JP2524104Y2 - パネル係止部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願は、間仕切り壁を構成する場
合の支柱にパネルを係止するパネル係止部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、室内を区画する場合に使用する間
仕切り壁の構造は、天井に固定する上枠部材と、床面に
固定する下枠部材との間に支柱を立設し、かつ、この支
柱間に横桟を取り付けて枠組みし、その両面に、パネル
係止部材を介してパネルの下部を係止し、かつ、内目地
によりパネルの上部を止着してパネルを取り付け、か
つ、左右のパネル間に形成された溝に外目地を取り付け
ることにより構成されており、前記した間仕切り壁にお
けるパネル係止部材は、縦長方形状の金属製板材を横断
面コ字状に折曲して当片の左右に夫々側片を一体に設け
ると共に、その左右側片の上下縁の前面寄りに後向きに
傾斜した台形状の突片を、また、当片の上下縁に前方に
突出する折片を設け、さらに、当片の上下部に取付用の
孔を夫々穿設して成り、使用に際しては、パネル係止部
材の当片を支柱の取付面に重合し、かつ、ねじを孔を介
して支柱に螺合することにより、支柱の下部前面にパネ
ル係止部材を取り付け、この状態でパネルの左右側面に
形成した切欠凹部を前方から前記パネル係止部材の側部
に夫々介入すると共に、切欠凹部の上縁をパネル係止部
材の左右側片上縁に突出した突片に夫々係止して左右の
パネルを支持するものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、前記した従
来の構成によれば、支柱にパネルを取り付ける際に、支
柱に設けたねじ孔に、パネル係止部材の当片に設けた取
付用の孔を合致させて、これらをねじ止めするものであ
るから、ねじ止め作業に手数を要してパネルの取り付け
が面倒であるという欠陥があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで本願は、前記した
従来の欠陥を解消するために、横断面コ字状に屈曲さ
れ、その左右側片の上縁の前面寄りに、上方に突出する
突部を夫々設け、かつ、左右側片の上部後縁に、支柱の
取付面に設けた左右一対の係合孔と係合する頸部と、そ
の後端から上下方向に延び、かつ、前記係合孔に挿入可
能であって、支柱の取付面の内面に係止する頭部とを一
体に有する垂直状の係合舌片を夫々設けたことを特徴と
するものであり、前記した構成において、支柱に対しパ
ネル係止部材がガタ付きを生じないように、頭部の前縁
と、側片の後縁との間隔を、支柱の取付面の材厚に適合
するように設定して成るものである。

【０００５】

【作用】しかして、使用に際しては、支柱の取付面に対
しパネル係止部材を傾けた状態で、前記取付面に設けた
左右一対の係合孔に係合舌片をその頭部上端から挿入し
たのち、パネル係止部材を垂直状に回動すると、係合舌
片の頭部が支柱内に没入して左右側片の後縁が支柱の取
付面に当接し、かつ、該取付面は係合舌片の頭部前縁と
側片の後縁との間に挟持されると共に、頸部が係合孔に
係合する。このようにして支柱にパネル係止部材を取り
付けたのち、これに左右のパネルの下部左右側面を夫々
係止するものである。

【０００６】

【実施例】以下本願の実施例を図面について詳述する
と、図５は、天井に固定する断面下向きコ字状の上枠部
材１と、床面に固定する断面上向きコ字状の下枠部材２
との間に角筒状の支柱３・・・を立設し、隣接する支柱
３，３間に横桟４を取り付けて枠体５を構成し、かつ、
支柱３の前面下部にパネル係止部材６を取り付けて支柱
３の下部でパネル７の下部を支持し、次いで、内目地８
を介して支柱３の上部とパネル７の上部とを止着するこ
とにより枠体５の前後面にパネル７を取り付けて成る間
仕切り壁Ａの構成を示しており、前記パネル係止部材６
を取り付ける支柱３の取付面３ａの下部には、上下に長
い左右一対のスリット状の係合孔９が上下方向に隔設し
てあり、前記支柱３は、その上下端部を上枠部材１と下
枠部材２との内部に夫々介入することにより立設され
る。

【０００７】前記パネル係止部材６は、方形状の金属板
を横断面コ字状に切曲して、その閉じ片１０の左右側縁
に、側片１１を一体に設けて成り、閉じ片１０の上縁に
は内方に突出する折片１２を有すると共に、左右側片１
１の上縁の閉じ片１０寄りに、後縁１３ａが傾斜する先
細状の突部１３を夫々設け、さらに左右の側片１１，１
１の後縁１１ａに、その上部から後方に延びて、前記支
柱３に設けた係合孔９に係合する係合舌片１４と、この
係合舌片１４の直下に位置して、支柱３の取付面３ａに
対する係合舌片１４の係合操作を容易にするための切欠
部１５が夫々設けてある。

【０００８】前記係合舌片１４は、図３で明らかなよう
に係合孔９に嵌合すると共に、側片１１の後縁１１ａか
ら支柱３の取付面３ａの材厚ｔに相当する長さ丈突出す
る頸部１６と、前縁１７ａが前記頸部１６の後端上下縁
から、上下方向に垂直状に延び、かつ、上部を長く形成
すると共に、後縁１７ｂが円弧状に形成されて、上端が
先細状に形成された頭部１７とから構成されている。

【０００９】前記パネル７は従来と同様に、金属板から
成る方形状の前面板１８の各周縁に、後方に夫々折曲す
る枠片１９を一体に有し、かつ、その左右側面の枠片１
９ａはＶ字状に折曲されており、そのＶ字状に折曲され
た突条片２０の下部に前記パネル係止部材６に嵌合する
コ字状の切欠凹部２１を夫々設けると共に、前記前面板
１８の内面に所要の裏打材２２を充填して成り、また前
記内目地８は前面板２３の左右側縁に、Ｖ字状に折曲し
て後方に延びると共に、前記パネル７の突条片２０を介
入可能な左右側片２４を設けた金属片から成り、その前
面板２３に透孔２５が隔設してある。２６は左右に配置
されたパネル７の間に形成された溝内に装着される断面
コ字状の長尺な外目地である。

【００１０】しかして、間仕切り壁の構成に際しては、
支柱３の取付面３ａに設けた左右一対の係合孔９，９
に、パネル係止部材６の左右一対の係合舌片１４を対向
させると共に、図３の仮想線で示すようにパネル係止部
材６を傾けた状態で頭部１７をその先細状の上端から係
合孔９，９内に介入したのち、これを垂直状に回動して
下げる。すると、頭部１７が支柱３内に没入してその前
縁１７ａが取付面３ａの内面に、かつ、側片１１の後縁
１１ａが取付面３ａの外面に夫々当接して、取付面３ａ
が頭部１７と側片１１の後縁とにより挟持されて、頸部
１６が係合孔９に嵌合する。

【００１１】このようにして支柱３の下部にパネル係止
部材６を夫々取り付けたのち、左右のパネル７の各側面
の突条片２０に設けた切欠凹部２１，２１にパネル係止
部材６の左右側部が夫々介入するように、ハネル７の側
部を前記支柱３，３の取付面３ａに夫々押し当てて押し
下げると、図３の実線で示すように、パネル係止部材６
の突部１３に切欠凹部２１の上縁が係合して、左右パネ
ル７は支柱３の取付面３ａに支持される。次いで従来と
同様に内目地８により左右で対峙する前記パネル７の側
面に設けた突条片２０の上部を係合連結し、かつ、透孔
２５を介して支柱３の取付面３ａにねじ止めすることに
より、左右のパネル７の上部を支柱３の上部に止着し、
さらに支柱３と取付面３ａで隣接するパネル７，７の相
互間に形成された溝に外目地２６を装着して間仕切り壁
Ａの構成を終了するものである。

【００１２】

【考案の効果】以上のように本願によれば、支柱に設け
た係合孔に係合舌片を係合する簡単な操作によりパネル
係止部材を支柱に対し取り付けることができるので、従
来のようにねじなどによる止着作業が省略できてパネル
の取付作業に極めて便利であり、特に請求項２記載の構
成によるときは、パネル係止部材を支柱に対しガタの生
じない状態に取り付けることができるという利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部省略した間仕切り壁の分解斜視図である。

【図２】一部切欠したパネル係止部材の正面図である。

【図３】パネル係止部材の使用状態を示す縦断側面図で
ある。

【図４】パネル係止部材の使用状態を示す横断平面図で
ある。

【図５】一部切欠した間仕切り壁の斜視図である。

【符号の説明】

３ 支柱 ３ａ 取付面 ６ パネル係止部材 ９ 係合孔 １１ 側片 １１ａ 後縁 １３ 突部 １３ａ 後縁 １４ 係合舌片 １６ 頸部 １７ 頭部 １７ａ 前縁

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 横断面コ字状に屈曲され、その左右側片
   の上縁の前面寄りに、上方に突出する突部を夫々設け、
   かつ、左右側片の上部後縁に、支柱の取付面に設けた左
   右一対の係合孔と係合する頸部と、その後端から上下方
   向に延び、かつ、前記係合孔に挿入可能であって、支柱
   の取付面の内面に係止する頭部とを一体に有する垂直状
   の係合舌片を夫々設けたことを特徴とするパネル係止部
   材。
2. 【請求項２】 頭部の前縁と、側片の後縁との間隔を、
   支柱の取付面の材厚に適合するように設定して成る請求
   項１記載のパネル係止部材。
3. 【請求項３】 突部が先細状となるように、その後縁を
   傾斜させて成る請求項１または２記載のパネル係止部
   材。