JPS6221717Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の排気ブレーキ装置に使用する
電磁切換弁に関するものである。

従来の自動車の排気ブレーキ装置においては、
エンジンの排気通路内に配設した絞り弁を負圧式
アクチユエータにより駆動するのが一般的であ
り、この負圧式アクチユエータの作動室は電磁切
換弁により大気と負圧源のいずれかに選択的に連
通される。そして装置内へ流入する大気の濾過は
電磁切換弁とは別体のエアクリーナで行うように
していた。これは泥水が装置内へ侵入して故障を
生じさせることを防止するためで、エアクリーナ
は泥水にさらされることのない場合に取付けら
れ、エアクリーナと電磁切換弁は配管で連結して
いた。

本考案はエアクリーナを内蔵しかつ泥水がかか
つても泥水侵入の心配のない電磁切換弁を得るこ
とにより排気ブレーキ装置の格価、重量を低減せ
んとするものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図において、１及び２は自動車エンジン
の排気管であり、この両排気管１，２間に絞り弁
３が配設される。この絞り弁３の作動用レバー４
は負圧式アクチユエータ５のピストン５ａと作動
的に連結される。このアクチユエータ５の作動室
５ｂは後で詳述する本考案の電磁切換弁６により
大気と負圧源７（例えば自動車エンジンにより駆
動されるバキユームポンプ）のいずれかに選択的
に連通される。通常時においては、電切換弁６が
アクチユエータ５の作動室５ｂを大気と連通する
ため、アクチユエータ５のピストン５ａはそのリ
ターンスプリング５ｃによつて図面の非作動位置
に位置付けられ、これに応じて絞り弁３が図面の
非作動位置を占めるのでブレーキ作用を生じな
い。しかしながら、手動メインスイツチ８が閉じ
られ、アクセル連動スイツチ９がアクセルの解放
に応じて閉じ、クラツチ連動スイツチ１０がクラ
ツチの接続に応じて閉じた時には、電磁切換弁６
のソレノイドに電流が流れて電磁切換弁６がアク
チユエータ５の作動室５ｂを大気から負圧源７に
切換連通するので、ピストン５ａがリターンスプ
リング５ｃに抗して動いて絞り弁３を絞り位置へ
作動させるため、ブレーキ作用を生じる。１１及
び１２は配管である。

次に本考案の電磁切換弁６を第２〜５図により
説明する。第２〜５図において、電磁切換弁６は
下方の電磁部１３と上方の弁部１４とより成る。
電磁部１３は非磁性体製ボビン１５、このボビン
１５に巻かれたソレノイド１６、ボビン１５の内
側に嵌合された固定鉄心１７、磁性体製ケース１
８、磁性体製カバープレート１９、磁性体製リン
グ２０、可動鉄心２１及びスプリング２２とより
構成されており、そのケース１８に溶接された取
付部材２３を介して取付用ブラケツト２４に固定
される。

弁部１４の弁本体２５はねじ４５によつてケー
ス１７及びカバープレート１９と一体的に結合さ
れている。固定鉄心１７の上端大径部は弁本体２
５内に嵌合されて弁本体２５内に弁室２６を形成
している。この弁室２６は弁本体２５の接続口２
７を介して配管１２と連通する。弁室２６内の弁
体２８はスプリング２９により下方へ付勢されて
おり、固定鉄心１７を摺動自在に貫通したロツド
３０と一体的に連結されている。スプリング２９
はスプリング２２よりも強いので通常は弁体２８
が固定鉄心１７の上端に設けられた弁座３１に接
して弁室２６を鉄心１７に設けられた負圧通路３
２から遮断すると共に弁室２６を弁本体２５に設
けられた大気通路３３と連通する。ソレノイド１
６は第１図のスイツチ８，９，１０の閉により通
電されるもので、この通電時においては可動鉄心
２１が上方へ吸引されてロツド３０を介して弁体
２８を押し上げ、弁体２８を弁室２６の上壁に接
触させるので、弁室２６は大気通路３３から遮断
されると共に負圧通路３２と連通する。負圧通路
３２は弁本体２５の接続口３４を介して配管１２
と連通する。

弁本体２５は平担なカバー取付面３５を有し、
このカバー取付面３５の上部にはエアクリーナ部
材３６を設置する凹所３７が設けられている。カ
バー取付面３５の下部には大気流入溝３８が設け
られ、この溝３８と凹所３７間にはこの両者を継
ぐ屈曲溝３９が設けられている。カバー取付面３
５にはカバー４０がねじ４１で固定され、その両
者間にはパツキン４２が介在されている。これに
より、溝３８とカバー４０間に大気流入口４３
が、また溝３９とカバー４０間に迷路４４が形成
され、大気流入口４３に流入した大気は迷路４４
とエアクリーナ３６を順次通つて大気通路３３か
ら弁室２６へ流入する。泥水が大気と一緒に大気
流入口４３へ流入したとしても、泥水は迷路４４
の壁４４ａへ衝突することにより大気から分離さ
れ、大気流入口４３を通つて流出する。これによ
り、泥水がエアクリーナ３６の所まで侵入する心
配はないものであり、図面に示す如くカバー４０
の下端４０ａを折り曲げて泥水が直接大気流入口
４４３へ入らないようにしておけば泥水の侵入防
止が一層良好となる。

叙上の如く本考案の電磁切換弁はエアクリーナ
を内蔵しかつ泥水を大気と共に吸い込む心配のな
いものであり、エアクリーナを電磁切換弁と別体
に構成していた従来装置の不具合を一掃できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電磁切換弁を有する排気ブレ
ーキ装置のシステム図、第２図は本考案の電磁切
換弁の側面図、第３図は第２図中の−線断面
図、第４図は第２図中の−線断面図、第５図
は第４図中の−線断面図である。 ６：電磁切換弁、２５：弁本体、２６：弁室、
３６：エアクリーナ部材、４０：カバー、４３：
大気流入口、４４：迷路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車エンジンの排気通路内に配設した絞り弁
   を駆動する負圧式アクチユエータの作動室を大気
   と負圧源のいずれかに選択的に連通する排気ブレ
   ーキ装置用電磁切換弁において、弁本体とこの弁
   本体に固定したカバーとによつて弁本体の下部に
   大気流入口を形成させ、この大気流入口に流入し
   た大気を、弁本体とカバーとで形成させた迷路と
   弁本体の上部に内蔵させたエアクリーナ部材を順
   次通過させて弁室へ流入させる如く構成したこと
   を特徴とする排気ブレーキ装置用電磁切換弁。