JPS6131895Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のフロントウインドの下部に装
着するウインドモール及びカウルグリルの取付構
造に係るものである。

従来、第１図及び第２図に示すように、フロン
トウインド１の下方周縁部を覆うウインドモール
２のフランジ部２ａをビス３にてカウルパネル
（内板）４の後端部４ａに取付け、その後、この
ウインドモール２の立面部２ｂに穿設した穴２ｃ
に嵌着したプロテクタ５にカウルグリル６の後端
部に設けた爪部６ａを挿入し、次にカウルグリル
６の前端部をカウルパネル４の前端部４ｂにフア
スナ７でボンネツト８のシール部材９と共に固定
する取付構造が知られている。

この構造では、第２図に示すようなウインドモ
ール２を形成するためには、まず素材をロール加
工でもつて、第１図に示す断面を車幅方向に連続
して有するものを形成し、その後フロントウイン
ド１の前部曲率に合致した型具でもつてロール成
形したものを曲げ、最後に立面部２ｂに適当数の
穴２ｃを穿設すると共にフランジ部２ａを適当数
残すために、プレス加工でもつて曲げ加工したも
のの孔明けとトリミングを行なわなければならな
いものである。一般にウインドモールはロール成
形したものを曲げれば足りうるものであり、この
取付構造のウインドモールはプレス加工を追加し
なくてはならず、さらに、フランジ部２ａと立面
部２ｂとの材料幅が大きいため、加工性が悪く、
コストアツプを免がれないという問題があつた。

また、ウインドモール２とカウルグリル６との
直接当接を防止するためのプロテクタ５が必要で
あるという欠点があつた。

本考案は上記の欠点を除くために、内板に固定
される合成樹脂製の取付クリツプにモール係止部
とグリル挿入部とを夫々独立して設け、このモー
ル係止部にウインドモールを取付ける一方グリル
挿入部にカウルパネルを取付けるようにしたもの
である。

以下、本考案の実施例を第３図から第６図に基
いて説明する。

第３図及び第４図に示す第１実施例において、
１０は車体内板としてのカウルパネル１１とダツ
シユパネル１２とで形成されるフランジ部に接着
剤１３で接着されるフロントウインドであり、１
４は接着剤１３のはみ出しを防止するダムであ
る。１５はフロントウインド１０の下方周縁部を
覆うウインドモール、１６はフロントウインド１
０の下部前方に装着されるカウルグリルである。
１７はウインドモール１５の下端部１５ａが係止
される係止部１８とカウルグリル１６の後端部１
６ａが挿入される挿入部１９とを有する合成樹脂
製の取付クリツプである。この取付クリツプ１７
は、フロントウインド１０の接着面と同一傾斜を
有するカウルパネル１１に穿設した穴に嵌着され
る脚部２０に設けた孔２０ａにビス２１をねじ込
むことによりカウルパネル１１に固定される。

この取付クリツプ１７は第４図に詳細に示すよ
うに、後端中央部に直立（起立）するフツク部１
７ａと、後端両側から前方へ伸び該該フツク部１
７ａより低い第１突起部１７ｂ，１７ｂと、この
第１突起部１７ｂ，１７ｂに連続して前端まで伸
び該第１突起部１７ｂ，１７ｂより低い第２突起
部１７ｃ，１７ｃと、該第２突起部１７ｃ，１７
ｃの幅方向略中央部に該取付クリツプ１７をカウ
ルパネル１１に取付けるビス（取付部材）２１が
貫通する孔２０ａを有し該ビス２１の頭部が着座
する凹状の着座部１７ｂとから成り、このフツク
部１７ａと第１突起部１７ｂ，１７ｂの背面とで
係止部１８を形成する一方、第１突起部１７ｂ，
１７ｂと第２突起部１７ｃ，１７ｃとの境すなわ
ち、第１突起部１７ｂ，１７ｂの基部から奥へ所
定距離の切欠きを設けて挿入部１９を形成してい
る。

このように構成した本考案によりウインドモー
ル１５とカウルグリル１６とをカウルパネル１１
に対して取付けるには、先ずカウルパネル１１に
取付クリツプ１７をビス２１により固定し、次い
でウインドモール１５の下端部１５ａを取付クリ
ツプ１７の係止部１８に係止させた後、カウルグ
リル１６の後端部１６ａを取付クリツプ１７の挿
入部１９に挿入させ、最後に具体的に図示してい
ないがカウルグリル１６の前端部をカウルパネル
１１の前端部にフアスナ等で固定するようにして
いる。

そして、第３図に示しているように、カウルグ
リル１６の後部とウインドモール１５の前部とは
互に接触しないように両者間に間隙が形成されて
いる。

このように構成とすることによりロール加工と
曲げ加工とで成形したウインドモール１５を用い
ることができるため、加工性を向上でき、従来構
造に比較してプロテクタ分の部品点数を低減する
ことができ、コストダウンを図ることができる。

また、係止部１８と挿入部１９とを夫々独立し
て設けた取付クリツプ１７にウインドモール１５
とカウルグリル１６とを取付けるため、ウインド
モール１５とカウルグリル１６との間隙を精度よ
く管理することができる。

また、カウルグリル１６の後部とウインドモー
ル１５の前部との間に間隙が形成されているた
め、両者が互に接触し、振動音を生じるのを防止
することができる。

さらに、本実施例によれば、ウインドガラス１
０の接着面と同一傾斜を有するカウルパネル１１
に取付クリツプ１７を取付けるため、フロントウ
インド１０とウインドモール１５とカウルグリル
１６との折り合いを良くすることができる。

つぎに第５図および第６図は本考案の第２実施
例を示し、取付クリツプ１７′が第１実施例のも
のとは異なり、フロントウインド１の接着面とは
所定の角度を有するカウルパネル１１′にビス２
１′により取付けられているが、第１実施例同
様、この取付クリツプ１７′はビス２１′を脚部２
０′に穿設した孔２０′ａにねじ込むことによりカ
ウルパネル１１′に固定され、そしてウインドモ
ール１５の下端部１５ａをフツク部１７′ａと第
１突起部１７′ｂ，１７′ｂで形成される係止部１
８′に係止させ、カウルグリル１６の後端部１６
ｂを、第１突起部１７′ｂ，１７′ｂと第２突起部
１７′ｃ，１７′ｃとの境から奥へ設けた挿入部１
９′に挿入することにより、ウインドモール１５
とカウルグリル１６とをカウルパネル１１′に対
して取付けるようにしている。

この実施例においても、加工性を向上できると
ともに、部品点数を低減することができる。

また、ウインドモール１５とカウルグリル１６
との間隙を精度よく管理することができる。

以上説明したように本考案によれば、カウルパ
ネルに取付けた取付クリツプにウインドモールの
下端部を係止する係止部及びカウルグリルの後端
部を挿入する挿入部を設けるという簡単な構造で
もつて内板に対してウインドモール及びカウルグ
リルを取付けることができ、加工性が良好でかつ
部品点数の少ない取付構造とすることができる。

また、モール係止部とグリル挿入部とを夫々独
立して設けた取付クリツプにウインドモールとカ
ウルグリルとを取付けるため、この両部品の隙間
を精度よく管理することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来構造を示し、第１図
は、側面図、第２図は第１図の取付を示す斜視
図、第３図から第６図は本考案を示し、第３図は
第１実施例の断面図、第４図は第３図に用いる取
付クリツプの斜視図、第５図は第２実施例の断面
図、第６図は第５図に用いる取付クリツプの斜視
図である。 １０……フロントウインド、１１，１１′……
カウルパネル、１５……ウインドモール、１６…
…カウルグリル、１７，１７′……取付クリツ
プ、１７ａ……フツク部、１７ｂ……第１突起
部、１７ｃ……第２突起部、１７ｄ……着座部、
１８，１８′……係止部、１９，１９′……挿入
部、２１，２１′……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントウインドの下方周縁部とカウルパネル
   の後端縁部とを固着する一方、該カウルパネル上
   面に合成樹脂製の取付クリツプを取付けるととも
   に該取付クリツプにカウルグリル後端部と断面略
   Ｃ字状のウインドモールとを取付けたウインドモ
   ール及びカウルグリルの取付構造において、上記
   取付クリツプは、後端中央部に起立するフツク部
   と、該フツク部の両側から前方に伸び該フツク部
   より低い第１突起部と、該第１突起部の基部から
   連続して前端まで伸び該第１突起部より低い第２
   突起部と、該取付クリツプをカウルパネルに取付
   ける取付部材が貫通する孔を第２突起部の幅方向
   略中央部に形成した凹状の着座部と、第１突起部
   の基部に前方から後方に所定距離切欠いて形成し
   たグリル挿入部とを有する一方、第１突起部の背
   面と上記フツク部とでモール係止部を形成し、該
   モール係止部にフロントウインドの下方周縁部を
   覆う上記ウインドモールの下端部の係止するとと
   もに上記グリル挿入部にカウルグリルの後端部を
   挿入する一方、上記カウルグリルの後部とウイン
   ドモールの前部との間に間隙を形成したことを特
   徴とするウインドモール及びカウルグリルの取付
   構造。