JPS6136166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は殊に玄米を美味しく炊くための炊飯器
に関する。

近年、食生活に於いてはいわゆる健康食ブーム
で、玄米ご飯の良さが見直されている。然しなが
ら従来、普通の炊飯器を使つて玄米を美味しく炊
くことはできず、どうしてもパサパサ気味になつ
て食し難い拙い炊き上がりしか得られないという
欠点があつた。

本考案は上述の如き事情に鑑みてなされたもの
であり、従つてその目的は、玄米をしつとり美味
しく炊くことのできる炊飯器を提供するにある。

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明するに、先ず第１図に於いて、１は器枠、２は
器枠１の内下部に配置した受盤であり、この受盤
２上に環状のシーズ線等から成る炊飯用ヒータ３
を配設し、又、受盤２の中央部から器枠１外方の
スイツチカバー４にかけては周知の炊飯検知用熱
動スイツチ機構５を配設している。そして一方、
６は釜で、これは特に本実施例の場合器枠１内に
収めて受盤２上に配置した外釜６ａと、更にこの
外釜６ａ内に収めてその内底面上に配置した内釜
６ｂとから成るものにて、７は斯様な釜６の蓋、
８は蓋７を押えるクランプ機構である。而して、
９は上記熱動スイツチ機構５と並べて器枠１のス
イツチカバー４部分に配置したタイマーであり、
その操作摘み９ａを第２図に示す。尚この他、第
２図中５ａは熱動スイツチ機構５の操作摘み、１
０はパイロツトランプである。さて、上記タイマ
ー９は、操作摘み９ａの他に該摘み９ａによつて
巻きセツトされる図示しないぜんまいばね等の駆
動源によつて開閉される第３図のタイマースイツ
チ９ｓとを有して成るもので、その開閉パターン
は第４図ａに示す如くであり、従つてタイマース
イツチ９ｓはセツト操作を受けてから最初前記熱
動スイツチ機構５が動作する前の例えば最大50
〔分〕間閉成し、次の例えば20〔分〕間開放し
て、その後に再び閉成し該閉成状態を維持する様
になつている。尚、斯様なタイマースイツチ９ｓ
に対して、第３図中５ｓは前記熱動スイツチ機構
５のスイツチ本体である。

さて、上記の様な構成とした本実施例の場合、
釜６ｂ内釜６ｂ内には例えば３カツプの玄米に対
して５カツプの水を入れ、一方、外釜６ａと内釜
６ｂとの間には２カツプの水を入れて、蓋７をし
該蓋７をクランプ機構８により押え付けた状態に
て、次にタイマー９の操作摘み９ａを第２図に示
す「玄米」、更には「３」，「２」，「１」となる中
の玄米収容量に合つた位置にセツト操作し、そし
て熱動スイツチ機構５の操作摘み５ａを同図に示
す「ON」位置にセツト操作すると、前述の如く
最初に閉成するタイマースイツチ９ｓ及び上記熱
動スイツチ機構５のスイツチ本体５ｓを介してヒ
ータ３が通電されるので、これにより該ヒータ３
が発熱し炊飯を開始する。而して斯様に開始され
た炊飯につき、これが例えば50〔分〕という一定
時間行なわれると、ここでタイマースイツチ９ｓ
が開放するのでヒータ３も断電されて発熱を停止
し、故にその後タイマースイツチ９ｓが再び閉成
するまでの例えば20〔分〕間、内釜６ｂ内の玄米
は加熱されずたゞ蒸らされて多くの水分が含めら
れる。そしてタイマースイツチ９ｓが閉成する
と、ヒータ３は再び通電されて再発熱し、これに
伴つて釜６殊に外釜６ａ内から水が無くなつてか
らは急激に上昇する該外釜６ａの温度を検知して
動作する熱動スイツチ機構５がスイツチ本体５ｓ
を開放させるので、ヒータ３もその通電を完全に
断たれて発熱を停止し炊飯を終了せしめる。尚、
以上に於いてのヒータ３の電力量（発熱量）の変
化を第４図ｂに示し、外釜６ａの温度の変化を同
図ｃに示す。

以上の様に本実施例によれば炊飯の途中ヒータ
３の発熱を一時停止させることによつて行なう蒸
らしにより玄米に多くの水分を含ませ得るもの
で、斯様に多くの水分を含んで炊かれる玄米はも
はや従来とは違つてパサパサ気味にならずしつと
り美味しく炊かれるものであり、よつて又、美味
しく食すことができる。

尚、釜６を外釜６ａと内釜６ｂとにより構成し
てその両者間に水を入れて炊飯するいわゆる間接
炊きを行なう様にした上記実施例によれば、その
水によつて得られる蒸気により玄米のパサつきを
一層有効に防止し得るものであり、よつて玄米を
一段と美味しく炊くことができる。又、上記実施
例にあつてはタイマー９のタイマースイツチ９ｓ
が閉成し続ける「炊飯」の位置に於いて熱動スイ
ツチ機構５のみ普通に操作することにより、通常
の炊飯も所望に行なうことができる。但し、これ
らのことは必ずしも必要な事柄ではなく、その
他、本考案は上記し且つ図面に示した実施例にの
み限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範
囲内で適宜変更して実施し得る。

以上、要するに本考案は、釜とこれを熱する炊
飯用のヒータ並びに前記釜の温度変化により炊飯
の完了を検知して前記ヒータの発熱を停止させる
様に動作する熱動スイツチ機構とを具備する他
に、前記ヒータを発熱させるセツト操作を受けて
から前記熱動スイツチ機構が動作する前の一定時
間後に該ヒータの発熱を停止させ更にその一定時
間後に該ヒータを発熱させる様に動作するタイマ
ーを具備せしめて成ることを特徴とするものであ
り、以て玄米をしつとり美味しく炊くことができ
るという著効を奏する炊飯器を提供し得るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものにて、第
１図は全体の縦断側面図、第２図はスイツチカバ
ー部分の正面図、第３図は電気回路図、第４図ａ
はタイマースイツチのタイムチヤート、同図ｂは
ヒータの電力量変化図、同図ｃは外釜の温度変化
図である。 図中、３は炊飯用のヒータ、５及び５ｓは熱動
スイツチ機構及びスイツチ本体、６は釜、９及び
９ｓはタイマー及びそのタイマースイツチであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 釜とこれを熱する炊飯用のヒータ並びに前記釜
   の温度変化により炊飯の完了を検知して前記ヒー
   タの発熱を停止させる様に動作する熱動スイツチ
   機構とを具備する他に、前記ヒータを発熱させる
   セツト操作を受けてから前記熱動スイツチ機構が
   動作する前の一定時間後に該ヒータの発熱を停止
   させ更にその一定時間後に該ヒータを発熱させる
   様に動作するタイマーを具備せしめて成ることを
   特徴とする炊飯器。