JPS6317946A - 変性線状低密度ポリエチレン組成物 - Google Patents

変性線状低密度ポリエチレン組成物

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JPS6317946A
JPS6317946A JP16173486A JP16173486A JPS6317946A JP S6317946 A JPS6317946 A JP S6317946A JP 16173486 A JP16173486 A JP 16173486A JP 16173486 A JP16173486 A JP 16173486A JP S6317946 A JPS6317946 A JP S6317946A
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浦和 正太郎
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高温における接着性能が改善された新規な変
性線状低密度ポリエチレン組成物に関する。
[発明の背景] 線状低密度ポリエチレンは、熱可塑性樹脂として熱安定
性、耐薬品性、成形性および耐候性などの緒特性におい
て優れており、中空成形製品、射出成形製品、フィルム
、繊維および食品包装用の積層フィルムなどとして広範
囲にわたり使用されている。たとえば、食品包装用など
に用いられる積層フィルムには、炭素数が3〜4のα−
オレフィンが共重合した線状低密度ポリエチレンと、ナ
イロンなどの高分子化合物との積層フィルムが使用され
ている。そして、このような積層フィルムの場合、ナイ
ロンなどの高分子化合物に対する線状低密度ポリエチレ
ンの接着性が劣るのことから、線状低密度ポリエチレン
として無水マレイン酸などの極性物質をグラフト重合し
たもの、あるいはゴム状物質などの接着性の成分を添加
したものなどが使用されている。
最近、上記のような線状低密度ポリエチレンを用いた積
層フィルムをレトルト食品あるいは簡易レトルト食品(
以下本発明において両者を総称的に「レトルト食品」と
記載する場合もある)の包装用などに使用することが多
くなってきている。
レトルト食品は、一般に、内側に線状低密度ポリエチレ
ン層が、外側にナイロン層などが位置するように積層さ
れ筒状に形成された積層フィルムを、底の部分を加熱圧
着することにより袋状にし、内容物を充填したのち、入
口部分を加熱圧着して密封し、次いで、この状態で圧力
釜などに入れて加熱殺菌(レトルト食品の場合には12
0℃前後、簡易レトルト食品の場合には100℃前後の
温度の加熱水で加熱殺菌)を行なうとの工程により包装
され、殺菌されて商品となる。従って、このような包装
に使用される積層フィルムは、耐熱性が良好であること
は勿論、高温においても良好な接着強度を有しているこ
とが必要である。さらに、このような耐熱性および高温
における接着性とは別に、レトルト食品の包装用の積層
フィルムとして要求される固有の特性として、加熱殺菌
の際の加熱水との接触により圧着加熱部分が剥離しない
こと(耐熱水接着性が優れていること)が挙げられ、加
熱殺菌の方法を考慮すると、レトルト食品の包装用の積
層フィルムとしては、通常は、加圧下の100℃以上の
加熱水に少なくとも30分間接触しても加熱圧着部分が
剥離しない程度の耐熱水接着性を有していることが必要
とされる。
このように線状低密度ポリエチレンを用いて積層フィル
ムを形成する場合、無水マレイン酸などのα、β−不飽
和カルボン酸成分をグラフト重合した変性物にゴム状物
質などを添加した組成物を使用することができるとされ
ている(例えば特公昭60−11056号公報参照)。
この組成物は、線状低密度ポリエチレンの変性物とゴム
状物質を含むことにより、レトルト食品の包装用として
使用可能な特性を有しているが、ゴム状物質を含むので
積層フィルムを製造する際にブロッキングが発生しやす
いとの問題があることが判明した。従って、この組成物
を用いて積層フィルムを製造する際には、フィルムが相
互に付着しないように装置に特殊な改良を加えるか、も
しくはアンチブロッキング剤の添加が必要になるとの問
題がある。
そこで、本発明者は、特にゴム状物質を添加することな
く線状低密度ポリエチレンの優れた特性を維持したまま
、レトルト食品の包装用として有利に使用できる加熱圧
着性を有する線状低密度ポリエチレン組成物について検
討したところ、まず、ベースとなる線状低密度ポリエチ
レンは、従来使用されている炭素数3〜4のα−オレフ
ィンよりも、炭素数が5〜10の範囲内にあるα−オレ
フィンが共重合してなる線状低密度ポリ−エチレンの耐
熱性が優れており、レトルト食品の包装のように高温で
加熱する用途には従来から使用されている線状低密度ポ
リエチレンよりも優れていることを見い出した。さらに
この線状低密度ポリエチレンは、線状低密度ポリエチレ
ンが本質的に有している成形性などのその他の特性にお
いても従来のものと同等もしくはこれ以上であることが
判明した。
そして、本発明者は、上記の従来のものよりも炭素数の
多いα−オレフィンが共重合してなる線状低密度ポリエ
チレンに、その優れた特性を維持したまま、接着性を付
与する方法として、当初、この線状低密度ポリエチレン
にα、β−不飽和カルボン酸変性剤をグラフト重合させ
て変性し、この変性物を接着性の成分として使用する方
法を試みた。
しかしながら、通常の方法では、α−オレフィンの炭素
数が増加するに従って、α、β−不飽和カルボン酸変性
剤のグラフト効率が低下する傾向があり、炭素数が多い
α−オレフィンが共重合してなる線状低密度ポリエチレ
ンを用いて充分な接着性を有する変性物を製造すること
が困難であった。さらに、α、β−不飽和カルボン酸変
性剤の添加量を増加させるなどして高濃度に変性を行な
うと線状低密度ポリエチレンの分解反応が進行して目的
とする特性を有する変性物を調製することが困難であっ
た。すなわち、通常の方法では、組成物に良好な接着性
を付与できるとの特性を有する線状低密度ポリエチレン
のα、β−不飽和カルボン酸変性物を製造することが困
難であり、この方法を利用することができなかった。ま
た、α。
β−不飽和カルボン酸変性成分が低濃度でグラフト重合
した線状低密度ポリエチレン変性物を単独で使用するこ
とも試みたが、このものは通常の条件における接着性さ
えも充分であるとはいえないことが判明した。
[発明の目的1 本発明は、高温における接着性能が改善された新規な接
着性の変性線状低密度ポリエチレン組成物を提供するこ
とを目的とする。
さらに詳しくは、本発明は、線状低密度ポリエチレンが
本質的に有する特性を維持したまま、高温における接着
強度および耐熱水接着強度の両者が共に良好な変性線状
低密度ポリエチレン組成物を提供することを目的とする
[発明の要旨] 本発明は、炭素数5〜10のα−オレフィンIから誘導
される繰返し単位を含む線状低密度ポリエチレンIおよ
び/またはそのα、β−不飽和カルボン酸変性物と、炭
素数3もしくは4のα−オレフィンIIから誘導される
繰返し単位を含む線状低密度ポリエチレンIIのα、β
−不飽和カルボン酸変性物とを60 : 40〜99:
lの範囲内の重量比で含むことを特徴とする変性線状低
密度ポリエチレン組成物にある。
[発明の効果] 本発明の変性線状低密度ポリエチレン組成物は、接着性
の成分として線状低密度ポリエチレンIIのα、β−不
飽和カルボン酸変性物(第二成分)を選択することによ
り、良好な接着性能を示すと共に、この第二成分の添加
によって線状低密度ポリエチレンI(第一成分)の有す
る耐熱性、成形性、熱安定性、耐薬品性および耐候性な
どの優れた緒特性が損なわれることがない。
そして、本発明の組成物は、加熱圧着部分が加熱水と長
時間接触しても、この部分が剥離することがなく、優れ
た耐熱水接着性を示す。
さらに、本発明の組成物の良好な接着性能は、特に高温
において顕著に現われ、通常の線状低密度ポリエチレン
をベースにした場合には著しい低下が見られる100℃
における接着強度が、従来のものよりも温度の影響を受
けにくい。
[発明の詳細な記述] 本発明の変性線状低密度ポリエチレン組成物は、第一成
分として、炭素数5〜10のα−オレフィンから誘導さ
れた繰返し単位を含む線状低密度ポリエチレンIもしく
はそのα、β−不飽和カルボン酸変性物、そして第二成
分として、炭素数3もしくは4のα−オレフィンから誘
導された繰返し単位を含む線状低密度ポリエチレンII
のα。
β−不飽和カルボン酸変性物を特定の重量比で含むもの
である。
第−成分である線状低密度ポリエチレンIは、エチレン
と炭素数5〜10(好ましくは炭素数が6〜8)のα−
オレフィンから誘導された繰返し単位を含む線状低密度
ポリエチレンである。線状低密度ポリエチレンを構成す
るα−オレフィンIは直鎖状のものであっても分岐を有
するものであってもよい、このようなα−オレフィン■
の例としてはペンテン−1、ヘキセン−1,4−メチル
−ペンテン−1およびオクテン−1を挙げることができ
る。
このようなα−オレフィンIから誘導された繰返し単位
は線状低密度ポリエチレンI中に通常0.1〜10モル
%(好ましくは1〜5モル%)の範囲内の含有率で含ま
れている。α−オレフィンIから誘導された繰返し単位
は、線状低密度ポリエチレンI中に単独であっても、二
種以上台まれていてもよい。
このα−オレフィンIから誘導された繰返し単位を含む
線状低密度ポリエチレンIは、通常メルトインデックス
が0.1〜log/10分(好ましくは1〜6g/l(
1分)の範囲内にあり、そして密度が0.91〜0−9
4g/cゴ(好ましくは0.91〜(193g/cゴ)
の範囲内にある線状低密度ポリエチレンである。さらに
、この線状低密度ポリエチレンIの融点は、通常115
〜′230℃の範囲内にある。
このような線状低密度ポリエチレン製造法は、既に公知
であり、本発明においても公知の方法により製造したも
のを用いることができる。
なお、本発明の第一成分としては、上記の線状低密度ポ
リエチレンI以外に、この線状低密度ポリエチレンIの
α、β−不飽和カルボン酸変性物であってもよく、さら
にこの変性物と線状低密度ポリエチレンIとの混合物で
あってもよい。
ただし、本発明者の検討によると、線状低密度ポリエチ
レンIを構成するα−オレフィンの炭素数が増加するに
従って、α、β−不飽和カルボン酸変性剤がグラフト重
合しにくくする傾向がある。そして、高濃度に変性する
と、線状低密度ポリエチレンIの特性を維持することが
難しくなるので、このα、β−不飽和カルボン酸変性物
としては、通常は、Igの線状低密度ポリエチレンIに
対してO,1X10−’モル以下のα、β−不飽和カル
ボン酸変性成分がグラフト重合している変性物を用いる
。α、β−不飽和カルボン酸変性成分のグラフト量が多
過ぎると、耐熱性などの特性が低下することがあり、さ
らにメルトインデックスが低下し、ゲル化分が増加する
ので得られる組成物の成形性が低下することがある。
このα、β−不飽和カルボン酸変性物のメルトインデッ
クスは、ベースになる線状低密度ポリエチレンエのメル
トインデックスよりも多少低くなる傾向があるが、通常
は上記の範囲内にある。また、密度および融点は上記の
ような低濃度の変性によっては大きく変化することがな
いので、変性物の密度および融点は、通常上記の線状低
密度ポリエチレンIのそれと同一の範囲内にある。
なお、線状低密度ポリエチレンIのα、β−不飽和カル
ボン酸変性物の製造に用いる変性剤は、後述の線状低密
度ポリエチレンIIのα、β−不飽不飽 和カルボン酸変性物を製造する際に用いる変性剤を用い
ることができ、また製造も同様に行なうことができる。
なお、線状低密度ポリエチレンIは、エチレンおよびα
−オレフィンIから誘導された繰返し単位の外に、その
特性を損なわれない範囲内で他の単量体成分を含むもの
であってもよい。
この第一成分によって本発明の組成物が良好な耐熱性を
有するようになる。
本発明の変性線状低密度ポリエチレン組成物の第二成分
は、炭素数3もしくは4のα−オレフィンIIから誘導
された繰返し単位を含む線状低密度ポリエチレンIIの
α、β−不飽和カルボン酸変性物である。
線状低密度ポリエチレン■を構成するα−オレフィン■
は、炭素数3もしくは4のものである。
従って、α−オレフィン■は、プロピレン及びブテン−
1である。線状低密度ポリエチレン■は、α−オレフィ
ンIIから誘導された繰返し単位を単独で含むものであ
っても、二種含むものであつてもよい、α−オレフィン
■がブテン−1であることが好ましい。このようなα−
オレフィンIIから誘導された繰返し単位は、線状低密
度ポリエチレン■中に通常0.1〜10モル%(好まし
くは1〜5モル%)の範囲内の含有率で含まれている。
このようなα−オレフィンIIから誘導された繰返し単
位を含む線状低密度ポリエチレン■は、通常メルトイン
デックスが0.1〜20g710分(好ましくはl−1
01〜1O分)の範囲内にあり、そして密度が0.90
〜0.95g/cゴ(好ましくは0.91〜0.93g
/cゴ)の範囲内にある線状低密度ポリエチレンである
。さらに、このような線状低密度ポリエチレンIIの融
点は、通常115〜230”0の範囲内にある。
このような線状低密度ポリエチレン製造法は、既に公知
であり、本発明においても公知の方法により製造したも
のを用いることができる。
本発明の組成物の第二成分は、上記の線状低密度ポリエ
チレンIIのα、β−不飽和カルボン酸変性の変性物で
あり、この変性に用いるα、β−不飽和カルボン酸変性
剤の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸およびこれらの可能な酸無水
物、並びにこれらの誘導体を挙げることができる。なお
、変性剤は二種以上を用いることもできる。この中でも
α、β−不飽和カルボン酸変性剤としてはマレイン酸も
しくは無水マレイン酸を用いることが好ましい。
第二成分は、通常、tgの上記線状低密度ポリエチレン
Hに対して、0 、 I X 10−’ 〜5X10−
4モルの範囲内の量のα、β−不飽和カルボン酸変性成
分がグラフト重合している変性物である。ざらにo、l
Xl0−’ 〜4.5X10−’%A/の範囲内の量の
α、β−不飽和カルボン酸変性成分がグラフト重合して
いる変性物が好ましく、この中でも特に0.5 X 1
0−’〜2−OXIO−’モルの範囲内の量のα、β−
不飽和カルボン酸変性成分がグラフト重合している変性
物が好適である。この変性物は、主に本発明の組成物に
接着性を付与するものであるので、グラフト量が少ない
と得られた組成物の接着強度が不充分になることがあり
、また、グラフト量が多過ぎる変性物を用いた場合には
、グラフト重合反応の際にゲル化し、メルトインデック
スが低下することがあるので、得られる組成物の成型性
などが低下することがある。
この線状低密度ポリエチレンII(7)α、β−不飽和
カルボン酸変性物のメルトインデックスは通常0.1〜
20g710分(好ましくはo、i〜10g710分)
の範囲内にあり、密度は通常0.90〜0−95g/c
ゴ(好ましくは0.91〜0.93g/CrrI″)の
範囲内にあり、融点は、通常115〜230℃の範囲内
にある。
なお、線状低密度ポリエチレン■は、α−オレフィンI
Iから誘導された繰返し単位の外に、その特性を損なわ
れない範囲内で他の単量体成分を含むものであってもよ
い。
このような線状低密度ポリエチレンIIのα、β−不飽
和カルボン酸変性物は、通常は、上記の線状低密度ポリ
エチレン■およびα、β−不飽和カルボン酸変性剤を反
応開始剤の存在下に熔融混練することにより製造するこ
とができる。
α、β−不飽和カルボン酸変性剤の使用量は、線状低密
度ポリエチレン■と変性剤との反応性が高いことから、
通常は予定しているグラフト量のml−1,5倍量を使
用する。
反応開始剤としては通常用いられているt−ブチル−ハ
イドロパーオキサイドのような有機過酸化物系の反応開
始剤を使用する。また、有機過酸化物の外にも2,3−
ジメチル−2,3−ジフェニルブタンのようなりメンの
二量体およびその誘導体を使用することもできる。この
ような反応開始剤は、反応開始機構が有機過酸化物系の
反応開始剤よりも穏和であるので、変性によるゲル化の
発生およびメルトインデックスの低下を軽減することが
でき、本発明の第二成分の反応開始剤として(さらに、
第一成分として線状低密度ポリエチレンIのα、β−不
飽和カルボン酸変性物と用いる場合にはこの反応開始剤
として)好適である。
反応開始剤は通常の使用量の範囲内(通常は、変性剤の
使用量に対してモル比で0.01〜0.1倍)の量を用
いる。このようにしてグラフト重合反応を行なうことに
より、通常用いたα、β−不飽和不飽和カルボン側変性
剤重量%以上がグラフト重合する。
本発明の変性線状低密度ポリエチレン組成物は、第一成
分である線状低密度ポリエチレンIおよび/またはその
α、β−、β−カルボン酸変性物と、第二成分である線
状低密度ポリエチレンIIのα、β−不飽和カルボン酸
変性物を、重量比で60 : 40〜99:lの範囲内
で含む、特に、第一成分と第二成分との重量比を70 
: 30〜95:5の範囲内にすることにより、ナイロ
ンなどの他の高分子化合物との積層フィルムにおける高
分子化合物と本発明の組成物との通常温度における接着
性が向上する傾向がある。
本発明の組成物において、第一成分が少ないと耐熱性が
充分に向上せず、また第二成分が少ないと接着性が充分
に発現しない、そして、本発明の組成物が高温において
良好な接着性を有するとの効果および良好な耐熱水接着
性を有するとの効果は、本発明の組成物が第一成分およ
び第二成分を上記範囲内で含有していることによって達
成される。
本発明の変性線状低密度ポリエチレン組成物は、通常メ
ルトインデックスがIg710分以上(好ましくは1〜
20g710分の範囲内)であり、融点が115〜13
0℃の範囲内にあるので、良好な押出し成形性能を有し
ている。更に、密度は、通常0.915〜0.930g
/cゴの範囲内にある。
また、本発明の組成物全体から見ると組成物中のポリエ
チレン成分1gに対して通常0−IXlo−8〜0.8
X10−’モルのα、β−、β−カルボン酸変性成分が
グラフト重合している組成物であり、鋼板などに対する
接着性(静的条件における接着性)が良好であるばかり
でなく、共に熔融状態にある本発明の組成物とナイロン
などの他の高分子化合物とを押出し形成装置などを用い
て成形して得られた積層フィルムにおいて、高分子化合
物と本発明の組成物との接着性(動的条件における接着
性)が優れている。
殊に本発明の組成物は、従来のものと比較すると高温条
件における接着性能が極めて優れている。
通常の場合、高温における接着性能は、積層フィルムを
加熱圧着し、所定−温度(例えば100℃)において、
加熱圧着した部分を剥離するのに要する張力を測定する
ことにより評価される。しかし、例えばレトルト食品の
包装用などに使用する場合には、単に上記のような高温
における接着強度が高いだけでは特性としては不充分で
あり、上記のような高温における通常の接着強度による
評価の外に、さらに加熱殺菌を行なう場合と同等の条件
、すなわち高温の水との接触下に一定時間経過しても加
圧接触部分が剥離しないこと、すなわち耐熱水性接着性
が良好であることが必要になる。
本発明の組成物は、従来の変性ポリエチレン組酸物、さ
らには変性線状低密度ポリエチレン組成物と比較して、
この耐熱水性接着性が特に優れている。詳細には本発明
の組成物を接着剤層として加熱圧着を行なった場合に、
圧力容器中の103℃の加熱水との接触によっても、少
なくとも30分間は加熱圧着部分が剥離することがない
との優れた特性を有している。従って、本発明の組成物
を接着剤として用いた場合に、加熱圧着部分が、加熱殺
菌などの際に加熱水との接触によって剥離して内容物が
漏れ出すことがない。
さらに、例えば、ナイロン(ポリアミド樹脂)と本発明
の組成物をそれぞれの層厚が201Lmと401Lmに
なるように押出し成型して得られた積層フィルム二枚を
、本発明の組成物が対面するように配置し、通常の条件
(たとえば、温度170℃、圧力2 k g / cゴ
、時間1秒間)で加熱圧着(ヒートシール)した試験片
を温度100℃、剥離速度50mmの条件でT層剥離試
験を行なった場合、本発明の組成物の接着強度は樹脂強
度よりも高いので加熱圧着部分の剥離が起きる前に樹脂
(ナイロンと本発明の組成物との積層フィルム)の切断
が起きる。即ち、このような積層フィルムは100℃に
於ては通常1.0kg/l−5cm以上の張力をかける
と樹脂切れが発生するが、加熱圧着部分の接着強度は、
通常はl−0kg/l、5cm以上であり、樹脂切れが
発生する前に加熱圧着部分が剥離することがない。
従って、本発明の組成物は、高い耐熱水接着強度と高温
における高い接着強度が要求されるレトルト食品の包装
用積層フィルムの接着剤としての使用に好適である。
本発明の変性線状低密度ポリエチレン組成物は、前記の
第一成分および第二成分をトライブレンドしたのち、混
合物を熔融状態にして混練することにより製造すること
ができる。
トライブレンドには、ヘンシェルミキサーなどの通常の
混合装置を用いることができ、熔融混線には、単軸押出
し機などの通常の熔融混線装置を用いることができる。
また、熔融混線は、例えば単軸押出し機を使用した場合
には、通常、加熱温度を180〜260℃の範囲内に設
定し、滞留時間を0.1〜5分間に設定し、窒素などの
不活性気体雰囲気中で行なわれる。
なお、熔融混線の際に上記第一成分および第二成分の外
に本発明の組成物の特性を損なわれない範囲内で他の樹
脂成分、あるいは通常使用されている添加剤などを配合
することもできる。
次に本発明の実施例および比較例を示す。
〔実施例1〕 メルトインデックス(MI)2 + 2 g/10分、
密度0.918 g / cゴ、融点125℃、4−メ
チルーペンテンーlから誘導される繰返し単位の含有率
3.1モル%の線状低密度ポリエチレン−I (LLD
PE−I)を用意した。なお、こ′のLLDPE−Iの
ビカット軟化点は、107℃であった。
別に、メルトインデックス2.0g/10分、密度0.
919g/cゴ、融点123℃、ブテン−1から誘導さ
れる繰返し単位の含有率3.6モル%の線状低密度ポリ
エチレン−n (LLDPE−n)と、IgのLLDP
E−11に対してl×1O−4モルの無水マレイン酸お
よび0.32×10−4モルの2,3−ジメチル−2,
3−ジフェニルブタンとをヘンシェルミキサーにて混合
して、得られた混合物を単軸押出し機(スクリュー径=
 50 m m 、 L / D = 24 )に投入
して窒素雰囲気下、260℃に加熱し滞留時間約1分間
にて熔融混線を行ない線状低密度ポリエチレン−Hのマ
レイン酸変性物を製造した。
得られたLLDPE−nのマレイン酸変性物は、Igの
LLDPE−nに対してo、8X10−’モルの無水マ
レイン酸がグラフト重合しており、メルトインデックス
は(16g710分、密度は0.917g/crn”、
そして融点は119℃であった。
上記の90重量部のLLDPE−Hに、LLDPE−n
のマレイン酸変性物10重量部を加えて混合し、上記の
単軸押出し機を用いて熔融混線を行なって変性線状低密
度ポリエチレン組成物を製造した。
得られた変性線状低密度ポリエチレン組成物のメルトイ
ンデックスは1〜9g710分、密度は0.918g/
crn”、そして融点は125℃であった。
[実施例2] 実施例1において、LLDPE−Iの代わりに以下に記
載。する物性のLLDPE−Iを使用した以外は同様に
して変性線状低密度ポリエチレン組成物を製造した。
メルトインデックス:4−2g710分密度:0.92
2g/Cゴ 融点:126℃ オクテン−1から誘導される繰返し 単位の含有率:2.4モル% ビカット軟化点:109℃ 得られた変性線状低密度ポリエチレン組成物のメルトイ
ンデックスは3.5g/10分、密度は0.922g/
cゴ、そして融点は126℃であった。
[実施例3] 実施例2で用いたLLDPE−Iに0.1×10−4モ
ルの無水マレイン酸およヒ0 + 04×10−4モル
のt−ブチルハイドロパーオキサイドを用い、加熱温度
を220℃にした以外は実施例1と同様の方法によりマ
レイン酸変性を行なって、LLDPE−Iのマレイン酸
変性物を調製した。得られたLLDPE−Iのマレイン
酸変性物は、Igc7)LLDPE−Iに対し−(0−
06×104モルの無水マレイン酸がグラフト重合して
おり、メルトインデックスは3−2g710分、密度は
0−922g/cm″、そして融点は126℃、ビカフ
ト軟化点は109℃であった。
次いで、90重量部のLLDPE−Iのマレイン酸変性
物と、実施例1で用いた線状低密度ポリエチレン−Hの
マレイン酸変性物10重量部とを実施例1で用いた方法
と同様の方法により混合し、熔融混線を行なって変性線
状低密度ポリエチレン組成物を製造した。
得られた変性線状低密度ポリエチレン組成物のメルトイ
ンデックスは2−8g/10分、密度は0.921g/
cm″、そして融点は126℃であった。
[実施例4] 実施例1において、LLDPE−Iの使用量を98重量
部、LLDPE−Hのマレイン酸変性物の使用量を2重
量部とした以外は同様にして変性線状低密度ポリエチレ
ン組成物を製造した。
得られた変性線状低密度ポリエチレン組成物のメルトイ
ンデックスは2−1g710分、密度は0.918g/
cゴ、そして融点は125℃であった。
[比較例1] 実施例1において、LLDPE−Hの代わりに、LLD
PE−I (メル)(7デ、クス4−0g710分、密
度0−935g/Crn″、融点123℃、ブテン−1
から誘導される繰返し単位の含有率1.9モル%)を使
用した以外は同様にして変性線状低密度ポリエチレン組
成物を製造した。
得られた変性線状低密度ポリエチレン組成物のメルトイ
ンデックスは2.1g710分、密度は0 、918 
g / cゴ、そして融点は125℃であった。
評価項目 (i)ナイロンと接着剤との接着強度試験インフレーシ
ョン成形機(グイ直径:100mm、リップクリアラン
ス: 1.25mm)を用いて、BUR:1.3、折径
200mm、引張速度18 m 7分、水冷インフレー
ク3ンの条件にて、外層にナイロン(宇部興産■製、グ
レード名: 5033B)20終m、中間層および内層
に実施例(あるいは比較例)で製造して変性線状低密度
ポリオレフィン組成物(厚さ:それぞれ20pLm)か
らなる二成分三層構造の積層フィルムを筒状に成型し、
長さ150mmに切断して筒状の成形体を製造した。な
お、押し出し成形機温度は外層230℃付近、中間層お
よび内層210℃付近とした。なお、積層フィルムを成
形する際にフィルム相互の付着は発生しなかった。
得られた積層体をJIS−に−6854に規定されてい
る方法に準じインストロン引張強度試験機を使用して、
ナイロンと接着剤とのT型接着試験を剥離速度50mm
で行なった。
(ii)ヒートシール部の耐熱水接着性上記のようにし
て成形した両端が開放されたナイロンと接着剤の積層フ
ィルムからなる長さ150mm、輻200 m mの筒
状の成形体(内面が接着剤)の一方の端部な、温度17
0℃、圧力2 k g / c m’、加熱時間1秒間
の条件でヒートシールした。
ヒートシールされていない他端(入口部分)から150
mJlの水を入れたのち、この入口部分を上記と同一の
条件にてヒートシールして耐熱試験用サンプルを調製し
た。
得られたサンプルを90℃に加熱した圧力釜に入れ、釜
の内部を30分間103℃に維持した。
30分間経過後、サンプルを取り出して、ヒートシール
部の状態を観察した。
(iii)ヒートシール部の接着強度試験上記のように
して接着したヒートシール部の接着強度を(i)に記載
した方法に準じて測定した。
評価結果を第1表に示す。
第1表 (g/2.5cm)         (g/l、5c
層)実施例 1 1250    剥離なし   2−3  1.0
以上2 1320     同上    2−2  1
.1以上3 1480     同上    2−0 
 11以上4380     同上    2−3  
1.2以上比較例 1 1410   剥離が見られる 2−3  0.7
註)上記第1表の接着強度(iii)において、ヒート
シール部の接着強度が「〜以上」とは、この時点で樹脂
が切れたことを示す。従って実際の接着強度はこの値以
上であることを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、炭素数5〜10のα−オレフィン I から誘導され
    る繰返し単位を含む線状低密度ポリエチレン I および
    /またはそのα,β−不飽和カルボン酸変性物と、炭素
    数3もしくは4のα−オレフィンIIから誘導される繰返
    し単位を含む線状低密度ポリエチレンIIのα,β−不飽
    和カルボン酸変性物とを60:40〜99:1の範囲内
    の重量比で含むことを特徴とする変性線状低密度ポリエ
    チレン組成物。 2、線状低密度ポリエチレン I が、メルトインデック
    スが0.1〜10g/10分の範囲内にあり、かつ密度
    が0.91〜0.94g/cm^3の範囲内にある線状
    低密度ポリエチレンであることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の変性線状低密度ポリエチレン組成物。 3、線状低密度ポリエチレン I が、α−オレフィン I
    から誘導される繰返し単位を0.1〜10モル%の範
    囲内の含有率で含むものであることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の変性線状低密度ポリエチレン組成
    物。 4、線状低密度ポリエチレンIIが、メルトインデックス
    が0.1〜20g/10分の範囲内にあり、かつ密度が
    0.90〜0.95g/cm^3の範囲内にある線状低
    密度ポリエチレンであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の変性線状低密度ポリエチレン組成物。 5、線状低密度ポリエチレンIIが、α−オレフィンIIか
    ら誘導される繰返し単位を0.1〜10モル%の範囲内
    の含有率で含むものであることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の変性線状低密度ポリエチレン組成物。 6、線状低密度ポリエチレンIIのα、β−不飽和カルボ
    ン酸変性物が、1gの線状低密度ポリエチレンIIに対し
    て0.1×10^−^4〜4.5×10^−^4モルの
    α,β−不飽和カルボン酸変性成分がグラフト重合して
    いるものであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の変性線状低密度ポリエチレン組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108431061A (zh) * 2016-01-28 2018-08-21 陶氏环球技术有限责任公司 用于生产具有低凝胶含量的官能化乙烯基聚合物的方法

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JPS58222134A (ja) * 1982-06-18 1983-12-23 Mitsubishi Chem Ind Ltd 接着性樹脂組成物
JPS5930841A (ja) * 1982-08-12 1984-02-18 Showa Denko Kk 流動浸漬用組成物
JPS5968351A (ja) * 1982-10-12 1984-04-18 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリエチレン樹脂組成物積層物

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