JPS6210191Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌用シートの位置寄せ構造、特にシ
ートバツク部をシートクツシヨン部側に折畳んだ
状態でシートクツシヨン部を前部方向に回動可能
とした位置寄せ構造に関するものである。

従来、車輌用シートは第１図ないし第５図に示
すように、シートクツシヨン部１とシートバツク
部２とから構成され、特にリヤシートＳについて
はシートクツシヨン部１の前部側下部にヒンジ部
４を設け、このヒンジ部４を支点としてシートク
ツシヨン部１を前部方向に回動可能とし、直立状
態とし、直立状態とすることができるような構造
となつている。これにより車輌の後部空間３側の
スペースを広くすることができ、ここに大きな荷
物等を乗せることができる。この場合、第５図に
示すようにシートクツシヨン部１にはハンドル５
によつて回動自在となつた回動棒６がシートクツ
シヨン部１の幅方向に延長する如く位置され、こ
の回動棒６の両端にはフツク７が設けられ、この
フツク７がシートクツシヨン部１の両サイドに対
応する車室側に設けられた係止ピン８に係止する
ことにより、シートクツシヨン部１が車の振動で
上下動するのを防止することができるもので、こ
の車輌用シートＳを第４図に示すように位置寄せ
するには、第３図に示すようにシートクツシヨン
部１を回動自在に保持するリクライニングデバイ
ス９の操作ハンドル１０を操作することにより、
シートバツク部２を前方に倒してシートクツシヨ
ン部１と一体化し、次にハンドル５を持ち上げる
ことにより回動棒６を回動させ、フツク７をピン
８から解除してそのまま持ち上げることにより、
シートクツシヨン部１をヒンジ部４を支点として
前方に回動させるとシートクツシヨン部１とシー
トバツク部２が一体化状態で車輌の床の上に直立
することになる。

しかしながら従来の車輌用シートの位置寄せ構
造によれば、リクライニングデバイス９の操作ハ
ンドル１０とハンドル５との両者を操作しなけれ
ばならないので、位置寄せの作業が繁雑となつて
しまい、シートＳを迅速に位置寄せすることがで
きないという欠点を有していた。

本考案の目的は、シートクツシヨン部のロツク
を解除するためのハンドルの操作によつてシート
バツク部をシートクツシヨン部側に倒すことがで
きるようにして、上記欠点を除去するものであ
り、以下実施例を用いて詳細に説明する。

第６図は本考案による車輌用シートの位置寄せ
構造の一実施例を示す簡略構造図であり、第５図
と同じものは同一符号を用いている。同図におい
て２０は回動棒６に固定されたレバーであり、こ
のレバー２０にレリーズワイヤ２１のインナーワ
イヤ２２の一端が接続され、このインナーワイヤ
２２の他端はリクライニングデバイス９を構成す
るラチエツト２３に連動する如く接続されてい
る。インナーワイヤ２２が内部に挿入されたアウ
ターワイヤ２４はシートクツシヨン部１の内部に
固定される。又、上記リクライニングデバイス９
は、上記操作ハンドル１０の回動によつて上下動
するラチエツト２３を有し、このラチエツト２３
はシートバツク部側に一体化された回動枠２５の
ギヤ２６に噛み合つてこの回動枠２５及びシート
バツク部を所定の傾斜角に保持することができる
もので、操作ハンドル１０を操作して、上記ラチ
エツト２３を下動してギヤ２６への噛合いを解除
するとシートクツシヨン部がフリーの状態とな
り、これによりシートクツシヨン部１は回動枠２
５に設けられた図示しないリターンバネによつて
前方に倒れてシートクツシヨン部と一体化状態と
なる。本考案によればハンドル５を持ち上げるこ
とにより回動棒６が回動し、これによりレリーズ
ワイヤ２１のインナーワイヤ２２がラチエツト２
３を下動するように構成されているためにラチエ
ツト２３とギヤ２６との噛み合いをハンドル５の
操作によつて容易に外すことができ、シートバツ
ク部２をシートクツシヨン部１方向に倒すことが
でき、ハンドル５を更に持ち上げることによりフ
ツク７がピン８から外れシートクツシヨン部１を
ヒンジ部４を支点として前部方向に倒し、第４図
に示すような直立状態にセツトすることが可能と
なる。

以上説明したように本考案によれば、シートク
ツシヨン部のロツク状態を解除するためのハンド
ル５にレリーズワイヤを介してリクライニングデ
バイスのラチエツトを連動させたので、操作ハン
ドル１０を操作することなくシートバツク部をシ
ートクツシヨン部方向に倒すことができ、従つて
車輌用シートの位置寄せ作業が簡単となり、しか
もこの作業を迅速に行なうことができる。又構造
についても単にレリーズワイヤを設けただけであ
るので簡単な構造となり、低コスト化を図ること
ができる。

尚、本考案においてはハンドル５とラチエツト
２３とをレリーズワイヤを介して連動するものと
して説明したが、リンク又は電磁ソレノイド等を
用いて連動するように構成してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は従来の車輌用シートの位
置寄せ構造の一例を示す側面図、斜視図、第６図
は本考案による車輌用シートの位置寄せ構造の一
実施例を示す簡略構成図である。 １……シートクツシヨン部、２……シートバツ
ク部、４……ヒンジ部、５，１０……ハンドル、
６……回動棒、７……フツク、８……係止ピン、
９……リクライニングデバイス、２０……レバ
ー、２１……レリーズワイヤ、２３……ラチエツ
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 リクライニングデバイスを介してシートバツク
   部が取付けられたシートクツシヨン部をその前部
   側に設けられたヒンジ部を支点として、前部方向
   に回動可能とした車輌用シートの位置寄せ構造に
   おいて、 シートバツク部２の傾斜角度を一定の角度にロ
   ツクするとともに、操作ハンドル１０の操作でシ
   ートバツク部２の上記ロツクを解除してシートバ
   ツク部２を前倒れ可能状態とするリクライニング
   デバイス９と、 シートクツシヨン部１の後部でかつ車幅方向に
   延設された回動棒６と、この回動棒６に設けられ
   てシートクツシヨン部１の後方に突出するハンド
   ル５と、 上記回動棒６に設けられたレバー２０の先端と
   上記リクライニングデバイス９間を連結し、上記
   レバー２０の回動にもとづき当該リクライニング
   デバイスを操作してシートバツク部２を前倒れ可
   能状態とするワイヤ２２と、 上記回動棒６に固定されかつ車室側の係止ピン
   ８に係止して、回動棒６の、リクライニングデバ
   イス９をロツク解除状態とする方向の回動にもと
   づき上記係止ピン８よりはずれるフツク７とから
   成ることを特徴とする車輌用シートの位置寄せ構
   造。