JPS6037965Y2 - 手摺用ブラケツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、壁等の壁面に配設される手摺を支持するため
の手摺用ブラケットの改良に関する。

従来この種の手摺用ブラケットとしては、壁面に固着さ
れる鍔状の取付基部と、この取付基部の表面側から突出
し、かつ手摺本体を支持する支持部とから成るものがあ
り、このような手摺用ブラケットを取付ける際に通常採
られる手段としては、取付ける壁面の材質がコンクリー
ト酸、木製等を問わず、壁面の所定個所に予め植設した
アンカボルトを上記取付基部の略中央部に穿設しである
ボルト貫通孔に挿通させると共に、このアンカボルトを
ナツトで螺合係止することにより手摺用ブラケットを壁
面に固着するようにしていた。

然しなから、このような従来の手摺用ブラケットにあっ
ては、壁面の材質如何に拘らずその取付けをアンカボル
トを用いて行ついたが、このアンカボルトを用いた手摺
用ブラケットの取付作業は壁面にアンカボルトを植設す
る等比較的面倒なものであり、特に壁材が木製等であっ
て、釘打ち施工が可能なものにあってはアンカボルトを
用いるまでもなく、釘打ちによる取付けを可能にし、取
付作業を簡略化したいという要請が強かった。

本考案は以上の観点に立って為されたものであって、そ
の目的とするところは、取付基部の裏面周縁に適宜数の
案内凹部を設けて薄肉部を形成することにより、壁材が
木製等であって釘打ち施工の可能な場合にあっては、前
記薄肉部を穿設して釘等の止着具を挿通可能として手摺
用ブラケットの取付作業性を簡略化できると共に、壁材
がコンクリート酸等であって釘打ち施工の不可能な場合
にあっては、外観品質を損うことな〈従来と同様なアン
カボルトを用いた取付は可能とした手摺用ブラケットを
提供することにある。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて本考案を詳細に
説明する。

第１図乃至第３図に示す実施例に於いて、手摺用ブラケ
ットＢは、壁面１に固着される鍔状の取付基部２と、こ
の取付基部２の表面側から突出し、かつ手摺本体３を支
持する支持部４とをアルミニウム等を用いて一体的に形
成したものである。

上記実施例に於いて、取付基部２は、壁面１に当接する
略矩形状の鍔部５と、この鍔部５の表面側路中央部にお
いて側方に突出する突出部６とから成るものであって、
この取付基部２の略中央部には突出部６及び鍔部５を貫
通するボルト貫通孔７が穿設されており、このボルト貫
通孔７はその途中において段状になっていて、取付基部
２の表面側のボルト貫通孔７の孔径が大きく形成されて
いる。

そして、取付基部２の裏面、即ち、鍔部５の裏面の上縁
及び左右両側縁略中央部には第２図及び第３図に示すよ
うに、円形状の案内凹部８が形成されていて、この案内
凹部８の底面と鍔部５の表面との間が薄肉部９として形
成されている。

又、上記支持部４は、取付基部２の突出部６先端より二
叉に分かれて上方へ突出して形成されており、この支持
部４の先端には壁面１と略平行に伸びる断面略矩形状の
支持片１０が形成されていて、この支持片１０は、手摺
本体３のガイドレール１１の溝部１２に嵌合するように
なっている。

更に、上記支持部４に取付けられる手摺本体３は、断面
コ字状であってかつ下方側に溝部１２を有するガイドレ
ール１１と、このガイドレール１１を覆うように装着さ
れる合成樹脂製の被覆体１３とで構成されており、この
被覆体１３は、ガイドレール１１の両側に形成した切込
部１４に食込んだ状態でガイドレール１１に嵌着されて
いる。

そして、この手摺本体３は、第１図及び第２図に示すよ
うに、壁面１の適宜個所に予め手摺用ブラケットＢを固
定し、この手摺用ブラケットＢの支持部４に形成した支
持片１０．１０にガイドレール１１の溝部１２が嵌合す
るように、ガイドレール１１を上方向から被せると共に
、ガイドレール１１の側方からガイドレール１１と支持
片１０゜１０とをビス止め固定した後、上記ガイドレー
ル１１に被覆体１３を嵌着して上記手摺用ブラケットＢ
に固定される。

従って、この実施例に係る手摺用ブラケットによれば、
第２図及び第４図に示すように、壁材Ｗが木製の場合に
あって、手摺用ブラケットＢを壁面１に固定する場合に
は、取付基部２の鍔部５に形成した薄肉部９において、
釘１５の径に対応した挿通孔１６を穿設し、該挿通孔１
６を通じて釘１５あるいはビス等の止着具を壁材Ｗに打
込めばよい。

尚、第２図において１７は壁材Ｗの裏面に配設される胴
縁である。

又、第５図に示すように、壁材Ｗが例えばコンクリート
製のものであって、釘打ち施工が不可能な場合における
手摺用ブラケットＢの取付けは、取付基部２のボルト貫
通孔７を通じてアンカボルト１８を用いて行われるが、
この実施例におけるアンカボルト１８は、その基部が係
止片１８ａを回動自在にビン１８ｂ接合したものとして
形成されており、このアンカボルト１８を用いた取付け
は、取付基部２のボルト貫通孔７と壁材Ｗの取付孔３０
とを相互に一致させた状態で手摺用ブラケットＢを壁面
１に保持し、次いでねじ部１８ｃに予めナツト１９を装
着したアンカボルト１８を取付基部２の表面側からボル
ト貫通孔７及び壁材Ｗの取付孔３０内に挿通させ、係止
片１８ａが第５図に示すような壁材Ｗの裏面に係止され
た状態になった時、ナツト１９をボルト貫通孔７の段部
２０に当接するまで締め付けることによって行われる。

この場合において、従来と同様に、壁面１に予めアンカ
ボルト１８を植設しておき、このアンカボルト１８を取
付基部２のボルト貫通孔７内に挿通係止させて手摺用ブ
ラケットＢを取付けてよいことは勿論である。

尚、第５図中、２１はボルト貫通孔７内を隠蔽するため
のめくら栓である。

このとき、取付基部２の裏面は壁面１に密接しているの
で、取付基部２の裏面に形成した案内凹部８は外部から
見えず、しかも薄肉部９において挿通孔１６を穿設する
必要がなく、手摺用ブラケットＢの外観品質が損われる
ということは防止される。

尚、上記実施例においては、取付基部２の裏面周縁に個
々に案内凹部８を形成しているが、必ずしもこれに限定
されるものではなく、取付基部２の裏面周縁全域に亘っ
て溝状の案内凹部８を形成してもよい。

又、上記実施例においては、取付基部２と支持部４とが
一体的に形成された手摺用ブラケットＢに本考案を適用
したものを示したが、壁面１と手摺本体（図示せず）ま
での距離を調整可能とした手摺用ブラケットＢ１例えば
、第６図に示すように、取付基部２と支持部４とを嵌合
可能に別体に形成し、取付基部２のボルト貫通孔７には
雌ねじ部２２を形成すると共に、この雌ねじ２２に螺合
する雄ねじ部２３を備え、かつ内部に雌ねじ部２４を有
する筒状のアジャスタ２５を取付基部２に取付け、固定
ボルト２６をアジャスタ２５の雌ねじ部２４に螺合させ
ることにより支持部４を取付基部２に固定するようにし
た手摺用ブラケットＢに本考案を適用してもよいことは
勿論である。

更に、上記実施例においては、支持部２の支持片１０は
断面矩形状に形成されているが、例えば、第７図及び第
８図に示すように、支持片１０を断面Ｔ字状に形成腰そ
のフランジ部２７を支持片１０の長手方向に夫々突設す
ると共に、この突設されたフランジ部２７に取付２８を
夫々穿設しておく場合には、上記支持片１０の断面形状
に対応した溝部１２を有するガイドレール１１に予め被
覆体１３を嵌着して手摺本体３を形成した後、上記支持
片１０にガイドレール１１の溝部１２が嵌合すべく、手
摺本体３をスライドさせて手摺用ブラケットＢに取付け
、しかる後、上記支持片１０の取付孔２８を通じて手摺
本体３の下方から手摺用ブラケットＢと手摺本体３とを
ビス２９止め固定することが可能になる。

即ち、支持片１０のフランジ部２７とガイドレール１１
の溝部１２との嵌合状態により、手摺本体３は、手摺用
ブラケットＢに対してその上下方向の位置規制が為され
ており、ビス２９止め時において手摺本体３が手摺用ブ
ラケットＢに対して上方に移動することはなく、取付作
業が容易になる。

以上説明してきたように、本考案に係る手摺用ブラケッ
トによれば、取付基部の裏面周縁に適宜数の案内凹部を
設けて薄肉部を形成したので、壁材が木製等であって釘
打ち施工が可能な場合には、アンカボルトを用いること
なく、前記薄肉部を穿設して釘等の止着具を挿通可能に
してその取付作業を簡略化できると共に、壁材がコンク
リート製等であって釘打ち施工が不可能である場合には
、案内凹部の存在が外部に露呈することなく外観品質を
維持した状態で、従来と同様にアンカボルトを用いた取
付けが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る手摺用ブラケットの一実施例を示
す正面図、第２図は第１図中■−■線断面図、第３図は
第１図に示す手摺用ブラケットの取付基部の裏面の構造
を示す説明図、第４図は木製の壁材における本考案に係
る手摺用ブラケットの取付状態を示す第２図中Ａ部拡大
図、第５図はコンクリート製の壁材における本考案に係
る手摺用ブラケットの取付状態を示す断面図、第６図は
本考案に係る手摺用ブラケットの変形例を示す断面図、
第７図は本考案に係る手摺用ブラケットの支持部におけ
る変形例を示す斜視図、第８図は第７図に示す手摺用ブ
ラケットと手摺本体との取付は状態を示す説明図である
。 Ｗ・・・・・・壁材、Ｂ・・・・・・手摺用ブラケット
、２・・・・・・取付基部、３・・・・・・手摺本体、
４・・・・・・支持部、８・・・・・・案内凹部、９・
・・・・・薄肉部、１５・・・・・・釘、１６・・・・
・・挿通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁面に固着される鍔状の取付基部と、この取付基部の表
   面から突出し、かつ手摺本体を支持する支持部とから成
   り、上記取付基部の略中央部に穿設されたボルト貫通孔
   に壁材に植設されるアンカボルトを挿通係止して壁面に
   取付けられるようにした手摺用ブラケットに於いて、上
   記取付基部の裏面周縁には適宜数の案内凹部を設けて薄
   肉部を形成腰この薄肉部を穿設して釘等の止着具を挿通
   できるようにしことを特徴とする手摺用ブラケット。