ス転移温度が互いに20℃以上異なる2種類の七ツマ−
の不均質な共重合体を中間層樹脂として使用することに
より、広範囲の温度で割振性能を発揮させる方法が記載
されている。しかし、この方法は、常温付近でも制振性
が得られるものの、剪断接着強度の改善は図られていな
い。
2種以上の樹脂の混合物を中間層に使用した割振鋼板と
して、たとえば特公昭55−231号および特開昭60
−245550号公報に、アクリロニトリル−ブタジェ
ン系共重合体ゴムとエポキシ樹脂とを含有する樹脂混合
物を架橋させた硬化樹脂を中間層とする割振鋼板が開示
されている。かかる系もやはり、大きな剪断接着強度を
有するものは割振性を発揮する温度が高く、常温付近で
割振性に優れるものは剪断接着強度が低い。
特開昭61−89841号および同61−89842号
公報には、飽和ポリエステル樹脂と他の樹脂との混合物
あるいは層状積層体を中間層樹脂として使用した例が示
されているが、この例でも接着強度が高いと同時に制振
性を発揮する温度もまた高く、常温用の割振鋼板には不
向きである。
特公昭54−3028号公報には、3層以上の多層金属
板の中間層として、互いにガラス転移温度が異なる異種
の樹脂を使用した、広範囲の温度で割振性を発揮できる
制振鋼板が開示されている。しかし、この割振鋼板も、
広範囲の温度で割振性を発揮するものの、剪断接着強度
は改善されず、しかも3層以上の金属板を必要とするた
め必然的に厚くなり、加工性が劣化する上に用途が限定
され、また価格的にも不利である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、以上に概説したように、従来技術では
達成できなかった常温付近の比較的低温で優れた割振性
能を発揮し、しかも剪断接着強度すなわち加工性も良好
な制振鋼板などの複合型制振積層体およびその製造方法
を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは研究の結果、ガラス転移温度の異なる2種
類の高分子量線状飽和ポリエステル樹脂の混合物を架橋
させて得た樹脂を制振鋼板の中間層として用いることに
より、比較的低温での高制振性と高剪断接着強度とを両
立させるという技術的困難が解決できること、およびガ
ラス転移温度の高い方のポリエステル樹脂は、高分子量
エポキシ樹脂で代替しても同様の好結果が得られること
を知り、本発明を完成させた。
ここに、本発明は、2枚の金属板の間に樹脂層を挟んで
なる複合型制振積層体において、前記樹脂層が、(A)
および(B)の合計重量に基づいて、(A)ガラス転移
温度θ℃以下の線状高分子!飽和ポリエステル樹脂5〜
95重量%と、(B)゛ガラス転移温度10℃以上の線
状高分子I!和ポリエステル樹脂、高分子量エポキシ樹
脂、またはこれら−の混合物5〜95重量%とを含有す
る樹脂混合物を架橋して得た樹脂から構成されることを
特徴とする、複合型制振積層体である。
本発明によれば、かかる割振積層体の製造方法も提供さ
れ、この方法は、(A)とCB)の合計1ifに基づい
て、(A)ガラス転移温度θ℃以下の線状高分子!飽和
ポリエステル樹脂5〜95重量%と、(B)ガラス転移
温度10℃以上の線状高分子N飽和ポリエステル樹脂、
高分子量エポキシ樹脂、またはこれらの混合物5〜95
重量%とを含有する樹脂混合物を前記金属板の少なくと
も一方の片面に塗装し、得られた塗膜を焼付けて上記樹
脂混合物を架橋させ、この架橋塗膜を内側にして前記2
枚の金属板を重ね合わせ、熱圧着させて積層体を得るこ
とからなる。
(作用) このように、本発明によれば、ガラス転移温度が異なる
2種類の特定の樹脂を中間層に使用するが、これを特公
昭39−12451号公報に記載のように共重合体化し
たり、また特公昭54−3024号公報に記載のように
別の樹脂層として存在させたり、あるいは2種以上の樹
脂を単なる混合物として使用するのではなく、両者の混
合物を架橋させて使用することに特徴がある。
本発明の制振積層体の中間層、すなわち芯材樹脂層に用
いる2種類の樹脂の一方は、ガラス転移温度(Tg)が
0℃以下の線状高分子量飽和ポリエステル(以下、樹脂
Aという)である、この樹脂は、比較的低温で良好な制
振性を発揮するが、この樹脂単独では剪断接着強度が非
常に低く、積層体の加工性は極度に悪化する。樹脂Aは
、混合物のTgが0℃以下となる限り、2種以上の線状
高分子量飽和ポリエステルの混合物であってもよい、ポ
リエステル樹脂Aの好ましいガラス転移温度は、−30
〜θ℃である。
もう一方の樹脂は、Tgが10℃以上の線状高分子量飽
和ポリエステル樹脂であるか、高分子量エポキシ樹脂で
あるか、またはこの両者の混合物(以下、樹脂Bという
)である、この樹脂Bは、制振積層体の中間層とした場
合に、非常に優れた剪断接着強度を与えるが、常温付近
では制振性を発揮できない、樹脂Bがポリエステルであ
る場合、混合物のTgが10℃以上となる限り、2種以
上の線状高分子量飽和ポリエステル樹脂の混合物を使用
することができ、また2種以上の高分子量エポキシ樹脂
、あるいはポリエステル樹脂とエポキシ樹脂の混合物を
使用することもできる。樹脂Bとして使用するポリエス
テル樹脂の好ましいガラス転移温度は、10〜100℃
である。
本明細書において、「高分子量」とは、重合体の数平均
分子量が少なくとも3,000であるものをいう、飽和
ポリエステルもしくはエポキシ樹脂の分子量が3,00
0未満であると、架橋した際に脆くなってしまう、一方
、これらの樹脂の分子量があまりに大きすぎると、後述
するように塗料化する場合やフィルム成形する場合、粘
度が著しく大となり、実用的でない、好ましい分子量の
上限は、飽和ポリエステル樹脂については30,000
.エポキシ樹脂については50,000である。
樹脂AおよびBの混合物における各樹脂の量は、樹脂A
5〜95重量%、好ましくは30〜70重量%、樹脂8
5〜95重量%、好ましくは30〜70重量%の範囲内
である。樹脂入が多すぎると、剪断接着強度が十分でな
くなり、樹脂Bが多すぎると常温付近で満足すべき制振
性を得ることが困難となる。
本発明で使用する線状飽和ポリエステル樹脂は、脂肪族
、脂環式もしくは芳香族の飽和多価カルボン酸と飽和多
価アルコールとから誘導された重合体であり、「飽和」
とは重合性の不飽和結合を有しない意味である。
飽和多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、2.6−ナフタレンジカルボン酸、ジ
フェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、1.4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、無水トリメリット酸などが挙
げられる。
飽和多価アルコールの例には、エチレングリコ−/し、
1.4−ブタンジオール、l、5−ベンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
プロピレングリコール、1.4−シクロヘキサンジメタ
ツール、ペンクエリスリトール、トリメチロールプロパ
ン、ハイドロキノン、スチレングリコールなどがある。
熱可塑性飽和ポリエステル樹脂は、周知のように、その
構成要素である多価カルボン酸および多価アルコールの
種類やその使用割合、および重合度によって各種のTg
を有する重合物を得ることできる。
本発明で用いる線状高分子量ポリエステルは、樹脂Aお
よびBのいずれに該当するものであっても、一般に水酸
基価が1〜50の範囲内のものが望ましい。水酸基価は
、単位重量当たりの架橋点の多寡を示し、水酸基が低す
ぎると実質的に架橋点が少なくなり、架橋後に優れた接
着強度が得られない。また、水酸基価が高すぎると、架
橋密度が大きくなりすぎて、制振性が低下したり、また
延性が低下して加工性の劣化を生じたりする。
本発明で樹脂Bとして使用しうる高分子量エポキシ樹脂
は、ビスフェノールA系、ノボラック系、レゾルシン系
などのエポキシ樹脂゛でよく、分子量は上記のように3
.000以上、好ましくは50.000以下の範囲内で
ある。
樹脂Aと樹脂Bは有機溶媒にとかして溶液状で混合する
と、得られた樹脂AおよびBを含有する溶液をそのまま
塗布液として利用できるので、割振積層体の形成に有利
である。
本発明によれば、上述したように、芯材樹脂として2種
類の樹脂AおよびBを単に混合物として用いるのではな
く、これを熱あるいはその他のエネルギーで相互に架橋
させて用いることにより、割振性を低下″させずに剪断
接着強度のみを著しく増加させることが予想外にも可能
であり、その結果、常温付近での制振性と剪断接着強度
に優れた割振積層体が得られるのである。
本発明において前記樹脂混合物の架橋は、熱エネルギー
により行うのが簡便であるが、紫外線、電子線などの他
のエネルギーを利用した方法も可能である。アミノ樹脂
、ポリイソシアネートなどの適当な多官能性物質を架橋
剤として配合すると、架橋時間の短縮が図れ、有利であ
る。樹脂Bにエポキシ樹脂を使用する場合には、エポキ
シ樹脂が架橋剤の作用を果たすので、別に架橋剤を添加
せずに線状飽和ポリエステルとエポキシ樹脂との架橋を
利用することもできるが、樹脂Bが飽和ポリエステル樹
脂のみの場合には、架橋剤を配合して架橋させる必要が
ある。エポキシ樹脂を使用する場合でも、架橋剤を配合
すると架橋時間の短縮が図られるので有利である。架橋
剤の使用量は、樹脂AおよびBの合計100重量部に対
して約5〜40重量部の範囲内が好ましい。さらに、架
橋促進剤として酸触媒などを少量、たとえば樹脂混合物
合計100重量部に対して0.5重量部以下の量で用い
てもよい。
本発明の制振積層体の樹脂層は、樹脂AおよびBと、必
要により加えた架橋剤のみからなる架橋樹脂からなるこ
とが好ましいが、場合により、充填剤や熱劣化防止剤な
どの添加剤を中間樹脂層に少量存在させることもできる
本発明の複合型制振積層体は、たとえば次のようにして
製造することができる。まず、ガラス転移温度0℃以下
の線状飽和ポリエステル樹Di!Aと、ガラス転移温度
30℃以上の線状飽和ポリエステル樹脂、高分子量エポ
キシ樹脂およびこれらの混合物から選んだ樹脂Bとを混
合して塗布液を形成する。樹脂の分子量がいずれも比較
的低い場合には、溶剤を使用せずに塗布に適した粘度の
混合物が得られることもあるが、通常は樹脂を溶剤で希
釈した溶液状で混合することが、塗装性および混合の容
易さの観点から好ましい。この場合、たとえば各樹脂を
別々に同じ溶剤あるいは混和性の異種溶剤に溶解させ、
得られた溶液を混合することによって塗布液を形成して
もよく、または樹脂AおよびBを一緒に適当な溶剤に溶
解してもよい、好ましくは、この溶液に適当な架橋剤を
配合する。使用する溶剤および塗布液の濃度は、樹脂層
、塗膜厚みなどにより適宜決定する。
所望により適宜の下地処理を施し、表面を清浄化した鋼
板などの金属板の片面に、上で得られた塗布液を塗装す
る。この塗装は、ロールコータ−、カーテンフローコー
ターなどの塗装機により行うのが簡便であるが、その他
の塗装方法も採用できる0次いで、金属板を焼付けて塗
布した樹脂混合物を架橋させる。塗布液が溶剤で希釈さ
れたものである場合には、溶剤の連敗と樹脂の焼付架橋
を同時に行うことが望ましい、焼付条件は、樹脂層や架
橋剤により異なるが、一般に約100〜300℃で30
秒〜1時間程度である。
焼付架橋後、もう一枚の金属板(これは、塗膜を有しな
いものでも、あるいは上記方法により片面に樹脂混合物
の架橋塗膜を形成した金属板でもよい)を供給し、樹脂
塗膜面が内側になるように2枚の金属板を重ね合わせて
熱圧着することによ2す、強固に接着した割振積層体が
得られる。上下の金属板の両方に上記樹脂混合物を塗布
し、焼付架橋させる方が、より良好な剪断接着強度が得
られる傾向がある。もちろん、焼付架橋した際の予熱を
利用して熱圧着すると、製造コストの低減に有利なこと
はいうまでもない、熱圧着の温度は、一般に約100〜
300℃である。場合によっては、上記の焼付架橋と熱
圧着とを岡崎に、たとえば熱プレスのみで行うこともで
きる。
本発明の制振積層体において、外側の金属板としては、
冷延鋼板、亜鉛系めっき調板、アルミニウム系めっき鋼
板、ステンレス鋼板などの綱板が主に用いられるが、他
の金属板、たとえばアルミニウム板なども用途により使
用できる。また、鋼板の下地処理としては、コロイダル
シリカを含有する塗布型クロメート処理を施すことが望
ましい。
特に、使用鋼板が亜鉛系めっき鋼板である場合、塗布型
クロメート処理を施すことにより、割振性、接着強度が
共に向上する。所望により、他の下地処理を通用しても
よい、  ゛ 以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。
′ 1および・  1〜2 東洋紡■製の線状高分子量飽和ポリエステル、バイロン
103N (T g 47℃、分子量約2万、水酸基価
5)をトルエン/メチルエチルケトン(MEK)(4:
1)混合溶媒にとかして得た20重量%溶液と、同社製
の同様の線状飽和ポリエステル、バイロンRV550 
(T g−15℃、分子量約2万、水酸基価5)をトル
エン/MEK (4:1)混合溶媒にとかして得た20
重量%溶液とを同量づつ混合して、塗布液(以下、A液
という)を形成した。
このA液に、架橋剤として住友化学工業■製のメラミン
樹脂、スミマール40Sを、A液中の線状飽和ポリエス
テル合計100重量部に対して24重量部となるように
混合した塗布液(B液)、およびA液に別の架橋剤とし
て日本ポリウレタン■製のプロンクトイソシアネート、
コロネート2513を、A液中の線状飽和ポリエステル
合計100!1.1部に対して8重量部となるように混
合した塗布液(C液)をそれぞれ準備した。
別に、関西ペイント■製の塗布型クロメート処理液、コ
スマー100によりクロム付着量が100−g/イとな
るようにクロメート処理した0、8鶴厚の冷延鋼板を2
枚用意した。
この冷延鋼板のそれぞれについて、そのクロメート処理
面に、上で用意したA液をバーコーターにより乾燥塗膜
厚みが15μmとなるように塗装した。得られた2枚の
塗装鋼板を110℃の熱風オーブン中で10分間焼付し
て、溶媒の連敗と樹脂の焼付架橋とを行った0次いで、
オーブンから取り出した冷延鋼板を、その塗装面どうし
が接するように重ね合わせ、170℃の熱プレスにより
30kg/cdの圧力で10分間熱圧着し、室温まで同
じ加圧下に冷却した。このようにして、0.8鶴厚の冷
延鋼板の間に30μ−の芯材樹脂層が挟まった制振鋼板
を得た。
同様の方法により、B液およびC液をそれぞれ使用して
、上記と同じ構成の制振鋼板を製造した。
得られた制振鋼板より、油圧電動シャーにより試験片を
切出し、損失係数と剪断接着強度を測定した。
損失係数(η)の測定は、機械インピーダンス法により
、インピーダンスヘッドにはB&に社製のasooiを
、解析装置には明石製作所■製のAVA−■型を用いて
行った。試験片の寸法は、幅20fi×長さ220鶴で
あった・ 剪断接着強度の測定は、25.4n (1インチ)幅に
切断した試験片に対して、第1図に示すように12.5
nの継手長さになるようにノツチ加工を施し、試験温度
23℃、引張速度5 m/sinの条件でインストロン
型万能引張試験機により試験片両端を引張リ、接着破壊
荷重を求めることにより行った。
結果を次の第1表に示す。第1表において、損失係数は
33℃、1000 Hzでの測定値である。第1表の結
果から明らかなように、2種の飽和ポリエステル樹脂を
実質的に架橋させていない比較例1の割振鋼板では、常
温付近での割振性には非常に優れているものの、剪断接
着強度が著しく劣っている。これに対して、本発明例で
ある実施例1および2の制振鋼板においては、樹脂混合
物の架橋により、比較例1の制振鋼板の損失係数を実質
的に維持したまま、剪断接着強度が飛曜的に増大してい
る。
第1表 311例」− 上記B液におけるスミマール405の添加量が、線状飽
和ポリエステル合計100重量部に対して12重量部で
あること、熱プレス温度と時間が200℃、30分であ
ること以外は実施例1と全く同様にして、割振鋼板を製
造した。得られた割振鋼板の剪断接着強度は、101.
1 kg/、fflであり、40℃、1000 Hzで
の損失係数は1.05であった。
大血斑土二l 実施例1で使用したB液に、さらに住友化学工業■製の
ノボラック型エポキシ樹脂、スミエポキシESCN−2
20−18(分子量3500、エポキシ当量200、軟
化点70℃)を、B液中のポリエステル樹脂100重量
部に対して5重量部の割合で添加した塗布液(D液)を
調製した。このD液を用いて、予めコスマーlOOによ
りクロム付着量が80+wg/rdとなるようにクロメ
ート皮膜が形成されている0、6 m厚の冷延鋼板帯の
クロメート皮膜上に、ロールコータ−により乾燥塗膜厚
みが15μ鴎となるように塗装した。その後、300℃
の熱風オーブン内を、実施例4においては45秒、実施
例5においては1分30秒間の滞留時間で通過させて、
溶媒の揮散と樹脂の焼付架橋を行った。その時の鋼板表
面での最高到達温度は、45秒滞留の実施例4では17
5℃、90秒滞留の実施例5では235℃であった。そ
の後、比較例1と同様の方法で制振鋼板を得、剪断接着
強度と損失係数を測定した。結果を次の第2表に示す。
第2表 損失係数は40℃、1000 fizでの測定値である
実施例5では、実施例1に比べて剪断接着強度がさらに
大きく増大していることがわかる。
実l桝旦二工 使用鋼板が0.6 m厚の合金化溶融亜鉛めっき鋼板で
あること、熱プレス温度が150℃であること以外は実
施例4と全く同様にして、制振tj4板を製造した。た
だし、実施例6では塗装に先立ってクロメート処理を施
さず、実施例7では、15mg/nfのクロム付着量に
なるように塗布型クロメート処理を下地処理として施し
た。結果を次の第3表に示す。
第3表 損失係数は40℃、1000 Hzでの測定値である。
第3表から、外板が亜鉛系めっき鋼板である場合には、
塗布型クロメート処理を下地として施すことにより、剪
断接着強度と損失係数がともに向上することがわかる。
=  8および へ12 東洋紡側製バイロン103Nの代わりに、同社製の線状
高分子fl飽和熱可塑性ポリエステル、バイロンGK5
90 (T g 10℃、分子量4000、水酸基価3
0)、またIIV550の代わりに線状高分子量飽和熱
可塑性ポリエステル、バイロン5500(T g−11
’c、分子量約2万、水酸基価4)をそれぞれ同量使用
し、その他は実施例4と全く同様の方法で制振鋼板を製
造した〈実施例8)、得られた割振鋼板の剪断接着強度
は89.2kg/cj、40℃、1000112での損
失係数は0.67であった。
比較のためにこの2種類の飽和ポリエステル樹脂を使用
して、比較例1と同様の方法で制振鋼板を製造したとこ
ろ、得られた割振鋼板の剪断接着強度は6.7kg/c
+J、40℃、1000 H2での損失係数は0.78
であり、上記ポリエステル樹脂混合物の場合でも、樹脂
を実質的に架橋させないと、剪断接着強度は実施例8の
制WL鋼板の10分の1以下と実用に供し得ない程度に
大きく低下した。
大嵐■主 実施例3を繰り返したが、ただし塗装後の鋼板を熱風オ
ープンに通さず、溶剤の蒸発による塗膜の乾燥のみで鋼
板を重ね合わせ、30kg/−の加圧下に180℃で1
0分間熱プレスすることによって、塗膜の架橋と積層体
の熱圧着とを同時に行った。
得られた制振鋼板の剪断接着強度は70kg/cd。
40℃、1000 Hzでの損失係数は1.22であっ
た。焼付工程を省略したことによる架橋密度の低下のた
め、実施例3に比べて損失係数は向上したが、剪断接着
強度がいくらか低下した。ただし、架橋のない比較例1
の割振鋼板に比べてなお十分に高い剪断接着強度を保持
している。
l施■用 実施例1において、バイロン103Nに代えて同じ量で
東部化成側製のビスフェノールAとエピクロルヒドリン
との縮合生成物である高分子量エポキシ樹脂YP−50
(分子量40,000 、T g 86℃)を用いるこ
と以外実施例1と全く同様の方法で割振鋼板を製造した
。得られた制振鋼板の剪断接着強度は97kg/c+a
、 40℃、1000 Hzでの損失係数は0.63で
あった。TglO℃以上の高分子量熱可塑性ポリエステ
ルに代えて高分子量エポキシ樹脂を使用しても、はぼ同
程度の好結果が得られるととがわかる。
几tびLレニ土 実施例1において、Tgが10℃以上のバイロン103
Nを除外したこと以外は全〈実施例1と同様の方法で制
振鋼板を製造したく比較例3)。
別の実験で、Tgが0℃以下のバイロンRV550を除
外して実施例1を繰り返し、制振鋼板を得た(比較例4
)、得られた結果を次の第4表に示す。
なお、損失係数は40℃、1000 Hzでの測定値で
ある。
第4表 第4表の結果から、いずれか一方の熱可塑性ポリエステ
ル樹脂のみでは、樹脂の架橋を行っても、常温付近での
優れた割振性と高い剪断接着強度とを両立させることが
まったくできないことがわかる。具体的には、比較例3
のTgが0℃以下のポリエステル樹脂のみの例では、剪
断接着強度が5kg/aj以下と実用的な強度からほど
遠く、また比較例4のTgが10℃以上のポリエステル
樹脂のみの例では損失係数が0.03以下と制振性が全
く発揮されていない。
(発明の効果) 本発明により、芯材樹脂として使用するガラス転移温度
の異なる2種類の特定の樹脂の混合物を架橋させること
ににより、常温付近の比較的低温での優れた制振性(損
失係数0.5以上)を維持しなから制振積層体の剪断接
着強度を著しく向上させることが可能となり、これまで
困難であった常温付近での良好な制振性と十分に高い剪
断接着強度の両立が図られた制振積層体を得ることがで
きる。この両立は、樹脂混合物の架橋を省略したり、あ
るいは一方の樹脂を省略した場合には全(得ることがで
きず、本発明により得られる予想外の効果である。
本発明の制振積層体およびその製造方法はまた、従来使
用されてきた芯材樹脂種を利用し、樹脂の塗布法もロー
ルコータ−などの簡便な装置を利用して実施でき、熱圧
着法も従来と同様でよいので、従来の装置を利用して、
従来は得られなかったような常温付近で優れた制振性と
加工性を発揮する割振積層体を比較的安価に提供するこ
とができるので、制振鋼板などの制振積層体の用途拡大
に大きく寄与するであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例で行った剪断接着強度の測定試験にお
いて試験片に施したノツチ加工を示す説明図である。 出願人 住友金属工業株式会社(ほか1名)代理人 弁
理士 広 瀬 章 −(lj 6゛/ jb)第1図

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)2枚の金属板の間に樹脂層を挟んでなる複合型制
    振積層体において、前記樹脂層が、(A)および(B)
    の合計重量に基づいて(A)ガラス転移温度0℃以下の
    線状高分子量飽和ポリエステル樹脂5〜95重量%と、
    (B)ガラス転移温度10℃以上の線状高分子量飽和ポ
    リエステル樹脂、高分子量エポキシ樹脂、またはこれら
    の混合物5〜95重量%とを含有する樹脂混合物を架橋
    して得た樹脂から構成されることを特徴とする、複合型
    制振積層体。
  2. (2)前記樹脂混合物がさらに架橋剤を含有する、特許
    請求の範囲第1項記載の複合型制振積層体。
  3. (3)2枚の金属板の間に樹脂層を挟んでなる複合型制
    振積層体の製造方法において、(A)と(B)の合計重
    量に基づいて(A)ガラス転移温度0℃以下の線状高分
    子量飽和ポリエステル樹脂5〜95重量%と、(B)ガ
    ラス転移温度10℃以上の線状高分子量飽和ポリエステ
    ル樹脂、高分子量エポキシ樹脂、またはこれらの混合物
    5〜95重量%とを含有する樹脂混合物を前記金属板の
    少なくとも一方の片面に塗装し、得られた塗膜を焼付け
    て上記樹脂混合物を架橋させ、この架橋塗膜を内側にし
    て前記2枚の金属板を重ね合わせ、熱圧着させて積層体
    を得ることを特徴とする複合型制振積層体の製造方法。
  4. (4)前記樹脂混合物がさらに架橋剤を含有する、特許
    請求の範囲第3項記載の方法。
  5. (5)前記架橋塗膜を前記2枚の金属板の両方に形成す
    る、特許請求の範囲第3項または第4項記載の方法。
  6. (6)前記樹脂混合物の塗装前に、前記金属板の塗装す
    べき面を塗布型クロメート処理により下地処理する、特
    許請求の範囲第3項〜第5項のいずれかに記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5411810A (en) * 1992-06-30 1995-05-02 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Viscoelastic resin composition for a vibration damping material
JP2008163277A (ja) * 2007-01-05 2008-07-17 Nippon Tokushu Toryo Co Ltd 二液型常温硬化塗布型制振塗料組成物
US7921961B2 (en) 2004-12-03 2011-04-12 Nippon Steel Corporation Chromate-free resin-composite vibration deadening material

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