JPS6258987B2 - - Google Patents

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JPS6258987B2
JPS6258987B2 JP57016419A JP1641982A JPS6258987B2 JP S6258987 B2 JPS6258987 B2 JP S6258987B2 JP 57016419 A JP57016419 A JP 57016419A JP 1641982 A JP1641982 A JP 1641982A JP S6258987 B2 JPS6258987 B2 JP S6258987B2
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JP
Japan
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lining plate
lining
welding
plate
mounting bracket
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Application number
JP57016419A
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English (en)
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JPS58134889A (ja
Inventor
Shoichi Orii
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Toshiba Corp
Original Assignee
Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Shibaura Electric Co Ltd filed Critical Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority to JP57016419A priority Critical patent/JPS58134889A/ja
Publication of JPS58134889A publication Critical patent/JPS58134889A/ja
Publication of JPS6258987B2 publication Critical patent/JPS6258987B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の技術分野) 本発明は金属ライニング、例えば炭素鋼板ライ
ニングあるいはステンレス鋼板ライニング等を施
したライニング容器とその建造法に関するもので
ある。
ライニング容器の金属ライニングは、原子力関
係施設や一般化学プラントなどに広く使用されて
いる。以下に原子力発電所施設の放射性廃棄物を
貯留するステンレス鋼板ライニング容器を例とし
て説明を行う。
(従来技術の説明) 原子力発電プラントにおける燃料プール、機器
貯蔵ピツト、廃液貯蔵槽等の放射性物質貯蔵層に
は、コンクリート壁にステンレス鋼板等のライナ
板を内張りしたライニング容器が使用されてい
る。ライニング板を内張りするにあたつては、コ
ンクリート壁に予め取付金具を壁面に露出するよ
うに埋込んでおき、この取付金具にライニング板
を溶接する。しかしながら、このような構成にお
いてはコンクリート壁とライニング板との間に隙
間ができる。この隙間は通常5mm以内のものであ
るが何らかの原因でライニング板が破損した場
合、容器内の放射化された液が漏洩し、上記隙間
に溜ることになり、かつ一部の漏洩液がコンクリ
ート壁に浸透することにより漏洩量が大きくな
り、汚染区域が拡大する。またライニング板の破
損は早期に発見し、然るべき補修を行なわねばな
らないが、この場合、コンクリート壁とライニン
グ板との間の隙間に溜つた放射性の液を除去する
ことは液がコンクリートに浸透吸着するので頗る
困難である。かと言つてこのまま放置するとライ
ニング板の補修を行う作業員が放射線を多量に被
曝するおそれがある。また、ライニング板の裏面
には貯蔵物質とコンクリート壁との温度差によつ
て結露を生じ易く、このような結露と液の漏洩と
を判別し難いという問題もあつた。
また、これらの問題を解決するためにライニン
グ板を単純に2重にした構造の2重ライニング容
器が種々採用されているが、構造が複雑となり多
くの資材を必要とするので施工が困難である等の
問題があつた。この2重ライニング容器の問題を
解決するためにライニング容器をあらかじめ工場
等で製作し、この容器をコンクリート形枠の代替
にして、周囲にコンクリートを打設して一挙にラ
イニング容器を建造する施工法(以下ブロツク工
法と略す)を採用する場合もあるが、重量と嵩と
が大きくなるため運搬上の制限により大形のライ
ニング容器には採用しにくく、ライニング板が建
築工事の代替工事資材となるため取り扱が乱暴に
なりライニング板の表・裏面に打痕・摩痕を生
じ、甚しい場合は使用に耐えない欠陥を生ずる物
的事故と人身事故を生ずる危険があつた。さらに
ブロツク工法では流し込むコンクリートがライニ
ング板の裏面すみずみまでいき互る(充満する)
保証はなく、気泡や混入物によるライニング板裏
面のコンクリートに欠損を生ずる場合がある。こ
の欠損は貯留物質の内圧に対するライニング板の
強度を著しく低下させるものであるが、欠損検査
はライニング板表面からの打撃反響音により検出
できるが完全なものとは言い難く、かつ莫大な検
査時間を必要とする。又、検査の結果、欠陥の大
きさと位置が限定されたとしても有効な補修方法
が見当らないのが実状なのであらかじめ欠損の大
きさを見込んでライニング板厚を厚くする必要が
あり資材が無駄であり、かつますます重量が増大
した。
(発明の目的) 本発明はこのような事情にもとづいてなされた
もので、その目的は、コンクリート壁とライニン
グ板との間の隙間に溜つた漏洩液を広範囲に拡散
させることなく、結露を防止して、漏洩を正確か
つ速やかに検出でき、破損時に補修を迅速かつ安
全に行うことを可能にし、安易に破損しないライ
ニング容器と、安全かつ容易にライニング容器を
建造する建造法とを提供することにある。
即ち、薄板ライニング板を含む多重ライニング
構造の容器とし、コンクリート側のライニング板
を薄いコイル状の鋼板を用いて容易に施工できる
ことを特徴とするものである。
(発明の構成) すなわち本発明は (イ) コンクリート壁と、このコンクリート壁に埋
設された取付金具と、この取付金具に内張りさ
れる裏面ライニング板と、この裏面ライニング
板上に配設される表面ライニング板と、この表
面ライニング板相互溶接線にて区画されかつ表
面ライニング板と表面ライニング板間にて形成
される漏洩検出区域と、この漏洩検出区域に配
管を介して接続される漏洩検出装置とを具備し
てなるライニング容器。
および (ロ) 裏面ライニング板を取付金具に仮設置後、裏
面ライニング板上に表面ライニング板を配設
し、その後前記表面ライニング板相互溶接にて
前記取付金具に表面ライニング板を固定するに
際して裏面ライニング板を同時に溶着すること
を特徴とするライニング容器の建造方法。
である。
本発明構造によれば表面ライニング板と裏面ラ
イニング板とは密着して形成できるので表面ライ
ニング板が破損した場合には漏洩量を減少量にと
どめることができる。またこの漏洩は両ライニン
グ板間に限定されて外部にまでおよぶことがな
い。さらにこの漏洩を正確に検知することができ
る。
また本発明方法によれば、上記構造のライニン
グ容器を効率的に短時間に建造することができ
る。
(発明の実施例) 以下、本発明を一実施例の図面を参照して説明
する。第1図は原子力発電所施設の放射性廃棄物
を貯留するコンクリート躯体の壁、底面にステン
レス鋼板でライニングし、底面中央部にドレン穴
を有する数百から数千立方米程度の容量を有する
ライニング容器の鳥瞰図であり、説明が容易なよ
うに一部分を破断して図示している。ライニング
容器1はコンクリート壁2に厚さが4mmから6mm
程度のステンレス鋼板でできた表面ライニング板
3を複数枚内張りして相互に水密溶接して形成さ
れている。
前記コンクリート壁2の側壁部と底面部にはH
形鋼等よりなる取付金具4が、コンクリート壁2
と面一でかつ、水平方向、垂直方向ともに表面ラ
イニング板3の相互溶接線3aに一致して複数本
埋設されている。この取付金具4の裏面には棒状
のアンカー5が複数本定間隔で溶接され、取付金
具4をコンクリート壁2に対して強固に固定する
ようにしている。表面ライニング板3はライニン
グ容器の生命線であるので、材質を吟味して選定
するのは勿論であるが、特に表面を滑らかにする
ことにより耐食性が向上し、かつ付着放射性物質
の除染が容易になるので冷間圧延設備で、表面を
極めて滑らかに製造したステンレスライニング板
を使用している。尚、冷間圧延で最終仕上したス
テンレス鋼板は材料内部に圧縮の残留応力が残留
しているので、ライニング容器の破損形態の内、
最も発生確立の高いと予想される応力腐食割れ現
象に強い抵抗力を持つている。この冷間圧延ステ
ンレス鋼板の巾と長さとの製造限界から、複数の
表面ライニング板3を躯体側壁と底面とに後で説
明する裏面ライニング板6と共に取付金具4の露
出面に表面ライニング板相互溶接線3aで気密に
取り付けられている。なお最上部の取付金具4は
表面ライニング板3の上端部位に位置し表面ライ
ニング板3の上端縁はその最上位の取付金具4に
水密に連続溶接されている。
裏面ライニング板6(第2a図参照)は表面ラ
イニング板3の巾よりそれ自身のオーバーラツプ
分だけ広く厚さが0.05mmから1.0mm程度の極めて
薄いコイル状に巻ける冷間圧延ステンレス鋼板で
あり、前記取付金具4ならびにコンクリート壁2
と表面ライニング板3との間に全面に互つてサン
ドイツチ状に挾み込まれていて、表面ライニング
板3が取付金具4に張り付けている表面ライニン
グ板相互溶接3aで取付金具4に表面ライニング
板3と共に強固に気密溶接されている。尚、裏面
ライニング板6の長手寸法は表面ライニング板3
の長手寸法に関係せず長くでき、例えば壁の場
合、ライニング容器壁上端部から下端部まで一枚
の長い板で構成されている。
次にライニング容器の詳細な建造方法の説明を
行う。底部と壁部のコンクリート壁2のコンクリ
ートを打設するときにコンクリート形枠(図示せ
ず)と取付金具4をボルト締めにより密着固定さ
せコンクリート打設を行い、コンクリート硬化後
ボルトを緩め形枠を解体すると、棒状のアンカ5
が付いた取付金具4がコンクリート壁2と面一
(同一平面)になり、かつ、表面ライニング板3
の表面ライニング板相互溶接線3aに一致してコ
ンクリート壁面に表面ライニング板3と裏面ライ
ニング板6が溶接可能なように露出する。取付金
具4の露出したコンクリート壁2に表面ライニン
グ板3の板巾(第1図中aで示す)と表面ライニ
ング板相互溶接3aの開先寸法とを加算したより
若干広い前述のコイル状に巻いた裏面ライニング
板6をコイルを巻き解きながら順次上から下へカ
ーテンを取り付ける様にして敷設してゆき取付金
具4の露出面へ点溶接して仮止めする。このとき
裏面ライニング板6は底面近くの所定の位置で金
切り鋏等の携帯形簡易切断工具で切断する。この
場合、安易に切断できる実用限界板厚さ(切断速
度を考えたもの)は約1.0mmである。また、板厚
が1.0mmを越えるとコイル内径が大きくなり重量
もかさむため作業が困難となる。順次この敷設作
業をくり返してライニング容器壁面を一巡するが
このとき裏面ライニング板6の最上端縁以外の縁
は表面ライニング板相互溶接線3a上で裏面ライ
ニング板6どうしがオーバーラツプする様に敷設
しなければならない。さらに底部およびコーナ部
分についても同様に全面に渡つて裏面ライニング
板6を一部オーバーラツプして敷設する。コーナ
部分の裏面ライニング板6はあらかじめ工場で曲
げ加工せずに薄いので現場で容易に曲げ加工出来
る。次に複数の表面ライニング板3を側面と底面
に張り付ける段階に入る。このステンレス鋼板は
前述したように表面を滑らかにする必要があるの
で、生産性の高い連続冷間圧延設備で製造したも
のを採用したほうが有利である。また、裏面ライ
ニング板6も、連続冷間圧延設備で製造したコイ
ル状の薄い冷間圧延ステンレス鋼板を使用する。
前記するいずれのライニング板でも、冷間圧延ス
テンレス鋼板の製造限界巾は極く特殊な場合を除
き国内製鋼業者の設備に関係し1550mm(約5フイ
ート)であり、コイル状の薄板ステンレス鋼板で
は製造限界長さは実用上ほぼ無限に長く製造でき
る。従つて表面ライニング板3の基準巾を1500mm
にし(実際の板巾は溶接開先分10mmを差し引いた
1490となる)裏面ライニング板6の板巾を1550mm
にすれば裏面ライニング板6相互のオーバーラツ
プ量を50mm確保できるので生産性の高い連続冷間
圧延設備を限度一杯に使つた効率の良い資材活用
が可能であり、表面ライニング板相互溶接3aの
溶接線総延長を短かくする効果がある。1550mm以
上の板巾のステンレス鋼板を使用すれば効率の良
い資材の活用が可能になり、溶接線総延長もさら
に短かくすることができる様に思われるが、生産
性の悪い非連続式熱間圧延設備で製造した広巾ス
テンレス鋼板は研磨材を使つて何段階かのみがき
仕上を繰り返し、表面を滑らかにする必要があ
り、この作業は暴大な費用と時間を要し実際的で
ないばかりでなく、表面仕上り状態が連続式冷間
圧延材に比べ見劣りすることは否めない。又、残
留応力の形態も冷間圧延したものは表面に圧縮の
残留応力が残るのに比べ熱間圧延を表面研磨仕上
したライニング板はむしろ引張りの残留応力が残
ることになり耐応力腐食割れ上劣勢を否めない。
次に、複数の表面ライニング板3を躯体側面と
底面に張り付けることになるがコーナ部分はあら
かじめ工場で曲げ加工した表面ライニング板3を
取り付けて、裏面ライニング板6を通して埋込金
具4に仮り溶接付けにより固定する。底部には中
央部にドレン管があり漏斗状に張り付けることに
なる。この張り付け方において、最も重要なこと
は表面ライニング板3の表面ライニング板相互溶
接線3aが溶接欠陥のできやすい十字継手になら
ないようにすることである。
さらに理解を深めるために、これまで説明した
建造過程の詳細を部分詳細図を用いて説明する。
第2a図は第1図のA〜A断面で表面ライニング
板相互溶接3aの直前状態を示し、表面ライニン
グ板3の溶接開先部と表面ライニング板3の下に
裏面ライニング板6がありその下に取付金具4が
ある関係を示した本発明のライニング容器の代表
的断面図である。第3a図は第1図のB〜B断面
で第2a図と同じく表面ライニング板相互溶接3
aの直前状態を示し、表面ライニング板3の溶接
開先部と表面ライニング板3の下に裏面ライニン
グ板6の継手部分があり裏面ライニング板6どう
しがオーバーラツプしている様子を示したもので
ある。第4a図は第1図のC〜C断面で第2a図
第3a図と同じく表面ライニング板相互溶接3a
の直前状態を示し第3a図と比べ天地の関係が90
゜回転しているほかは変化ない。第5a図は第1
図D〜D断面で表面ライニング3の上端部を示す
もので第2a図〜第4a図と同じく表面ライニン
グ板相互溶接3aの直前の状態を示している。
以上で表面ライニング板相互溶接3aを実施す
る準備が整つたので溶接を行うことになる。溶接
方法は特に限定する必要はないが、初層溶接時に
裏面ライニング板6を溶解して取付金具4に治金
学的に溶け込む溶接をする必要があり比較的むづ
かしい溶接になるが電流をパルス制御したTIG溶
接法(タングステンイナートガス溶接法)を採用
すれば溶接スピードは遅いが溶け込み量の制御が
容易なため信頼性のある溶接を得ることができ
る。なお、安定した溶接溶け込みを得るにはオー
バーラツプ部分で板厚1.0mmがTIG溶接法の溶接
条件を考慮した限界である。
これに関する実験結果を説明する。第13図は
実験結果を示し、裏面ライニング板6のオーバー
ラツプ部をTIG溶接法で溶接するときの溶接電流
と裏面ライニング板6が治金的に溶け込み板厚の
関係を示す。図中の曲線aはパルス溶接機を用い
溶接電流を第14図に示す波形にパルス電流制御
した時の平均電流IAと前記溶け込み板厚の関係
を示す。図中の曲線bは溶接電流をパルス制御し
ない場合の前記関係を示す。
これによると前記したパルス電流制御法による
場合のほうが溶接溶け込み板厚が大きくなるが板
厚が1.0mmを越えると溶接電流を増しても、前記
溶け込み板厚の増加率が著るしく低下し、電流効
果が低下する。一方現在一般に市販され入手容易
な実用TIG溶接機の溶接電流容量は200Aが上限
でありこれを越えると特殊なものとなり入手が困
難であることを考えると裏面ライニング板6の限
界厚さは1.0mmとなる。初層溶接後液体浸透探傷
試験を行い欠陥のないことを確認した後さらに第
2層目の溶接を行い最終形態を得る。次に第2層
目の液体浸透探傷試験を行い健全性を確認する。
この表面ライニング板相互溶接3aが健全に行
なわれることによつて裏面ライニング板6の相互
の気密溶接もなされたことにより、かつこれらの
表面・裏面両ライニング板3,6が取付金具4に
一挙に気密溶接されたことになる。初層溶接最終
溶接の複層溶接を行なわなくて初層溶接のみで最
終形態を得ることができるが裏面ライニング板6
を溶かし込む溶接の場合は通常と溶接条件が異な
るので信頼性の向上を期し溶接欠陥の貫通確率の
少い複層溶接するのが望ましい。
表面ライニング板相互溶接3aの溶接後の各部
の部分断面第2a図第3a図第4a図および第5
a図はそれぞれ第2b図、第3b図、第4b図お
よび第5b図に示すようになる。
(発明の作用) 以上の構成において何らかの原因により表面ラ
イニング板3が破損してライニング容器1内の放
射化された液(以下液と略す)が漏洩した場合、
表面ライニング板3と裏面ライニング板6との隙
間に進入するが、裏面ライニング板6が気密であ
るので、裏面ライニング板6の溶接で囲われた限
度内に留ることになり、液がコンクリート壁2に
浸透することがなく、隙間が極めて小さいので漏
洩量も極少量に抑えられ、かつ、汚染区域を拡大
することがない。また、浸透しないことと、漏洩
量が極めて少いことにより表面ライニング板3の
補修を行う場合、事前放射性物質除染作業を容易
にし、なおかつ、作業員の被曝放射線量を少く押
さえられる。また前記隙間に封入された空気は極
微量であるため、例え貯留物質とコンクリート壁
2との温度が水蒸気結露を生ずる温度差になつた
としても、量的に少いので漏洩と判断し難いほど
の量にならないし、コンクリート壁2側からの浸
透水が混入し誤信号を発することもない。特に表
面ライニング板相互溶接3aにTIG溶接を採用す
れば前記隙間に乾燥不活性ガス(TIG溶接の場合
一般にアルゴンガス)に置換して溶接を行うの
で、前記隙間には純粋な完全に乾燥された不活性
ガスが封入され、水蒸気結露が生ずる温度差にな
つても結露が生じなくなる。
なお、裏面ライニング板6が付加されることに
より熱伝導率を低下させるので、より高温の放射
性貯留物を貯留してもコンクリートを熱的に損傷
させることがない。尚、TIG溶接が採用され前記
隙間にアルゴンガスが封入されていれば空気より
アルゴンガスの熱伝導度は小さいのでこの効果
(断熱効果)はさらに向上する。また、直接表面
ライニング板3がコンクリートや炭素鋼に接触し
ないので表面ライニング3の裏面からの腐食を防
ぐことができる。さらに前記隙間に貯留液圧より
若干高めな気体圧力を封入しておきこの圧力低下
を常時電気的に遠方から監視することで使用期間
中の積極的破損検出に供することができる。これ
は通常一般的に使われているオーステナイト系ス
テンレス鋼製ライニング容器の特徴的破損形態で
ある応力腐食割れ破損が生じても、初期の割れ破
損は極めて小さいので漏洩しても欠陥透過物質中
(液中)の固形分が短時間に目づまり現象を起し
検出不可能な場合も予想されるが、気体圧力封入
により初期の割れ破損も検出可能である。
一方本発明の建造法によれば前に説明したブロ
ツク工法による運搬上の制限がなくなり巨大な2
重ライニング容器が軽作業により安全に建造可能
になり、表面ライニング板3裏面ライニング板6
が建築工事の代替工事材料とならないため欠陥を
生ずるおそれがなくなる。またコンクリート壁2
のライニング側表面に欠損があつても、裏面ライ
ニング板6を張り付ける前に容易に目視検査がで
きて補修も可能なので、あらかじめ欠損を見込ん
で表面ライニング板3を厚くする必要がなく、資
材の節約とそれにともない溶接量が少なくなるの
で建造日数の短縮が可能である。
次に本発明における漏洩検出の詳細について第
6〜第8図を用いて説明を行う。ライニング容器
の漏洩検出方法には大きく分けて2つの方法があ
る。第1の方法は従来から用いられている方法で
あらかじめライニング板裏面に漏洩検出区域を仕
切つておき、各区域ごとに漏洩検出器を設置して
漏洩液を配管で漏洩検出器に導入し液の存在を検
出し、漏洩時刻と区域を検出する方法である。第
2の方法は前記方法を改善した極微少リークを検
出するもので本発明中に説明した表面ライニング
3と裏面ライニング6の空間に貯留液体より若干
圧力の高めな気体を封入しておき圧力低下を監視
することにより漏洩検出するものであるが、検出
区域を表面ライニング板相互溶接3aによつて囲
まれた原理的に漏洩検出可能な最小区域ごとに圧
力検出器を設置するのはより精密に区域の検出は
可能であるが検出器の数が多くなり監視上からも
コスト的にも実際的でない。
そこで先きに説明した従来から用いられている
検出方法と同様にあらかじめ原理的に漏洩検出可
能な複数の最小区域を配管で連絡して拡大した漏
洩検出区域を構成しておき、拡大した各区域ごと
に気体を封入し圧力検出器を設置するのが現実的
である。このために本発明においては第1図の断
面E〜E、断面F〜Fに示す漏洩検出最少区域境
界線上(表面ライニング板相互溶接線3aと一
致)にそれぞれ第6図、第7図に示す連絡管7を
フランジ8を介して取付金具4に固着したもの
を、フランジ8の表面が壁面に露出するようにあ
らかじめ埋込んでおき、前に説明したように裏面
ライニング板6を取り付け、裏面ライニング板6
に連絡管が接続する位置に合せて連絡口9を金切
り鋏等の簡易工具で開け、開口の周辺部を連絡口
用気密溶接10によりフランジ8と気密溶接す
る。しかる後、前に説明したように表面ライニン
グ板3を張り付け前述した様にライニング容器1
を完成させる。
以上に述べた通り漏洩検出最少区域を連絡管7
により気密的に結合することにより拡大した漏洩
検出区域内を自在に液体気体を通過させることが
でき漏洩液をコンクリート壁2の中に埋設した配
管(図示せず)で漏洩検出器に導けるので、前述
した第1、第2の原理の異る漏洩検出方法のいず
れの方法でも漏洩検出が可能である。
さらに連絡管7をあらかじめコンクリート躯体
2に埋込んでおかない場合には第8図に示す全断
面が凹形の連結金具11を第1図E〜E断面位置
に連絡管7に変えて連結金具取付溶接12により
溶接し、なおかつ表面ライニング板3には連結金
具11の凹形溝部が当たる部分に連絡口13を表
面ライニング板相互溶接3aをはさんで1ケ所づ
つ明けておけば連絡管7と同様に拡大された漏洩
検出区域内を自在に液体気体を通過させることが
でき、前述した第1、第2の原理の異る漏洩検出
方法のいずれの方法でも漏洩検出が可能である。
尚第9図は第8図の側面図であり連結金具11の
形状を示すものである。
(発明の効果) 本発明ではコンクリート壁に取付金具を埋設
し、この取付金具を支持部としてこの上に溶接で
裏面ライニング板と表面ライニング板とを取付
け、これら両ライニング板間に漏洩検出装置を接
続して構成されている。
従つて裏面ライニング板と表面ライニング板間
の隙間は極めて小さくすることができるので表面
ライニング板が破損した場合の漏洩量を極少量に
とどめることができる。またこの漏洩は両ライニ
ング板間に限定されて外部にまでおよぶことがな
い。またさらに両ライニング板間の間隙部と接続
された漏洩検知装置によつてこの漏洩を正確に検
知することができる。また本願発明はライニング
板が表面と裏面の2重に構成されているので断熱
性能が高いため結露による疑似漏洩を生じること
がなく漏洩検知の信頼性を高めることができる。
また本願方法によると裏面ライニング板と表面
ライニング板とを同時に溶接することができるの
で作業の効率化をはかることができる結果、建造
工期を大幅に短くすることができる。
(他の実施例) 以上、本発明によるライニング容器とその建造
法について、具体例で説明を行つたが、ここに説
明を行つた具体例に限定されることなく原子力発
電施設および化学プラント等で使用されるライニ
ング容器に対しても本発明の精神を逸脱しないで
幾多の変化変形をなし得ることは勿論である。例
えば第1図A〜A断面を第10図〜第12図に示
すような実施例が考えられる。第10図は漏洩検
出を2重に行うもので表面ライニング板3が破損
し漏洩した場合表面ライニング板3と裏面ライニ
ング板6との隙間からの漏洩検出が可能であると
共に、裏面ライニング板6が破損した場合は取付
金具19に溶接された当板15と裏当金14から
構成された漏洩検出溝16から漏洩検出が可能で
ある。この場合建造法は取付金具4の形状が変形
されている他は、本発明とまつたく同様な建造法
で建造できる。〔関連公報、特開昭53−25916〕第
11図も漏洩検出を2重に行うもので裏面ライニ
ング板6が破損した場合は取付金具17に構成さ
れた凹形溝18から漏洩検出可能である。〔関連
公報、実開昭56−128545〕第12図は裏面ライニ
ング板6a,6b,6cを多重にした実施例で漏
洩に対しての信頼性の向上を計れると共に裏面ラ
イニング板6a,6b,6cに断熱効果が生ずる
ので高温の液体を貯留することができる容器に採
用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す一部を破断し
て示したライニング容器の鳥瞰図、第2a図、第
3a図、第4a図および第5a図はそれぞれ第1
図のA〜A,B〜B,C〜CおよびD〜Dにおけ
る断面図で表面ライニング板溶接直前の溶接開先
状態を示し、第2b図、第3b図、第4b図およ
び第5b図はそれぞれ第1図のA〜A,B〜B,
C〜CおよびD〜Dにおける断面図で、表面ライ
ニング板溶接後の溶接状況を示す。第6図、なら
び第7図は第1図のそれぞれE〜EならびにF〜
Fにおける断面図で、漏洩検出のための連絡管と
ライニング容器の関係を示す構造図、第8図は第
6図の他の実施例を示す断面図、第9図は第8図
の側面図であり連絡金具の形状を示す構造図、第
10図、第11図および第12図は第3b図の他
の実施例を示す断面図、第13図は溶接電流と板
厚との関係図、第14図は溶接電流のパルス状態
図である。 2…コンクリート壁、3…表面ライニング板、
6…裏面ライニング板、7…連結管。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 コンクリート壁と、このコンクリート壁に埋
    設された取付金具と、この取付金具に内張りされ
    る裏面ライニング板と、この裏面ライニング板上
    に配設される表面ライニング板と、この表面ライ
    ニング板相互溶接線にて区画されかつ表面ライニ
    ング板と裏面ライニング板間にて形成される漏洩
    検出区域と、この漏洩検出区域に配管を介して接
    続される漏洩検出装置とを具備してなるライニン
    グ容器。 2 前記裏面ライニング板は板厚1.0mm以下の冷
    間圧延ステンレス鋼板であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のライニング容器。 3 前記漏洩検出装置は複数個の漏洩検出装置を
    連通する連絡管に接続されることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のライニング容器。 4 裏面ライニング板を取付金具に仮設置後、裏
    面ライニング板上に表面ライニング板を配設し、
    その後前記表面ライニング板相互溶接にて前記取
    付金具に表面ライニング板を固定するに際して裏
    面ライニング板を同時に溶着することを特徴とす
    るライニング容器の建造方法。
JP57016419A 1982-02-05 1982-02-05 ライニング容器とその建造法 Granted JPS58134889A (ja)

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