JPS6238924Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はケーシングの上端に上蓋を開閉可能に
枢着する蓋開閉装置に関するものである。

ケーシングの上端面に対して上蓋を90度の角度
で開いた状態に開動できるようにした蓋開閉装置
において上蓋を開く方向に付勢するコイルばねに
よつて上蓋が開かれるとき、そのはずみで90度の
角度で止まらず90度以上の角度迄開動することが
ある。

本考案は斯かる問題に対処すべく為されたもの
であつて、コイルばねによる開方向の付勢力を上
蓋に伝えるべく装置本体に枢着したカム状回転体
に90度の開き位置において水平面を形成してその
水平面でコイルばねからの付勢力を受けるように
し、90度以上の角度に上蓋が開かないようにした
ものである。以下本考案を実施の一例を示す図面
に基づいて説明する。図において１はケーシング
２の後壁上端部にビス等で取り付けられる装置本
体、３はこの装置本体１の上端に水平方向の軸４
を以つて枢支される一方の蓋支持板で、この蓋支
持板３には他方の蓋支持板５がスポツト溶接にて
固着されている。前記装置本体１は中央の板部６
と、この板部６の両側に折曲連設される側板部
７，７と、この側板部７，７の前端部に外方に折
曲連設され、前記ケーシング２の後壁に接当しビ
ス挿通孔８ａ，８ａを有する板部８，８と、前記
側板部７，７の下端に折曲連設される受片９，９
とから成り、側板部７，７の上端は中央の板部６
から上方に突出してその突出部１０，１０に前記
軸４の挿通孔１０ａ，１０ａが形成されている。
又前記一方の蓋支持板３は下端部両側に前記突出
部１０，１０の内側に位置する板部１１，１１が
折曲連設され、この板部１１，１１にも前記軸４
の挿通孔１１ａ，１１ａが形成されている。又前
記他方の蓋支持板５は上端５ａが前記一方の蓋支
持板３の上端３ａとの間に上蓋１２を滑り止め板
１３を介して挾持し得る程度の間隙を有するよう
に折曲形成されて下端５ｂが一方の蓋支持板３の
下端３ｂにスポツト溶接されている。ところで前
記一方の蓋支持板３の板部１１，１１間には前記
挿通孔１０ａ，１０ａ，１１ａ，１１ａと連通し
前記軸４が挿通される挿通孔１４ａを有する合成
樹脂製のカム状回転体１４が位置されている。こ
のカム状回転体１４は両端に前記板部１１，１１
の前端部に接当する突部１５，１５を一体に有
し、前端部には前記挿通孔１４ａの中心を中心と
して下面に向つて徐々に小径となる言い換えれば
下面から上方に向つて徐々に大径となる円弧状カ
ム面１６を有し、又下面にはこのカム面１６につ
ながる水平面１７を有し、更に該カム状回転体１
４の後端面は前記他方の蓋支持板５の下端５ｂに
接当し得るように形成すると共に該後端面にはそ
の横長さ方向に長溝１８を形成して、前記他方の
蓋支持板５の下端５ｂに形成した突部５ｃと係合
し得るようにし、又前記後端面近傍の上端には前
記他方の蓋支持板５の上端５ａ下部と係合する段
部１９を形成してある。ところで前記装置本体１
内にはこれに取り付けられる両蓋支持板３，５及
びカム状回転体１４の下方において下端より前記
受片９，９上に載るねじ孔２０付き底板２１、こ
の底板２１上に位置する下側のばね受板２２、こ
のばね受板２２に下端が係合して上下方向に貫通
する２本のばね挿通孔２３，２３を有するばね保
持体２４、前記ばね挿通孔２３，２３に上端が突
出するように挿通される２本のコイルばね２５，
２５、この２本のコイルばね２５，２５の上端と
前記カム状回転体１４との間に介在される上側の
ばね受板２６とが設けられ、前記底板２１のねじ
孔２０には前記下側のばね受板２２を上方に押圧
してばね力を調整する調節ねじ２７が螺合され
る。

従つて前記他方の蓋支持板５は下端５ｂが一方
の蓋支持板３の下端３ｂにスポツト溶接されると
共に、第４図に示すように前記カム状回転体１４
の後端面によつて一方の蓋支持板３の下端３ｂ側
に押され、且つ前記段部１９がこの他方の蓋支持
板５の上端５ａ下部と係合することにより一方の
蓋支持板３側に押され、更に前記長溝１８に突部
５ｃが係合することによつて、一方の蓋支持板３
に対して確実に支持されるものである。この両蓋
支持板３，５間には上蓋１２の基端部が滑り止め
板１３を介して挿入されてビス２８により固定さ
れ、第１図及び第５図に示すように上蓋１２がケ
ーシング２の上端に開閉可能に設けられる。

次に上記構成の蓋開閉装置による上蓋開閉動作
について説明する。上蓋１２はケーシング２の上
端面に対して90度迄の範囲で開き角度が大きい程
前記両蓋支持板３，５及びカム状回転体１４を介
してコイルばね２５，２５にかかる荷重は小さ
く、逆に開き角度が小さくなる程コイルばね２
５，２５にかかる荷重は大きくなり、上蓋１２の
重量をコイルばね２５，２５で支えきれなくな
る。従つて上蓋１２の閉動時急激に閉じないよう
に前記カム状回転体１４に前記カム面１６を形成
して上蓋１２の回転に抵抗を掛けている。又上蓋
１２の開動時、上蓋１２に開く方向に手で力を与
えると上蓋１２は前記コイルばね２５，２５の反
撥力で自動的に開こうとし、前記カム状回転体１
４には水平面１７を形成してあるため、この部分
に前記上側のばね受板２６が面接触して上蓋１２
は90度開いた状態で止まり、それ以上の開動は防
止される。

本考案蓋開閉装置は以上述べたように実施し得
るものであり、最大限90度の開き角度で上蓋を止
めるようにしたものにおいて、カム状回転体に90
度の開き位置において水平面を形成してあり、そ
の水平面でコイルばねからの付勢力を受けるよう
にしてあるため、コイルばねの付勢力によつて上
蓋が開かれるとき90度の角度で確実に止まること
ができ、ばね付勢力による上蓋のはずみにより90
度以上開動することがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示すもので、第１
図は蓋開閉装置の使用状態を示す概略側面図、第
２図は蓋開閉装置の斜視図、第３図は同分解斜視
図、第４図は２枚の蓋支持板とカム状回転体との
関係を示す側面図、第５図Ａ及びＢは閉蓋状態及
び開蓋状態における一部切欠側面図である。 １……装置本体、２……ケーシング、３……一
方の蓋支持板、４……軸、５……他方の蓋支持
板、１２……上蓋、１４……カム状回転体、１６
……カム面、１７……水平面、２２……ばね受
板、２５……コイルばね、２６……ばね受板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシングの上端部に取り付けられる装置本体
   と、この装置本体の上端部に枢支され装置本体内
   に設けたコイルばねの開動付勢力を受けて上蓋に
   伝えるカム状回転体とから成り、このカム状回転
   体には前記コイルばねの上端に位置するばね受板
   に接当するカム面とこのカム面につながり上蓋が
   90度開いた状態において前記ばね受板に面接触す
   る水平面を形成してなることを特徴とする蓋開閉
   装置。