JPS6155571B2 - - Google Patents
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- JPS6155571B2 JPS6155571B2 JP16307982A JP16307982A JPS6155571B2 JP S6155571 B2 JPS6155571 B2 JP S6155571B2 JP 16307982 A JP16307982 A JP 16307982A JP 16307982 A JP16307982 A JP 16307982A JP S6155571 B2 JPS6155571 B2 JP S6155571B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/005—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment of ferrous alloys
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
本発明は、高合金オーステナイト系ステンレス
鋼の健全なホツトコイル表面性状を得るための鋼
片の製造方法に関する。 Cr16〜26%,Ni12〜22%を含有する高合金オ
ーステナイト系ステンレス鋼においては、従来
1280℃程度に均熱された造塊法による前記成分の
鋼塊を十数パスの分塊圧延により鋼片を製造する
場合、鋼片表面に割れを生じ多大な良品歩留の低
下を招いていた。 また連続鋳造鋳片(以下、連鋳鋳片という。)
を分塊圧延機を用いてサイジングを行なう場合に
おいても、従来法では鋳片表面に大割れを生じ熱
間圧延工程に鋼片を供給することができない。た
とえ、鋼片が製造できても歩留が著しく低く工業
的見地から満足に造ることができる方法ではなか
つた。更に従来法には、素材の合金鋼にREM,
Ca等の割れを防止するための成分を添加する手
段があるが、満足な結果は得られなかつた。 上記の割れを防止するために、本発明者らは
種々の調査を行なつた結果、従来法の圧延では圧
延が進行するに従つて鋼塊又は鋳片の表面温度が
低下して、上記高合金オーステナイト系ステンレ
ス鋼の熱間での変形能の低下する領域である1000
℃近傍の表面温度での圧延加工とならざるを得
ず、これがために割れが発生するということが分
つた。 本発明は、Cr:16〜26%,Ni:12〜22%を含
有する高合金オーステナイト系ステンレス鋼鋼片
の製造方法において分塊圧延等の圧延時に発生す
る割れに対し、上述の割れ防止のためのREM,
Ca等の添加物を必要とせず、設備などを現状の
ままにして、割れを防止することができる該鋼片
の製造方法を提供することを目的とする。 すなわち本発明の要旨とするものは、次のとお
りである。 Cr:16〜26%,Ni:12〜22%を含有する高合
金オーステナイト系ステンレス鋼の鋼塊あるいは
連鋳鋳片を均熱し、次いで圧延してその鋼片を製
造する方法において、前記鋼塊あるいは鋳片を
1100℃〜1300℃に均熱した後、950℃以下800℃以
上の表面温度で圧延を開始することを特徴とす
る、高合金オーステナイト系ステンレス鋼鋼片の
製造方法。 以下、本発明について詳細に説明する。 従来法の圧延において発生する割れは鋼塊の場
合、第1図aに示されるように鋼塊表面中央部の
横方向の割れであり、連鋳鋳片の分塊圧延時(サ
イジング加工時)の割れも鋳片表面中央部の横方
向の割れで第1図bのように示される。 すなわち、鋼塊及び連鋳鋳片のいずれの場合
も、割れは、スラブ表面の中央部に集中して発生
しており、コーナ部、エツジ部での発生は比較的
少ない。 高合金オーステナイト系ステンレス鋼は、熱間
における変形能が炭素鋼に比して著しく小さく、
しかも熱間加工温度の低下に伴なつて変形抵抗が
急激に増大して圧延性が悪くなる。そこで通常、
鋼塊又は連鋳鋳片を1100〜1300℃に加熱、均熱し
て圧延を行うのであるが、加熱炉又は均熱炉から
抽出されて圧延ロールに噛み込まれるまでの輸送
途上で表面温度は低下する。実測によると、この
時の鋼片又は連鋳鋳片中央部の表面温度は前述し
た熱間での変形能の低下する領域である1000℃近
傍にまで低下しており、そのため圧延後、割れが
発生している。 しかるに、鋼塊又は連鋳鋳片のコーナ、エツジ
部の表面温度は中央部に比べて更に下がり、950
〜900℃あるいはそれ以下になつているにも拘ら
ず割れの発生は少ない。この一見相矛盾する現象
に着目して、その原因を究明すべく実験を繰り返
えした結果、Cr:16〜26%,Ni:12〜22%を含
有する高合金オーステナイト系ステンレス鋼は
1100℃〜950℃の間では変形能が著しく小さくな
るが、950℃より低温になると変形能は回復の徴
を見せ900℃〜850℃ではかなり大きくなることを
本発明者らは知見した。上記ステンレス鋼の変形
能と温度の関係を第2図に示す。 この知見から、1100℃〜1300℃に加熱均熱され
た上記ステンレス鋼の鋼塊又は連鋳鋳片の表面の
みを空冷もしくは水冷で冷却し、表面温度を950
℃以下にして圧延すれば割れの発生は防止できる
という考えに基づき本発明の創作に至つたのであ
る。このとき、鋼塊又は連鋳鋳片の中心部は1100
℃〜1300℃に均熱されていて、表面温度は950℃
以下であるからその内部には変形能の著しく小さ
い1000℃〜1100℃の温度域が存在することが当然
考えられ、圧延中必然的に内部割れが発生すると
推定されるが、この内部割れは、たとえ発生して
も周囲の大気に直接接触しないため巨大な圧延力
によつて再度堅固に密着して欠陥とはならないこ
とが認められた。 本発明において、鋼塊又は連鋳鋳片の表面温度
の上限を変形能の回復していない950℃としたの
は圧延される時はロールクーラントによつて冷却
された圧延ロールに接触するので、瞬間的に表面
温度は若干低下して変形能の回復温度域に入るか
らであり、これは後述する実施例によつても立証
された。下限の表面温度を800℃以上としたの
は、この温度より低いとたとえ内部の温度が800
℃を超えていても、著しく変形抵抗が増大し、実
際に圧延ができなくなるからである。 また、鋼塊又は連鋳鋳片を輸送途上の温度低下
をみこんで、1100℃未満に加熱、均熱して圧延を
行えば表面割れは発生しないと予想されるが鋼塊
又は連鋳鋳片は全体的に変形抵抗が大きくなり、
大きな圧延力を必要とするので工業的見地からす
れば望ましくない。 変形能が小さくなると割れが発生するのは、鋼
結晶組織における結晶粒界と粒内の強度に大きな
差が生じ、圧延時に粒界が滑り、割れに至ると考
えられる。 したがつて割れは、既述のように鋳造組織を有
するままの高合金オーステナイト系ステンレスの
鋼塊等を加熱して圧延する場合(鋼塊を分塊圧延
する場合、連鋳鋳片をサイジング加工する場合)
に顕著に現れるが一度圧延加工を施し、圧延組織
に変つた鋼片を1100℃〜1300℃に再加熱し再び圧
延を施すときは顕著な割れは発生せず表面をグラ
インダーで仕上げる程度の割れに収まる。 前記のように連鋳鋳片をそのまま、すなわち鋳
造組織を有するままホツトストリツプ圧延ライン
又は厚板圧延ラインの加熱炉に装入し1100℃〜
1300℃に加熱して圧延すると、割れが著しく発生
するので、本発明に従い連鋳鋳片を一度空冷又は
水冷して表面温度を950℃以下800℃以上にして圧
延すればよく、その場合、熱間仕上圧延温度が低
くなりすぎて圧延が不可能になるときは、一度表
面温度を950℃以下800℃以上で圧延を施して連鋳
鋳片の組織を圧延組織にした後、再加熱して最終
板厚まで仕上圧延をすればよい。 次に本発明において対象とする高合金オーステ
ナイト系ステンレス鋼の鋼塊又は連鋳鋳片のNi
及びCr含有量、同鋼塊又は連鋳鋳片の加熱温度
及び圧延開始のときのその表面温度をそれぞれ前
記のとおりに限定した理由を第1表に示す。
鋼の健全なホツトコイル表面性状を得るための鋼
片の製造方法に関する。 Cr16〜26%,Ni12〜22%を含有する高合金オ
ーステナイト系ステンレス鋼においては、従来
1280℃程度に均熱された造塊法による前記成分の
鋼塊を十数パスの分塊圧延により鋼片を製造する
場合、鋼片表面に割れを生じ多大な良品歩留の低
下を招いていた。 また連続鋳造鋳片(以下、連鋳鋳片という。)
を分塊圧延機を用いてサイジングを行なう場合に
おいても、従来法では鋳片表面に大割れを生じ熱
間圧延工程に鋼片を供給することができない。た
とえ、鋼片が製造できても歩留が著しく低く工業
的見地から満足に造ることができる方法ではなか
つた。更に従来法には、素材の合金鋼にREM,
Ca等の割れを防止するための成分を添加する手
段があるが、満足な結果は得られなかつた。 上記の割れを防止するために、本発明者らは
種々の調査を行なつた結果、従来法の圧延では圧
延が進行するに従つて鋼塊又は鋳片の表面温度が
低下して、上記高合金オーステナイト系ステンレ
ス鋼の熱間での変形能の低下する領域である1000
℃近傍の表面温度での圧延加工とならざるを得
ず、これがために割れが発生するということが分
つた。 本発明は、Cr:16〜26%,Ni:12〜22%を含
有する高合金オーステナイト系ステンレス鋼鋼片
の製造方法において分塊圧延等の圧延時に発生す
る割れに対し、上述の割れ防止のためのREM,
Ca等の添加物を必要とせず、設備などを現状の
ままにして、割れを防止することができる該鋼片
の製造方法を提供することを目的とする。 すなわち本発明の要旨とするものは、次のとお
りである。 Cr:16〜26%,Ni:12〜22%を含有する高合
金オーステナイト系ステンレス鋼の鋼塊あるいは
連鋳鋳片を均熱し、次いで圧延してその鋼片を製
造する方法において、前記鋼塊あるいは鋳片を
1100℃〜1300℃に均熱した後、950℃以下800℃以
上の表面温度で圧延を開始することを特徴とす
る、高合金オーステナイト系ステンレス鋼鋼片の
製造方法。 以下、本発明について詳細に説明する。 従来法の圧延において発生する割れは鋼塊の場
合、第1図aに示されるように鋼塊表面中央部の
横方向の割れであり、連鋳鋳片の分塊圧延時(サ
イジング加工時)の割れも鋳片表面中央部の横方
向の割れで第1図bのように示される。 すなわち、鋼塊及び連鋳鋳片のいずれの場合
も、割れは、スラブ表面の中央部に集中して発生
しており、コーナ部、エツジ部での発生は比較的
少ない。 高合金オーステナイト系ステンレス鋼は、熱間
における変形能が炭素鋼に比して著しく小さく、
しかも熱間加工温度の低下に伴なつて変形抵抗が
急激に増大して圧延性が悪くなる。そこで通常、
鋼塊又は連鋳鋳片を1100〜1300℃に加熱、均熱し
て圧延を行うのであるが、加熱炉又は均熱炉から
抽出されて圧延ロールに噛み込まれるまでの輸送
途上で表面温度は低下する。実測によると、この
時の鋼片又は連鋳鋳片中央部の表面温度は前述し
た熱間での変形能の低下する領域である1000℃近
傍にまで低下しており、そのため圧延後、割れが
発生している。 しかるに、鋼塊又は連鋳鋳片のコーナ、エツジ
部の表面温度は中央部に比べて更に下がり、950
〜900℃あるいはそれ以下になつているにも拘ら
ず割れの発生は少ない。この一見相矛盾する現象
に着目して、その原因を究明すべく実験を繰り返
えした結果、Cr:16〜26%,Ni:12〜22%を含
有する高合金オーステナイト系ステンレス鋼は
1100℃〜950℃の間では変形能が著しく小さくな
るが、950℃より低温になると変形能は回復の徴
を見せ900℃〜850℃ではかなり大きくなることを
本発明者らは知見した。上記ステンレス鋼の変形
能と温度の関係を第2図に示す。 この知見から、1100℃〜1300℃に加熱均熱され
た上記ステンレス鋼の鋼塊又は連鋳鋳片の表面の
みを空冷もしくは水冷で冷却し、表面温度を950
℃以下にして圧延すれば割れの発生は防止できる
という考えに基づき本発明の創作に至つたのであ
る。このとき、鋼塊又は連鋳鋳片の中心部は1100
℃〜1300℃に均熱されていて、表面温度は950℃
以下であるからその内部には変形能の著しく小さ
い1000℃〜1100℃の温度域が存在することが当然
考えられ、圧延中必然的に内部割れが発生すると
推定されるが、この内部割れは、たとえ発生して
も周囲の大気に直接接触しないため巨大な圧延力
によつて再度堅固に密着して欠陥とはならないこ
とが認められた。 本発明において、鋼塊又は連鋳鋳片の表面温度
の上限を変形能の回復していない950℃としたの
は圧延される時はロールクーラントによつて冷却
された圧延ロールに接触するので、瞬間的に表面
温度は若干低下して変形能の回復温度域に入るか
らであり、これは後述する実施例によつても立証
された。下限の表面温度を800℃以上としたの
は、この温度より低いとたとえ内部の温度が800
℃を超えていても、著しく変形抵抗が増大し、実
際に圧延ができなくなるからである。 また、鋼塊又は連鋳鋳片を輸送途上の温度低下
をみこんで、1100℃未満に加熱、均熱して圧延を
行えば表面割れは発生しないと予想されるが鋼塊
又は連鋳鋳片は全体的に変形抵抗が大きくなり、
大きな圧延力を必要とするので工業的見地からす
れば望ましくない。 変形能が小さくなると割れが発生するのは、鋼
結晶組織における結晶粒界と粒内の強度に大きな
差が生じ、圧延時に粒界が滑り、割れに至ると考
えられる。 したがつて割れは、既述のように鋳造組織を有
するままの高合金オーステナイト系ステンレスの
鋼塊等を加熱して圧延する場合(鋼塊を分塊圧延
する場合、連鋳鋳片をサイジング加工する場合)
に顕著に現れるが一度圧延加工を施し、圧延組織
に変つた鋼片を1100℃〜1300℃に再加熱し再び圧
延を施すときは顕著な割れは発生せず表面をグラ
インダーで仕上げる程度の割れに収まる。 前記のように連鋳鋳片をそのまま、すなわち鋳
造組織を有するままホツトストリツプ圧延ライン
又は厚板圧延ラインの加熱炉に装入し1100℃〜
1300℃に加熱して圧延すると、割れが著しく発生
するので、本発明に従い連鋳鋳片を一度空冷又は
水冷して表面温度を950℃以下800℃以上にして圧
延すればよく、その場合、熱間仕上圧延温度が低
くなりすぎて圧延が不可能になるときは、一度表
面温度を950℃以下800℃以上で圧延を施して連鋳
鋳片の組織を圧延組織にした後、再加熱して最終
板厚まで仕上圧延をすればよい。 次に本発明において対象とする高合金オーステ
ナイト系ステンレス鋼の鋼塊又は連鋳鋳片のNi
及びCr含有量、同鋼塊又は連鋳鋳片の加熱温度
及び圧延開始のときのその表面温度をそれぞれ前
記のとおりに限定した理由を第1表に示す。
【表】
以下に、本発明の実施例を従来法による比較例
と対比して述べる。 実施例 1 鋼塊寸法が上部断面1232mm×555mm、下部断面
が1160mm×440mmで鋼塊高さ1850mmのSUS310Sの
鋼塊から130mm厚×1065mm幅の鋼片を製造した。
7個の鋼塊の化学成分は同一チヤージで第2表に
示される。
と対比して述べる。 実施例 1 鋼塊寸法が上部断面1232mm×555mm、下部断面
が1160mm×440mmで鋼塊高さ1850mmのSUS310Sの
鋼塊から130mm厚×1065mm幅の鋼片を製造した。
7個の鋼塊の化学成分は同一チヤージで第2表に
示される。
【表】
上記7鋼塊を1280℃で7時間均熱した後、比較
例1では、A,B,C,Dの4鋼塊から従来法に
よつて、つまり、均熱炉より鋼塊を抽出し、直ち
に分塊圧延機に鋼塊を供給し、温度規制すること
なく、通常の分塊圧延を実施して130mm×1065mm
の鋼片に仕上げた。このときの比較例1における
圧延開始時の表面温度は1150℃で圧延仕上り表面
温度は1010℃であつた。 本発明実施例1においては、E,F,Gの3鋼
塊を各々均熱炉から抽出後テーブルライン上で10
分間放冷して表面温度が980℃になつてから通常
の分塊圧延を比較例1と同様に実施し、130mm×
1065mmの鋼片に仕上げた。 上記両側実施の結果、比較例1により製造され
た鋼片表面は、ほぼ全面に圧延方向に対し横方向
のヒビ割れが生じていたが、実施例1により製造
された鋼片表面は、割れの発生が無かつた。 次に、両側により製造された全鋼片に対して、
鋼片の両端のクロツプをせん断して冷却した後、
冷間で自走式グラインダーによる鋼片の研削手入
を実施した。これらの鋼片手入ロスを実施例1と
比較例1とで比較すると、実施例1の鋼片手入ロ
ス(%)の平均値は、比較例1のそれより6.8%
も少ないことが認められた。これにより本発明に
よれば、鋼片手入ロスの改善が可能であることは
明らかである。 実施例 2〜5 連鋳鋳片を分塊圧延によつてサイジング加工し
て鋼片を製造する場合について、本発明と従来法
とによる効果を比較するための実験No.1〜No.3を
行なつた。 各実験での連鋳鋳片の寸法は200mm×1140mmで
あり、これを分塊圧延して135mm×1085mmの鋼片
とした。比較実験は鋳造単位毎に行なつた。第3
表において、各実験No.毎に実施例と比較例とを対
比して実験内容と実験結果を示す。
例1では、A,B,C,Dの4鋼塊から従来法に
よつて、つまり、均熱炉より鋼塊を抽出し、直ち
に分塊圧延機に鋼塊を供給し、温度規制すること
なく、通常の分塊圧延を実施して130mm×1065mm
の鋼片に仕上げた。このときの比較例1における
圧延開始時の表面温度は1150℃で圧延仕上り表面
温度は1010℃であつた。 本発明実施例1においては、E,F,Gの3鋼
塊を各々均熱炉から抽出後テーブルライン上で10
分間放冷して表面温度が980℃になつてから通常
の分塊圧延を比較例1と同様に実施し、130mm×
1065mmの鋼片に仕上げた。 上記両側実施の結果、比較例1により製造され
た鋼片表面は、ほぼ全面に圧延方向に対し横方向
のヒビ割れが生じていたが、実施例1により製造
された鋼片表面は、割れの発生が無かつた。 次に、両側により製造された全鋼片に対して、
鋼片の両端のクロツプをせん断して冷却した後、
冷間で自走式グラインダーによる鋼片の研削手入
を実施した。これらの鋼片手入ロスを実施例1と
比較例1とで比較すると、実施例1の鋼片手入ロ
ス(%)の平均値は、比較例1のそれより6.8%
も少ないことが認められた。これにより本発明に
よれば、鋼片手入ロスの改善が可能であることは
明らかである。 実施例 2〜5 連鋳鋳片を分塊圧延によつてサイジング加工し
て鋼片を製造する場合について、本発明と従来法
とによる効果を比較するための実験No.1〜No.3を
行なつた。 各実験での連鋳鋳片の寸法は200mm×1140mmで
あり、これを分塊圧延して135mm×1085mmの鋼片
とした。比較実験は鋳造単位毎に行なつた。第3
表において、各実験No.毎に実施例と比較例とを対
比して実験内容と実験結果を示す。
【表】
第3表の実験No.1において、前記鋳片から鋼片
の製造に当り鋳片を1250℃で7時間均熱したる
後、鋳片を均熱炉より抽出後、比較例2では直ち
に分塊圧延機に供給し、通常の圧延を各4枚実施
した。このときの平均の圧延開始鋳片表面温度は
1080℃であつたが、全面にヒビ割れが圧延方向に
対し横方向に発生し良品の採取が1枚もできなか
つた。 実施例2では、圧延開始の鋳片表面温度を950
℃とする以外は比較例2と同様の圧延を実施し
た。その結果、鋼片表面の割れの発生はなく、自
走式グラインダーによる全面研削手入ロス(%)
の平均値は3.0%で良好であつた。 実験No.2において比較例3では、1250℃で5時
間均熱し、更に1300℃で3時間均熱し、直ちに分
塊圧延機に鋳片を供給して1104℃と高い表面温度
から圧延を開始し、通常の圧延で前記寸法の鋳片
から前記寸法の鋼片に圧延を行なつた。その結
果、第1図bに示したような幅方向中央部のほぼ
全長にヒビ割れが発生し良品採取ができなかつ
た。 これに対し、実施例3では、圧延開始温度を
862℃まで低下させて、比較例2と同様の圧延を
実施した。その結果、割れの発生はなく、鋼片6
枚の自走式グラインダーによる全面研削手入ロス
の平均値は3.2%で良好であつた。 また、比較例3′では、本発明における均熱の上
限温度1300℃を超える加熱・均熱条件、すなわち
1250℃で4時間、更に1320℃で2時間の加熱の
後、950℃の圧延開始温度とした結果、表面割れ
が発生し、6.2%の手入ロスを要した。 実験No.3は共に低温均熱を行なう場合の従来法
と本発明とで比較を行なうために、実施した。 比較例4においては、1150℃で15時間均熱した
後、直ちに分塊圧延機に鋳片を供給し通常の圧延
を2枚実施した。圧延開始の際の表面温度条件
は、第3表に記載しているとおりであるが、表面
割れの防止を計ることができず。自走式グライン
ダーによる全面研削手入ロスの平均値は6.7%も
要した。 実施例4は、比較例4と同様の均熱及び圧延条
件で、圧延開始の表面温度の調整のみを行なつた
結果、割れ発生のない鋼片の製造ができて、3.1
%の研削ロスで良品を得た。 更に第4表に、本発明における連鋳鋳片の成分
組成範囲内の他の組成から成る連鋳鋳片を分塊圧
延によつてサイジング加工して鋼片を製造した場
合について、従来法による比較例5と本発明の実
施例5とで比較して示した。第4表における連鋳
鋳片の寸法は200mm×1310mmであり、これを分塊
圧延して140mm×1270mmの鋼片とした。
の製造に当り鋳片を1250℃で7時間均熱したる
後、鋳片を均熱炉より抽出後、比較例2では直ち
に分塊圧延機に供給し、通常の圧延を各4枚実施
した。このときの平均の圧延開始鋳片表面温度は
1080℃であつたが、全面にヒビ割れが圧延方向に
対し横方向に発生し良品の採取が1枚もできなか
つた。 実施例2では、圧延開始の鋳片表面温度を950
℃とする以外は比較例2と同様の圧延を実施し
た。その結果、鋼片表面の割れの発生はなく、自
走式グラインダーによる全面研削手入ロス(%)
の平均値は3.0%で良好であつた。 実験No.2において比較例3では、1250℃で5時
間均熱し、更に1300℃で3時間均熱し、直ちに分
塊圧延機に鋳片を供給して1104℃と高い表面温度
から圧延を開始し、通常の圧延で前記寸法の鋳片
から前記寸法の鋼片に圧延を行なつた。その結
果、第1図bに示したような幅方向中央部のほぼ
全長にヒビ割れが発生し良品採取ができなかつ
た。 これに対し、実施例3では、圧延開始温度を
862℃まで低下させて、比較例2と同様の圧延を
実施した。その結果、割れの発生はなく、鋼片6
枚の自走式グラインダーによる全面研削手入ロス
の平均値は3.2%で良好であつた。 また、比較例3′では、本発明における均熱の上
限温度1300℃を超える加熱・均熱条件、すなわち
1250℃で4時間、更に1320℃で2時間の加熱の
後、950℃の圧延開始温度とした結果、表面割れ
が発生し、6.2%の手入ロスを要した。 実験No.3は共に低温均熱を行なう場合の従来法
と本発明とで比較を行なうために、実施した。 比較例4においては、1150℃で15時間均熱した
後、直ちに分塊圧延機に鋳片を供給し通常の圧延
を2枚実施した。圧延開始の際の表面温度条件
は、第3表に記載しているとおりであるが、表面
割れの防止を計ることができず。自走式グライン
ダーによる全面研削手入ロスの平均値は6.7%も
要した。 実施例4は、比較例4と同様の均熱及び圧延条
件で、圧延開始の表面温度の調整のみを行なつた
結果、割れ発生のない鋼片の製造ができて、3.1
%の研削ロスで良品を得た。 更に第4表に、本発明における連鋳鋳片の成分
組成範囲内の他の組成から成る連鋳鋳片を分塊圧
延によつてサイジング加工して鋼片を製造した場
合について、従来法による比較例5と本発明の実
施例5とで比較して示した。第4表における連鋳
鋳片の寸法は200mm×1310mmであり、これを分塊
圧延して140mm×1270mmの鋼片とした。
【表】
比較例5において、前記鋳片から鋼片の製造に
当り、鋳片を1250℃で7時間均熱したる後、鋳片
を均熱炉より抽出後、直ちに分塊圧延機に供給
し、通常の圧延を各4枚実施した。このときの平
均の圧延開始鋳片表面温度は1030℃であつて、全
面にヒビ割れが圧延方向に対し横方向に発生し、
割れ深さも深く、自走式グラインダーによる全面
研削手入ロス(%)の平均値は7.9%にも及ん
だ。 実施例5では、圧延開始の鋳片表面温度を870
℃とする以外は比較例5と同様の圧延を実施し
た。その結果、鋼片表面割れの発生はなく、自走
式グラインダーによる全面研削手入ロス(%)の
平均値2.7%で良好であつた。 なお、表面温度は輻射温度計により実測した。 以上、実施例と比較例に基き、本発明の詳細を
従来法と対比して述べたところから、本発明によ
り従来法において発生する圧延時の割れを防止で
きることが明らかとなつた。 よつて本発明によれば、圧延時の割れの発生が
なくなるので安定して良好な鋼片を製造して熱間
圧延工程に供給することができ、良品歩留の大幅
な向上が可能となつた。
当り、鋳片を1250℃で7時間均熱したる後、鋳片
を均熱炉より抽出後、直ちに分塊圧延機に供給
し、通常の圧延を各4枚実施した。このときの平
均の圧延開始鋳片表面温度は1030℃であつて、全
面にヒビ割れが圧延方向に対し横方向に発生し、
割れ深さも深く、自走式グラインダーによる全面
研削手入ロス(%)の平均値は7.9%にも及ん
だ。 実施例5では、圧延開始の鋳片表面温度を870
℃とする以外は比較例5と同様の圧延を実施し
た。その結果、鋼片表面割れの発生はなく、自走
式グラインダーによる全面研削手入ロス(%)の
平均値2.7%で良好であつた。 なお、表面温度は輻射温度計により実測した。 以上、実施例と比較例に基き、本発明の詳細を
従来法と対比して述べたところから、本発明によ
り従来法において発生する圧延時の割れを防止で
きることが明らかとなつた。 よつて本発明によれば、圧延時の割れの発生が
なくなるので安定して良好な鋼片を製造して熱間
圧延工程に供給することができ、良品歩留の大幅
な向上が可能となつた。
第1図は従来法によつて製造された鋼片におけ
る割れの発生状態を模式的に示した斜視図であ
り、そのaは鋼塊から製造した鋼片、bは連鋳鋳
片から製造した鋼片である。第2図はCr:16〜
26%,Ni:12〜22%を含有する高合金オーステ
ナイト系ステンレス鋼の変形能と温度の関係を示
した図表である。
る割れの発生状態を模式的に示した斜視図であ
り、そのaは鋼塊から製造した鋼片、bは連鋳鋳
片から製造した鋼片である。第2図はCr:16〜
26%,Ni:12〜22%を含有する高合金オーステ
ナイト系ステンレス鋼の変形能と温度の関係を示
した図表である。
Claims (1)
- 1 Cr:16〜26%,Ni:12〜22%を含有する高
合金オーステナイト系ステンレス鋼の鋼塊あるい
は連続鋳造鋳片を均熱し、次いで圧延してその鋼
片を製造する方法において、前記鋼塊あるいは鋳
片を1100℃〜1300℃に均熱した後、950℃以下800
℃以上の表面温度で圧延を開始することを特徴と
する、高合金オーステナイト系ステンレス鋼鋼片
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16307982A JPS5953623A (ja) | 1982-09-21 | 1982-09-21 | 高合金オ−ステナイト系ステンレス鋼鋼片の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16307982A JPS5953623A (ja) | 1982-09-21 | 1982-09-21 | 高合金オ−ステナイト系ステンレス鋼鋼片の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5953623A JPS5953623A (ja) | 1984-03-28 |
JPS6155571B2 true JPS6155571B2 (ja) | 1986-11-28 |
Family
ID=15766779
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16307982A Granted JPS5953623A (ja) | 1982-09-21 | 1982-09-21 | 高合金オ−ステナイト系ステンレス鋼鋼片の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5953623A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62280491A (ja) * | 1986-05-30 | 1987-12-05 | 東京電力株式会社 | プレハブ多孔管推進工法 |
JPH0452832B2 (ja) * | 1986-06-27 | 1992-08-24 | Kanto Denki Koji | |
US11569157B2 (en) | 2019-10-29 | 2023-01-31 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Semiconductor package and method of manufacturing the same |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60149748A (ja) * | 1984-01-13 | 1985-08-07 | Nippon Steel Corp | 熱間加工性の優れたオ−ステナイト系ステンレス鋼 |
-
1982
- 1982-09-21 JP JP16307982A patent/JPS5953623A/ja active Granted
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62280491A (ja) * | 1986-05-30 | 1987-12-05 | 東京電力株式会社 | プレハブ多孔管推進工法 |
JPH0452832B2 (ja) * | 1986-06-27 | 1992-08-24 | Kanto Denki Koji | |
US11569157B2 (en) | 2019-10-29 | 2023-01-31 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Semiconductor package and method of manufacturing the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5953623A (ja) | 1984-03-28 |
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