JPS6217611Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のドアの窓開口の下縁沿い
に、昇降する窓ガラスの室外面に摺接するシール
片を備えたウエザーストリツプ、或いはウエザー
ストリツプとモールが一体が一体となつたウエス
トモールデイング（ベルトモールデイングとも言
い、ウエザーストリツプとウエストモールデイン
グを総称して本書ではシールと記す。）を装着す
るために、窓開口の下縁部を形成するドアパネル
の直立片や、この直立片とその裏に溶接などで重
合して固定された補助片の両片、或いは直立片の
裏に溶接などで固定されて直立片よりも高く突出
する補助片の上向き突出部などの起立縁部に挟圧
固定してシールを装着するプラスチツク製のクリ
ツプの改良に関する。

この様にして窓開口の下縁部を形成する上向き
の金属板に上から押し被せて挟圧固定し、シール
を装着するクリツプは例えば実公昭50−18257号
公報で公知である。しかし、このクリツプは金属
板を複雑に折曲加工するのに手数がかゝることの
他、窓ガラスを上昇させるときにガラスに摺接し
ているシール片が上向きの力を受け、これにより
クリツプがパネルの起立縁部から上に抜けるのを
防ぐためクリツプに斜め上向きに打出した爪をパ
ネルの塗装した外面に引懸ける様にしている。こ
のため爪はパネル外面の塗膜を剥し、長期間のう
ちには塗膜の剥れた部分から発錆して錆がパネル
の外面に水と一緒に流れ出、外観を損じることで
ある。又、このクリツプは装着したシールが車外
から車内方向の力を受けるとグラつくのを有効に
防止することができず、その力が強いときはクリ
ツプごとシールが外れるか、或いはシールがクリ
ツプから外れてしまう。

そこで本考案はクリツプをプラスチツクで成形
して製造上の問題点と、装着時及び使用中にパネ
ルを傷付けて発錆させる虞を無くし、同時にシー
ルをグラ付かせないで装着することができる様に
改良したのである。

以下、図示の一実施例を参照して本考案を説明
すると、１はドアの外側パネルで窓開口の下縁部
より少し下を一旦水平状に曲げて段１′を形成
し、段１′の奥に低い直立片２を設けてある。そ
して直立片の裏側には直立片の上端よりも高く突
出する補強を兼ねた補助片３が溶接などで固定し
てあり、この実施例では直立片上に突出した補助
片の上端部がクリツプを取付けるための起立縁部
４になつている。

しかし、前述した様に起立縁部４はこの図で補
助片３を取付けない場合の直立片２でもよいし、
更には従来例である実公昭50−18257公報に示さ
れている様に直立片２の裏に上端を直立片と揃え
て補強用の補助片を溶接で固定し、直立片と、直
立片を裏打ちする補助片の上端部で形成してもよ
い。

いずれにしても起立縁部４には窓開口の下縁沿
いに適宜の間隔で取付孔５を開設して置く。クリ
ツプＣはプラスチツクで略々Ｒ字形に射出成形さ
れて上端部６で折返した支持片７と挟圧片８を有
し、支持片７は略々真直ぐに下がつて起立縁部４
の背面に全面で摺接する様になつているのに対
し、挟圧片８は上部で支持片７と起立縁部４の板
厚以下の狭い間隔で対向ているが、その間隔は起
立縁部４の板厚とほゞ同間隔であつてもよい。下
半部は斜め外向きに曲がつたアーム９になつてい
る。又、アーム９は挟圧片の両サイドから張出し
てもよい。そして、支持片７と挟圧片８の相対向
した面の一方、こゝでは支持片７の中央部から取
付孔５に突入する爪１０がある。勿論、爪１０は
挟圧片８の支持片７と対向した面から***しても
よい。

シールＳはシール片１１′を備えたゴム質のウ
エザーストリツプ部分１１と、ステンレス板を
略々形に折曲成形したモール部分１２が一体と
なつたウエストモールデイングが示され、モール
部分１２はクリツプＣを跨ぐ様になつている。そ
して、ウエザーストリツプ部分１１はモール部分
の一方の脚条１２ａの外面にインサートモールド
法で成形し、その際、同時に他方の脚条１２ｂの
内向きに曲つた下端を包む保護片１２′も被着成
形する。

又、クリツプは支持片７の下端から上向きに折
返す起立片１３を一体に有し、起立片１３と支持
片７の相対向した面にはウエザーストリツプ部分
に喰込む歯１４が設けてある。更に、上端部６か
らは水平或いは斜上向きに角（つの）１５が突出
する。前述のアーム９は第２図に示した様にシー
ルの脚条１２ｂの内向きに曲がつた下端１２b′の
上に内側から引懸かり、角１５は同脚条１２ｂの
上端部のコーナを内側から支持するのである。

シールを装着するにはシールＳのウエザースト
リツプ部分を起立片１３と支持片７の間隔に押込
みながらシールの溝形内部S′中にクリツプを押込
む。この実施例においては、起立片１３と支持片
７との間隔に押込んで装着する旨を説明したが、
本考案において必要なのは、シールの抜け出しを
防止するという機能を果す構成であればよい。依
つて、支持片及びシールの側部の少なくともいず
れか一つにシール抜け出し防止手段を備えてもよ
い。これにより角１５は撓んで脚条１２ｂの下端
を上に通過し、次にアーム９が撓んで脚条１２ｂ
の下端を上に通過したときウエザーストリツプ部
分の下端は起立片と支持片の折返端に達し、角は
脚条１２ｂの上端部コーナを、アーム９は脚条１
２ｂの内向きの下端を夫々内側から支持する状態
になる。こうして取付孔５の間隔で複数個のクリ
ツプをシールに取付けたら、起立縁部４の上端を
支持片７と挟圧片１８の間に合わせ、上から押込
む。これにより支持片と挟圧片の対向部分は起立
縁部４の上端に上端部６が受止められるまで起立
縁部４を挟圧した状態で下に滑り、それ以上押込
めなくなつた時点で爪１０は取付孔５に係入し、
シールの脚条１２ｂの下端に被着したゴムの保護
片１２′を圧縮してドアパネルの段１′上に当接す
る。

この状態でウエザーストリツプ部１１には歯１
４が喰込み、又、脚条１２b′の下端は内側からア
ーム９で支持されているため窓ガラスＧが上昇す
る際に、その外面にシール片１１′で摺接してい
るシールＳが上向きの力を受けてもシールはクリ
ツプから外れないと共に、クリツプ自身も爪１０
が取付孔５の上縁に引懸るのでドアパネルから外
れない。又、アーム９は外向きに曲がつているの
でシールをクリツプで車体に上から押込んで装着
する際に起立縁部４の上端を支持片と挟圧片の対
向間隔に案内するガイドとなり、その作業性を高
める。

そして、角１５はシールＳが車外から車内に向
かつて力を受けた場合にグラツクのを防ぎ且つそ
の力によつてクリツプの爪１０が取付孔５から外
れるのを防止する。

支持片７と挟圧片８の対向間隔は、こゝでは好
ましくは起立縁部４が補助片３で形成されている
ので補助片３の厚さ以下にしてあるが起立縁部が
直立片で形成されている場合は直立片以下、又、
直立片と補助片で形成されている場合はその合計
厚さ以下にしているが、更には前記の如く起立縁
部の厚さとほゞ同一であつてもよい。そして、こ
の実施例では爪１０は起立縁部４を挟む支持片と
挟圧片の対向部分から下に離して支持片７に設け
てあり、挟圧片の下半部はシールの脚条１２ｂの
下端の折曲部１２b′を係止するため斜め外向きに
傾いたアーム９になつて爪１０からそれているの
でクリツプは非常に成形しやすい。

以上で明らかな様に本考案のクリツプはプラス
チツクで成形されているので量産でき、又、装着
時及び使用中を通じドアのパネルに傷を付けない
ので発錆を防止し、使用中に窓を閉めるためガラ
スが上に移動してもシールを外さないと共に自身
も車体から外れない。

その上、シールをグラ付かさずに装着すること
ができる。

尚、ウエザーストリツプ部分１１には歯１４に
対応した歯を備えさせ、クリツプに取付けたとき
歯同志が噛合う様にしてもよい。又、シールの装
着はシールに対して先にクリツプを取付け、それ
からシールで車体に取付ける場合を述べたが、逆
にクリツプを先に車体に取付け、それからシール
をクリツプに被せる様にして取付けることもでき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の一実施例を示すもので、第１図は
分解状態の斜面図、第２図は装着状態の断面図
で、図中、Ｓはシール、Ｃはクリツプ、１はドア
パネル、４は起立縁部として例示した補助片の上
端部、５は取付孔、６は上端部、７は支持片、８
は挟圧片、９はアーム、１０は爪、１１はシール
の一方の側部として例示したウエザーストリツプ
部分、１２ｂはシールの他方の側部として例示し
た脚条、１３はシールの一方の側部を保持する手
段として例示した起立片、１５は角を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 自動車のドアの窓開口の下縁に起立し、下縁
   沿いに適宜の間隔で取付孔が開設された起立縁
   部に上から押し被せて挟圧固定され、窓開口の
   下縁沿いにシールを装着するシール装着用プラ
   スチツク製クリツプであつて、 支持片の上端部で前下向きに折返し、上記支
   持片との間で前記起立縁部を挟圧する挟圧片を
   有し、上記両片の相対向する面の一方には前記
   取付孔に突入する爪が***すると共に、前記支
   持片の下縁部で後上向きに折返す起立片を備
   え、上記支持片と起立片の相対向した面と、倒
   溝形断面形状のシールの一方の側部の少なくと
   もいずれか一つには、シールの抜けを防止する
   手段を有し、前記挟圧片にはシールの他方の側
   部の下端の上に内側から引懸かゝる可撓のアー
   ムを設けたことを特徴とするシール装着用クリ
   ツプ。 (2) 挟圧片上端部からは、シール上端部のコーナ
   を内側から支持する角が一体に突出しているこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のシール装着用クリツプ。 (3) 可撓のアームは、挟圧片の下部から一体に張
   出していることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のシール装着用クリツプ。 (4) 可撓のアームは、挟圧片の上部側方より張出
   していることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のシール装着用クリツプ。