JPS6223351Y2 - - Google Patents

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JPS6223351Y2
JPS6223351Y2 JP1982004956U JP495682U JPS6223351Y2 JP S6223351 Y2 JPS6223351 Y2 JP S6223351Y2 JP 1982004956 U JP1982004956 U JP 1982004956U JP 495682 U JP495682 U JP 495682U JP S6223351 Y2 JPS6223351 Y2 JP S6223351Y2
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oil
clutch
pump
chamber
engine
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、四サイクルエンジンを備えた自動二
輪車用スイング式パワーユニツトにおける潤滑オ
イル取扱い構造に関するものである。
二サイクルエンジンを搭載した自動二輪車にお
いては、リヤフオークを省略し、パワーユニツト
自体にリヤフオークを支持せしめる、いわゆるス
イング式パワーユニツトが既に知られている。
しかしながら、四サイクルエンジンにおいて
は、通常、潤滑用オイルポンプが使用されてお
り、オイルパン配設上の問題もあつて、斯かるタ
イプのパワーユニツトは、未だ知られていない。
また、一般にクラツチないしトランスミツシヨ
ンへの給油方式として、オイルバスによる“はね
かけ方式”と、オイルポンプ等による“強制給油
方式”とがあり、“はねかけ方式”においては、
潤滑部分への給油をオイルの撹拌によつて行うた
め、オイル撹拌に伴う動力損失が生ずる。この動
力損失を少なくするために、クラツチないしトラ
ンスミツシヨンのオイル浸漬深さを浅くすると、
潤滑効果が低下する。したがつて、走行姿勢等に
よるオイル面の変動とも相俟つて、オイル水準を
適正に設定することは困難である。
本考案は、斯かる事情に鑑みて、四サイクルエ
ンジン搭載車において、強制給油方式によるスイ
ング式パワーユニツトを採用したもので、その目
的とする処は、車輌構造の単純化、軽量化を計
り、潤滑オイルの撹拌に伴う動力損失を低減化せ
しめ、さらに、トランスミツシヨンケース内諸部
材を適正配置する点にある。
以下、本考案の一実施例について説明する。
スクータ型自動二輪車1において、一気筒直立
型空冷四サイクルエンジン11と、トランスミツ
シヨンケース12とが一体的に構成されたパワー
ユニツト10が、その前部位置において、車体フ
レーム2に付設されたハンガーブラケツト3先端
部で、リンク4を介して揺動自在に支持され、か
つその後部上方位置において、リヤクツシヨン5
を介して前記車体フレーム2に支持されている
(第1図、第2図参照)。
この自動二輪車1では、パワーユニツト10自
体に車輪が支持されており、パワーユニツト10
におけるトランスミツシヨンケース12の後部に
配設されたリヤホイール駆動軸65に、リヤホイ
ール100が、枢着されている(第3図、第4
図、第6図、第7図参照)。
しかも、トランスミツシヨンケース12は、そ
の平面投影形状が、略ぼL字状をなし、エンジン
中心とタイヤ中心とが一致するように配位されて
いる(第4図、第6図参照)。
しかして、トランスミツシヨンケース12は、
クランク室とトランスミツシヨン室とが連通状態
になされ、その前方幅広部には、クランク軸60
が回転自在に枢支され、同クランク軸60と同一
平面水準Hにおいて、トランスミツシヨンケース
12の後方側へ、順次アイドル軸61、キツク軸
62、主軸63、リヤホイール駆動軸65が配設
されており、さらに、同一平面水準Hよりも若干
下方に偏位して、前記主軸63とリヤホイール駆
動軸65との間に、中間軸64が配設されている
(第5図、第6図 前記クランク軸60の一端部には、A.C.ジエ
ネレーター20のローター21、および同ロータ
ー21と一体のエンジン冷却用フアン19が枢着
され、同部は空気吸入口18を有するシユラウド
17で覆われている。
また、クランク軸60の他端部には、自動遠心
式発進クラツチ22が配設されており、同クラツ
チ22は、クランク軸60にスプライン噛合され
たカラー23と一体の第一回転板24と、同回転
板24に付設された第一ウエイト25と、後記ド
ライブスプロケツト35にスプライン噛合された
カラー27aと一体の第二回転板27と、同回転
板27に回転自在に枢支された複数個のプラネタ
リーギヤ28および第二ウエイト29と、一方向
クラツチ機構31(トランスミツシヨンケース1
2に付設された爪32を含む)を備えたサンギヤ
30と、前記第一、第二ウエイト25,29の外
周を包囲するように配設され、かつ前記プラネタ
リーギヤ28と噛合するリングギヤ33と、前記
第一回転板24に付設され、かつクランク軸60
の枢支部に配設されたラチエツトギヤ34と共
に、一方向クラツチ機構を構成する爪26とを備
えている。
さらに、クランク軸60上には、前記発進クラ
ツチ22に隣接するドライブスプロケツト35、
セルモータ・ドリブンギヤ36、オイルポンプ・
ドライブスプロケツト37が配設されている。
一方、主軸63には、自動遠心式高速クラツチ
41(湿式多板型)、トツプギヤ48、ドリブン
スプロケツト39、1,2速ギヤ40が配設、な
いし一体的に形成されている(第6図参照)。
前記クラツチ41は、主軸63にスプライン噛
合されたクラツチセンター42と、主軸63に枢
着されたトツプ・ドライブプレート44と、同ド
ライブプレート44に揺動自在に枢支されたドラ
イブ・ウエイト45と、前記トツプギヤ48の伸
長部においてスプライン噛合されたクラツチアウ
ター46と、前記クラツチセンター42およびク
ラツチアウター46に各々係合するクラツチデイ
スク43、クラツチプレート47を備えている
(第7図参照)。
また、前記主軸63に隣接する中間軸64に
は、1,2速ギヤ49(一方向クラツチ付き)、
トツプギヤ51、ギヤ50が配設、ないし一体的
に形成されている。
そして、リヤホイール駆動軸65には、フアイ
ナルドリブンギヤ52が配設され、軸端部にリヤ
ホイール100が枢着されている。
他方、キツク軸62には扇形ギヤ53が、アイ
ドル軸61にはアイドルギヤ54が一体に設けら
れ、キツク軸62の回転力は、前記各ギヤ53,
54を介して、前記ラチエツトギヤ34へ伝達さ
れるようになつている。
しかして、トランスミツシヨンケース12の後
部であつて、同ケース12を構成する左、右トラ
ンスミツシヨンケース12L,12Rの合せ面位
置において、右ケース12Rにホルダーブラケツ
ト15(第10図ないし第13図参照)が螺着さ
れ(第5図、第7図参照)、同ブラケツト15お
よび右ケース12Rに亘つて、前記中間軸64お
よびリヤホイール駆動軸65が枢支され、開口1
5A部には主軸63が貫通配設されている。
前記ホルダーブラケツト15の壁部には、車体
前方側、および下方側へ突出する伸長部16Aが
形成され、ホルダーブラケツト15基体壁部から
前記伸長部16Aに亘つて、左ケース12L側へ
突設されたリブ16B(同リブ16Bの大部分
は、開口15Aを中心とする円周上にある)と共
に右隔壁16を構成している。
この右隔壁16のリブ16Bは、左ケース12
Lに同様な輪郭形状をなして突出形成された左隔
壁13(第8図、第9図参照)の先端部と、ゴム
パツキングを介して密着せられ、両隔壁13,1
6は、クラツチ41の下部を包囲して、クラツチ
室を画成している。
なお、両隔壁13,16は、車体前後方向中央
部にオイル溜りを有し、前部よりも後部がせり上
つた形状の断面椀型部片である。
さらに、トランスミツシヨンケース12の前方
所定位置に、セルモータ55が配設され(第4
図、第5図参照)、クランク室12A、およびミ
ツシヨン室12Bを区画する区画壁12Cの下部
には、二連式のトロコイド・ポンプ70が配設さ
れている(第14図参照)。
このトロコイド・ポンプ70は、ポンプボデイ
72、カバー73がピン80によつて相互に位置
決めされて、前記両部材72,73、およびプレ
ート74が、螺子79により一体的に結合され、
ポンプボデイ72の第一ロータ室72bに、第一
アウタ・ロータ76および第一インナ・ロータ7
5が配設され、カバー73の第二ロータ室73b
に第二アウタ・ロータ78および第二インナ・ロ
ータ77が配設され、しかも、前記各インナ・ロ
ータ75および77は、ポンプボデイ72および
カバー73の各軸孔72A,73A内に回転自在
に嵌挿された駆動軸71に対して相互回転不能に
軸装されている(第14図ないし第18図参
照)。この駆動軸71には、オイルポンプ・ドリ
ブンスプロケツト81が枢着され、同スプロケツ
ト81と前記オイルポンプ・ドライブスプロケツ
ト37とに亘つて、チエーン82が架渡されてい
る。
なお、前記ポンプボデイ72には、吸入路72
a、吐出路72c、第二吐出口72dが形成さ
れ、カバー73には、第2吸入口73aが形成さ
れ、そして、プレート74には、第一吸入口74
a、第一吐出口74bが形成されている(第19
図ないし第28図参照)。
かくして、ポンプボデイ72、プレート74、
第一インナ・ロータ75、第一アウタ・ロータ7
6側は、エンジンおよびトランスミツシヨン潤滑
用オイルポンプ(第一のオイルポンプ)を構成
し、カバー73、ポンプボデイ72、第二イン
ナ・ロータ77、第二アウタ・ロータ78側は、
クラツチ室内オイル掻き出し用オイルポンプ(第
二のオイルポンプ)を構成している。
なお、前記各ロータ75,76,77,78の
一形状例を第29図ないし第36図に示す。
さらに、前記第一吐出口74bには、給油管路
P1,P2が連結され、第二吸入口73aには、
前記左右隔壁13,16で画成されるオイル溜り
部に配設された吸込口Dを有する吸出管路P3が
連結されている。
そして、前記第一吸出口74aは、オイルスク
リーン92を備えたオイルストレーナ90に接続
され、同ストレーナ90には、クランク室12A
とミツシヨン室12Bとを連通する導孔91が設
けられている。
なお、左、右トランスミツシヨンケース12
L,12Rの底壁最深部には、各々オイル吸入用
区画壁14L,14R(第5図、第8図参照)が
延設されており、同部はオイル溜りを画成すると
ともに、その画成部空間は前記導孔91と連通状
態になされている。
斯様に、トランスミツシヨンケース12の底部
は、オイルパンとして使用され、標準オイル水準
Lまで潤滑オイルが貯溜されている(第5図参
照)。
第1図ないし第36図に示した実施例は、前記
のように構成されており、エンジン11の始動
は、セルモータ55、あるいはキツクペダル62
aの操作によつて行うが、キツクペダル62aに
よる始動を行う場合には、キツク軸62の回転力
が、同キツク軸62上の扇形ギヤ53、アイドル
軸61上のアイドルギヤ54を介してラチエツト
ギヤ34に伝達され、さらに、同ギヤ34と共に
ラチエツト機構を構成する爪26、同爪26を支
持する第一回転板24、同回転板24と一体のカ
ラー23を介して、クランク軸60へ伝達される
(第6図参照)。
かくして、始動されたとしても、クランク軸6
0が一定回転速度以下にある場合には、自動遠心
式発進クラツチ22が、切断状態にあるため、リ
ヤホイール100側へ、エンジン11の駆動力は
伝達されない。
しかるに、エンジンの回転速度を、ある値まで
大きくすると、クランク軸60と共に回転する第
一回転板24に付設された第一ウエイト25が遠
心力によつて外方へ揺動され、リングギヤ33の
内壁面に当接せしめられる。
したがつて、第一ウエイト25とリングギヤ3
3とは、一体となつて回転し、リングギヤ33の
回転によつて、同ギヤ33と噛合する複数個のプ
ラネタリーギヤ28が回転する。
この回転とは、自転、およびサンギヤ30囲り
の公転、両者を意味しており、サンギヤ30にお
いては、プラネタリーギヤ28の自転に対応する
方向の回転が、トランスミツシヨンケース12に
突設された爪32を含む一方向クラツチ機構31
によつて規制されているため、停止状態にある。
そして、プラネタリーギヤ28の公転に伴つ
て、同ギヤ28を支持する第二回転板27が回転
され、同回転板27と一体のカラー27aによつ
て、ドライブスプロケツト35が回転せられる
(1速)。
さらに、エンジンの回転を上げて、所定値に達
すると、第二回転板27に支持された第二ウエイ
ト29が外方へ揺動され、リングギヤ33の内壁
面に当接する。
この状態では、リングギヤ33とプラネタリー
ギヤ28とは、一体化されているため、プラネタ
リーギヤ28は最早自転することはなく、公転だ
けが行われる。
ところが、サンギヤ30は、前記公転方向に自
由に回転し得るため、今や、各ギヤ33,28,
30は一体状態で回転され、そのトルクがドライ
ブスプロケツト35へ伝達される(2速)。
かくして、二段階(1,2速)の減速比で減速
されたクランク軸60の回転は、ドライブスプロ
ケツト35、プライマリ・チエーン38を介し
て、ドリブンスプロケツト39に伝達され、主軸
63の回転に伴つて、所定回転速度以下におい
て、1,2速ギヤ40,49を介して、中間軸6
4が回転され、さらに、ギヤ50、フアイナルド
リブンギヤ52を介してリヤホイール駆動軸65
が回転される(1,2速)。
以上、1,2速トルクの伝達について説明した
が、エンジンの回転を、さらに上げて所定値を越
えると、切断状態にあつたクラツチ41におい
て、主軸63と一体に回転するトツプ・ドライブ
プレート44に付設された複数個のドライブ・ウ
エイト45が遠心力によつて揺動され、その結
果、クラツチデイスク43、およびクラツチプレ
ート47が相互に押圧接触せしめられる。
したがつて、主軸63と一体に回転するクラツ
チセンター42の回転は、クラツチデイスク4
3、クラツチプレート47を介してクラツチアウ
ター46へ伝達され、同クラツチアウター46と
スプライン噛合されているトツプギヤ48へ伝達
される。この回転は、トツプギヤ48を介して、
中間軸64と一体のトツプギヤ51へ伝達され、
ギヤ50、フアイナルドリブンギヤ52を介し
て、リヤホイール駆動軸65が回転せしめられ
る。
なお、前記のようにクラツチ41が接続された
状態では、1,2速トルク伝達による中間軸64
の回転に比して、同中間軸64が高速回転せられ
るが、1,2速ギヤ49は、一方向クラツチを介
して中間軸64に軸装されているため、1,2速
トルクは伝達されない。
一方、トランク軸60の回転に伴つて、オイル
ポンプ・ドライブスプロケツト37、チエーン8
2、オインポンプ・ドリブンスプロケツト81が
回転され、トロコイド・ポンプ70が動作され
る。
このトロコイド・ポンプ70は、前記のように
二連式であり、ポンプボデイ72側の給油用ポン
プ(第一のポンプ)においては、クランク室12
A、およびミツシヨン室12B内下部に貯溜され
ている潤滑オイルが、オイルストレーナ90よ
り、第一吸入口74aへ吸入され、第一吐出口7
4bから給油管路P1,P2を経て、シリンダー
ヘツド部ないし各軸部へ圧送される。
就中、給油管路P2による給油は、右ケース1
2R側の主軸63軸受部へ行われ、この圧送オイ
ルはオイルパスプレートを経由して、主軸63の
軸心部に形成されたオイル通路内へ送給される。
したがつて、前記潤滑オイルは、トツプ・ドラ
イブプレート44のボス部に形成された開口よ
り、外部へ送出され、クラツチ41の回転による
遠心力で、クラツチデイスク43のライニング部
へ到達して、潤滑、および冷却が行われる。さら
に、このオイルは、クラツチアウター46の開口
部側より遠心力により、放散され、左右隔壁1
3,16の内壁を伝つて、そのオイル溜りに貯溜
される。
しかるに、このオイル溜りには、吸出管路P3
の吸込口Dが配設されており、オイル溜り内のオ
イルは、前記管路P3を経由して、トロコイド・
ポンプ70における第二吸入口73aより、カバ
ー73側のオイル掻き出しポンプ(第二のポン
プ)に吸入され、オイル水準Lより上方に位置す
る第二吐出口72dからトランスミツシヨンケー
ス12下部のオイルパン部に放出される。
ところで、前記オイル掻き出しポンプによる潤
滑オイル掻き出し能力は、主軸63内のオイル通
路から前記クラツチ室(左右隔壁13,16で囲
繞される部分)内への給油能力よりも大きく設定
されているため、同クラツチ室内の潤滑オイル
は、常に排除されている。
また、左右隔壁13,16は、車輌走行に伴う
加減速時、および坂道走行時におけるオイルパン
内の潤滑オイルの油面変化(第5図において、
L1は登坂時オイル水準、L2は降坂時オイル水準
を示す)に対して、前記クラツチ室内に前記オイ
ルが侵入しないような高さに形成されているた
め、前記オイル掻き出しポンプによる潤滑オイル
掻き出し作用と相俟つて、クラツチ41による潤
滑オイルの撹拌、およびそれにともなうエンジン
の動力損失が効果的に防止される。
もしも、前記クラツチ室が形成されておらず、
クラツチ41が、オイルパン内の潤滑オイルに浸
漬された状態にあるならば、いわゆる車輌取り回
し時に、クラツチデイスク43側とクラツチプレ
ート47側との間に回転速度差が生じると、両者
が油膜を切る時のせん断抵抗で取り回し荷重が重
くなる。この傾向は、前記クラツチ41とリヤホ
イール駆動軸65間の減速比が大きい程、また低
温で潤滑オイル粘度が高い場合に助長される。
これに対して、本実施例においては、前記クラ
ツチ41が潤滑オイル内に浸漬されないため、前
記取り回し荷重が軽く、また、エンジン停止後も
前記クラツチ室内に潤滑オイルが侵入することは
ないので、再始動後の取り回し時においても、潤
滑オイルによる低温引きずりは無く、取り回し性
が良好である。
また一般に、湿式多板クラツチにおいては、回
転差のある駆動側と被駆動側が一体に回転しよう
とする時の摩擦面(クラツチデイスクおよびクラ
ツチプレートの相互接触面)に対する給油量が、
変速特性に大きな影響を与える。
しかるに、本実施例においては、前記クラツチ
室内への給油は、主軸63内のオイル通路から行
われるだけであるから、給油量が安定しており、
クラツチの変速点は略ぼ設計通りのものとなる。
さらに、本実施例においては、以下の利点があ
る。
オイルストレーナ90は、トロコイド・ポン
プ70の近接直下位置にあつて、区画壁12C
部におけるクランク室12Aとミツシヨン室1
2Bの連通路に配設されているので、前記各室
12A,12B内に夫々オイルストレーナを設
置する必要が無く、オイル吸入効率も良い。
クランク室12Aとミツシヨン室12Bを区
画する区画壁12Cは、両室12A,12B間
の潤滑オイルの移動を最小限に抑えるオイルセ
パレーターとしての機能を有し、潤滑オイル水
準の安定化を計り得る。
エンジン中心とタイヤ中心を一致させたスイ
ング式パワーユニツト10を採用することによ
り、区画壁12Cと動力伝達機構中心との間に
無駄空間が生じており、同部にオイルポンプ
(トロコイド・ポンプ70)を配設することに
よつて、スペースの有効利用を計り得る。
前記各管路P1〜P3として、パイプを使用
することによつて、トランスミツシヨンケース
壁自体を利用した給油管路を形成する場合に比
して、軽量化され、オイル通路の設定が容易に
なる。
以上の実施例の説明から明らかな様に、本考案
によれば、パワーユニツトをスイング式にするこ
とによつて、車輌構造が単純化され、エンジンお
よびトランスミツシヨン潤滑用オイルポンプを、
クランク軸下方において、エンジン中心と動力伝
達機構中心との間に配設して、無駄空間の有効利
用を計り、前記オイルポンプの吸入口をクランク
室とトランスミツシヨン室の連通路に開口するこ
とによつて、吸入効率の向上、およびポンプ動作
の安定化が達成され、さらに、前記ポンプに並設
して、クラツチ室内オイル掻き出し用オイルポン
プを設け、クラツチ室を画成する隔壁内のオイル
を排除することにより、オイル撹拌による動力損
失の低減化、冷間時のクラツチ引きずり防止、取
り回し性の向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例に係るスイング式パ
ワーユニツトを備えた自動二輪車の左側面図、第
2図は同パワーユニツトの左側面図、第3図は同
平面図、第4図は第3図における−線矢視
図、第5図は同パワーユニツトの縦断側面図、第
6図は第5図における−線切断図、第7図は
第6図の要部拡大図、第8図は左トランスミツシ
ヨンケースの内側面図、第9図は第8図における
−線切断図、第10図はホルダーブラケツト
の左側面、第11図は第10図におけるXI−XI線
切断図、第12図はホルダーブラケツトの右側面
図、第13図は第10図における−線切
断図、第14図はオイルポンプの取付け状態を示
す要部説明図、第15図はオイルポンプの側面
図、第16図は第15図における−線切
断図、第17図は第15図における−線
切断図、第18図は第15図における−
線切断図、第19図は前記オイルポンプカバーの
側面図、第20図は第19図における−
線切断図、第21図は第19図におけるXI−
XI線切断図、第22図は第19図におけるXII−
XII線矢視図、第23図は第20図における
−線矢視図、第24図は第16図におけ
る−線矢視に相当するオイルポン
プ・ボデイの側面図、第25図は第24図におけ
る−線切断図、第26図は第24図
における−線切断図、第27図は第
24図における−線切断図、第28
図は第25図における−線矢視図、
第29図ないし第36図は前記オイルポンプにお
ける各ロータの説明図である。 1……自動二輪車、2……車体フレーム、3…
…ハンガーブラケツト、4……リンク、5……リ
ヤクツシヨン、10……パワーユニツト、11…
…エンジン、12……トランスミツシヨンケー
ス、12A……クランク室、12B……ミツシヨ
ン室、12C……左隔壁、14……オイル吸入用
区画壁、14R……右壁、14L……左壁、15
……ホルダーブラケツト、15A……開口、16
……右隔壁、16A……伸長室、16B……リ
ブ、17……シユラウド、18……空気吸入口、
19……フアン、20……A.C.ジエネレータ
ー、21……ローター、22……自動遠心式発進
クラツチ、23……カラー、24……第一回転
板、25……第一ウエイト、26……爪、27…
…第二回転板、27a……第一ウエイト、28…
…プラネタリーギヤ、29……第二ウエイト、3
0……サンギヤ、31……一方向クラツチ機構、
32……爪、33……リングギヤ、34……ラチ
エツトギヤ、35……ドライブスプロケツト、3
6……セルモータ・ドリブンギヤ、37……オイ
ルポンプ・ドライブスプロケツト、38……プラ
イマリ・チエーン、39……ドリブンスプロケツ
ト、40……1,2速ギヤ、41……自動遠心式
高速クラツチ、42……クラツチセンター、43
……クラツチデイスク、44……トツプドライブ
プレート、45……ドライブ・ウエイト、46…
…クラツチアウター、47……クラツチプレー
ト、48……トツプギヤ、49……1,2速ギ
ヤ、50……ギヤ、51……トツプギヤ、52…
…フアイナルドリブンギヤ、53……扇形ギヤ、
54……アイドルギヤ、55……セルモータ、6
0……クラツチ軸、61……アイドル軸、62…
…キツク軸、62a……キツクペダル、63……
主軸、64……中間軸、65……リヤホイール駆
動軸、70……トロコイド・ポンプ、71……駆
動軸、72……ポンプボデイ、72A……軸孔、
72a……吸入管、72b……第一ロータ室、7
2c……吐出路、72d……第二吐出口、73…
…カバー、73A……軸孔、73a……第二吸入
口、73b……第二ロータ室、74……プレー
ト、74a……第一吸入口、74b……第一吐出
口、75……第一インナ・ロータ、76……第一
アウタ・ロータ、77……第二インナ・ロータ、
78……第二アウタ・ロータ、79……螺子、8
0……ピン、81……オイルポンプ・ドリブンス
プロケツト、82……チエーン、90……オイル
ストレーナ、91……導孔、92……オイルスク
リーン、100……リヤホイール、P1,P2…
…給油管路、P3……吸出管路、D……吸込口、
H……同一平面水準、L……標準オイル水準、
L1……登坂時オイル水準、L2……降坂時オイル
水準。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 四サイクルエンジンを備えた自動二輪車用パワ
    ーユニツトにおいて、トランスミツシヨンケース
    内前方に配設されたエンジン出力軸と、前記トラ
    ンスミツシヨンケース内後方に配設された後車輪
    駆動軸と、前記エンジン出力軸および前記後車輪
    駆動軸の間に配設された湿式動力伝達機構と、同
    湿式動力伝達機構の一構成部分たる高速クラツチ
    の下部を囲繞し、クラツチ室を画成する隔壁と、
    クランク軸より下方において、エンジン中心と前
    記湿式動力伝達機構の中心との間に配設されると
    ともに、クランク室とトランスミツシヨン室の連
    通通路に吸入口を有するエンジンおよびトランス
    ミツシヨン潤滑用オイルポンプと、同オイルポン
    プに並設されたクラツチ室内オイル掻き出し用オ
    イルポンプとを備え、前記トランスミツヨンケー
    ス内下部には潤滑オイルが貯溜されており、かつ
    前記クラツチ室内オイル掻き出し用オイルポンプ
    の吸込口が前記隔壁内に配設され、同ポンプの吐
    出口は前記貯溜された潤滑オイル水準の上方に開
    口しており、しかも、前記トランスミツシヨンケ
    ースは、その前部位置にて車体フレームに揺動自
    在に連結され、その後部位置にて緩衝器を介して
    前記車体フレームに連結されていることを特徴と
    する自動二輪車のスイング式パワーユニツト。
JP1982004956U 1982-01-20 1982-01-20 自動二輪車のスイング式パワ−ユニツト Granted JPS58107929U (ja)

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JPS58107929U JPS58107929U (ja) 1983-07-22
JPS6223351Y2 true JPS6223351Y2 (ja) 1987-06-13

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