JPS6231659B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は主として車両の床部に配置される形式
の歯車変速機の変速操作機構に関するものであ
る。

［従来の技術］ 実公昭42−5211号公報に開示される変速操作機
構では、変速レバーから側方に延びる水平軸とベ
ルクランクの端部とが単に球関節で連結されるだ
けであるので、変速レバーの左右の傾動に対して
水平軸が側方へ傾けられると、水平軸の端部は円
弧状の軌跡を描くから、ベルクランクにこれを捩
るような力が作用して円滑な動作を妨げる。ま
た、水平軸の取付位置が変速レバーの球面軸受の
中心からずれていると、変速レバーの前後の傾動
に対して水平軸の端部が前後・上下に僅かながら
移動し、ベルクランクに非常に無理な動作が生じ
る。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明の目的は、水平軸とベルクランクとの連
結部に無理な動作がなく、水平軸の変速レバーに
対する取付位置の誤差が許容される歯車変速機の
変速操作機構を提供することにある。

［問題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明の構成はブ
ラケツトに傾動可能に支持される変速レバーの球
面軸受部から側方へ延びる水平軸の先端に球関節
を介して摺動ブロツクを連結し、前記ブラケツト
の側壁に回動可能に支持したベルクランクの端部
に設けた前後方向に延びる案内枠に前記摺動ブロ
ツクを摺動可能に係合したものである。

［作用］ 変速レバー６の左右の傾動に対して水平軸８の
端部は円弧状の軌跡を描くが、これに対して摺動
ブロツク９は案内枠１０の内部でベルクランク１
９の支軸２２と平行に移動するから、ベルクラン
ク１９の腕にこれを捩るような無理な力が作用せ
ず、円滑な動作が得られる。

また、変速レバー６に対する水平軸８の取付位
置が球面軸受３１の中心からずれていると、変速
レバー６の前後の傾動に対して水平軸８の端部が
前後方向に移動するが、この場合、摺動ブロツク
９が案内枠１０の内部で前後方向に摺動するの
で、水平軸８がベルクランク１９の及ぼす回転変
位はごく僅かなもので、変速動作に影響しない。

［発明の実施例］ 第１図に示すように、本発明による変速操作機
構は４個のボルト挿通穴１７へ挿通したボルトを
もつて車体側に固定される基板２０と、これに溶
接などにより結合される断面逆Ｕ字形に折り曲げ
た板からなるブラケツト７と、このブラケツト７
の上面に球面軸受をもつて前後・左右に傾動可能
に支持される変速レバー６と、ブラケツト７の側
壁２に軸支持したベルクランク１９とからなつて
いる。

ブラケツト７の両側壁２には軽量化のために開
口２ａが設けられる。ブラケツト７の上壁２７に
は、後述するように球面座が設けられ、該球面座
に変速レバー６に結合した半球部が係合され、上
側から押え板４を上壁２７に固定して支持され
る。変速レバー６に半球部から側方へ延びる水平
軸８が結合され、この端部に球関節を介して摺動
ブロツク９が連結される。つまり、水平軸８の先
端球部に低摩擦材料からなる摺動ブロツク９が係
合され、この摺動ブロツク９が前後方向に細長い
案内枠１０に摺動可能に係合される。

この案内枠１０はベルクランク１９の一端部に
固定支持される。ベルクランク１９の中間部分は
ブラケツト７の側壁２に軸２２をもつて回動可能
に支持され、一方の腕がブラケツト７の上壁２７
とほぼ平行に水平に延び、他方の腕が下方へ延び
ている。そして、下方へ延びる腕にピン１８によ
り第１の遠隔操作ケーブル（詳しくはインナケー
ブル）１６が結合される。この遠隔操作ケーブル
１６は基板２０の板面から上方へ突出する壁部１
２に係止部材１５で係止されたアウタケーブル１
６ａを貫通し、図示してない歯車変速機に配置さ
れる公知のコントロールロツドと連結される。

変速レバー６の半球部から下方へ突出された下
端部２１に、ピン３０により第２の遠隔操作ケー
ブル１４（詳しくはインナケーブル）が結合され
る。この遠隔操作ケーブル１４は壁部１２に係止
部材１３で係止されたアウタケーブル１４ａを貫
通し、前述したコントロールロツドに連結され
る。

第２図に示すように、ブラケツト７の天壁２７
に開口３６が設けられ、これを取り囲むように天
壁２７の下面に半球状の球面座３２が結合され、
この内部に半球体３１が摺動可能に係合される。
そして、半球体３１の中心に嵌合したスリーブ３
７に変速レバー６が挿通され、この変速レバー６
と半球体３１とを横切る水平軸８により両者が結
合される。天壁２７の上面には押え板４によりカ
バー５が支持され、このカバー５と半球体３１と
の間に変速レバー６を取り囲むばね３３が介装さ
れ、これにより半球体３１が球面座３２に付勢係
合される。

水平軸８はブラケツト７の側壁２に設けた開口
３５を経て外方へ突出される。水平軸８の先端球
部３４に、球状空部をもつ摺動ブロツク９が摺接
可能に結合される。摺動ブロツク９がベルクラン
ク１９に結合した案内枠１０に沿つて摺動可能に
支持されるのは前述したとおりである。

次に、本発明による変速操作機構の作動につい
て説明する。まず、歯車変速機のセレクト操作は
第１図に示す中立位置から、矢印ｘ方向に操作す
ることにより達せられる。例えば、変速レバー６
を左方へ倒すと、水平軸８の先端が押し上げら
れ、ベルクランク１９が支軸２２を中心として反
時計方向へ回動され、ケーブル１６が右方（後
方）へ押し戻され、歯車変速機に配置されたコン
トロールロツドを作動する。

逆に、変速レバー６を左右へ倒すと、ベルクラ
ンク１９は支軸２２を中心として時計方向に回動
され、ケーブル１６が左方（前方）へ引張られ
る。

次いで、所定の変速段にシフトする場合には、
変速レバー６を矢印ｙ方向、例えば前方（左方）
へ倒すと、変速レバー６の下端部２１が後方（右
方）へ移動し、ケーブル１４が押し戻され、歯車
変速機に配置されたコントロールロツドを作動
し、所定の変速段へ歯車を噛み合わせる。この
時、水平軸８が半球体３１の中心に配置されてい
るので、変速レバー６の矢印ｙ方向の操作に対し
て、水平軸８はこの軸線に関して回動し、先端球
部３４が案内枠１０との係合部で摺接する。水平
軸８の取付位置が半球体３１の曲率中心からずれ
ていても、摺動ブロツク９は案内枠１０に対して
前後に僅かに摺動するだけで、ベルクランク１９
は殆んど回動しない。

逆に、変速レバー６を後方（右方）へ倒すと下
端部２１は前方へ移動し、ケーブル１４が引張ら
れる。

なお、上記実施例において、変速レバー６の端
部２１により歯車変速機のセレクト操作を、また
ベルクランク１９によりシフト操作をそれぞれ行
うこともできるのは言うまでない。

［発明の効果］ 本発明は上述のように、ブラケツトに傾動可能
に支持される変速レバーの球面軸受部から側方へ
延びる水平軸の先端に球関節を介して摺動ブロツ
クを連結し、前記ブラケツトの側壁に回動可能に
支持したベルクランクの端部に設けた前後方向に
延びる案内枠に前記摺動ブロツクを摺動可能に係
合したから、変速レバーの左右の傾動に対しては
水平軸の円弧状の運動に対応して摺動ブロツクが
ベルクランクの案内枠の溝の長手方向と直角な方
向に摺動し、したがつて、ベルクランクにこれを
捩るような無理な力が作用せず、円滑な動作が得
られる。また、水平軸の取付位置が変速レバーの
球面軸受の中心からずれていても、変速レバーの
前後方向の傾動に対して水平軸の端部に連結する
摺動ブロツクが案内枠の溝の長手方向に摺動する
から、動作に無理がなく、ベルクランクに及ぼす
回転動作はごく僅かなものとなり、これにより製
作誤差が吸収される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る歯車変速機の変速操作機
構についての斜視図、第２図は同正面断面図であ
る。 ２：側壁、６：変速レバー、７：ブラケツト、
８：水平軸、９：摺動ブロツク、１０：案内枠、
１４，１６：遠隔操作ケーブル、１９：ベルクラ
ンク、２０：基板、２１：下端部、３１：半球
体、３２：球面座、３４：球部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ブラケツトに傾動可能に支持される変速レバ
   ーの球面軸受部から側方へ延びる水平軸の先端に
   球関節を介して摺動ブロツクを連結し、前記ブラ
   ケツトの側壁に回動可能に支持したベルクランク
   の端部に設けた前後方向に延びる案内枠に前記摺
   動ブロツクを摺動可能に係合したことを特徴とす
   る歯車変速機の変速操作機構。