JPS6315075Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は車両の各部を制御させるための中央演算
処理装置すなわちマイクロコンピユータに各種の
演算処理を指令するキー入力装置の改良に関す
る。

近時、自動車にマイクロコンピユータを搭載
し、エンジン、ブレーキ、走行の安定性等を最適
な状態に維持するよう制御させる電子制御装置が
実現されている。この種の装置では各種のセンサ
を用いて例えば、エンジンの回転数、車速、油
量、油温等車両の走行の結果得られる測定量と対
応したパルスを作成してこれらの変化を検出し、
これを基にマイクロコンピユータで演算処理して
各種の駆動系を制御させている。したがつて、自
動車のダツシユボードなどにはキー入力装置やデ
ジタル表示装置が設けられ、あらかじめこのキー
入力装置によつてマイクロコンピユータに各種の
指令を伝達させている。その結果、この種の装置
では従来手計算または別個の計算機などによつて
算出していた例えば、燃費、残存走行可能距離、
平均速度等、自動車の走行状況を居ながらにして
即座に知り得るようになつた。したがつて、上述
のキー入力装置にはこれらの演算表示処理をマイ
クロコンピユータに指令するキーボードが設けら
れている。しかしながら、従来はこのキーボード
の操作が常時可能な状態となつている。その結
果、自動車の走行中においてドライバーによつて
操作される可能性があり、運転操作が従来走行に
必要な操作以上に増すことは安全運行上好ましく
なかつた。

本案はかゝる点に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、車両が一定速度以上になつ
たときキーボードからの車両の走行に直接必要の
ない測定量（例えば燃費計算、残存走行可能距
離、平均速度等の演算表示指令が働かないように
禁止し、車両の走行に必要なデータ（エンジンの
回転数、車速、油量、油温）のみを表示し、高速
時のドライバーの気が散るのを防止し、安全運行
を確保することにある。

以下このような本案を実施例図面に従つて説明
する。図は本案の一実施例装置の構成を示し、１
はエンジンの回転数の変化と対応したパルスを作
成して出力する回転数検出部、２は車速の変化に
対応したパルスを作成して出力する車速検出部、
３は油量の変化を検出してこれと対応したパルス
を出力する油量検出部、４は油温の変化を検出し
て対応したパルスを出力する油温検出部でこれら
は周知のセンサ、電子回路によつて構成される。
これらの検出部は一例であつて、この種の装置で
は他の部分すなわちエンジンの圧縮比、油と空気
の混合比などを検出する検出部も適宜含まれる。
これらの検出部１〜４から出力されるパルスはそ
れぞれ中央演算処理装置５すなわち周知のマイク
ロコンピユータ５にそれぞれ２値データとして入
力される。このマイクロコンピユータ５は所定の
ルーチンに従い図示しない各部例えばキヤブレー
タ等を制御する。この制御値はあらかじめ設定さ
れキーボードからは変更できない。この図に示す
キーボード６は例えば四則演算を行なうためのキ
ーあるいは、残存走行可能距離の演算表示処理の
指令、燃費計算の演算表示の指令などが含まれ
る。７は表示装置で、キーボード６の指令と対応
してマイクロコンピユータ５の処理結果を表示す
る。

ところで、本案では上述のような従来装置に対
して禁止機能部８が設けられている。この禁止機
能部８は車速の変化に対応したパルスをカウンタ
８１に入力してこのパルス数を計数し、キーボー
ド６からの指令をアンドゲート８２に入力し、カ
ウンタ８１の出力と、あらかじめ所望の車速を設
定する設定入力回路８３の出力とをコンパレータ
８４で比較し、コンパレータ８４の出力でアンド
ゲート８２のゲートを開閉する。

以下この禁止機能部８の動作について説明す
る。先ず、あらかじめ所望の車速を設定入力回路
８３によつてプリセツトしておく。この設定入力
回路８３は例えば、車速と対応したパルスを計数
して得られるカウンタ８１の出力の計数値と対比
できるように車速を２値符号化した信号を出力す
る周知のエンコーダ回路で構成される。またコン
パレータ８４はカウンタ８１から出力される計数
値Ａと設定入力回路８３からの出力される設定入
力値Ｂとを比較し、Ａ＞Ｂのとき例えばロウレベ
ルの信号を出力する。このコンパレータ８４から
のロウレベルの信号はアンドゲート８２のゲート
を閉じる。このアンドゲートには上述のようにキ
ーボード６からの指令信号がここではハイレベル
の信号として入力され、図では一系統の指令系の
みを示している。したがつて、キーボード６から
禁止機能部８に入力される指令信号は各種の指令
に応じて適宜増加するものであり、これに対応し
てアンドゲート８２は適宜増加し、マイクロコン
ピユータ５の対応する指令信号が入力される端子
５１もこれに応じて増加する。その結果、アンド
ゲート８２にコンパレータ８４からロウレベルの
信号が入力されるとアンドゲート８２はゲートを
閉じて、キーボード６からのハイレベルの指令信
号はマイクロコンピユータ５の端子５１には伝達
されない。このことは、禁止機能部８はあらかじ
め設定入力回路８３で設定した車速以上になると
自動的にキーボード６からの指令信号をマイクロ
コンピユータに伝達させないことを意味する。

以上のようにして本案によれば、車両のエンジ
ンの回転数、車速、油量、油温等の測定量を検出
して中央演算処理装置に入力し、キーボードから
の各種の指令によつて中央演算処理装置が各種の
演算処理を行ない、この結果を上記測定量に関係
した表示量として表示装置に表示しかつ、車両の
走行中に不必要な指令例えば燃費計算、残存走行
可能距離、平均速度、電卓としての四則計算等を
上記検出した車速に応じて中央演算処理装置に演
算表示することを禁止する様にしたのでドライバ
ーの安全が向上した。

【図面の簡単な説明】

図は本案の一実施例装置の構成図を示すもので
ある。 １〜４……検出部、５……中央演算処理装置、
６……キーボード、７……表示装置、８……禁止
機能部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車両のエンジン回転数、油量、車速等の車両の
   走行の結果得られる測定量を中央演算処理装置に
   入力し、キーボードからの指令によつて前記中央
   演算処理装置がそれぞれの演算処理を行い、残存
   走行可能距離、燃費等を求めこの結果を前記測定
   量及び演算結果に関係した表示量として表示する
   車両のキー入力装置において、 前記キーボードからの残存走行可能距離燃費等
   の走行時に必要のない演算表示指令が、前記検出
   した車速が一定速度以上になると前記中央演算処
   理装置に伝達されることを阻止する禁止機能部を
   具備したことを特徴とする車両のキー入力装置。