JPS62230930A - 溶湯の出湯方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、例えば、転炉又はＡＯＤ炉等の精錬容器か
ら溶湯を出湯する溶湯の出湯方法に関し、特に、スラグ
の流出を防止した溶湯の出湯方法に関する。

［従来の技術］ 転炉製鋼においては、転炉内で溶鋼の精錬が終了した後
に、転炉を傾動させて出鋼口から溶鋼を出鋼する。この
場合に、転炉内の溶鋼表面にはスラグが浮遊しているの
で、溶鋼の出鋼に際しスラグも溶鋼と共に排出されてし
まう。このスラグは燐及び鉄酸化物を多】に含有してい
るため、このスラグが溶鋼と共に取鋼内に流出すると、
燐によって製品に材質欠陥が生じ、また、アルミニウム
等の脱酸剤の添加量が増加して製品のコストが上昇して
しまう。更に、このような脱酸剤を添加することにより
、アルミニウム等の介在物の増加による製品の品質欠陥
が増加してしまう。

このため、スラブが取鍋内の溶鋼中に入ることを防止す
るために、種々の方法が提案されており、このような方
法としては、スラグが転炉内から流出することを防止す
る方法と、取鋼内に排出されたスラグを除去する方法と
がある。前者の方法としては、出鋼口からのスラグの流
出を目視で又は光学的若しくは電気的に検出し、スラグ
が流出した時点で直ちに転炉を復帰させて直立させる技
術、又は、スラグと溶鋼との中間の比重を有するスラグ
ボールを溶鋼とスラグとの間に位置させておき、溶鋼が
排出された時点でスラグボールにより出鋼口を閉塞させ
る技術が採用されている。また、近時電磁ポンプを使用
して出鋼口から溶鋼のみを流出させる技術も提案されて
いる（特公昭６０−４４３７０＞。一方、後者の方法と
しては、取鋼内の溶鋼に浮遊しているスラグを真空ポン
プで吸引除去するＶ　Ｓ　Ｃ（Ｖ　ａｃｕｕｍ　　Ｓ　
ｌａｇＣ１ｅａｎｅｒ＞と称される装置を使用する技術
が提案されている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、スラグの流出を検知してから転炉を復帰
させる方法の場合は、スラグの流出を検知した時点では
既に相当量のスラグが流出してしまっており、スラグの
流出を有効に防止することができないという問題点があ
る。また、スラグボールを使用する技術の場合は確実性
に乏しく、転炉内に溶鋼を残留させてしまう場合がある
。更に、電磁ポンプを使用する場合にもやはり若干のス
ラグ流出があり、また、設備費が高いという問題点があ
る。更にまた、■ＳＣを使用する場合には、スラグを吸
引する際に温度が低下するので、転炉内の溶ｔＡ温度を
高くする必要があるため転炉耐火物の寿命が短くなり、
また、脱燐が困難になって脱燐剤の量を増加せざるを得
ないので、製造コストが上昇してしまうという問題点が
ある。

この発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、
転炉内に溶鋼が残留せずに、また、設備費及び製造コス
トを上昇させずに、スラグの流出を有効に抑制すること
ができる溶湯の出湯方法を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この発明に係る溶湯の出湯方法は、溶湯を貯留する精錬
容器を傾動させて溶湯出湯口から♂濡を出湯する溶湯の
出湯方法であって、出湯口の周囲部分から容器内の溶湯
にガスを吹込むと共に、溶湯出湯口を通流する溶湯流に
ガスを吹込んで、出湯口直上域からスラグを排除すると
共に溶湯流を整流にすることを特徴とする。

［作用］ この発明においては、精錬容器を傾動させて溶湯を出湯
させる際に、出湯口の周囲部分に設けられた吹込み部か
ら溶湯にガスを吹込むことにより、出湯口直上域のスラ
グがこのガスによりその周囲に排除される。また、出鋼
口を通流する溶湯流にもガスを吹込むことにより、出湯
流が渦流になることが回避される。このようにして、ｉ
ｎ流に巻込まれるスラグ量が減少し、スラグの流出が抑
制される。

［実施例］ 以下、添付図面を参照して、この発明に係る実施例につ
いて具体的に説明する。

溶鋼の出鋼に際しては、溶鋼流が出鋼口に達したところ
で渦流となり、転炉内に十分に溶鋼が存在する状態にお
いても溶鋼流の中にスラグを巻込んでしまう、このこと
は、従来知られておらず、従来は、このようなスラグの
巻込みのためにスラグの流出を有効に抑制することはで
きなかった。

このため、この発明に係る実施例においては、出鋼口周
囲から溶鋼内に、例えば、アルゴンガス（Ａｒガス）の
ような溶鋼に対して不活性なガスを吹込んで、出鋼口の
直上域に多数の気泡を発生させることにより溶鋼表面に
浮遊しているスラグを出鋼口直上域からその周囲に排除
しておき、更に、出鋼口の内壁から溶鋼流に前述と同様
のガスを吹込み、溶鋼流が渦流になるのを防止する。こ
のようにして溶鋼を出鋼させることによりスラグの巻込
みを防止する。

第１図はこの実施例に使用する転炉を示す断面図、第２
図はこの実施例の実施状態を示す模式図である。転炉本
体１１は耐火物１２で内張すされ外側は鉄皮１３で覆わ
れており、この中に溶鋼１６が貯留されて転炉吹錬され
るようになっている。この場合に、１１１６の表面には
スラグ１７が浮遊している。この転炉本体１１の側壁に
は出鋼口１４が設けられており、転炉吹錬が終了した場
合に、転炉本体１１を傾動させることによりこの出鋼口
１４から溶ｗＡ１６が流出するようになっている。前記
出鋼口１４の周囲には、炉外から炉内に達するバイブ１
５が設けられており、転炉本体を傾動させて溶鋼を出鋼
する際に、ガス供給手段（図示せず）からこのバイブ１
５を介して溶鋼１６中にＡｒガス１８が供給されるよう
になっている。そして、このＡｒガス１８により出鋼口
直上域のスラグ１７をその周囲に排除するようになって
いる。また、出鋼口１４にはその外壁から内壁にかけて
複数の孔１９（図中６個）が形成されている。この孔１
９の外壁側にはパイプ２０が連結されており、ガス供給
手段からバイブ２０を介して孔１９から出鋼流にＡｒガ
ス１８が吹込まれるようになっている。

次に、この実施例の動作について説明する。先ず、転炉
吹錬が終了した時点で転炉本体１１を傾動させて出鋼口
１４から溶鋼１６を排出させる。

この際に、ガス供給手段からバイブ１５を介して溶鋼１
６中にＡｒガス１８を吹込む。そうすると、第２図に示
すように、溶鋼中に多数の気泡が発生し、このバブリン
グガスがＦ８ｔＡ１６間を上昇して出鋼口１４の直上域
に浮上することにより、出鋼口１４の直上域に存在する
スラグ１７がその周辺に排除される。このため、出鋼口
１４から流出する溶鋼流はスラグ１７を巻込む虞が極め
て少なくなる。また、孔１９から溶鋼流にＡｒガスを吹
込む。そうすると、溶鋼流に上向きの力が働き、結果と
して溶ｍｉの流量が抑制されるので、溶ｍ流が渦流にな
ることが回避され、溶湯流は実質的に整流となる。この
ため、スラグを巻込む虞が一層小さくなる。

このように、この実施例においては、ガスバブリングに
よりスラグ１７をを出鋼口直上域から排除し、また、溶
鋼流にガスを吹込んで溶鋼流が渦流になることを防止す
ることにより転炉からのスラグの流出を抑制するので、
設備費及び製造コストを上昇させることなく、また、転
炉内に多量の溶鋼を残留させることなくスラグの流出を
有効に抑制することができる。

次に、この実施例によって溶鋼を出鋼する場合の具体例
について説明する。２５０トン転炉を使用して転炉吹錬
した後、この転炉を傾動させて出鋼口から溶鋼を流出さ
せた。この溶鋼の流出と共に、出鋼口周囲に設けられた
バイブ及び出鋼口に形成された孔から、いずれも１５０
ｊ２／分の流量でＡｒガスを吹込んだ。

次に、この具体例の効果について説明する。第３図は横
軸に取鍋内のスラブ厚みをとり縦軸に傾度をとって、各
溶鋼における取鍋内のスラグ厚みを示すグラフ図である
。これによれば、この具体例の場合には、溶鋼排出終了
後における取鍋内のスラグ厚みが各溶鋼の平均値で１１
．７ｍｍであった。一方、何も対策を施さずに溶鋼を流
出させた場合を比較例としたが、この比較例の場合には
第４図に示すように出鋼末期に急激にスラグ流出量が増
加し、溶鋼排出終了後の取鍋内のスラグ厚みが３Ｑｍｍ
にも達した。また、スラグの流出が少ない時点で出鋼を
停止した場合には、多量のスラグが転炉内に残留し、溶
鋼の歩留が低下した。

このように、この具体例によれば出鋼に際し、スラグの
流出を抑制する効果が著しい。

なお、この実施例においては、転炉から出鋼する場合に
ついて示したが、これに限らず、例えば、ＡＯＤ炉又は
ＲＨ炉等等地精錬容器に使用することもできる。また、
溶鋼に対するバブリングガスの吹込部としてパイプを使
用したが、これに限らず、例えば、出湯口周囲の耐火物
に孔又はスリットを形成してそこからガスを吹込むよう
にすることもできる。更に、この実施例においては、出
湯流にガスを吹込むために出湯口に孔を形成したが、こ
れに限らず、例えば、スリットを形成してガスを吹込む
こともできるし、出湯口にパイプを埋め込んでガスを供
給することもできる。更にまた、この実施例においては
溶鋼の場合について示したが、これに限らず他の金属に
も適用することができる。更にまた、バブリングガスと
してＡｒガスを使用したが、これに限らず、例えば、窒
素ピックアップを問題にしない！Ｉ種であれば窒素ガス
を使用することもできる。

また、この発明は他のスラグ流出防止方法、例えば、光
学的または電気的にスラグの流出を検知する方法等と組
合わせることにより一層の効果を得ることができる。

［発明の効果］ この発明によれば、出湯口周囲の溶湯内にガスを吹込む
ことにより出湯口直上域のスラグをその周囲に排除し、
出湯口の内壁から溶鋼流にガスを吹込むことにより溶湯
流を整流にするので、転炉から排出される溶湯流に巻込
まれるスラグ量が減少する。このため、転炉内に多量の
溶鋼を残留させずに、また、設備費及び製造コストを上
昇させずにスラグの流出を有効に抑制することができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例に使用する転炉の断面図、第
２図はこの発明の実施例に係る溶鋼の出湯方法の実施状
態を示す模式図、第３図はこの発明の実施例の効果を示
すグラフ図、第４図は比較例におけるスラグ流出量を示
すグラフ図である。 １１：転炉本体、１２；耐大物、１３；鉄皮、１４：出
鋼口、１５．２０：パイプ、１６：溶鋼、１７；スラグ
、１８；アルゴンガス、１９；孔。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦 第１図 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 溶湯を貯留する精錬容器を傾動させて溶湯出湯口から溶
   湯を出湯する溶湯の出湯方法において、出湯口の周囲部
   分から容器内の溶湯にガスを吹込むと共に、溶湯出湯口
   を通流する溶湯流にガスを吹込んで、出湯口直上域から
   スラグを排除すると共に溶湯流を整流にすることを特徴
   とする溶湯の出湯方法。