JPS6318284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のバンパー支持装置の改良に
関するものである。

従来より、自動車のバンパーとしては、軽量化
を図るために、合成樹脂により一体的に製造し
て、バンパー本体のみに金属製補強材を装着した
ものや、金属製のバンパー本体に合成樹脂製のバ
ンパーサイドを取付けたものがある。

ところで、このような合成樹脂製のバンパーサ
イドは、自動車の走行時にぶれてフエンダーに衝
突して振動音を生ずるため、支持する必要があ
る。

そこで、従来、例えば実開昭52−94650号公報
に示すように、フエンダーに設けた穴に支持部材
を介してバンパーサイドを支持し、バンパーサイ
ドのぶれを防止するようにしたバンパー支持装置
がある。ところが、このバンパー支持装置では、
バンパーに衝撃が加わつてバンパーが車体後方に
移動するときバンパーサイドの後方への移動が規
制されるという問題がある。これを改善するため
に、穴を車体前後方向に長くすることも考えられ
るが、フエンダーの剛性が下がり好ましくないと
いう問題がある。

本考案は上記問題に鑑みてなされたものであつ
て、フエンダーを外側に切り起こして形成され少
なくとも前面側に前後方向に貫通して形成された
開口を有する係合受部の上記開口に、合成樹脂製
バンパーサイドの内側に一端が固定されそのバン
パーサイドに沿つてその端部側に延びるガイド延
長部と中間に折り曲げ形成された係合部を有する
係合部材の上記係合部を、上記係合受部内面に形
成された被係合部に車体の幅方向に当接可能にか
つ車体の前後方向に移動可能に挿入して、バンパ
ーサイドを確実に支持でき、かつ復元性をも有す
るバンパー支持装置を提供することを目的として
いる。

以下に、本考案を図示の実施例に基づいて具体
的に説明する。

第１図において、１はバンパー本体１ａとバン
パーサイド１ｂよりなる合成樹脂製バンパーであ
つて、上記バンパー本体１ａは金属製補強材（図
示せず。）で補強して車体２にダンパー等の取付
部材（図示せず。）を介して取付けると共に、バ
ンパーサイド１ｂを上記フエンダー３の側方に位
置させている。

第２図は上記フエンダー３の一部を示してお
り、上記フエンダー３に車体２の内側に向けて一
段窪ませた凹部３ａを形成して、バンパーサイド
１ｂがフエンダー３の外側にあまり突出しないよ
うにしている。

上記フエンダー３の凹部３ａには、車体２の外
部に向つて切り起こされた係合受部４をフエンダ
ー３のプレス加工時に一体的に形成するようにし
ている。上記係合受部４は、車体２の前後方向中
央部に車体２の内側に屈曲した係合部４ａを有す
ると共に、車体２の前後方向に貫通して形成され
た開口すなわち切り起こし穴４ｂ，４ｃを夫々備
えている。

一方、第３図に示すように、バンパーサイド１
ｂのフエンダー３に取付ける側の内側面には、上
記フエンダー３の係合受部４に係合する係合部材
５の基端部をネジ６，６で固定している。上記係
合部材５は、その基端部からバンパーサイド１ｂ
に沿つて該バンパーサイド１ｂの端部側に延びか
つ弾性を有する合成樹脂よりなり、その長手方向
中央部に車体２の外側方向に折り曲げ形成された
係合部５ａを備えている。上記係合部材５の係合
部５ａより終端までの部分はガイド延長部５ｃを
形成している。

上記フエンダー３の係合受部４の前側の切り起
こし穴４ｂには、上記係合部材５の係合部５ａを
ガイド延長部５ｃの案内によつて車体２の前後方
向に挿入し、第４図に示すように係合受部４の係
合部４ａと係合部材５の係合部５ａとを係合させ
ることにより、係合部材５が係合受部４に対し車
体２の前後方向前側には位置決めし、かつ抜け止
め保持する一方、車体２の前後方向後側には係合
部材５の折曲部５ｂが係合受部４の前端面４ｄに
当接するまでのストロークｌだけ係合部材５を移
動自在とする。また、上記係合部材５は係合受部
４に対して車体２の幅方向外側には上記係合部５
ａと上記係合受部４の内面に形成された被係合部
４ｅの係合により移動不自在に当接する一方、車
体２の幅方向内側には若干移動可能としている。

したがつて、上記構成のバンパー支持装置によ
れば、バンパー１が衝撃を受けて車体後方に押し
込まれると係合部材５が係合受部４に対して車体
２の後側に移動する一方、バンパー本体１ａが取
付部材によつて元の状態に復元すると、係合部材
５が係合受部４に対して車体２の前側に移動し、
略第４図に示すような両部材の係合位置に復元し
て、バンパーサイド１ｂは衝撃を受ける前の元の
状態に確実に復元できる。

なお、上記係合部材５の係合受部４に対する移
動のストロークｌを、バンパー１が衝撃を受けて
移動するストロークよりも大きくすれば、係合部
材５及び係合受部４が何ら損傷することがないと
共に組付けが外れることもない。

また、上記実施例では、車体２の前側のバンパ
ー１にバンパー支持装置を設けたものについて述
べたが、車体２の後側のバンパーに対して設けて
も同様の効果が得られることは言うまでもない。

上記実施例に詳記したように、本考案は、フエ
ンダーを外側に切り起こして形成され、少なくと
も前面側に前後方向に貫通して形成された開口を
有する係合受部と、バンパーサイドの内側に一端
が固定されバンパーサイドに沿つてその端部側に
延びるガイド延長部と中間に折り曲げ形成された
係合部を有する係合部材とを備え、上記係合受部
の開口に係合部材の係合部を挿入して、該係合部
を係合受部内面に形成された被係合部に車体の幅
方向に当接可能にかつ車体の前後方向に移動可能
にしたので、バンパーサイドを支持してフエンダ
ーに接触して生ずる振動音を防止でき、かつ、バ
ンパーが衝撃を受けて車体側に押し込まれたとき
でも、バンパー本体の復元に伴い、係合部材が係
合受部に対して移動するので、バンパーサイドは
元の位置に確実に復元することができる。また、
本考案は、車体の前後方向の開口を有する係合受
部に、バンパーサイドに沿つてその端部側に延び
る係合部材のガイド延長部の案内により係合部材
の係合部をバンパーの取付方向と同方向である車
体の前後方向に挿入して、取付けるようにしてい
るので、挿入がスムーズに行なわれ、取付作業が
非常に簡単であり、しかも係合受部に大がかりな
ガイドを設けなくともよいので係合受部の開口を
大型とする必要がなく、スペースを取らないとい
う利点を有する。また、係合受部をフエンダーの
一部を切り起こして一体に形成し、かつその被係
合部も一体に形成しているので、打ち抜き構造、
別体のブラケツト構造に比べてフエンダーの強度
を低下させることがなく、バンパーの支持剛性も
高いということに加えて、部品点数が減少し、簡
単、安価に製造できるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は自動車の車体及びフエンダー等の一部を
示す斜視図、第２図はフエンダーの要部を示す斜
視図、第３図はバンパーサイドの要部を示す斜視
図、第４図は係合受部と係合部材の係合状態を示
し、第２図のＡ−Ａ線断面図及び第３図のＢ−Ｂ
線断面図を組合わせた断面図である。 １……バンパー、１ａ……バンパー本体、１ｂ
……バンパーサイド、２……車体、３……フエン
ダー、４……係合受部、５……係合部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体に取付けられるバンパー本体と、フエンダ
   ー側方に位置するバンパーサイドからなり、少な
   くとも上記バンパーサイドが樹脂製であるバンパ
   ーの支持装置にして、 上記フエンダーを外側に切り起こして形成され
   少なくとも前面側に前後方向に貫通して形成され
   た開口を有する係合受部と、上記バンパーサイド
   の内側に一端が固定され、該バンパーサイドに沿
   つてその端部側に延びるガイド延長部と中間に折
   り曲げ形成された係合部を有する係合部材とから
   なり、上記係合部はフエンダーの係合受部の開口
   に挿入されて、上記係合受部内面に形成された被
   係合部に車体の幅方向に当接可能にされ、かつ車
   体の前後方向に移動可能にされたことを特徴とす
   る自動車のバンパー支持装置。