JPS6316701Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は船舶、トラツク、貨車等へ肥料袋、米
麦袋その他の荷物の積込み、積降しの合理化を目
的に開発した底開き型荷役用コンテナの改良に関
するものである。

〈従来の技術〉 多数の荷物をパレツト上やコンテナ内に積んだ
まま荷役作業を行なうのは便利である。しかしな
がら、パレツトやコンテナをも同時に移動させね
ばならず、これらによる運搬容積の問題や回収の
手間があつて一方において不経済な面を有してい
る。そこで、パレツトを用いず、直接コンテナの
上へ荷物を積上げて移動し、移動後はコンテナの
底を開いて移動時の荷姿のまま所定位置へ積込
み、積降しができるように、荷物の底面及び側面
を底面が中心となるように十字状に展開した長さ
以上の長さを有する数本の吊上ベルト群をほぼ平
行に配置し、そのベルト群を左右に２分割して左
ベルトと右ベルトとした構造の底開き型荷役用吊
具（コンテナ）なるものを本考案者が開発して先
に提案している（特開昭59−39684号、実開昭60
−3790号）。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このような従来のコンテナを米麦袋、肥料袋、
セメント袋のような袋詰荷物に対して用いる場合
に、そのまま使用するとコンテナの底を開けて荷
物を取出すとき、荷崩れを生じる。これを解決す
るために、バンドを交差させる試みもなされたが
不十分であつた。そこで、従来はコンテナ底面に
クラフト紙等の紙を敷いてその上へ荷物を積み上
げていた。ところが、紙を敷く作業は自動化が困
難で、かつ、設備費がかかりすぎる難点を有して
いた。

〈問題点を解決するための手段〉 そこで、本考案においては紙を用いることなく
左右方向へ底開きベルトを設けてなる底開き型荷
役用コンテナにおいて、底面内に位置する左右ベ
ルトとほぼ直角に交差し左ベルトに固着し、か
つ、右ベルトの上面へ自由状態にかつ側面と底面
との境界附近までの長さで載置した荷崩れ防止ベ
ルトと、右ベルトに固着し、かつ、左ベルトの上
面へ自由状態にかつ側面と底面との境界附近まで
の長さで載置した荷崩れ防止ベルトとを並べて底
面内の複数個所に設けた構造としたのである。

〈作用〉 このような構造であると、コンテナの底を開く
につれて崩れようとする荷物が荷物底面に存在す
る荷崩れ防止ベルトの逆方向の動きによつて荷物
が中央へ寄せられ、そして最後はベルトのみの引
抜きであるので、荷崩れを生じないこととなる。

〈実施例〉 以下図面によつて本考案の実施例を詳細に説明
する。

第１図は本考案に係る底開き型荷役用コンテナ
の第１実施例の展開平面図である。第２図は同第
２実施例の展開平面図である。第３図は吊上時の
荷姿を示す斜視図である。第４図は積降ろし底開
き時の荷姿を示す側面図である。第５図は同要部
底面図である。

これらの図によつて明らかなように、本考案の
底開き型荷役用コンテナ（以下単にコンテナと称
す）は、吊上ベルト１と底開きベルト２とが十字
状に設けられ、吊上ベルト１は左右に２本宛が引
揃えられて左ベルト１ａと右ベルト１ｂとし、そ
れぞれが当て布３，３上に固着されている。この
当て布３は左右に分割されている。また、当て布
３の縁部にはヒダ布１６が設けられており、各当
て布３のヒダ布１６には面フアスナー９ａが取付
けられている。更に、左右の吊上ベルト先端の輪
差４を交差させて互に相手方ベルトの基部へ装着
している。また、運搬時の荷崩れを防ぎ拡開を防
ぐために、輪差４の基部当て布３には補強部材と
しての三角布６が取付けられ、その先端に締めバ
ンド１８とバツクル１９が取付けられている。

吊上ベルト１に直角に設けられている底開きベ
ルト２は当て布７に固着されており、これも輪差
８を有している。このような底開きベルト２は吊
上ベルト１の両側へ直角に設けられているので、
第４図にみられるように肥料袋とか飼料袋等の多
数の荷物１３を略方形に包みこむことができる。
吊上ベルト１の当て布７と底開きベルト２の当て
布３の付合う縁部にはひだ布１６を設け、これに
前述したように面フアスナー９ａを取付け、底開
きベルト２にも面フアスナー９ｂを取付けて係止
構造にすると荷こぼれを防ぐことができる。吊上
ベルト先端輪差に細幅の布製面フアスナー５を設
けておくと後に説明するように便利である。

本考案は上記例のような底面が開く構造のコン
テナの底面内に荷崩れ防止ベルトを設けたことを
特徴としている。すなわち、底面内に位置する左
右のベルト１ａ，１ｂとほぼ直角に交差し、左ベ
ルト１ａに固着し、かつ、右ベルト１ｂの上面へ
自由状態に載置した荷崩れ防止ベルト１７ａと、
右ベルト１ｂに固着し、かつ、左ベルト１ａの上
面へ自由状態に載置した荷崩れ防止ベルト１７ｂ
とを並べて底面内の複数個所に設けたのである。
第１図に示した第１実施例においては、２本一対
の荷崩れ防止ベルト１７ａ，１７ｂが２個所設け
られている。また、第２図に示した例では荷崩れ
防止ベルト１７ａ，１７ｂが３個所設けられてい
る。荷崩れ防止ベルト１７の自由端は底面と側面
の境界附近に達する長さであり、特に、底面から
側面へやや覗く程度の長さが好ましく、あまり長
いと抜き難く、あまり短いとベルトを抜く力は少
なくてすむが、荷崩れ防止効果にやや劣るものと
なる。

本考案品は次のようにして使用される。まず、
第１図とか第２図にみられるようにコンテナを十
字状に拡げ、荷崩れ防止ベルト１７ａ，１７ｂを
伸ばして引き揃え、中央部に荷物１３を積み重ね
る。次いで底開きベルト２，２を左右から荷物の
両側面に当て上面で布製面フアスナー５等を用い
て適当に仮止めする。次に第３図にみられるよう
に吊上ベルト１ａ，１ｂを荷物の前後から上面へ
起しヒダ布１６の面フアスナー９ａを底開きベル
ト２の面フアスナー９ｂと係止させた後、輪差４
をフオーク１４又はクレーンのフツクなどで吊上
げて移動する。移動後は第４図にみられるよう
に、底開きベルト２の輪差８にフオーク１４等を
通して吊上げると底が開き、第５図に示したよう
に、底面に伸張されている。荷崩れ防止ベルト１
７ａ，１７ｂによつて荷物１３は崩れることなく
そのまま残り、更に吊り上げるとコンテナが除去
される。

〈考案の効果〉 本考案は上記のような構造であるから、底開き
型荷役用コンテナ使用時の自動化を可能とし、荷
崩れ防止ベルトによつて底開きの際の肥料袋と
か、セメント袋の荷崩れを無くすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る底開き型荷役用コンテナ
の第１実施例の展開平面図である。第２図は同第
２実施例の展開平面図である。第３図は吊上時の
荷姿を示す斜視図である。第４図は積降ろし底開
き時の荷勢を示す側面図である。第５図は同要部
底面図である。 １ａ，１ｂ……吊上ベルト、２……底開きベル
ト、１３……荷物、１４……フオーク、１７ａ，
１７ｂ……荷崩れ防止ベルト、１８……締めバン
ド、１９……バツクル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷物の底面及び側面を底面が中心となるように
   十字状に展開した長さ以上の長さを有する数本の
   吊上ベルト群をほぼ平行に配置し、該ベルト群を
   左右に２分割して左ベルト１ａと右ベルト１ｂと
   し、それぞれに左右方向へ底開きベルト２を設け
   てなる底開き型荷役用コンテナにおいて、底面内
   に位置する左右ベルト１ａ，１ｂとほぼ直角に交
   差し左ベルト１ａに固着しかつ右ベルト１ｂの上
   面へ自由状態にかつ側面と底面との境界附近まで
   の長さで載置した荷崩れ防止ベルト１７ａと、右
   ベルト１ｂに固着しかつ左ベルト１ａの上面へ自
   由状態にかつ側面と底面との境界附近までの長さ
   で載置した荷崩れ防止ベルト１７ｂとを並べて底
   面内の複数個所に設けてなることを特徴とする底
   開き型荷役用コンテナ。