JPS6219643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はワインダーへ管糸を搬送する搬送媒体
へ管糸を供給する装置に関する。

ワインダーへ管糸を供給するシステムとして、
個々独立に搬送されるトレイ上のペグに管糸を挿
着し、管糸を一本ずつ直立した状態でワインダー
へ供給し、ワインダーにおいても上記トレイに管
糸を挿着した状態で巻取り、巻取りの完了した空
ボビンも上記トレイに挿着した状態で巻取ユニツ
トから排出、搬送するような管糸搬送システムが
ある。

本考案はこのようなシステムにおいて、上記ト
レイに対して連続的にストツクされた管糸を一本
ずつ切出して供給する装置に関し、切出し、搬
送、トレイ挿着を管糸の自由落下運動を利用し
て、タイミングよく行なえる装置を提供するもの
で、以下本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は上記管糸搬送システムの一例を示し、
管糸供給路１上をトレイ２に挿着されて個々に独
立に搬送される管糸３は口出し装置４において尻
糸を解舒され、糸端が口出しされ、該糸端を管糸
中心孔内へ垂下した状態でワインダー５の配送路
６上へ移送される。ワインダー５は多数の巻取ユ
ニツト７ａ〜７ｎを並設したもので、上記巻取ユ
ニツト７ａ〜７ｎの一側には全ユニツトに沿つた
管糸配送路６が閉ループ状に配設されると共に、
ユニツトの他側には空ボビン搬送路８が全ユニツ
トに沿つて配設され、上記管糸配送路６と空ボビ
ン搬送路８間の各巻取ユニツト位置には管糸通路
９が形成され、配送路の管糸がトレイに挿着され
た状態で上記通路に取込まれ、巻取られ、排出さ
れるのである。

排出された空ボビン搬送路８上を移送され、空
ボビン抜取位置１０において手動または自動的に
トレイより空ボビンが抜き取られ、空のトレイの
みが搬送路１１上をさらに移送されて管糸供給装
置１２位置において一個のトレイに対して一本の
管糸が供給挿着され、口出し装置４へと移送され
るのである。

第２図は上記巻取ユニツト７の一例である。即
ち、管糸配送路６と空ボビン搬送路８間の通路
は、回転円盤１３とガイド板１４，１５，１６に
より形成される。ガイド板１４，１６との間には
管糸取込み口１７が形成され、ガイド板１５，１
６間に余剰管糸送り出し口１８が形成されてい
る。さらにガイド板１４，１５と回転円盤１３に
よつて管糸待機溝１９と空ボビン排出溝２０が形
成される。２１は空ボビン排出用レバーである。
また巻取位置Ｐの下方には図示しない圧空供給源
に連なる導管２２に接続する空気噴射ノズル２３
が配置される。該ノズル２３から噴射された空気
は図示しない回転円盤のスリツトよりトレイ２の
ペグ内部からペグ先端に穿設した孔より管糸の中
心孔内へ噴出し、垂下している糸端を上方へ吹き
上げ、管糸上方で待機している中継パイプ２４ａ
に糸端が吸引把持される。２５はバルンブレーカ
である。

従つて配送路６上を移送される管糸３は巻取ユ
ニツトの取込み口１７より回転円盤１３上へ移載
され、待機溝１９中へ移送される。待機溝１９中
に所定数の管糸がストツクされれば、後続の管糸
は余剰管糸送り出し口１８より送出され、次の巻
取ユニツトへ向かう。従つて閉ループ状の上記配
送路６上に管糸を巡回させておけば、ストツクに
空きが生じたユニツトへは自動的に新管糸が補給
される。また巻取位置Ｐにおいて巻取りを完了し
た空ボタン２６は排出レバー２１の旋回によつて
押し出され、排出溝２０より空ボビン搬送路８上
へ排出され移送される。

以上のような管糸搬送システムに適用されるト
レイ２に管糸を供給する装置の実施例を第３図、
第４図において説明する。

管糸供給装置１２は、整列した管糸を切出す切
出し装置２７と、切り出した管糸を昇挙する昇挙
装置２８と昇挙した管糸をトレイに挿着させるシ
ユート装置２９とにより構成される。

上記切出し装置２７と昇挙装置２８は軸３０を
介して連動し、間欠作動を行う即ち、軸３０には
スプロケツト３１およびカム板３２が固定され一
体的に回転。該軸３０はモータ３３を駆動源とす
る。

上記軸３０と別の軸３４にはカムレバー３５お
よび２枚の受容板３６，３６が固定されており、
受容板３６，３６を固定したレバー３７，３７は
キー溝３８，３８によつて間隔を調整でき、管糸
の大きさに応じて位置変更可能でかつ、受容板３
６，３６はレバー３７，３７に対して長孔３９，
３９を介して固着されており、管糸の太さに応じ
て位置調整可能となつている。さらに軸３４には
レバー４０，４０が枢支され、該レバー４０，４
０に長孔４１，４１を介して管糸のストツプ板４
２，４２が固定される。上記レバー３５およびレ
バー４０，４０は各々スプリング４３によつて軸
３４を中心に第３図時計方向に付勢されている。
通常は受容板３６，３６、ストツプ板４２，４２
は第３図実線の位置にあり、ストツプ板４２の側
面４２ａが管糸貯溜部の最前端の管糸Ｋ１に当接
している。

また軸３０に固定されたカム板３２は小径部４
４と大径部４５が180度毎に形成され、該カム面
にレバー３５のカムフオロア４６が押接する。

さらに軸３０に固定されたスプロケツト４７，
４７と上方の軸４８に固定されたスプロケツト４
９，４９間にはチエン５０，５０がかけられ、該
チエン５０，５０には当ピツチで管糸受５１が固
着されており、軸３０の半回転毎に１ピツチ移動
して管糸を上方へ間欠昇挙させる。上方の軸４８
にはスプロケツト４９，４９と同期回転する切出
板５２，５２が固定され、切出板５２の支承部５
３が管糸を受け５１からすくい上げてシユート５
４へ落下させるようになつている。

なお、軸３０に設けたプラスチツク製の円板５
５には180度位相をずらせて金属片５６，５６が
固着され、近接スイツチ５７が金属片５６に対抗
する位置に設けられる。近接スイツチ５７が金属
片５６を感知することによりモータ３３が停止す
る。

一方切出板５２，５２に続いては管糸の落下の
際、管糸の落下位置を規制するシユート５４およ
び該シユート５４に続いては管糸の移送方向と直
角方向に開閉する管糸ガイド５８，５８が設けら
れる。即ち第４図において、筒状のシユート５４
の下端開口５９に続いて軸６０，６０を支点に揺
動自在な管糸ガイド５８，５８が設けられる。上
記管糸ガイド５８，５８は上端部をスプリング６
１で連結し、下端部が常に開く方向に付勢されて
おり、ガイド５８，５８は第４図の実線位置と二
点鎖線位置５８ａ，５８ａ間を揺動し、開閉動作
を行う。６２，６２は上記管糸ガイド５８，５８
作動用ロータリソレノイドでソレノイドの軸６
３，６３に固定されたレバー６４，６４の端部に
ローラ６５，６５が固定され、該ローラ６５，６
５が管糸ガイド５８，５８の側面に当接してお
り、管糸落下の場合のみロータリソレノイド６
２，６２が働き、ローラ６５，６５が二点鎖線位
置６５ａ，６５ａから破線位置へ移動することに
より管糸ガイド５８，５８が実線位置となる。

上記管糸ガイド５８，５８は各々水平断面が略
コ字形で、閉じた際は管糸の周囲を包囲する状態
となると共に、開閉方向は下部のトレイ２の進行
方向と直角方向である。

従つて、搬送路１１上を移送されるトレイ２が
上記管糸ガイド５８，５８の直下で定位置に位置
決め停止すると、トレイ２上の管糸の有無をセン
サが検出し、無の場合にのみロータリソレノイド
６２，６２が作動し、管糸ガイド５８，５８を閉
じ管糸落下に備える。

上記状態において、管糸要求指令が発せられる
と第３図のモータ３３が駆動し、軸３０が180度
回転することにより、カム板３２が矢印６６方向
に回転し、カム板に当接するカムフオロア４６、
カムレバー３５を介して軸３４に固定した受容板
３６がスプリング力に抗して反時計針方向に旋回
し、受容板３６の下面３６ａがストツパ４２の上
面４２ａに当接し、さらに受容板３６の旋回する
と、受容板３６はストツパ４２を押し下げつつ貯
溜部６７の開口位置に至り、先頭の管糸Ｋ１が受
容板３６の凹部６８に落下進入する。この時は二
枚の受容板３６，３６は管糸Ｋ１の両端部に接触
することなく、管糸の糸層表面が固定のストツパ
６９に当接するようになつている。引続くカム板
３２の回転によりカムフオロア４６がカム面の
180度回転した小径部に当接した位置となるに従
い、受容板３６も時針計方向へ旋回し、管糸を受
容した状態で第３図の位置に至る。同時にストツ
プ板４２も実線位置に至り次の管糸に当接した状
態となる。

一方上記カム３２の回転と同時にスプロケツト
４７，４９も180度回転し、チエン５０に等ピツ
チで固定された管糸受け５１のうち、位置５１ａ
の管糸受け５１ａが受容板３６の管糸Ｋ１ａの糸
層部分をすくい上げて、位置５１ｂに至り、上方
の管糸受け５１ｅが位置５１ｆに至る。同時に切
出板５２が180度軸４８の回りに回転し、位置５
１ｆの管糸Kfを切出板の支承部５３がすくい上
げ180度の回転により支承部５３に支持されてい
た管糸がシユート５４内へ尻糸部７０を下にして
落下する。

従つてガイド５８，５８の下方に待機するトレ
イ２上に管糸が挿着されることになる。

以上のように本考案では、貯留部の管糸を１本
ずつ昇挙させた後は管糸の自由落下運動により落
下させ下方で待機するトレイの垂直ペグに挿着さ
れるのであり、管糸の個々独立したトレイへ供給
が簡単に行え、またトレイへのペグに管糸の中心
孔が一致するように開閉する管糸ガイドを設けた
ことにより、確実にトレイへの管糸挿着が可能で
ある。

即ち、管糸ガイドはトレイの進行方向と直角方
向に開閉し、管糸供給時のみ閉じられるので、管
糸の周囲を包囲するガイドがトレイのペグ位置ま
で達する長さとでき、管糸がトレイに挿着される
までの落下経路を完全にガイドすることが可能で
挿着ミスも防止され、またトレイ上の管糸の進行
もガイドを開くことにより可能であり、移送され
る管糸搬送媒体に管糸を供給する装置として特に
効果的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の管糸供給装置を有する管糸搬
送システムのレイアウト図、第２図は同システム
に適用される巻取ユニツトの一例を示す斜視図、
第３図は本考案装置の実施例を示す側面図、第４
図は同正面図である。 ２……管糸搬送媒体、１２……管糸供給装置、
２８……昇挙装置、５０……チエーン、５１ａ〜
５１ｆ……管糸受け、５４……シユート、５８，
５８……管糸ガイド、６７……管糸貯留部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管糸貯留部の管糸を１本ずつ切り出して、管糸
   搬送媒体上の垂直ペグに挿着させる装置であり、
   該装置が少なくとも貯留部の管糸を１本ずつ載置
   して上昇する管糸受けと、該管糸受けの上昇端部
   の反転位置に続いて、自由落下する管糸を所定の
   落下位置へ規制する固定のガイドシユートと、該
   ガイドシユートに続いて設けられ、下方の管糸搬
   送路上で待機する管糸搬送媒体上の垂直ペグに管
   糸をガイド挿着させる一対の開閉可能な管糸ガイ
   ドとを有しており、上記開閉可能な管糸ガイド
   が、上記管糸搬送媒体の進行方向と直角方向に開
   閉し、管糸を搬送媒体に挿着する時にのみ閉じ、
   閉じた際は、上記一対の管糸ガイドにより管糸の
   周囲が包囲され、管糸の中心孔を搬送媒体の垂直
   ペグにガイドするようにしたことを特徴とする管
   糸供給装置。