JPS6242585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば、刈取部を駆動昇降自在に設
けたコンバインとか、ロータリ耕耘装置を駆動昇
降自在に設けた乗用型耕耘機等の各種作業車に備
えられるもので、駆動型対地作業装置を駆動昇降
自在に取付けた走行機体にミツシヨンケースを設
け、前記ミツシヨンケースに軸架した変速用伝動
軸に変速用油圧シリンダを付設すると共に、油圧
ポンプからの圧油を前記油圧シリンダにコントロ
ールバルブを介して供給するように構成した作業
車用油圧式パワートランスミツシヨンに関する。

上記作業車では、枕地での車体方向転換に際
し、作業装置を上昇させると共に作業装置の駆動
を停止する必要があるが、それらの操作に加えて
車体方向転換のための操向操作も必要であり、操
作が煩雑化し、作業装置の駆動停止操作を忘れる
こともある。

又、この種作業車では、変速操作がコントロー
ルバルブを用いて極めて軽快迅速に行うことがで
きるために、前進作業中に急速に中立位置に切換
えたり、前進位置から後進位置に急速に変速切換
え操作を行つてしまうことがある。そして、前進
から急に中立に切換えると、走行負荷及び油圧ポ
ンプの負荷が急減することになつて、エンジンが
負荷の急変によつて一瞬回転不調におちいること
があり、又、前進から後進への切換えが急速すぎ
ると、車体進行方向の急変によるシヨツクが生じ
る。

本考案は、上記のような現象に着目してなされ
たものであつて、枕地での車体方向転換時等にお
ける操作の容易化を図るとともに、急速な変速操
作によつてもたらされる不具合を緩和するのに有
効な手段を提供することを目的とするものであ
る。

本考案は、上記目的の達成のために、冒記した
作業車用油圧式パワートランスミツシヨンにおい
て、前記作業装置の駆動を停止操作する油圧アク
チユエータを設けると共に、前記コントロールバ
ルブが中立位置及び後進位置の少なくともいずれ
かに操作された状態において、前記油圧ポンプか
らの圧油が前記油圧アクチユエータに供給されて
前記作業装置の駆動が停止されるように、前記油
圧アクチユエータへの油路を前記コントロールバ
ルブに連通接続してあることを特徴とする。

上記構成によると、例えば油圧コントロールバ
ルブの中立位置で前記油圧アクチユエータが作動
するように設定しておくと、前進走行作業中に作
業装置部にトラブル等が発生して車体を急停止す
る必要が生じ、油圧コントロールバルブを中立位
置に切換えると、車体が停止するとともに作業装
置の駆動が油圧アクチユエータの作動によつて断
たれる。この場合、走行負荷が急減するととも
に、変速用油圧系の負荷を減少するが、作業装置
駆動停止用の油圧アクチユエータに対する油圧系
の負荷が新たに加わるために、油圧ポンプを駆動
しているエンジンの負荷急減が抑制されることに
なる。

又、油圧コントロールバルブの後進位置で前記
油圧アクチユエータが作動するようにしておく
と、枕地でスイツチターンによつて車体の方向転
換を行うような場合、油圧コントロールバルブを
前進位置から後進位置に急速に切換えると、油圧
アクチユエータの作動によつて作業装置の駆動が
断たれるとともに後進状態となるのであるが、後
進変速用の油圧シリンダと作業装置駆動停止用油
圧アクチユエータに同時に圧油が供給されるため
に後進変速用油圧シリンダへの圧油供給に時間遅
れが生じ、前進から後進への切換えに伴うシヨツ
クが緩和される。

尚、油圧コントロールバルブの中立位置および
後進位置で夫々作業装置駆動停止用油圧アクチユ
エータを作動させるようにしておれば、上記両作
動が行われることは言うまでもない。

本考案は、以上のように作用するものであり、
次のような効果が希望できる。

つまり、本考案によれば、車体方向転換を行う
ために油圧コントロールバルブを中立や後進位置
に切換えたときに、作業装置の駆動を油圧アクチ
ユエータへの圧油供給によつて停止するように構
成することによつて、車体方向転換時等における
作業装置停止のための特別な操作を不要にして、
操作性の向上を図ることができると共に、車体停
止時の負荷急減によるエンジン回転不調の抑制
や、前進から後進への急速切換え時のシヨツク緩
和、等にも有効に利用することが容易となつた。

以下、本考案の実施例を例示図に基いて詳述す
る。

圃場の植立茎稈を引起して刈取り、その刈取茎
稈を機体後方に搬送しながら横倒れ姿勢に姿勢変
更してフイードチエーン１に受渡す刈取部２、及
び、刈取茎稈をフイードチエーン１で挾持搬送し
ながら脱穀処理する脱穀装置３を、クローラ走行
装置４を装備すると共に操縦部５を設けた走行車
体に連設し、かつ、刈取部２を油圧シリンダ２ａ
を介して駆動昇降自在に設け、コンバインを構成
してある。

前記走行装置４を駆動するに、エンジン６から
の動力を、副変速用の３段変速自在なギア式変速
機構７、及び、主変速用の前進３段及び後進１段
に変速自在な油圧式パワートランスミツシヨン８
を介し、全体として前進９段及び後進３段に変速
自在に伝達するように構成してあり、次に詳述す
る。

即ち、ミツシヨンケース９に、前記エンジン６
に連動の入力軸１０、走行変速用の第１ないし第
３伝動軸１１，１２，１３、操向クラツチ１４，
１４を付設したクラツチ軸１５、左右走行駆動軸
１６，１６、並びに、刈取部２及び脱穀装置３へ
の伝動用の第４伝動軸１７と出力軸１８夫々を軸
架し、前記入力軸１０と第１伝動軸１１との間に
前記ギア式副変速機構７を設け、他方、第４伝動
軸１７と出力軸１８との間に３段変速自在なギア
式変速機構１９を設けてある。前記第２伝動軸１
２に変速用の第１及び第２油圧クラツチ２０，２
１を、かつ、第３伝動軸１３に第３及び第４油圧
クラツチ２２，２３を夫々付設すると共に、それ
らクラツチ２０，２１，２２，２３夫々の入り操
作によつて一体回転自在に連結される伝動ギア２
４・・を第２及び第３伝動軸１２，１３夫々に遊
嵌し、前記第２及び第３伝動軸１２，１３夫々に
穿設形成した油路（図省略）を通じて、前記第１
ないし第４油圧クラツチ２０，２１，２２，２３
夫々のシリンダ２０ａ，２１ａ，２２ａ，２３ａ
に圧油を供給するように構成してある。

前記油圧シリンダ２０ａ，２１ａ，２２ａ，２
３ａに対する油圧回路を構成するに、第３図に示
すように、ミツシヨンケース９内のギアーオイル
をオイルフイルター２５、油圧ポンプ２６及びロ
ータリ型のコントロールバルブ２７を介して供給
するように構成し、コントロールバルブ２７の切
換操作により、中立状態Ｎ、後進状態Ｒ、及び前
進一速ないし三速状態F₁，F₂，F₃夫々を選択的
に得られるように構成してある。前記コントロー
ルバルブ２７への圧油供給路の途中にアキユムレ
ータ２８を連通接続し、中立状態から前進第１速
状態あるいは後進状態に切換操作する際に急発進
することを防止するように構成してある。又、コ
ントロールバルブ２７への圧油供給路の途中にリ
リーフ弁２９を介装した戻し油路３０を連通接続
すると共に、その戻し油路３０を前記油圧クラツ
チ２０，２１，２２，２３に供給するように構成
し、リリーフされた油をして油圧クラツチ２０，
２１，２２，２３夫々を冷却するように構成して
ある。

図示しないが、前記コントロールバルブ２７及
びアキユムレータ２８が、その長手方向を伝動軸
１１・・と平行にした状態で、かつ、端面を突き
合わせた状態でミツシヨンケース９内に設けら
れ、又、オイルフイルター２５も、その長手方向
を伝動軸１１・・と平行にした状態で設けられ、
かつ、前記オイルフイルター２５、油圧ポンプ２
６、コントロールバルブ２７、アキユムレータ２
８、及び、シリンダ２０ａ，２１ａ，２２ａ，２
３ａ夫々に連通される軸内油路夫々が、ミツシヨ
ンケース９と、それに取付けた油圧プレートとの
合わせ面に形成した油路を通じて連通接続されて
いる。

前記出力軸１８から刈取部２駆動用ベベルケー
ス２ａへのベルト式伝動機構３１に対するテンシ
ヨンクラツチアーム３２に近接させて、それを接
当押圧移動して切り操作可能に油圧アクチユエー
タの一例としての単動式油圧シリンダ３３を設
け、かつ、その油圧シリンダ３３への油路３４を
前記変速用コントロールバルブ２７に連通接続
し、そのコントロールバルブ２７を中立位置及び
後進操作位置夫々にした状態でのみ、コントロー
ルバルブ２７を介して油路３４を油圧ポンプ２６
に連通接続するように構成してあり、走行停止
時、及び、シリンダ２３ａに圧油を供給する後進
走行時のいずれにおいても刈取部２の駆動を自動
的に停止させるように構成してある。

パワートランスミツシヨン８を構成するに、例
えば、伝動軸１２，１３に伝動ギア２４を遊嵌す
ると共に、伝動軸１２，１３内に、それと伝動ギ
ア２４を連結あるいは連結解除するための連結ピ
ンを径方向に出退自在に設け、かつ、その連結ピ
ンを出退操作するためのシリンダを付設するよう
にしても良い。

本考案は、上述のようなコンバインに限らず、
例えば、ロータリ耕耘装置を昇降自在に走行機体
に取付ける乗用型耕耘機等、各種の駆動型対地作
業装置２を駆動昇降自在に取付けた各種作業車の
油圧式パワートランスミツシヨンに適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る作業車用油圧式パワートラ
ンスミツシヨンの実施例を示し、第１図は全体側
面図、第２図はミツシヨンケースの概略縦断面
図、第３図は油圧回路図である。 ２……駆動型対地作業装置、９……ミツシヨン
ケース、１２，１３……変速用伝動軸、２０ａ，
２３ａ……変速用油圧シリンダ、２６……油圧ポ
ンプ、２７……コントロールバルブ、３３……油
圧アクチユエータ、３４……油路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動型対地作業装置２を駆動昇降自在に取付け
   た走行機体にミツシヨンケース９を設け、前記ミ
   ツシヨンケース９に軸架した変速用伝動軸１２，
   １３に変速用油圧シリンダ２０ａ……２３ａを付
   設すると共に、油圧ポンプ２６からの圧油を前記
   油圧シリンダ２０ａ……２３ａにコントロールバ
   ルブ２７を介して供給するように構成した作業車
   用油圧式パワートランスミツシヨンであつて、前
   記作業装置２の駆動を停止操作する油圧アクチユ
   エータ３３を設けると共に、前記コントロールバ
   ルブ２７が中立位置および後進位置の少なくとも
   いずれかに操作された状態において、前記油圧ポ
   ンプ２６からの圧油が前記油圧アクチユエータ３
   ３に供給されて前記作業装置２の駆動が停止され
   るように、前記油圧アクチユエータ３３への油路
   ３４を前記コントロールバルブ２７に連通接続し
   てある作業用油圧式パワートランスミツシヨン。