JPS6146115Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、荷重のあまりかからない手摺の取付
に最適な手摺端部の取付部の構造に関するもので
ある。

手摺は、一般に、例えば壁パネルに座掘りを施
し、該座掘り部分に手摺端部を挿入した後、上記
壁パネル表面からスクリユー釘を上記手摺端部に
斜めに打ち込んで取付けられる。而して、このよ
うな手摺の取付によれば、手摺を壁体に強固に取
付けることができる。しかし、このような手摺の
取付けは、正確で手数のかかる座掘りを行なうた
め施工が容易でなく、又スクリユー釘の頭部が露
呈するため美観上好ましくない。又天井部近傍に
設けた特殊物入棚の手摺等、荷重のあまりかから
ない手摺については上述の如き強固な手摺の取付
が要求されない場合がある。

本考案は叙上の点に鑑みなされたもので、施工
が容易で、且つ美麗な、そして又荷重のあまりか
からない手摺の取付に最適な、手摺端部の取付部
の構造、即ちブラケツトを壁体に固定した後、該
ブラケツトに手摺端部を上方から嵌着した上、壁
面と手摺端面との間に上方からスペーサーを装着
してなる、手摺端部の取付部の構造を提供するも
のである。

以下、本考案の手摺端部の取付部の構造を図面
に示す一実施例について説明する。

図面において、１はブラケツト、２は手摺、３
はスペーサーであり、本考案の手摺端部の取付部
の構造は、これらの部材を主体として後述する態
様により第１図に示す如く手摺２を壁体４に取付
けて構成してある。

ブラケツト１は横断面略Ｔ字型形状となしてあ
り、垂直基板１０の片面略中央部に垂直係止板１
１を突設して構成してある。そして垂直基板１０
には垂直係止板１１を挾んで両側に適宜数のビス
止め孔１０′，１０′……を設けてあり、垂直係止
板１１にはその両面に多数の係止爪１１′，１
１′……を形成してある。該係止爪１１′，１１′
……は、この場合、垂直係止板１１に多数のＶ字
溝を形成し、Ｖ字溝に囲まれる部分を垂直係止板
の左右に斜めに曲げ起して形成してある。このよ
うに係止爪１１′，１１′……を形成することによ
り、手摺端部の垂直係止板１１への嵌合を容易と
しその離脱を困難とすることができる。

又、上記手摺２には、その手摺端部に手摺端面
及び手摺下面に亘り細長形状の垂直係止溝２０を
設けてある。該垂直係止溝２０は、上記ブラケツ
ト１の垂直係止板１１への嵌合係止上、その巾が
垂直係止板１１の厚さよりも大きく且つ垂直係止
板１１両側の係止爪１１′，１１′先端間の巾（垂
直係止板１１の厚さ方向）よりも小さくなしてあ
り、又垂直係止板１１の隠蔽上、その手摺２の長
手方向に沿つて奥行が垂直係止板１１の横方向の
長さと略等しくなしてあり、且つ高さが垂直係止
板１１の高さよりも大きくなしてある。又、手摺
２の端面は垂直基板１０の大きさより大きくなし
てあつて且つ垂直係止溝２０は該端面及び手摺下
面の巾方向略中央部に位置させて設けてあり、こ
れによつて手摺取付時において垂直基板１０の周
縁部が手摺外周面から突出し外観が損われるのを
防止するようになしてある。尚、２１は、手摺２
の下面にその端部を除き形成した、手摺子５，
５，……頭部の隠蔽溝で、内部に多数の手摺子
５，５，……の頭部を適宜間隔で緊結できるよう
になしてある。

又、上記スペーサー３は、この場合軟質塩化ビ
ニール樹脂で形成した矩形状の基板の巾方向中央
部に下向きの細長形状の垂直切欠部３０を形成し
て構成してある。該垂直切欠部３０は、前記垂直
係止板１１への嵌合上、その巾が垂直係止板１１
の厚さよりも若干大きくなしてあり、その長さ
（高さ）が垂直係止板１１の高さよりも若干大き
くなしてある。又上記スペーサー３の大きさは、
垂直係止板１１への垂直切欠部３０の嵌合時にお
いて手摺外周面から突出しないように且つ前記垂
直基板１０を目立たすことのないように、手摺端
面の大きさに等しいかこれより若干小さくなして
あり、垂直基板１０の大きさよりも大きくなして
ある。又上記スペーサー３の厚さは、手摺端面と
壁面、実施例の場合更に厳密にいえば手摺端面と
垂直基板１０との間に装着、好ましくは圧嵌して
手摺の取付の万一のガタ付等も防止できる大きさ
となしてある。

而して、本考案の手摺端部の取付部の構造は、
第１図に示す如く上記ブラケツト１を、その上記
垂直基板１０を壁面に当接させてビス６，６，…
…止め等の手段により固定し、上記手摺２を、そ
の垂直係止溝２０を上記ブラケツト１の上記垂直
係止板１１に上方から嵌合させ係止爪１１′，１
１′に係止させて上記ブラケツト１に固定し、且
つ上記スペーサー３を、その垂直切欠部３０を上
記ブラケツト１の上記垂直係止板１１に上方から
嵌合させて上記壁面と手摺端面との間に装着して
構成してあり、施工順序も通常この順序で行なわ
れる。

尚、上述の構成においてスペーサー３を一層柔
軟性に富むものとすれば垂直基板１０と手摺端面
との間だけでなく上記壁面から手摺端面に亘り隠
蔽することができる。もつとも垂直基板１０を必
ずしも隠蔽しなくても外観上の問題は生じない
が、垂直基板１０を隠蔽する場合、他の手段とし
てスペーサー３の一面に垂直基板隠蔽部（図示せ
ず）を突出形成することもできる。尚又、手摺子
５，５，……の取付は、通常ブラケツト１への手
摺２の取付後に行なわれる。

叙上の如く、本考案の手摺端部の取付部の構造
は、ブラケツトを壁体に固定した後、該ブラケツ
トに手摺端部を嵌着した上、壁面と手摺端面との
間に上方からスペーサーを装着してなるものであ
るから、手摺の取付を容易に実施できると共に、
スペーサーによりブラケツト固定のためのビス等
の固定具を隠蔽して外観を美麗にできる等の効果
を有し、充分な強度で手摺を壁体に固定できるも
のの特に荷重のあまりかからない手摺の取付に最
適なものであり、その実用的価値が極めて高いも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はその側面図、第２図はその分解斜視図である。 １……ブラケツト、２……手摺、３……スペー
サー、４……壁体、１０……垂直基板、１１……
垂直係止板、１１′……係止爪、２０……垂直係
止溝、３０……垂直切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直基板の片面略中央部に垂直係止板を突設し
   該垂直係止板の両面に多数の係止爪を形成した断
   面略Ｔ字型形状のブラケツトを、上記垂直基板を
   壁面に当接させてビス止め等の手段により壁体に
   固定し、手摺端部に手摺端面及び手摺下面に亘つ
   て設けた細長形状の垂直係止溝を有する手摺の該
   手摺端部を、その垂直係止溝を上記垂直係止板に
   嵌合させて上記ブラケツトに固定し、且つ、下向
   きの細長形状の垂直切欠部を有するスペーサー
   を、その垂直切欠部を上記垂直係止板に嵌合させ
   て上記壁面と上記手摺端面との間に装着したこと
   を特徴とする手摺端部の取付部の構造。