JPH0219068B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 紡績産業における糸巻返工程で使用される自動
巻返機に、２種類の糸を仕掛けるに当たつて、供
給管糸をそれぞれ管糸搬送用トレイに挿設して供
給すると共に１本のトレイ搬送路で２種類の管糸
を自動的に供給する様にしたものである。

〔従来の技術〕

１台の自動巻返機が多数の巻返装置を設けてお
り且つこれらの巻返装置には個々に複数の管糸を
保留するコツプマガジンを列設して構成される自
動巻返機は一般によく知られている。一方これら
のコツプマガジンへ管糸を供給するに当たつては
各種の管糸自動供給装置が提案されており且つ実
用にも供されている。しかしながら取り扱いや操
作面において満足すべきものは極めて少ない。一
方本出願人は紡績工程における精紡機揚りの管糸
を搬送する手段について各種の発明及び考案をし
て提案しており、特に自動巻返機へ管糸を供給す
るに当たつて、あらかじめ管糸の口糸を引き出し
てこれを管糸ボビンの天穴に挿通保持すると共に
該口糸保持管糸を個々に挿入するトレイに挿設し
て搬送し、該搬送路の一部で特別な管糸取出装置
を開発して搬送管糸をトレイから抜き取つて供給
する装置も提案している。

ところでこの様に多数の巻返装置を列設した自
動巻返機へ一種類の管糸を仕掛けるについては極
めて好都合であるが、異種類の糸を仕掛けようと
すると特別な配慮が必要であり、特に前記した様
なトレイを利用して異種管糸をグループ別に仕分
けした巻返部へ自動的に供給するについては特別
な対策が必要となり、限られた作業スペース内に
異種管糸供給用の搬送路を増設することは困難で
ある。

〔発明が解決しようとする問題〕

そこで本発明は、１本のトレイ搬送路でもつて
２種類の管糸を供給搬送すると共に各巻取グルー
プの空トレイは該トレイ搬送路の返還側を利用し
て再び管糸挿設装置へ返還送給する様に構成した
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

即ち本発明では前記した様な自動巻返機のコツ
プマガジン列に沿つて１本の主管糸供給搬送路を
対設すると共に該主搬送路に各巻取グループ毎の
管糸取出供給装置を走行自在に設け、主搬送路の
管糸送り込み側には主搬送路並びに異種管糸供給
搬送路とした副搬送路のそれぞれ管糸塔載トレイ
貯留部を列設すると共に該副搬送路の貯留部の端
末を主搬送路の始端部に形成した合流部で接続
し、副搬送路の管糸は、主搬送路の管糸供給側巻
取グループに対設した管糸取出供給装置を主搬送
路の貯留部側で前記合流部を過ぎた位置に退避さ
せて該巻取グループ側を通過させて他側巻取グル
ープに供給する様に構成したものである。

〔作用及び実施例〕

以下本発明を図面に基づいて詳細に説明するが
図は本発明の具体的な実施の一例を示したもので
本発明は図示例に限定されず、前・後記の趣旨に
沿つて一部の構成を変更したり或は一部の設計を
変更しても同様に実施することができる。第１図
（平面図）及び第２図（正面図）は本発明装置の
全体を示したもので、自動巻返機１は多数（図で
は50個）の巻取装置を列設して構成されており、
各巻取装置毎にコツプマガジン１ａが設けられて
いる。そして図示例では、巻取装置の管糸供給側
（図面で右側）30個の巻取装置群をＢ巻返えしグ
ループとし、他側20個の巻取装置群をＡ巻返えし
グループとし、それぞれのグループを異なる糸の
巻返えし部としたものを示したが、これらグルー
プ毎のコツプマガジン数は仕掛量によつて適当に
選択できる。そして該コツプマガジン１ａ列に前
側に一本の主管糸供給搬送路２を対設する。この
主管糸供給搬送路２（以下主搬送路と言う）は第
５図（見取図）及び第３図（第２図の一部拡大
図）に示す様にコ字形枠体を抱き合わせてトレイ
２１の案内通路樋レールを形成し、その間に駆動
ベルト５ａを配してトレイ２１を該駆動ベルト５
ａ上に塔載し、駆動ベルトの走行によつてトレイ
２１を搬送するものを利用し、トレイ２１は他の
係留手段によつて停止されても駆動ベルト５ａの
みはトレイと滑つて移動する。またこの駆動ベル
ト５ａは後述するが閉ループ状に懸け渡されてお
り、第２図における下側２ｂを空トレイ返還側と
して利用する。一方該主搬送路２には第５図で示
した様なトレイ２１に挿設された管糸２０をコツ
プマガジン１ａへトレイ２１から抜き取つて供給
する管糸取出供給装置３（以下単に取出装置と言
う）が設けられており、該取出装置３としてはそ
れぞれの巻返えしグループ毎に３Ａ，３Ｂで設け
られ、各グループ毎の全コツプマガジンにわたつ
て往復移動する様になつている。即ち取出装置３
は第３図及び第４図（第３図の左側面図）に示す
様に主搬送路２に塔載されて左右へ自走する様に
なつており、走行中にコツプマガジン１ａの管糸
供給に管糸が存在しないことを検知して、保持し
ている管糸若しくは到来するトレイ管糸を係留さ
せてコツプマガジン１ａに供給するものであり、
該取出装置３には管糸検知装置並びに管糸引き抜
き供給手段が設けられている。尚第４図の３ａは
この管糸引き抜き供給装置を示しており、この引
き抜き供給装置３ａは単独で構成して１本の管糸
を操作したり或は複列に構成して２本の管糸を同
時若しくは選択的に供給することができる様にな
つている。またこの引き抜き供給装置３ａは前進
した位置で管糸並びにトレイを係合して走行移動
し、供給必要部において上昇することによつて管
糸２０をトレイから抜くと同時にこの上昇移動に
伴なつて作動する排出板で管糸を根本側からコツ
プマガジン１ａへ投入する様になつている。一方
この様な取出装置３を主搬送路２及び返還側２ｂ
に走行自在に設けるために、主搬送路２の下部に
送行案内レール２ｃ及び返還側２ｂの下部に給電
ダクト２ｄを設けて取出装置３を走行自在に設
け、取出装置３は各グループ毎の両端側に至つて
逆行しコツプマガジン１ａの空錘を往復走査し前
記した様に空錘部へ管糸を供給する様になつてい
る。

また該主搬送路２の巻取グループＢ，Ａのそれ
ぞれ端末部には空トレイ排出路４，４ａが設けら
れており、各グループ毎の空トレイはこの排出路
４，４ａによつて返還側２ｂへ移し替えられる。
しかしながらＡグループの空トレイは排出路４ａ
において必ず返還側２ｂへ排出させるが、Ｂグル
ープの主搬送路にはＡグループ用の管糸を搬送す
ることがあるのでＢグループ端末の空トレイ排出
路４には空トレイのみ排出し管糸塔載トレイは通
過させる手段を併設する。第１２図（第１図の要
部拡大平面図）、第１３図（第１２図の右側面
図）、及び第１４図（第１２図の下側正面図）は
該空トレイ排出路４の構成を示したもので、主搬
送路２の底板側を螺旋状に下降させた傾斜面とす
ると共にその上部側に制御片４ｂを設けている。
従つて空トレイ２１ａはこの排出路４に至ると規
制片４ｂをくぐつて必ず傾斜面によつて返還側２
ｂへ投下されるが管糸２０を塔載するトレイ２１
は傾斜面に至つても塔載管糸２０が規制片４ｂに
支えられて投下されず、駆動ベルト５ａによつて
Ａグループ側に移動することができる。

一方、主搬送路２の管糸供給側（第１図の右
側）にはトレイ管糸貯留部を形成しており、貯留
部５は主搬送路２と連結したＢグループ用の供給
管糸貯留部とし、これに並設してＡグループ用供
給管糸の貯留部６をそれぞれ副搬送管として設
け、Ａグループ用貯留部６の副搬送路はその端末
側を主搬送路２の始端側に接続して貯留部６の貯
留管糸トレイを主搬送路２へ送り込む様にしてい
る。そしてこの貯留部６の管糸トレイをＡグルー
プ側に連結するに当たつては、Ｂグループの前記
取出装置３Ｂを第１図に点線３Baで示すように、
主搬送路の貯留部５で且つ合流部を過ぎた位置に
退避させて行なうものである。他方これら貯留部
５，６に搬入される管糸は管糸口糸引出導入装置
９（以下単に導入装置という）に連結した送り出
し搬送路８を介してそれぞれトレイ２１に挿設し
て送り出され、搬送路８に設けた切替装置１９
（後述する）によつて貯留部５或は貯留部６に搬
入される。そして該搬送路８、及び貯留部５，６
の副搬送路は前記主搬送路２と同じ様に枠形案内
樋レールと駆動ベルトで構成している。第６図
（第１図の一部拡大平面図）はこれらの構成を示
したもので前記駆動ベルトは主搬送路２と貯留部
５並びに空トレイ返還側２ｂ及び空トレイ返還上
昇搬路７を５ａで閉ループ形に懸け渡し、貯留部
６はその一方を遊ばせた閉ループ駆動ベルト６ａ
とし、搬送路８は単独の閉ループ駆動ベルト８ａ
とする。第１５図（構成説明見取図）はこれらの
駆動ベルト５ａ，６ａ及び８ａの配設を示したも
のであり、それぞれ矢印方向に駆動され、貯留部
５の駆動ベルト５ａは主搬送路２の終端側におい
て空トレイ返還側となり、貯留部５の下側に至つ
て、屈曲し貯留部６の下をくぐつて立ち上り空ト
レイ返還上昇路７を通り、搬送路８と対設して、
空トレイは搬送路８の返還側へ、搬送路８の送り
出し管糸塔載トレイは再び貯留部５へ搬送しよう
とする。ところがこの搬送路の一部には切替装置
１９が設けられており、該切替装置１９が第６図
のごとく位置されるときは、搬送される管糸塔載
トレイは貯留部６に案内され、該切替装置１９が
反時間方向に作動したときは貯留部６が閉ざされ
て貯留部５に導入される。また貯留部６の端末側
には主搬送路２へ移送するための搬送駆動ベルト
６ｃを単独に設ける。尚図はこれら貯留部５，６
の副搬送路を単列で構成したものを示したが、第
７図（平面図）に示すようにそれぞれを複列で構
成してもよく、また前記合流用搬送駆動ベルト６
ｃを貯留部６の駆動ベルト６ａを屈曲延長させて
構成してもよい。

一方この様な自動巻返機へ供給する管糸として
は、あらかじめ口糸を引き出してこれをボビンの
天穴に保持させた口糸保持管糸であることが好都
合であるので、本発明を利用するに当つては前記
導入装置９を併設し、送り出し搬送路８はこの導
入装置９に連結して空トレイを送り込み、この空
トレイに口糸保持管糸を挿設して前記貯留部５，
６へ送る様にしている。導入装置９については新
しい発明として別件で堤案しているが、その概要
を第８図（側面図）第９図、第１０図及び第１１
図（いずれも第８図の切断線−，−及び
XI−に沿う矢印方向断面図）に基づいて説明す
る。即ち導入装置９はフレーム枠内に構成され、
その頂部に管糸ホツパー１０が設けられており、
例えば第１図及び第２図で示す様な管糸搬送路９
ａから順次投入される。そして本発明に利用する
導入装置９としては２種類の管糸を仕分けしてお
く必要があり、前記ホツパー１０は第９図に示す
ごとく例えばＡ、Ｂグループのようにそれぞれジ
グザグ状の投下貯留部を形成し、その途中にそれ
ぞれフイラー１０ａを、送り出し側にストツパー
１０ｂ，１０ｃを設けており、図はＡループ側の
管糸を投下するためストツパー１０ｃを開放させ
た場合を示している。ホツパー１０から投下さる
管糸は、保持回転装置１１に把握されて図面で時
計方向に１ピツチ移動され、該移動部において積
極的に回転されると共に該位置から設けられたノ
ズル装置１２によつて口糸が吸引捕促される。口
糸が引き出された管糸は保持回転装置１１から開
放され、その下方にあるシユート１３を介して案
内筒１６に投入される。尚案内筒１６は２つ割れ
式になつており、その下部には摺動退避する保持
板１７が設けられている。よつて投入される口糸
引き出し管糸は案内部１６内において歩持板１７
で支持され、フイラー板１５はこの投入管糸の存
在を検知すると共に引き出された口糸を戻されな
い様に保持する。保持板１７には管糸ボビンの中
空孔に対応する吸引気流の開口が形成されてお
り、この開口は別に設けた吸引ノズル１７ａと保
持板１７の裏側に設けた連管１７ｂで連通してい
る。よつて保持された口糸引き出し管糸にはその
ボビン天穴に吸引気流が形成されている。そして
案内筒１６に投入される管糸の口糸はノズル装置
１２に捕捉されており、投下途中においてこの口
糸は切断器１４に導かれているので、切断器１４
の口糸切断作動によつてこの口糸は保持管糸ボビ
ンの天穴に吸引保持される。そして保持管糸の直
下には空トレイが待機しており、保持板１７を時
計方向に回転することによつて口糸保持管糸はト
レイに挿設される。次いでトレイ送りレバー１８
の作動によつて次の空トレイが待機位置に押し込
まれると共に案内筒１６の送り出し側が開放作動
されて、口糸保持管糸２０を塔載したトレイ２１
が搬送路８に押し出され、駆動ベルト８ａによつ
て前記したごとく送り出される。

他方貯留部５，６には第６図に示すようにそれ
ぞれ到来管糸を検知すると共にこれを計算する検
出装置２２，２３，２４及び２２ａ，２３ａ，２
４ａが設けられると共にその端末側にはストツパ
ー２５，２５ａが配設されている。即ち貯留部５
においては検出装置２２で管糸供給本数を計算
し、検出装置２３が管糸を検知しなくなれば導入
装置９の前記ストツパー１０ｂを開放作動してＢ
グループ管糸を送り出し、前記切替装置１９を反
時計方向に転換する。次いで検知装置２４が貯留
部５の満杯を検知して導入装置９のストツパー１
０ｂを作動させてＢグループの管糸投入を停止す
る。尚検知装置２４と切換装置１９の間隔は管糸
トレイ送り出し搬送路８上、並びに導入装置９内
にある送り込み中の管糸を受け入れる長さを設け
る。

又、検知装置２３ａが管糸を検知しなくなれば
導入装置９のストツパー１０ｃを開放作動して、
Ａグループ管糸を送り出し、切換装置１９を時計
方向に転換する。次いで検知装置２４ａが貯留部
６の満杯を検知して導入装置９のストツパー１０
ｃを作動させて、Ａグループの管糸投入を停止す
る。尚検知装置２４ａと切換装置１９の間隔は管
糸トレイ送り出し搬送路８上、並びに導入装置９
内にある送り込み中の管糸を受け入れる長さを設
ける。

そしてストツパー２５は取出装置３Ｂがコツプ
マガジン１ａに管糸を投入する毎に作動し、投入
した本数づつ主搬送路２へ管糸トレイを送り出
す。ストツパー２５ａは取出装置３ＢがＢグルー
プを１往復して第１図の点線３Baに位置に退避
した時作動し、取出装置３ＢがＢグループを走行
していてＡグループの管糸トレイを送り出せなか
つた間にＡグループの取出装置３Ａがコツプマガ
ジン１ａに管糸を投入した本数だけ主搬送路２へ
管糸トレイを送り出す。

貯留部６よりの管糸トレイ送り出しが完了した
後、再び取出装置３Ｂは退避位置３Baより移動
してＢグループに対する管糸投入を開始する。

尚これらの貯留部における貯留数については、
各グループ毎の糸巻返し処理量によつて自由に選
択できる。

〔発明の効果〕

本発明はこの様にトレイを利用して管糸を自動
巻返機へ送給し、しかも２種類の管糸を巻返えし
グループ毎に供給搬送する様に構成したから、口
糸保持管糸をそのままの姿勢でコツプマガジンへ
供給することができ、口糸乱れや管糸の汚れが全
くない。また異種管糸をグループに仕分けした巻
返えしグループに一列の搬送装置を利用して供給
するようにしたから、ムダなスペースを取らず作
業を阻害するおそれがないと共に自動巻返機を合
理的に利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の概要を示す平面図、第２図は
第１図の下側正面図、第３図は第２図の一部拡大
正面図、第４図は第３図の左側面図、第５図は管
糸搬送の説明見取図、第６図は第１図の一部拡大
平面図、第７図は第６図の他の構成例を示す平面
図、第８図は取出装置の一部側面図、第９図、第
１０図及び第１１図はそれぞれ第８図の切断線
−，−及びXI−XIに沿う矢印方向断面図、
第１２図は第１図の要部拡大平面図、第１３図は
第１２図の右側面図、第１４図は第１２図の下側
正面図、第１５図は第６図における駆動ベルトの
配設説明図である。 １……自動巻返機、２……主管糸供給搬送路、
３……管糸取出供給装置、４……空トレイ排出
路、５……貯留部、６……貯留部、７……空トレ
イ返還上昇搬路、８……管糸トレイ送り出し搬送
路、９……管糸口糸引出導入装置、１０……管糸
貯留ホツパー、１１……管糸保持回転装置、１２
……ノズル装置、１３……シユート、１４……切
断器、１５……規制板、１６……案内筒、１７…
…保持板、１８……トレイ送りアーム、１９……
切替装置、２０……口糸保持管糸、２１……トレ
イ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数のコツプマガジンを列設した１台の自動
   巻返機を２つの巻き返えしグループに区分けして
   それぞれの巻返えしグループ毎に異種管糸を供給
   すると共に該供給管糸を搬送トレイに挿設して供
   給する装置において、コツプマガジン列に沿つて
   １本の主管糸供給搬送路を対設すると共に該主搬
   送路に各巻取グループ毎の管糸取出供給装置を走
   行自在に設け、主搬送路の管糸送り込み側には主
   搬送路並びに異種管糸供給搬送路とした副搬送路
   のそれぞれ管糸塔載トレイ貯留部を列設すると共
   に該副搬送路の貯留部の端末を主搬送路の始端部
   に形成した合流部で接続し、副搬送路の管糸は、
   主搬送路の管糸供給側の巻取グループに対設した
   管糸取出供給装置を主搬送路の貯留部側で前記合
   流部を過ぎた位置に退避させて該巻取グループ側
   を通過させて他側巻取グループに供給する様に構
   成したことを特徴とする自動巻返機への異種管糸
   供給装置。